2015/07/22 のログ
ヨキ > (島を見下ろす背は真っ直ぐに伸びて、傍目にもおよそ飛び降りるような気配はない。
 黙して佇み、眼窩の風景をじっと見下ろしている。

 外套の裾が風に舞う。
 獣の姿を取るとき、身体の内側から沸き起こる熱の噴出を思う。

 街の光の向こう側、遠く広がる闇に目を向ける。
 拓かれることのない森と荒野――生活委員の朽木が言っていた、削られつつある獣道。
 空高くにありながら、その目は地面を歩いているかのように島のかたちを辿ることができた。
 この十年と少し、どれほど歩いて過ごしたか知れない。

 流れる黒髪を最早そのままに、風に遊ばせておくことにする)

ご案内:「大時計塔」にヘルトさんが現れました。
ヘルト > 「おや? おやおやおやァ?」

無骨で分厚い鎧を着込んだ短髪の若者が素っ頓狂な声を上げた。
大時計塔で気分転換してやろうと思い来てみたところ珍しい事に先客が居るではないか。
物珍しげに視線をやりつつ、とりあえずヨキに声を掛けるのだ。

「やあやあ、これはどうも。」

ヨキ > (背後からの声に、肩で振り向く。
 現れた頑健な姿を見遣って、ふっと笑った)

「ああ……ヘルトか。ごきげんよう」

(剣術教師として籍を連ねる男の名を呼ぶ)

「立ち入り禁止の塔に、教師が二人とはな。
 今宵のヨキは見回りをしているが、教師を咎めよとは言われておらん」

(任を終えたかのような、消したきりの懐中電灯に指を添える。
 さながら杖のように鐘楼の縁に立てて突き、悪いやつらだ、と、冗談めかしてくつくつと笑った)

ヘルト > 「ああ、こんばんはだ。」

同じ教師として働くヨキの隣まで金属と金属がぶつかり合う音を立てつつ移動しつつ軽く手を挙げ挨拶を交わした。
くつくつと笑う彼に視線をやり、ニヤリと人が悪そうに笑みを浮かべ

「なあに問題は無いさ。俺も見回りをしていたんだ。」

息を吸うように嘘をつくのである。

ヨキ > (俺も見回りをしていた、と、ヘルトの返答に目を伏せてふっと笑う。
 身体ごと相手へ振り返り、腰を背後の縁に預ける)

「ならば君もまた、このヨキを咎めることはないな?」

(『結構』。ヘルトへ不遜に投げる声は、古老のように低く鈍い。
 しかし老いてしわがれた音はなく、ヘルトと変わらない年の頃を感じさせる)

「君は……父君もまた、教師であったか。
 この島へ来てどれくらいが経ったね、ヘルト? 常世の暮らしには、もう慣れたか」

ヘルト > 「はっはっはっ……咎めるも何も俺達はここを見回っているだけ、そうだろう?」

ヨキと同じように縁に身を預けようとして、やめた。
この鎧の重量を支えるには少々心許無い。流石にこんな時間に飛び降りなんてやらかそうとは思っていないのだ。

「そうさな……1年近くは経つか。いやはや、時が経つのは早いものだ。いい加減慣れた、と思いたいね。」

遠くを見るように視線をやりつつ言うヘルト。

ヨキ > 「もちろん。それに加えて、ヨキはここで休憩をしているだけだ。
 獣の足に、二本足で歩き回るは少々難儀でな」

(ヘルトと対照的に、ヨキの言葉にあくまで嘘はない。
 金色の瞳がちらちらと幽かに瞬きながら、ヘルトの闊達そうな顔を見ている)

「一年か。君の指導の評判は聞いている。
 異能溢るるこの島とて、君のしかと骨の通ったわざは、生徒のうちにも豊かに染みよう。

 異邦人街は、多少なりとも君にも馴染みがあろうが……市街はなかなか、慣れぬことも多かったろう。
 だがその顔、退屈はしていないようだな?」

ヘルト > 「それならば誰にも咎められはしないだろう!」

別に威張る場面でも無いが、無駄に踏ん反りかえって高笑いをしている。

「いやいや、俺程度じゃまだまだ……親父の授業の方がまだ有意義だろうよ。
それにアンタの評判の方が良く耳にするぜ、ヨキ先生?

まあ、親父お抱えの騎士団共々郊外に屋敷を構えてるしな。別段苦労は無い。
退屈が最大の敵なもんで、時々街に出かけるが退屈しなくて良いな、ここは。」

ヨキ > (高らかなヘルトの笑い声に、愉快げに笑みを深める。
 懐中電灯の紐を手首にぶら下げ、腕を組む)

「この島で意義のあることは、『それまで誰もやらなかったこと』すべてだ。
 異能と異邦とを認め、それらの融和を是とするこの島にあっては、特にな。

 ヨキの評判は……何しろ、この学園に長く籍を置いているからな。
 それだけ自然と、このヨキの話が君の耳へ届くに過ぎんよ。

 ヨキ自身の研鑽なくして、生徒を教えることはできん。
 芸術には絶対的な答えのない代わり、間違ったことは教えていないつもりだ。
 ……君とて生徒らを教えるときに、そうした信念はあろう?」

(屋敷という語に、ほう、と感心して)

「大人数で住むには良さそうだな。その鎧の意匠と相まって……さぞ暮らしよい場所なのだろうな。
 良くも悪くも、出来事はさまざまだ。美味いものにも、美しい女にも苦労はしない」

ヘルト > 身体が僅かに動くだけで金属同士が擦れ音を立てる。
それがヘルトの気持ちを表しているような、そう思わせるリズムで。

「まあ確かにな。それにしても生徒達は良き師を得たものだ。」

心より感心するような声色で言うヘルト。純粋に尊敬の念が瞳には込められている。
そして肩をほぐす様に軽く回しながら続けた。

「ああ、良いところだぞ。ところどころ装飾は歪で床は傾いているからな。その内来ると良い、歓迎するぜ?
ああ、本当に退屈しない。異文化交流というのも悪くは無いな。ただ平和すぎるのが玉に瑕だが。」

ヨキ > 「生徒らにとって良い師であれたら、ヨキも捨てたものではないな。
 ……詰まるところヨキの教えが、後世にどれほど誤りであったと断じられても構わんのだ。
 生徒らの目を開き、その生を豊かにする一助となれたならばな。

 君た父君の教えるわざもまた、やがて少しずつ姿を変え、のちの世に馴染みながら、島に長く残ってゆくに違いあるまいよ」

(ヘルトの言葉を聞きながら、視界に広がる島の夜景を見下ろす)

「ふふ、是非とも邪魔をしてみたいものだな。
 君に父君に騎士団に……このヨキまで加わって、無用な吹き抜けが増えなければいいのだが。

 この島が平和であることは、常世学園の誇る――我らがかわいい生徒らの働きによるものだ。
 公安や風紀、生活委員に、彼らは日々忙しなく動いているからな。

 瑕ではないさ。この常世島は――美しい、ひとつの玉であるべきだ」

(食と女を語ったその口で、子を愛でるように島を見、ヘルトへ視線を引き戻す)

ヘルト > 「であれば、こうしておちおちと休んではいられないな?
アンタや俺にも待っている生徒どもが多く居るようだからな。」

首を左右に傾けバキバキと鳴らし、ヨキへと視線を向ける。
そしていたずらっぽく笑いかけ言った。

「アンタだったらいつでも歓迎するとも。親父殿もたいそう大はしゃぎするだろうさ。

生徒の働き、ねェ。そりゃあそうだろうよ、何てたって俺達が教えてやってんだからさ。」

そして『お先に』とヨキに一声掛け出入り口へとゆっくりとした動きで歩き出すのだ。

ヨキ > 「なに、教師同士とて語り合うは必要だ。ヨキはといえば、休憩などとうに終えてしまった」

(そうして、この会話のひとときを過ごしたのだ、と。嘯いて笑む)

「君の父君も?光栄であることだ。
 異邦に雷名を轟かせていたと、話には聞いている。
 このヨキの軽薄が、はたして斯様な武人を『大はしゃぎ』させられるかどうか。

 ……我々の教えた子、か。その通りだな、――半分は。
 どうしたってヨキには、彼らの異能を、そして異能を超えた力を避けて語ることは出来ない」

(踵を返すヘルトを見送って、)

「――ではな、ヘルト。
 気をつけて帰りたまえ、……君の瑕を埋めかねん怪異が、君を襲わぬように」

(ヘルトが去ってしばらくのちまで、独り鐘楼の上に在った。

 時計など見ていない。
 空の星に目をやって小さく首肯し、再び等間隔の足取りで塔を去る)

ご案内:「大時計塔」からヨキさんが去りました。
ご案内:「大時計塔」からヘルトさんが去りました。
ご案内:「大時計塔」にイヴェットさんが現れました。
イヴェット > (──常世学園の朝は早い)
(目下に広がる学生の姿をぼんやりと眺めながら、彼女は其処に居た)
(目深に被った桃色のキャスケット帽に腰まで伸びた金糸のようなロングヘア)
(キャスケット帽の下に覗くのは尖ったエルフ耳にヘリオトロープの瞳)
(始業の鐘の鳴る少し前)

「なんだか、憂鬱、かも」

(時計塔に置かれた小さな木製のベンチに腰掛けて)
(規則正しく登校してくる生徒の群れを他所目に、くああと小さく欠伸をひとつ)
(目尻に涙を浮かべた)

ご案内:「大時計塔」に渡辺慧さんが現れました。
渡辺慧 > 鼻の頭に、絆創膏。
これだけ見れば、あたかもやんちゃな生徒。

だけれども。
フードを被り、ポケットに両手を突っ込んで。
下手くそな鼻歌を鳴らしながら、朝の時計塔を登る。
その姿からは、どことなく、浮いている生徒。

時計塔の屋上への扉を開け乍ら。
もう、すぐ。
そこに迫る陽ざしに、眩しそうに目を細め。

実に機嫌よさそうな鼻歌を、鳴らした。

それは、そこにいた。
憂鬱気な呟きを残した少女とは、まるで逆さで。

「おはよー世界」

誰に言うでもなく。
そこにいる少女に気付くでもなく。
ただの自然体で、そう漏らした。

イヴェット > (何処かから聞こえる鼻歌に、きょろり、辺りを見回す)
(目を引いたのは白いパーカーに身を包んだ少年)
(ぎゅう、とキャスケット帽をより目深に被った)

(随分と今日は空模様が好い)
(──きらり、ピンクゴールドの髪が煌めく)

「あ、ええと、おはようございます」

(少年の姿を認めたのち、暫しの逡巡を挟んで)
(おずおずと、ひどく緊張した様子で声を掛ける)
(自然体の彼とは対照的に、伏し目がちにそう、ひとつ)

(其れが少女に向けられた言葉でなかったとしても)

渡辺慧 > 「んっ」

かけられる声に、初めて気づいたとばかりに。
きょとんとした視線。
暫しの視線を送った後。

にこり……というより。
それは、実に楽しげな顔で笑う。

「や。おはよ」

伏し目がちな、その態度をまるで気にするでもなく。
たとえ相手が初対面の相手であったとしても、変わることなく。
それはいつも通り、いつも通りの、楽しげな顔で。
だけれど、向かう先はいつも通りの場所ではなく。
その少女に、のんびりと歩き寄りながら。

「シシ」
「いい朝、だね」

イヴェット > (楽しげな笑顔をちらと見遣れば、一瞬萎縮したように肩を縮こませる)
(おはよ、と声を耳にすればつんと尖った耳がぴくりと動く)
(深く、深く)
(屹度彼女の癖なのだろう)

「あ、ええと。いい朝、ですね」

(キャスケット帽の鍔を此れでもかと引く)

「あの──」

(すう、と此処でひと呼吸)
(息を吸って、また吐いて。視線を彼に向けて)

「……授業は、出ないんですか」

(もう始業ですよ、と小さく呟く)
(此れまた口角を小さく持ち上げて、ぎこちない笑顔を浮かべた)

渡辺慧 > 「……んー」

彼女のその様子に。
人と接するのが、慣れていないか……または。
さて、さて。それを察せる物を持っているわけじゃないから。
うまくは言えない所だけれども。

ふと。
その場で立ち止まり。
少しだけ離れた場所で、ふと空を仰いだ。

「そうだなー」
声にはやはり、楽しげな声。
思案している、というより。
この空気を吸い込み、楽しむ。

「しいていうなら、ば」
「君とお話しするためにサボる」
「とかどうよ」

明らかに今考えた言葉。
それはきっと、分かりやすく、相手にも伝わる。

仰いでいた視線を、再び、彼女へ向けると。
そのぎこちない笑みに向かって。
なんとなく……柔らかい笑みを浮かべた。

「その、キャスケット帽」
「似合ってるね」

イヴェット > 「………?」

(こてり、小さく首を傾げる)
(彼の意図は知る由もなく、ただただ不思議そうにこてりと)

「……イヴとお話しするためにさぼっちゃうんですか」
「授業、出ないとなんじゃないんですか」

(何処か申し訳なさそうに、伏し目がちにぽつりと言葉を洩らす)
(申し訳なさやら、云われた言葉が嬉しかったやら)
(ちょん、と帽子の鍔を持ち上げる)

「あ、えっと───」

(鍔を上げたところで彼の言葉をひとつ、耳にすれば)
(再びぎゅうと鍔を引いた)

「あの、アリガトウ」

(顔を朱く朱く染めて、目を伏したまま、照れ笑いを)

渡辺慧 > そういう君は、と聞くことはしない。
それは深入りだろうし。
初めて会った相手、どころか、少なくとも今は。

――本気にされちった。
なんて思いながら、苦笑を残す。
さりとて今更、冗談だ、と言っても。
それはそれで――。
まぁ、いいさ。

「……ま、今日の朝には単位取る講義がないからさ」
オチ、とでも言うべき。
そんな言葉を残し乍ら。

「いーえ」
どーいたしましてっ。
なんて、機嫌よさげにつづけた後。

「一応聞いておこうかな」
「君も一体全体」
「何しにここにきたんでしょーか」

イヴェット > (照れ笑いと困惑が混じったような)
(そんな曖昧な表情を浮かべて、また彼をヘリオトロープが捉える)
(彼の口から紡がれる次の言葉を待つように)

「あ、ならよかったです」
「イヴの所為で進級できないとかになっちゃうの、困りますから」

(にこり、と目を細めて)
(先刻よりもずっと柔和な笑みを浮かべる)
(機嫌が良さそうに笑った)
(彼からそうひとつ、問われれば)
(鍔をまた少しだけ引いて)

「イヴは高いところが好きなんです」
「色々なニンゲンが見られるし───」

(くすり、と小さく笑みを溢して)

「素敵な学友との出会いがあったりしないかなって、思って」

(誰かと関わりたかった)
(そんな本音を、小さじ一杯程度に織り交ぜて)

ご案内:「大時計塔」にウェインライトさんが現れました。
渡辺慧 > 「安心してくれ」
「君とお話ししなくても、いつでもギリギリだから」

それは正しくあり、はて。
まぁ、これにそこまで深い意味はない。

楽しそうに笑いながら。
高いところという言葉に。
目下に広がる景色を眺めるかのように、顔を向けた。
風が、ひどく気持ちいい。
朝ということもあり――暑さは、まだ激しくない。

「生憎。残念」
「素敵じゃあない、こんなのとの出会いはあったみたいだけどね」

自らをこんなの、と言いながら。
目下を歩く学生の群れに目をやり。

「あの中の、素敵な誰かがやってくる」
「さて、それを待つのも、楽しそうではあるね」

ウェインライト > 始業ベルの鳴り響く大時計台。
それとともに、その階段から一歩一歩と階段を踏みしめる高音。

扉を押し開けた一人の姿。

燃え上がるような金の髪/融かし尽くすような赤い瞳/蕩かすような美貌の長躯

「先客二人……なかなかの不良がいたようだね?」

くすりと笑みを漏らしながら、遠くの二人を眺め見た。

渡辺慧 > 「とか言っている間に」
「さ、始業時間だ」

自分以外の誰かが学業を始め。
彼女以外の誰かが学び始める。
そして――。

扉が開く音。
それをぼんやりと仰ぎ見ると。

人物以外の誰かがまた。新しい学生生活を始めるのだ。

「あら、お客様」
初対面であろうとも、適当な言葉を崩さない。
その、綺麗、いや、格好がいい。
いや、それは、美しい、といえばいいか。

そんな人物に向って、のんびりと。
片手をポケットから取り出して、手を振った。

イヴェット > 「残念じゃ、ないですよ」

(小さく、其れで居て意思のしっかりとした言葉を溢す)
(折角出逢えたひとつひとつの邂逅を大事にしたい、と少女は常々思案する)
(ふわりと風が金糸の如く其れを揺らす)
(擽ったそうにふ、と目を細めた)

「素敵な誰か、でしょうか」

(カツカツと鳴る階段の音に、ぴくりとまた耳を動かす)
(人よりも少しだけいい耳が捉えたその音を目で追う)
(扉をちらと見遣れば、見慣れない人物)

「あの、ええと、」

(はじめまして、と云おうとして言葉が止まる)
(色鮮やかな、金色に煌めく髪)
(吸い込まれるような、生命の美しさを思わせる赤の瞳)
(そして───えらく美しい、彼/彼女)
(故に、美しすぎるが故の、恐怖か。其れとも嫌悪か)

(整理しきれない自分の気持ちに困惑したように、キャスケット帽の鍔を深く下ろした)

ウェインライト > 「おはよう諸君!」

天に何かを捧げるように、両手を広げるウェインライト。
その体勢のまま歩みを進め、くるりとターン。
鮮やかなお辞儀と変わる。

「僕は最も優美で最も華麗なウェインライト。
いい陽気だろう? この今日という日を満喫したくてね。
君たちはどうだい?」

頭だけを少しだけ上げて、二人を赤い瞳が見据えた。
それは欠け月のように細められ、二人を射抜くかのように。

かつて美貌だけで学園を蕩けさせた美貌の吸血鬼は、
ゆるりと体を起こし、そして、

渺、と風が吹いた。

「あ」

つるん、と音を立てて。
ウェインライトの足の下。
「立入禁止」の張り紙が地面を滑っていく。

ウェインライトは死んだ。

#死因・注意書きはちゃんと読みましょう

渡辺慧 > 「そ」

例えば、今まさに、そこを登ってきた。
素敵な――。
と、言おうとした矢先。
その怒涛の言葉の勢いに、多少圧倒され。
唖然として。
射抜かれて。

その楽しいセリフに、実に。
実に楽しそうな顔を浮かべ。
返答をしようとした、その時に。

「え」

死んだ。

「ん?」

ひとがしんだ。

イヴェット > 「あの、ええと、おはようござ───」

(必死で目を向けながら、目を合わせようとしながら顔を上げる)
(吹く風は彼/彼女の金の如き煌めきを放つ髪を、彼/彼女の四肢を緩やかになぞる)
(少女は、其の風に目を細める)
(彼/彼女の赤色が此方に向いたのを気づけば、ヘリオトロープが其の美しい其れを捉える)
(時に美は人を傷つけることもある)
(少女は、故に少しばかりの恐怖を抱いた)

「あの、ええと、だいじょうぶ、じゃないですよね───」

(目の前で彼/彼女が倒れる)
(少女にとっては新鮮──厭、見慣れない光景)
(人が死ぬと云うのは、少女にとってはひどく影響が大きい)
(故に、顔を青くして、慌てて立ち上がった)

ウェインライト > 床を広がる赤い鮮血。
どう足掻いても死亡確認。

屋上に染み入っていく赤を、二人ははっきりと視認することはできない。

それもそのはず。ウェインライトの"狂い時計"は信頼と実績の全年齢仕様。
良い子が見ても安心なモザイクつき。

しかし立ち上る死の気配は隠しようがない。

君たちが救急車を呼ぶか、
それとも生死を確認するだろうか。

見てみぬふりをするかもしれない。

しかし――。

君たちが意識を離したその一瞬。
まるで真夏の夜の夢のように。

君たちの横からフィンガースナップの音が鳴り響く。
高らかに鳴り響いたその音とともに、いつの間にか死体が消えた。

「失礼。少々足元がお留守だったようだね!」

そして。
いつの間にかそこに居て/最初からそこに居たかのように

あらゆる痕跡を消滅させて、君たちから横方向のベンチに優雅に腰掛けていた。

イヴェット > 「──え?」

(小さく、一言)
(死んだはずの彼/彼女が生きていて、尚且つ生き返って、話をして────)
(イヴェットは、困惑すると同時に恐怖した)
(人が死んだら生き返らない、と幼い頃から幾度となく話は聞いた)
(なのに、今、彼/彼女は──……)

「あの、イヴ、今日はこの辺で」

(深々とキャスケット帽を被る)
(ひどく青い顔をして、其のまま早足で時計台を駆け下りるだろう)
(自分の知らない世界に触れてしまったような)
(人魚の肉を喰らった人間が不死になるのと同じような現象を目の当たりにして)
(彼女は、冷静ではいられなかった)

ご案内:「大時計塔」からイヴェットさんが去りました。
渡辺慧 > 「――――――――はっ?」

いや、今、たしか……に。

「………………ッ」
弾ける音を感じ、自らの誇る速度。
なにも異能を使ってないにもかかわらず、それはひどく速く。
そしてひどく緩慢な動作。

――それは、そこにいた/いる

「………………シッ」

シシシ。
理解不能。
思考不能。

考えても、分からない。
確かにシンだ。なればこそ、そこにはなにもなく。

だからこそ、楽しげに笑った。

「……いやぁ。滑るにしたって、ちょいと」
「かっとびすぎじゃない?」
「美しい某さん」

――というか気づいたらもう一人いたはずの彼女はすでに逃げていた。おいてかないで

ウェインライト > 「ふーーむ」

駆け下りていく少女の姿。
このあまりの美しさに怯えてしまったか。

「彼女とも話をしたかったのだけれどしかたない」

去るものは追わず。
かつて世界を混迷に落としたウェインライト。
逃げられることには慣れている。

だから。
赤い瞳は少年だけを見据える。

「確かに。ここの強い風が必要以上に足を滑らせてしまったようだ」

風で空を舞う張り紙。
それを視界の隅で捉えると、緩慢に首を振る。

「君はそういった経験はないかな。パーカーの君」

渡辺慧 > 「人見知りみたいだよ、彼女」
断定はできないけどね、なんてぼんやり。
だけどしっかり、目の前の彼か、彼女か。
に目線をやりながら。

あぁ、吸い込まれそうな――。
ひどく、気のせいではあるだろうが。
それはきっと、正しい。

そんな経験。
風で、足を滑らせて、死ぬ。
生憎、この人生、まだ一度きりなのだ。

「ないねぇ……」

フードが風で揺らめく。
「ない、けど」
「風に乗って、飛んでみたいとはよく思うね」

そう言って、まるでその視線から目を離すように。
だけれど、ただ、風景を眺める様に。

ふと。自らの背後に広がる景色へ、その視線をやった。

「美しい某さんは、そういう経験は、多いのかな?」

ウェインライト > 「花であるなら、怖じる必要などないのにね」

彼女に向けた感想。
次は正面から話してみたいものだと感じるウェインライト。

しかし今はこの少年だ。

赤い瞳で彼を見据える。
しなやかな足を組み替えて、ベンチに背を預ける。
某と呼ばれたウェインライトは、弓の弦のような笑みを浮かべた。

「ウェインライトだ。この美しき名を、心に刻み込んでおきたまえ」

風に揺れるパーカー。
彼が見下ろす学園の風景もまた美しい。

「はは、復学してからというものの、そのようなことばかりさ。
不便だともうっとおしいとも思わないけどね」

こちらも眼下に視線を向ける。

美しく/騒がしく

生徒たちの喧騒が響いている。

「どうであろうと僕の美は曇ることはない」

渡辺慧 > 「花だってたまにはその花びらを閉じたくなる時とかあるんじゃねーかな」
それが今だった、と考えてみれば。
いつか花開くときもあるのだろう。それが、誰の前でかは知る由もないが。

「ウェインライト」
「オーライ、覚えた」
「次に会った時に忘れてたら、少しばかり刻み傷が足りなかったってことで許してくれよね」

「自分から流れる血も美しいと言いそうだね、君」

朝の空気は次第に静けさから、騒がしさへと変わる。
今はその過渡期だ。

「……一応」
「……その、一応、聞いておくね」
「さっきさ。……あれ死んでたよね?」

会話して落ち着いたか、または……彼/彼女の何か、雰囲気にのまれたか。

恐る恐るとでも言うべきか。または、喜々として、ともいうべきか。
あの現象は、なんだったのか、と。
死は、そこまで身近にあるものなのかと。
ふ、と。投げかけた。

ウェインライト > 「では、それを開かせることが次の課題かな」

さながら太陽のように。
さながら月のように。

せっかくこうして出会えたのだ。
言葉も交わさず消えてしまうのは悲しいことだ。

「もちろんだとも。僕に流れる血の一滴まで、それは全て美しい」

――ならばなぜモザイクがかかるのか。
その点に突っ込むのも突っ込まないも君の自由だ。
だがその点に突っ込んだら、間違いなくウェインライトは死ぬだろう。

一応、聞いておくね。

「ああ。死んでいた」

それがなんでもないように答えるのがウェインライト。
艶やかな笑みのまま、風に揺れる金の髪を抑える。

「最近そのような身体に変容してね」

渡辺慧 > 「そうだね」
「楽しく笑ってもらったほうが」

何より自分の気分がいい。
だからこそ、自分だって。
軽口を、冗談を、意味のない言葉を適当に吐き出すのだ。
その場の空気など、それにするための――。

ツッコむか、ツッコまないか。
そんなの、決まっている。
答えは一つだ。この空気に合う、ただ一つのさえた――。

「なんでモザイクかかってんだよ」
相手が死ぬ、死なない。依然に。
それは見えている釣り針だ。
だからこそ、積極的にかかっていく。

だって、そうしたほうが、楽しいだろう。
なんて。
――いやこれで死ぬとか想定できるはずもないのだが。

「――異能、って事?」
「…………それ、死にやすい、ってのも入ってるのかい」

ただ、滑っただけで人が死ぬ。
そんな莫迦な話は、なくもない。
なくもない、が。――先程は、そんな莫迦な状況じゃなかった。
だから推測して――。

ウェインライト > 「その通り。花は咲いてこそ花。
美もまた、それを認め愛でるものがいてこそ――」

だから彼女の美がどこにあるのか見てみたい。
そんなささやかな願いを口にしようとしたウェインライト。

直後、弾丸めいた言葉がウェインライトの心を抉る。

「ごふっ!」

血反吐/モザイクを吐いた。
押すなと書かれたボタンを躊躇なく押していく目の前の少年。
そんなにもウェインライトの死が見たいというのか。

そして、そんな一瞬の意識の間隙。
鳴り響くフィンガースナップ中略。

今度は彼の背後。

「いかに僕が死に様すら美しいとはいえ、
今のはまちがいなく狙っていたね? パーカーの君」

まるで心をなで上げるような声。
己の身体を抱きしめながらささやくウェインライト。

「死にやすいのは呪いさ。
多くの人間が命を賭した結果、僕の身体には667の呪詛が渦巻いていてね」

恐れず/恥じず/誇るように

ウェインライトは呪詛の存在を示す。

渡辺慧 > 「あ」

死んだ。
間違いなく死んだ。
――え、死んだ? 今ので?

二度目、ともなれば。
その要因が分かれば。
そこにあるのは、楽。
「…………シシシ」

背後から聞こえる声に。
どことなく、ゾクゾクとした感覚を覚え乍ら。
如何にも、楽しげな笑いを返し乍ら。

「ついかっとしてやった。ほんとうに死ぬと思わなかった」
等と供述している。
振り向きながら、その赤い瞳を見つめた。

壮大な……いや、ひどく重たい言葉。
命を賭した、呪い。
なれば、それが渦巻いている、呪われた、彼は。
――いいさ。それに深追いするのは。

「呪い、ねぇ……。……ま、いいや」

だから、その話題を変えるべく。

今更だけど。と前置くと。
「パーカーの君じゃなくて」
「渡辺慧だよ、この自由な名前を、心に浮かばせといておくれ」

ウェインライトの名乗りを真似するかの如く。
自由気ままに。猫のように笑いながら。

ウェインライト > 「よいよい、完璧なものを見ると壊したくなる。
そういった衝動があると聞く」

だからかっとしてやった、若さゆえの過ちに至るまで許容する。
赤い瞳が、まるで欠け月のように細められて見つめ返す。

その瞳は何も恥じていない。
過去を受けとめ/許容し/誇っている。

だから今。その名前も受け止めるように。

「渡辺慧。この美しい心によく刻んでおこう」

艶やかな唇を、白い指がなぞる。
淫靡な仕草。しかし決して慧を誘っているわけではない。

ただウェインライトの赤い瞳が渡辺慧を見る。

「自由か。そうやって君は自分の領地を守っているのだね」

微笑。ウェインライトは一歩下がった。

渡辺慧 > 「…………」

いや、敵わないな、多分。
苦笑。いや、少しだけ恥ずかしい思いをしないでもない。

「……ごめんなさい」
悪いことをした、ならば、謝るのは……まぁ、当然なのだろう。
それが、悪い事なのだから。

――しかしながら。
その仕草に……目を奪われる。
ふ、と、いざなわれそうになり、頭を振るが。

次に、続く言葉は。
その、無防備になりかけた心に、響いた。

「……………領地なんてないよ。……何にも、縛られないのが、自由なんだよ」

気のせいか。
自らの目が、この、目の前の美しい――うつくしい?――何かを睨みそうになっていることに気付き、目を閉じる。
ふ……と息を吐き。

「…………君は、自由かい?」

ウェインライト > 「はっはっは! 定命の者よ。謝ることなどない。
美しきに手を伸ばし、翼を溶かしてしまうことなどよくあることだろう?」

君もそうだったのだ。もう一歩下がって更に笑みを深めていく。

踊るようなステップ/歌うような口上

いわば大時計塔はウェインライトの舞台。

「僕は、己の美学に従って生きている。
美しきを追求し、僕が認めた美を愛でる。
誰も僕を縛ることはできない!」

朗々と歌い上げる。
両手を天に掲げ、円を描くように歩いて回る。

それはウェインライトの舞台。
明るい日差しだというのに、まるでそれはスポットライト。

そして。
指を鳴らすと、渡辺慧は自身日差しが降り注ぐように感じるだろう。

「僕は僕の美学に従って生きている。それを、美の奴隷だというものもいるだろうね。
君はどうだい? 渡辺慧。自由であろうと翼を広げる君」

渡辺慧 > それは、演劇。
それは、主役。

あぁ、だって、彼/彼女はあんなにも美しくて。
日差しさえウェインライトに注目している。

そうだ、それはいい。
自分はただの観客。
チケットを偶然手に入れただけの、ただ、ここに居てしまっただけの観客。

あぁ、ならば。
彼/彼女は自由なんだろう。縛られないで、思うが儘。
自分を、自分で――。

だというのに。
ただの、一人の観客でしかない自分に、その光が当たってしまう。
見られてしまうような気がして。
何かを。

知っている。
知っているさ、自分が自由だと思う、この状態はただの――でしかなくて。
そう信じたいから、ずっと。……いや、あんときから、ずっと。
見られてしまう。見られてしまう。
だけど、口からは、ただの強がりに似た。

「ウェインライト。君は、美の奴隷ではなく、自由で」
「そして…………俺だって、既に自由なんだよ」

それを言うと。
まるでその光から逃げるかのように、歩き出す。
時計塔の、出口に向かって。劇場の外に向かって。

ウェインライト > 「エレガント!」

去りゆく君。歩み去る君。
美貌の吸血鬼はその背に快哉をあげた。

「ミスター慧。自由でありたまえ」

自由とはいったいなんだろうか。

吸血鬼は知っている?
渡部慧は知っている?

否!

「君の目指そうとする場所はきっと遠い場所にあるのだろう」

ただの強がりに似た言葉。
それを肯定するように、自信に満ちた足音が打ち鳴らされる。

「自由。そう宣言することで、君の第一歩が始まるのだね」

欠け月のように、赤い瞳が細められる。
赤い、血にも似た舌が覗く。

笑み。美貌の吸血鬼はただの少年を送り出す。

「アデュー! ミスター渡部、また会おう!
次に会う時は君の自由の音を聞いてみたい」

渡辺慧 > 「…………シッ」

背中からかけられる声に。
そう。…………いつも、通りの。
形だけならば、そう。いつも通りの笑み。

きっと、自分が目指すべくは……あんな。
……いや、きっと、それとも違う。

分からない。

「美しい君、ウェインライト」
「……いつか聞かせてやる。だから」

顔だけで振り向き。
その美しさに目を眩しそうに細め。

「また会おう」

そう言って、そのまま。
歩調を崩さずにその場から去って行った。

ご案内:「大時計塔」から渡辺慧さんが去りました。
ウェインライト > 「誰も彼もが美を目指す」

屋上の縁に立って、眼下を見下ろす。

赤/青/緑/黄

眼下に広がる光景は、色の混ざり合うキャンパス。
それぞれが己の美を目指して歩く。

それは肯定されるべきだ。
どんなものであれ、そこに美はあるべきだ。

空を飛びたい。
自由で居たい。

人の欲求とは様々なのだから。

時計台の縁に腰掛けて、美貌の吸血鬼は微笑った。

ご案内:「大時計塔」に神宮司ちはやさんが現れました。
神宮司ちはや > 今日は一限目の授業は休講で、急にぽっかり時間が空いてしまった。
なんとなくいつもと違う場所で過ごしたくてぶらぶらと校内をうろついていた時見えた時計塔に惹かれた。
一応立入禁止となっているらしいが噂によると多くの生徒はそれに構わず出入りしているらしい。

ちょっと後ろめたい気持ちはあるものの、風通しも見晴らしも良さそうであったのでつい、上がってしまったのだ。
予想通り、屋上は清々しく下に広がる建物が小さく見える。空が近い。

と、視線を移すと屋上の縁に人が立っているのに気づく。
後ろ姿からは性別はわからない、だがスラリとした長身と美しくなびく金髪はそれだけで絵になっている。
モデルのような人だなと瞬時に思って見とれる。

ウェインライト > 燃え上がるような金髪を手で抑え振り返る。
人の気配に気づいたか、艶然とした笑みを浮かべた。

「今日は人とよく出会う日だね」

絶世の美。それを体現した姿のまま赤い瞳を向けた。

青い空に暖かい日差し。そして吹き付ける爽やかな風。

全てが色づいた場所で、ウェインライトが微笑った。

「やあ、ミスター。良い朝だね」

神宮司ちはや > 振り向いて微笑みかけられるとびくりと身をすくめる。
あまりの美貌、自分が予想していたよりもずっと端正な顔や容姿にさっと頬を赤らめた。
現実離れしすぎた美が自分を見ていることに恥じ入ってしまう。

視線を真正面から受けることができずもじもじと俯いて小さく挨拶した。

「お、おはようございます……そうですね、良いお天気です……。
 何を、なさっていたんですか?」

ウェインライト > 己の美。それを直視できないことを不敬だなどとは言えない。
まぶしすぎるものは、時に目をそらしたくなることすらある。

それをも理解しているのがウェインライト。
かわりに彼に近づくことでそれを埋める。

「何を」

「何をか」

確かめるように呟くウェインライト。
ここに来たことに意味はない。

「この学園は美しい、と思ってね。
ただ眺めていただけさ」

授業を受ける以外、ウェインライトは暇人だ。
金もない。食べるものもない。未だに家も定まっていない。
見た目の美しさとは裏腹に、ホームレス一歩手前。

あまりにも美とはかけ離れた生活がそこにあった。

かろうじて、漂う香りは美しきを保っているのが救いである。

神宮司ちはや > 優雅な立ち居振る舞いで近づかれれば
あ、と小さく驚きの声を上げて身を硬くする。
自分のような矮小な存在が、こんなにも美しい人のそばに居てもいいのだろうか。
そう思わされてしまうのだ。

相変わらず面をあげないまま、目をそらしウェインライトの言葉を聞く。
美しい人の口から出る言葉はやはり何か独特な美しい響きを持って居るような気がした。

「この学園は、美しい……。そうですね、ぼくもそうおもいます。
 美しくて広くて大きくて、楽しい場所ですよね。」

微かに頷きながら、同じように眼下に広がる学園を眺める。
隣に美しい存在がいるだけでその風景が特別な輝きに包まれているように感じた。
ちらりと横を見てからポケットを漁る。なんとなく持っていたソーダ味の飴を3つほど手のひらに乗せて差し出した。

「……よ、良かったら食べますか?」

ウェインライト > 「そうとも。ここは良い場所だね」

どこの場所にも、どんなものにも美しさはある。
それを許容するこの場所もまた美しい。
そこに貴賎はなし。
あるのはウェインライトがもっとも美しいという世界の真理。

だから当然のように美貌の吸血鬼は横に立つ。
まるで君を肯定するように。

「僕は施しを受けない主義だが……」

差し出されたソーダ飴、その一つを白くしなやかな指が摘んだ。

「だが、これは友好の証のようだ。受け取らないのは美しくないね」

赤い瞳の片方が閉じられる。
ウェインライトの瞳は人によっては強すぎる。

身を硬くする彼に対しての、せめてもの歩み寄り。

袋紙を開いて、飴玉を口の中に転がり入れる。
その弾けるような、ふわりとした甘さに息を漏らした。

「悪くない」

神宮司ちはや > 自分とは次元が違うような相手でも同じ気持を共有できたとなれば当然嬉しい。
こわばった表情がほぐれ、自然と笑顔になった。
施しは受けないと言われると少し自分が余計なことをしてしまった気がして気持ちがしぼみかけたが
そっと一つ受け取ってもらえるとぱっと表情が明るくなる。
ついでに受けたウィンクにますます顔を赤らめ、慌てて自分も飴を一つ開封して口に放り込んだ。

うん美味しい。ころころと口の中で転がすとシュワシュワと溶けていく。

「気に入っていただけたなら嬉しいです。」

えへへとはにかみながらそう言った。

「ぼく、神宮司ちはやって言います。ええと、……あなたは?」

性別の判別がつかず首を傾げながらとりあえず二人称で尋ねた。

ウェインライト > 口の中で飴を溶かしながら、少年を見下ろした。
互いの身長差を確認すると、包み紙を胸のポケットにしまう。
そのまま背を向けて、優雅にベンチの方へと歩んでいく。

「僕は、最も優美で最も華麗なウェインライト。
はじめまして、ミスター神宮寺」

座り込む。この身長差では、ただ話すだけでも首が疲れてしまいそうだ。

「君も座るかね?」

まるで玉座のようにくつろぐように座るベンチ。
まだそこにスペースは残っている。

神宮司ちはや > 「ウェインライトさん……」

口の中で相手の名前を確かめるように呟いた。

まるで自分の氏姓自体が『最も優美で最も華麗な』だというように
堂々と宣言するウェインライトに思わず口を開けて簡単する。
すごい自信だ。いやでも確かに自分で言うぐらいにこの人は美しい。
苛烈で華麗、そこにいるだけで薔薇のような華やかさがある。
誰もが彼を一目見て目を奪われ、放っては置けないという印象。

ゆっくりとベンチに座るウェインライトに気遣われてしまったことを悟るとおずおずとそばに寄った。

「えっと、それじゃあ失礼します……。」

相手とは少し体を離してちょこんと横に座る。
何を続けて話せばいいのか分からず、場当たり的な言葉を聞く。

「ここにはよく来られるんですか?」

ウェインライト > 堂々と、誰に恥じることもなく我が物顔で振る舞った。
ベンチに腰掛ける少年を片目が見つめる。

「ここに来るのは二度目だね。屋上に来たのはこれが初めてだ」

問われた言葉にはそう返す。
目を奪われるような美貌。かつては誰をも蕩けさせたその姿。
今もそれに陰りはない。ただ一点を除けば、だが。

だから決して恥じることなくこの場に在る。

「そういう君はどちらかな?」

神宮司ちはや > 「二度目……それじゃああんまり来られてはいないんですね。
 なんだかここにすごく堂々としていらっしゃるから、よく来るのかと思って……」

相変わらずもじもじとしながらそう応じる。
常に変わらず堂々としていられる存在のこの人が少し羨ましい。
自分を信じて自信と書くけれど、きっとこの人は自分の価値、特に美を迷うこと無く信じているからこんなに堂々としていられるのだろうか。
なんとなく態度や発言からそんなふうに感じた。

話を自分に向けられると首を横に振りながら

「ぼくは。今日はじめてここに来ました。
 休講が急に入っちゃったからちょっと別の所で過ごそうかなって。
 今日は天気もいいし、空が近いところがいいと思って来ちゃいました。」

本当は入っちゃいけないんですけど、とちょっとだけ罪悪感がのった表情で。

ウェインライト > 空を見上げる。
青い空。吹き付ける風。
日差しも柔らかく、ここはそれを堪能するのに絶好の場所。

「堂々としているのは、したいようにしているからさ」

白くしなやかな指が突き出され、一面を指し示すように動く。

「ここは立入禁止。なにが起きるかもわからない。
けれど美しいと思った。そこで何が起きようとも、僕は本望だよ」

先ほど二死を迎えたウェインライト。
きっとそれも本望なのだろう。
多分。おそらく。きっと。メイビー。

それに、と付け足した。

「今日はこの飴の出会いもあった」

ころり。溶けかけた飴を見せるように赤い舌が伸びる。

神宮司ちはや > したいようにしているから。
ウェインライトは事も無げにそう言う。
夏の風に吹かれる横顔はやはり美しい。日差しが白い肌を輝かせている。

指の軌跡を追うように視線を動かす。
少し情けないような声音で呟いた。

「ウェインライトさんは強いんですね。
 ぼくはだめです、何か起こってしまうとすぐに気が動転して体がうまく動かないんです。
 何が起こっても本望って言えるのはきっと、ウェインライトさん自身が何が起こっても自分はこうだって出来るからですよね……。
 そういうの、すごくかっこいいなって思います。」

自身に対する諦観のような嘆きにも聞こえたかもしれない。
見せられた相手の舌、その鮮やかな赤さと口元の色気にますます赤くなって俯いた。
そういうきざな様もよく似合っている。

ウェインライト > 「そうだろう? なにせ、僕の美しさは世界の真理だからね」

飴を口の中に再び閉じ込めながら、胸を張る。
優雅にしなやかな足を組んで見せると、ちはやの頬へと指を伸ばす。

触れるか触れないか。それぐらいの距離。

「恐怖とは知恵だよ、ミスター神宮寺。
怯えること。怯えぬこと。どちらが素晴らしいなんてわかりはしないさ」

まるで相手をなで上げるかのような囁き声。
それは君に怯えを与えるだろうか。

「立ちすくむということは、心が身体を支配しているということ。
それは容易く天秤を動かすよ。
きっと君は、心の比重が大きく重いのだろうね」

神宮司ちはや > さも当然のように胸を張る仕草が少し子供っぽいようなおちゃめさを感じてくすりと笑った。
ただ美しいだけではなく少しユーモアもあるような態度がより魅力的に思えた。

自分へと白い指を伸ばされるとじっと、
ここに来て初めてウェインライトを見上げる。
囁かれると少しだけ身を震わせた。だが決して逃げようとはしない。
怯えなかったとは決して言えない。ただそれよりも相手の魅力のほうが恐怖心を上回っていた。

何より、美しい怪異の前において自分が逆らうことも逃げ出すことも選択肢として持つことが出来ない。
神宮司ちはやはそういう存在として生きている。

藍色の瞳がそっと伏せられた。まだ姿勢を崩すことはしない。

「自分では、よくわかりません……。
 心の比重が大きくても、それに振り回されて疲れてしまうこともあって……。

 本当は怖いと感じるべきところで、ぼくは怖がれない気もするんです。」

そう、今のように。

ウェインライト > 「僕は誰かの美を否定するつもりはない」

崩れぬ姿勢。伏せた瞳。
誰に向けた言葉か、どこに向けた言葉か。
ウェインライトは言葉を紡ぐ。

「君は、君だけの美を見つけて育て給え」

迷う少年の心にそれはあるか。
ウェインライトの赤い瞳、審美眼がそれを見据えている。

「いいかね、ミスター。この世に真に否定されるべきものなど一握りだ」

ほんのわずか。ちはやの産毛に触れる程度の、そんな場所で指を離す。
微かに吸血鬼の体温を空気に残す。

「君には君の美がある。そしてそれを伸ばすことができるのは君だけだよ」

神宮司ちはや > 指を離されるとはっと魔法が解けたかのように目を瞬かせる。
ほぅっと息を吐くとそっと背もたれに背を預けた。

「僕だけの美……。」

そんなもの、あるのだろうか。
いやこのウェインライトの目はもしかしたらすでにそれを見抜いているのかもしれない。
胸の中に仄かに灯る温かいもの。自分にも美しいものがあるかもしれないという可能性。
そっと手を胸に当てると、ぎこちなさのとれた表情でウェインライトを見つめて笑った。

「ぼく、なんとなくウェインライトさんが美しくてかっこいい理由、分かっちゃった気がします。
 
 あなたはきっと、どんなものにでも美しさを見つけて肯定できるから強くて美しいんですね。
 それにとっても優しいです。」

違うかな、というふうにすこしだけ首を傾げた。

ウェインライト > 「僕が美しい。それは世界の真理だからね!」

褒め称えられ、発条仕掛けのように立ち上がる。
己も、心の臓に触れるかのように指先で胸に触れた。

「優しいかは分からないよ。なにせ僕は気ままだ。
次に会う時、君と僕とは敵同士……かもしれないよ」

冗談めかしたように肩をすくめる。
しかし、もしかしたらそれは真実なのかもしれない。

一歩。
二歩。
三歩・

歩んでちはやへ振り返る。

「定命の者はみな、道標を失っている。
だからこそ、君は己の胸に輝く星を見つけたまえ!」

つい、と指を伸ばした先。真昼であっても存在感を残す月をなぞる。
その勢いのままくるりとターン。

「僕はそろそろ行くとするよ。
アデュー、ミスター・神宮寺。飴、おいしかったよ」

一週間、あるいはそれ以上ぶりに摂取した食べ物を味わいながら、
ウェインライトは歩いて行った。

ご案内:「大時計塔」からウェインライトさんが去りました。
神宮司ちはや > ウェインライトと対峙するかもしれない未来……。
確かに彼の魅力のうちにはそう言った危うい何かが秘められているのも感じられる。

だとしても、たぶんその未来が訪れた時に自分が取るのはまた仲良く話せる間柄に戻れるような手段だと思う。

「本当に気ままな人は、ぼくなんかにアドバイスしませんよ。
 だからあなたは優しい人、そうだとぼくは信じます。

 さようなら、ウェインライトさん。
 お粗末さまでした。また会えると嬉しいです。」

優雅なターンを決めて屋上を去っていくウェインライトを見送りながら自分も残りの飴を味わった。
そろそろ次の講義の時間だ。今日出会えた美しい人の残した余韻を味わいながら
そっと階下へ続く階段を降りていった。

ご案内:「大時計塔」から神宮司ちはやさんが去りました。
ご案内:「大時計塔」に風間蒼介さんが現れました。
風間蒼介 > (常世島を見下ろす高い高い時計塔
 そこに彼は居た
 
 否…

 在った)

拙者が…拙者が何をしたというのでござるか…
(半裸に剥かれ、十字架に磔刑に処され
 首からは「私は哀れで愚かな敗北主義者です」とプラカードが風に揺れていた)

風間蒼介 > (先日の女子寮集団覗き事件
 それは模倣犯の増加を考え表ざたにはならなかったが
 あの時ヘマを踏んだバカにはこうした裁きが下されていた
 
 ちょっとした告白のおかげで前科欄に追記はなかったが、与えられた刑罰は過酷なものであった
 曰く「誰かが来て開放してくれれば許すよ。もしくは48時間放置ね」であった)

誰が来るんでござるかこんなところ!
(嘆きが空を震わせた)

風間蒼介 > (夏の暑い盛りである、そんなに放置されれば普通は死んでしまう
 そう…普通は

 尋問の最中「何が出来る?」と問われ、働きに対して減刑処置が下るのかと思って自分の有能さをアピールしたのが不味かった
 死ぬほど辛いが代謝機能を極限まで落として生命に関わるラインからは三つの選択肢が残されていた

 「我慢する」「耐える」「頑張る」

 である
 さてこの豊富に与えられた三つの手札をどう切るか
 どの順番で切るか、この局面ではそれが大事)

風間蒼介 > せめて桃源郷に至っておればこの程度の責め苦…思い出のバックログで耐えられたものを!
見れもせんでホモに第二種接近遭遇を耐え抜いた結果これとか腑に落ちんでござるなあ!

(なお、腑に落ちるような補給物資はすでに尽きている模様)

風間蒼介 > (否、一つだけ、一つだけ腑に落ちているものがあった
 うぐ…と耳障りな音を喉から漏らすと出てくるのは油紙に包まれた小柄程度のサイズの刃物
 両手両脚を縛るのは封魔の門を刻まれた耐魔獣拘束用の鎖であるためこれでは刃が立たない…が、刃物の使い方はそれだけではない
 口にくわえて必死に光を反射させる)

・・・---・・・
(SOS、その意味を込めたモールス信号を繰り返し、繰り返し光信号で発信を続ける)

風間蒼介 > (本来なら覗き一件でここまで苛烈な罰は下されなかっただろう
 しかし彼にはいくつもの経歴があった
 エロ物資を闇流通させる金脈会構成員の疑い
 二代前の性威大将軍が残したパンチラスポットマップ所持の疑い
 帰宅中の女子小学生に挨拶をした疑い
 etc

 忍者隠蔽力でそれらの証拠はつかませなかったが、風紀に風紀を乱すものとして認識されるのに十分な者だった

 ゆえに、この一件を以って過剰な罰を与えられているのだ

 本来ならば不当逮捕だ何だと騒がれる事であったのだろうが内容が内容だ
 とある風紀の上級管理職―コンビクト―によるコメントは「ふーん」であった)

ご案内:「大時計塔」に深雪さんが現れました。
風間蒼介 > あ…小鳥さん…
(常世の鳥は好奇心旺盛である
 自然界には存在しない別種の過酷さで生きる彼らは光の反射程度では惑わされない
 
 何があったのかと忍者に群がり)

ああっ!ダメッ!ダメでござるよ!それは拙者の天守閣にござればー!
(現在音声のみでお送りしています)

深雪 > 貴方が必死にモールス信号を送り,小鳥と死闘を繰り広げている丁度その頃。
少女は,この時計塔を上っていた。
貴方の思いが伝わったわけでは無い,モールスが届いたわけでは無い。
ただ、少女は少しでも高い所へと登りたかった。
この島を見渡せるくらいに、高い所へ。

そしてついに、少女は時計塔で最も高い場所へと…
「・・・・・・・・・・・・?」
…たどり着いた瞬間に、目が合った。

風間蒼介 > これは…天の助けにござるか!?
(人が来た気配に目を輝かせてそちらに首を向ける
 天守閣は守り通され、ばさばさと小鳥が飛び立つ
 
 陽光の中十字架にはりつけられ、小鳥が周囲を飛び交う
 その姿はまさに罪を一身に受ける救世主の姿であった【主観】)

た、助けて欲しいでござるよ…
拙者何もしておらぬのにこのような事に…
(【主観】)

ご案内:「大時計塔」に蒼穹さんが現れました。
深雪 > 嗚呼、神は汝を見捨てはしなかった。
少女を遣わし、受難を終わらせんと・・・・・・

「・・・私が、貴方を?」

・・・・・・あれ、雲行きが怪しい。
美しい銀の髪を靡かす少女は怪訝そうな瞳で貴方を見た。
自力では抜け出せないであろう十字架の拘束を、半裸に剥かれた服装を。
それから・・・・・・意地悪な笑みを浮かべた。

「私に、貴方を助ける理由があると思う?」

風間蒼介 > 拙者あなたの犬にござれば!
(間髪居れず、たとえ十の十乗分の一の反応速度を持つスパコンであっても割り込めぬ速度で
 ニンジャはその尊厳を売り払った
 捨て値で)

蒼穹 > (ワンテンポ出遅れた具合に。
小鳥たちが群がりながら朗らかに彼の天守閣を―――まぁ、それはさておいて。

兎も角、少し遅れた具合に、時計塔の頂上へと歩くもう一つの足音が。)

…な に あ れ 。
へい、ミユキっち。あれはなんだい。

(もはや古い友人がそこにいることなどに驚きも見せられなかった。
深雪と風間が対峙している。
しかし、まるでユダかキリストか何かの様に、それも半裸という如何わしい状況で。
これもしかもお知り合いが磔刑に処されている等信じがたい光景である。

っていうか信じたくないです何してるんですか。と、言いたいのを押し黙った。)

風間蒼介 > いやぁぁぁぁ!見ないで!落ちぶれた拙者を見ないでぇ!
(一度は刃を交え、その力を証明し、破れた尊敬すべき好敵手の出現
 その視線は冷淡であった
 首をブンブンとふるたびに鎖はキシキシと軋み
 しかし微塵も緩まずその無力感を強調するのであった)

深雪 > 素晴らしい反応速度である。賞賛に値する。
少女は笑みを深めて、貴方の顔を覗き込むようにしつつ、
「ふふふ・・・確かに犬は好きよ?
 けれど、貴方は犬と言うより・・・・・・蜘蛛の巣にかかった、哀れな小虫ね?」
そうとだけ言い放てば、すっと、下がってしまった。
そこに現れた蒼穹へと、楽しげな笑みを浮かべたままに、視線を向けて、

「よく分からないけれど、私の犬らしいわ。」
でも助けない。

風間蒼介 > くっ!拙者を嬲り者にするつもりでござるね!?
このクール系ドS!
速く拙者を解放せねば新しい性癖の扉が開いても知らぬでござるYO!?
いいんでござるか!?おぬしの冷たい視線と罵倒を思い出しながらそれはもうごろんごろんと転がってひゃっはぁ!でござるよ!?
(史上ここまで自分を切り売りした後ろ向きな恫喝があっただろうか?
 史書には乗らず、ゆえに歴史の表舞台には出ないためそれは誰にもわからない
 後世の歴史家曰く、焼きリンゴにはシナモンが合うよね、と聞き流しそうなどうでもいい事である)

蒼穹 > …あ、そう。…ああ…そう…。
(たじたじー。としている。然し目は依然彼の方。
なんだろうか、見るなと言われると余計に見たくなってしまうのは。
彼は、風紀委員に叱られたという話は聞いていたがしかし。
「私は哀れで愚かな敗北主義者です」ってなんだそれは。
な ん だ そ れ は 。)


成程ー、ペットが増えたんだー…って違うし!!
え、何それ?!ちょ、まさかまさかだけどこれやっちゃったのミユキですか。
(わたわたと彼と彼女とで視線を行き来させる。
「見ないで」という彼の悲痛な叫びは聞いていなかったかのように。)

見世物…じゃないよね。
(気分は芸術鑑賞会である。なんというか、この場にサディスティックな深雪が居たことを憐れむ。

だが助けない。)

風間蒼介 > ヒュー!なんでござるかねぇ!このシチュ!
拙者今銀髪クール系ドS美少女と尊大系長命超越美少女にめっちゃ冷たい目で見られてござるなあ!

見世物というか晒し者でござるな!
拙者に私怨を持つ風紀が拙者のちょっとした瑕疵を口実にこのような真似を!
許されぬ!許されぬでござるなあ!

あ、蒼穹殿も風紀でござったよね!?
助けてござらんか!?
舐めれば良いでござるか?足指とか
(この間ほぼノーブレス
 必死の命乞いのために尊厳の信用売りの連打
 暴落の暁にはロスカットすら間に合わぬであろう事は明らかである
 しかし、明日より今日、今日より今、それが一番大事)

深雪 > 「あら…こんな私のこと、思い出してくれるの?」
嬉しいわ。なんて、意地悪に笑う少女。
けれどまったく堪えていない様子で、むしろ、磔にされた貴方の反応を楽しんでいる。
のだが、貴方が喚きたてれば、
「でも、少し煩いわね・・・私、無闇に吼える犬は嫌いよ?」
その視線は、SMを楽しんでいる女王様…と言うよりは、純粋に不快感を表しているようにも見える。
危険だ、と、貴方の第六感が告げるだろう。

「私じゃないわ・・・私が来た時にはもう、この有様よ。」
わたわたしている蒼穹に、のんびりと答える少女。
こんな状況でも殆ど慌てていないあたり、この銀の髪を靡かす少女も、相当肝が据わっている。

風間蒼介 > (ぴたり…と動きを止める
 やばい、あの目は「ヤる時はヤる」人間だけが出来る目だ
 たとえるならば今の自分はまな板の上の鯉、ガイルの上空のザンギ
 生殺与奪は今、全て彼女に握られているのだ)

ワン
(人である事すら投げ打った全面降伏であった)

深雪 > 言葉と視線に反応した貴方の態度は,少女を満足気に頷かせた。
「ふふふ・・・物分りの良い子は好きよ。」
優しく微笑んで,磔になったままの貴方に手を伸ばす。
ふわりとその髪をなでてから、か細い指は離れて行った。

でも助ける気配は無い。

蒼穹 > ほうほう。…男が見世物になるという状況は少し目新しい。
そうだったんだ、それはいけないね。
良し分かった。この私が助けて進ぜよう!
…見飽きたら。
(何か、こいつはこいつで楽しんでると思われても仕方がない言い方である。
言い切ったことにはお見事お見事と手を叩く。)

因みに足指舐めるプレイはそちらのミユキっちがお好みだよ。
(さらっと屈託のない笑みのまま一歩後退して彼女の背を押すのである。)

…ふぅん。そっか。災難だね…彼も。
(まぁ、それもそうだろうか。
そして、それを助けず愉悦するのも彼女らしいと言えばそうなのだが。)

―――。
(何故かスマホが誤作動して彼の謎の鳴き声を拾い上げるのだった。)

取り敢えず、事の顛末が聞きたいんだけども。
(彼が如何に風紀を乱したか、というか彼が風紀を乱したという事実さえも未だ知らない。
いつもの様にフラッとやってきたら晒し者になっていたという…
笑いたいが笑えない事が起きていた。笑えばいいのだろうか。
必死に助けを求める彼だが、どうしてかそれが喜劇を見ているような気がする。

しかし助けない。)

風間蒼介 > キューン
(髪の毛を撫でれば幸せそうに目を細め…)

ってやっべ、今調教完了するところでござったよ!?
こっわ…このぎんぱっつぁーこっわっ…


って蒼穹殿ー!拙者と貴方の仲ではござらんか!?
御慈悲を……ってその情報マジにござるか!?
(新しい扉開いちゃいそうな情報に思わず前のめりになり
 カシャンと鎖が鳴る)

いや、ちょっと街中を自主的にパトロールしてござったらね?
ちょっと…こう、女子寮に近づきすぎちゃって……御用だ御用だされちゃったんでござ…
ねぇちょっと今そのスマホどういう動作したんでござるかねぇ!?
(自分のステータスを数値化したら尊厳値がモリモリと低下してそろそろNPC化ライン入ってしまいそうな勢いでござるなぁ!)

深雪 > 「あらあら…。」
もう一歩で調教完了だったようだ。惜しい。
なんて微塵も思っていない様子で、ただ、貴方を楽しそうに眺めている。

蒼穹が何かとんでもない事を言っているようだが…
「…脱ぐなんて面倒臭いし、なんか汚いわ。」
乗り気では無い様子であった。でもまぁ、やれといわれればやりそうだけれども。
どうやら2人は知り合いのようだし,自分の出る幕は無いだろうと判断した。
もしくは、面倒くさいと判断した。
いずれにせよ、銀の髪の少女は数歩、後ろへと下がるのだった。

風間蒼介 > 拙者着衣でも燃える派でござるけど
(風が吹くように、ごく自然に言葉が口からあふれ出す
 ちょっとした極限状態と身動き出来ない状況とスパイス的な興奮がテンションをおかしくしていたのかもしれない)

あ、ちょっと!?拙者見捨てられちゃうんでござるか!?
チケット…チケット発行するでござるよ!?
貴女の言う事聞いちゃう券!一枚限り使い捨て!
(待って…待って!と身動きできぬ身をもどかしげに揺すり、声だけは追いすがるように)

蒼穹 > あっはは、ごめんごめん。
いやぁ、ミユキがいなけりゃ助けるんだけど。彼女の機嫌を損ねちゃうと私も手を付けられなさそうだからー…。
(半調教完了しかかってる彼に悪戯に笑いつつ両手を合わせてぺこっと頭を下げる。)

よっし。
じゃあこうしよう。流石にそのプラカードを下げているとみじめだろうから…。
…ほら、なんて書いてほしい?
(マジックを取りだして、「私は哀れで愚かな敗北主義者です」
というプラカードを指差した。これがせめて己にできる気遣い。)

ほうほう、そういえば護国とか言ってたけど…。
なるほど!女子寮に近づきすぎてしまったんだ!これはいけない!
(仰々しく芝居がかって手を打つ次第。
因みに彼がNPCになる事はきっとない。色々な意味で素晴らしいと思う。
体を張った忍者芸とは多分違うものなのだろうけれど。)

なんか汚いって言ってあげないで?!
これでもれっきとしたニンジャなんだよ!
(その尊厳を踏みにじるという片棒を担いでいるのはほかならぬ己なのだが。
彼女が引き下がると同時、黒色油性ペンを持って彼の方に近寄るのであった。)

風間蒼介 > オーバー蒼穹殿ってどんな戦力比でござるかそれ!?
それ拙者の何倍でござるか!?
(まさかの自分この場でもっとも小物宣言
 まあ人類の尊厳というかピラミッド構造的な意味では最下層間違いなしではあったが…)

えー……それ救いになるんでござるかねえ?
じゃあ蒼穹殿渾身の恋文でも一筆
(しかし忍者ここで守りに入らず攻め上がる
 呂布と関羽のタッグに殴りかかる華雄レベルの蛮行であったが)

いや…ほら、その時は拙者プライベートでござったし…
あの、蒼穹殿?拙者水性がいいかなーって、思うんでござるけど……
あとその汚い発言おもくそ追い討ちかけてるでござるよね?
(ヘイヘーイと呼びかけながら体を思い切り逸らすも、十字架に背中をこすり付けることしか出来なくて)

深雪 > 喚く様子はあまり好みでは無いが,必死な姿は可愛らしい。
そう感じたのか,少し離れたけれど,にっこりと笑った…
「良いのよ,貴方にしてもらいたい事,今は思いつかないもの。
 きっと、私が見捨ててもソラが助けてくれるわ。」
…横目で蒼穹を見て、くすくすと笑う。
蒼穹はと言えば、プラカードの文字を書き直そうとしていた…やっぱり助ける気はないんだ、と、肩を竦めて笑う。

「ニンジャ?………ふーん、ニンジャかぁ。
 でもニンジャって,縄抜けとか、そういうの得意じゃなかったかしら?」
・・・俄然、興味がわいてきた。
近くに寄って、蒼穹の後ろに三角座り。黄金色の瞳が,ニンジャの動向をじっと見つめている。
「貴方がニンジャなら、助けなんて、必要ないわよね?」
この子ったら、とっても、意地悪な笑みを浮かべている。

風間蒼介 > 後払いでも!後払いでも結構でござるからぁ!
(懇願するような声をあげながらも、あ、これダメだ…という手ごたえのなさに絶望の表情が浮かぶ)

いや、これ対魔獣用の封印呪刻まれてござるからなあ……
封印というのが本義である以上は封じるという一点においてはなかなか…
本気出せばたぶん抜けれそうにござるが、これ開放条件が救助されること、なので勝手に脱出したら罪状が…
(深雪が三角座りすればギン!と眼光鋭くにらみ付けるように目を剥く
 スカート!三角座り!もーちょい!もーちょい!はいもーいっかい!もーいっかい!ファイト!ファイトでござる!お前はやれる子にござるよ!
 とスカートの裾に必死のエールを送り)

深雪 > その言葉を信じるのなら,この男は抜け出すことが出来るにもかかわらず,抜け出さずに居るわけだ。
もしかすると、誰かに監視されているのかも知れないが…
「貴方、案外律儀なのね…?」
人生、何がヒットするか分からないもので…黄金色の瞳がやっと,素直に貴方の方を見た。
なりふり構わず逃げ出してしまえばいいのに,どうしてそうしないのだろう。

ちなみに見えてもきっと気にしない人である。蒼穹がガードしなければ,もしかしたら…もしかしたら!

蒼穹 > ああいや、どうだろう。本気で殴り合った事ないからどっちが強いかは分かんないけど。
ソウスケも人間の中ではかなり強い部類だと思うんだ。
それがどうしてこうなったの…蒼穹さん悲しいよ。
(憐れむような視線で彼とプラカードを見遣る。
というか、こんなユニークな処刑法思いついた風紀も風紀。)

―――ッ!!!
わ、わわ…私の渾身の…?!
(何故かここで苦虫を噛み潰したような顔をするのである。
彼の攻めがクリーンヒットしたかのような表情。)
ああー…こほん。
…え、ええー…どーしよーかな、どーしよーかなっっ。
(目が泳ぎ始める。わたわたと落ち着かない様に床板に円を描くようにくるくる歩き回る。
あれ、こんなに私って初初しかったっけとか思いながら…。
そう、彼が晒し者なら己の恋文も晒し者。なんて上手い事考えたんだ…!!)

いやしかしね、私は女子寮住まいじゃないけど、
ソウスケあれだよね?つまり覗きと言うやつを…。
(むむ、と何処か躊躇いがちな言葉を紡ぎながら恐る恐ると彼を見遣る。
そういえば、思い出したが、彼は割とそういう人だ。)
…ってかお久しぶりだねソウスケ。元気?
(何を思ったか今更そんな話を振るのだった。)

ごめんね、水性持ってないんだ。
…じゃ、じゃあ…綺麗なニンジャって言えばよかったのかなぁ…?
ん、ふっ…。
(体を逸らすというその素振りが実に微笑ましく、可笑しい。つい笑いがこぼれるくらいには。)

ああ、そだね…。
ってわけで、彼の脱出劇を見るというのもまた一興かな。
(彼のニンジャから、疚しいオーラが…。
己はそっと、深雪の後ろに隠れて。スカートがもし捲れて彼に見られたら
…この二人、どうなるのだろうかと悪乗り的に邪悪な思考を。)

ほれ。
(案の定。ガードするどころか後押ししやがりましたよ邪神様。
手で仰ぎ、風を送って―――。

―――その先には?!)

風間蒼介 > いや、まあ……拙者一応常世の学生にござるからなあ…
風紀の判断はちょっと人道的にどうなんでござるかこれ?っていうか趣味はいってござるよね?という結果でも受け入れねば
ルールは基本守るためにあるでござるからね
まあバレぬよう破ったり裏をかくのは大好きにござるが
正面突破はちと見苦しい
(などといいながらも視線はちょっと必死なくらいにスカートの隙を探っていた)

いくら戦力あっても鬼ごっこでタッチされて鬼を殴り倒すのはルール違反でござるしなあ…
あ、綺麗に決まったでござるな
(まさかの恋文クリーンヒット
 拙者蒼穹殿のそういう律儀なところ好きでござるよ)

いや、まあ…拙者も男の子にござれば…ほら
桃源郷というものを一度は見てみたく…
あ、うん、割と元気にござるよ?
あれから少し強くなったでござるし…次にやる時はもう少…し…
(などと話していると蒼穹が深雪の後ろに周り…
 ああ、判ってしまった、何をするかわかってしまった
 やはり貴女が神か…)

ゴォォォォォォッドブレスユゥゥゥゥゥゥ!
(ハレルヤ!と祝福の言葉を叫びながら
 指一本動かせぬ身で全力のガッツポーズを気合で表現する)

深雪 > 「そう…ニンジャって皆そうなの? それとも貴方だけ?
 馬鹿正直なのはどうかとおもうけど・・・そういうの嫌いじゃないわよ。」
なんて、ちょっとだけ歩み寄りの姿勢が見られた瞬間であった。

「・・・・・・・・・!」

蒼穹の起こした風にふわりと舞うスカート。
何がとは言わないが、黒であった。申し訳程度ではあるが、手でそれを隠しつつ・・・
「……ねぇ、ソラ。
 この子、このままここから落としたらどうなるかしら?」
なんか怖い事を聞いています。
せっかくちょっとだけ上がった評価が台無しです。

蒼穹 > いや、これどう考えても人道無視でしょこれは。
いやいやいや、何をどれだけ罪を重ねたらこんなひどいことになるんだ…。
…。
(多分、必死過ぎてその視線に込められた疚しい思いは筒抜けだったに違いない。
任せなさいと親指でも立てたのだろう。悪戯っ子の本領である。)

…ソウスケ、キミの…勝ちだよ…。
(ぐぬぬ顔をしながら「私は哀れで愚かな敗北主義者です」という文字に真っ赤な油性ペンで大きくバッテンを。
それからその上に「カザマだん さんじょう!」とでも書こうか。
元ネタが分からなかったり、もしお気に触れたのなら申し訳ないと最終奥義DOGEZAの用意を。)
わ、私の恋文は…ヒミツだから、うん。
こう…やめよう!
(凄い小さい声で後付的に言い訳するのである。)

確かに、男の子にとっちゃ桃源郷なんだろうね。
あっはは、そんな状況でも泣き声を言わず、元気って言えるあたり、ソウスケらしいっていうか。
(知らん顔で風を起こします。口笛を吹いて夕焼けなり夜空なりでも見ています。)

ミユキよ。
―――やめたげよう!!
いくらニンジャでもこの高さから落ちたら生者必滅の理に従ってナムサンだよ!!
(何と、ベクトルはあろうことか風間の方に向かってしまった。
これ以上彼を惨めな目に合わせるのは気が引ける。
その両肩を、舞う銀の髪ごと抑えようと必死になるのだった。

この子はやりかねない。

因みにやっぱり直接的には助けない。)

風間蒼介 > さあ?拙者同郷以外の忍者知らんでござるし
そもそもうちら源流辿れば武将お抱えではなく国家所属の護国組織にござるからなあ
少なくとも無法に振舞うことは…

 ノワール
  黒 !
(神風が吹き抜け垣間見えた真理の扉の向こう側
 白い肌に黒がはえてアダルティな魅力が脳天直撃にござるよコレ!)

うむ、蒼穹殿、我らの勝ちにござるなあ!
拙者この思い出を胸に強く生きられそうな気がするでござるよ!
(いえっふー!といい笑顔を、満面の笑みを蒼穹に送る
 我が人生…とまでは行かなくても一夏の思い出に一片の悔いナッシン!)
あ、その辺のリアクションは蒼穹殿乙女でござるね…
(ちょっとキュンキュン来た)


拙者でござらぬしー!拙者自主的に視線逸らさんかっただけで無防備なのはお主であって実行犯は蒼穹殿にござるしー!
アイムノットギルティ!
(それに突き落とすには開放する必要がある
 やれるものならやってみろといわんばかりにハッハァ!と笑い
 蒼穹の必死のとりなしを横目に煽りにいくスタイルであった)

蒼穹 > 白と黒のきょーかい…。
(確かに深雪は可愛い方だと思うのだが、それを見れたからといってそこまで高揚するだろうか。
同性の己としては単に悪戯心に感けてちょっと風間の反応を見てみたかっただけなのだが…。

それはもう、驚いた。
何って、十字架に縛られてる人間が物凄い良い笑顔であるから。
あれ、ひょっとして何か起爆させちゃった?…と、それでも半笑いは返す。)

おめでとう。
ならその思いを秘めて明日へと飛び立って行けるね!
(いや、飛び立つ以前にジャンプさえできないような状況だけれど。
何かもうこのまま放っておいてもよさそうな気がしてきた。)
…私は常に乙女ですから。
(自称十六歳が何を言うか。)

ぐっ…。
あ、あいむ…ぎるてぃ。
ゆあ、いのせんと…っ。
(認めざるを、得なかった。
何だか今度は深雪に加担したくなる気分である。
ぐぬぬ顔で片手で拳を作りながら、言葉さえも震えると言った具合で。)

深雪 > 貴方はこの少女を煽ってしまった。貴方はやってはいけないことをしてしまった。
貴方の言葉を聞けば、この少女の黄金色の瞳は…まるで獲物を見つけた狼のように、細められた。
静かに立ち上がる・・・その反動でまた何かが見えたような気がするけれど、もう気にしてすらいない。
「……そう、でもソラは私の友達よ。
 それに貴方を守ろうとしてくれていたわ・・・そんな私の友達に罪を擦り付けるなんて・・・ねぇ、酷いと思わない?」
先ほどまでの意地悪な笑みとも、楽しそうな笑みとも違う。
その笑みは貴方の心に,恐怖を呼び起こすだろう。
静かに歩んで、貴方が手を伸ばすことができれば…触れられるくらいの距離まで、近付いた。
「落ちるのがお好み?それとも、十字架らしく焼かれるのがお好み?」
手のひらが伸ばされ、囚われたままの貴方の頬を撫ぜる。
黄金色の瞳は、それこそ、まるで小虫を見ているかのように、感情さえ篭らずに貴方を見ている。

蒼穹には、少女が“怒っている”わけではないのが分かるだろう。
もし怒っていれば,今頃もう全ては終わっている。
けれど、ヤバイ。態度次第では危ない。旧友はきっと、そう、感じるだろう。

風間蒼介 > 判っておらぬでござるなあ蒼穹殿は
男にとってはその秘されているという事実こそが肝要
というかさっきまでクールなドSだった銀髪美少女が一転して羞恥と怒りの表情を浮かべるとかどんな逆転劇にござるか!

あ、それを考えるならば暴威を振るうに足る存在ながら恋文一つで女の子の顔になっちゃう蒼穹殿も大変キュートにござるなあ!
(わはは、と笑いながら自分の死刑執行書類にサインをしまくる忍者
 もはや悔い無し
 我が世の春が来た
 絶好調である)

……
(ざわり、と肌が粟立つ
 これは怒りでも憎悪でもない
 ただ荒ぶる感情が絶対零度に冷却されているだけの、ただそれだけのもの
 それだけにそこに付け入る隙はなく、頬を撫でる手のひらはこの身を哀れむように、しかし無慈悲だった)

結構なお手前でござった
思い出になったでござるよ
(しかし忍者、ここで人生画面端から前に出ることを選択)

蒼穹 > ……わぉ。
(あ、やべ。スイッチ入ったこの子。
狼の様な、獣を狩る独特の威圧感。
或いは、静かながら豪胆さを感じさせる動き。
見ているだけで、静かに歩くだけで地面を揺らすかのようにさえ感じさせる自信に満ちた歩きぶりに加えて。
―――彼女の本質的な、何処か見下した目付き。
風間に全力で「ごめんなさい」と両手を合わせた後、謎めいた身振り手振り《ジェスチャァ》を送る。
その意図は「早く謝って!!」だが、多分伝わらない。
しかし、それしか己には出来ない。

こんなになっても助けない。)


(「ほう…そうだったのかー…。
い、いやぁ…取り敢えずさあ…。男語りをするのも良いけど…。
前を向こう!ぎゃっぷ萌えってやつでしょ!知ってる!!
ソウスケ!前!!前!!頼むから!!
時計塔で転落死亡者出たとかなったら洒落になんないから!!」
口パクとジェスチャァで伝える。多分伝わらない。

己さえも、この雰囲気には身の毛がよだちそうである。

でも助けない。)

…あっ。
(遂にこの男言ってしまった…。間に合わなかった…のだろうか。)

風間蒼介 > 蒼穹殿…
男なら、やってやれ、でござるよ?
(その笑顔は、まばゆいほどに純粋であった
 そう、ただそれだけの事
 彼女の心配も畏れも持って行く
     メシア
 それが、救世主の最期なのだから)

蒼穹 > …ソウスケ…っ!!
(なんて安心感。純真無垢なる笑顔、時計塔の頂上で、太陽の如く照り輝いた最高の笑顔が己を明らめる。
やれる。きっと彼なら―――!

何か違う気もするが、己は彼の運命を、しっかりと見届けようと。

どんなに残酷でも、きっと彼は希望を失わないだろうと、そんな確信を持って。)

ぐっど、らっく…。
(右手の親指を、立てた。)

深雪 > この少女の行動は、貴方の言葉次第であっただろう。
しかし貴方は、謝ることも弁解する事もなく、真っ直ぐな言葉を向けた。
少女は僅かに目を細める・・・

「そう・・・」

・・・頬を撫ぜた手はそのまま首筋、肩へと…貴方の体をなぞるように、ゆっくり動いていく。
それはまるで,触れただけで壊れてしまうような,脆く儚い命を愛おしむかのように。
そして、哀れむかのように。
腕の先端へと,ゆっくり手を滑らせながら,少女は一歩近付いた。
吐息さえも感じられそうな距離で、少女はにこりと、笑う。

今まで見えなかった八重歯が,見えた。

「貴方は馬鹿。でも、正直で可愛い子……私が、助けてあげるわね。」
貴方の腕を撫ぜるか細い指が,貴方を縛り付けている鎖を掴んだ。
次の瞬間、その細い指はまるでそこに何も在りはしないかのように、閉じられていく。
鋼鉄の鎖を、まるでスポンジでも握りつぶすように,圧縮し、そして、

バキン

そのまま、手のひらを閉じる動作だけで捻じ切ってしまった。
一本の鎖で拘束された貴方の身体は、すぐに自由になるだろう。

風間蒼介 > ……おや?
(バキンと音がした瞬間、てっきり自分の骨が何本か逝ったのかと思ったが…
 一瞬遅れて18時間ぶりの開放感とともにとさりと地面に落ちる)

む…むむ、拙者てっきりこのまま関節の数が倍に増えるものと思ってござったが……
貴女の慈悲に感謝を
拙者風間蒼介と申して……見ての通りのパーツがもはやスカーフしか残ってござらんが、忍者でござるよ
(無礼千万というか無礼おっくせんまんま所業を貫いた上に助けられたとあっては流石に頭が上がらない
 片膝を突いて拳を地面に付いた礼を取って名乗りを上げる
 半裸で)

蒼穹 > お、おおー…。
(鋼鉄がへしゃげ、捻じ切れた。特に力を入れた素振りもないのに。
大分力を封じられたが、今では十二分すぎる力に見える。

馬鹿だ何だと言いながら助けてあげるとは割と優しくなったものと思うが。)

おめでとう。
(彼は、落とされることもなく、焼かれることもなく、殴られることもなく…。)

って、それは良いから服を着ようか。
いい加減夏でも寒いだろうし、そろそろそれを見るのもアレな気がするからね。
(走れなにがしとかいう話があったが、あれは走るのに夢中になるあまり最後に裸になっていたことに気付かなかったのだとか。
彼は気づいているようだが、如何せんこのまま放っておくのはよろしくない気がする。
といっても男性向けの服など持ってないけれど。)

な、何かごめんね?
(話をややこしくしてしまったことやら、諸々の悪戯を仕掛けたことには謝っておこう。
それにしても、結局彼は覗きをしたのだろうか。
何故かスマホには「ワン」という怪奇なボイスが残っていたことに気付くのはこの数週間後の話。)

深雪 > 見上げれば、少女は変わらぬ笑みを湛えたまま,貴方を見下ろしているだろう。
そしてその手には、異様な形に拉げたままの鎖を握っている。

貴方は蒼穹の知り合いで,蒼穹と親しく話をしていた。
だからこそ,最初から殺すつもりなどなかったし,助けるつもりでいた。
けれど・・・・・・

「……で、助けてあげたけれど…舐める?」

・・・・・・スイッチ入っちゃった少女は座り込んだ貴方の顔の目の前に,黒いストッキングに包まれたつま先を、突きつけるのであった。

蒼穹さんこれそろそろ止めてあげてください。

風間蒼介 > おお、コレは失礼を
長時間この格好で居たせいですっかり馴染みかけて居たでござるよ
(と、何もない空間に手をやってひっこ抜くとばさぁ!と布が飛び出してきて
 それを体に巻きつけるようにするといつの間にか忍者装束になっている

 なお、これは忍者収納術の真髄である)

いやいや、なかなか悪い時間にはござらんかったよ
なんだかんだで助かったでござるし
蒼穹殿は今のままで何一つ謝罪することなどござらん
(ハハハと爽やかに笑いながらも脳裏にはノワールとブランシュの協奏曲が奏でられていた
 ほんと謝ることではなくむしろ感謝すべきことである
 ほんとマジで)

これ一応許可出たら駆け引きとか抜きにガチでやるでござるけど
退くならここが最後の退き口にござるよ?
(そっと足裏に手の平を添え、土踏まずの曲線からゆっくりと足の甲に指を絡め顔を近づける
 そこにブラフのような虚飾は一切なかった
 こいつぁガチだぜ)

蒼穹 > ―――。
(所謂「おたのしみ」の様だ。
邪魔してはいけないのだろう。愉悦に満ちたサディスティックで不敵な笑み。)

…?!
(一瞬で装束を?!この男、侮れない。
空間魔術でも使ったのか、恐るべきスピードで着替えた。)

そう、なら良かった。
…なら良かった?…あれ?
(何となく腑に落ちないが、彼の脳内の音楽団が楽しく動いていることなど己には無論わからない。
ただ少し、違和感が。ある気がする。)

―――。
(取り敢えず、見守ろう。
もしガチでやりはじめたら止めよう。
いや、もうすでにチェックがかかってるけど。
あと一歩踏み出せばチェックメイトしそうないきおいだけれど。

己は、少しドキドキした心持ちで顛末を見守るのだった。…舐めるのだろうか、本当に。)

深雪 > こんな屈辱的な扱いにも,男が不快な表情や,屈辱の色を見せることはなかった。
プライドの高い相手を打ち倒し,踏み躙り,家族や命を握った上で同じことをすれば…相手はきっと,この世で一番可愛らしい表情を見せてくれるだろう。
屈辱と絶望と,そして恐怖。従順な犬は可愛らしいが・・・・・・少女は言葉を漏らす。

「……面白く無いわね。」

言葉と共に、すっとつま先を引っ込めてしまうだろう…貴方の頬を,そのつま先で軽く撫でながら。
貴方にとっては,肩透かしを食らったような形になるだろうが…少女はもう,冷めてしまったようだ。
ローファーに足を通して,何事もなかったかのように鎖を投げ捨てた。

「…もう良いわ。許してあげる。」
そして蒼介に向けて、そうとだけ告げた。

風間蒼介 > (ちらり、と蒼穹に視線をやり、にやりと笑って見せる
 まあ口元はスカーフで見えないのだが、雰囲気で伝わるだろう
 その目は曇りなく、やる気であった

 言っておくならば風間蒼介に積極的にそのような事を行う趣味はない
 だが別段忌避する感情も持っていない
 そして彼は忍者である
 格上に対し隙を探り、弱みを見つけ、そこを抜くことを信条とする特殊系の戦闘法を用い、思考もそちら側に振られている

 ならば、クール系ドS銀髪美少女がパンツを見られただけで羞恥したという事実
 ここは退いて相手に優越感を与え逃げるターンではない
 こちらが…攻めるターンだ)


……えー
(それはおやつ抜きよと言われた子供のような軽い「えー」であった)

ふむ、つまり今のは引き分けにござるな
(立ち上がるとカラカラと笑って勝手に結論付ける)

して、貴女の名は?
まあ蒼穹殿がミユキ殿と読んでるのは聞いてござるが
出来れば名乗りを受けたいところでござるな
あとなんか水分系摂取できるもの持ってござらんかな?
(彼女の期待した屈辱もなにも持った様子もなくあっけらかんと言い
 あろうことかずうずうしくたかりに来る始末である)

蒼穹 > …ふ。
(成程。「いやだ」とでも言わせて、抵抗を踏み躙ってやりたかったのだろうなと完結させておく。
変わらないなぁ、と溢すのも一つだが、本当に変わらない性質だ。
何となく、それに共感するのだが、少なからず仲が良い者には、中々そのような感情を向けがたい。
興醒めしたような彼女の様相は、少し可愛らしく見えた。
それに至る過程を隠せば、可愛らしい少女そのもの。スイッチは無事オフになった様だ。)

…?
(彼も彼でやる気だったみたいで。
そういえば、足を舐めるという事はそのアングルを考えれば…いやいや、私は何をと彼のにやけに照らされ首をぶんぶんと振る。
あと一歩のところで本当にやりかねないところだったが、一段落。)


何なら、飲み物買って来ようか?ぱっと行ってぱっと帰ってくるけど。
ミユキも何か要る?
(ひょいと挙手。こういう時、転移魔法使いは便利である。
その間に互いに自己紹介してもらえればという意図も込めて。)

深雪 > 貴方の作戦はある意味で成功したのだろう。
この少女が期待していたような“優越感”を与えることもなく,貴方は解放されたのだから。
「・・・あら、そんなに舐めたかったの?」
先ほどまでの雰囲気はどこへやら、くすりと笑う少女がそこに居た。
・・・そして、もうこの場所に用は無い。

名を尋ねられれば、視線だけを貴方へ向けて,
「私は深雪、ソラの友達よ・・・・・・ニンジャさん。
 あ、私はもう帰るから大丈夫…私の分もこの子に掛けてあげて。」
さらっとそんな事を言って、少女は2人に背を向けた。

まるで粘度細工のように潰れ、拉げてしまった鎖だけが,その場に残された。

風間蒼介 > あ、いいんでござるか?では拙者は…なんかスポーツ飲料系でお願いしたいでござるね
さすがに体内の水分量が危険域にござる
(真夏の屋外に1日近く晒されていてはこうもなろう
 今、猛烈に喉が渇いていた)

積極的に舐めたい趣味はござらんが、忌避感もござらんなあ
その場合は美少女の肌に触れたという事実を一点抜き出して叙述トリック的に喜ぶもやぶさかではござらん
うむ、それではまたでござるよ、深雪殿
(聞き様によっては…いや、どういう聞き方をしても変態的な発言を微笑みすら浮かべて見送るのだった)

ご案内:「大時計塔」から深雪さんが去りました。
蒼穹 > バイバイ、ミユキ。また会おうね!

…あ、ちょ、メアド…!
(悠長に手を振っていたが、何とそこだけはまた忘れた。
彼女とゲームセンターに行くのはいつの日になるだろうか。)

はいな、スポーツ飲料ね。
…で、ミユキにかけてあげてと言われたけれども、
どうすりゃいいかなぁ。
(小さく腕を組みながら、方向性のおかしい質問を困り顔でするのだった。
彼の苦労はいざ知らず。)

風間蒼介 > うむ、ありがたく…
別に蒼穹殿が貰っておいて冷蔵庫にでも保存すればいいのではござらんかなあ…
(スポドリのキャップをあければほとんど垂直にして飲み干す
 喉からからを通り越して内臓カラカラレベルであった)

しっかし、蒼穹殿の知り合いもなかなか、濃いでござるなあ…
(なんて、ため息混じりに笑みを浮かべ)

蒼穹 > わ、割と普通の答えだね。
んじゃまぁ、そうしとこっか。
…私も飲もっと。
(ひと段落ついたようで、ふぅとわざとらしく息を漏らせば、
某葡萄味の炭酸飲料に口を付ける。

時に、内蔵からからって、干からびてしまうレベルなのではと思うのだけれど…大丈夫なのだろうか。)

そうだねぇ…。
多分ドSっていうのが一番インパクト強いだろうね。
私も、ああいう濃いインパクトの子は覚えやすいし…私の話には耳も傾けてくれるし、良い友達だよ?
(人を見下したり、容赦なく威圧感を持ったり、当たり前のように踏みつけたりするのだが。
それでも、笑ってくれるなら…良かったと言って良いのだろうか。)
大変だったね…。
(少し同情の色をにじませながら労おう。もっとも、事の発端を知れば掌を返しそうだけれども。)

風間蒼介 > いや…ここで変化球ってなかなか難しゅうござらんかな…
一応拙者、状況によっては意図的に無視してるだけであって常識持ってるでござるからね?
(ね?と念を押しながらじっと見る
 先ほどの言動を振り返れば我ながらうんと言いがたいでござるなこれ…)

まあ、その辺はなんと無しに判るでござるよ
相手の反応引き出して喜ぶ節はあるでござるが、悪性の人間ではござらんというのは
その辺は蒼穹殿にもちと似てござるな
(時計塔のふちに座って足をプラプラとさせながら笑う
 まあ大変だったが死ぬほどではなく、笑って済ませられるような事件だった
 自分ところの里基準であって世間一般ではルナティックな罰だった気もするが)

蒼穹 > お、おう…。そう。
護国安泰、だったっけ。…常識がないとできないよね…うんうん。
(半ば答えに詰まりながらも、その目に耐え兼ねたか、それとも真にそう思ったのか。
頷く仕草を見せた。)

あっはは、分かっちゃうんだ。
あれでも昔は手の付けようがないほどだったんだけどなー。
そこも私に似てるっちゃ似てるかもね。
…取り敢えず、無事で何より。
(もう一口、「んっくんっく」とでも飲む音を立てれば、ふぅーと、飲み干した勢いに合わせてまた一息。
これで笑っていられるのは忍者ゆえなのだろう。
そこ、危ないよ、なんて言う必要もきっとないだろうか。)

んで、改めて久しぶりだけどさ。どんくらい振りだろうね。
どう?何か変わったことあった?
(相変わらず、女子寮を覗いたりと悪い方に勇気が向くようだけれど。
暫くあってないのも確か。世間話と共に、近況でもと、己も時計塔の縁にちょこんと腰かけた。

良い眺めであることは、今更付け足すこともない。
高みの絶景に、身を震わせることもなく。)

風間蒼介 > 拙者仕事とプライベートは別けるタイプでござるからね
(言葉を詰まらせる蒼穹の態度に気付いているのかいないのか
 ハハハと笑い飛ばす、笑っていい問題ではないかもしれないが)

なんというか…楽しんでいる感じがしたでござるからねえ
悪性の人間ならばもう少し粘ついた楽しさになってござるし
それに拙者の体一つならば読み違えようが拙者で問題は完結してござるしね
(実際あのまま洒落にならない方向性の害意を向けられたなら鎖に対してではなく十字架に対して攻撃を仕掛けて脱出するつもりだった
 これでもその辺の見極めは出来る方だと自分では思っている)

そうでござるな…ちとタチの悪い悪神…ニャルラトホテプの化身相手に喧嘩吹っかけて
タイマンでいい感じのをかますところまでは持っていけたんで、後は仲間のサポートに徹して殴り飛ばすとこまで持ってけたでござるね
(当時は死ぬ気だったが、過ぎ去ってしまえばそれはそれで思い出の一つである
 いや大変でござった、など気楽に言い、笑みを浮かべて)

蒼穹 > 前も言ってたね。
仕事の時は色仕掛けも通用しないだろうけど、それ以外で…お、おっぱ…ううー…まぁそれ。
出されたら飛びつくって。
(言いながら俯き加減のじとっとした横目を向ける。といっても、ニンジャジョークとでも言うやつだろう。
分かってはいるが、それを認めてはいけない気がする。)

そうそう。あの子は楽しんでるのさ、ああいう事をね。
…そういう所、割とかっこいいよね。うん。
あんまり無茶しちゃダメだぞーって、最近結構言ってる気がするなぁ。
(何となくしみじみとしたものの言い方。
この頃誰も彼も、周りの知り合いが無茶なことにばかり首を突っ込んでいる気がする。
風間が深雪とどんぱちしなかったのは、両者の友人としても良かった良かったと思う次第。)

ニャルラトホテプ?
んー…。なんだろう。ナイアルラトホテップっていう名前の方が馴染は深いかな。
って言っても多分私の知ってるヤツじゃないだろうけど。
それにしても、悪神なんざに喧嘩売っちゃうとは流石だね。
それで、生きて帰って来れたんだから大したもんだよ。
(その壮絶だったろう戦いを、己は知らない。
悪神といえば強大な敵なのだろうけれど、その気楽さからは、大したこともなかったようにさえ思える。
それが、本気の命のやりとりであったかさえも分からない。)

悪神つったら私もじゃん…って、私は邪神か。
(今更である。)

風間蒼介 > まあ忍者である前に男の子にござるからなあ拙者
こう、スイッチパチンと入れなければそんなもんでござるよ
(あ、長生き系なのにそういう免疫はないんでござるなあ…と
 こっそり和んでしまっているのは内緒である)

自分を貫かんと出来ん類の楽しみ方にござるからなあ
見るからに誇り高い系なのにめっちゃ煽りに行った拙者も思えば無茶したもんでござるなあ
(ははは、と笑う。まあ自分の体クッションになるとはいえ巻き添えダメージが鎖に行けばイザという時に壊しやすくなるかもという思惑もあるにはあったが)

あの辺、人間の口では上手い事発言出来んというか、認識する事すら難しいでござるからなあ…
まあ大体そんな感じでござるよ
しばらく両腕まともに動かせんでござったが、なんとかいい感じにハッピーエンドにバチコンかまして終わったでござるね
(あくまでも気負わず軽く
 それは過去の戦いを軽く見ているのではなく、終わった事であるという認識と、大変さを誇る物でもないという感覚からで)

蒼穹殿は悪神や邪神というより、破壊神という印象が強いでござるけどねえ
まあ、喧嘩売るつもりはござらんよ?仲良く殴りあう程度はいずれまたしたいでござるけどね

さてと、拙者はそろそろ帰るでござるよ
十分な水分取ったら腹も減って来たでござるし
(と立ち上がり)

蒼穹 > それも前言ってたね。…曲がらないね、良くも悪くも。
…あ、あれだからね。
一応私初初しいけどあれだよ、忘れちゃっただけだからそういうのは!!
(結構言及される事なので、言わずとも、内緒であろうともついつい気付く。)

いいよね、ああいう生き方も楽しいんだろうけどさ。
いざ、失ってしまったら味方もいないし…苦労しそうだよ。

見ててヒヤヒヤしたね…、よく生きてたもんだよ。
あの子スイッチ入ったら恐ろしいから。ま、本気で怒ってたわけじゃないみたいだけど。
(そんな思惑には気付くこともなく、本当に無茶したねと同意するばかりだった。)

そう…。
こうやって新しくハッピーエンドが増えるって良い事なのかもしれないよね。
―――ハッピーエンドを手にしたのが御友達で良かった。
(それだけは言える。幸せに終わったのなら、過程がどうあれ今を楽しめば良いと思うし。)

あっはは、破壊神っていうのは悪神でも邪神でもないのかな。
うん、仲良く殴り合いって良いよね

そう、んじゃ、私もそろそろ降りようかな。
兎にも角にもお疲れ様。また会ったらよろしく。
(座ったまま彼を見上げて、気も早く手を振るだろう。)

風間蒼介 > 強い力でもかかれば曲がるかも知れんでござるが、今のところそんな事はないでござるな
ふっ…どうせなら日常面では曲がってみたいもんでござるが…
(と、軽く遠い面あって)

はー、そうでござるか、ながいきするのはたいへんにござるねぇ
きっとむかしはそれはもうけいけんほうふだったんでござろうね
(とてもかんしんしました)

まあ、そうなっても道を外さん限りは友としてやってくつもりでござろう?蒼穹殿は

ハハハ、まあ…ぶっちゃけバキン言った瞬間はどっか骨いかれたかと思ったでござるね!
(そうしてピンポイントにいった場合は自分に破壊力が集中するわけで完全に負けである
 いやぁ良かった良かった)

うむ、悲劇とは架空であるからこそ楽しめるもの
現実はなるべくハッピーエンドを通って欲しいでござるな

破壊という一点に置いては善悪も聖邪もないんではないでござるかねえ
火は何もかも焼き尽くし破壊するでござるが、それでも無ければ人は獣に負けて滅んでいたかも知れんでござる
少なくとも蒼穹殿が蒼穹殿の意思で撒くそれは邪悪とは違うものと拙者思ってござる

それでは、これにて御免
(とう、と宙に体を躍らせると電磁レールを走らせ、その上を滑走しながら去っていく)

ご案内:「大時計塔」から風間蒼介さんが去りました。
蒼穹 > どっちの方向に曲がりたいんだろうかそれは…。
(いろんな方向に曲がりそうな気がする。)

…む、むぅ…。
わ、わたしは…わた…。
(…まけました。)

あっはは、そうだろうね。
なんでかな…あの子見てたら、大分私も変わっちゃったって思う。
あの子が道を外しても、きっと私はあの子の味方だろうな…なんて。

折れて無くって本当良かったね…。
そうはいってもさ、折れても治っちゃうのがこの世界だけど。

この世にはハッピーエンドの数だけバッドエンドがあるんだってさ。
あるところで幸せなら、もう片方では同じくらい不幸せ…って、捻くれてるかな。

爆弾もそうだよね。
元々はトンネル開通の為に使われるはずだったけど、その殺傷能力から戦争に使われるようになったんだとか。
色々とたとえ話はあるんだけど。

そう?…そういってくれたら、…嬉しいけど。やっぱり私、変わっちゃったなぁ。

じゃ、またねーっ。
(手を振って見送った。)
…最後の最後までニンジャ。
(この巨大な塔を、あろうことかレールで滑り降りていくと言う芸当は、
人間離れして見えた。ニンジャとは、そういうものなのだろうか。)

ご案内:「大時計塔」から蒼穹さんが去りました。