2015/06/27 のログ
ユーユン・レイ > 自分の持つ能力、反射神経であったりとか身のこなしであったりとか。
それらはここではない、『本当の』自分の世界ではきっと誰もが当たり前に持っているものなのだろう。
いや、この世界でも特別ではないかもしれない。
自分など遥かに凌駕した身体能力や勘の持ち主は幾らでもいる。
特に落第街の裏道なんかに現れると噂の男。
会って見たい様な、会いたくない様な。会っても相手にされないだろうけど。

他事を考えながらも本に目を走らせる。
望む情報は見つからない。
もう仮説でも何でも良かった。
縋る物があれば、それに向けて努力の一つも出来る様な、そんな気がしていただけだから。

ユーユン・レイ > 一冊、また一冊と本を左から右へ積みなおしていく。

欲しい物のヒントすら掴めなかったらどうしよう。
絶対もう本を元に戻す元気も出ないよ。

徒労感が増す毎に猫耳が倒れていく。
本の半分くらいを消化した所で完全に倒れた。
2/3くらいで上半身までもが倒れた。
分厚い本を枕にするようにして突っ伏す。
しばらくそのまま本に顔をこすり付けてから呻いた。

「だ、だめだぁ~……」

思いの他大きな声が出た。

ユーユン・レイ > 気分を変えようと思ったのか、諦めようと思ったのか。
本人にも分からないが、ふと立ち上がって調べ終えた本を戻し始める。
何回も往復して探し集めた本たちである。
どこから持ってきたかなんて覚えていないので返すのにも時間がかかる。

「これ、どこだっけ」

独り言を呟きながら本を返す。
何だか最近は独り言を言いすぎて周囲の目すら気にならなくなってきたのだった。
本を返し終わったら直そう、と思う。

ユーユン・レイ > 時間はかかったが、本を返し終えた。
惰性でやったせいで思わずまだ調べ終えていない本まで全部返してしまったが。
机の上に何もなくなり。すっきりした席に座って授業を思い出す。

異能発現の理由は分かっていない。原因は一つじゃないかも知れない。

というか異邦人と呼ばれる自分に異能なんて目覚める余地があるのだろうか。
そんな所まで考えて勝手に暗くなる。
そもそも何で欲しかったんだっけ。
そんな能力があったからと言って何が変わると言うのか。
そんなに努力したくもないのに変化を欲しがる、ただの身勝手な変身願望では?

ユーユン・レイ > 強く頭を振って立ち上がる。
一人でじっとしてる時はいつもこうだ。
何かを考えては気分が重くなるばかり。
しかも一人じゃないときは殆どないと言う。

「よし」

調べ物を始めた時と同じ掛け声をかけて図書室を後にした。
こういう時は体を動かすに限るのだ。

ご案内:「図書館」からユーユン・レイさんが去りました。
ご案内:「休憩室」に聖夜さんが現れました。
聖夜 > 「…あれから何かあったと言う事は無さそうね……」

夕刻の図書館、休憩室にて
左手に持った携帯式電子端末の画面を
右手の指で弾きながらぼんやり呟く
電子端末の小さな画面に表示されているのは
常世島内で起こった事件の一覧

ご案内:「休憩室」から聖夜さんが去りました。
ご案内:「休憩室」に聖夜さんが現れました。
聖夜 > 「表で起こっていないだけなのか
それとも潜伏したままなのか…さっぱりね」

聖夜が歓楽街路地裏で遭遇したあの『事件』から
数日の時間が流れ『事件』は治安組織の知る所となり
公開可能な情報は島内の情報ネットワークにアップされ
注意を呼び掛ける旨も記されている

それはつまり『事件』が未だ解決していない事を示していた

聖夜 > 「…私の事が知られていないのが
せめても幸いかしら…ふぅ」

聖夜は小さく溜息すると、電子端末をテーブルに置き
ポケットから紙パックのトマトジュースを取り出し
プスリとストローを刺した

幸か不幸か聖夜は『事件』に関わってしまい
大立ち回りをしてしまった、今思うと派手に動き過ぎた
もし目撃者が居れば即座に通報され
聖夜の『狩り』にも支障をきたす事となっていた

聖夜 > 「早々になんとかしないと色々と不味いわね……」

聖夜は呟くとストローを咥え紙パックの液体を啜った
ぬめりとした鉄の味が喉を潤し刺激する
彼女が口にしているのはトマトジュースでは無い
人の『血液』を加工し精製された『吸血鬼』のためのジュース

「ふぅ…でも情報が足りなすぎるわ
知識をもった鼠の資料なんてどこにあるのよ……」

そのなんとかすべく資料となりそうな書籍を求め
図書館へと足を運んだのだが
対応策のヒントとなりそうな資料は見つからずであった
聖夜が捜していたものそれは『吸血鼠』の資料

ご案内:「休憩室」にクラスカさんが現れました。
クラスカ > (生活委員には分類不能な「その他」の仕事が厄介払いのように回されてくる)
(誰も手をつけようとしない学園の敷地内に植えられた草木の剪定や、最近では本来生徒が立ち入り禁止の大時計塔の掃除なども割り振られようとする始末)
(果ては「害獣」の駆除まで)
(生活委員が公安や風紀に比べて今一つ人気がなく、日陰の者として身を潜める理由がそこにあった)

だって鼠……鼠でしょ。
野生動物が本気出したら人間が狩り尽くせるのかなァ。
それに異能持ってるっぽいんでしょ。
生物災害の専門部署作って対策してもらった方が今後のためにも得だと思うのに。

(ぼやきながら休憩室に入ってくると、長椅子に腰を下ろす)

聖夜 > 「これからどうしようからね……」

聖夜は空となった紙パックをゴミ箱へと放り投げると
大きく伸びをした
足で調べるか、ここ以外にも資料を求めるか……

「…鼠…?」

そんな事を思いながら聖夜が立ち上がろうとした時
聖夜の耳に男子生徒のぼやきの声が聞こえる
聖夜の聞き違いで無ければ、彼は呟いた『鼠』と

クラスカ > (男子生徒が袖を通した薄手のカーディガンは血のように紅い)
(前髪は伸び放題で、双眸は秘密のベールに隠されて表情は伺えないが)
(それでも露骨に膨らんでいる頬と尖った唇が、今の心境を如実に表現していた)

(隣の髪の長い女生徒が自分を眺めているようで)
(慌てて身なりを取り繕うと、恐る恐る尋ねてみる)

あの、僕に何か……?

聖夜 > 「あ、えっと……」

男子生徒の問いかけに
聖夜は直ぐに答えを返す事が出来なかった
どう聞くべきか?どう聞けば自然な質問となるか
聖夜は全力で思考し、そして返答した

「はいー。私、鼠が苦手なので
どこかで鼠が出たのかなー…って」

にっこりと微笑んだ後、聖夜は『心の中』で身悶えた
こんなの自分のキャラではないと
だが今は仕方がない、少しでも情報が欲しい

ご案内:「休憩室」に山吹 冠木さんが現れました。
クラスカ > (銀色の奥に秘められた青の瞳が僅かに細みを帯びる)
(そんな変化を感じさせないためか、務めて男子生徒は明るく振る舞う)

そっかー、女性の方はやっぱり鼠とか、不潔なイメージがある動物は苦手ですよね。
反対に人気のある夢の国にいるマスコットとかは随分可愛く描かれてるから、忘れそうになりますよ。

(ははは、と頭の中身が軽そうな笑みを見せると、こほん、と咳払いを一つ)

後からの情報を纏めてのことなんですが、歓楽街で鼠が大量発生したみたいなんです。
そいつらは溝や下水に潜んでいるただの鼠じゃなくて、異能を使うような。
野放しにはできないので、生活委員の方に何とかしろって命令が下ったので。

どうしようかなって。
(肩を竦めお手上げ、のポーズ)

山吹 冠木 > 「こっちの仕事も頑張らないとなー……」

ぼやくように呟きながら、休憩室の扉を開く。
偶然とはいえ、あんな現場を目撃した以上……流石に、座して待つというわけにもいかないだろう。

害獣……鼠への対処に心得が無いわけではないが、
流石にあんな事が出来る鼠は見たことがない。

「熊より危ないんじゃないか……?
と、クラスカ……に……先客さん?」

見知った人影に軽く手を上げつつ、首を傾げる

クラスカ > こんちは。先輩ももしかして、例の『鼠』の件ですか?
(入ってきた先輩の山吹に手を挙げ、尋ねる)
(山吹も『鼠』に関しては概ね同程度の情報を持っているはずだ)
(むしろ野生動物への見識が深いならば、より有効な対策を握っているかもしれないと期待を抱く)

聖夜 > 「はい、ハムスターは平気なんだけど…鼠はちょっと……
でも、この付近ではないんですね?」

極めて平静を装い返答した後
直感した、この男子生徒くわせ者だと

「あ、ごきげんよう?
お二人はお知り合いなんですか?」

そして新たな来訪者
会話を聞けば二人が知り合い同士であり
『事件』を追っている事もわかる

山吹 冠木 > 「そう言うクラスカもか。
まあな……連絡があったのもそうだが、
目撃者に話を聞いた手前、流石にのんびりはしてられないしな。
鼠がやったとは思えないぞ、あれ」

偶々立ち入った現場の惨状を思い出し、眉を潜める。
資料写真を撮りたかったが……
まさか、戻ってきた時には全て消えてしまっているとは思わなかった。
話を聞きだすのは専門ではないし……改めて思い返しても、何とも要領を得たとは言いがたい。

クラスカ > >聖夜
ええ、事件現場は歓楽街だそうです。
環境的に何か起こるなら、スラムとか落第街の方に流れそうですね。
治安も悪いしくれぐれも!近づかないよう、注意して下さいよ。

(指を立てて念押しするが、どこかその様子は芝居がかっている)

ええ、僕とこっちの山吹先輩は生活委員なんですよ。

山吹 冠木 > 「と、初めまして……まあ、生活委員の繋がりで。
経験で言えば、俺が後輩でクラスカの方が先輩なんだけどな」
学年とは逆なだけに、少しややこしい気がしなくもないが。

「野鼠やら町鼠を駆除したことはそれなりにあるが、
あれはもう別の何かな気がするなあ……」

クラスカ > >山吹
目撃者から事情聴取ができたんですか?流石です先輩!
(どうにも又聞きばかりで、どこまで情報を信用していいか疑わしい)
(そう言う意味でも、生きた情報を提供してくれる人間は貴重だ)

ああ、ホラー映画真っ青の惨状だって聞きましたよ。
(慌てて口を抑え、言葉を切る。一応、女生徒へこんな話はご法度という配慮をして)

……本当、どうするべきなんでしょうね、あれ。
毎度のことながら、生徒には手の余る問題ですよ。

聖夜 > 「へぇ…お二人は生活委員会なんですね?」

聖夜はこくりと頷いた後、思う
生活委員会……
ネットワークに情報を記載した組織の関係者だと
そして生活委員会も記載情報以外の事を把握していないと
そして聖夜の事もまだ知られていないと

≫クラスカ

「はい、それは勿論!
あっちの方は治安も悪いし、夜は危険ですから!」

聖夜はコクコク大きく頷くと
電子端末を胸ポケットに入れて立ち上がった

「えっと……
そうなると暗くなる前に帰らないと危ないですね?
私はそろそろ失礼します、ごきげんよう」

二人に向け大きく頭を垂れると休憩室を出て行った
これ以上こちらが得る情報が無い以上
危険を冒すわけにはいかないと……

山吹 冠木 > 「流石も何も、偶々現場が終わった後に居合わせてな……
偶然無事な生徒が居たから、話を聞いたんだ」
尤も、かなりの恐怖を味わったらしく、詳細については分からないが……お陰で、報告をするのも苦労したのだ。
「なんか、誰かが助けてくれたらしいが……あとは、まあ後始末が楽だったくらいだな」

あの現象がなんだったのかは、さっぱり分からない。
死体を片付ける酔狂な人物が居たのだろうか。

「思い当たる方法はあるが……通じるかは分からないなあ。
確かに、生徒がというか、もっと上の方だよなー……」

鼠に食べられて死ぬのは、流石に勘弁したい。

山吹 冠木 > 「ん、またな」
手をふって、後ろ姿を見送るだろうか。
「……確かに、暗い道は物騒そうだな」
そんなことを呟きながら

ご案内:「休憩室」から聖夜さんが去りました。
クラスカ > はい、気をつけて。
(手を振り、出て行く女生徒の後ろ姿を笑顔で見送る)

(女生徒との短い接触の間で感じた違和感の正体は何か)
(整えて切り揃えた前髪、衣服に拘束された程々に豊かなボリュームの胸……)
(そんな男性として惹かれる当然の身体的特徴ではなく)
(魔術師としての勘に訴え掛けるもの)

先輩、さっきの人は要チェックですよ。
(聖夜が去った後、山吹の傍まで寄ると密かに耳打ちをして)

あんな綺麗な人がいるなんて知りませんでした。何年生だろう?彼氏いるのかな?
(と、おどけて見せる)

山吹 冠木 > 「…………まあ、気になるのは分かるけどな」
真面目なのか不真面目なのか分からない話だ。
健全な男子生徒としては気になる部分はあるが……
しかし、眼前の少年はいきなりそういう事を言うタイプにも思えない。
軽い調子に見せかけて、裏では何かしら考えているタイプだろう……
以前の会話から、漠然とそう思う。

しかし

「……ストーカー規制法とかに引っ掛かりそうだよなあ。
まさか、生活委員にんな話来たりしねえよな」

年頃の生徒なら、そういう悩みも案外多そうだ。

クラスカ > (山吹の考えも余所に、どこまでもお気楽な表情と態度は崩さない)
(内面を読ませない意図的さすら感じる、過剰な道化としての仮面)

喜ばしいことに、まだそんな人の道を外れそうなお悩み相談は来てませんね。
僕らのところへ報告される前に、ほら、保健課の蓋盛先生とかが防波堤になってくれてるかも。
でもあの人も保健室で下着姿になってるって噂もあるしな。
むしろ青少年をダメな方向に誘導する標識になるかも。保健課って女生徒多いですから。

(ここまで話して、漸く話題を戻す)

しかし、先輩の話を統合してもどうにも状況は不透明ですね。
一歩踏み込んだ情報を得るなら、やっぱり。

現場に立ち会うしか、ないんですかねえ。

(前髪の隙間から、深い青の瞳が瞬きした)
(眉が力なく下がって諦めたのか、いや半分の眉は吊り上がり覚悟を決めたような)
(矛盾を孕んだ表情を作り、溜息をつく)

山吹 冠木 > 「正直対処に困るしなー……刃傷沙汰になったら、それこそ風紀の出番だろうし」
頭をかきながら呟くが、続けて聞こえた言葉にぎょっとする
「保健室って、やっぱり相談しやすいのか……って。
……いや、それははじめて聞いたな。
あの先生には何度か世話になってるんだが……」
聞いてはいけないことを聞いてしまった気がする。
静かに心の中に秘めておくべきだろう。

クラスカの様子に、同じく溜め息をつく。
「詳細に知りたいなら、そうなるだろうなー……
正直、かなり危ない気はする」

人を襲い、群れで行動し、おまけに能力まで扱う。
これで楽観視しろという方が無理だろう。
だが、他の生徒に危害が及ぶなら……やるしかなさそうだ。

「罠にもかかりそうにないしなあ」
下手をすれば、噛みちぎりかねない

クラスカ > 風紀や公安はここ最近『大きな別の仕事』にかかりきりですからね。
彼らの面子が潰された訳でもないし、高みの見物でしょう。あーやだやだ。

(具体的に『仕事』の内容は出さず仄めかす)

(この数日後、落第街でまた風紀と公安に繋がる大きな事件が起こったのだが、それはまた別の話)

本当、生活委員会も楽じゃないですね。
みんなの生活と安全を守るってのが、これほど大変だなんて思いませんでした。

先輩、この後の予定は?どこか聞き込みにでも行くなら、付き合いますよ。
(先輩に付き従う「後輩」の顔で、意見を伺う)

山吹 冠木 > 「大きな仕事ね……どこもかしこも大変だ。
万が一の時は、協力して貰えるといいんだけどな」
何かが起きているのか……それについて思うところはあるが、
しかし、何かが出来るわけでもない。

今は、自分達の仕事に専念するべきだろう。

「縁の下の力持ちなんて、そんなもんだよ。
地味で面倒で……でもって、誰かはしないといけないことだ。
単位に反映されたらいいんだけどな」

「そうだな……移動してるか、目撃証言があるかもしれないし……少し見回るか」
よっこらせ、と席から腰をあげて、軽く伸びをしながら

クラスカ > (大事にしても小事にしても、等しく学園の脅威となっている)
(教室の電灯が切れたと騒いでいる裏で、島の命運を賭けた戦いが繰り広げられることもある)
(それでいい、と思っている)
(全ての歯車を内包し飲みこんでこそ世界は回る)
(だから今は、目の前に提示された問題を解決していくことが)

(筋書きが空白の明日に繋がると信じている)

でも落第街の方面は止めましょうよ、こんなフラグ立てて鼠に襲われたらたまったもんじゃない。
無難に学生街の方ですかね。

(そう言って、生活委員会の腕章を光らせ、山吹の後に駆け足で続く)

ご案内:「休憩室」からクラスカさんが去りました。
山吹 冠木 > 「なら、これが終わったらファミレスでサラダでも食うか?」

冗談めかして笑いながら、その場を後にした

ご案内:「休憩室」から山吹 冠木さんが去りました。
ご案内:「図書館」に四十万 静歌さんが現れました。
四十万 静歌 > 「どれにしようかな……」

本を一つ一つ手にとってざっと一つ一つ読みながら、
好みの本を探す。

「うーん……あ、
 怪盗もの……
 手品のネタに使えるかな?」

中々好みのものはみつからないが、
いろんな本を手に取り、
ああでもない、
こうでもないというのは楽しい。
ウィンドゥショッピングみたいなものである。

四十万 静歌 > 「うーん……迷ってしまいますね。」

頬に指をあてて小首をかしげる。
確かに好みドスレートのものはないが、
それでも色々手にとってみると、
そこそこ興味がある本はあるもので、
大体において、シリーズ物が多い。
一気に読んだほうがいいので、
どれから読むか決める必要があるのだが――

「ううん……」

凄く悩ましい。悩んでいるのだ

ご案内:「図書館」に谷蜂 檻葉さんが現れました。
谷蜂 檻葉 > 悩む静歌の後ろから、ガラガラと景気のいい音が聴こえてくる。

「すいませーん、ちょっと通りま……あら」

振り返れば、返却本を積んだカートを押している見覚えのある人物が。

「こんにちは。 何かお探しかしら?」

四十万 静歌 > 「あ、すみません。」

ひょいとのいて、そちらを見たところで。

「あ、檻葉さん。お仕事ですか?
 性が出ますね。
 ええっと、その、本を読んで、
 読めなかった分は借りようと思ったのですが、
 なんていうかよさそうなものがシリーズもので……
 どれからにしようか悩んでました。」

あれとか、これとかと指差しつつ。
指差した先をみれば、
推理小説、いわゆる探偵物のようだ。

「……こういうの迷い始めると選ぶのに時間が掛かるんですよね……」

谷蜂 檻葉 > 仕事の応援に肩をすくめて

「そ、今日もお仕事……昨日も色々あったしシフト変えてもらおうと思ったんだけどね。

 ……あぁ、シリーズもの。
 確かに借りるにしても悩むわよね。

 ……うーん……とりあえずそれぞれ1巻ずつ読んでみるのが良いんじゃないかしら?」

ベタだけどね。と、苦笑いしつつ最適な手段を提示する。

「しかし、推理小説かぁ……あんまり読まないのよね」

そういいながら、返却本を先ほどまで静歌が悩んでいた棚に戻していく。
―――他のシリーズが棚に現れた。

四十万 静歌 > 「やっぱりそれしかないですかー……
 でも、シリーズだから一気に読むのもよくて、
 まよ……増えた!?」

しかも、ラインナップが増えた。
一体どうすればいいんだろう。
と呆然としつつ、一旦頭を冷やそうと軽く首を振り――

「良かったらお手伝いしましょうか?
 昨日も色々あったってやっぱり図書委員は大変なんですね。」

必死に新しく増えたシリーズから目をそらしつつ、
提案してみる。

谷蜂 檻葉 > 「そうなのよねぇ。 あとは、目次らへんの登場人物説明とかで決めたりもするかな。

 ん? ああ、これ。 最近ドラマ化するとかで人気再燃中みたいよ。
 少し多めに蔵書の在庫入れてあるみたいだけど……先にこっちから読む?」

全4巻だから今日中に読めなくもないわよ。と、悩ましい提案をしながら棚に押し込む。


「いいの? ……その、助かるわ。ありがとう。
 そうそう。図書委員も大変なのよ。
 魔導書ーみたいな、普通じゃない本まで管理してるからだと思うけど。」

最初は私もただのお手伝いさん気分だったんだけどねー。と、
遠くを見るような目で乾いた笑いを漏らす。
――まぁ、それでも辞めていないのはそういうことなのだろう。

「それで……ええと、カートの下の段お願いしていいかしら?
 左の書架とその裏に入れる分ね。
 法律の本とかもあるしちょっと重いかもしれないから気を付けて。」

四十万 静歌 > 「く、ぬぬぬ……
 そうですね。後でそれを借りていきます……」

ドラマ化、と聴くと流されてしまう、
面白いか面白くないかはともかく、
流行は多少に乗っておきたいのだ。

「そういえば、
 禁書庫とかもありますしね。
 あちらの方の管理もしてたりするんですか?
 何か凄い持っただけでも危険そうですけど。
 注意事項も多そうですよね。」

等といいつつ、
いわれたとおりカートの下の段の本を手に取り、
一冊一冊丁寧に収めていく。

「それでも――大変でも続けているのは、
 やっぱり凄いなぁ。私ならやめてしまいそうですし……
 法律の本ってなんでこんなに分厚いんですかね……?」

広辞苑より大きくない?みたいな顔を浮かべた

谷蜂 檻葉 > 「話題作りにはなりそうだものね。」

じゃあこれ、ストックしておくわ。と、4冊セットで取り出してカートに置き直す。

「……うん、まぁそうね……
 管理してなかったんだけど、この度私も禁書管理の方に駆り出されることになったわ。」

曰く、禁書の方まで手を付ける委員とそうではない一般図書のみを管理する委員で違うらしい。

「持たなくてもあっちから飛んできて読ませようとする本まであるって話だし……魔窟ね。魔窟
 ただまぁ、そこまでやらせてもらえるっていうのもやり甲斐っていうか―――

 "こんな体験他にない" ……って考えちゃうのよね。」

禁書の管理に話が伸びると最初は複雑そうな表情だったが最後には
好奇心よ、こんなもの。 と照れ笑いを浮かべた。

「なんでって……事例とか、そういうのまで載せてるんじゃない?
 ほら、こっちのは薄いわよ。 中身見ても全ッ然わからないしピンとこないけど。」

四十万 静歌 > ストックしたのをみて微笑んで、

「ありがとうございます。」

とお礼をいい、

「ああ、やっぱり管理できる人と、
 出来ない人でわかれているんですか……
 ううん、なんというか、
 そんな魔窟に足を踏み入れる人ってやっぱり凄いですよね。
 駆りだされたらしかたないとは思いますけど、
 自分の意思で普通に出入りできる人は――」

図書館で会う友人……向こうからすると知人かな?
は、普通に出入りしてたけど、やっぱり危険なんだ、
とため息を一つ吐き。

「ま、確かに――
 他では出来ない体験というのは、
 体験してみたいものですよね。
 そんな体験してみれば何か変わるのかな?」

と首を傾げながらも照れ笑いにほほえましくなる。

「細かい事例とかあるとやっぱり重くなるんですね。
 どれどれ……
 ……専門用語多すぎて、なんていうか、うーん。」

薄い本について何を例えよう、あ、そうだ。

「なんというか、この薄い本の内容例えると、
 良いお魚の見分け方はこうします。
 みたいな。
 でも、素人からすると見分けがつくかー!?
 っていいたくなるくらいの。」

谷蜂 檻葉 > 「ある程度『対処』が出来るかどうかで選ばれてるみたい。
 異能のあるなしに関わらず、ね。

 人手が足りないってほどじゃないけどいけそう!
 ……って思われるとすぐに引き込み始まるみたいだったし、なんだかねぇ。」

Noと言える人間になっておくべきなんでしょうけどね。
と、このまま流されっぱなしも駄目かしら。と小首を傾げた。

「自分の意志で……あー。」

静歌の言葉に以前禁書庫へと入り込もうとしていた女性のことを思い出して味のある顔を見せる。

「―――あの、一応止めておいてね? 
 禁書管理の図書委員預かりの話だから
 普通はホイホイ入っていっちゃ駄目なんだからね……?

 まぁ、大半は本人も”バケモノ”みたいなもんだろうし、あまり心配はないんでしょうけど……。」

力のある人間っていうのは、結構考えものよね。
そういって自分の担当分の最後の一冊を所定の位置に戻す。

そのまま、静歌に頼んだ分も手際よく戻していく。


「ああ、そんな感じかも。 既にある程度解っている人向けっていうか……絞ってるわよね。」

内容を。

四十万 静歌 > 「異能がなくても魔術があるって人もいますしね。
 逆にどっちがあっても対処できなかったら、
 なんていうかダメですよね。
 そう考えると対処できるって狭き門……?
 でも、いけそうってだけで、
 引き込まれたらたまったものじゃないですね。」

小首をかしげる檻葉さんに有能なんだなぁ、
って視線を向ける

「そこまで強引なら
 時にはノーと断ってもいいですけど、
 断っても無駄な気もします。」

なんて慰めにもならない言葉をいいながら。

「まぁ、そうですね。次があればとめておきますよ。
 ――心配ないっていうか、
 ダメっていっても入っていくし、
 止めようも無さそうですが。」

彼我の戦力差がでかすぎる。

「ほんと絞ってますよね。
 うう。檻葉さんは速いですね。
 ありがとうございます」

檻葉さんが手を貸せば、
さして時間も掛からず最後の本を納め終わるだろう。

谷蜂 檻葉 > 「まぁ、そうよね……。」

"デキる人"な視線と慰めになりきれない慰めをひっくるめて曖昧な笑みを浮かべて視線を外す。

――恐らく、自分の一番に選ばれた素養は『指輪』に『憑かれ易い』という事なのだと思うと、なんとなくズルをしているような気分になったからだ。



禁書取扱において、『指輪』を如何に活用するかある意味最も重要視される。
何故なら『指輪』には全ての禁書への対策が眠っているのだから……。


「そうしておいて欲しいかな。 最悪、近くの図書委員に入った人が居るって事だけ教えてくれてもいいから。」

あとで一番困るのは私達なのよね。と肩を落とす。


やがて、最後の一冊を収めると軽く伸びをして笑みを浮かべる。

「―――よしっ、ありがとね。思ったより早く終わったわ。
 重い本も戻してくれたしねー……ほんと助かっちゃった。

 カウンターにこれ(カート)戻してくるけど、貸出手続きしておこっか。」

四十万 静歌 > 「?」

曖昧な笑みと視線を外した事に少し首をかしげ。

「――なんであれ、出来るっていう事は凄いですよ。
 出来ない人はもちろん、
 出来ないと諦めてる人にとっては、です。」

なんて、
自分は出来ないどころか諦めている。
自嘲をこめて。

「まぁ、ともあれ分かりました。
 次があれば気をつけておきますね。
 ――ええ、貸し出し手続きお願いします。」

ぐっと拳を握って小さくガッツポーズしつつ、
そんな事を。

「――お疲れ様の一杯でも、
 といいたいですけど、
 さすがに図書館内で飲み食いは厳禁ですよね。」

谷蜂 檻葉 > 「あら、ふふ……ありがとね。そう言ってもらえると嬉しいかな。」

彼女の真意までは汲み取れず、ただの褒め言葉として受け取り。くすぐったそうな表情を見せた。

「じゃ、学生証……はいいや。 ささっと手続きしてくるわ。」

また景気良い音を立てながらカートを押して行き、受付カウンタのPCを弄っている。
どうやら学籍から直接貸出処理を行ったらしい。 ある意味、友人サービスなのだろうか。

「飲み食いは一応休憩室でって事になってるけど、まぁ人が多くなかったり、本とか出してない机でなら私達もとやかく言わないかしら。――そうでないなら、こう……ね?」


禁則事項は”意味”のある禁止 という信条らしい。

四十万 静歌 > くすぐったそうな表情をみてふっと微笑み、

「ありがとうございます、
 お手数かけまして。」

じーっと貸し出し手続きが終わるのを待ちながら。

「なるほど。
 本に汚れがつかないようにならという事ですね。
 まぁ、なるべくしないようにはしますよ。
 でも、それなら――」

指揮棒を取り出して、右手で軽く振り、
左手へと向けて振ると同時に、
左手紙にパックの苺ミルクを出現させる。

「ゆっくりする時にでもどうですか?」

そして出現させた苺ミルクを差し出すだろう

谷蜂 檻葉 > 「え……… お、 おぉー。」

突然のマジックに目を見開いて、感心した表情で小さく手を叩く。

「あっ、いいの?貰って。――いやぁ。やっぱり判んないわねぇ、タネ。」

周囲を見て、あまり人がいないのを確認するとぷすりとストローをパックに突き刺した。
元より返却本を纏めるのが溜めた仕事の最後のストックだった。

四十万 静歌 > 「どうぞ、どうぞ。
 どういたしまして。
 タネはばれないようにするのが手品師です、
 なーんて。」

そんな風に他愛ない歓談を暫くした後帰るだろう。

谷蜂 檻葉 > 【歓談の後別れの挨拶をすると、檻葉もカウンターの奥へ引っ込んでいった……】
ご案内:「図書館」から谷蜂 檻葉さんが去りました。
ご案内:「図書館」から四十万 静歌さんが去りました。
ご案内:「図書館」に立花 響さんが現れました。
立花 響 > とあるクラシックの一節を鼻歌で繰り返しながら図書館へ入っていく。
相変わらず大きく、ここでかくれんぼをしたら見つけるのに一晩かかりそう、等と考えながら図書委員を探す

そもそも響がここに来たのは魔譜の返却で、都合が良ければ新しい魔譜を探せればと思い来た次第である。
「結構長時間借りちゃったけど大丈夫かな…」
貸出期間については全く聞いてなかったため少し不安になりながらもカウンターの方へ進んでいく

立花 響 > 「誰もいなさそう…?」
図書館というのは普通静かなものではある
カウンターに人がいなければ席で本を読んでいる人もパッと見て見つからない。
きっと皆今本を探している途中なのだろう、と不安になりがちの自分の心に言い訳をしながらカウンター付近を探す

「図書委員がいなかったら返せないんじゃ…」
そんな事を呟いているとカウンター脇に『返却ボックス』と書かれた箱を見つける。
きっと不在時にも返せるように、という図書委員の心遣いだろうか。
響は遠慮無しにそのボックス魔譜【月光】を入れる。
これで図書委員が処理してくれるだろう

立花 響 > 「あの隠し場所は檻葉さんぐらいしか知らなさそうだけど…ま、どうにかなるよね」
図書委員の苦労を気にする事なく本棚の方へ進んでいく。
図書委員がいないのならば本を借りる事は出来ないが、本で物事を調べる事は出来る
今抱えている謎といえば魔譜【月光】から召喚された野球ボール程の大きさの月、である

この月は魔力を込められた楽譜から生まれた物である為に多少ながらの魔力が込められている。
ただ響に魔術の心得もない為、響自身これはただの月の石という認識で
ただ本当の月の石なのかを調べるべく赴いただけである

ご案内:「図書館」に谷蜂 檻葉さんが現れました。
谷蜂 檻葉 > 響が本棚に向かって進んでいくと。

その先―――禁書庫の方からカウンターに居るはずの少女が現れた。
こちらが気がつくのとほぼ同時に檻葉も気づいたようで

「あら、『魔法の楽譜』はどうだった?」

少し煤けた制服を払いながら、お久しぶり。と手を振る。

立花 響 > 「おぉ、っと」
まさかそんな方向から現れると思っておらず少し動揺もしながらも人がいたという安心感に満ちた笑みを浮かべつつ
久しぶり、と手を振られると響も久しぶりです、と言って礼をする

「どうだった、と言われるとそんな大した事は起きなかったのですが…
 強いていうならこんなものが出来ました」
響は自分の鞄を漁って手のひらサイズの石ころ、見た目は写真で見たことある月のような石を檻葉に見せる

「これが本物の月の石かどうかは分からないですけど…
 魔譜【月光】から生まれたには何かしら月に関わりがあるものだとは思います」
多分、と苦笑いを浮かべながら自信無さげに答える

谷蜂 檻葉 > 「……うん?」

響の報告に笑顔のまま固まる。

「魔法の……って錬金術の事だったの?
 え、どこをどうすれば楽譜から石が出てくるのよ……」

まぁ、今更って言えば今更だけどさ。
と、少し呆れたような表情で頬を掻く。

「――それで、今日はそれを調べに来たって事かしら?」

立花 響 > 「私も存在しか知らないので…別に何かを対価にして捧げた訳じゃないんですよね…」
錬金術についてはある程度知識がある。
といっても何かを対価に何かを得る、とかそういう認識程度だが
言われてみれば確かに楽譜から石が出てくるとは中々おかしいものである

「これが本当に月の石かーっていうのを調べる為に簡単に調べようかなって思ってた所なんですよ
 まぁ、見分ける区別は資料とかと見比べるぐらいしか考えてなかったんですけどね」
あまり先の事を考えて無いのか、専門知識がある訳ではない響にとってはこれぐらいしか見分ける手段がないのだろう

谷蜂 檻葉 > 「ってなると、急にポーンって出てきたの?石が。楽譜から。」

こう、ポーンって。 と不思議なジェスチャーをしたまま更に首を傾げる。


「……うぅん、見分けねぇ……先生とかに聞いてみるのがいいと思うけど……
 ま、図書館に来たのは間違ってないとは思うわ。

 その、本の目星は付いてるの?」

立花 響 > 「ポーン、というよりゴロゴロというか…」
ボウリングの弾を転がすようなジェスチャーを取る
いやそんな細かい事はどうでも良い

「あや、あまり月に詳しいような先生って知らないんですよね、檻葉さんはどなたか心当たりあります?」
まだ先生の顔を覚えていないらしく、先生には心当たりはないようだ

目星をついているか、と聞かれると至って普通の顔で
「無いです」

谷蜂 檻葉 > 「あぁ、ゴロゴロ……。」

納得したようなしないような顔で頷く。


「いやあー……月に詳しい、っていうのはないかな……。
 魔術の授業の最中に天文学にも触れてたし、魔術系の人ならわかるんじゃないかしらね?」

ここ(図書委員)の顧問にもいるわよ。 と

「……そう。」

カク、と肩を落とす。

「ええと、それなら私の方でも探しましょうか。 ……一応目星っていうか、考えはあるし。」

立花 響 > 「へー…魔術と月と関わりあるんですか…全く知りませんでした」
ほぉー、と初めて知ったかのようなそんな表情である。
それだけに授業を真面目に受けていないようなそんな印象を受け取るかもしれない

「考え、というと…あぁ、この前楽譜探した時にやった感じのアレです?」
そういえばこの前も不思議な力を使って探しだしていた気がする。
その仕様については詳しくは知らないが…まぁ図書委員に任せておけば万事OKだろう

谷蜂 檻葉 > 「私のやってるのが、自然学寄りだからかしら……。
 教員でやってる事ぜんぜん違うって聞いたけど、どうなのかしら?」

魔術学受けてない? と不思議そうな顔で尋ねる。

「それもあるけど……」

と、言葉を区切ってスタスタとカウンターの方へ進んでいって
カウンタのPCの前でカタカタと検索用のウィンドウを開いて操作していく。

「ええと……鑑定用の……私でも使えそうなの……これかな?」

やがて何か探し当てたのか印刷機で取り出す。
戻ってきた檻葉から差し出された紙片には
『調査用 鉱物学』という種別と図書館の中の一角を示す地図が書かれている

立花 響 > 「というより私が真面目に授業受けてないだけですから…なんて」
あははは、と誤魔化すような苦笑を浮かべる

「あぁ、そういえばそれを使ってましたね…
 相変わらずパソコンは慣れないんですよ」
そんな事を言いながら檻葉がPCを操作する様子を見守って戻ってきた檻葉から渡された地図を見ておぉ、という声をあげる

「確かに鉱物学とかなら何か分かりそうですね」
そう言いながら地図に書かれている場所を目指して歩き始める

谷蜂 檻葉 > 「もう……授業もそうだけどパソコンに慣れないって結構重症よ?」

大丈夫なのかしら。 と困ったような表情を浮かべて響の後を追う。


「調査用の本って言うのがまた別にあってねー
 餅は餅屋。 不思議なものは不思議な本に対応してもらいましょ」

そう言って、二人が地図のとおりに辿り着いた先には
似たような背表紙の本が大量に並んでいる書架。

―――上から下まで『○○学』と書かれた本のみで埋め尽くされている。

立花 響 > 「パソコン使えなくても困る事はないですよ!…多分」
実際に使えなくて困ったことは今のところは無いのである。今のところだけは

その地図の通り進んで辿り着いた先には、思わず本能で頭痛を起こしそうな、そんな本棚。
「…これを、一個一個探さないと駄目そーです?」
ふらり、と一歩後ろに下がりながら響の頭痛の原因になりそうなものを指さしている
出来ればそうあって欲しくないという願いを込めているようなそんな一言

谷蜂 檻葉 > ふらりと姿勢を崩しそうなレベルで嫌がる響に苦笑しながら、『灰色の指輪』をかざす。

「まぁ、そこはそれ。図書委員として助けさせていただきましょうか」

書架に差し向けるように指輪を向けて、静かに目を閉じる。


「……ん、これね。」


数秒経たずに再び目を開いて、迷わず同じような背表紙の内の一冊、『鉱物学』と書かれた本を引き当てた。


「響ちゃん、石コッチ持ってきてもらえる??」

立花 響 > 「さ、さすが図書委員様!お任せします!」
図書館のことならば図書委員にお任せである。
響が音楽が専門であるように目の前にいる檻葉も図書委員ということで本が専門なのだろう

「あ、はい。これですね」
まさか数秒で目当てのものを引き当てると思っておらず少しボーっとしていたようだ。
檻葉の言われた通りに仄かに青く光る月の石を持ってくる

谷蜂 檻葉 > 「―――さて、うまくいけばいいけれど。」

そう言って、本を開いて目を閉じると再び集中する。

『調査用』の魔術書、学問ごとに区分分けされた文字通りの

”生き字引” である。 魔力を糧に起動し、
対象の存在から該当カテゴリを「自動的」に指し示す

……ある意味、パソコンの検索システムのようなアイテムである。

もちろんデータサーバよりも詳細に、真偽鑑定に近い事も行えるが中々利用者は増えない。

谷蜂 檻葉 > キィイ―――――


微かに、金属が擦り合うような音が響きだすと、
魔術書は勢い良くページをバラバラと進めていく。

石から何かを吸いだすように光を放ち、やがてあるページで止まる。


「……ふぅ。 さて、えーと……。 ………?」


どうやら、ロシア語のようだ。

響の持つ石と非常によく似た石が中央に描かれているが、その周りにある解説らしき文章は、改めて解読しないといけないらしい。

立花 響 > 「…え、えーと?」
まるで映画のように頁を捲れていく。
そんな目の前にいる檻葉と自分とはいる世界が違うのではないか、そんな思考が過ぎる
音楽の人間と本の人間なのだから違うといえば違うのだが…其れ以前に能力を行使する方向が自分とは全く違う。
やはりそういう能力があるといくらか過ごしやすくなるのだろうか

「ど、どうでした?檻葉さん…あっ」
檻葉が開いているページをジッと見て、
響の持っている石とそっくりの石を見つけると間抜けな声がつい出てしまう。

「でもこれ…確か、ロシア語とかそんな感じですよね」
歌手時代の時にロシア語で歌ってくれ、みたいなそんな事があったような気もする。
辞書などを使えば普通の人よりは解読出来るかもしれない程度だが

谷蜂 檻葉 > ファンタジックな光景も、また数秒のこと。

開かれたページとにらめっこをしているその姿はやはり何処にでも居る少女のもので。
逆に境界線の不確かさを、改めて響に示した。


「……そうみたいねぇ。 まぁ、辞書でも引いて読んでみて頂戴。」


いや、これはちょっとお手上げだわ。 と頬を掻く。
第二言語は現在習得中……だがロシア語は管轄外も管轄外である。

辞書はカウンター横にあるから。と
ともあれページをそのままに魔術書を手渡す。

谷蜂 檻葉 > 「……流石に、翻訳までは手伝えないわよ?」