2015/07/09 のログ
■久藤 嵯督 > 「自分の代わりが出来てしまうのは、ひとえに自主鍛錬の不足が原因だろう。
生まれる事だけならウジにも出来る。
偽者を持って生まれたと言うのなら、その偽者を磨いてみろよ。自分のやり方でな」
人形のような青年に対して、半ば呆れたような口調で言い放つ。
柄にもなくお節介なことを言っている気がするが、あまり気にするまい。
続く言葉には、強い意思が秘められていて。
「―――場合によっては、本物だって殺せるかもしれんぞ」
持たされた力や道具をどのように使うかは、今ここでそれを持つ人間にのみ委ねられている。
いつ、どこで、どのように使うか。
純粋な”力”も大事だが、それより大事なのは”方法”なのだから。
■ソウマ・アーヴェント > 「……本物が何処にいて、殺すかどうかも、わからないのに、その必要があるのだろうか?」
「分かっても、その必要が、あるのか、どうか」
「俺が『判断』は、出来ない」
淡々と語るのは、自分が『居ない』のもあるのだろうか、
必要じゃないからその辺りが無情にも取っ払われているのか。
呆れてる理由も分かりかねているらしい。
「それに、どうして、代わりが『いるかも知れない』のに、そこまで拘るのか」
「………分からない。」
「………どうして?」
「……どうして、そこまで、『拘る』?『自分に』」
シンプルに出てきたのは疑問だった。
俺のわからないものを明確に知っていそうな気がしたような。
■久藤 嵯督 > 「誰かに代われるような自分なら、この世に生まれて出る必要などない。
無意味に生まれて来るぐらいなら、最初から生まれてこなければいい」
「この世に生を受けたからには、何かしらの存在理由があるハズなんだ。
己が命を燃やすべき何かがな」
生まれてから今まで、ずっと探している事だ。
それでもまだ見つけられない。
自分の力が何の為にあるのか……その力が無意味なものだとは、絶対に言わない。
「……悪いが、そろそろ時間だ」
そう言って時計塔を下りようと、ソウマの横を通り過ぎようとする。
「お前に代わりがいるかどうかは、お前自身が決めろ」
振り返らずにそう言うと、かつかつと足音を立てながら降りていくのであった。
■ソウマ・アーヴェント > 「……必要もないのに、生み出されたとしたら」
「その時は……」
と、言いつつ。
その先の言葉は出ない。
どうなるのだろう。 たんに気紛れで落とされたのなら。
それは……どうなのだろう。
去る背中を見送りもせずに、ずっと、考えていた。
俺は、どうして、居るんだろう。と
ご案内:「大時計塔」から久藤 嵯督さんが去りました。
ご案内:「大時計塔」からソウマ・アーヴェントさんが去りました。
ご案内:「大時計塔」に蒼穹さんが現れました。
■蒼穹 > (立ち入り禁止と言うけれど、警備も何もない訳で、気軽に気楽に、柵を跨いで、時計塔の前へと。)
大人の階段~♪
(毎度毎度、魔術で頂上まで登るのだが、今日は何があったか真っ直ぐ階段から登って行く。鼻歌まじりなのは御機嫌なのか、はたまた。)
…んんー。
(馬鹿と煙は高い所に…等と言う言葉もあれば、大人の階段登る。等と言う言葉もある。)
(大人になるって悲しいことなの。とか、何かを失うことなの。とか…はたまた汚れることなの、なんて言うのだが、大人になるってどういう事なのだろうか。)
(なんてまぁ、しょうもない事を考えているのだが、ふと、階段を上る足を止めて、中間地点であたりをぐるりと見まわせば、そんな事はどうでもよくなる。)
あー…そういえば、海開きだっけ…。
(ふと、振り返ってみれば、まだそんなに景色も小さくない。青い海が見えるけれど、きっとあそこはここと違って賑わっているのだろうか。それにしても、まだ初夏だというのに、御大層なものだ。)
(上る途中で足を止めたまま、暫し会談でぼんやりと海の景色を眺める。ぼんやりと、であれば流石に何が見えると言うわけでもないのだけれど、少なくとも海って青いなー、くらいは分かる。)
ご案内:「大時計塔」にルフス・ドラコさんが現れました。
■ルフス・ドラコ > カツリカツリと均等な足音にはならず。
下層階から、壁を手でこする音を立てながら、不揃いな歩みでゆっくりと上がってくるものが居る。
その人影は中間地点まで来たところで先客に気づいた。
黒のワンピースに、右腕の包帯が目立つ。
「……海が、どうかしました?」
体を壁にあずけるようにして立つと、蒼穹の目線の先を追って、尋ねた。
■蒼穹 > …?
(近づいてくる何やら少し歪な足音、随分眺めていたのか、不意に声がかかったそれに1拍遅れて反応を返すことになる。こんな所で誰かと鉢合わせるのは珍しい…のか、割とそうでもないのか。向き直って、視線をまたと海の方へと向けて。)
ん、いや。…今日から海開きって言ってたからね。
賑わってるかなって思ってさ。
(といって、右手を見るに、怪我していると見て間違いのない彼女にはあまり興味のないことか。)
で…一番上に御用だったかな?
(登ってくる途中、邪魔したろうか、と問返して。)
■ルフス・ドラコ > 「確かに見たところ、賑わっているみたいですね」
確かに興味のなさそうな様子で―先程から表情が変わっているわけでもないのだが―呟くと、
首を振って次の問いは否定した。
「上まで行ったら、お話がお終いになってしまいますからね」
一瞬、捨て鉢なほど虚無的な眼差しになった後で。
話を続けようとする意志の表れのように、海を見ながらもう一度口を開いた。
「……もともと海に行けない土地でもないのに、どうして海開きと言われるとこうもお祭り騒ぎになるんでしょうね。」
「それこそ、季節というものを初めて味わう学生も多いと思うんですが」
ご案内:「大時計塔」に東雲七生さんが現れました。
■東雲七生 > えっと、話じゃ時計塔の方に向かうのを見た、って……。
(小走りでやってくる影が一つ。
誰かを探す様に辺りを見回しながら、まっすぐ時計塔に向かっている。
まだ時計塔の階段に誰か居る事には気付いて居ないようだ。)
■ルフス・ドラコ > 時計塔の方に向かう学生なんてそう居るものでもなく。
視界の下、たったひとつ動く影にはすぐに気づいた。
「立入禁止とか、そういうのが好きなんでしょうか」
「……懲りないですね」
口角をほんの少しだけ上げながらつぶやく口調は楽しげで、
壁に身を預けたまま少女は立っていた。
少しだけ日影になった階段はほんの少しだけ涼やかで、
茶毛の少女は猫じみて心地よさそうだった。
■東雲七生 > この辺には……居ないか。
時計塔って、もしかして中の方か……?
だとしたら、うーん……出て来るの待つかなあ。
立ち入り禁止だろ、ここって……。
(時計塔の麓で逡巡する様に足を止めて。
その後ゆっくりと辺りを見回して誰か居ないか確認し始める。
昼間よく授業をさぼって訪れる事があり、警備どころか監視も居ないのは知っているが、念のために、と。)
■ルフス・ドラコ > 左手で手すりに手をかけて、なかなか来るのが遅い少年を探そうと階下を見る。
あたりをきょろきょろ見渡して今更迷っている様子を見つけると、
堪え切れなくなったようでついに声をかけた。
「そうやって周りを伺っている時点で怪しいと思いませんか」
「これから入ります、と言ってるようなものですよ」
監視の目は既に時計塔内に有ったのだ。
とはいえ。そもそも十代少女の肺活量で、時計塔の中程からかけた言葉が少年の耳に届くかどうか…
ご案内:「大時計塔」に蒼穹さんが現れました。
■東雲七生 > ──んぁ?
はっ、いや、別に!俺は入ろうと思ったわけじゃなくて……!
(慌てて弁解しようとして辺りを見回す。
しかし声の正体の姿は判らず、怪訝そうに首を傾げている。
まさか頭上から声がしているとは夢にも思っていない様だ。)
■ルフス・ドラコ > 「聞こえますか……七生さん……今あなたの心に話しかけています…」
「時計塔を…登るのです…」
更に難易度の高い行いに挑戦していく少女。
左手をメガホンのように口元に当て、右手はおろしたまま。
必然的に胸の辺りを手すりに押し付けてバランスを取るのだが、呼吸が浅くなって声は更に小さくなるような。
■東雲七生 > え、心に直接──ッ!?
まさか、新手の能力者か……!
(何故か耳に手を当てて時計塔を見やる。
声は時計塔を登れと言っていたが、はたしてこの中に何があるというのか。
もしかしたら罠かもしれない、と警戒しつつそっと歩み寄って行く。)
……にしても、どっかで聞いたような声だった気がするんだけどな……。
■ルフス・ドラコ > 「こうまでとなるとこう……本人の性格というよりは存在の気質と言いましょうか」
おっかなびっくり、といった様子で塔に近づく少年を眺めた後、
視界の上方の大海原の青色に目を移して、
「ルアーか何かというか…」
不意の連想を呟いた。どうもちょっかいを掛けたくなる、というか。
ご案内:「大時計塔」から蒼穹さんが去りました。
■東雲七生 > どこで聞いたんだったかな……。
(思い出せそうで思い出せない。
もどかしい気持ちを抱えたまま静かに階段への扉を開き、中へ。
何か起きた時の為に扉を完全に閉めきることはせず、何時でも逃げられるように退路を確認しながら階段を登り始めた。)
■ルフス・ドラコ > いつまでも胸を圧迫されるのも苦しくなったか、
少女は左手を手すりに当てて体を引き起こす。
その後は、いかにも立つのが億劫だという様子で手すりに腰掛けると申し訳程度に左手を添えた。
黒のワンピースの裾、足首あたりに覗く包帯が、たとえ落ちそうになっても何も出来ないことを示している。
風が髪の毛を揺らし、どこか潮の匂いでもしないかと期待しながら…少女は少年を待っている。
■東雲七生 > しっかし、何つーか……妙に古臭い階段だよな。
雰囲気あるっつーか、ボロいっつーか……。
(一歩ずつ足元を確かめる様に登って行き、数分掛けてルフスの居る場所までやってくる。
先客の姿に気が付いて、訝しげにその姿を見た後、目を丸くした。)
あああああああっ!!
お前、こないだの人攫い未遂犯!!そーだ、どっかで聞いた事ある声だと思ったら!
■ルフス・ドラコ > 「ルフスです、ルフス・ドラコ」
「…それはそれで別にいいんですけれど、どうしてここまでビクビクとやって来たくせに、こういう時だけ逃げないんです…か…」
「……おや?」
大声に少し眉根を上げて、非難めいた口調で自らを名乗り直した少女は、
左手で耳を覆っていた。
支えを失って徐々に体が外へと傾ぐ。
左手は空中にあり、力なく右手が上体に続いていき、両足を手すりに絡ませる素振りさえ無く、
彼女の目が海の青色を捉えて、体が反転していることに気づくころには落ちる瀬戸際だった。