2015/07/25 のログ
雪城 括流 > 小さな蛇はそのまま大人しく、女子寮まで連れて帰られたのだった。

特に何も無い図書館での平凡なひとときではあったが。
蛇姿であっても括流はこのことを覚えているのだろう。
鞄のスキマからちろちろ、と肉色の舌が覗いていた。

ご案内:「図書館」から雪城 括流さんが去りました。
ご案内:「図書館」に四十万 静歌さんが現れました。
四十万 静歌 > 読書スペースに本を積み上げて、
ページを捲る。
今読んでいる本は、
空想の生き物について書かれている本だ。

様々な挿絵と共に、
それにはどんな伝承があって、
どんな見た目でどんな特性があるのか、

更には現在にいたるまでの変遷も少しかかれていたりする。

四十万 静歌 > 「――う、ん。」

しかし、しかしである。

「虫関係のはリアルに書かないでほしかったかもしれないですね。
 ええ。」

まぁ、いくら絵とはいえ、
ちょっと虫を見るとびくっとするというか。
なんというか苦手なのである。

それと比べて――

「動物は可愛いんですけどね。」

もふもふしてますし?
なんていいながら、
びくっとしたと思えば、
にやにやしたり、忙しい様子である

四十万 静歌 > 「ふぅ。」

パタンと本を閉じて、
眉間を揉み解す。
一杯本を読んで疲れてきたので、
ちょっと眼を休めるために、
周囲の様子を見回すだろう。

特段何かを探している訳ではないが、
特にはいろんな人の様子を観察するのも面白いものである

四十万 静歌 > 「あ……ふ……」

思わずでる大きな欠伸。
んーっと伸びをして深呼吸。

軽く身体動かした方がいいのかな、
なんておもいながら肩をまわす。

少しこりがほぐれたような錯覚をしつつ

四十万 静歌 > 「……」

なんだかうとうとして――
本をのけて、手で枕をつくって、
机に突っ伏して寝始める。

仮眠。ちょっと、ちょっとだけだから。
と自分に言い聞かせながら。

ご案内:「図書館」に紅葉 椛さんが現れました。
紅葉 椛 > いつもの楽器ケースもなく、パーカーのポケットに手を突っ込みながら図書館へ。
来た理由は、ただの暇潰し。
魔術の勉強をしようかとも思うが、それなら寮でこっそりとする方が性に合っている。

「何か面白い本はないかなーっと……
 あれ? 静歌だよね、あれ」

ちらと読書スペースを見遣ると、見た事のある黒マント。
机に突っ伏して眠っているようにも見える。
寝顔が見れるかもしれない。
こそこそと黒マントの少女へと近づく。

四十万 静歌 > 「……」

スヤァ、と安らかな寝顔がみれるだろう。
実に心地よく眠っている。
寝息は静かだが、
眠りは浅いように感じられる。

「……チョコレート……」

甘味の夢をみているようだ

紅葉 椛 > とても安らかな寝顔。
悪戯の一つでもしようと思うが、流石にそれは自制する。
寝言を聞いて、いい夢を見ているのだろうと感じる。
このまま寝かせておくのもいいが、このままだと風邪をひくかもしれない。
風邪をひいて面白い反応が見られなくなるのは惜しい。
揺り起こそうと、肩へ手を伸ばす。

「静歌、こんなとこで寝てると風邪ひくよ?」

四十万 静歌 > 「ふにゃ?」

肩へ手を伸ばし、声をかけると、
寝ぼけ眼でそちらをみるだろう。

ぼんやりしていて、まだはっきり見えてないようだ。

「だいじょうぶれすよー……
 ちゃんとマント着てますから……」

なんていいつつ。

「だいじょーぶい、ですー。」

ぐっとファイティングポーズをしながら、
上目遣いに見上げるだろうか

紅葉 椛 > 「おはよ、マントってそんなに暖かいの?」

起きたことを確認し、横の席に座る。
いや、寝ぼけているのは起きているのに入るのかはわからないが。
寝惚け眼の上目遣い。
漫画でしか見た事のない反応。
うん、可愛い。

「ほらほら、ちゃんと起きなよ。
 ここ、図書館なんだから」

くすくすと笑い、机に肘をつく。

四十万 静歌 > 「ぬくぬくですよー……
 夏は暑いくらいで――」

なんていいながら、
眼をこする。

「うにゅ、えっと……
 はい……」

ごしごし。
そして大きく欠伸をして……

「ふわぁ……
 あ、椛先輩おはようございます……
 ……」

軽く頭を下げた所で、ようやく目が覚めたらしい。

「椛先輩!?
 あれ、みられてたんですか!?」

わたわたと慌てて椛を見ながら赤くなるだろう。

紅葉 椛 > 「夏は暑いんだ、それなのによく羽織ってるね」

何か異能に関係するものなのか。
その程度の認識。
多少気になるが、敵対しないならそこまで深く聞く必要もない。

「はい、おはよう。
 さっき来たばっかりだけどね。
 寝顔はばっちり」

ポケットからスマホを取り出し、悪戯っぽく笑う。
もちろん、写真なんて撮っていないが。

四十万 静歌 > 落ち着け落ち着けと、
自分に言い聞かせて、顔の赤みを減らしつつ、

「トレードマークですからね。
 ほら、羽織ってないと誰だかわからないとか、
 そういう事もありまして?」

なんてウィンクしながら悪戯っぽく笑う。
そして、寝顔はばっちりとスマホを取り出したところで、
ぼんっと再び真っ赤になるだろう。

「な、なななななななな何をとってるんですかぁぁぁぁぁ!
 けして、けしてくださいーーー!?」

あわあわしながらきょどりつつ、
真っ赤になっている。
ぽかぽかと叩くフリをするかもしれない。

紅葉 椛 > 「ああ、なるほど。
 私のこれと同じかな。
 印象って大事だしね」

自らの黄色いパーカーをつまむ。
落第街では悪目立ちもするが、強い印象を与えられるため、都合がいい。あと趣味。

「あっはは、ごめんごめん。
 冗談だよ、撮ってないから大丈夫」

楽しげに笑い、スマホの写真欄を見せる。
花や、服、そして食事などの写真しかなく、寝顔はもちろんない。

四十万 静歌 > とってないといわれて、ほっと大きく胸を撫で下ろし、

「そうですよ、
 印象は大切なんです。
 ほら、見てのとおりの平凡顔ですので、
 余計に、ですね。」

なんて笑う。

「それにしても、本当にとられてなくてよかったです。
 なんていうか、
 もしとられていたら、
 恥ずかしくてお嫁にいけなくなるかもしれません……!」

なんて。じっと上目遣いに椛の眼を見ながら、
真剣な顔でいうだろう。

紅葉 椛 > 「平凡顔って言うにはちょっと可愛いすぎるんじゃない?
 私も服を一新したら多分誰かわからなくなりそうだしそんなもんなのかな」

楽しそうに頬杖をついてそう言う。

「そんなに深刻なんだ。
 うーん、そうなってたら……
 私がもらっちゃおうかな。
 なんて」

くすくすと笑ってそう応える。
冗談か本気かはわからないような表情を浮かべ、静歌の目を見つめ返した。

四十万 静歌 > 「そんなに可愛くないと思いますよ。
 ああ。でも……
 マント脱いだ方が可愛いとはいわれた事ありますね。」

なんていうか印象がぼやけがちなのだから当たり前ともいえる。

「服って割と人の印象決定づけますしね。」

としたり顔で頷いて。

「そうですね。
 椛先輩に貰ってもらいましょうか?
 なんて――」

見つめ返してにっこり笑って
といった所でふっと気づく。
女性同士である。
そう女性同士である。

「椛先輩も女性じゃないですかーーー!?」

もうまっかっかである。顔が。

紅葉 椛 > 「そうかな?可愛いと思うけど。
 あ、それなら1回マント脱いでみてよ、気になるし」

純粋に好奇心からの言葉。
やはりマントに視線が行きがちなため、外した姿をしっかり見たいと思った。

「今度服でも買いに行こっかな、印象変えてみたいし」

スカートを買ったあの店でいいかな……
ぼんやりとそんなことを考えながら。

「女性同士だね。
 何か問題、あったかな?」

くすくすと楽しげに笑う。
予想した通りの可愛い反応を見ることができ、満悦している。
図書館で大きな声は如何なものかとも思うが、原因は自分。
それに、図書委員が何も言ってこないならばまだ許容範囲なのだろう。

四十万 静歌 > 「そうですね。
 では。」

と、すっとマントを脱ぐだろう。
マントへと意識が逸らされてたのが、
顔へと集中し、
均整な顔立ちがくっきりとするかもしれない。

「椛先輩新しい服買うんですか?
 買ったら是非みてみたいです、
 きっとカッコいいんでしょうね。」

なんてクスリと微笑む。
なんていうか、
どんな服でも似合いそうなイメージがある。

「いやいや、普通はこう、
 男女だと思うんですけど……!?」

そして、続けての爆弾発言に、赤くなってあわてる。
え、本気、ねぇ、本気なの?
みたいな。

「いや、まぁ、好きあってたら問題ないとは思うんですけどね……!?」

なんて思わず口走りつつ

紅葉 椛 > じっと顔を見つめる。
整った顔立ちで、よく見ると、瞳が紫色であることがわかった。

「うん、やっぱり可愛いよ?
 瞳の色も綺麗だし」

にこにこと微笑み、目をじっと見つめ続ける。

「買うのもいいかなってね。
 でも私はファッションセンスないから、
 誰かに決めてもらう方がいいかなーって。
 カッコいいかはわかんないけどね」

実際、趣味で選ぶと似たような格好になるのは目に見えている。
他の人に選んでもらって買おうかな。
誰かに依頼しよう。
そんなことを考える。

「そうかな? 割と女性同士も居そうだけど。
 それに、今言った通り好きあってたら問題ないよ」

余裕のある表情を浮かべ、反応を楽しむ。
唇を軽く舐め、楽しげに。

四十万 静歌 > 「ありがとうございます。
 まぁ、でも、さして面白い顔ではないんですけどね。」

吸い込まれそうな程澄んだ紫の瞳。
それと同時にふと、気づくかもしれない。
確かに整っていて綺麗だが――
それ故に際立った特徴がなさ過ぎて、
記憶に残りづらそうな事に。

「ファッションセンスない、のでしょうか。
 今の格好も椛先輩らしくて素敵だと思いますけどね。
 あ、そうだ、私も折角だから一緒させてもらおうかな?」

なんてと、微笑んで小首を傾げるだろう。
それにしても、

「うううう、確かにいます、確かにいますよね。
 そうですね。好きあってたら、
 ちょっとは考えますとも……」

そして、余裕ある表情に真っ赤になったまま、
ふいと少しだけ眼を逸らすだろう。恥ずかしさで。

紅葉 椛 > 「可愛ければいいんだよ、可愛ければ」

この世の真理である。
黒とも見紛う紫の瞳。
そこは強く印象に残るが、綺麗に整っているため記憶に残りにくそう。
そんな印象を抱く。
忘れないよう、しっかりと見つめ続けた、

「ありがと、でも変な格好なのは自覚してるからね。
 よく街で浮いてるっぽいし。
 気にしないけど。
 あ、ほんと? それならお願いしようかな」

もしも本当についてきてくれるのなら、依頼料代わりにご飯でも奢ろう。
目を逸らされ、可愛いなと思いつつ、

「でしょ?
 好きあってたら問題なし。
 愛は性別の壁を超えるんだよ」

少しからかいすぎたかな?
と思いつつ、頭を撫でようと手を伸ばした。

四十万 静歌 > 「そうですね。
 ありがとうございます。」

可愛ければいいという気持ちはわからないでもないし、
そういってもらえるのが光栄で、
はにかみながら微笑んでいうだろう。

「――私は好きですよ。」

と、真っ直ぐ見つめながらいった後。

「椛さんのファッション。
 ――では、一緒に行きましょうね。
 まぁ、問題があるとすれば、
 私もセンスはそこまであるほうじゃないことでしょうか。」

と、あははと照れくさそうに誤魔化すように笑う。
そして、
伸ばした手はすんなりと頭をなでることができるだろう。

「ん……」

と眼を細めて上目遣いにみながら、
心地よさそうになでられるだろう。

「――愛は、凄いですね――」

なんて頬を赤く染めていいながら。

紅葉 椛 > 「そうそう、可愛いんだから胸を張っていいと思うよ」

顔だけでなく反応も可愛い少女。
きっとモテるんだろうなと考える。

「えっ」

好きですよ、と真っ直ぐ見つめながら言われる。
予想外の反応に頬が赤くなる。
しかし、続いた言葉を聞き、ほっと内心胸をなでおろす。

「そ、そう? そう言ってもらえると嬉しいな。
 うん、是非一緒に。
 まぁ、私よりはあるんじゃない?」

2人の視点から見て問題ないのならきっと問題ない。
楽観的な思考だが、恐らくは間違っていないはずだ。

「うん、愛はすごい。
 漫画では世界を救ったりしてるからね」

優しく、髪を梳かすように撫でる。
にこにこと微笑みながら目をじっと見つめる。

四十万 静歌 > 「でも、恥ずかしいから、
 目立たないようにマント着ちゃうんですけどね。」

あはは、と照れくさそうに笑って、
顔が赤くなって、ちょっと動揺したのをみて、
じっと見つめたまま顎にひとさし指をあてて小首をかしげ、
でも、それについては触れず。

「ならいいんですけどね。
 ――どんな素敵な服着てもらうか、
 今からなんだかドキドキしますね。
 ――これってデートになるんでしょうか。」

とさらりというだろう。
それにしても、なでられると本当に心地いい。
眼をじっとみて微笑まれると、
微笑み返すだろう。

「――椛先輩になでられると――
 心が穏やかになる気がしますね。
 これも愛の力でしょうか、なんて。」

冗談ですよ、といいたげに笑いながら。

紅葉 椛 > 「恥ずかしいなら仕方ないね。
 マントの方が目立つ気もするけど」

実際、最初に声をかけたのは手品とマントを見たからだ。
落ちつくために、軽く深呼吸。
落ち着け、私は攻める側だ。
そんなことを内心で呟き、静歌を見る。

「で、デートかもしれないね。
 楽しみだなぁ」

この少女、攻められるのには弱いようだ。
顔を赤くし、目線を逸らす。
明らかに挙動不審だ。

「これも、愛の力なんじゃないかな。
 ほら、愛にも色々あるし」

心を落ち着かせようと撫でることに集中する。
撫でているのも心地よく、自然と笑みがこぼれる。

四十万 静歌 > 「そうですねぇ。
 マントも目立ちますけど……
 ほら、私自身が目立つわけじゃないですから。」

あれはマントが目立ってるんですよー
なんて。
いいながら、楽しみだなーなんていわれると、
嬉しくなる。

「私も楽しみですよ。
 あ、都合のいい日に――連絡くださいね?」

と笑って真っ直ぐに見つめながら、
ほんの少しだけ首を傾ける。

「椛先輩の愛は、とても優しい愛ですよね。」

なんて、いいながら、
なでられる事に身をゆだね、
心を落ち着けていく。
恥ずかしい所はないでもないが……
それ以上に心が落ち着くのである
えへへ、と上目遣いに笑顔を浮かべながら。

紅葉 椛 > 「なるほど。
 マントが目立って静歌が目立ってないって考え方はなかったかも」

視点の違いになるほど、と感心する。
楽しみと言われ、顔がほころぶ。

「うん、もちろん。
 ちゃんと連絡するからね。
 ってそういえば私は静歌の連絡先しらなかったかも。
 教えてもらってたっけ?」

うろ覚えである。
聞いていなかった時のためにスマホを取り出した。

「そうかな?
 そう言われたのははじめてだよ」

顔の赤みも収まった。
この撫でている時間がとても心地よい。
自分より少し背の高い相手を撫でるのは不思議な感じがするが、
座っているのだからおかしくはないだろう。
笑顔を見て、自然と笑みを浮かべている。
そんな時間が、とても愛おしく感じた。

四十万 静歌 > 「ええ。それにこう、認識されないと、
 誰にも気づかれずに埋もれそうなのは、
 さすがに怖いですよ。」

なんていいながら、
連絡先は渡したけど、そういえば、
あの時はちょっとあわただしかったですし。
少し考えてスマホを操作してメールを送る。
アドレスはきっちり貰ってたので無事遅れるだろう。

「ふふ、という訳です。
 きちんと登録お願いしますね。」

なんて笑って。

「椛先輩はとっても優しい人だと思いますよ。
 もし、私が男性だったなら、
 思わず口説いてしまってたでしょうねー。」

なんていいながら、緩やかな時間が過ぎていく。
ずっと続く訳ではないと知りながらも、
ずっと続くのも悪くはないなんて、
安らかな気分になりながら――

紅葉 椛 > 「そんなことってあるかな?
 もしそうなっても、
 少なくとも私は気付くから大丈夫だよ」

しっかりと顔は見た。
マントがなくても静歌だと気付けるはずだ。
着信音もなくメールが届き、それを開く。
やはり登録し忘れていた。
しっかりと忘れないように登録し、名前も入力。

「ごめんごめん、
 ちゃんと登録しといたよ」

申し訳なさそうに頭を掻く。
スマホをポケットに仕舞った。

「そうならいいんだけど。
 ああ、もちろん男性じゃなくても口説いてくれていいからね?」

いたずらっぽく笑い、髪をくしゃっとする。
いつまでも撫で続けていたいが、キリがない。
名残惜しそうにその手を離した。

四十万 静歌 > 「存外にありますよ。
 でも、もちろん、気づいてくれる人もいますし、
 そういってくれると嬉しいです。」

なんてふんわり笑って。

「登録忘れって割とありますから仕方ないと思います。
 登録したつもりになってた!とか。」

私もありますしーなんて遠い眼をするだろう。
が、直ぐに向き直り、口説いてくれていいって言われると――

「貴女の優しさも、凛としたそのお姿も、
 私にとっては眩いばかりで、
 まるで太陽の如く輝いているのです――」

なんて、こんな感じですかね?
と微笑んで暫く見つめた後。

「あ、と。こんな時間。
 そろそろ失礼しますね。
 また会いましょう。椛先輩」

と、微笑んで頭を下げて、
本を片付けて帰るだろうか。

ご案内:「図書館」から四十万 静歌さんが去りました。
紅葉 椛 > 「私は絶対に気付くから、約束するよ」

真剣な表情でそう言う。

「うーん、気をつけないと。
 でも登録したから大丈夫、
 これで連絡できるよ」

打ち込んだのではなく、メールからの登録。
これならば間違えていることもないだろう。

「んー、ちょっと照れくさいね。
 そんな大仰に口説かれることもなさそうだけど」

少し頬を赤くし、そう言う。
帰る静歌を見つめ、

「ん、お疲れ様。
 デート、楽しみにしてるからね」

こんなことを言い、手を振って去っていく姿を見送った。

紅葉 椛 > 「さて、何しよっかな」

目的である暇潰しは達成された。
しかし、折角ここに居るのだから何かをしたい。
その何かとは何か。
全く思いつかない。

「本でも借りて帰ろっかなぁ」

机に突っ伏し、ぼーっとしている。

紅葉 椛 > 「なんか面白い本ってないかな……」

本を探しに行くわけでもなく呟く。
机に突っ伏したまま、足をぷらぷらと揺らす。

「どうしよ、ものをどこかに収納するような便利な魔術でも探そうかな」

上体を起こし、椅子にもたれかかる。
立ち上がろうとはしない。

紅葉 椛 > 「あ、ファッション誌みたいなのがあるか探そう」

さっきの約束。
服を買うという約束。
本当にセンスが0であることがバレると少し恥ずかしい。
勢いよく立ち上がり、本を探しに向かおうとする。
その時、椅子が倒れてしまう。
静かな図書館に、大きな音が響いた。

ご案内:「図書館」に谷蜂 檻葉さんが現れました。
紅葉 椛 > 気まずい。
とても気まずい。
本を探すどころではない。

「……帰ろ」

椅子を戻し、そそくさと図書館から出て行こうとする。

谷蜂 檻葉 > 丁度、図書委員の受付シフト交代の時間。

「――うん、それじゃあ後は……」

交代要員としてカウンターで受付と引き継ぎ作業や、軽い雑談をしていると
ガタン! と、一際大きな音が響いて顔を合わせてから音の出処へ顔を向ける。

「任せて、交代してもらっていいから。  あのー、大丈夫ですかー?」

図らずしも、椛の行き先を真正面から塞ぐようにして走り寄ることになる。

紅葉 椛 > 肩を落として出口へと向かおうとすると、メガネをかけた少女が目の前へ。
腕章を見ると、図書委員のようだ。
椅子を倒したことを怒られるのかな、と思い、先に謝る。

「あ、うるさくしちゃってごめんね。
 椅子倒しちゃって。
 多分椅子は大丈夫だと思う」

そんな的外れな返答。

谷蜂 檻葉 > 「あぁ、いえ。 故意のものではないのは解りますしいいんですよ。
 ……その、それより怪我はしてませんか? 大きな音しましたけど。」

さっと、全身を確認して擦り傷などがないことを確認すると、一息。


「うん、大丈夫そうですね。 引っ掛けちゃっただけ、かな。」

にへ。とのんびりとした笑みを見せて頷き、ポンと手を打って相手を促す。


「――あ。それで何かお急ぎでしたけど、何かの研究資料をお探しですか?」

今の時期結構多いんですよ。 と、こちらはこちらで少し外した返事を返す。

紅葉 椛 > 「ああ、怪我とかは全くないから大丈夫。
 コケたわけでもないしね」

擦り傷や切り傷、打撲も何もしていない。
立ち上がった時に椅子が倒れただけなのだから。

「ああ、椅子を倒して気まずかったから帰ろっかなって。
 ほんとはファッション誌とか便利な魔術の本とか探そうとしてたんだけど」

嘘をつかずにそう言う。
図書委員が相手だ。
聞けばあるかどうかなどがわかるだろう。
そんな打算的な考えも少し。

谷蜂 檻葉 > 「たまにいらっしゃるんですよー、こう。グッと伸びをする拍子にバターンって後ろにやっちゃう人。」

一部椅子を変えようかっていう話もあるんですけどね。
と、身振りを交えながら、安心しました。と笑みを深める。


そして、肝心の用件を聞くと


「ファッション誌、はわかりますけど便利な魔術の本ですか。
 ……えっと、具体的に何をしたいとかはありますか?」


少し困ったような表情を見せながら、取り敢えずファッション関係はこっちですよ。と先導して歩き始める。 

紅葉 椛 > 「ああ、私もたまにやっちゃうからわかるかも。
 でも、今回は立った時に倒しちゃっただけだよ」

たまにと言ったが、割とよくやる。
自分でもどんくさいとは思うが、倒れる椅子が悪い。
そんな言い訳を心の中で呟く。

「えーっと、大きなものを不思議空間に収納していつでも取り出せる……みたいな?」

ふわふわした内容だなと自分でも思う。
しかし、求めているものはそれなのだから仕方ない。
先導され、少し後ろをついていく。

谷蜂 檻葉 > 「あら、気を付けてくださいね? ……うーん、やっぱり早めに決めたほうがいいのかしら。」

心配そうな表情を椛に向けて、まだ予算の見通しが立ってからという話の実現について頭を巡らせる。
実際の数値として出ていないが声さえ集まればなんとかなるだろうか……。

なんて、事を話しながら雑誌コーナー

―――の、一角にたどり着く。 雑誌の種別毎、時期毎に分けられて、後は大量に纏め置きのようになっている。
ある1冊を探すのは難しいだろうが、「イマドキ」のものを確認するだけなら十分だろう。


「では、こちらですね。 右側になればなるほど新しくて、大凡1、2年間はバックナンバーも置いてますから。」


「それで、収納用の魔術ってなると別に探さないといけないですね……。」

言いながら、小さな灰色の指輪を取り出して祈るように意識を集中させていく。

紅葉 椛 > 「次からは気をつけるよ。ありがと」

少なくとも図書館では普通に立とう。
椅子で遊ぶのはよそう。
そう心に決めた。

「右側が新しいんだ、ありがと」

そう言ってすぐに右端へと向かう。
タイトルなどを見ずに適当に1冊を取り、戻ってくる。

「いつも楽器ケース持ってると面倒でね、今は持ってないんだけど」

集中する様子を見て、異能か魔術でも使っているのかな。
と考える。
何かを探すような異能なら便利だな。
などと考えてぼんやりその様子を見つめていた。

谷蜂 檻葉 > 十秒程度祈るように指輪を嵌めた人差し指を額に当てるようにして集中していたが、
指を離して振り返る。 指輪は、かすかな光を放っている。


「……あら、一冊でいいんですか?」

後輩は何冊も買いあさってはあーでもないこーでもない、と言っていたのを思い浮かべながら尋ねる。
かく言う自分もあまり興味がある分野でもないのでそれ以上は言わないけれど。

なにせアドバイスが出来ない。

それじゃあオススメは?と聞かれると藪蛇なので、そこまで気付くとささっと話題を移した。

「ええと、それで魔術書なんですけど、かなり難しいモノだけになりそうなんですが……」

大丈夫ですかね。と首を傾げる。
そこそこ移動するのに、意味のないものを渡すのもどうかと思うのでちょっとした確認である。

紅葉 椛 > 微かな光を放つ指輪。
異能か魔術を使ったのだろう。
興味はあるが、聞くほどでもない。

「ああ、うん。
 こういうのよくわからないからとりあえず一冊、ね」

一冊読めばいいだろう。
そう思っていたところに一冊だけでいいのかという問いかけ。
少し戸惑ったが、きっと一冊でなんとかなるはずだ。
なんとかならなければまた借りればいい。

「まぁとりあえず読むだけ読めばいいと思うし。
 わからなかったら、その時はその時じゃない?」

とりあえず試す。
ダメなら諦める。
効率がよいかはわからないが、できる可能性があるのなら試した方がよいだろう。

谷蜂 檻葉 > 「ですか。 それじゃあ、ご案内しますね。」

そう言って、今度は奥へ奥へと先導していく。

娯楽本や、読みやすさを重視したような小説が置かれた棚を過ぎ、
著名な文学作品から歴史をまとめた本の棚を過ぎ、
工作・プログラムの専門書や法律学の棚を過ぎ、

授業で習ったようなレベルの魔術書関係の棚を過ぎ、
専攻でやるなら。と参考程度に黒板に書かれるような魔術書の棚を過ぎ、

邦訳ですらない魔術書ばかりが集まっている棚を示された。

「えっと、コレと……コレですね。 それと、こっちの本も空間を曲げるとかそういう内容に向かうらしいので意図にはあったものだと思います。」

差し出されたのは、英訳された辞典のようなモノ。日本語訳された異界の魔術書について書かれた本。
最後のは、何語かわからない。所々付箋が張ってある。


「……辞書の貸出もやってますけれど、使いますか?」

紅葉 椛 > 図書館の奥へと向かう。
色々な本棚を過ぎ、全く見たこともないような本棚へ。
日本語ですらない本が大量に置いてある。
流石は常世島の図書館と言ったところか。

「ん、んー……英語はわかるけどこっちは何語かすらわかんないな……
 こっちの言葉がわかるような辞書があるなら借りたいな」

谷蜂 檻葉 > 「ええと、対応した言語を近くの棚の辞書にセットしてたと思うんですけれど……」

それに行くんだ。と、ありありと顔に「意外」と言った表情を貼り付けて早速オーダーをこなす。


あれでもない、これでもない。と暫く実物を片手に近くに置かれた小さな棚を漁り―――

「ん、コレですね。 元が手書きの辞書の写本なので、ちょくちょく読み辛かったり内容として遠回りになるところもあると思いますけれど。 では雑誌、辞書、魔術書1冊で宜しいですか?」

チラ、とカウンターに視線をやるとそろそろ人が来そうな雰囲気がある。
借りるにせよ、見るだけにせよ一度彼女はカウンターに戻るだろう。

紅葉 椛 > 「んー、どっちも読むだけ読むか……
 でも両方だと時間が……」

苦悩する。
夏休みとはいえ、仕事に休みはない。
勉強に時間を費やしすぎると、生活ができなくなるかもしれない。
いやでも読むだけなら。
悩んでいる間に、辞書が見つかったようだ。

「あ、それに魔術書もう一冊。英語の方もお願い」

結局、両方読むことにする。
必要な部分だけ読めばいいのだ。
全て読むわけではない。
本を4冊持ち、カウンターへと向かった。

谷蜂 檻葉 > 2つとも読むのか。と、更に意外そうな表情を見せて、内容を確認しながらカウンターまで戻る。

「生徒証お預かりしますね……はい、これでオッケーです。

 それじゃ、貸出期間には気を付けてくださいね。
 期間を延長するときは、ご連絡頂くかカウンターで伺いますから。」


それでは、大変だと思いますけど頑張って下さいね。 と、微笑んで見送る。


……すぐに次の受付待ちの生徒にその笑みの対象は移ったけれど。

紅葉 椛 > きっと大丈夫。
最悪の場合は睡眠時間を削ればなんとかなる……はず。
嫌な覚悟をしながらカウンターで貸出の手続きを済ませる。

「ん、ありがとね。
 また来ると思うけどその時はよろしく。
 じゃあね」

本を持ち、背を向け、軽く手を振る。
ゆっくりとした足取りで、図書館から出て行った。

ご案内:「図書館」から紅葉 椛さんが去りました。
谷蜂 檻葉 > 「―――はい、じゃあ生徒証を……あぁ、忘れたんですか。 じゃあお名前を…… はい、んー……大丈夫ですね。 それじゃあ貸出期限は来週ですから、そこでまだ延長するならご連絡くださいね。 次の方どうぞー」


利用者でも、中々奥の方に置かれた本を借りようという気概のある人というのはあまり見かけない。
だから、椛の事を少しだけ他の生徒よりも深めに記憶に残しながら、今は少しだけ忙しない、のんびりとした夕暮れを過ごす。

ご案内:「図書館」から谷蜂 檻葉さんが去りました。
ご案内:「図書館」に蒼穹さんが現れました。
蒼穹 > (昼休み一番の図書館。
この時間帯を狙って来た。皆食堂なりに昼御飯にいって人数も少なそうだから。
窓の向こうから差し込む光はやっぱり眩しく暑い。)

さて…と。

(ぐる、と一周して見る限りは案の定、あんまり人はいない。
それでも、熱心に自習している学生がいるあたり学校って色々な人が居るんだと改めて認識させられるのだが。

別にこれといった用があるわけではない。ただの気紛れ。
禁書庫に足を運ぶ必要もなく、適当に知ってる書物でも漁らんと図書館に赴いた次第。)

蒼穹 > (何処に何の本があるか、未だに探すのに慣れないのは最早お約束といえる。
大図書館の名に恥じぬ本という名の知識の迷宮。)

どの棚だっけ。

(聳え立つ大きな本棚の並ぶ通路を右往左往する。)

ああ、…あったあった。

(着いた本棚は冒険譚だの英雄譚だのが並べられた本棚。
やっと、見つけたと思って足を止めるのだが。
取りやすい所にあるのを適当に一冊ピックアップして読んでみよう。

座る必要は…ないか。
一つの本の厚紙をめくって、大きな本棚に凭れかかった。
探す時には厄介だが、こうして背を預けるには安心感がある。
ほかの人の迷惑になっているのはいざ知らぬ。邪魔なら退いてとでも言われるだろうし。)