2020/06/18 のログ
紅月 純 > 「何もしてない時だからこそ動いてたときの意味を見つけ、今後に活かすもんなんだよ、きっと」

彼女を降ろしたあと、変な答えが飛んできたので思わず転びそうになった。

「そうかそうか、フォーはそういうやつなんだな。
手合わせだ手合わせ。殺しを無しで寸止めで勝敗決める戦い、試合。
で、どーする」

頭を抱え、エロロボォ!!!と叫びたくなるのを必死にこらえながら返答を伺う。

フローレンス・フォー > 「何もしていない時だからこそ動いていた時の意味?
そういう物なの?」

何もしていない時はメンテナンス、動いているときは戦争、それが当たり前だったAIには少々難しい話、それを完全に理解するのはまだ先そう。

「そう言う奴ってどういう事?
手合わせ……摸擬戦の事ね。
オーケーオーケー、それでやりましょう。獲物は…なし?」

戦場じゃないから殺しはなし、その理屈は判ると何度も頷き。
それはそれで楽しい、そうしようと笑みを浮かべて同意をする。

紅月 純 > 「色々やってりゃそのうちわかる」

さて、と息を吸って、バットを脇に投げる。

「獲物は無し。自分の体だけだな。……こっちは戦いがメインじゃねぇから、期待すんなよ」

そこらのチンピラとは少し違う、半身で背を低くした、人型の獣のような構え。

フローレンス・フォー > 「そう言う事ならこれからも色々とやって見るわ」

それで判るならきっと楽しみが増える。
楽しみが増えるならやる価値があると嬉しそうに。

「ワタシの身体は機械だから遠慮はいらないわよ。そこは身体を動かせればいいの。
…壊したらファミリアに怒られるかしら」

バットを投げ半身で背を低くした構えを見れば、右腕を掲げ左手は下。
本来はナイフを使う構えを取り、彼に向けて一気に距離を詰め掲げた右腕を振り下ろし首筋を狙って。

紅月 純 > 「ああ、作り主はそりゃあいるk」

会話が途切れ、空気が張り詰める。
彼女の急襲、右腕に反応し前方の手はガードに使い。

次の手を与えまい、と、そのまま踏み出して近距離からのヘッドバット、膝蹴りを試みる。

フローレンス・フォー > 話すという事は本当に楽しい事。
しかしその思考は戦い、無手白兵戦のモノへと切り替われば目は細くなり。

振り下ろした腕をガードされれば直ぐに腕を引き拳を握りしめ一歩踏み出し。
しかしその同時に踏み出した近距離型のベッドバッドを額に受け一瞬意識の空白。
すぐさまサブシステムがAIを再起動させ膝蹴りには膝蹴りで迎え撃ちガード。
そしてその足でハイキックを狙い振り上げる。

紅月 純 > 片腕はガード
頭突きは命中。
片足は相殺。
空いているのは片腕片足で、ここから姿勢を直すには時間が足りない。

ので、ハイキックを側頭部に直撃させた。
歯を食いしばり、目を全快まで開き、意識を持ったまま彼女を見つめる。
これでリソースはリカバリー。

空いている後ろ側の腕で彼女の足を掴み、両足で踏みしめ、こちら側へ体制を崩して倒させようと。

フローレンス・フォー > 白兵戦のデータは存分にあるが無手という条件は履歴を見返しても回数は殆どない。
その為にナイフ戦闘の亜流で挑んだが彼の方が上手か初撃は防がれ逆に攻撃を受ける。

「…やるわね……」

彼の側頭部、足を振り上げた姿で肝心するように口にし。
見つめる彼をまっすぐに見返し軸足に力を籠めこのまま振り切り蹴り倒そうするが……。

その足を彼に捕まれ押し返すではなく引かれ、脚に込めていた力のせいでバランスを取り切れずに引かれバランスを崩し倒れ込んでいく。

紅月 純 > 姿勢を崩して倒れこむ彼女を地面に追い込むべく、重心をずらし、上下を入れ替える。

だが、相手はアンドロイド。
すぐに復帰するだろうと、
確実にダメージを与えるため、足を掴んでいない腕を胸に押し付け力を加えようとする。
体重を乗せて叩きつける形を狙った。

フローレンス・フォー > <オートバランサー起動>

姿勢を崩され倒れ込む身体を無理やりにでも支えようとバランサーを起動。
一瞬はバランスを取り戻しかけるが重心をずらし上下が入れ替わると逆に倒れる速度が加速。

脚を掴まれ胸に腕を押し付けられたまま地面にたたき詰められてしまう。
ここで一つ予想外の事態が、元のボディならばこの程度はダメージにもならない。
しかし今のボディは元よりは強度に劣るもので、体重を乗せられた叩きつけに感覚センサーの数値が跳ねあがると同時にAIが衝撃で一瞬のフリーズ。
直ぐには復帰できずに抑え込まれてしまうことに。

紅月 純 > 無事倒せたことを幸運に思いながらも、まだトドメがきまったわけでない。

(ここから仕留めるには)

片腕は足、もう片方は胸に使っているため残るリソースは両足と胴と頭。
反撃を防ぐために彼女の足に組ませ、トドメとして再度ヘッドバットの構え。

「……反撃が少なかったことに驚いたが、降参は」

フローレンス・フォー > 倒されてしまい彼に抑え込まれている姿。
片脚を抱えられ胸に張腕を乗せられている。

関節を外すなどをすれば拘束を解き反撃を出来る。
しかしこれは実戦ではなく摸擬戦、訓練なのだから無理は必要ないと判断し。

「喧嘩殺法だったかしら?完全に動きが予想外だったのよ。
これは訓練だもの……降参でいいわ」

命のやり取りじゃない、だからと彼に降参を告げ。
以前なら動けなくなるまでやっていたが…少しは成長しているのだろうか。

紅月 純 > 「戦えないヤツが、必死に生き残るための悪あがきだ。
無手のケンカはともかく、モノホンの戦場じゃぁな」

降参の言葉を受け取ったので、離れようとする。

…………。

まず、掴んでいた足を離し、次に組み付いた足を解き、最後に手をどけた。

深呼吸し立ち上がりながら、

「少しは気が紛れたか?」

と何もなかったかのように問う。

フローレンス・フォー > 「ワタシはそんな悪あがきは嫌いじゃないわね。
凄く輝いてる物。えぇ、これでおしまい」

脚を開放され、胸に乗っていた手がどけば艶のある吐息を吐き。
座り直し衣服の乱れを直せば立ち上がり。

「今日の所はまぎれたわ。純、ありがとう」

彼の問いかけに明るい色で応えて。

紅月 純 > 「ぉぅ」

諸々を考えないようにしつつ、バットを拾いにいく。
彼女の答えにホッとし、

「そいつはよかった。が、次があって欲しくねぇな……
手を打たれて勝ち星が取れそうにねぇし」

と、口の端を上げる。

「じゃ、俺はこれで」

特に用がなければ、バットを担いで大通りに向かうだろう。

フローレンス・フォー > AIの思考全てがハイになるような戦闘ではなかったが満足感に満たされ。
負けたとはいえ表情は明るい物になり。

「勝ち逃げは許さないわよ、また戦うからね?
折角だし途中まで一緒に行きましょうよ」

バットを拾っては担ぎ大通りに向かう彼を追いかけ途中まで共に歩き、その後別れてどこかへと…。

紅月 純 > 「負け続きになるなら勝ち逃げさせてくれ……」

明らかに半目で嫌そうに言ってみる。

しばらくは彼女に歩幅を合わせ、自分の寝床へと帰っていった。


…………。


「……授業、出てみるか」

ご案内:「落第街大通り」から紅月 純さんが去りました。
ご案内:「落第街大通り」からフローレンス・フォーさんが去りました。
ご案内:「落第街大通り」に水無月 斬鬼丸さんが現れました。
水無月 斬鬼丸 > 「いただきまーす」

ここは落第街大通り。
きらびやかな街灯に照らされる夜の街。
その目抜き通り。怪しい露天の只中に、一軒の屋台。

『常世島ラーメン・鬼無双』

というのれんを掲げていた。
常世島ラーメンってなんだよ…というツッコミはだれしもが思うところだろう。
常世島で食えるラーメンなんだから…まぁ…うん。

偶然、客は少ない時間帯のようで、店には一人。
とんこつラーメンをすするにはちょうどいい。
気兼ねなく食える。

水無月 斬鬼丸 > ぞぞぞぞーっと小気味のいい音を立てて麺をすする。
太めの縮れ麺にやべぇくらい濃いスープが絡みに絡んで
濃厚な味わいを醸し出している。
大人や子供といったものであれば、こすぎる味だと思うだろう。
だが、育ち盛りだったり遊んだり部活で疲れた学生にはこれが効く。
心の中のワイルドさがこれを求めていたのだと納得できる一品だ。
更年期の方は食べてはいけない。少なくともスープを完飲してはならない。
チャーシューの量も学生のために少しサービスされており3枚。
チャーシュー麺でもないのに3枚。

「んぅー…」

もっきゅもっきゅと咀嚼する。
この濃厚なタレにまみれた肉の味。
中高生男子にはたまらないものがある。
だが、こいものばかりではさすがの中高生男子であっても胸焼け必至…
そこで更にトッピングとして添えられているネギ…
程よい歯ごたえは気を紛らわせてくれる。

水無月 斬鬼丸 > そう、紛らわせてくれる。
根本的な解決には基本的にはならない。
だってスープそれなりに吸ってるから、味はまぁ、濃い。
ネギの味もあって多少は和らぐかもしれないが、あくまで多少だ。
ではどうする。

「…っ、…っ…ぁーーーー」

水を飲む。あたりまえだよなぁ?
一瞬で殻になったグラスに水を注ぎ
さいどラーメンに挑む。

ぞるるるるるるる……

やはりゲーセン帰りに食べるラーメンは濃い味がいい。
麺をすすり終えるとため息を付いて、レンゲでスープを掬う

水無月 斬鬼丸 > 今日は誰にも会うこと無く
なんの不幸もなく
なんの理不尽もなく
大きな幸運もない。
普通の日だった。
だが、この島に来てからそういう日のほうが貴重だと気づくことができた気がする。

こうやって静かにスープを飲む。
実はそれは得難い時間なのでは?
怪異、異能者、変人、異世界人…色んな話をここではよく聞くが…
ここでこうやって食べているラーメンは、なんてことはない
普通のラーメンだ。

ご案内:「落第街大通り」に萌良 さだめさんが現れました。
萌良 さだめ > (暗がりの中に、乾いたヒールの音が響く。
 颯爽と屋台に現れたのは、女児的なものであった。
 「戒魔」の腕章を見ると一瞬店主の表情が固くなる。
 それに答えるように眼を向けながら、飛び乗るようにして椅子に座った。)

そう怯えるなよ。 今日はガサ入れじゃないんだ。
いつものを頼むよ。
(事も無げに店主に語ると、若干ぎこちない仕草で店主はラーメンを作り出す。
 そうしている間に髪の毛をほどき、ポニーテールの形にまとめ直す。
 腕まくりをして、ゆっくり深呼吸。 隣でラーメンを啜っている男子を見ると、
 ニヤリと笑った。)

面白いもん見せてやるよ。
(まるで、子供か妖精がこれから悪戯でもするかのような、そんな笑顔。
 ぐっと親指を立てるようにして、”なにかある”ことをアピールしてみせる。)

水無月 斬鬼丸 > 平和とラーメンを噛み締めていた。
だが、それはつかの間の平和だったようで…
少女がひとり現れれば、店主はなにかに怯えるような目をした。
一体何だというのか。隣に座る女の子…?のなにが怖いのか。
ちらりと視線を向ければ見慣れない腕章が目に入る。なんだ?あれ…

「……」

ずずず…ラーメンを啜りつつ横目で少女を見ていた。
少女はなにやら荒めの口調で注文をする。
見た目とは裏腹…まぁ、この島の女子を見た目で判断してはいけないが。
髪をまとめ直し、いつものといってるあたり…この屋台にはよく来るらしい。
物珍しそうに見ていると…目があった。
なに?わらった?なんで?

「え?面白い…?」

初対面で、いきなりそんなことをいわれれば戸惑うもの当たり前。
不思議そうに彼女の方に横目ではなくはっきりと顔を向けて首を傾げた。

萌良 さだめ > (不思議そうにする少年の前を、一瞬影が横切る。
 そして――― 影の主たる”塔”がそびえ立った。
 否、ラーメンである。 3玉は入るような大型のそれに、花弁めいた焼海苔が全周に広がっている。
 このラーメンを塔たらしめているのは、何枚ものチャーシューが寄木細工のように身を寄せ合い、
 1mほどの高さまで達している、その様子にあった。)

あげる。 ここのチャーシューうまいよ。
(まだ使っていないお箸を塔の先端に伸ばす。
 3枚ほどチャーシューを取り出すと、彼の丼にそっと入れた。
 ラーメンに向き直り、両手を合わせる。)

おっし……いただきます。
(微かに蠱惑的な響きを伴うご挨拶のあと、猛然と食べ始める。
 チャーシューの塔を崩すと、中から出てくるのはラー油が絡んだ刻みネギである。
 それをお箸で削るようにしてスープに落とし込み、麺と一緒にすする。
 小さな口が、手がちょこまかとせわしなく動くたびに、少年の目の前で”塔”が高さを失って行くのだ。)

水無月 斬鬼丸 > 「え……」

この少女が何かをやるのかと身構えていた。
その意識の外。
そのただならぬ気配…まるで、大きな質量を持つものには重力が生まれるかのように…
感じた。気配を。目の前の小さな少女を注視していられない。
そして見た、それを。
言葉など…当然出なかった。なんだ?あれ。
ラーメン?なのか?シャーシューの塔を中央にたたえた謎のオブジェが少女の前に置かれる。
少女が数枚、塔の建材を引っ張ってきてこちらのどんぶりへと入れた。
視線を落とせば…チャーシュー。普通のチャーシュー。
ここでようやく、あれが『面白いもの』であることを理解できた。

「なんだ…これ………あ、は、え?ど、どうも…」

当然のように言葉を失っていたが
少女の言葉、そしていただきますの声にようやく声を取り戻す。
うまいのはしってる。自分も何枚か食った。
だが、こんなものがあるとは…予想外にもほどがある…
しかし、それだけで終わらないのがこの島で、彼女のいうおもしろいもの…
その真骨頂が目の前で繰り広げられることになろうとは…

「え、え、え、まじか…」

塔が消える。消失マジックもかくやといわん速度でだ。
自分が凝視してる間に…ラーメンが。
まだもらったチャーシューの二枚目も食ってないというのに…。

萌良 さだめ > (電動鉛筆削りに鉛筆を突き入れるが如く、塔がてっぺんから消失していく。
 土台であるはずの麺も同時に食べているはずなのに、塔は揺れたり倒れたりせず、
 しずしずとスープに沈んでいく。 絶妙なバランスコントロール上に成り立つ芸当であった。)

まだこの島には慣れていないようだな、少年。
なにか目的があってのことでないなら、落第街を歩き回るのはやめたほうがいい。
権謀術数渦巻く無法の地だ、気がつけばどんな悪行に加担させられているかもわからんぜ。
(呆然とする少年には視線を向けず、目の前のラーメンを見つめつつ語りかける。
 喋り終えてから、真摯な表情で彼の方に向き直る。
 唇にスープが跳ねていることに気づくと、小さな舌を出してぺろりと唇をなめた。)

まあ、俺はここのラーメン食べに来るんだけどね。 うまいから。
(なんかいいこといった顔で再びラーメンに向き直る。 塔はすでに七割ほど背丈を失っていた。
 ラー油ネギの層が終わって、現れるのは高菜とキクラゲの層である。一気に砕き、スープに混ぜていただく。
 高菜の辛さと風味、キクラゲの食感、チャーシューの脂と肉、そして麺とスープ…。
 渾然一体となったうまさが口の中に広がる。 思わず眼を細めた。) 

水無月 斬鬼丸 > いや、その食い方はないやろ。ちがう、そのなくなり方はないやろ。
実際目の前で起きている事象だが、否定したくなる気持ちもわかってほしい。
そしてそれを行っているのがラーメンの塔のふたつ分の身長もない少女であるということだ。
どこに収まってんだあの量が。
唖然呆然、2枚目の貰い物のチャーシューを箸で持ったままその異様な光景を見ていたのだが…
ラーメンを消費していた少女が不意にこちらを向く。

「ひっ」

え?なに?食われるの?
と、思わず情けない声を上げてしまったがそうじゃないらしい。
なんか、注意されてる?ラーメン食ってる少女に?なんで?
いや、言いたいことはわかるが…

「え、は、はい…どうも…キミ…いえ、貴女は…いったい…」

視線を向けられると思わず肩が跳ねる。
見た目は少女だが、タメ口ではいられない雰囲気。
小さな舌は少女のそれなのに…。
自分は確かに目的はなかったが…彼女はなんのため?
その腕の腕章に関係しているのだろうか?風紀でも公安でもない…見たことないものだが…

「…えぇ…」

などと思っていたのに…ラーメンを食いに来ただけなのだろうか?
確かに美味いが。
ボーッとしていただけだと言うのに、1メートルの塔がいつの間にか消えている。
はっ、俺もラーメンを食わなければ!

萌良 さだめ > (丁寧にラーメンを食べ終えてから、器を両手でしっかと掴み、そのままぐいと傾ける。
 細い喉が静かに動くたびに、丼の底に残った具材とスープが消えていった。)

…ふう。 ココのラーメンはうまいが、ガッツリ働いたあとだと抜群だな。
(器をそっと置いてから、店主に告げる。 店主はえらい恐縮した態度で頭を下げた。
 少年の問いかけににっこりと笑顔を向けると、ポニーテールに手をかける。
 金色の髪をほどきながら、ぶるりと頭を揺らした。)

俺は萌良(もいら)さだめ。 よろしく。 10年ぐらいここにいるから、君より先輩だと思う。
同じチャーシューを食べた仲だ、なにか困った事があったら相談してくれ。
(年齢、性別、所属の記載がある学生証を掲げて見せる。
 すました表情でコップを掴み、水をぐいっと飲み干して息を吐いた。)

水無月 斬鬼丸 > 彼女からもらった3枚のチャーシューを食い終わる頃には
彼女はラーメンの九割を食べ終え、スープに始末に取り掛かっていた。
結局、自分が食べ終わったのは少女が完食し、髪を解いたその後だ。
面白いもの…確かに一側面からみたらそうかもしれない。
催眠術とか超スピードとかそんなちゃちなものじゃないもっと恐ろしい片鱗を味わった気分ではあるが。

「あ、ありがとうございます。
えーっと、水無月斬鬼丸…1年、で…え?10?なに?」

店主の様子。只者ではないように思える腕章。
男性めいた自信あふれる口調。
なにかあるとは思ったが…いまなんていった?
思わず自己紹介を返してから間抜けな声が出た。

萌良 さだめ > ン? うん。 はい、これ。 ミスプリントでもなんでもないから、安心してくれ。
(彼の不思議そうな態度に逆に不思議そうに首を傾げてから、学生証を差し出す。
 年齢は22歳。 男性。 公安委員会戒魔局。 何もおかしいところはないはずだ。)

水無月くんか、覚えたぞ。 この辺りは俺が巡回していることもあるからな。
見つけたらコラッっていうから、覚えておいてくれよ。
(ワハハ、と元気よく笑いかける。 店主も釣られるような形で、若干ぎこちなく笑った。)

さて、食べるだけ食べたし、また見回りいってくるかな。
(端末を取り出して何かを確認。 なるほど、と小さくうなずいた。
 落第街はルールに縛られない生徒が集う。 魔術とて然りだ。
 禁呪に関しての使用、あるいは安全を無視した危険な魔術…
 それらを監視して抑え込むのも仕事の一つであり、そのための見回りなのだ。)

水無月 斬鬼丸 > 「にじゅうにさい、だんせい」

お前は一体何を言っているんだ。
仮にも先輩でなければ真顔でそう言っていたところだ。
誰かの学生証を拾って使ってる…と言われたほうがまだ信じられるのだが…

視線を店主に向ける。
すげぇ苦笑い。
ぁぁ、うん、ほんとなんだな…。

「お、お手柔らかにお願いします…」

奇しくも、店主と同じような笑顔になってしまった。
初めて彼と遭遇し、それを知れば誰だってそうなる。

「おつかれさまです…えーと…モイラ先輩?でいい、ですかね?」

掛ける言葉も遠慮がち。
だが、見回りに向かうという彼j…彼の雰囲気は出来る先輩といった感じだ。

萌良 さだめ > 人じゃないものの血が入ってるんで成長が遅いんだ。
年齢に関しては…確かに、そうは見えないと思うけど。
(全否定と言わんばかりのものすごい勢いで店主は首を横に振った。
 それを無視しつつ、少年に呼びかける。
 相手からの挨拶に、うむ、と満足げにうなずいた。)

名前でいいよ。 名字はなんか恥ずかしい。
お代はここに置いておくよ。 それじゃあ。
(元気よく椅子から降りると、少年と店主に手を振る。
 元気よく駆けていくヒールの音が遠ざかっていった。)
 

水無月 斬鬼丸 > 「あ、そうなんす…か……ぁ…?」

納得仕掛けた。
だが、視線を上げると店主がめっちゃ首振ってる。
しかし、ここで彼の嘘を指摘するほど肝は太くないし
店主のイロイロを守るためにも突っ込まないほうがいいだろう。

「えっと…じゃあ、さだめ先輩…ってことで…
あ、はい、いってらっしゃいっす」

去っていく先輩。
年齢らしからぬ元気の良さだ。
去っていったあと、店主と顔を合わせ、乾いた笑いを共有し
そして、一緒に肩を落とした。

ご案内:「落第街大通り」から萌良 さだめさんが去りました。
ご案内:「落第街大通り」から水無月 斬鬼丸さんが去りました。
ご案内:「落第街大通り」に角鹿建悟さんが現れました。
角鹿建悟 > 学園側からは、表向きは歓楽街の一部、とだけされ存在しない扱いされている落第街…及びスラム。
だが、そんなのはただの直し屋には関係が無い。場所が何処だろうと相手が誰だろうと。
一度、依頼を正式に引き受けたのならば、何であれ最大限の努力をして必ず直す。


――PM:22:03――

「――【親方】、現着しました…今から依頼に取り掛かります。…ハイ、30分くらいあれば滞りなく。
一応、風紀の方にもしもの時の”護衛”は頼んでいますが、まぁ来ないとしてもそれはそれで」

片耳に付けたイヤホン型の特殊インカムにて親方――自分が所属する修繕専門の部隊の長と通信中。
今回の依頼先は落第街の大通りの一角。何でも何処かの違反組織か部活か知らないが、少し”モメた”末に一部店舗に被害が生じたらしい。

どういう経緯で、一応は生活委員会の傘下に当たる自分達に依頼が届いたのか…それは正直、どうでもいい。

(――さて、壊れた箇所は外壁と屋根の一部…窓も数枚割れてるな)

ザッと検分した限り、思ったほどに被害は少ない。あくまで余波で破損した、という感じだ。
だが、仕事は仕事――手を抜かずきっちりと。物に善悪は無い。必ず直す。
軽く、自身の頬を両手でパンッ!と叩いて気合を入れてから作業開始だ。

ご案内:「落第街大通り」に園刃華霧さんが現れました。
角鹿建悟 > 「――さて。まずは」

再現投影――自動再生(リバース・ビジョン――オートモード)。
魔術でこの店舗の壊れる前の状態を仮想映像として目の前に出現させる。
いわゆるホログラム的なそれに近いが、れっきとした魔術の一種である。

(……材質――把握、内部構造…は、こんなもんか。後は――)

と、一通り魔術で損害箇所の諸々の情報を頭に叩き込む。じっくり見逃しは無いように…だが、無駄な時間は掛けずに手早く。
精密操作が必要なこの魔術は、扱える者は何人もいるが精密操作となるとこれが地味に難しい。

「――接続遮断(チャンネル・ロック)…さて。」

魔術を解除すれば、首や肩をコキコキと軽く慣らす。そして外壁の一部に右手を無造作に触れさせて。

(さぁ、今直してやるからな)

物に語りかけるように…勿論、口に出したらただの変な奴だから心の声で。
異能を発動すれば、男が手で触れた箇所を基点にゆっくりと破損した外壁を始め、割れた窓や吹き飛んだ屋根の一部が”巻き戻るように”復元されていく。

「………。」

無言。生憎と仕事中に独り言の趣味はないし、自分で気が散るから論外だ。
黙々とやるべき仕事をこなしていく…7割ほどは滞りなく修復完了。あと3割。

園刃華霧 > 「チーッス。毎度おなジみ、風紀屋さンでース。
 あ、此処が現場? マジ? え、邪魔?」
様子を見守っている店舗の主人の横から入ってくる人影。
やたら軽いノリであった。
遠慮会釈なくズカズカと現場まで近づいてくる。

「ン―……なーンだ、思ったヨか全然無事じゃン。
 よ、大将! どンなモンなん、こレ?」
店舗前で検分していた男に、コレまた軽い調子で話しかけた。

角鹿建悟 > (うるさい、話しかけるな気が散る…!)

と、そちらに顔を向ける余裕は無いので、ひたすら能力で修復作業中。
これが先輩や親方達なら、会話をしながら修復も朝飯前なのだろうが…新入りの自分はまだまだ未熟。

雑念に惑わされないように、彼なりに耐えつつ能力行使中…あと、2…1割…終わった…!

「……ふぅ。…たった今修復が終わった所だ。…アンタは…頼んでいた風紀の護衛――」

役、と言いかけた所で額の鉢巻に目が止まる。罰当番…?意味が分からん。
思わず真顔でその鉢巻を眺めていたが、直ぐに頭を振って一息。店舗に関しては、新築とはいえないが元の状態にまできっちり復元しており。

園刃華霧 > 「ワー、やっバ、マジか。スルー?
 アタシ、空気? とユーか、スベってル?
 ちょっトー、ネ―」
作業を止めず、ただただ集中する男にわちゃわちゃと騒ぎ続ける女。
実際メイワク。

「そソ。風紀屋さンの護衛派遣サービス。ヨろよロ!
 と言ってモ……ン、これ、終わっタん?」
そもそもそんなサービスは存在しない。
口からでまかせもいいところである。
だが、女はへらへらと陽気な態度でいいきった。

角鹿建悟 > 「…無視した形になったのはすまんが、修復作業中は会話をする余裕がないんだよ。俺はまだ新入りの未熟者だから」

と、ぶっきらぼうに答える。顔は無表情で口調もそっけない。愛想?そんなモノはガキの頃に捨ててきた…今もガキに変わりはないのだけど。

「…護衛派遣サービス…は、兎も角だ。その額の鉢巻の…罰当番?と、いうのはどういう事だ」

と、人差し指で風紀の少女の鉢巻を指差す。彼女のへらへらとした態度とはほぼ正反対に近い。
そして、店主に向けて軽く頷いてみせれば、ホッとしたような顔の店主にお礼を述べられる。

「…ああ、礼はいいです。俺はただ依頼を受けてやる事をやっただけなので」

と、店主にも無愛想が炸裂した。勿論、この男に悪気は無いのだけど。

園刃華霧 > 「ホーん、真面目なこッテ。謝ルんだナ」
平素、色々やらかしている身としてはスルー上等なわけで。
だからこそ、怒るなりなんなりのリアクションさせようとしてたのだが、
普通に謝罪である意味拍子抜けする。

「ああ、こレ? 食いツいちャう? 聞いちゃウ?
 ちょっチねー、大捕物があっタんだけドさー。
 あンな人数いラんでショーって高みの見物してタら、怒らレてネ―」
へらへらと笑っていった。
何処にも反省の色は伺えない。

「実際、全裸アフロ一人解決しタんだシ、仕事すル必要なカったのニさー。ケジメだー、とカいわれてネ?
現場にはつけていくなよ!って言わレたけド、そりゃつケるでショ。コンなん」
どう思う?と答えに困る質問を投げかける。

「ァー……なーナ―、大将。その態度サー、店主、おびエてナイ?」
依頼相手にすら炸裂する無愛想さに半ば面白がって、冗談のようにツッコミをいれる。

角鹿建悟 > 「…無視した形になったのは事実だろう。正直不快だったが、それはそれだ…謝るべき所は謝る。」

と、サラリと素直にぶっちゃける…嘘?誤魔化し?何だそれは美味いのか?
自分を飾ったり誤魔化したりするのが必要ない性格なので、彼女の拍子抜けしたような態度に怪訝そうな顔。

「食いつくというか、やたら目立つからな…どう考えても、聞いてくれと自分からアピールしてるようなものだと思うが…。
…あと、それはただのサボり魔というやつじゃないか?大丈夫か風紀委員って」

呆れたように嘆息。初対面の彼女にあれこれ言う気は無かったのだが、風紀委員会は割とアバウトなのだろうか?と。
鈍い己でも分かる…この女、全然反省して無さそうだぞ?と。

「……全裸アフロ……?ああ、あの常世広報の発表のやつだったか。
全裸でアフロというのは、正直意味が全く分からんが、むしろ風紀は特殊性癖持ちが多いのか?」

と、思わず真顔で首を傾げる。煽っているわけではなく本気で疑問らしい。

「……何がだ?」

店主の笑顔がちょっと引き攣っているが、男は特に怯えさせるような事をした覚えが無い、とばかりの真顔。

園刃華霧 > 「カー!かったイ!硬いナ―、大将!
 鋼鉄かー? 鋼鉄でデきてルかー!?
 てイうか、不快は不快だっタんだナ―!」
言葉とともにぱんぱん、と体を叩こうとする。
実にうざ絡みである。

「うン、そのトーり。スルーされタら全力の仕込みが無駄になルとこだっタ。
 そこは感謝すルわ。マジで」
ものすごく真顔で返した。
やはりツッコミ待ちだったらしい。

「はハは、懐がひローい組織、ダと言ってくレたまエ、大将!
 みナさまの生活をオはよウから、おヤすみまで守るタめには、多彩ナ人材が必要、ナのサ!」
ドヤ顔で悪びれもなくいいのけた。
実際、人材が豊富なのは事実だ。何かがネジ曲がっている気がするけど。

「ソれそレ。真面目ヤロー特有の真面目顔。
 真面目も過ギれバ毒だヨー? 人をびビらせルだけダし」

角鹿建悟 > 「…いや、普通にただの人間に決まってるだろう。あと、勝手に叩くな」

と、マジ返しを真顔でしていく堅物な男であるが、叩かれても割と筋肉質なのでビクともしない。
うざ絡みには彼なりに辟易しているが、何だかんだきちんと会話をする余裕はあるようで。

「…全力で仕込むのがしょうもない内容なんだが…いや、まぁ全力を何に注ぐかは人それぞれ、か」

自分だったら直す事。彼女の仕込みは…お笑い?まぁ、多分そんな感じだとアバウトに脳内で纏めてしまう。
あと、彼女から風紀についてある程度説明されるが、納得できるような出来ないような。

「――多彩な人材は理解できるし、風紀にはオレも世話になっている。
…が、多彩だからといって、特殊性癖ばかり居てもいい理由にはならんと思うぞ」

自分みたいなのには、そういう風紀の連中と遭遇したら、どう接すればいいのか分からん、とばかりに。

「…真面目?何時も通りでしかないんだがな……あー…ゴホン、すいませんでした」

と、納得行かない顔を彼女に向けつつも、直ぐに店主に向き直り律儀に頭を下げた。クソ真面目である。

園刃華霧 > 「いヤ、ガチで硬いナ? アレか、心まデ鋼鉄を装備シちゃってル系??
 ア、文句いった。イったナ?」
くけけ、と変に邪悪な笑いを浮かべる。
さらに叩くなと言われたので、撫で回しはじめようとする。

「ショーもないコトに全力かマすのが楽しいンじゃン大将!
 余裕ってそーユーもンでショ。仕事だケー、とかつまラんよ?」
謎の持論を展開した。
そのくせ、鉢巻はそそくさとしまい込み始める。どうやらもう用済みのようだ。

「ンー、まー、ソウだネ―。でもサ―、人間、なンかしラ変わったところ、持ってルもンじゃン?
 大将は? 大将だってなンかあるンじゃなイのー?」
そも特殊性癖はそこまでいないはず、ではあるが。
はず、だよね?

「よシよシ、えらイぞ大将!謝れるのはいい子ダ」
満足そうにうなずく、謝らせた張本人であった

角鹿建悟 > 「…一応、やる事が無い時は修繕の腕を磨いたり体を鍛えたりしてるからな…。
あと、何だその風紀委員らしからぬ笑みは…と、いうか撫でるな!」

と、距離をスッと取ろうとする。ちなみに、恥ずかしがったりはしない。真顔は鉄壁である。

「……オレにはとても真似出来ないし、真似をする気も無いが…何か、全力で打ち込めるものがあるのは悪くない」

彼女の悪ふざけは性格的に苦手だが、それでも全力でやるならそれはそれで悪くない、という納得。
良くも悪くも堅物なりに認めるべき所はきちんと彼なりに認めているようで。

「……オレか?オレは直せる物は絶対に直すし、依頼がきちんとしているなら、善悪は問わない。」

変わっているというか、自分なりの信念。直せる物は必ず直す。物を直す事に人生を賭けても良い。
――それで、青春や若者らしい思い出が犠牲になったとしても、だ。
あと、風紀が特殊性癖の集団かはオレにはコメント出来ない。実態を知らないから。

「――そもそも、アンタが…いや、まぁいい。…今更だが、生活委員会傘下、第九修繕特務隊・新入り――1年の角鹿建悟だ。そっちは?」