2016/06/22 のログ
ご案内:「職員室」に獅南蒼二さんが現れました。
獅南蒼二 > 職員室の扉に会議中の札が掛けられるのは第四月曜日の放課後である。
ここでは翌月の学校行事や校務の分担,各研究経過の報告や,研修などが行われている。
……が、言うまでもないが、この学校に属する教師が毎回律儀にそれを守るはずがない。
この白衣の男,獅南蒼二もかれこれ1年近くこの会議とは縁のない教員生活を送っていたが、
今日は研究のための資材を取りに来たタイミングが悪かった。

「……………………。」

学期末の試験に関する打合せでは,落第者への対応を丁寧にするようにと、まるでこの男に向けたかのような訓戒もあったのだが……

「……………。」

……魔術学以外に興味の無いこの男は、それを聞いているはずもなかった。
積み重ねられた魔導書が、見事に彼の居眠りを隠している。
いつも通りの会議が終了するその瞬間まで、彼が目を覚ますことは無かった。

ご案内:「職員室」に黒星さんが現れました。
黒星 > 居眠りこいてる白衣先生の近く。

サングラスで表情を隠し、俯いて、更に片手を顎にやって、デスクで真面目にメモを取って

いるわけがない。

机の上に真っ白いノートを置いているが、視線は更にその下。
膝の上に置いたスマホでがっつりゲーム中である。

片手の指が物凄い速さで動いて何か操作なう。

何で会議に出たのか?
今週金曜日の授業は休講の連絡を入れたら舐めんなって事務員に叱られて、たまには会議に出ろと二重に叱られたんで、渋々出ただけだった。

黒月先生、3ヶ月ぶりにこの会議に出たらしい。
内容は1ビットも覚えていないが。

「―――――」

すごい小声で レア出ないし、課金ネとか言ってるが誰にも聞こえないだろう、うん。

ご案内:「職員室」に白泉椿丸さんが現れました。
ご案内:「職員室」にリビドーさんが現れました。
白泉椿丸 > 学園へ帰って来てから、初めての職員会議であった。
椿丸には大雑把な情報ばかりだったが、学校視点での情報が手に入るのは非常にありがたい。
アタシも授業の準備が済んだし、そろそろ受講表明集めようかしらン?なんて考えていた。
そう考えながら、オカマは背伸びをする。

がたいの良い身体――背骨のあたりから、人の首をひねった時の音がした。
鈍くも太い、ゴキュリッという殺人のノイズである。
もっとも、誰も死んではいない。オカマの背骨で何かが鳴っただけである。
そっと立ち上がり、軽く深呼吸をしながら参加していた教員を眺めていたが

「…………アラヤダ」

居眠りさんを見つけちゃったのよネ。

リビドー >  
「学園としてはこの辺りか。ふむ……」

 そこそこ真面目に聞いてはいたのだろう。
 学園の認識がどのようなものであるか、は、知っておいて損が無い。

 軽く肩を解すように首を回してから、席を降りる。
 迷いも無さそうに真っ直ぐと歩き出せば――獅南の席まで辿り着く。そして。

「全く……ほら、起きろ。」
 積まれている手近な魔導書を手に取ってしまえば、それを使って獅南の頭を狙って叩きに掛かる。

 容赦はない。
  

獅南蒼二 > 居眠りさんは見事なカムフラージュ率ですが,角度によっては丸見えなようです。
そして、机の上に並んでいる魔導書がどう見ても禁術クラスのヤバいやつ。
研究室なら普段通りの光景なのですが、職員室でも同じでした。
かたわらにひとなきがごとし。

「………………。」

殺人ノイズが響いても…ぴくっと動きましたが、まったく目を覚まさないあたりは,だいぶ疲れているようですね。

黒星 > 鋭く動く指先が迅速に課金してガチャを回しまくる。
レアが出るまで回す。

金ならある。
最近、人間が大量に売れたから。
小銭のようなバイト代を突っ込んで爆死するようなショッボい学生とは資本が違うのである、資本が。

ほら、レアキャラゲットだ。
これが大人ってもんだよ、キミぃ。

…………

なんか、人体を、首でもがっつり捻るような音がしたんで顔を上げて、少し周りを見てみた。

    何かゴツいのが見えた。

が、まぁ、この島だからそういうのも居るだろう。
ところで、この会議はまだ終わらないのだろうか?

「段々私も眠くなってきたヨ、全く……」

ふと、視界で誰かが誰かを殴る光景も見えた。
が、まぁ、この島だからそういうのも居るだろう。

普通の職員会議だと思われる、どこにも異常は見当たらない。

獅南蒼二 > ゴッ!と良い音が聞こえた。
魔導書だよ?分厚いよ?べしっ!ってレベルではないよ?

「……何だ,もう終わったのか?」

反省の色が皆無な獅南せんせー。
肩を回して、リビドーセンセイを見上げました。

ご案内:「職員室」に斎藤 朱莉さんが現れました。
斎藤 朱莉 > 「……」

大真面目にメモを取って考え込んでいる女性教師。
……スマホゲーをしている教師に、手持ちのシャーペンを投げ付けようかと思ってそのたび我慢しているのは内緒だ。

「……ここの教師はやる気がねーのか?」

溜息が出る。我々は教育者、生徒を教える立場にあるというのに。これでいいのか、常世教師陣。
担当教員の裁量が大きすぎて科目に当たり外れが発生し、履修に関して生徒の選択基準が歪んでいるのでは?と言う問い掛けも、ロクな返事が無かった。どうなってるんだ。

白泉椿丸 > 「いやン、リビドー先生ったらバイオレンス優しいのねン」

普通に起こすのかと思ってたわン、アタシ。
ああでも、仲良しさんのやり取りよねェ、ああいう起こし方って…。
リビドー先生と…獅南先生だったかしらン?
ゆすって起きなかったら、目覚めのKISS(天使の印よ!)を送るところだったもの。
いくら空調が利いてるからって、やっぱり風邪はひいてほしく無いものネ。

オカマはそう微笑ましそうに二人のやりとりを見ていたが、
視線を貰った気がして、黒星の方を的確に――そりゃあもう的確に、見た。

かわいくウィンク。バチコ~ン。

黒星 > 単位とかもういっそ売ればいんじゃねえの?
テスト問題を自分の店で販売している教師はそう思った。

やる気とか発言したのはえーと、誰だっけ?そう、斎藤だ。
雫が何かさらさらとか言ってた気がするので、名前を何となく覚えてた。

「…………ぁー……  g!?」

何か言いかけて、背筋を凍らせる悪寒。
すごいなんか見られてる、さっき、すごい音させた人類が何かこっちを見ている。

え、なんで? と、サングラス越しにだが、白泉に視線を向け返した。

リビドー > 「終わったぞ。何処から寝ていたのが知らんがな。
 最後の方は落第者への丁寧にするようにとのことだったよ。
 落第者が何処まで指すかはともかくとして。……ああ、それと渡すものがある。
 ちょっと待ってろ。」

 そう言ってしまえば一度獅南先生の傍から離れ、自席へ戻る。
 ロッカーの下から何かの紙袋を取り出した辺りで、椿丸に応える。

「彼とは少しばかりの縁もあるからな。
 この前も喰ってかかったら、手痛い目にあったよ。」

 機嫌のよい口ぶりで応えてから、
 黒星と斎藤の二人を交互に見て――

「仕方あるまい。斉藤先生。キミのような教師が居るから楽に出来る教師もいる。
 キミのように真面目に教える生徒もいれば、その才覚で人を導くものもいる。
 ボクだって単位そのものは割と安売りしているから、あまり人の事も言えんが……。」

白泉椿丸 > 黒星が背筋を震わせる様子に、そのまま首をかしげた。
風邪でも流行っているのかしら?といったふうで。
よもや自分のウィンクが相手に悪寒を与えているとは、毛先も浮かんでいない。
なお、彼女が片目をバチンと伏せたのは何となくである。

「どうなさったのン、黒星先生?お風邪でも召した?」

口をすぼめたまま、斎藤の言葉にはアラアラ熱心な子もいるわネと。
こんなに大きな学園なので、教科はよほど特化していなければ基本科目には複数名の講師がつく。
必要ならば自ら聞きに来るだろう。その程度には、生徒を信頼しているし切り離してもいる。

獅南蒼二 > 首を回してから、積み上げてあった魔導書を整理。
あ、やっぱり周りからの視線をガードするための積み上げだったのね!

「……試験がどうのこうのってあたりまでは覚えてるんだがな。
 だが、考えてもみろ…不勉強な生徒に可を出さんのは当たり前だろう?
 実力も伴わん生徒に可を出す方が不誠実だとは思わんか?」

言っていることは立派ですが、歴史を塗り替える落第者数を出したのは貴方です。
リビドーに視線だけを向けつつ…少しだけ寝ぼけているのか、

「アンタはそう思わんか?」

と、近くに居る斎藤先生に声を掛けてみよう。

斎藤 朱莉 > 「所謂カリスマって奴ですかね。まあ、こういうシステムならそう言う教師もありなんでしょうけど」

憮然とした表情でリビドーに返事を返す。
斎藤朱莉は、教師と言う仕事に一定の誇りを持っている。
そして、その役割の重要性も理解しているつもりだ。教師が未熟では、生徒にどんな影響を与えてしまうか分からない。
だから、業務に対しては誠実であるべきだと思っているのだ。
要するにクソ真面目なのである。

「アタシもまあ、単位は結構取りやすくしてるんであんまり強くは言えないんですけどね。
出席に関しては、一部役職の生徒はどうしても欠席が増えるんで甘くしてますし」

特に、風紀委員。そう言う生徒は業務により欠席が増える。公欠ではあるのだが、手続きをいちいちさせるのも不憫と言うことでそこは全体的に甘くしているのだ。

「……獅南先生は、落とし過ぎなんです。確かに、単位認定に不足な生徒に単位を与えるのは不誠実ですが、さりとてそのハードルを上げ過ぎても良くないでしょう。それは生徒の学習意欲にも影響する」

少なくとも、歴史を塗り替える落第者数を出す講義を受けたがる生徒はあまりいないだろう。いたとしたら、その科目に強い興味を持っている生徒くらいだ。
だが、生徒が『あそこはあんまりに単位が厳しいから』と言う理由で科目を敬遠してしまうのは望ましくない。
生徒の学習の機会を奪ってしまうのは、出来れば避けたい事態だと考えていた。

白泉椿丸 > 「あら、その口ぶりだと言葉どころか拳でも交えちゃったのォ?
 ウフフ、この学園は先生も賑やかなのを忘れてたわン」

二人とも健在であるのだから、お互いの眼玉をくり抜くようなものではなかったのだろう。
くり抜いても、新たに生やす程度ならば出来そうな気がするけれど。
リビドーが紙袋を持って移動する姿は、ちらっとだけ視線で追った。

小さくて可愛いわネ。お尻が。

黒星 > 「落第したっていいじゃないかネ、もう1年やればいいだけだヨ。
 この島で若い間に色々やっとくほうがお徳だと思うネ。」

何だったら10年くらい居ればいい。
初期から学園教師に居座って、ダラダラしている……教師としてはまるで駄目な男はスマホゲームを終了しながら面倒そうに言った。

「    いえ、何でもないからネ。
 私が風邪を引くとかありえんからネ。

 だから、まぁ、私をあんまり見てなくていいからネ。」

吸血鬼が風邪引くか! と白泉に言いたいが、休講の理由に 体調不良 を使いまくってるので、そう思われても仕方ない面もある。

斎藤 朱莉 > 「学費の問題もある、生徒にとって1年は決して短くないんですよ。まあ、しっかり学ぶことが大事と言うのはわかりますけどね」

黒星の言葉を受けて持論を展開する。
生徒にとって、落第と言うのはやはり堪えるものだし、1年余計にかかればその分の学費も余計にかかる。
それで卒業まで通えないという生徒が出てしまえば、それは悲しい事だ。
……居心地がいい、という理由で延々在籍し続ける生徒もいるらしいが。

リビドー >  
「問題視されているのは合格基準と不可を出した後の対応だろう。
 緩くしろ、と言っている訳ではあるまい。……それとこれは餞別だ。
 あの場で転送魔法を選んだキミと、その後のものは好感に値する。」

 戻ってきました。
 何やら綺麗に包装された何かの入った紙袋を机の上に置きました。
 中身は手製の技術書(魔導書)の類と、USBメモリです。

「そうとも言う。少なくとも此処にいる教師は『教える能力』があると認められている。どうであろうとそこは確かだ。
 ……確かに委員業務による欠席はやむを得ないが、無視出来る程少なくもないな。
 となると、問題は出席よりも授業の習熟になる。キミはどうしているかい。
 斎藤先生の分野はボクにも学ぶ所があるからな、参考までに聞いておきたいものだ。」


「ああ。服ごと燃やされた」

 

白泉椿丸 > 椿丸の視線はリビドーから黒星に戻っていた。
彼が喋り始めるまでに妙な間が空いていたが、きっと喉でも痛いのだろう。
ウフフ、恥ずかしがり屋さんなのねェ、きっと。
椿丸は黒星からそっと視線を外す最後に、輝くオカマスマイルを送った。

斎藤の言葉に反応して、そちらへも口を開く。

「確かに学費の問題はあるけどォ、
 外世界の学園機能を持つ場所に比べたらそこまで辛い金額でも無いはずよォ?
 必死に勉強してても単位を落す生徒っていうのは、必ず一定数いるものだしネ…」

単位修得不可を言い渡す側の気持ちも痛いものがあると言わんばかりに、
椿丸は頬へ手を当て、溜め息をつく。

「…え?リビドー先生……アラッ…まあそれはそれは……見たかったわァ」

非常に残念そうな言葉が宙へと放たれた。

獅南蒼二 > 「ははは、正論だな。だが,それでは身につくものも身につかん。
 魔術学の授業は他にも山ほどあるのだからな…変わり者か,必要としている者だけが集まればそれでいい。」

求めている地平が高いのは事実だろう。
事実として,一般的な講義に比べて覚えなければならない術式や魔術言語の絶対量は5倍以上である。
だが、そういう方法でしか魔術を扱うことが出来ない生徒も、中には存在する。

「まぁ、私の魔術学を卒業の必修科目にはできんだろうな。」

ククク、と楽しそうに笑って…リビドーを見る。
不可を出した後の対応?勉強しないやつに用は無いよ?

「何だ,また随分と面白そうな土産をもってきたものだな。
 ……これは,アンタが使っていた魔術の手引きか?」

USBメモリの方は見ないと分からないですが,魔導書は一瞥しただけである程度読み取れる。
その程度には魔導言語に精通しているししなみせんせーなのでした。

獅南蒼二 > 椿丸先生とリビドー先生の会話には、おいおい、と苦笑して、

「人聞きが悪いな…先に突っかかって来たのはアンタの方だろう?
 私はただ世界を滅ぼす実験をしようとしていただけだというのに。」

それは流石に冗談であったが,あたらずしも遠からずである。
くわばわくわばわ。

斎藤 朱莉 > 「んー、アタシは『生徒が自力で思考する』事を求める試験で、習熟度を測ってますね。
正直、アタシの科目はあくまで『こんな感じの思想があったらしい』ってサンプルを教えるものでしかないんですよ。
だから、肝要なのは、その情報を得て『どういう風に理論立てて考える事が出来るか』です。
なんで、問題文に思考の取っ掛かりは置いておいて、そこから自分なりの考えを展開できるように、って感じにしてます。
これなら、極端な話『考える力』を持っている生徒なら、出席日数が少なくても点になる。
ま、出席してる生徒の方が点が取れるように、知識問題とかも入れてますけどね」

斎藤朱莉の『政治思想史』の講義は、大変容によって大きく変革した社会にそのまま適応出来るものではない。
あくまで『魔法の無いとある世界線で、このような政治思想がこういう経緯で発生した』と言う参考事例を学ぶだけのものだ。
参考にしたものがあるのならば、重要なのは『そこから何を考えるか』である。
故に、試験においても普段の講義においても、自ら思考する事を求め続けるのが斎藤朱莉のスタイルだった。

「だったら、単位認定が厳しいってシラバスに書いておくべきじゃ……あー、獅南先生、そこんとこ書いてましたっけ?」

流石に教員全員のシラバスをチェックなんてしていられない。
その前情報があり『高度な魔術学を身に着けたい者のみの履修を推奨する』とあるのならば、覚悟の上の落第であろうと言い切る事も出来るのだが。

黒星 > 「ぁー、金の問題はあるかもしれんネ。

 しかしそれなら、落第なんぞせんように立ち回るべきだヨ、効率のいい単位の情報集めだってできるはずだしネ。

 失敗してもどーにかなる学生の間にそーいうのを身につける勉強の一つだヨ。

 それか、奨学金の幅でも緩めしかないネ。」

学園が出してくれるとは思わんけどね、と斉藤にへらへらと笑った。

あ、白泉の視線がこっちから外れた。
 ふう と安堵の吐息。

なんかああいうタイプは苦手である。

「…… 世界を滅ぼす?大きな話だネ。」

獅南の発言には興味が惹かれた、らしい。
初めてそちらを見た。

獅南蒼二 > 「シラバス?あぁ,何年か前に書いた記憶があるな。
 どうだったか…確か、概論以外は受講を推奨していなかったはずだが…。」

実際,めっちゃ堅苦しい感じの内容になっています。
どう見ても一般的な生徒は忌避するレベル。

「金の問題を論じるのなら,落第街へ行ってみろ。
 金も身分も無いが,学ぶ意欲に溢れた生徒が沢山いる。」
もっとも、ゴミくずのような者も多いがね。と笑って…

白泉椿丸 > 獅子南の言葉に口元を隠し、ホホホと笑う。
が、世界を滅ぼす?と純粋にオウム返しをしてしまった。
滅ぼすための技術と、そこへ到達するための知識は椿丸とて気になるものだ。
では実際に試します!なんて言われたら、間違いなく後ろを取りに行くが。

黒星が興味を投げかけていたので、ついでに立ち聞きしておきましょう、といった姿勢。

斎藤 朱莉 > 「ん、学習の本文とはズレる気もしますけど、確かにそれもそうっちゃあそうですね」

黒星の言葉に頷きを返す。
学生時代と言うのはモラトリアムとも呼ばれ、所謂『社会に出るまでの猶予期間』としての機能もある。
まだ多少のミスならリカバリが効く内に、実践的な立ち回りを自主的に学ぶというのは理に適っているように思えた。
学問を学ぶ、と言う学生の本分から多少逸脱するものの、効率のいい単位の情報集めを含んだ『落第しない様な立ち回り』を自分で考え実行に移すのは、将来役に立つはずだ。

「一応そこは覚えといてくださいよ、生徒にとってシラバスってのは講義内容を知る最初の手掛かりなんですよ?」

獅南の大雑把ーな返事には苦言を。
とは言え、その内容を目にすれば、まあこれなら自己責任かな、と納得はするのであろうが。

「そこ、結構アタシは気になってるんですよね。
学習に金がかかるのはある程度仕方ないにせよ、金が無いなら学ぶ権利もないってのは閉鎖的に過ぎる。
いわば『生まれた時点である程度の将来設計が決まってしまう』不幸ですね」

その為の奨学金制度でもあるのだが、それにしてもこの学園は門前払いの落後者がかなり多い。
と言うより、それらをそのまま放置しているようにも思える……常世財団の方針に関する事なのであまり口出しは出来ないが、落第街に関してはもう少し手を加える事も考慮すべきなんじゃ、と日ごろから思っていた斎藤朱莉であった。

リビドー > 「違いない、キミのように才あるものは少ないからな。
 全く、世界を滅ぼすならスマートフォンの中だけにしてくれないか。
 視るものを視れたからよしとするが。」

 後で調べれば分かる事ですが、推するに古代ギリシア語で記された技術書の類です。
 また、USBメモリの中身は幾つかの古代哲学書の電子書籍と、渡した技術書の日本語訳版と、
 1世紀前の映画――2柱の旧き霊が対決する映画が添えられていました。
 ちゃんとダビング可能な正規版で。息抜きに、と、ファイル名が記されています。

「成る程。知識の習熟度でなく筋道立てたな思考と自己の確立が出来ていれば良し、か。
 ボクも似た様な方式だからな。それを聞いて安心した。
 考え抜いて自分のものを選択する能力のある生徒は好ましいからな。
 ……その分だと、良い生徒に恵まれていそうじゃないか。」

 残念そうな言葉には、流石に謎の僅かな寒気を覚えつつ――

「ははっ、見られなくて安心したがボクの裸なんて目の毒だよ。
 見るならもっと若い奴が良いだろうに。」

獅南蒼二 > 「ははは,冗談に決まっているだろう?世界を滅ぼすことなど,到底不可能だ。
 世界征服を目論んだ独裁者が皆,机上の空論で終わるのと変わらん。
 極限まで昇華された魔術学は全ての不可能を可能にするだろうが……。」

黒星と椿丸の反応には肩を竦めて苦笑しつつ,そう告げる。
それからリビドーの言葉には、すこしだけ真面目に頷いて…

「限定的な範囲内での実験なら或いは可能か……?」

小さく呟く危険人物。

斎藤 朱莉 > 「ええ、数は少なくてもアタシの生徒は優秀なのが多いですよ」

自分なりに考えて意見を発する。
これは簡単なようで難しい事だ。それを実践できる生徒が複数名いるのは、恵まれていると言っていいだろう。

「所謂『白熱教室』みたいなのもやってみたいんですけどね。アレは中々、生徒に勢いがないと上手くいかないもんで」

白熱教室と言うのは俗語ではあるが、例題や実例を提示しつつ、学生に難題を投げかけ議論を引き出し、自身の理論を展開するディスカッション形式の講義である。
学生が積極的に意見し、それに対して教師や他の学生がまた積極的に意見をする。
そうやって意見を交わしていく中で、自己の考えを確立させると共に、自己とは違う他者の考えを知る事が出来る方式だ。

「……世界滅ぼすのは、ホントシミュレーションだけにして欲しいですね。と言うか、実験の果てにやりそうな怖さを感じますよ」

獅南の様子に、若干マジな不安を覚えて。
何と言うか……『出来るなら実験でやってみる』くらいの感覚で、やってしまいそうな雰囲気が、あった。

黒星 > 「金が無いから不自由を得るってのはもう、学園だけの話じゃあないから諦める方がいいと思うがネ。
 学園だって金を垂れ流すだけじゃあ生きていけんヨ。」

否定的な回答をしつつも、何となく、斎藤先生を 若いなあ って目で見ている。
真面目な、教師っぽい話を言う斎藤先生はロクでもない教師ばっかりのココではむしろレアモノだろう。

「滅ぼせるなら是非やってみてもらいたいもんだがネ。
 実験する時は呼んでおくれヨ、出来る範囲で協力するヨ、オモシロそうだからネ。」

そいえば、この獅南先生って前に雫が言ってた金の無い先生だっただろうか?
なら、研究内容にはちょっと興味があったんだと思い出した、たった今。

白泉椿丸 > 「うふふ、そうねェ。…獅南先生は夢を追いかけるのが好きなのねン?」

獅南の仕草、言葉の選び方、顔つき。
平和を愛するオカマとはいえ、分かるものがある。
この男は行き着く。犠牲は出すものとして、突き詰めていく。

ヤッダァ~~~~~!!
アタシ危険なオトコってストライクなんですけどォ~~~!!
デンジャラスして欲しい~ィイ!アタシも危険な遊びして欲し~~い!!
あっ、でもでも、生徒に危険が及ぶのはダメよ…。そういうおイタはメッなんだから…。

「そーお?アタシ、少なくとも18歳以上じゃないと触手が動かなくってェ。
 リビドー先生はどこか達観しつつも熱血~って感じが、アタシは好き……」

それはライクの発音では無かった。

斎藤 朱莉 > 「まあ、そりゃあそうなんですけどね。ただ、そこから脱却するための学問さえ絞られるってーのは、世知辛いなあって気もするんですよ」

とは言え、斎藤朱莉の講義はそう言う貧困学生にはほとんど役に立たない。
そう言った学生が求めているのは、もっと実践的で即日的な技術、学問であろう。
それに、ボランティア講義などをしようものなら、普通にお金を払って講義を受けている生徒の立場が無くなってしまう。
世の中の現実と、理想の社会。
その板挟みに悩む斎藤朱莉、26歳である。

リビドー > 「ははっ、羨ましい限りだ。
 『白熱教室』か。雄弁に思想を語れる生徒は好ましいが、中々居ないからな。
 居たとしても何処までやって貰うかが難しい。斎藤先生の生徒達なら問題はないだろうが…
 極端に思想が偏り過ぎるのをなだめるのも教師の役目だからな。
 炎の巨人事件だったか。アレだって偏った果てに違いない。」

 思う所があるのだろう。
 少々眉間に皺をよせ、厳しいものを扱うかのように言ってみせる。

「ははっ、認めて貰えるのは有難い限りだよ。
 ボクも白泉先生の……ふむ、一歩後ろから支えると言うのかな。
 教師としてのスタンスには好ましいものがあるよ。
 キミ程バランスの取れた教師もなかなかおるまい。」

 ライクの意味です。

「金がないって言えば……
 この前、図書館で困窮している生徒に出会ったな。
 服がジャージしかないとか、残り7円しかないとか言ってたような気がするが……」

斎藤 朱莉 > 「確かに、一方向に全体の思想が固まるのはよくない。寧ろ、空気読めなかろうが、全体の意見にNOが言える奴が何人かいるのが望ましいですね。
アタシもあの事件は報告書だけ目を通しましたけど……行き過ぎると、視野狭窄に陥るってのはホント誰でも変わんないですね」

こちらも難しい顔をする。
アレは、就任してから見た中でもかなり大きめの事件だった。
講義の中では解説のために『個人の自己責任の範疇であれば、暴走剤のような薬をやるのも他人が口出しできるものではない』と口にしたものの、内心は忸怩たる思いがある。
瞬間的な能力向上のために危険な薬に手を出してしまう学生がいる事にも。
果てを目指すために他者を犠牲にしてまで実験を行う学生がいた事にも。
これだから……人は、難しい。

獅南蒼二 > 「実験は実験だ。何も全てを破壊して無に帰すことが目的じゃない。
 それが理論上可能な状態まで魔術学を突き詰めて…
 …その後に、その理論が正しいかどうかを検証する。
 なに,もしそれをやるときには誰にも迷惑が掛からんようにやるよ。」

やる気だ。本気だこの人。
尤も、楽しげに笑うその姿からは今すぐにやりそうな鬼気迫る雰囲気は感じられません。
けど、このまま進めばいつかはやらかしそうな雰囲気はモロにあります。

なお、この職員室内で現在ザモーストデンジャラスパーソンであろう椿丸に目を付けられていることなど、知る由も無い。
知ったところできっと、どうするでもないだろうが……きっと…。

斎藤 朱莉 > 「いや、それ成功したらどーやっても大人数に迷惑がかかるじゃないですか……」

うへぇ、と言った感じの表情で獅南を咎める。
今すぐにやりそうでないにせよ、いつか本当にやらかしたら本当に笑えない話になりかねない。
それこそ、炎の巨人事件の首謀者のように……目的を見据えたら脇を見ないのではと言う不安がむくむくと湧いて出てきている斎藤先生であった。

黒星 > 「もし本当に、どーしても学びたいが金がどーしても工面できんって生徒が居るなら、居るならだけどネ。
 割のいいバイトでも探すか作るかして、斎藤先生が斡旋してやればいいヨ。
 少なくとも、何か払わないと金にゃならんからネ。」

そんなバイトがあるかは定かでないし、あっても生徒の選別でデスロードを見るだろうが。

「カカカ、困窮してるのに図書館とはまだ余裕あるんじゃないかネ、その生徒は。」

リビドーの言ってる生徒は、今はきっと落第街でバイトしてる気がするね。
多分だけどね。

ご案内:「職員室」に雪城 括流さんが現れました。
斎藤 朱莉 > 「……確かに、それが支援としては比較的現実的ですか」

こくん、と頷いてメモを取る。
先立つものを確保する手段を用意してやる、と言うのは、根本的な解決にもつながるし確かに有用だ。
問題は、その割のいいバイトを用意できるかどうか、であるが……。

獅南蒼二 > 「ははは,さて,どうだろうな?誰にも迷惑を掛けず滅ぼすかもしれんぞ?
 尤も,私は私が正しいと思ったことを実行するだけだ。
 授業では怪我人を出すし,演習場を吹き飛ばしそうになったこともある。
 落第街の二級学生に授業をしたこともあるし,世界を滅ぼす実験をしようともしている。」

ついでに、今ここで煙草も吸いたい。なんて言いつつポケットから煙草を取り出して…

「…まぁ,とはいえ多勢に無勢だろうな。
 私が世界を滅ぼそうとすれば,アンタらみんなで止めるだろう?
 …いや、そこのサングラスは別か。」

楽しげに笑った。

白泉椿丸 > リビドーの賞賛は素直に受け取り、そのたくましい肩を小刻みに揺らして笑う。

「やっだー、褒めても何も出ないんだからァ~!
 ひと肌脱ぐくらいしか出来ないわよォ、アタシィ~~」

本当に脱ぐのだろう。惜しみも無く、一点の曇りも無く素肌のままのオカマでいるだろう。
ニコニコしながら、獅南の7円ジャージの生徒の噂にも笑う。
苦学生といったところか。本当に困ったらどこかに駆け込むか、面識のある大人に頼っていると信じたい。

「突き詰める前に、獅南先生の体力と精根が尽きなければ良いけどネ。
 会議中にお休みになってたのだものン、大分疲れているのではなくてェ?」

あら、あんなところでヨキが百面相をしているワ。

「そうねェ、獅南先生があぶなァ~い事をしてたら…。



 後ろから襲うわね」

雪城 括流 > しゅるん、にょろん。
会議のおわった室内にどこかから戻ってくる小さな蛇。どうやら書類忘れのようでした。
しかしなんだか会議のときより白熱してません?な表情でみんなを見てます。

ちなみに括流の忘れた書類は会議でもちらっと話題に出した『注意生徒に関するリスト』。
不良とか、交友関係に問題を抱えた生徒をリストアップしたもののようで。もちろんプライバシーがあるので配布まではしてません。
ただ大学風の自主性が強いので、こういうリストも必要だということなのでしょう。

リビドー > 「問題はそのNOの少数派が偏ってしまうケースもある。
 歴史を紐解けばよくある故に具体的な言及も避けるし、結果も一概には言えん。
 ボクは差異を扱えるように教えているつもりだが……
 ま、捻くれているボクは兎も角としても、斎藤先生ならその辺りも大丈夫だろう。」

 くくっ、と、笑えない冗句を加えて肩を竦めてみせる。
 最後の態度は兎も角、会話そのものは不真面目なものではなかっただろう。

「ニュービ―だったからな。下見だったんじゃないかい。
 ま、上手くやっていればいいんだが……今度会ったら肉でも奢るか。」

 黒星の発言にはそう返し――

「いや、脱がなくて良い」

 白泉の”それ"には物凄い早さで遠慮した。
 
「あと、キミはそうしたらもっかい殴るからな。獅南蒼二.
 ……おや、雪城先生。忘れ物かな。おかえりなさい。」
 

黒星 > 「    農業区は人手不足だって聞いたことあるヨ。」

マジで採用するのか、と若干驚いた。
だので、ちょっとだけ使えそうなネタを斎藤先生に出しておいた。
活かせるかは分からないが。

「カカカ、私は見てるだけで止めはせんヨ。
 オモシロいっていうのは大事なことだし、あぁ準備は手伝ってもいいかもしれんネ?」

獅南先生の言う通り、絶対に邪魔なんかしない。
そーいうのを見たくてこの島に居るのだから。是非とも進めて欲しい話だ。

と、蛇先生がいらっしゃった。
ごくり、と喉が鳴った。

獅南蒼二 > 「人間の寿命は短いからな。
 私の代では成し遂げられんかもしれない……と言っても,私の全てを受け継ぐ変わり者など,何処にも居らんだろうが。」

椿丸の言葉には苦笑しつつそう返した。
そして、疲れているのはいつもの事である。
よくよく見れば…いや、よく見なくてもえらく顔色が悪い。

「……アンタが言うと二重の意味で洒落にならんな。
 見境無しってわけじゃないだろうな?」

斎藤 朱莉 > 「どーやって誰にも迷惑をかけず世界を滅ぼすんですか……」

仮想世界でも作って滅ぼすのだろうか。それでも、仮想世界の正確性が云々の問題が出て来そうではあるが……。

「まあ、アタシは止めますね。リスクが大きすぎて黙認できないっつーか……」

そんな事を言っていたら、ゾク、と自分に関係ないのに悪寒を感じる。
あのオカマ、本気だ。
アレは『ヤる』と言ったら『ヤる』顔だ……!

「…………」

何と声をかけていいか分からず、沈黙。
万が一が起こって万が一に掘られたら……自業自得、と諦めて貰おう。

「それもありますね、会議全体のバランスを取るのは難しい。
バランスを取り過ぎると、結局凡庸な結論に行き付かざるを得なくなるという問題もあります。
そこは、アタシの技量が試されますね……リビドー先生の方が、そう言うのは上手いんじゃないですか?」

リビドーと言う教師は、落ち着きがあり、海千山千と言う雰囲気を醸し出している。
場の制御、と言う意味では、自分より上手であろうと見積もっていた。

「農業区……人手不足なら、普通にバイトにしてもいいかもですね」

農業と言うのは辛い作業も多いが、いい経験にもなるはずだ。
何より、特質的な能力が無くとも頑張ればある程度やれるというのは、門戸としては広く扱えるだろう。
そう考えて、更にメモに追記をした。

雪城 括流 > ぱくんとリストを咥えて、魔法陣のなかにぽいちょ。
リストのなかには高峰さんの名前とか、一応トップに燦然と輝くグエンさんの名前とか。
あくまで載ってるから不良、ってわけじゃないですけど。気にかけるような教師がいたら、情報共有するのでしょう。

「うん、ちょっと忘れ物をね。
…こう盛り上がるなら会議の時に白熱したらよかったのに。」

リビドー先生にそう応えつつ、なんだか議論の様子を眺めてみています。
まあ、人が少なくなってこそな話題もありますしね…でも寝てたよねししなみせんせ…みたいな本気ではない呟きをぽつり。

白泉椿丸 > ひと肌脱衣はお断りされてしまった。
とても残念ではあるが、無理強いするのは良くない。
小さなお礼、大きなお世話…そういうものであるからして。
まあでも、近いうち水着(ヤダ、日焼け対策しないと)の季節よね?椿丸は心に希望を抱いた。

獅南のくたびれた顔色には、少し眉根を寄せた。

「見境なしじゃないわよォ~う。オカマにだって、選ぶ権利はあ・る・の。
 でも、そうね…言うならば……」

「ここの教師陣は大体ストライク範囲よ!」


オカマの親指から放たれる、グッドサインが炸裂した。

獅南蒼二 > 「それは誰に目にも不可能だが…それを可能にする方法を考えるのが楽しいんじゃないか。
 尤も,馬鹿馬鹿しいと言われてしまえばそれまでだがな。」

とか言ってる横でグッドサインのザモーストデンジャラスパーソン。
肩を竦めて…

「それじゃ,アイツにヤられる前にアンタに止めてもらうとしよう。」

斎藤先生にそうとだけ言って,笑った。

黒星 > 「じゃ、私は急用を思い出したのでコレで失礼するネ。」

白椿先生のご発言に、速やかに席を立った黒星は、滑らかに窓を開けて、枠に足をかけた。

リビドー >  
「凡庸か、形だけ平等に扱いながら自分勝手にする形になるだろう。悪平等ってヤツだ。
 ……そう言ってくれるのは有難いが、ボクだって割と後者の自覚はある。
 それでも矜持の内、目的の内で、やれる範囲ではやるが。
 右を殴って左を殴って、右をなだめて左をなだめてみたいな話でもあるが――」

 ――リストを呑み込む様子が見えれば、ふと、声を掛けます。

「会議そのものはある程度お行儀よくしないと終わらないからな。
 終わった後に思い思いに喋るから弾むものもある。秩序過ぎるの窮屈なものだ。
 ……と、今呑み込んだそれは会議の時に挙げたリストのすべてかい。」

白泉椿丸 > ヨキの小さな挨拶を視界へ捕える。
キャピキャピしながら、椿丸もそれに手を小さく動かして返した。

「あら、黒星先生そんなところからご退場なのォ?お気をつけてン!」

その細い背中に、オカマの投げキッスが吹き荒れる。

獅南蒼二 > それから視線を,椿丸の視線の先のヨキへと向ける。
そういえば最近,あの男が魔術を特訓し始めたと聞いた。
付け焼刃ほどの魔術がいかほどの意味を持つのかは定かでないが…

「……気を付けてな。
 実験をやるときにはアンタにも声を掛けるとするよ。」

…冗談交じりに黒星に声を掛けて、指先で煙草をくるりと回す。

黒星 > 「あぁ、とっても急用で   ぁ」

白泉の投げキッスに押されたのか。
そのまま跳躍するハズが、グキっと足を滑らせてそのまま身投げしたように落ちていった。

「ぁー……  ぁ    ョー……」

ご案内:「職員室」から黒星さんが去りました。
獅南蒼二 > 「……………。」
南無。

斎藤 朱莉 > 「あのリスト、新顔が増えてましたね。コミュニケーション系はメンタルカウンセリングの管轄でしょうけど、下手につつくと悪化するのが悩ましい」

高峰司、と言う生徒が新顔の中ではそれに該当した。
コミュニケーションに難のある生徒は、変に心を開こうと構えてかかると、余計に反発する事がある。
中々の難物だと思ったが、専門外なので記憶するにとどめる。

「…………努力しますよ」

獅南の言葉には、曖昧な顔をして返事。
やろうとしてヤられる前に止めるのが、確かに一番平和な解決であろう。
この場で(女性ゆえに)白泉のストライクゾーンから(恐らく)外れている身として、場合によっちゃあ頑張らねーとなー……と内心溜息を吐いた。

「アタシなんかは、寧ろ自主性が大事っつってほったらかしちゃうんですよね。あんまり口出すと、アタシのイズムの押しつけになる気がして。
そこら辺のバランス感覚とか、教えてくれません?」

リビドーの言葉には率直にそう返す。
なんだかんだでこの人は上手くやるだろうな……と言う信用と敬意がそこにはあった。

「黒星先生、流石にあぶな……あ」

堕ちた。否、落ちた。
…………南無。

雪城 括流 > リビドー先生の問いかけにこくりと頭を上下させる。
「そうだね。リビドせんせにはいくつか適正のありそうなものをリストアップしておこうか?」

軽く応えつつ、去る様子の黒星先生にサヨナラを言う。
さっき妙な視線を感じたけど、気のせいだったのだろうか。まあそう言う視線もいつものことではあるが。

器用な…なんて思ってたとかいないとか。

リビドー > 「……彼の講義は次も休講かな。
 今度会ったら蕎麦でも奢るか……。」

 落下して行く黒星を眺めて、しょうもなさそうに呟きました。
 

白泉椿丸 > 「ンマッ、危険が危ないってこの事ねェ」

黒星先生大丈夫だったかしら?とのんきに窓際へ歩いて行った。
ヒョイッと覗き込む。

微笑みながら自分の席の方へ戻る。

リビドー >  
「そうだな。キミの選んでくれる範囲で頼むよ。
 視点は多いにこしたことがない。」

 一つ頷いて、お願いしてみせました。
 姿勢を下げて、ある程度目線の高さを寄せたかもしれません。

「いやいや、ボクだって結構しくじるものだよ。
 しかし、ふむ……その内軽く茶か食事でもどうだい。
 中々時間の取れない身だが、意見を出したいながら煮詰めてみるのもいいだろう。」
 此処で語って終えるには惜しい。隣接する分野同士、互いに得るものはあるだろう。
 結果として合わない事に気付いたとしても、それはそれで残念であっても収穫だ。」

 思案した後に、さらっとお茶に誘いました。
 議論以上の他意はないみたいです。

斎藤 朱莉 > 「ん、そうですね。
じゃあ今度、適当なところで食事でも。色々話し合いましょう」

こくん、と頷く。
確かに、こういう話はしっかりと時間をかけて煮詰めたい。
更に言えば、意見が合わないところがあったとしても、それはそれで別の視点の意見を知る事が出来たという収穫になる。
一切の損が無い話、受けない理由が無かった。
……ちなみに、デートのお誘いとかそう言う可能性は、一切考えていない斎藤朱莉26歳である。

雪城 括流 > 「こんど休講にするようなら椅子に縛り付けて紫外線ライトでスポットした教員台に置く、って事務方が言ってなかったかな…。」
そんな気がする、程度の。この言葉が事実かどうかは保障しません。
まあなんとかなるだろう、と思いつつ。

「できれば向こうから望んで来てくれるといいんだけどね。
なかなかそうもいかないから、説教になりがちだ。反発するのはちゃんと反応があるということだから悪いことではないよ。
受身のカウンセリングだと向こうから乗り気になってもらう必要があるんだ。」

いろいろ考えて行動しているようで。斉藤先生にそんな応えを返しながら
なんか誘われる様子にこの先生もひとこと気をつけておいたほうがいいのでは、な雰囲気を感じてたり。

白泉椿丸 > 「あ、括流先生じゃないのン」

今さら気づいたのか、おめめ可愛いわねェと笑っている。

「何か困ったちゃんのリストでもあるのかしらン。
 私、戻って来たばかりだから、そういうのがあるならそっくり写して欲しいのだけど…」

獅南蒼二 > 「アンタの言う通り,閉じ籠った生徒には下手に手を出さん方が良い。
 異能を制御できないだとか,無差別に危険が及ぶのであれば考慮に入れるべきだろうが…
 …そうでないのなら,要らん手を差し伸べても自尊心を傷つけるだけだろうからな。」

煙草をくるくる指先で器用に回す。
吸いたいけれど流石にこの人数とこの状況ではマズいと分かっているからだ。
そして、リビドーの言葉を聞けば,

「……良く回る舌だな。
 さらりと食事の約束を取り付けるとは。」

クククク、と楽しげに笑いました。

斎藤 朱莉 > 「コミュニケーション閉ざしてる奴は、自分からってのは中々ないですからねえ。
ぁー、反応が無いよりはマシ、と。そこからメンタルほぐしていくのは、腕次第ってところですかね?」

専門外なので適当な言葉も混じってしまうが。
難物であろうと、やはりやる人がやれば解きほぐせたりするのだろうか。

「あー、そっちにもつながりますか。機会だけ設定して、当人らのモチベーションに任せるのが無難ですかねぇ……」

獅南の言葉には頷き、これまたメモ。
押し付けはよくない。これは大抵のことで言える万能の言葉であり、そしてともすれば忘れがちになってしまう事であった。

リビドー > 「有難い。お互い日程の調整は大変だろうが、
 連絡を探りながらやっていこうか。」

 愉快に笑みを浮かべてから、
 からかうような獅南に視線を向け直す。

「ん?哲学者の舌が回らなくてどうする。
 それにそもそも食事の約束一つ取り付けた所でもボクを意識する事もあるまいに。
 なぁ、斎藤先生。」

 恐らく、獅南のからかいに乗ったのだろう。
 わざとらしくも斎藤先生に振ってみせた。

斎藤 朱莉 > 「そりゃそうでしょう。食事しつつ論を交わす、そう言う場を提案してくださったわけですし」

きょとん、と。
それだけだけどおかしいところある?と言わんばかりに返答した。
見事なまでに色気が無い斎藤朱莉、26歳。

雪城 括流 > 「ツバキには先日一人紹介したばかりだったよ?」
目をぱちくりさせて困ったようにお口を開ける。そっちのほうは大丈夫?というように。
でもまあ後でいくらかリストアップはするのでしょう。…好みに合わせて。

「閉じこもった原因が現在の環境にあれば、それをどうにかしてあげる必要はあるはずだ。
その際に繊細さが要求されるのは確かだね。だからリストも誰にでもは配布しないよ。
まあ、このリストで一番に手を出すべきは、左右もわからずなかなか友人関係を構築できない生徒なんだよ。手助けくらいはするべきじゃないかな。」

そう拗らせた面倒な生徒を第一にやるならトップに輝くグエンさんの文字からになるでしょうね。
彼女とはあくまで偶然がきっかけだったわけでもあり。そういう縁でなければ優先されるものではなかったんでしょう。
あと蕎麦屋。

獅南蒼二 > 「一番重要なのは…求めているものを知る事だろうな。
 必要のない手を差し伸べられても困るが,
 心から必要としている手だったら喜んで掴むだろう。」

獅南にカウンセリング等の心得があるわけではない。
だが,獅南の元に集まる生徒の多くが少なからず破綻した部分を持っているのも事実だ。

「…まぁ,その生徒にとって必要なのであれば,差し伸べた手を取ってくれるだろうさ。」

そう呟いた後、リビドーと斎藤を交互に見て,

「……からかい甲斐の無い奴だ。」

苦笑交じりのため息が出ました。

白泉椿丸 > 「あら、あのくらいなら問題無しよォ。
 それにィそういう生徒達や存在を知ってた方が、何かあった時にパッと動けるでしょ~?」

アタシはまだ許容範囲内よ?と可愛らしく片頬を膨らませる。
病院の方は、時間が許せば、生徒のいる病室巡りを再開させた程度で。

「なにもつきっきりで見るわけでもないしねン。心配してくれてアリガト、括流セーンセ」

斎藤 朱莉 > 「ですね。我々に出来る事があるなら、出来る限りはしてやりたい。
……あの虞淵やらは、本当にどうしていいかわかりませんけど」

括流に頷きつつ、溜息。
虞淵。データは閲覧済みだが……規格外だ。
普通に話してもダメであろうし、いざ力技となっても人狼化した朱莉でも圧倒されかねない。
まさにお手上げ、と言う奴である。

「ですね。アタシらが与えたいものを与えるんじゃなく、相手が欲している物を与える。
その為には、より彼らを知る必要がありますか……」

うんうん、と頷いてメモ。
自己満足から脱する一番の手段は、相手の事を親身になって想定する事だ。
そうする事で、自己満足と現実の乖離を自覚する事が出来る。

「なんかからかう所ありました?」

そしてこの様である。

白泉椿丸 > 斎藤と獅南、そしてリビドーの会話を横で聞いていたオカマは

「やだァ、びっくりするほど色気ないわね、アナタ……」

何だか逆に可哀想だわ、という眼で斎藤を見たのであった。

獅南蒼二 > 「虞淵……あの男は何年生になったんだったかな。
 面白い奴だと思うが,確かにはた迷惑な存在ではあるがなぁ。
 問題児というよりかは,災害みたいなものだろう、アレは。」

小さく肩を竦めて,笑う。
いつだったか久々に顔を見た気がするが…確か演習場の分厚い壁を普通にブチ抜いていた。
アレが異能者でもないというのだから、笑うしかない。
あれはなんというか、そういう人種だ。種族:虞淵なんだろうきっと。

「……見かけは美人だと思うんだがな。」

椿丸の言葉に失礼なセリフを重ねるししなみせんせー。

リビドー > 「ははっ、違いない。」

 悪童らしい笑い声。
 ひとしきり笑ってみせた所で。

「カウンセリング、カウンセリングなぁ。そしてグエンと来た。
 グエンのようにもう突っ走り切った奴は手の打ち様がないな。
 カンも鋭いだろうから、意図して近付いたら無理だろう。
 そうやって近付く奴は大抵怪しまれるからな。ボクも人の事を言えないが」

 思う所があるのか、極まりの悪そうで言葉を濁す。

「拗らせた奴は考える奴だから拗らせている訳だからな。
 そこに引っかからない者で無ければ易々とは解せんだろう。
 心を折る なら まだ簡単に出来るかもしれないが……」
 

斎藤 朱莉 > 「……え?」

色気、今の話に関係あったのだろうか。
そんな事を考える斎藤朱莉先生。そんなだから色気が無いと言われるのに気付くのはいつになる事やら……。

雪城 括流 > 「欲するものだとしても不意に与えられたところで手には取らない。
もし知らない相手から差し伸べられる手を取るようなら、それは危うさでもある。
難しいところだけどね。」

無難な選択肢から差し伸べる手は悪魔の一手と変わりはない、というように。
同時にリストの彼らはそういう方向に『堕ちる』可能性を秘めているということでもあり。
それ以上は話題が面倒そうなので打ち切ろうとして首を振る。…話題がうつりつつあったけど。

「トップに置く割に落第街に私は行かないから、あまり関わる機会がないけど。
ただ今の担当にはちょっと重荷になっているみたいではあるし…ツバキ、グエンさんのリスト後で送っておこうか?」

グエンさんには不幸そうな一言を投げかける。投げかけてしまった。
まあ普通の教師より、対抗できそうな教師を当てるのは当然ですよね。うん。

獅南蒼二 > 「そもそもアンタら、あの虞淵をどうこうしようって考えがあるのか?
 私は…そうだな、酒でも飲みながら話したら面白いだろうとは思う。
 が、そこまでだな。更生させようとも思わんし,止めようとも思わん。
 ……尤も,私の生徒に手でも出したら,容赦はしないが、ね。」

虞淵の話題になっているので、とりあえずみんなに聞いてみる。
アレをどうこうしようと本気で考えている人が居たら、
その人は勇者か愚か者だ。

白泉椿丸 > ンモッ、んもォ~~!この斎藤先生、大丈夫かしらァ。
もしかしなくても、処女だったりしない?彼氏いた事あるのかしらン。
これで両方ともアタシの予想してたっていうか、見たまんまだったら…。
ヤダッ、眼も当てられないじゃなア~い。勿体無ァ~い!
周りの男共はナニしてたのかしらッ。色っぽい席の一つも設けてあげるべきネこれは…。
こういうね、道一本の女が一夜の過ちなんかしたら、大変なんだからァン!
気にしてないフリをして心の奥底で相手の事考えちゃったりして…。
ズブッズブ(イヤァン!)よ!ズブズブされたあとに自分で思考の沼にズブズブよォ!
アタシにもそういう時期はあったケド、そういうのは若いうちに済ますべきなの…。

括流からリストの事を聞かれると、二つ返事で頷いた。

「さっきから話に出ててるしぃ、アタシも噂は聞いたことあるのよねン。
 また活発におイタしてたりするなら、一度会ってみたいわ。是非ちょうだいな」

斎藤 朱莉 > 「難しいですね……安易な救済は堕落に繋がる」

むむ、と考え込む。
専門外故に中々考えも出てこないが、考えを放棄するのもどうか、と言った所である。
あんまりうんうんと考え込んでも仕方ないのではあるが。

「正直、どうにかできる気がしない、が正直なところですね。
アレは色々と規格外、他人がどうこう言ってどうにかなる自我のレベルじゃないでしょう」
……ちなみに、処女であり彼氏がいた事はない。
二つの予想、大当たりである。

リビドー > 「どうこうできないが、ボク個人としては興味がある。
 あれはまごうことなき純粋な英雄、超人だよ。純度の高い超人だ。
 それこそ、神話伝承にでてくるようなものに比類する人間――とボクは睨んでいる。」

 其処まで言ってから、大きく肩の力を抜いて息を吐く。

「ま、拗らせた生徒については教師だけの仕事でない。生徒たちが互いに結ぶものでもある。
 その縁を繋ぎ易くする事だって拗らせた者を救う手立てになるだろう。
 学問にしろ生活にしろこっそり道を用意しておくのも務めだ。使われなくても知るだけで十分に役目を果たす。
 そんな話をこの前白泉先生としてね。だからさっきも好ましいと言った訳でだ。
 
 ……ああ、ボクの方にも可能ならばそのグエンも頼むよ、雪城先生。」

雪城 括流 > 「対話できるなら対話すべきだと思うよ。
彼には彼の理念理屈があるはずだ。それを変えられるかは別だけど。
どちらかといえば学園と言う、あらたな体制を試行錯誤する場で彼の存在をなかったことにするほうが、問題であり。
そして彼の在り様を無視してを枠に押し込めることは融和していくための学びの場としての学園を否定する行為じゃないかな。」

まあ酒も会話も、まずその場に着くのが困難だろうことが問題であり。
あとヘラクレスとかスサノオとか前例もいるし、と括流的には思うところ。
椿丸先生には頷いて、どこかからぽいとリストを取り出して渡す。グエンさん、合掌。

斉藤せんせ、大丈夫かな…よく考えたらくくる除いたらこの場斉藤せんせのハーレム状態なんだよね…
ツバキはともかくとして、なんて思いつつ口出すことでもないような気がしつつ。うーん。

獅南蒼二 > リビドーの言葉に頷き、
「なるほど,確かにアンタの言う通りだ。
 ああいうのが時代を間違えれば神の血を引く英雄だとかそういうハナシになるのかも知れんな。」
楽しげに笑う。魔術以外には本当に興味が無いのだろう。
もうなんか、ほぼ完全にスルーしている。傍観者の在り様だ。

「学園がどうだとか,その辺を語るのなら先に“落第街”とやらをどうにかすべきだと思うがね。
 融和だとか何とか言いながらも,人間を“区別”しているわけだからなぁ。
 まぁ,それでは何かと不都合があるのかも知れんがね。」
落第街にはこの男の“教え子”たちが、何人も生活している。
そんな理由もあってか皮肉めいた言葉を呟いて,窓際へ移動した。

あ、煙草に火付けやがった。

窓際だから許して下さい。