2015/06/15 のログ
■サリナ > 「そうですね。勿論調理の為のものではありませんが、」
一旦呼吸を置いてから続きを口にしようと…
「………」
口を開いて、何も出なかった。
獅南から視線を外し、夕陽を見遣った。
子供の頃の記憶…まだ、『向こうの世界』に居た頃の記憶が思考をよぎった。
虫眼鏡、太陽の光、焦点の中心で焼かれる植物や蟻…
「今は何をしようとしてたのか、忘れてしまいましたね…」
ただその時の興味、疑問が理由になるのか、言い難く、言葉を濁した。
「目的もなく行使する訳ではありません…理由が出来たらそれで何かをするでしょう。しかし、探求に目的は必要ですか?」
獅南に向き直ってそう告げた。
■獅南蒼二 > 「無論、探究そのものに理由は必要ではない。
学問とは本来そうあるべきものだ…それは、私も理解している。」
だが、と、手を伸ばして…マッチを擦るように指をすり合わせ、指先から、炎を生じさせる。
「授業でも述べたが、魔術学とは“力”に直結することの多い学問だ。
お前の研究している光や熱の指向性も、その範囲や出力によっては恐ろしい結果を齎すこととなるだろう。」
光りや熱を発生させることに拘らず、存在している熱や光を、それこそ、太陽のエネルギーを活用すれば、どうなるか。
……現行の魔術学で行使できるエネルギー量など問題にならないほどの膨大なエネルギーだ。
「……熱心なのは良いが、お前の望まぬ結果を生まぬよう、せめて目的だけは、はっきりとさせておいたほうが良い。」
■サリナ > 獅南の出した魔法の炎をじっと見入って耳を傾けた。
(力…恐ろしい結果…わかっている。人を消し炭にする事ぐらいなんて事ない力だった…でも望まぬ結果じゃなかった)
思考が頭を駆け巡るのに気付いて、すぐに意識を現実に戻した。
「ご忠告、痛み入ります」
感謝の意を示し、視線を獅南の顔に向ける。
「先生、あなたには目的がありますか?」
■獅南蒼二 > サリナの表情を見れば、満足気に笑んで、指先の炎を消し去る。
見込みがある。その思いを確信に変えたか、サリナの問いには適当な椅子に座って、頷き…
「…あぁ、私は魔術学こそ、人が持ち得る最高の防具であり、武器だと確信している。
そしてそれは…学ぶ意欲さえあれば、誰もが学び、誰もが得ることのできる、極めて平等なものだ。」
視線を真っ直ぐに向けて、語り始めた。
「お前のような熱心な生徒に、魔術学という力を与えること。
やがて私の生徒たちが世に魔術学を広げ…学ぶ意欲がある者すべてが、平等に力を持ち、虐げられることなく生きられる社会を作ること。」
「…大袈裟だが、そんなところかな?」
言い終わればポケットから煙草を取り出して、周囲を見回した。
禁煙のマークがあるかどうか探しているようだ。
校内は全面禁煙だった気もするが…。
■サリナ > 少しだけ、目が見開いた。驚き、とでも言うのだろうか、普段から表情は薄いが故に目立つ顔の動きだった。
「…私の世界では魔術とは誰にでも教えたり、使えたりするものではなく、研究の成果は極めて限定的に伝わるものでしかなかった」
言いながら立ち上がって、窓辺に歩き出す。
「意欲だけでは得られない力かもしれないのに……それを平等に…」
窓を開けて、向き直る。
「知りませんでした。そんな事を思っている人が居るなんて……」
獅南がタバコを取り出したのを見て察したのだろう、窓辺へとちらりと目線を動かして促した。
■獅南蒼二 > 指先で煙草を弄びつつ、サリナの表情の変化に目を細める。
「…この世界でも“異変”の以前は同じような状況だったらしい。
だが、今では学問として広く受け入れられている……いや、広く、というのは言い過ぎかもしれんが。」
静かに立ち上がって窓際へ歩きつつ、先ほどと同じように指先から炎を生じさせて、
「無論、内包する魔力の大小はある…運動神経と同じようなものだ。
だが、魔具や魔導書、魔石などを活用すればある程度の底上げは可能だ。
…貴様の珍しい魔術も、概念だけでなく論理も構築して体系化すれば、誰もが使える武器となるだろう。」
窓際に到着すれば、煙草に火をつけた。サリナの方へ煙を流さないように気を付けながら、紫煙を燻らせ…
「……現時点では、魔術より異能が全盛だ、私の話は、ただの夢物語だよ。」
■サリナ > 「誰もが使える…武器…」
何か、その言葉に違和感を覚えたような気がした。しかし、今は何故だか逸る気持ちを抑えきれず、思考の隅に追いやった。
「先生…そんな事はありません。異能は得られない人が居る。異能こそ、得る事が叶わない者の夢物語にしかならない」
サリナにも異能というものの授業にいくつか出た覚えがある。自分が得る事ができないもの知りえない事をただ横から聞くだけの、そんな授業でしかなかったが故に獅南の言葉に反論した。
「…だから、私には先生の仰る事が夢物語だなんて全く思えません」
その視線はまっすぐに煙草を吸う獅南の顔に向けて…
■獅南蒼二 > この優秀な学生は、真っ直ぐな視線を向けてくる。
男は吸い殻を携帯灰皿へと入れれば、瞳を閉じて…僅かに、笑んだ。
「理解を示してくれる学生は少なくてね…私の授業が、難解過ぎるのかも知れんが。」
事実、この男の授業はあまり人気があるとは言えない。
この男が語った言葉の通り“学ぶ意欲”の足りない学生は順調に淘汰されていく程度には、難解で、高度な内容を教えてくれる。
小さく肩を竦めつつ、視線をサリナへと向けて…
「…もし興味があるのなら、私の研究室へ来るといい。君のような優秀な学生なら歓迎するよ。
君の魔術体系は革新的だ、私の研究のためにもなる…君にとっても、学習課題を解決する糸口が見つかるかもしれん。」
…言いつつ、指先をちょいちょい、と動かす。
すると、落ちていたシャーペンの芯がふわっと浮き上がって、サリナのノートに、研究室の場所をメモ書きした。
■サリナ > 宙を動くペン先を横目でちらりと伺って、視線を戻した。
「ありがとうございます。機会があれば是非…それとあなたの授業、これからも出てみます」
(この人の意見はきっと貴重なものだ。そしたら私の魔法もより高みに…)
思案しつつ視線を沈みかける陽に、そして次に時計に移す。
このまま居ても今の事で頭が一杯で何も手がつかないような気がした。そろそろ帰るのにいい頃合だろうか
「すみません、私はそろそろ帰ります。今日はありがとうございました」
深く礼をすると、座っていた机の前立って荷物をまとめ始める
■獅南蒼二 > 「こちらこそ…良い暇つぶしになった。」
やはり暇つぶしが最初の目的だったようだ。
それ以上に、貴重な人材を見つけることができたのは、この男にとって幸運だった。
「君の理解力なら付いてこれるだろう…研究主題も、明確なようだ。」
荷物をまとめ始めたサリナを横目に、煙草をもう1本取り出して、火をつける。
「あぁ…気を付けて、な。」
窓枠に腰かけて、暢気に煙草を吹かしながら。
■サリナ > (明日の授業は)
(獅南先生の授業の確認)
(光、煙草、先生、研究室)
荷物をまとめている間も思考が廻る。ポーチを腰にかけて扉へと歩く。
(今日の晩御飯)
(光、熱、魔術、先生、授業、ラーメン)
「ラーメン」
ぽつりと、何故か食べ物の名称が出たが、本人は気にした素振りもなく廊下に出ると一礼してから扉を閉めた。
ご案内:「教室」からサリナさんが去りました。
■獅南蒼二 > 「………ラーメン?」
聞こえた言葉を思わず繰り返したが、相手は去って行ってしまった。
あのノートを見ればわかるが…不思議な生徒だ。
恐らく思考がいくつも並列してしまうタイプなのだろう。
ラーメンは、どこから湧いてきたのか、分からないが。
ご案内:「教室」から獅南蒼二さんが去りました。
ご案内:「教室」に士尺 流雲齋さんが現れました。
■士尺 流雲齋 > この老人が教壇に立つのは珍しい。
いつもなら、訓練施設で学生をしごいているか、演習場で杖をふりふり学生を追いかけまわしているかのどちらかであるからだ。
「さて今日は、どうするかのう」
ご案内:「教室」にレオンさんが現れました。
■士尺 流雲齋 > 魔法剣の授業は人によって程度の差はあれど、まずまずの進行具合だ。
神通力は…まあ、しょうがない。卒業を控えた学生にでも教えるとしよう。
「光と闇を同時に剣にまとわせたい、とかいう生徒も居ったのう。まったく、複数属性の剣を扱うなら魔術の成績をあげよというに」
■レオン > っと… 先生がいたか
■レオン > まぁ、いいか(適当な席に着き、自分のノートを広げる)
ご案内:「教室」からレオンさんが去りました。
■士尺 流雲齋 > 見回せば、他にも数名の生徒がいるのが見えるだろう。
では、特殊な魔法剣についてちょこっとだけ話しておこうかの、と老人言った。
「何から話そうかの。そうじゃ、まず複合属性から話そうかの。
光と闇、あるいは炎と水、風と大地。一見すると相反するように見える2つの属性を同時に操ることは、確かに難しい。じゃが、それはそれぞれを反発するものだと認識しているからである。まあ、この辺りは魔術論争の議題の一つでもあるんじゃがの」
ホワイトボードにマーカーで属性の相関図を描く。ひとつは四元素、もうひとつは五行。
表現方法には諸説あるが、と続ける。
■士尺 流雲齋 > 「そこの少年、光と闇の共通点はなんじゃと思うかの?
…ちと難しいかの、では質問を変えようぞ。
ううむ、【朝】と【夕方】に共通する事柄はなんじゃと思う?」
適当に生徒を指さし、問いかける。
しばらく間があって、時間、太陽の方角、などという解答を得られると満足そうにうなずく。
「そうじゃ、よく気づいたの。2つの共通項を探す、これがポイントじゃ。
光と闇も同様に言い換えられる。光側から考えるか、闇側から考えるかの違いはあるがの」
■士尺 流雲齋 > すなわち、光が明るいか暗いか、あるいは闇が濃いか薄いか。
これは屁理屈かもしれない。だが、少なくとも2属性を操る点では多少なりとも参考にはなるだろうか。
「ま、真の光とか闇とかは我々には扱えぬと思うんじゃ。
なぜなら、かざしたわが手すら見えなくなるからの」
詠唱どころではあるまい?と悪戯っぽく笑う。
■士尺 流雲齋 > 「さて、講義はこのくらいにしようかの。
頭がこんがらがってきたじゃろうし」
早々に切り上げ、続きは実習での、と笑った。
ご案内:「教室」から士尺 流雲齋さんが去りました。
ご案内:「教室」に間黒黒助さんが現れました。
ご案内:「教室」から間黒黒助さんが去りました。
ご案内:「教室」に間黒黒助さんが現れました。
■間黒黒助 > 「ふおおー!! 本日の学業は終了であります!」
講義のおわった小教室。長机のひとつで揚々と諸手を上げるのは、古めかしい学帽と詰め襟を着た学生であった。
おもむろに鞄から机に取り出したのは、飯ごうの蓋ほどの弁当箱が三つ。
ぱかり、とひとつを開けると、そこにはぎっちりと詰めこまれた冷たいご飯と、梅干しが真ん中に一つ入っているだけの弁当であった。
「いや~、これが楽しみで学園に着ているようなもんでありますな~。うっひっひっひ」
■間黒黒助 > いただきますの礼をすると、箸でもしゃもしゃと白めしをかっこみ始める。
その様子はたいへん幸せそうである。
「それにしても、この学園の講義は進んでおりますな~。小官ももっともっと頑張らないことには、時代においてかれるであります」
やや前時代的な陰陽道を修める間黒黒助にとって、異能や魔術、異世界のことを当たり前に語る、この学園から得るものは多かった。
■間黒黒助 > はやばやと一箱目を平らげると、黒助は二つ目の弁当箱に手をかけた。
蓋を開けて出てきたのは……やはりぎっちりと詰めこまれた白めしである。
それをあいも変わらず福福とした顔で頬張っている。
「それにしても、こうして白いごはんが食べられるのも兄上の仕送りのおかげでありますなー。まったくありがたいことであります」
■間黒黒助 > 小一時間ほど経ち、ていねいに八十八回咀嚼して、三箱に及ぶ白めしをきれいに平らげると、生徒はおもむろに立ち上がった。
「よし! では残りの時間は鍛錬に励むでありますか!」
ご案内:「教室」から間黒黒助さんが去りました。
ご案内:「食堂」に『室長補佐代理』さんが現れました。
■『室長補佐代理』 > 学園大食堂。
いくつかある食堂のうちの一つであり、それなりに人がいつもいる食堂である。
常世学園はその性質上、食堂の内のいくつかは長時間営業をしており、この食堂も朝7時から夜23時までの長時間営業をしている。
本土にある某コンビニの元々の営業時間を意識したものと思われるが、詳細は不明だ。
■『室長補佐代理』 > そんな食堂の片隅で、教科書を広げている男が1人。
黒のざんばら髪の隙間から黒瞳を覗かせ、じっとりとした視線で教科書を眺めながら、ノートにがりがりと書き込みを続けている。
自販機でかった缶コーヒーはとっくに冷めており、最早半分以上文鎮代わりにしかなっていない。
ご案内:「食堂」に志葉恭介さんが現れました。
■志葉恭介 > 【湯気の立つ丼をトレイに載せ、辺りを睥睨するように顔を巡らせる黒ずくめの少年が一人】
【自習中と思しき人物に視線を留めると、仏頂面の瞳がさらに鋭くなった】
【そのまま迷いなくテーブルに近づき、無遠慮にトレイを置く。丼の中身はきつねうどんであった】
失礼。
相席させて貰おう。
■『室長補佐代理』 > 「断りすら要らんさ。俺と君の仲だろう? 志葉君」
じわりと滲むような笑みでそう返答する。
課左手に握ったペンを動かしたまま、視線だけをあげて。