2016/08/23 のログ
”マネキン” > 【二人の様子に視線を向けて、帽子をかぶりなおす。
そのほかには微動だにしない。】

私の…言えたことではないだろうが。
幼気な少女を唆すのはやめたほうがいい、と忠告しておく。
たとえ今まで、君の周囲には君より年上しかいなかったのだとしても。

なに。
怪我をした、ような気がしてね。

【帽子の男が顔を伊都波悠薇の包帯を巻いた手首に向ける。】

これは独り言だが。
共生者にとって一番の損失は、宿主の生命の危機だ。

私の意思ではないけどね。

(さて、どう言う言い方をすれば、より彼女を追いつめられるだろうか。)

【帽子を深くかぶりなおす。】

エアルイ > 「…………ぐぅるる……」

撫でられるまま、動かされるまま、ベッドの上にしっかりと腰掛けて……
そのまま、長大な尾が所在無さげに揺れる。

自分は幼いと、そういわれることは多かった。
ただ――言葉にせずとも、そうであると扱われたことが……
その方が、どうしてだか中に響いていた。

「…………」

目の前に現れた人影。
姿は違うが、違っているが、同じとわかる。

それは、前に会ったことがある。
今も腕に巻きついている、銀のアクセサリーと。
『過程を考えて行動するように』と言ったその言葉を。
今も覚えている。

伊都波 悠薇 >  
「――そうですね。少し、年上ぶり過ぎたかもしれません」

ふぅっと一息。

「――誰か、私の中に生きていて。その人が死ぬのは困るんですか? それは大変ですね」

まるで他人事のように話しながら。

「怪我で済んでしまって、残念でしたよ」

けたけたと、微笑み――

「――少し、疲れているんです。話があるなら手短にお願いします」

”マネキン” > 年上ぶっていた?
姉としての振る舞いを君は 知っている と。

【声音のトーンがあがる。】

そう振る舞っていたようには見えないが。
もしそうだとしたら、純粋すぎる彼女は君の鏡移しとなっているはずだ。

君にとっての姉は彼女だろう?

【エアルイさんに近づく。
少女の頭に触れるべく手をかざした。少女に向けて声をかける。】

もう少ししたら、面倒なことになる。
その前に立ち去ることを勧めるよ。

【伊都波悠薇に振り返る。】

そうだね。
大変だ。

怪我で済まなかったら、大変だった。

エアルイ > 伸ばされた手に触れられるまま、項垂れるようにしたままにその手を受け入れる。

「……面倒になる。 悪いこと、か?」

黄色い瞳が――炎と輝かず、どこか不安気に揺れるその瞳が、
マネキンを僅かに見据え――
その尾が、自分を腰掛けさせた悠薇に僅かに触れる。

そこにあるのは、懸念、気遣い、あるいは――

ただ、常ならぬ感情が、そこにあった。

伊都波 悠薇 >  
「……いいえ、私は。そんなに綺麗じゃないですよ」

首を横に振りながら――。
面倒なことと言われれば、怪我したことがなにかに影響するということだろうか。

「腕の一本や二本。蕾が毟り取られた程度、あなたには何も影響ないでしょう?」

ふぅっと息を吐いて。

「――要件は端的に。三回は、言いませんから」

正直、目の前の男性は得意ではない。
話をすると――疲れる。

尾が触れても、そのままの状態のまま

”マネキン” > 【ため息をつく。】

駄々をこねて、泣き喚いて周りが諦め過ぎ去るのを待つのはやめにしにか。

子供の駄々はそれを望んでいるわけじゃない。
反射的な反応で己の世界が打ち崩されることから守っているだけだ。

信用されてはいないのだろうが、
姉とは決別したのだろう?いまさらこれからも私を信用しない理由はないと思うが。

端的に言うとすれば。
利害における信用を結びたい。君が真に望むことを。
利用すればいい。利用されはするだろうが、いまさらそれに抵抗する理由もないだろう?

むしろ、姉が利用されなくなるだけ得じゃないか。

【エアルイさんを撫でる。】

怪我をしたんだろう。
家族にも連絡がいっているはずだ。

彼女の怖い姉が来る前に、ここを離れておいたほうがいいはずだ。
もちろん私も、これでこの場を去るとしよう。

様子を見に来たのと、それを言いに来た。
もし望むのなら、どうしたらいいかは君の脊椎が知っているはずだ。

【エアルイさんから手を離し、病室の入り口の扉の鍵に手をかける。
鍵を開けた。】

エアルイ > 「…………ん」

ちらり、と視線を悠薇に向けてから体を起こすと、
ベッドの上から――片手が動かないので、危うく転げ落ちるようにしつつも――降り、軽く体をゆさぶる。

「…………わかった」

何を話しているのかはわからない。
ただ、自分が興味で入ってきた者だということはわかっている。
腕に巻きついた銀のアクセサリーを小さく鳴らし、尾がゆらりと揺れた

伊都波 悠薇 >  
「いいえ、信用していないわけではありません」

――信用する関係でないだけです。

と告げて――

「利害における、信用? 私が真に望むこと? それをあなたが知っていると?」

――どうなのだろうと、考える。
わかるという。そして共生者という言葉。
もしかしたら、私と彼の一部が、つながっている可能性もある。

――結論は。

「――まぁ、いいです」

ゆっくりと腰をあげる。

「――好きにどうぞ。話だけ、訊きますよ。でも、”凛霞さん”には、変なことしないでください」

外靴を履いて――

ご案内:「常世記念病院」から伊都波 悠薇さんが去りました。
”マネキン” > 推測ならばある。
異能の性質と、周囲の環境、そして行動分析からの推測にすぎないが。

ああ。私から伊都波凛霞に変なことはしない。
いや、異能を考慮すればしたくてもできない、だろう?だからさきほどメリットと言った。
これ以上の確実はないんじゃないか。

(あの超常を伝手に伝言はすでに送っている。
異なる手順、異なる意思で結果として収束する分には問題ないはずだ。)

【”マネキン”も病室を立ち去る。
病室の扉は開けたままにしておいた。】

(まさか、ここであの少女が関わってくるとはな。
何が起こるかわからないものだ。)

ご案内:「常世記念病院」から”マネキン”さんが去りました。
エアルイ > 「…………」

二人がその場を後にして――
扉が開け放たれたままになった病室を、少し見回して。

しばらく何かを考えて――やがて、その場を後にした。
去っていった後には……病室の荷物がいくつか、何故かなくなっていたという。

ご案内:「常世記念病院」からエアルイさんが去りました。