2015/08/01 のログ
■ギルゲイオス > ほほう
(口元に緩くと笑みを描く)
ま、獣であった頃は、そうであろうな。
言った通り、そういうモノであろうし。
うむ、我々と違い、人間の命は短い。
平均すれば、100にも満たぬであろうな。
だがその短い一生であるにも関わらず、いや短いが故にか。
数多くの人間が知識や技術、文化を積み重ね、今の様な世界を築きあげた。
これは、驚嘆に値するのである。
(空を仰げば、大仰に両腕を広げる)
とあれば、その語り口。
人間を好むと同時に、人間になりたい様にも、聞こえるの。
(左右色の違う瞳を、朱い瞳が眺める)
■枢木 柩 > 「…そりゃあ。まぁ。」
――何が言いたい?と赤い瞳を見つめ返す。
■ギルゲイオス > あぁいや、悪気があって聞いた訳ではないのだ。
(僅かに肩を竦める仕草)
根本的に我らは、人間とは別の存在であるからな。
ムズカシイ話でもあるが。
(再びと指をくるくると回す)
しかしながら、人間にも異能や魔術等が広まりつつある。
かつては、無かったそうだしの。
そう言う意味では、我々と人間の境界が徐々に縮まっているともいえるの。
少々の寿命や力の違いは些細な事であるし、ならば何が重要かと言えば意思であろうな。
柩が望み続けるのであれ、何れは人と変わらぬようになるのであろうよ。
もっとも、楽しげに語る姿は、人とそう違うようには、思えぬがな。
(笑みを小さく零す。
見た目桃色の狐の姿に対して)
■枢木 柩 > 「なんだ、完全な人間にしてくれるのかと期待したじゃないか。」
対価を取られやしないかと思ったよ。と続けて
「それ、友人にも言われるよ。柩さんは人間より人間っぽい
ってな。」
嬉しくもフクザツな心境ではあるけれど。
「うん、私みたいな人間も居るらしいしな、半獣。
…っと。そろそろ遅いし、明日に響きそうだから帰ろうと思う。」
居住まいを正し、尻尾を揺らす。
■ギルゲイオス > 流石の魔王でもそれは無理であるな。
どちらかと言えば悪魔に頼む内容ではあるが――それで人間になれるかと言えば、微妙だの。
(顔を横に振ってから、小さくと喉を鳴らし)
おや、そうであるな。
ならばそう遠くない日に、願いはかなうかも知れんの。
(傍らの剣を左手に握ると、ゆっくりと立ち上がり)
では帰るとするかの。
我はここから飛んで寮まで行くが、其方は歩きであるかの?
何であったら、送っていっても良いのだが。
(一歩と縁へ近づいてから、視線をちょいと向ける。
中々高い位置にあるし、あの姿だと時間もかかりそうに思えるが)
■枢木 柩 > 「叶うといいんだけど…っと、ありがたい、じゃあ女子寮まで送ってもらおうかな。」
■ギルゲイオス > 何、願いつづければ叶うモノであるよ。
都合の良い事に、我らは長生きであるからな。
(ちょいと肩を揺らす)
んむ、では此方に来るがよい。
おっと、少々触れる事になるが、許していただきたいのである。
(先のやり取りを思い出して、小さくと笑い。
身を僅かに屈めると、両手を差し出す)
それとも、背中の方がよいかの?
■枢木 柩 > 「安定する方で構わないよ、どうせ狐だからな。」
とはいえ体躯は1mほどの狐のため、両腕に収まりきる、といったことはなさそうだ
■ギルゲイオス > ふぅむ……背中は、やや難儀かもしれぬな。
(狐の手足で、しっかり抱きつけるかと言えば微妙である
腕をうしろにまわして支えるにも、やや厳しい)
となれば、両腕で此方からが、一番良いかの。
では、失礼ずるぞ。
(身を屈めて近寄ると、差し出した両腕で抱き寄せる形としようか)
■枢木 柩 > 「うむ…。」
おとなしく抱えられるだろう
「おお、意外と安定するじゃないか!」
驚く様子。
■ギルゲイオス > ふむ、ふむ……これは中々心地が良いのであるな。
(抱き上げてみれば絶妙なモフモフ感)
我も魔族であるが故、腕力は人並みより高いのでな。
これならば、落ちる事もなかろう。
(1メートル程となればソレなりに大きいだろうが、しっかりと抱きかかえれば問題はなさそうだ)
それでは、行くのである。
(魔王の剣を媒介に、魔術発動の手順を簡略化。
重量の軽減と、風による推進力の確保。
同時に発動させれば、ゆるやかな風が周囲に起こり。
軽くと床を蹴り出すと、そのまま浮遊状態に入る)
速度はそれほど出さぬが、気を付けてな。
(一目確認をしてから、進めば時計塔の縁を超え。
夜の街並み、その上を飛んでいく。
まずは女子寮の方角へ、次いで男子寮へと帰るとしよう)
■枢木 柩 > 「手入れしてるからな。ふふん」
――女子寮へ向かう。
――ああ、空もいいなぁ!
ご案内:「大時計塔」から枢木 柩さんが去りました。
ご案内:「大時計塔」からギルゲイオスさんが去りました。
ご案内:「大時計塔」に叶 明道さんが現れました。
■叶 明道 > 大時計塔に据え付けられたエレベーター。それが開いて、中から一人の少年が現れた。
左腕にはロフストランドクラッチ。
それを突くたび、不規則に金属音が鳴って響く。
右足は重く引き摺るように、かろうじて足の機能を残しているように一瞬だけ身体を支える。
気だるげに沈んだ瞼のままエレベーターから屋上に踏み出すと、ゆっくりと空を見上げた。
■叶 明道 > 青く、どこまでも広がる空。
この場所は学園地区で最も空に近い場所。
だからこそか、煙草の煙もそれなりに美味く感じる、気がする。
大きく息を吐きだして、少しだけ眉間に力を入れて。
ゆっくりとベンチへと向かっていく。
身を投げ出すように腰掛けると、そのまま側にクラッチを立てかけて、安煙草を取り出した。
以前、保健室で教師に注意されたが、煙草を辞める気など更々無い。
■叶 明道 > 煙草を咥え火を灯すと、そのままクラッチを抱き寄せるようにして軽く体重を加える。
気だるげな猫背のまま、ぼんやりと空を眺めていた。
普段は不良を気取る明道だが、雲が流れていく様を見つめているときだけは無心になることが出来る気がした。
結局、あの雲のように流れていくしかない。それは実に気楽な道だ。
時間なんて勝手に流れていく。煙草を吸って、空を眺めて、夜は酒を飲んで。
あとは適当にバイトでもして遊ぶだけの金でもあれば万々歳。
ひとまず学園生活なら、その程度で事足りる。
金に困れば誰かのところに転がり込めばいいだけだ。
携帯端末の音が鳴って、それが煩わしくて電源を切る。
「ここでも電波入るのか?」
生徒立入禁止、というわりには随分といたれりつくせりだ。
ご案内:「大時計塔」にシインさんが現れました。
■シイン > 明道が来る前からか、既に大時計に居た様子の軍人教師。
いつもの様に黒い軍服とハイヒールを履いた教師がそこに居た。
落ちないように備え付けられている柵に寄り掛かりながら考え事をしているような。
微風が長髪を靡かせながら、空を仰ぎ眺めている。
来ているとは気付かないぐらいに、周囲の音をまるで断っているように。
ご案内:「大時計塔」から叶 明道さんが去りました。
ご案内:「大時計塔」に叶 明道さんが現れました。
■叶 明道 > 煙草の灰を落とすために顔を下げたところで、ようやくその姿に気づいた。
先日も出会ったことのある奇妙な教師。
態度も、ファッションも、まるでチグハグのような印象さえ受ける。
相手も空を眺めていたらしい。自分とは違ってずいぶんと静かなものだ。
精々喧嘩程度で、あとは対して荒事に関わったことのない明道は、ついぞその気配に気付かなかった。
思わず、見事なものだと眺めてみる。
■シイン > 時折に何かを呟いているようで、ぼそぼそと唇を動かす。
譫言のように、誰も居ないと思ってか。
未だに明道の存在に気付かないままに、空を眺め続けている。
そこから十数秒と経って、ようやく気付いたのか。
言葉を呟き、開かれた唇は閉じられ、真っ直ぐと視線を空から定位置に戻された。
その者の姿には見覚えがある。保健室で出会った『あの生徒』だ。
■叶 明道 > 「…………」
片眉が跳ね上がった。目が合ってしまった、と。
ここで目をそらして黙るのはおかしい。
そんな考えが働いて、口に咥えた煙草を離してから、
「先生も暇つぶしですか」
なんて、目を逸らしながら軽口を叩く。
どうせここは生徒立入禁止で、あまつさえ煙草を吸っている。
ここで謝り倒したところで正当性はない。
■シイン > 「暇潰しではないな、時々だが此処で考え事をするのだよ。」
特に立入禁止の場所に来ていることを咎めようともせずに返答をする。
煙草を吸ってる事すらも、何も言わずに。
彼からしたら些細な事でしかないのか。
「君はどうして此処に来ている?煙草を吸いに来たのか?」
ここなら滅多に人が来ることはないのだから、誰かに見られることもなく、タバコの臭いも残さずに吸えるだろうから。
■叶 明道 > 「考え事ですか」
確かに、口が動いていた。
考え事は漏らさないと済まないタチなのか。
そんな素直な相手にも見えなかったが――。
まあ、と。目の前の彼が自分から話でもしないかぎり、必要以上に踏み込むことでもない。
続く言葉に、少しだけ煙草を吸ってから煙を吐いて、
「俺は暇つぶしですよ。眺めがいいでしょう」
そういって、わざとらしく眼下に広がる景色に視線を向けてみる。
同じく空を眺めていただなんて、薄ら寒くて言えやしない。
■シイン > 「そう、適当に考え事をしてた。
その時にどうしても、口が動いてしまうのだが、見てたかな?」
自分で口が動いてたのは自覚してたのか、自覚しながらも止められないのが問題ではある。
もし見られてたすれば、少々恥ずかしさはあるが。
「眺めが良いのは同意だな、此処の眺めはとても良い。」
頷きながら、そう答えた。
■叶 明道 > 問われれば、おとなしく答える。
「流石にね。ずいぶん不審な様子でしたから、
どっかと交信でもしてたのかと」
まるで宇宙人のような言いようだが、今の社会じゃおかしくあるまい。
横を見れば化け物みたいな奴が歩いてました、なんてザラにある。
相手は指摘されれば恥ずかしがるだろうか。
それならばこちらも意外に思わず目を丸くするだろうが。
こちらの言葉に同意されれば、そのままゆっくりと煙草を咥えた。
「だから暇つぶしですよ。幸い、エレベーターが動いてたもんでね」
■シイン > 「ははっ、例えば宇宙人との交信とできれば、それはそれで楽しそうだ。
ま、できれば忘れてくれると有り難い。」
空を眺めながら交信していると言われれば、パッと自分でも思い浮かぶのがそれであった。
もしかしたら宇宙人というのも居るのかもしれないが、今はどうでもいい話だ。
「エレベーターか、私は普通に昇ってきたが…そうか、エレベーターがあったな。」
今度はそれを使おうとおかしな事を口走らせて。
■叶 明道 > 「忘れますんでこっちも忘れて下さいよ」
煙を吐くと、そんなことを言いながら、煙草の灰を落とした。
隠しもしない喫煙状態。どうやら相手はこちらを追求しないようだが、いわゆる冗句の類。
見た目よりは気さくというか、随分崩れた印象だ。
気だるげに瞼を軽く下ろしながら、軽く煙草を捧げ持つ。
「……普通に?」
つい、ピンヒールに目を向けた。あの靴で、これだけの高さを。
いや、確かに化け物じみた体力の奴らはいくらでもいる。
だが、当然のように言う手合と付き合っていたわけではなく。
思わず聞き返すように声を発した。
■シイン > 「煙草を吸ってる事と、此処に立ち入った事をだろう?わかっているさ。」
だが灰を落とすのは宜しくないと、彼は付け足す。
別に吸うこと自体に自分から追求をすることはないが、煙草が吸われた証拠を残すのはあまり良いとはいえない。
普通にと問われ、そのまま鸚鵡返しのように。
「そう、普通に。珍しくもないだろう。」
竜だって存在するのだ。その程度のことを出来る奴が居てもおかしくはない。
そんな世界なのだから。
■叶 明道 > 「灰なら風が勝手に吹き飛ばしますよ。
吸い殻ぐらいは持って帰ります」
景観を損ねる、という理由ならまあ問題かもしれないが。
相手の発言の意図を汲み取ってか、そうやって肩をすくめた。
携帯灰皿などついぞ持ち歩いたこともないが。
「はあ、普通に」
目の前の教師は、要するに只者ではないということだろう。
余裕の表情でここに来たというのなら、
まあ仮に地球人類だとしてもご同類と思いたくはない。
あくまで少年は一般人で、ただ欲しくもない異能を手に入れてしまったにすぎない。
「じゃあ先生は異邦人かなにかで? 見た感じ、軍服っぽいですけど」
教師をやるのに軍服を着こむ一般人はおるまい――とも言い切れないが。
彼らしくない、他者への少しの好奇心。
恐らく、心が揺らいだが故に生まれた気まぐれだ。
■シイン > 「それもそうだが、まぁ、よいか。」
微風程度の風量でも灰は空へ流れて消える。
それは確かなので特に何も言わずに。
この生徒が灰皿を持ち歩いてれば、話は丸く収まるのだが、と。
見るからに持ってなさ気な彼に僅かながらに希望を持ちつつ。
「私か?私は軍から派遣された者だよ、いや訂正しよう。」
質問とはまた別だな、と。
咳を払い再び口を開いて
「私は人じゃない。かと言って化物でもない。モノだよ、機械さ。」
はっきりとした口ぶりで、簡単に告げるだろう。
■叶 明道 > 残念ながら相手のその希望はいずれ打ち砕かれるが、今はまだその時ではない。
煙草を徐々に短くしながらも、相手の言葉を聞いて。
「へえ。技研がアンドロイドの開発に成功した、って
ニュースは昔見たことがありますけどね」
こうしてまともに、まるで人間のように動いているのを見たのは初めてだ。
しかも軍用ときた。思っていたよりもずいぶん印象的な名乗りだった。
「ずいぶんとまた。じゃあ俺らは機械に授業を教わってるってわけだ」
ロボット三原則、なんて高尚なものがついてるかどうかは知らないが。
少なくとも挙動はまさに人間のそれだ。
相手に投げかけるというよりは、どちらかといえば自嘲的な呟きを漏らして、クラッチの表面を撫でた。
そこから一呼吸おいて、視線を移す。
「それは開発者か責任者の趣味なんです?」
先日から目を引いていたピンヒール。
まるで機能的には見えないし、仕様というよりは趣味かなにかだろうか、と。
実用性に欠けた、無駄な華美ともいえる仕様。
彼の長い髪も合わせれば、製作者の気色の悪い趣味もしれたものだ、なんて。
馬鹿にしたニュアンスも含んでいたかもしれない。
■シイン > 「この世界には、私以外にアンドロイドがそこそこ居るようだからな。
開発に成功したというのは事実だろうな、どこまでの性能を保有しているかは知らないが。」
『この世界』という発言から、彼は別の世界から訪れた機械と理解するのは容易だろう。
「機械に教わるのは癪に障るかい?そういう人も居るから不思議ではないがな、機械が人より上に立つというのに気に食わない奴がな。」
その口ぶりは、まるで以前に言われたことがあるように。
趣味と聞かれ、彼の視線の先を見れば言葉の意味を理解する。
最初に『いや』と否定の言葉を漏らし
「開発者に責任者は知らないし居ない、これは私が気に入ったから履いてるだけだよ。
人だって自分が気に入った服装を好んで着るだろう?それと同じだ」
■叶 明道 > 「別に必要なだけのことを必要なだけ教われれば、なんだって構いやしないでしょう」
そう。笑い飛ばすようにして言う。
短くなった煙草を手のひらでねじ消して、改めて咥える。
教師が人間だろうと機械だろうと関係はない。むしろどうでもいい。
そんなところまで来てしまったのか、という感慨。
「へえ」
もう何度目かになる驚きの言葉。
少なくとも教師の世界の機械は心のようなものを有しているのかもしれない。
そうプログラミングされているだけなのかもしれないが、
少なくとも彼の一挙一動は人と変わらざるそれだ。
「そこまで行きゃ、人間よりスゴいんじゃないですか」
実際のところは知らないが、そう映る。
ほとんど人にしか見えず、人より優れた存在だ。
少なくとも、"人より優れていてもおかしくはない"と考えていなければ出ない台詞だろう、と思いつつ。
クラッチを握りこむようにして、深く体重を預けた。
■シイン > 「なるほど、君はどうやら冷静な考えを持っている生徒のようだ。」
感情などは抜きで、教師として仕事ができれば、それが例え化物であれ関係ない。
彼はそういう人間なのだろう。
そして灰皿を持ち歩いてはなかったようだ。そこだけ残念である。
「…人間より凄い?そう考えてるなら良いことを教えてあげようか。
機械はどんなに優れた能力を持ってたとしても、人間を超えることは出来ない。」
例え…力に優れ、頭脳に優れたとしてもそれは絶対という考え。
機械である自分はそう考えている。
■叶 明道 > 「口うるさい人間教師よりは、
こうしてお目こぼしをしてくれる機械教師のほうがつきあいやすいですしね」
別に比較対象にするわけでもないが、
どうしても先日の二人の対比になるのも仕方ない。
次いで告げられた言葉には、それもまたひとつの予想の内、というあたりか。
「軍から来たって言ってましたしね。
創造主には絶対服従だからって意味ですか。
それとも、創造主の限界があんたがたの限界だって?」
考えられるといえば精々その二つ。前者は文字通り。
後者は結局、機械、作られたものである以上創造者が作り出せるまでのものしか作れない、ということで。
「人間は全知全能じゃあないですからね」
神は自分の持ちあげられぬ石を生み出すことができるか?
全知全能のパラドクス。少なくとも人間が、自分を超える力など出せるはずがない。
■シイン > 「それ、山科先生の前では決して言わない方がいいぞ。
君はそんなことを言ってしまうようなボロが出やすい生徒とは思わないが、一応な。」
口うるさいというのに思わず、自分でもそう思ってるのだと明言しているようなものだ。
「あぁ、そう捉えたか。違うよ。
順に説明していくと、私は異世界から来て、軍に拾われただけだ。
決して軍用の機械ではないし、少し捉え方も違う。」
ましてや創造した者など知ったことではない。
それに自分は所有者すらいない身なのだ。
「私がどうして人間より凄いというのを否定したか。
それは人が機械より精神的な面で優れてるから、短き一生で前に進もうと必死に生き足掻くから。
結果として、それ相応に人は成長する。」
だが機械はどうだ?と逆に問う。
「機械は成長をすると言っても、決められた内容でしか成長できない。
自由性がないというやつだな。情報に囚われてしまっているとも言える。」
■叶 明道 > 「別にあの先生のことを言ってるわけじゃないですよ。
付き合いやすいに越したことはない、ってだけで」
素行の悪さは今に始まったことではない。
最低限、単位だけは確保しているために退学になっていないだけだ。
そんな態度であるからこそ、今の留年があるのかもしれないが。
どうせ必要以上に努力をするつもりなんてない。
続く言葉には、明道は興味を失ったように目を細めた。
少しだけ背を伸ばし、それでもまだ猫背で見上げるように。
「そういうもんですか。
機械の心なんて分かりゃしないですけど、
成長しない人間も居るとは思いますけどね」
誰とは言わない。誰だっていい。
周りより優れた人が居ることは間違いないが、
そういう奴らは強者という。
変わらぬことを、流されることを求めるものも居るだろう。
消えた煙草を口に引っ掛けながら、そのまま視線を逸らして空を見た。
■シイン > 「そうか。ま、付き合いやすさというのは大事だからな。
だが、私のような教師は例外と考えた方がいい。」
普通の教師であれば、煙草を吸っている事に、立入禁止の建物にいる事のダブルパンチで説教やらを貰うのは確定だろう。
それを実行しない自分は教師として、宜しくはないだろうな、と。
「成長しない人間も当然ながら存在するだろう。
自ら進める足を持つのに、動かそうと努力もせずに呆けてるだけの人間。
私はな、成長を止めた人間は許せないのだよ。」
折角の機会を持つのに対して行わない愚か者を許せないと
■叶 明道 > 「心に留めておきますよ、俺もそれなりには馬鹿じゃないので」
忠告はありがたく受け取っておこう。
いずれも真剣に受け取るつもりもないが、結局面倒事を避けたいことに変わりない。
そのまま体を起こして、ベンチに背を預けようとして、止まる。
それは先日の、山科の言葉と重ならないこともない。
追求するのは間違いなく藪蛇だ、と分かって。
火の消えた煙草を腰ポケットへ雑に突っ込むと、新たに煙草に火をつけた。
不味い、が。少しだけ気持ちが落ち着く気がした。
■シイン > 「私は自分でも少し変な機械だと認識している。
なんせ『人の成長を見届けたい』という考えを持つのだから。
その成長をする姿が、人としてとても輝いてる姿が羨ましいからかもしれない。」
何も返さずに煙草を吸い直す彼に言葉を続けて。
「君はどっち側かな?諦めるのか止まるのか、諦めずに進むのか。」
全てはコレを聞きたいが為に、先日の保健室では聞けなかった事を問うのだ。
二人と一人の対話では、真意が聞けない事のが多いだろう。
だが一人と一人の対話ではどうだろうか。
■叶 明道 > 「………………」
時既に遅し、という奴で。明らかに面倒な問答が繰り返される形となった。
付き合いやすいといったその矢先ではあるが、すぐにでもその言葉を翻したい気持ちになった。
「先生は精神医学か何かの講師なので?」
だから、直接的にその問いに答えることはなく。挑発的にそう応えた。
踏み込んでくる相手には壁を作って。適当に済ませたい、と。
緩んだはずのクラッチへ込めた力が強くなる。
猫背のような、そうでないような。中途半端な体勢のままに紫煙を吐いた。
■シイン > 「いいや?私はただの軍事に関する事を教えに来ている講師であり、教師なだけだ。医学なんて分野ではないよ。」
知識として知ってるだけで、とてもじゃないがその道に通じてる者には負ける。
「それで、どうなんだ?できれば私の問いに答えてくれ。」
再度、念入りにと問う。
それ以外に興味はないと言わんばかりの態度で。
■叶 明道 > 嫌味も通じないと、露骨に舌打ちして。
「さあ。誰にだって、自分にだって。心なんて分かりゃしない」
分かると思っている奴がいるなら、犬にでも食わせてしまえ。
昔の誰かを思い描きながらそう思う。
あなたの言うことは分かります、なんて世界で一番信用できない台詞だ。
「センセが思う通りに扱えばいい」
このバカみたいに高い塔を徒歩で登ってくるような身体能力の相手だ。
どうやったって先回りされるに違いない。
クラッチに体重をかけてゆっくりと立ち上がっていく。
右足は熱を持って痛むばかり。
■シイン > 「答えは『わからない』か。わからないということは、わかろうとしないだけか。」
舌打ちを無視して、ただただ言葉を紡がせる。
最も、それが正解かどうか自分にもわからない。
当てずっぽうに近いものだ。
「思う通りに扱ったら、それはそれで問題になるからな。
問題を起こすのは、まだ先でいい。今ではない。」
ゆっくりと立ち上がる姿に、嘲笑うような、そんな笑みを見せて。
■叶 明道 > ――やはり。教師から受けた第一印象は間違っていなかった。
あの第一日。食えない奴だと思っていたが、思わず口を滑らせすぎた。
どちらが本当の彼か、などと馬鹿馬鹿しいことを考える気もない。
「面倒事は嫌いなもんで、気をつけてはおきますよ」
相手の笑みを一瞥すると、そのまま大きく煙を吸った。
不味い。ひどく不味い。安物の煙草だ。仕方もない。
だからそのまま歩き出す。相手にこちらを引き止めるような素振りはない。
ゆっくりと、足をひきずって。エレベーターを呼ぶボタンを押した。
■シイン > 「君が変わらない限り、この島に居る限り気を付けた方がいい。」
それは警告。
変わらないのであれば、変えてやろうというお節介。
なんと我儘で自分勝手なのだ、そんな自分が堪らなく好きで嫌いだ。
足を引き摺り、エレベーターで降りようとする彼。
和紙を破るのと同じぐらいに、脆く弱い彼だ。
逃げる手段を何も持たない、そんな彼に手を下すのはなんと簡単な事か。
だが、何もしない。
成長してない者に手を出して自分に何が与えられるのか、答えは単純で何も与えられない。
ならば、成長の果てに克服をした時に壊すのが一番に幸福感が味わえる。
だから何もせずに、エレベーターの到着を待つ彼を見続けた。
■叶 明道 > 異常者だ。間違いなく教鞭を執るべき手合ではない。
もしどうにかされそうになったとしても、逃げるだけなら、まあできるかもしれない。彼の異能はそれだけ強力だ。
勿論、その後の自分の身体の保証などできないし、一度逃げたところで狭い島だ。どうしようもない。
率直な何か。山科とは違う、そういった何かだ。
エレベーターの到来とともに中へ入り。そちらへ視線を向けること無くボタンを押した。
恐ろしい、とも思う。けれど。
ゆっくりと下っていく箱の中で、小さく、
「どうせ、"そんな場所"なんてない」
呟いた。それが何を意味しているかは、それこそ彼しか分からないだろう。
ご案内:「大時計塔」から叶 明道さんが去りました。
■シイン > 姿が見えなくなってから最初の時と同じ様に呟き始めた。
誰に聞かせる訳でもなく、一人で勝手に。
「彼はどうだろうな、二十六人目になるのか二人目になるのか。」
また暫くは様子見…楽しみだ、最後に呟いた言葉と共に、彼は柵を飛び越えて姿を消した。
ご案内:「大時計塔」からシインさんが去りました。
ご案内:「大時計塔」に東雲七生さんが現れました。
■東雲七生 > (──午後の時計塔
まだ夕方には程遠い昼過ぎの時計塔を七生は訪れていた。
特に目的があるわけではない。強いて言うなら考え事だ。
一人で心落ち着けて考え事に没頭するために、何処か高い所をと考えた結果、時計塔に行きついたのだった。
長い階段を一段ずつ上り、軋む扉を開けて屋上に出る)
「うわ、やっぱ眩し……っ」
(七生を出迎えたのは照りつける夏の日差しだった)
■東雲七生 > 「プールとか川とかにすりゃあ良かった。」
(目眩がしそうなほど容赦のない陽光に、やや辟易としながらも後ろ手に扉を閉める。
何となくで、とはいえこの場所を選んだのは自分だ。
高い所の方が何となく落ち着いて考え事に耽られる、と根拠も無くやって来た時計塔。
地上よりも太陽に近い分だけ暑いような気がしないでもない。)
「……まあ、いっか。」
(サングラスを取り出し、掛ける。
眩しさが軽減され、心なしか暑さも和らいだ気分になる。気分だけだが。)
■東雲七生 > (適当な場所に寝転んで空を眺める。
色つきレンズ越しに眺める空は白い雲も暗く見える。)
「結局あれから魔物が出たって聞かねえなあ」
(ちょうど黒死揚羽と戦ったのが半月前。
あの後調べたところによると、どうやら海辺でも魔物の出現があったらしい。
しかしその時は群体ではなく、単体だったようだ。
それも、)
「クラーケンを数人がかり、か……。」
(奇しくも七生一人が数体の黒死揚羽を相手取った時と逆に、
一体の魔物に数人が挑んだとのことだった。)
■東雲七生 > (──クラーケン
巨大なイカ。デカいだけあってしぶとい。
炎の魔術に耐性があり、他にもいくつかの種類の魔術にも耐性を持つ。
食べてもあんまり美味くなさそうだけど、異邦人なら美味しく調理できる方法を知っているかもしれない。
七生が持っているクラーケンの知識なんてこの程度だ。
一般的には幾つかの魔術耐性と水魔術の行使が厄介に思われている、らしい。)
「……そもそもデータ自体がそんなに多くないって聞いたなあ。」
(図書館で図鑑でも探せば幾らでも情報は得られるのかもしれないが。
活字を見ると眠くなってそれどころじゃないのだ。)
ご案内:「大時計塔」に焔誼迦具楽さんが現れました。
■焔誼迦具楽 >
【夏季休暇期間。
学園の人口密度が低くなるこの期間を狙い、学園の中に忍び込む怪異が一つ。
そしてたまたま目に付いた大きな時計塔。
立ち入り禁止とされている様子のソコ、その上からならのんびり観察もできるだろうかと思ったのだが】
「あ、やっぱり七生だったのね。
よかった、丁度会いたかったの」
【先客には気づいていたがしかし。
階段を登るにつれ、どことなく覚えのある匂いがしていたのだ。
寝転がる姿を見つければ、隣に行こうと嬉しそうに近づいていく】
■東雲七生 > (他の知識と言えば。
10本もの触手を活かして如何わしい事をする、くらいか。
イカだけに。
イカだけに。)
「今の時期の海水浴場とか出たら凄い事になってたんだろうな……。」
(七生の脳裏に良からぬ考えが過る。
その時、新たな来訪者に気付いてハッと我に返った。
今の妄想、顔に出てなかったよな!?と内心軽くパニックを起こす。)
「──にゃっ!?
……ああ、いや、焔──迦具楽か。
び、びっくりさせんなよな、もうっ……!」