2015/07/18 のログ
ご案内:「委員会街・休憩所」に久藤 嵯督さんが現れました。
久藤 嵯督 > 自動販売機にデスジュースが売っていれば良かったのに。
休憩所に来てまず考えた事がソレであった。

休憩所から歩いてくる途中、丁度手元から切らしているのを思い出して憂鬱な気分になる。
そこから甘ったるい飲料の並べられた自動販売機を見ての感想がこれである。

久藤 嵯督 > 木製の椅子にどっかりと座り込み、テーブルに頬杖をつく。
喉が渇いたが、残念ながら手元にアレはない。
支払いはすべてカードで済ませているので、この古いタイプの自販機では支払いが行えない。
なんと間が悪いことか。

「……はぁ」

思わず溜め息を零す。

久藤 嵯督 > しばらくは学内勤務だが、処理すべき書類も無い。
通報でも無い限りは暇なのだ。

今日問題を起こしている連中は粗方片付けてしまったし、それも期待は出来ないだろう。
代わりに見回りに行った風紀委員が何か見つけてくれるのを待つしかない。
風紀委員としてなら平和なのは結構なことなのだろうが、個人的な意見としてはあまり面白くないように思える。
しばらくの間は死に急ぐつもりが無くなったものの、こうも退屈では身体が鈍ってしまうというものだ。

久藤 嵯督 > どうせ誰もいないし通らないのだ。
丁度いい、少しだけ身体を動かしておくこととしよう。

今までに戦った強者達の記憶を思い起こし、それらの取り得る行動を全て想定……仮想の敵を創造する。
不確定要素をいくつか残しつつ、出来上がった影と戦い始める。
傍から見れば一人芝居しているようにしか見えないだろうが、嵯督にとってはそこに、強者の影が自分に襲い掛かっているかのように見えているのだ。
いいや、その幻影には”命”に匹敵するほどの情報量が込められている。
もはやそれは一人の人間と言っても差し支えないほどに。

常に自分よりも強い相手を想定している為、毎回の如く苦戦を強いられる。

「ハッ! でやっ……ッ!」

今回もまた、先手を許してしまう。

久藤 嵯督 > 休憩所らしからぬ激しさを以って影との戦いを演じている。
無数の拳脚が空を穿ち、一陣の風が木の葉を切り裂く。

打ち合いが一段落すれば、いるはずの無い訓練相手に一礼。
創造の中から影を消し去る。

(……しまったな、余計に喉が渇いてきたぞ)

我ながら迂闊な。

久藤 嵯督 > こうなっては仕方ないので、本部に戻って茶でも淹れるとしよう。

椅子から腰を上げて、休憩所を後にした。

ご案内:「委員会街・休憩所」から久藤 嵯督さんが去りました。
ご案内:「風紀委員会本部」に久藤 嵯督さんが現れました。
久藤 嵯督 > たった一人だけの本部で、ローズティーを淹れる。
茶の淹れ方は本部でイヤと言うほど教え込まれた。
はじめは自分も真面目に取り組んでいたが、後々になって体のいい小間使いとして使われていたことが解り、後悔した。

だから、自分の淹れる茶は間違いなく『おいしい味』をしているのだ。
文句を言うヤツがいるとすれば、そいつは茶について何もわかっていないに違いない。

久藤 嵯督 > カップを片手に、居残り当番の夜は更けていく。
ご案内:「風紀委員会本部」から久藤 嵯督さんが去りました。
ご案内:「生活委員会本部」に朽木 次善さんが現れました。
朽木 次善 > すっかりと。自分の右手の、ガラス片が深く刺さった刺突傷は治っていた。
保健委員の異能にて、跡すら残らずに縫合が必要と言われた傷は塞がってしまっていた。
その手を開閉させながら、デスクで一人、パソコンを前に視線を俯かせていた。

「………」

異能。
この島で生きていく上で、誰もが避けて通れない個性であり、優位性であり、時に欠点である。
本人が持っていようが持っていまいが関係がない。
常世学園という場所で生きていく上では、必ず誰もが向き合わなければならないものだ。

朽木 次善 > 空が飛べること。
傷を癒やすこと。
あるいは他者を害すること。
それは個人の能力に根ざすものである以上に、他者に波及を及ぼす。
その効果の対象になるか否かだけの問題ではない。

空が飛べる人間の側には、空が飛べない人間が居る。
傷を癒せる人間の側には、傷が癒せない人間が居る。
だからこそ、この島で生きていく上で異能は、
「持つ持たざる」に関わらず、誰もが折り合いをつけて生きていかなければならないことなのだ。
それはこの異能に限る「優劣」ではないが、とりわけこの島ではそれが顕著に思えた。
努力では覆しようのない差異として、誰もが飲み込まざるをえない事実だろうから。

朽木 次善 > 自分にも異能はある。
ただの「物に穴を空けられる」異能ではあるが、それも物に穴を空けられない人間……
物に穴すらを空けられない人間にとっては、優位性であると言える。
その優位性を持っていてなお、「穴を空けざるを得ない」状況にあって穴を空けないという選択肢を自分が取れるかといえばNOだろう。
誰もが望み、もっと言えば自分が望みさえすれば、自分はいつだって「物に穴を空ける」。
何のためらいもなく、理由なく備わった異能という「能力」に依存して。

先のフェニーチェの一件も。引いてはこの島で異能を利用して起きる犯罪の全てが。
自分はその依存が問題の根底の一つにあると思っていた。
彼らは異能を持っていた。
持ってしまっていた。
他者より優位性があり、自分の理想に手が届く力を持ちあわせてしまっていた。
どんな邪な理想があったところで、それを実現する力がなければただの妄想にすぎない。
他人を害する力を持ってしまったことが、容易に他者を害することにつながってしまったのだと。
そういう意味では、彼らもその権能による被害者であるとも言える。

「これは……きっと俺が当事者じゃないから、でもあるがね」

朽木 次善 > 人が死ぬのは、人を殺せる力を持つ者がいるからだ。
この島では、そういう意味では万人が死を運ぶ者になり得る。
逸脱し、享楽に身を委ねるような異常性を備えていなくとも、異能を応用させることで容易に他者を害す立場に立てる。
誰もが懐に銃を携えて生きているような物だ。そう考えると、この島が成立していること自体が奇跡のように思えてくる。
異能とは、それだけ人間性に強く結びつく要素だ。
少なくとも、自分にとっては。

朽木 次善 > フェニーチェ。
彼らと話がしたいと、強く思う。
自分には、彼らがどんな気持ちでその蛮勇を悪辣なベクトルで振り下ろそうとしたのかを。
問いたい。問いただしたい。人を殺すだけ、他者を傷つけるだけなら、それを劇に模す必要などない。
どこかで彼らの理想がねじ曲がり、きっと歪な形で成立してしまったが故の凶行であると思う。

これは、風紀や公安では問うことは出来ないだろう。
彼らは突出した物を上や横からの殴打で、是正するための組織だ。
そうであって貰わねば、不可視の圧力でこのいつ誰もが逸脱しかねない島を形あるものに収めておくことは出来ない。
彼らは理由すら問わず、ただその凶行が人の理に反しており、
「公共にとっての悪」であるという理由だけでそれを細切れに出来る。
そうして芽吹くかもしれない犯罪の種を除草し、駆逐することが彼らの権能だ。

強い力は、往々にしてより強い力によって挫かれることによって頓挫する。
それは、この島の根源的な成立の仕方とよく似ていると思う。

朽木 次善 > きっと彼らは、自分が本当に行いたいことについて深く考えていないのだろう。
でなければ、短絡な手法で次々と凶行に及ぶはずがない。

その目的が『人を殺すこと』であったとした場合ですら。
自分が彼らの権能を持っているとしても『もっと上手くやれる』。
『劇に見立てて多くの人を殺す』という限定的な目的であったとしても。
『もっと効果的に華々しく人を殺す』方法というものは、存在しうると考える。
狂人の集団という烙印を押された彼らはどこか理性的で、
狂人の真似をした狂人にしか、自分には見えない。
それこそ、気付かない内に演じていたのだとするなら、皮肉な話だ。

誰かが彼らの本当に行いたかったことを聞き、
それに本当に人間の犠牲が必要だったかを、問いただして欲しい。
あるいは、それすらも自分達生活委員会の整備でどうにかなる案件だったとしたら、
それは自分達の怠慢でもある。
生活の基盤を整えることが、不平不満を表出させない一つの方法という側面がある以上。
それだけは自分たちは避けて通れない。

朽木 次善 > 彼らをすら救いたい、などというヒロイックな思考ではない。
ただ、普段から目を向けられていない活動を続ける者として、
きっとこれは鬱々とした憤怒に近いのだろう。
彼らは、目を逸らしている。
自分が見たくない物を見ずに、考えずに、魅せたい物を魅せようとしている。
それは、少しばかり「ただの人間」として鬱屈した感情を募らせる原因となっていた。

この島の根底に横たわる欺瞞の恩恵に肖る人間全てへの飲み込めなさが、
明確なベクトルを持つ兆候であるのかもしれない。あまり、それは自分にとっては好ましくない。

先の保健室での治療の時、自分はそれを考えた。

『当たり前のように他者を一瞬で癒やす異能者が居るこの島で、
 まるでそれが存在しないかのように普通の医療器具が備わっていること』

それが、自分には不可解で仕方がない。
この島は、誰のために。そしてどういう形を理想として創られたものなのだろう。

ご案内:「生活委員会本部」に鈴成静佳さんが現れました。
朽木 次善 > 最適な効率性を想定して、異能者という優れた存在を統治する側からすれば、
それを最適に配置しさえすればその無駄は省かれ、この島から事故死する者は格段に減らせるだろう。
そこに強制力を働かせないことが、『学生の自主性を尊重する』ことだという建前によって、
今日も無軌道な異能が他人を傷つける温床になっている。

委員会の中には鉄道を成立させるための委員会もあると聞いている。
その非効率性を、今日も委員会を成立させてまで維持させている理由は何だ。

この島に来て、一年以上の月日が経っている。
だが、この島はいろいろな意味で、島の外側と歪なまでに『代わり映えがない』。
異能者という物を集め受け入れる島でありながらも、まるでこれでは、
島の外と同じような環境に異能者を押し込めたらどうなるかを見守るための――。

「………」

パチリ、と。
パソコンに指を落とした。

音が欲しかった。
思考を寸断する。ただの音が。
大きく息を吸い、吐いた。思考が、恣意性を持つ方向に傾き始めていることを自覚した。

鈴成静佳 > (生活委員会本部の入り口付近で、事務の女性と話す生徒がひとり)
えーと、消毒用エタノールを2瓶と……経口補水液を1ダース、ッスね。
(保健室の備品の補充だ。事務の女性は本部の奥の物置のほうを指差し、行くように促す。静佳はにこやかに手を振って挨拶し、そこへと向かう)

(朽木さんの後ろを通りかかる時……)
……うわっと!!
(朽木さんの腰掛けるデスクチェアの脚につまずいてしまい、転びかける。数歩跳ねて転倒は回避)
ご、ごめんなさい!(朽木さんの方を向き、ぺこぺこ)

朽木 次善 > (丁度。同じタイミングだった)
(後ろで慌てるような声が聞こえて、振り返ると、そこには女性の姿があった)

ああ、いえ、すいません。
良く起こることなので、もしかしたら通行に邪魔なのかもしれないですね、この位置。

(両手に沢山の治療器具を持ったその誰かは、余りにも思考の檻の中の情報と類似していて)
(小さく苦笑が零れた)

大丈夫ですか。瓶とか、割れてない、ですよね……?
先日世話になったばかりなので、保健委員に返せる借りがあるとは思えないので。

(相手の身分を確かめるように意図を込めて、そう尋ねてみる)
(相手が保健委員であったとしたら、居るかも分からない神の粋さを少しだけ評価したいと思った。

鈴成静佳 > あ、大丈夫ッスよー、瓶類はいま取りに行くところだったですし。帰りだったら危なかったッスね! アハハー。
(頭を掻きながら、仕事のじゃまをしてしまった男性を見つめる)

……お、そうッスよ、アタシは保健委員。1年の鈴成静佳って言います!
(事務室なので大声ではないが、よく通る快活な声でお辞儀)
お兄さんは、何か保健室のお世話になることがあったんスか? アタシ、今はまだたまにしか保健室行かないんで。

というか……何か考え事の邪魔でもしちゃったッスかね?
(疲れの浮かぶその表情をまじまじと見つめる。それが素の顔であるとは知らないが、考え事をしていたのは事実であろう)
コーヒーでも持ってきましょうか?

朽木 次善 > (生来の物だろうか。あるいは保健委員)
(引いては生活委員会が皆このような「他者を放っておけない」性質を有しているのだとしたら)
(自分にも思い当たる節があって半眼で苦笑した。これもまた良し悪しだ)

どうも、二年目で内勤もし始めてからそちらにも縁が出来てきましたね。
整備課の朽木です。朽木……次善といいます。
ええ。右手を、少し怪我しましてね。
この通り今は傷跡すらないので、お世話にならせてもらいました。

(コーヒーは辞して、立ち上がり)

少し、丁度気晴らしに行こうと思っていたところなので
良ければご一緒させてもらってよろしいですかね。先に受けた保健委員への礼を兼ねて。
もし良かったら、少しだけ聞かせて欲しいこともあるので、道すがらにでも。
お忙しいならまたの機会にしますが。
経口補水液、でしたっけ。

(多少なりとも重そうだが、けして一人で持てない量でもないそれを『運ぶのを手伝う』という名目で)
(相手と話がしたいのだと言外に伝えるようにして、尋ねた)

鈴成静佳 > 整備課の朽木さんッスね。よろしくッスよ!(名前を聞けばふたたびお辞儀)
(そして右手を見る。傷跡は見当たらない。ホントに怪我をしてたのかさえ不明瞭だ)
……おー、それは大変でしたね。まぁ保健室でなんとかなる怪我でよかったッスね! アハハー。

荷物持ち、頼まれてくれるッスか? じゃあ遠慮無く! すまないッスね!
(実際、経口補水液1ダースは約6kg。凡庸な女子1人が持ち運ぶには若干重い。奥の物置の方を見やり)
じゃあ2箱なので、1箱ずつ持って行きましょ。怪我の応対をした保健委員さんは分からないッスけど、お話なら付き合うッスよ!
暇といえば暇ッスしね! フフッ。
(歯を見せて無邪気に笑いながら、物置へと向かう。消毒用アルコールの瓶は自らのメッセンジャーバッグへ仕舞う)

朽木 次善 > (無邪気に笑う少女を見て、知り合いの中でも珍しいタイプだな、と個人的な感想を抱いた)
(ある種の敏さを感じさせる振る舞いは、少なくとも生活委員会の味方としてとても歓迎できる性質だ)

ええ。了解しました。
考えも泥沼に嵌りそうだったのと、傷の治り具合を見るには丁度いい任務だと思います。

(鈴成の後ろに付き従うようにして続く)
(途中『保健室でなんとかなる怪我』という言葉を思い出し)

保健室でなんとかなる怪我……だったんでしょうかね。
かなり深いキズだったので、普通ならもう少し時間が掛かったんじゃないかと思います。
それが……『異能』でほぼ一瞬で治って。
……鈴成さんも、似たような異能があったりするんでしょうか。

(後ろから鈴成に質問を投げた)

鈴成静佳 > よっこらせっと……(500mlペットボトル半ダースの入った箱を持ち上げる)
……んー、アタシには、朽木さん、怪我してるように見えなかったッスけどね。右手キレイだったし。
気になるなら常世保険病院で診てもらったほうがいいかも?
(そう、本来であれば深いキズやひどい病気は病院に行くべきなのである)

(そのまま朽木さんを先導するように、大きなお尻を振りながら歩く)
……むぅ、なるほど、異能で治してもらったんスね。確かに保健委員は治癒の異能や魔術を持ってる人が多いッスからねー。
しかも治るの一瞬ッスか。すごいッスねー!
(笑みは崩さず、たびたび振り向きながらゆっくりと歩く)

フフッ、残念ながらアタシにはそういう異能も魔術もないッスよ。魔術は勉強中だけど、からっきし。
異能も、マッサージとかに役立つ程度のヤツっすね。
中学のころもずっと保健委員だったんで、流れで所属した感じッスね。でも、みんなの心身の健康が気になる性格なもので。えへへ!
(眼を細めて笑う。治癒の異能を持っていないことを恥じるような雰囲気は一切ない)

朽木 次善 > (同じように半ダースの箱を持ち上げる。中々に、女性が一人で二つ運ぶには重いように思えた)

嗚呼、やっぱりそうですよね。
俺としても校内の怪我で出血が酷かったので応急的な処置を期待して行ったんですが、
まさか根治までしてもらえるとは夢にも思わなかったもので。
今のところは平気なので、大丈夫なのでしょう。

(あまり臀部に注目すべきではないとわかっていながら、視線がどうにもその身体的特徴に吸い寄せられるので)
(諦めて首を掻きながら横に並んだ。あまり得意なポジショニングではなかったが)
(何度も振り返らせることと不埒な自分の視線よりは、横並びで歩く失礼さのほうがマシだとも思ったので)

成る程……そうでしたか。すみません。
じゃあ、筋金入りの保健委員ですね、年はこっちが上でも専門職としては先輩のようだ。
(だからだろうかなんとなく、相手がどう考えているかを聞きたい、欲が鎌首をもたげた)

鈴成さんは……そういった、一瞬で治る異能を持っている相手が近くにいて。
こうやって、地道に治療のための何かを補充するということに、疑問を感じたことはないですか。
心身の健康を気にするのであれば、『そういった方』に任せた方がいいときというのは、必ず訪れると思います。
……気を悪くしたらすみません。先ほど、そんなことを少し考えていたもので。益体ないですが。

鈴成静佳 > (横並びされれば、猫背なれど背の高い朽木さんの顔をチラチラ見上げながら保健室への道を歩く)
アハハー、確かにそうッスねぇ。生徒や先生のほとんどが異能者なら、運がよければ病院よりも保健室のほうが手当がいいこともあるかも。
平気ならよかったッスよ!
(ダンボールを抱える手を見つめる。たしかに大丈夫そうだ)

んー……。
(そして、異能治癒への意見を問われると、歩きながらしばし考えこんで)
そうッスねぇ。アタシはこういう……「通常の業務」? こういうのを無駄に思ったことはないッスよ。

例えば、この経口補水液。これから夏休みですし、熱中症で保健室に来たり担ぎ込まれる人も増えると思うッスよ。
そんなときに、保健室に「水分・ミネラルを補給できる」異能者がいるとは限らないッスよね。
もしそういう異能者がいたとしても、その人を四六時中勤務させるわけにはいかない。異能者といえど人間なんスから。
所詮は、こういう「適切な道具」があればケアできることなんスからね。治癒の異能や魔術ってのは、いわゆる「最終奥義」に近いんじゃないかって思うッスよ。
日頃から欠かさず、あらゆる事態に対処する。そういう心構えに異能とかはあまり重要でないし、もっと昔から培われてきたノウハウが活きることのほうが多いと思うッスよ。

……養護教諭の、蓋盛先生って知ってるッスか?(ひとしきり意見は言ったので、逆に聞き返す)

朽木 次善 > ……確かに。

(いの一番に、同意が口から出てしまう)
(相手を気遣っての言葉や、相手の機嫌を伺うための言葉ではなく)
(ただ、その言葉に同意を示す何の衒いもない言葉が口から漏れてしまい)
(そのこと自体にも、少し照れたように口元を抑えて苦笑した)

「通常の業務」は無駄じゃない、ですからね。
全てが通常の業務である俺がそれを言ってもらえると、救われた気持ちになります。

(続く言葉にも耳を傾ける)
(保健委員の、保健委員として仕事に従事している『保健委員』だから出てくる言葉は、沁みた)

『最終奥義』、ですか。
確かに、俺は今回消毒液を補充してくれてた誰かが居てくれたので、
その異能が現場に届く前にその傷を処置出来たわけですしね……。
そう考えれば、俺は誰よりもその補充してくれた誰かに感謝すべき立場なのかもしれないですね。

(具体例も挟まっていたために、飲み込みやすくもなった)
(それこそ、特効薬と常備薬の違いのようなものなのかもしれない)
(だがそれでも、個人として伝えたいことはあったけれど。それは、無粋がすぎるだろうと胸の中に仕舞う)

フタモリ先生、ですか……?
名前だけは伺った気がしますが、仔細までは……どんな方なのでしょうか。

鈴成静佳 > アハハー。アタシも、本土の中学で保健委員やってた頃と、やってる事はまったく変わらないッスしねー。
自分も「通常の業務」ばっかり。でも楽しいッスよ! 設備課ってどんな仕事なんだろ?
(興味津々な口ぶりで聞いてみる)

うん、消毒液もだいじ。消毒は早いに越したことはないッスからね。
アタシもちょっと前、運動中に軽い脱水症状に見舞われて、保健室のこの経口補水液で救われたことあるんスよ。
やっぱり保健室は「安心できる」「気軽に駆け込める」避難所みたいな場所であるべきなんスよ。そのための備えは、異能持ちじゃないアタシにだってできる。
だったら、しなくちゃね。

……あと、その時にアタシを助けてくれたのは、保健委員でもなければ治癒能力もない人だった。
それでも、懸命にアタシのケアをしてくれて、アタシは元気になれた。
みんながみんなの健康を気遣うようになれば、保健委員なんて括りはそんな重要じゃないッスよ。
(ダンボールを見下ろしながら、柔和に微笑む)

蓋盛先生は保健の先生なんスけどね。
治癒の異能を持ってるんだけど、その代償として「治した怪我・病気に関する記憶を失ってしまう」らしいんスよね。聞いただけの話なんスけど。
……デメリットが伴う能力もあるってことッスよ。アタシがこういう能力を持ってたとしたら、使うのには絶対に慎重になっちゃう。
慎重になりすぎて、もしかすると命を救える機会を失ってしまうこともあるかもしれない。
難しい話ッスよね……アハハ。(苦笑いしながら、視線を上に戻す)

朽木 次善 > 見事に「通常の業務」ばかりですよ。
危険物を取り除いたり、誰かが壊したものを直したり、です。面白いことは何もないかと。
でも、楽しいですね……こちらも。……言葉ではこれを言い表す事はできないので、
こればかりは生活委員会同士だけの秘密にしておきましょう。
(苦笑をしたまま、指先を唇に当てて鈴成に言う)

そうですね、何も緊急のときばかりではない、というのは言われて納得しました。
現状の理想と現実の食い違いを埋めるのが、
きっと俺達生活委員会の地味な「通常の業務」なのかも、と鈴成さんと話してて思いましたね。
キミと話せたことを喜ぶなら、その時キミを助けてくれたその誰かにも、感謝しないと、ですね。
(ダンボールを、その上に重ねる。この辛くはない運搬も、二度三度と繰り返していけば)
(辛い業務になり得るということを、自分たちは知っている)
(外から見て言葉にしてしまえば分からないそれを必要としている人がいるなんて自己満足が)
(一番自分たちを動かす動力源になっていることも)


嗚呼、蓋盛先生……そんな方が居るんですね……。
それは……もしかすると、そんな力(異能)がないよりも、辛いことかもしれない。
助けうるのに助けられないなんてきっと、頑張ってもどうにもならなかったなんていう、
誰もがする自分への言い訳すら許せなくなってしまう……。

ですね。難しいです。だからこそ、専門家が必要な分野なのかもしれない、ですね。

(仕事を終え、解散の空気が流れてきたので、一つだけ冗談めかす)

じゃあ、こうしましょう。
俺は、整備課ですから、事前に怪我をしそうな要素を取り除くのが、お仕事の一つです。
俺が完璧に生活委員会として大成すれば、この島から事故による怪我はなくなると思うんです。
だから……鈴成さん達保健課から仕事を奪うのは、俺達だとも思ってます。

鈴成さんはそれでも、きっと困った、不安な、どこにもいけないけが人や病人を見つけ出して、
それを助けようとするでしょうね。俺達では見つけられなかった不備に泣いて、傷ついた人を探しだして。

だから、競争です。
同じ生活委員会として。整備課は悲鳴をなくし、保健委員は悲鳴を探す。
そうすればいつか、誰も泣かないでいいような島が出来るかもしれないですから。
まあ、大きな夢の一つくらい抱えててもいいんじゃないかなって思いますし。
「通常の業務」には、それくらいの報酬があっていいと、思いませんか?

(なので、約束しましょう、と小さなキズだらけの小指を鈴成に差し出した)

鈴成静佳 > 仕事はやっぱり「楽しい」って思いながらやったほうがいいッスよ。でないと、いつか目的や目標に迷っちゃうから。
前向きに捉えるのが大事! フフッ。
(静佳も保健室の片隅にダンボールを下ろす。このペットボトルが誰かの苦しみを取り去る可能性があるなら、運搬作業も苦ではない)

うん、日常の積み重ねこそが大事ッスよ。設備課のインフラの整備も。
そして保健課が管理するのは、生徒や先生たちの健康。決して、怪我や病気の手当だけが仕事じゃないッスよ。
そのために、日頃からこうやって保健室を万全な状態にしたり、健康や保健の指導をしたり。
「予防」こそが、「生活」を平穏無事に保つための秘訣だし、きっとそれは「生活委員会」の全課の役割だと思うッスよ。

(保健室のデスクの方に目をやり、フゥ、と溜息を付く)
……それでも、何か非常事態が起こった時、そういう時には蓋盛先生やその他の人の異能を使うことになるかもしれないけど。
きっとそうなったら、それは悲しむべきことなのかもしれないッスね。

(汗を拭きながら、一仕事終えた朽木さんを見上げる。素直な笑みを浮かべ)
フフッ、整備課の朽木さん、頼りにしてるッスよ。じゃんじゃん仕事を奪って!
アタシたちは別に病人怪我人を探してるわけじゃない。「悲鳴を探す」のはアタシたちの仕事じゃないッスよ。もちろん、悲鳴を聞いたら逃さず助けるのが義務だけど。
アタシたちなんて、「仕事が無い」ことこそが一番喜ばしいことなんスよ。
みんなが怪我をしなくて、自らの健康管理をしっかりできて。ハッピーに生きてるのこそが、よい生活。
でもそんなの難しいからサポートし、アフターケアする。そういう役回りは、絶対に必要ッスからね。
楽しいけれど、でも、やっぱり仕事はないに越したことはないッス。フフッ。

……少しは、朽木さんの考え事、悩みみたいなのが晴れたなら幸いッスよ。
アタシも、朽木さんに手伝ってもらえて感謝してるッスよ! ありがとう!(猫背の背中をぽんと叩いて労う)

朽木 次善 > そう言って頂けると助かります。
助かる……? 救われる、かもしれませんね。
そういう意味では、そちらの治療も含めて保健課だと思うと頭が上がりませんね。
万全のアフターケアでした。

成る程、俺は門外漢なので、保健課の仕事について、まだ勉強が足りないみたいですね。
また道に迷った時は、声を掛けさせてもらうかもしれないですね。
他人よりはそんな道に迷いやすいみたいですから。
(鈴成に言い、自分もふうと息を吐いた)

こちらもいつでも。
そうやって足や身体で返すことしか、俺も出来ませんからね……。
じゃあ、そろそろ気も晴れたので失礼します。
いつまでも休憩していたら、ただの口だけの男になってしまいますからね。
ありがとうございました。

(叩かれた猫背の背に温かみを残したまま。お先に失礼しますと断りを入れて元の事務所へと帰っていった)

ご案内:「生活委員会本部」に嶋野陽子さんが現れました。
ご案内:「生活委員会本部」から朽木 次善さんが去りました。
嶋野陽子 > 保健室の扉を静かに開けて入室。
珍しく先客が二人もいる。しかも二人とも面識がある。
どうやら話が終ったところのようなので、挨拶だけに
しよう。
「鈴成さん。物資搬入お疲れ様です。そういうのは
私に振ってくだされば良いのに。」

そしてちょうど出てくる所だった朽木先輩とはすれ
違い様に一礼して見送る。

鈴成静佳 > 同じ生活委員会の課同士、助けあって行かないといけないッスよ。フフッ。
これから暑くなるッスけど、くれぐれも健康管理を大切に。野菜をよく摂って、よく眠る。これだけで健康面はだいたいOKッスよ!
(隈の浮かぶ顔に若干不安を覚えながらも、にこやかに手を振って見送る)
ええ、またお話しましょ。またね、朽木さん!

鈴成静佳 > お、陽子さん。おつかれさんッスよ!(とりあえずお決まりの挨拶)
こういうお仕事は暇なやつがやるもんッスよ。気にしないで。フフッ。
(ダンボールの跡のついた手をプラプラと振りながら)
……っと、じゃあ保健室の番は陽子さんに任せていいッスかね? アタシ、これから学園地区の見回りもしようと思ってたんで。

嶋野陽子 > 「判りました。外は暑いので、
熱中症に気を付けて行ってらっしゃい。それこそ
冷蔵庫の経口補水液を1本持っていってはどうですか?」

と言って、鈴成を見送る陽子。

鈴成静佳 > お、そうッスねー。こうも暑いとやっぱりどこぞで倒れてる人もいるかも。
アドバイスありがと!(冷蔵庫から冷えた経口補水液を取り出し、バッグに詰める)

それじゃ、陽子さん、またねー!(保健室を去っていく静佳)

ご案内:「生活委員会本部」から鈴成静佳さんが去りました。
嶋野陽子 > 「お気を付けてー」
と、ゆっくりと手を振って鈴成を見送る陽子。

ご案内:「生活委員会本部」から嶋野陽子さんが去りました。
ご案内:「風紀委員会本部」に久藤 嵯督さんが現れました。
久藤 嵯督 > 本部のドアを開けた嵯督が目にしたのは、書類の山、山、山……
降り積もる紙のロッキー山脈が、デスクの上を支配していた。

―――何をどうしたら、たった一日でこんなに書類が溜まるんだ。

思わず頭を抱えるほどの衝撃だ。

久藤 嵯督 > 原因を説明してくれるものは、ここにいない。
あるものはあるものとして処理していくほか無いだろう。
思い足取りで自分のデスクの前に座る。

ガチリ、と体内で無機質な音が鳴った。

(まさかこんな事の為に外すことになるとは……)

 タ ガ
『限定』を一つだけ外し、思考能力を高める。
これに七つの思考回路を組み合わせることによって、仕事の回転率が格段に上昇するのだ。
ただし一段階でも外すと消耗も大きくなるので、使用後は必ず空腹状態に陥る。
暴飲暴食は好む所では無いので、書類仕事はなるべく省エネ運転で片付けていた。
が、この量を片付けるにはそうも言ってられないだろう。

久藤 嵯督 > 一見、把握、記入、確認。
一連の流れを介しながら、とん、とん、とん……と書類を片付けていく。

しかし減らない、減らないぞこいつ。
こいつはロッキー山脈なんて生易しいもんじゃあない。難攻不落の書類要塞だ。
このペースのままでは、定時にパトロールへ向かう事が出来ない。
この窮地を脱するには生に……もとい苦楽を共にする仲間が必要だ。

辺りを見渡す。イエス、アイアムロンリー。
普段はいて欲しくない時にばかりいるくせに、こういう時に限って揃って出かけている。

「……チッ」

小さく舌打ちをしつつも、その手は止めない。
止めたら止めた時間だけ後々自分が困るだけだ。

ご案内:「風紀委員会本部」に平岡ユキヱさんが現れました。
平岡ユキヱ > 「やー、お疲れ様です。平岡ユキヱ、これより風紀の任務を…」
バン、と元気よく本部に顔を出してみれば、あってはならない量の書類の山と、以前に出会った同級生。

「…そうか。取り込み中か。 久藤、頑張りなよ。ユキヱさんは心の中で応援しているぞ…」
満面の笑みで、じゃ、パトロールがあるんでとヒュバッと踵を返して立ち去ろうとする。
速い。とんでもなく、対応が速い。

久藤 嵯督 > どこかで聞いた声もさることながら、名乗られてしまっては入ってきた人間の特定も容易い。

「おい待て平岡ユキヱ」

さながら西部劇のガンマンの如く、引き止めの言葉を早撃ちで投げかける。
書類一辺倒になっているその顔には、歪なまでの笑顔を浮かべていた。

「お前には目の前ある書類の山が見えんのか?
 まさか俺一人に押し付けて帰ろう……だなどとは言わせんぞ……?」

 タ ガ
『限定』を一つ外していることもあってか、その声には気迫が重く圧し掛かっている。

平岡ユキヱ > 「…紙とにらめっこする暇があったら、現場で動くが有意義だとは思わないか?」
目が書類仕事は嫌でござる、と語っていた。
が、さすがに押し付ける気かと言われては逃げられないのがこの少女の損なとろこで。

「うるせー! てか、なんでこんなに書類がたまってんのよ!
 この委員会の庶務担当は誰だぁ!!」
そいつは切腹しろ! とギャーギャー喚きながら久藤の向かいの席に座るあたり、
観念しているというか覚悟しているというか。

ご案内:「風紀委員会本部」にメグミさんが現れました。
メグミ > 「お疲れ様ですー……あら?」

 委員会に顔を出しておきましょう。
 そう思えば己が所属する風紀委員会の本部へと足を運び、扉を開く。

 そうして騒ぐ二人の様子を見れば、呆けた様子で小首を傾げる。
 また、騒ぐ二人に眼が行って、書類の山には気がついていない。

「お二人様、どうかなさいました?」

ご案内:「風紀委員会本部」に蒼穹さんが現れました。
久藤 嵯督 > 「コイツをこのまま生かしておけば、いよいよ現場が回らなくなるぞ。
 現在外回りを担当している連中まで、書類整理に駆り出されてな。
 ほら、手を動かせ」

割と自分がそんな感じでヘルプに入っているので、なんとも実感の籠もったセリフであろう。

「まったくだな……………………待てよ」

並べられている資料の殆どは、全て既に捕まえた犯罪者のもの。
しかもその大半は、昨晩久藤が捕まえてきた者達についてのものである。
つまりこの資料の山、完全に久藤嵯督の自業自得なのだ。

(………こいつらには黙っておこう)

そして後から入ってきた風紀委員らしき人物に対して声を掛ける。

「えっと……誰だ? ええい、この際風紀委員なら誰でもいい…!
 書類が溜まってて人手が足りないんだ。至急、これらの処理に当たって欲しい」

蒼穹 > (風紀委員会本部に幽霊委員がinしました。)
(この間お説教されたし、一応顔も出しておこうとふらっとだけ、ちょっとだけの心算で。)

(メグミが入った後、こっそーっと彼女の後ろから顔を出す。)
(げ。結構集まってる。基本的には全員名前もどんな人間かもこちらからは一応知っている。)
(向こうが知っているかどうかは分からない。だって幽霊風紀委員だもの。)

やっほー…皆々様、おつかれーい。
どーかした?

(今の今集ったばかりの三人のシチュエーション。)
(何だかコメディーを見ているような気分である。特に久藤と平岡。)
(静と動の均衡というか。なんというか。)

(こちらも書類には気が付かない。)
(そうもそも、書類に気が付いたら「面倒事は御免」とすぐ退散するだろうけれど。)

平岡ユキヱ > 「あっ、メグミ先輩。丁度いいところに…!
 無敵のフェアリーさん達の力で、この書類の山をなんとかしてくださいよぉー!?」
大惨事の予感がしなくもないが、速攻でユキヱがヘルプを出す。 >メグミ

「あと、だ…いや。お疲れ様です。あ、あなたこれをお願いね?」
どーん、と山盛り書類を満面の笑みで蒼穹の席(*今作った)に置いて取り分ける。
知らぬ相手だが、勝負は先手必勝。この書類地獄がさも風紀のありふれた自然(にちじょう)であるかのようにふるまい…。
巻き込むしかあるまい。 >蒼穹

蒼穹 > え、ちょ。はぁ?!
(や ら れ た 。さり気に今「誰?」って聞きかけてたよね?)
(負けた。先手必勝の暴力に負けた。憎い、このギャルとっても憎い。)
ひらおかゆきえてめーッッ!!許せぬ…っ!!
(睨む。腕捲りしながらぐぬぬ顔で睨む。そう言いながらも今作られた席に着席する。)
うひゃあ…。
(何でこんなに山積みなんだ…。)

(いやまてよ、ここにいる誰もが己の存在を知らないかも…?)

…ごめんなさい、私本当は公安委員なんです間違えました。
(もう座った。もう彼女の名前を呼んだ。もう全ては遅い。巻き込まれた。)>平岡

久藤 嵯督 > (退路を塞いだか……やるな、平岡)

アイコンタクトで賞賛を送る。

「どーしたもこーしたも無い。まずはこれだけ片付けておけ。至急な。
 逃げたら職務怠慢と見做す」

名も知らぬ幽霊委員のものと思わしき席に、自分の机にある分を更に取り分ける。
もちろん自分にそれを決めるだけの権限はないが、こういうのは言ったもん勝ちだ。

メグミ > 「あ、申し遅れました。
 私、先日常世学園ならびに風紀委員に復帰したばかりのメグミと申します。
 何卒、宜しくお願いしますね。」

 切羽詰まった様子にもあまり動じた様子はない。蒼穹と久藤へ暢気におっとり、ぺこりと礼をする。
 そうしてから周囲を見て、改めて言葉と書類の山に意識が向いた。

「はい。分かりました。確かに、これは大変ですね……
 書類仕事なら、お任せください。筆を握るのは得意ですから。」

 ともあれ机に向かい、書類の山に取り掛かる。

「ユキヱさんも、お疲れ様です。火傷の方、大丈夫ですか?
 ……ええ、この際ですから簡単なものは任せちゃいましょう。」

 くす、と、笑ってから紙束をざっと捲って、判子だけで済むものと、そうでないものに分別する。
 そうしてから 指で魔法陣を描く。

"お願いします、妖精さん"
(Summon.Brownie)
 
 ……3体程の小さな妖精を呼び出して、召喚した妖精さんに判子作業を行わせる。
 メグミ自身は淡々と書類仕事に取り掛かる。1年の経験があるのか、はたまた魔術師だからか、
 書類の山に臆する事はなく、慣れた手つきで仕事を進めている。

平岡ユキヱ > 「そうか。だが関係ない。この島、ひいては学園の一大事よ。
 風紀の機能マヒを防止するため、どこのどなた様であろうが可及的速やかに
 この脅威への対処に『共同』で対処してもらう」
いやに事務的な文言が飛び出す。 させねえよ! とニヤリと笑っている気がするが、
ブラフかあるいは本当に蒼穹の名を名簿で知っているのか、悟られないようにしているようで。 >蒼穹

「オ○ナイン塗ったから大丈夫です!」
メグミの言葉には、そう元気に答えた。

平岡ユキヱ > 「やった! メグミ先輩が一番頼りになる!」
今日帰れるよ! とすでに書類で忙殺される前提の発言が飛び出すが、
やはりこういう時に先輩の存在は心底ありがたいと感じ入っていた。

蒼穹 > ふ ッ ざ け ん じゃ な い よ ッ !!
(げきおこです。とりあえず不要そうなどうでも良い書類を一枚ピックアップ。)
(『宗教団体○○への勧誘』とか絶対これいらなさそうだなって紙を魔力で一瞬にして灰にしながら。)

うえええー…。
(更に増えた。この無愛想で有名な男も憎い。くっ、軽く顔だして幽霊払拭するつもりが何たることに…!)>久藤


ん、どうも。
今更だけど蒼穹《ソラ》です。まぁ知らない人が殆どだよねぇ…。
って事で一応名乗っておくよ。メグミと御呼びしよっかな。
(軽く自己紹介を返しつつ。小さく頭を下げる。)

…あ、便利だね!私のも御願いしていい?!
(手慣れている。サボり気味の己とは違って。)
(こんな風に知性的な者を召喚して処理に取り掛かるのは己には出来ない芸当だ。)
(手を叩いて賞賛しつつ、とりあえずそれにあやかろうとするのであった。)>メグミ

おいおいおいおい…。
『共同』だぁ?外道すぎんだろ…怒るよ?まじで怒るよ?
はぁ、…くっだらなーい。分かった分かった。やりゃあ良いんでしょやりゃあ。
(凄い怠そうに立とうとした席につく。)
(そらから不要そうな『もやしの栽培方法』についての黄色い書類で紙飛行機を折り始めた。)
(そそくさと平岡の担当する書類の山に、隙あらば己の書類を少し押し込めようと。)>平岡

久藤 嵯督 > 聞こえてきたのは、初対面の者の名前。
であれば名乗り返す必要がある。書類に書き込む手を止めずに、簡単に自己紹介をする。

   クドウ サスケ
「俺は久藤嵯督、6月中旬に転入してそのまま風紀委員に入った者だ。
 どうぞよろしく。書類もな」

礼儀正しい子だな、というのがメグミに対する第一印象だった。
おまけに妖精との連携行動もよく出来ている。

「ほう、やるじゃないか。その調子でやって貰えると大いに助かるぞ」

ようやく、希望が見えてきた。

メグミ > 「オ○ナインって塗るものでしたっけ……?
 いえいえ。後輩さんにも良いところ見せたいものですから。ユキヱさん。」
 
 脳裏にオ○ナミンを想像しながら、周囲の様子をあまり気にする事なく書類作業を進める。
 褒められたり頼りにされると、ちょっとくすぐったそうな声と笑みを零した。

「はい、久藤さんにソラさんですね。
 復帰したてで近状については分からない事が多いですが……お二人とも、宜しくお願いします。
 
 にしても、褒められると照れてしまいますね。一応これでも、召喚師ですから。
 ……あ、それでは判子重点のものは此方でお預かりしましょう。書類の方、持ってきて頂けますか?」

 一度ペンを止めて、ソラから書類を受け取る素振りを見せる。
 一方妖精さんたちはぺったんぺったん。楽しそうに仕事を進めている。

平岡ユキヱ > 「一緒に苦しみを分かち合うのは仲間の証!」
すごくいい笑顔のまま、あざーっす、と声だけは元気にお礼をのたまう。 >蒼穹

そんな事をしながら、書類と格闘しつつ、判子を押したりなんだしながら。
「気のせいかな…。ユキヱさんの書類、減ってねー気がするんだけど」

蒼穹 > (妖精さんがあくせくと、それでいて楽しそうな様子は微笑ましい。)
(この書類の山の地獄に一本の光が差し込んだ。)
あっはは、ありがたいね。
んじゃあちょっとまってね。
こいつとこいつは各項目に丸つけてハンコするだけでいいやつ。
んで、これはハンコだけで良い。
あ、これは、五段階評価で―――
(何にしても考えて文章記述をする必要がなさそうな書類を持っていく。)

おぉ…。
(それだけで大分減った気がする。
あとは適当に処理の必要もなさそうなチラシ広告っぽい書類を焼き捨てるのみ。)>メグミ


痛み分けですか平岡さん。えぐいね。
(苦笑いしながらも仕方ないねぇ、と手を振る。)
さぁ?何処かの誰かが増やしているんじゃないかなぁ?
(よし、ばれてない。記述が必要な書類とか『ロストサイン』だの『フェニーチェ』だのがかかれた書類をおしこめよう。)
(そ知らぬ顔で口笛でも吹きながら、平岡が目を離す隙を伺って重要っぽい記述書類をおしこめようとする。)
(一刹那よりも短い時間に。サッと。)
(別に彼女に恨みはないが「苦しみを分かち合う」ってほかならぬ彼女が言ったんだから仕方ないよね。と、横暴な理論を展開して。)>平岡

久藤 嵯督 > 「皆のお陰で、あれだけあった書類もかなり減ってきている。
 このまま行けば、必ず終われる。もう少しの辛抱だ」

などと書類の元凶が申しておる。
左手の糸を操作して棚にあった滋養強壮ドリンクを瓶に巻きつけると、各員の目の前にぶら下げた。
糸は、本部の天井を蜘蛛の巣のような複雑さで絡み合っている。

「……フ、フッ、誰が何の為にそんな事をすると言うのだ。
 冗談ならもっとマシなものを思いつけ」

『何処かの誰かが増やしているんじゃないか』と聞こえれば、少し動揺しつつ。

メグミ > 「ふふ。判子の分が減ったのもあるかもしれませんが、
 項目別に分けるだけでも不思議とすっきりして、やりやすく感じるでしょう?」

 優しくソラに語りかけながらも、渡された判子書類を妖精さんに追加する。
 何故か混ざっていたもやし250g15円、豚こま100g48円のチラシが燃える。
 閑話休題。

「はい。大分時間が経ちましたけれど、その分書類仕事にも終わりが見え始めてきました。
 ユキヱさん、ちゃんと減っていますから、頑張りましょう。……あら?このドリンクは頂いても云いのでしょうか?」

 ともあれ未だ視線だけで栄養ドリンクを一瞥しつつも、書類仕事を続けている。

平岡ユキヱ > 「作ってるトコは同じですけど、たぶん、先輩違うのを想像してますよ…」 >メグミ
先輩の言葉に何やら妙な引っ掛かりを感じつつ、作業を続ける。

「見ないで判子押していいなら、私も速いんだけどねー。
 異能パワーで、そこらの印刷機よりは素早く片づけられる」
ハンコを押すという動きを覚えて再現を続ければ…瞬殺よぉ! と邪悪な提案を一丁。
人それをお役所仕事と呼ぶ。

「…おいぃ!? なんか風紀としての所感とか意見とか、
 記述が必要そうな(面倒くさい)書類が固まってるんですけどぉー!?
『フェニーチェ』、『ロストサイン』…? 重要じゃないこの案件!」
これはほかの案件と混ざっちゃやばいでしょ! と栄養ドリンクをひったくりながら、いちいちうるさい。

久藤 嵯督 > 左手できりきりと糸を操作しつつ、右手の作業速度は一向に落とさない。
この程度のことならば、片手間でも十分出来る事だ。

「いい。誰のだかは知らんが、後で俺が買い足しておく。
 それと、重要案件の書類は俺が処理する。その辺りのものはこっちに回せ」

それらの中に、何か見落としている情報があるかもしれない。
情報の管理はエージェントとして怠れない事なので、こういったものは積極的に請け負うのだ。

書類に混ざってた『犬かふぇ』のチラシを見つけると、そっと折りたたんでポケットにしまっておいた。
思わぬ収穫、心の中でガッツポーズ。

蒼穹 > (ちら、とぶら下がったドリンクに目を馳せて。)
お、おう。ドリンク。どうもどうも。
滋養強壮剤…ってかこれあれじゃない?ハブとか入ってるヤツじゃ…。
(基本、己がやるのは不要な書類を焼くだけ。)
(こういう時、破壊魔法って便利だけど残念ながらメグミの召喚魔法の方が絶対書類処理では分がいい。)

ん、これもこれもこれもいらなーい。
そうだねー…乱雑だったらどれをどう処理するべきかってとこからはじまるし。
ってか山積みにするのいけない。
(うんうんとメグミに同意しながらも適当に山積みになっていた書類を思い起こせば程々に批判の一声。)

よっしゃー!上がりーっ。
(それから、己は残った何ら処理の要らない書類を一気に焼き上げて、上がり宣言をした。)

(今さっき名乗りを上げた久藤に割と名の知れている違反組織から、
『フェニーチェ』だの何だのと書かれた書類、強行捜査計画の書類などを山の上へと置きつつ。)
(その際、久藤が可愛らしい犬の書かれた書類らしきものをポケットにしまうのを偶然にも見ると―――)

あ、それ要らない書類だよね、こっちで焼いとこっか?

(―――空気を読めぬ発言であった。彼がそれに興味を示している等とは露とも思わない。)

メグミ > 「ええ、お疲れ様です。ソラさん。
 でも、燃やすと火事になって危ないですから、紐で縛ってまとめておいてくれるともっと嬉しいです。」

 燃やすソラを見れば、一つ苦笑しながら声を掛けた。
 強い性質を持つ魔法が行使されたと判断した故に、やんわりと声を掛けたのかもしれない。
 延焼の危険はないだろう。内心ではそう思っているものの。

「あら……?」

 違うもの、と言われると不思議そうに小首を傾げる。
 脳内では栄養ドリンクをぶっかけるユキヱが脳裏に浮かんでいる。

「確かに、これみたいな栄養ドリンクを掛けるってのは違和感がありましたが……」

 そう言いながら、久藤からの差し入れの栄養ドリンクを開けて飲む。
 スムーズに開けて飲み干し片付ける仕草は、何か手馴れている、気がする。

 尚、ちゃっかり判子を押せない案件は概ね一瞥で判断し、抜いている。
 一瞥故に時折抜きそびれがあるものの、嫌な感じが書類する書類には妖精さんも直感からか、
 『これほんとうにいいんですかぁー?』みたいな素振りで手を止めるのでそれを取り除く為、
 変な事は多分起きないだろう。

「あ、久藤さん。こちらにもロストサインとフェニーチェ関連の書類が数枚。
 中身を読んだ限り復帰したての私では少々荷が重いので、宜しくお願いします。」

 近状且つ重要な案件は今の私には手に余る。
 その内近状を調べておかないと思いながらも、妖精に書類を持たせ久藤に向けて飛ばす。
 

平岡ユキヱ > くどーん(*久藤のことだ)、かっこいい~! と力一杯媚びへつらった満面の笑みをしたためて
アハハウフフと重要書類にそうでもない書類を含めて、どふんと大雑把に渡した。 >久藤

「やれやれね…。危うく一人だけ書類作業による過労で爆発四散するところだったわ。
 風紀の仕事は全く油断も隙も無い」
涼しい顔をして、ふふぅ。と額のかいてもいない汗を拭う仕草をして
お茶でも入れようかしらと涼しい顔をしている。

「あ、メグミ先輩、ここらでお茶でも入れましょうか?」
おそらく本件のMVP兼、最大の癒し要素たる先輩に、そんな提案を。

久藤 嵯督 > 「昨日見たが、確かオール漢方だったハズだ。女子はハブだと飲み辛いのか?
 それとこの書類は俺にとって非常に重要なものなので、厳重に預からせて貰う。絶対に燃やすなよ」

フリではない、決して。

「ヘンなあだ名を付けるな! それとそうでないヤツまで混じってるだろこれ!
 ああクソ、手が回らん……」

回された重要書類に目を通しては、淡々と処理していく。
一枚一枚を確実に、かつ手早く。

「……目新しい情報は未だ見られず、と」

そんな中突如、ジャイアントな腹の虫が唸り声を上げる。
ここに来てエネルギーが切れ始めたか。
それ以前に、自分は今かなりの大恥をかいているのではないか?

「………ああ、いや、うん。気にせず続けろ」

だがここで最も危惧すべきなのは、『じゃあ自分買出し行ってきます』と言ってここから逃げる口実を作られることだ。

蒼穹 > んや、こいつの炎はちょっと特殊でね。
二酸化炭素も燃え移る事もないエコな炎だよ。
心配ご無用。炎なのは見かけ倒しで、実際には燃えてないんだよね。
…といっても、そう言うならひもでくくるけどね。おつかれー。
(得意気に自らの魔術についての注釈を述べつつ。)
(何か優しくて丁寧な人という印象がおぼろげながらも沸いてきた。)
(御想像の通り、延焼の危険はない。)

いやはやしかし…随分と高等な召喚魔法だねぇ。
(行動全てに妖精さんを上手に絡めている。結構只者ではないのかもしれない。)
(そういえば、最近復帰したばかりと聞いたけれど、物騒なことにでも巻き込まれたのだろうか…。)>メグミ

いやさぁ、ハブってホラ、グロいじゃん?
…は、はい?え?…そう、重要。
え、そうなの?
(解せぬ。この男犬好きだったのか。)


さってと…。
(ちらちらと各々の面子と表情を伺う。タイミングを見計らって帰ることが重要。)
(私は今帰りたい。)
(この場において、それを妨げる要因は二人。久藤と平岡。)
(メグミは優しいから良いとしてこの二人絶対に逃がしてくれなさそうだ。)

メグミ > 「やっぱり、そうでしたか。
 いきなりそうした時は流石に驚きましたけど、凄い魔法使いさんなんですね、ソラさん。
 ええ。召喚術でしたらそれなりに自信がありますから。今は病み上がりで鈍っていますけど、此れ位なら。」

 召喚術に興味を持たれれば、自慢気な笑みを浮かべる。
 自分の得意分野に興味を持たれるのは嬉しく、同時にそれだけの自信もあるのだろう。

 ともあれ、一度書類へ走らせる筆の手を止める。そして、大きく息を吐く。

「――ええ、この辺りでょっと休憩を入れて、お茶とお茶菓子で軽いお茶に致しましょうか。
 私も手伝いますから、ユキヱさん、一緒にお願いできますか?」

 ゆっくりと腰を上げて、ユキヱの方へと向き直る。
 そしてのんびりと棚の一つを開けば、小首を傾げた。

「そう言えば、一年前はここにお茶菓子が……ないですね。
 前は此処だったと思うんですけど……」

 あら、と、一つ零し、きょろきょろと探し始める。
 場所が変わったのかもしれないし、単純にお茶菓子が切れているだけかもしれない。

平岡ユキヱ > 「…。お茶じゃあなくて。出前でもとった方がいい流れ…?」
何だ今の…。と、久藤の腹の音に困惑気味に驚く。欠食児童か何かだろうか。

「…」
ちらちら見られる蒼穹からの視線には、ニヤリとただ不敵な笑みを浮かべて返す。
どうも所々見落としていたり、隙を突かれているのは間違いないようなのだが、
蒼穹の動きや仕草に、注意を払っているのは疑いようもない。

なんだ、もう帰っちまうのかい? となんだかよくわからないノリで、
「延長戦」とルビがふられそうな書類の影が…。ユキエの手元でちらついているような。

「メグミ先輩、発見しました! お茶菓子はその待機任務中において散華したであります!」
賞味期限きれてらあ! と水回りや備品の冷蔵庫のあたりにある棚から、
去年に期限が切れた煎餅などの類が掘り起こされたか。

久藤 嵯督 > 「菜食主義者かお前は。毒でもあるまいし、味だって一気に飲めば気にならんだろう」

そうなのかと問われれば、さも当然のように答えた。

「そうだ。これは決して俺が犬が好きとかのアレじゃあなくてだな、
 説明すると長くなるので、今は目の前の仕事に集中しろ。手が空いたならこっちから簡単そうなやつを取っていけ」

そこで休憩を提案されると、自らもまた手を止める。

「メグミの言う通り、一度休憩を入れるべきだな」

そしてすぐさま、『菓子がない』という言葉を聞いて凍り付く。
しまった、ご飯なら出前を取ればいいが菓子の出前は中々聞かない。
平岡の発見した菓子に至っては全滅している。

これは間違いなく『誰かが買い出しに行かなければならない』流れっ……!

「……よしわかった、俺が購買まで買いに行ってやろう」

先手必勝! 一目散に、出口のドアへ手をかける。

蒼穹 > ありゃ、"やっぱり"ってか。知ってたんだ。
あっはは、そりゃメグミもじゃないかな、メグミは魔法使いって言うんじゃなく召喚士ってとこみたいだけど。
病み上がり?ふぅん…何かあったんだねー…。
…ま、最近といわずずっと物騒だもんね、特に風紀委員なんだし仕方ないと言えば仕方ないか。
どうよ、今度リハビリ兼ねてどっかで遊んでみるかい?

(それなりの自身もありそうな表情だし、おきまり訓練戦の誘い文句をにっこりとメグミに。)


平岡ゆきええええ…っ!
(来ました書類第二波。表情が歪む。ぐぬぬと歪む。まるで不敵な笑みに屈するかのように。)
(だめだ、この金髪は言い知れぬ"威圧感"の使い手。帰りたいという言葉を言わせるのを封じると同時に、)
(書類をちらつかせるだけで己の行為を封じた。…平岡ユキヱ、やり手である。)
(彼女は案の定己が逃げられない要因になった。)

(しかし、彼女のちらつかせた書類が要らなさそうな『成川空港無料券』の広告だ見ると…。)
破壊魔法・第一術式「滅の矢」
(真っ黒な矢を彼女の手スレスレに書類に向けて撃ち放つのだった。)
(小さな存在の幽かな抵抗。)

くどうこいつ…。
(分かった分かったと乱暴に書類の山を持っていく。彼が犬好きだったという事を
茶化す気も起きない様な返答であった。なので渋々引き下がろうか。しかし―――)

(バン!と書類を叩きつける。)
いや、私が行こう。私が。
(一歩遅れて挙手をした。逃げたいです切実に。)

メグミ > 「一応、魔術の類もそれなりに出来ますけれど、お相手になれるかどうか……
 ……そうですね、今度胸を貸して頂く事にしましょう。宜しくお願いしますね、ソラさん。」

 誘われれば丁度良いと、ぺこりと頭を下げた。

「あらあら、いくら賞味期限といいましても、
 出来る事ならあまり食べたくないですね……」

 ユキヱの発見したお茶菓子群を見て、溜息を一つ。
 どうしたものか、と思案しつつも緑茶と紅茶の準備を始めた。

「出前、と言う手もありますが……
 ……そうですね。ここは……あらあら……
 それでは、お二人で行かれてはどうでしょう?」

 二人が買い出しに行こうとする流れに思わず苦笑しつつも、提案を一つ。

平岡ユキヱ > 「うわあぶなっ!?」
ギャーと、蒼穹の放つ黒い閃光に叫びながら思わず身を引く。異能が発現したか、不自然なほどに素早く、
挙動の一部がテレビゲームのキャラクターのように欠落していたが。本人に意識はない。

「…やるじゃない」
書類がこの世から消えるのであれば互いにウィンウィンだ、いいね?
と談合を促す悪徳コンサルないしは不埒な議員のような笑みをしたためた。これはこれで、良いらしい。
何せ自分の手を汚さずに不要な書類をこの世から抹殺できたのだから。

ババン、とこいつも書類をたたきつけて。

「…もう! 水臭いわね! 私も一緒に行ってあげる!
 べ、別にあんた達が行き倒れないとか心配しているわけじゃないんだからね!?
 勘違いしないでよ、ばかっ!」
八割ほど悪乗りで便乗している風紀委員。

蒼穹 > ん、こちらこそ。楽しみにしてるよ。
といっても満足してもらえるかは私も分かんないけどー。
っていうか召喚魔法も普通の魔法もできるのね…。
(誘いに乗ってくれたなら小さく頭を下げる。)

―――こほん。
二人になるならやめておこう。
(ダメだ、この人と行ったら絶対に逃げられない。)
(逃げられないどころか会話もできそうにない。何せ人とあまり関わりたがらないという事は知っている。)
(故に退却する他なかった。)
(あれ?メグミは私の味方じゃなかったのか…?これではまるでメグミまで私の逃げ道を封鎖しているようじゃないか…?!と、冷静に振る舞うも心中では若干動揺している。)

メグミ > 「あら、あら、三人共ですか。
 ――そうですね。気分転換に皆で買いに行きません?」

 外の空気を吸うのもいいでしょう。
 そう、提案するだろうか。

久藤 嵯督 > 「テンプレート通りのセリフをどうもありがとう……
 しかし全員でか、そりゃあいいな。皆で見て行けば好みにあったモノが買えるだろうし……
 全員で行くとしようか」

―――勝った。

少なくとも最低三人の見ている前で逃げるような真似はしないハズだ。

蒼穹 > すげー…。
(真っ黒な矢を避けた。)
(素早い。実に素早い。といっても音速もない矢を避けるのは簡単か。これまで何度も避けられてきたし。)
(何にしても速い。これはこれは…。)
ゆきえさんは何者なんだ…。
(書類はこの世から消えました。)
(彼女は手を汚していません。手を汚したのは私です。)
(ひらおかきさまぁああああ…!!と言いたい気持ちを押し黙る。)

蒼穹 > あっははー♪皆行くなら…わ、私は残―――
(きょろきょろと3人に目配せする。「皆行くなら私だけ残る。」(そして帰る。)と言いたかったが…。)
(あ、もう決定事項でしたか。そんな事を言える空気ではなかった。)
(こんな言葉を言える空気ではなかった。そう、腐った邪神の蒼穹さんは―――)

―――行こっか。全員で。
(―――負けました。綺麗さっぱり。)
(全員で行ったら絶対に帰れません。100%。撃沈したように頷くばかり。)

平岡ユキヱ > 「何って…。この世界のただの人間よ」
わはは、と蒼穹の問いには明るく笑った。

「メグミ先輩がいいっていうなら、決まりでしょ!
 それに…久藤、あんたには大量に必要そうだし?」
イヒヒと少し意地悪そうに笑うと、はい書類作業は一時中断でーす! と勝手に業務を打ち切る!
もう仕事は終わりだぁ!

メグミ >  三人の反応を見て、くす、くす、と微笑みを見せる。

「それでは参りましょうか。焦っても良い事はありませんから、
 買い物してお茶を入れて、それから頑張ってしまいましょう。」

 にっこりと微笑んで、扉を開けるだろうか。
 その後はお茶菓子を買ったり、お茶を入れたり、残りの仕事をしたであろう、恐らく。

蒼穹 > この頃切実に思うんだけれども…。人間って、人間やめたのかなぁ…。
(学園に来てからいろいろな出来事を思い返す。)
(人間って何だろう…と。)

(一時的に作業から離れられるのはいいとしても…こりゃ当分逃げられそうにない。)

(だけれども、一時の休息、買い物だけは楽しんだのだろうか―――。)

ご案内:「風紀委員会本部」からメグミさんが去りました。
久藤 嵯督 > 「茶化すなよ、この後だってまだまだ仕事はあるんだ。
 あくまで休憩だということを念頭に置いておけ……」

買い物に行く道中、もう一度腹の虫を鳴らしてしまう。
その事で何かと弄られた……かもしれない。
何にせよ、頼れる仲間たちが来てくれたお陰で仕事は捗ったことだろう。

平岡ユキヱ > 「領収書って、どういう但し書きで貰えばいいんですかね?」
経費で落とす気満々のようだ。

その後については…。

真っ白に燃え尽きたユキヱさんが、風紀の本部でぐったりしていたとか。
書類業務を甘く見てはならない。この事件こそ、後に語り続かれるかもしれない、
『風紀四天王なんとか書類地獄の変』である…。

ご案内:「風紀委員会本部」から平岡ユキヱさんが去りました。
ご案内:「風紀委員会本部」から蒼穹さんが去りました。
ご案内:「風紀委員会本部」から久藤 嵯督さんが去りました。