2015/09/14 のログ
■流布堂 乱子 > 「……いえ、その。」
ほんの少しだけ、言葉を失っていた。
これが、上下関係をわきまえた後輩から、いの一番に出るべき発言なのだろう。
今までの自分の態度と比べればあまりにも違いがあった。
「むしろ、心配になる、というか…」
ふるふると首を振った。そういうことは今ここで言うべきではない。
さっき言わないと誓ったのだ。
たとえこの少女にどんな重荷を背負わせようとも。十時間ほど監視カメラの映像を再生し続けるとか。
「いいえ。全く構いませんよ。先輩に任せてください。」
窮屈だからと開けている前ボタンの上から、胸をとんと叩く。
先程よりほんの少し自然にほほ笑みを浮かべて、自信ありげに乱子は言う。
「まあ、これまでの環境と違う環境に身を置くことも良い経験に生ると言いますから。
とはいえ面倒が多かったり、学業に身が入らないということでしたら引っ越しを考えるのも良いのでしょうけれど。」
歩き出して、『学生通りの路面電車にでも乗って、居住区まで向かいましょう』と促しながら。
乱子は話を続ける。
「薙さんは一人暮らしのご経験はお有りですか?恥ずかしながら私は一度もないのですけれど」
後輩となるかもしれない少女が歩いてついてくるならば、もう一度その腰の佩刀に目をやって、その微笑みの意味について、
考えるまでもなく理解する……のかもしれない。
――それは共感できる笑いだと感じていた。
「もしも機会があったら。貴方が無事に後輩になれましたら。
いずれご案内します。一応、複数人で行く規則にはなっていますので」
■薙 > 「…?」
言葉に詰まったような様子と、むしろ心配な、とか聞こえた気がしてその顔を伺おうとしたが、
別に今堀探る必要があることでもないのか、学生通りの駅へと歩みを進める先輩の背中についていく
風紀委員のこと、一人暮らしのこと、落第街のこと───
『これから』のことに言葉を交わしながら、委員会街を後にするのだった
ご案内:「委員会街・裏通り」から薙さんが去りました。
ご案内:「委員会街・裏通り」から流布堂 乱子さんが去りました。
ご案内:「委員会街・風紀委員本部」に薙さんが現れました。
■薙 > 「これが腕章に、帯刀の許可証…」
事務所で事務員の説明を受けているのは先日委員会街で迷子になっていた少女である
この学園都市に警察組織として風紀委員が存在すると知った時から、
学園に転入したら風紀委員に志願しようと心に決めていた
今、手元にはその証となる腕章がある
■薙 > 先だって案内をしてくれた先輩に進められた刑事課ではなく、特別攻撃課へ志願した
それもそのはず、少女が風紀委員に志願した理由は───
『それでは2、3設問を…どうして風紀委員に?』
事務員のなんとも抽象的な質問である
人手不足ということで入隊はあっさりと決まったものの、
本人の資質によってはその後の扱いが決まる…といったところだろう
「人々の細やかな平和と笑顔を、理不尽な巨悪から護るためです」
一粒の躊躇もなくはっきりとそう答える
よい心構えですね、という返答をもらい、その後もいくつかの設問を繰り返しながら
30分ほど経っただろうか、上に提出するらしい書類も整ったようである
制服のサイズがちょうど切れているらしく、数日後に連絡します、ということだった
■薙 > お手本のような受け答えをつらつらを答え、なんなく風紀委員として一歩を踏み出した。
他にも注意事項をいくつか聞き出すと、現在落第街にはよほどのことがない限りスリーマンセルで出向くようだ
要するに、単独では、武装が許された風紀委員ですら危険な相手がいるということだ
まったく治安の悪いことである
腕章ももらったしもう用はないのだが、せっかく本部に来たのだ、
色々見らさせてもらおうと思いウロウロしはじめる
一組織のロビーとしては広めな感じもする入り口に戻ってみると、
先ほどと変わらない面々が入り口の警備に立っている
…こういう仕事は嫌だな、と思う
やはり最前線で、巨悪と命スレスレの斬り合いをしてこそだ
きょろきょろと見回すと自販機と、その側に座れる休憩場所のようなものを見つける
■薙 > 自販機でお茶を買って、椅子に座る
窓から外、委員会街の様子がよく見える
コンコンと硝子を叩いてみると、普通の硝子ではなさそうだ
敵性存在からの襲撃も考慮されているのだろうか
本部だけあって、色々なものが仕込まれていそうだ
しばらく眺めていると、結構出入りが激しい
風紀委員はそれなりに多いようで、イカつい男から自分と同じような年頃の女の子まで幅が広い
みんな腕章をしっかりとつけている
風紀委員を象徴する大事なものなのだろう、
これをつけて、ようやく他の場でその権限や立場を発揮できるということだろうか
ご案内:「委員会街・風紀委員本部」に霜月 芙蓉さんが現れました。
■薙 > 「(うわ…今のヤツほんとに学生ですか…?2メートルとかあるんじゃ…)」
「(えぇ…あんな小さい子まで風紀委員…?どうみても小等部の子供じゃないですか…)」
「(なんか今、肌が青い人が通ったような…もしかして人間じゃなくても学生なら風紀委員になれるんでしょうか…)」
入ってくる人間出てくる人間を観察しそのたびになかなかカオスな組織だなという感想が湧いてくる
人手不足というのはなかなかどうして、本当らしい
■霜月 芙蓉 > 今後の仕事に関してどうするか、の相談などをするために来て、色々と話し合った帰り。
なんだか見たことのない人がいた。
「こーんにーちはー?」
腕章を持っているので風紀委員だろう。だとすればちょっとお話ししてみたい気もしたので声をかけてみる。
■薙 > 「こんにちわ」
じ、とその腕章へ目線が行く
見たところ年齢もそれなりに近そうだし、間延びした挨拶からは考えにくい妙な雰囲気も一応持っている
少なくとも実戦経験のある先輩であることは見てとれた
「風紀委員の方みたいですね…先ほどから見ていると、女性の方も多いようで…」
■霜月 芙蓉 > 「あはは、この学園って男女問わず強い人は強いからねー。
その分、風紀も、違反する人も層が厚いんだ」
笑いながら隣に座る。にこ、と笑いかけつつ、とりあえず聞いてみる。
「風紀委員、だよね。新入生さん?」
■薙 > 「まだ転入してきたばかりです。たった今風紀委員への登録が済みました」
笑いかけられたのでこちらも表情を少しだけやわらげ
「男女問わずどころか老若幼はてには人種や非生物すら問わないようですが」
缶のお茶を口に運んで一口飲み、目線を向け直す
「(…筋肉のつき方が常人と少し違いますね。特殊な武道を嗜んでいる…体幹のバランスや足運びから見て‥おそらくは実戦を考慮された、スポーツではない純粋な弓道…というところですか)」
まじまじとその姿を見る
■霜月 芙蓉 > 「ん、なんか私気になる?」
まじまじと見られると小首を傾げて。
そのまま、ついでに忘れてたことを済ませてしまう。
「あ、私は霜月芙蓉っていうんだ。貴女は?」
自己紹介。タイミングを存外逸しやすいものだが、やらないのはやはり失礼だろう。
■薙 > 「薙(ナギ)です。よろしく、芙蓉さん」
じぃ、と見つめて
「いえ…気になるというか、戦闘能力が低そうだなと思っただけです。
これでは犯罪区域に一人では向かわせられないわけですね」
そう言うと目線を外し、お茶を口に運ぶ
■霜月 芙蓉 > 「うぇ、いきなりご挨拶だね!?」
びっくりだ、いきなり戦闘能力が低そうとは。
まあ、最近ちょっと自信がなくなってきているとはいえ、実戦を意識して鍛えてきた芙蓉である。ちょっとむすーっとしてしまう。
「一応、これでも結構鍛えてるんだよ!?実戦も経験済みだからね!?」
主に退魔の仕事で、だが。そちらはチーム戦であることが多いので、一人では向かわせられないという言葉への反論にはならないのだが、そこは密に、密に。
■薙 > 「気になってはいたんです。
いくら人数不足とはいえこれだけの設備と、多くの異能者を保有する風紀委員。
もう少しレベルが高い戦闘集団だと思っていたのですが、正直少々落胆しました」
コト、と空っぽになった空き缶を窓際に置く
「犯罪者から非戦闘員の命と財産を守る存在として、
鍛錬や実戦など日常であるべきです。誇ることではありませんよ、芙蓉"先輩"」
じぃ、と漆黒の瞳が芙蓉を見つめる
■霜月 芙蓉 > 「む、むぅ……いや、でもとりあえず貴女はそれ以前だよね!?礼儀とかいろいろ!」
武門では礼節も教えられる。その常識に当てはめるのが正しいのかは不明だが、そんな芙蓉としては、いきなりこんな無礼は驚きを通り越して困惑するレベルであった。
「じゃあなんなの、薙ちゃんはそんなに自信ありなの!?」
ここで冷静になれないあたり未熟であるが、ぷんすこと問いかける。
■薙 > 「本当のことを話すのは礼儀知らずである、ということですか?」
目を伏せ、肩を竦めて見せる
「自信がなければ特別攻撃課へ志願はしません。
…どちらかと言えば、先輩はあちらの事務仕事等のほうが向いてそうですね」
ちら、と受付のカウンターのほうに視線を送る
■霜月 芙蓉 > ピキッ。
武門霜月家、そこで一応天才とまで言われた芙蓉である。
そりゃあちょっと自信喪失気味ではあるが、それが吹き飛ぶくらいに怒りが爆発した。
「貴女ね、一人で何でも出来ると思ってるんだろうけど、そんなの間違いだからね!
風紀に大事なのはチームワーク、不必要に他人を馬鹿にして不和を起こす人が、仕事なんて出来るわけないじゃない!まずは常識を身に着けて来てよ!」
割と一部ブーメラン発言ではあるが、しかし風紀として活動する中で学んだことである。
それを示してやるのも、一応の先輩の務めだろう。
……それ以上に単純に怒ってるが。
ご案内:「委員会街・風紀委員本部」に流布堂 乱子さんが現れました。
■薙 > 「本当のことを指摘されて怒鳴り散らすというのは、やはり鍛錬が足りません。
武道を嗜んでいるのならば精神修行の大切さもわかるはずですが…」
ふぅ、と喚く先輩にじっとりとした視線を向ける
「馬鹿にしてはいませんよ、思ったことをそのまま言っただけです。
チームワークも大事ですね。ただし足手まといならいないほうが良い…とは思いませんか?
いえ、これは単純な興味ですけど」
じぃ、と漆黒の瞳がまっすぐに見つめる
■流布堂 乱子 > チン、と音を立ててエレベーターの扉が開く。
内部からまず顔を出したのは、大きな金色のくちばし。
続けて丸くつぶらな瞳が、
床を傷つけないようにラバーのツメを穿いた逆関節の脚が、
手触りの良さそうな金色の少々飛ぶには小さな羽が、
ふりふり揺れる尾が姿を現した。
その傍らで、黙して轡を引くのが流布堂乱子。
突然の大声に無表情で目を向けると、
その後ろでワンテンポ遅れて大鳥が、クエ!と驚いて声を上げた。
「……薙さん、早速指導されてらっしゃるんですか」
つい昨日知った顔を見て、そちらに歩み寄る。
指導をしている側の先輩には見覚えがないが、おそらく自分より後輩であることもない。
ある程度近寄ったところで頭を下げた。
手綱に引かれるように、大鳥も頭を下げる。
■霜月 芙蓉 > ピキッ。ピキキッ。
ここで軽く流せない、と言うのはまさに芙蓉の未熟によるものだが、それ以上に無礼極まるのは相手の方だろう、と思ってしまい余計に怒りが高まる。
「ふっざけないで!それこそ、チームで不和を起こす人なんて、実力があっても足手まといだよ!実力の有無以前の問題じゃない!」
顔が真っ赤である。
委員同士の仲が良い、と言うのは風紀委員の売りの一つである。
その中にこんな不和を起こすための爆弾のような人材(芙蓉視点)が現れて、今まさに自分を馬鹿にしているのだ。
完全にムキになってしまっていた。
……そこで、横から来る乱子に気づく。
ぺこ、と頭を下げたのを見て、あわてて頭を下げた。怒ってても、関係ない人だしそこはしっかり。
■薙 > >乱子
「あなたは…先日の」
街の案内をしてもらった…
ぺこりと頭を下げると同時に鳥が目に入る
「……随分と大きな鳥ですね、保護でもしたのですか?」
>芙蓉
「人目を引くほど場所を弁えず大声で怒鳴り散らす、
常識が必要なのは先輩のほうではないでしょうか、ついでに品格も」
くすっと口の端に笑みを浮かべる
「見ていると、芙蓉先輩こそちょっとしたことで冷静さを失ってチームをピンチに追い込みそうに見えますよ?」
■流布堂 乱子 > 頭を下げたのは、乱子のほうが早い。
本来であれば先輩が頭をあげるまでは体勢を直すべきではないのだが、
気にせずに自分にとっての一拍を刻んでから体を引き起こした。
鳥はまだ頭を下げている。
「……話に割りこむようで申し訳ないのですけれど。
新人が足手まといであるのはある種当然のことですので、薙さんの生意気は大目に見て頂ければと思います。」
礼で出来た空白に差しこむように言葉を述べる。
先輩という立場を思い返して冷静になってくれればよいのだけれど。
それから、鳥が頭を起こすと薙に視線を向けた。自分のことだとわかったのか。
「開拓街の事件から被害者を搬送するために借りました。
腹一杯に食べさせて返す約束ですけれど、どこに行けばいいのか迷ってるところですね」
ぽふ、と鳥の首の後の辺りを背伸びして叩くと、乱子が顛末を簡単に述べる。
■霜月 芙蓉 > 「~~~~~~!!!!!」
もう何が何やら。
怒りと屈辱と自制と羞恥とその他もろもろの感情が脳内でシェイクされてぐちゃぐちゃになってしまっている。
そもそも薙が余計なことを言わなければ、と言う話でもあるのだが、ここまで精神攻撃に弱いのはどうか、と言う話ではある。
ともあれ、完全に感情のやり場を見失いどうしていいのかすら分からなくなっている。
なんだろうか、何か機嫌を損ねるようなことをしたのだろうか。していないはずだが、何かあったのだろうか。それともそもそもそういう性格なのだろうか、だとしたら……と考えるも、それも纏まってくれない。
混乱の極み、と言う状況だった。
■霜月 芙蓉 > 「う、うう~~~……」
頭の中に渦巻いていた色々なものが、乱子の言葉で一時堰き止められた。
深呼吸をする。先輩だから以前に、いったん落ち着かねば人としてあまりにもよろしくない。はしたない。
思考力を取り戻すためにも、何とか落ち着こうとする。
「え、えっと、ごめんなさい……」
取り敢えず乱子に詫びる。思い切り気を遣わせてしまった。
■薙 > >乱子
「輸送手段としては随分古典的ですね…。
風紀委員会には特殊車両も常備されているという話でしたが…」
ふむ、と口元に手を当てて
まぁ、やむをえない事情等もあるのだろうと納得する
>芙蓉
「落ち着いてください先輩。顔、真っ赤ですよ?」
くすくすと笑みを送る
「確かに不躾な言葉を投げてしまったかもしれませんね。
私にも不備があったかもしれません。
今後は本当のことでもなるべく言葉を選ぶことにします」
■霜月 芙蓉 > ダメだこいつ、わかってない。
これはあれだ、本当のことと自分が判断すれば、何言ってもいいと思ってるやつだ。
そんなことを考えながら、必死に、そりゃあもう必死に怒りを呑みこむ。ここでキレたら元の木阿弥だ。頑張れ芙蓉。
「すぅー……はぁー……。う、うん、とりあえず言いたいことはあるけど、気を付けてね……?」
なお、隠した右手は怒りで思いっきり握り込まれている。
■流布堂 乱子 > 「いえ、お気遣いなく。チームワーク、でしょう」
素っ気ないに近い反応。
先輩と立てて場を収めようとしたのに、その礼を受けるわけにもいかない。
とも見えるがほぼ普段通り。
ただただ、無表情なその眼差しは何を考えているように見えるだろうか。
鳥は自分の話題を感じたのか、クエ!ともう一声上げた。
つま先立ちをやめて、喉のあたりを撫でてやる乱子。
「音は立ちませんよ。犯人が近くに居たともしれませんでしたし。
そもそも免許もありませんけれど」
答えを返しながら、薙から芙蓉への目線を検分するように見つめた。
しばし思案する。
「しかしこうして囲い込んで怒らせていますと、単純に年下をいじめてるみたいに見えますね」
■霜月 芙蓉 > 「う、うー……確かに私、15歳だから一番年下かもだけどー……」
むすーっ。弓を射っていないときの芙蓉はこんなもの、感情の起伏の激しい少女である。
でも、そうか。一番年下の可能性があるのか。そりゃあそうだ、15だし。
この学園は、学年=年齢ではないのでそこらへんがちょっとややっこい。
■薙 > >乱子
「なるほど、どういった事件だったのかは後々ファイルに目を通させてもらいます」
レトロではあるがそういった利点もあるということだ
「そうですね、まさかあんなことで激昂するような子供とは思っていなかったもので。
おっと、言葉を選ぶよう気をつけるといったばかりでしたね…。
もうちょっと大人が多い組織だと思っていました」
フォローがフォローになっていない
>芙蓉
「いえ、言いたいことがあるなら遠慮無くどうぞ。
私は本当のことを言われても受け止めるだけで怒りはしませんから」
くすりと口の端に笑みを浮かべて芙蓉を見る
■霜月 芙蓉 > 何でこの子は、口から出る言葉がほぼすべて煽りなのだろうか。
多分気付いていないのだろうけど、これは放置しておくと絶対余計な喧嘩を生む。
こういう人は大抵、周囲の寛容さに見逃されてるだけなのだ。本人もこう言ってるし、はっきり言ってしまうべきだろう。
「……じゃあ言うけど、その『本当のことでも』って言うの、凄く失礼だよ。
薙ちゃんの勝手な判断で人を低く見て、それを勝手に『事実だから』って言ってぶつけるの、本当に失礼。絶対にやめた方がいい。そんなことしてたら、それこそ行く先々で不和を起こしちゃうから」
■流布堂 乱子 > 「これでも成人年齢に達していますから、後々の風評を恐れざるをえないところなのですけれど」
背丈で言えば二人よりも拳一つほど小さな乱子は抜け抜けとそう言った。
さて、あいにくと加わったばかりで組織論を述べられるほど精通しているわけでもないのだけれども。
逆に言うならば。
「これでも加わって日が浅いですけれど、内側から見れば別の印象があると思いますよ。」
芙蓉の今度の言葉へは、口を挟まずに。
ただ鳥を撫でるだけに済ませた。
子供に声をあげるのは大人の義務でも有る。
そんな責任を年下の少女に押し付けるべきではないのだろうけれど。
■薙 > >芙蓉
「よくわかりました。
では以降、芙蓉先輩にはそういった口利きをしないよう努めます。
先輩の弁に則れば、仰られた行く先々での不和を起こす…というのも、
芙蓉先輩個人の判断ということですから」
こくん、と頷いて笑みを向けた
>乱子
「そうですね、もう少し長い目で見ていこうと思います。
願わくば特別攻撃課が、落胆するような戦闘集団でなければ良いのですけど」
手元でくるくるとお茶の空き缶を弄びながらそう返す
■霜月 芙蓉 > とんとん、と人差し指で額を叩く。
何でこう、逐一嫌味な言い方をするのだろうか。いや、多分そんなつもりはないのだろう。
天然物、と言うやつだ。だから余計性質が悪そうだが。
だが、そういうのは人が言ってもなかなか直らない。自分で納得しないと意味がないのだ。
それを考慮して、色々言いたい言葉を飲み込むことにする。
「……うん、まあそれでいいよ。気を付けてね」
……まあ、本当に自分にだけ無礼なだけなら、それはそれでひっじょぉ~~~に腹が立つけど、まだいい。
それで何もなければ、まあそれでいいのだ。
……ある気がするけど。これもまあ、自分の勝手な判断ではあるだろう。
それより、ちょっと乱子が成人しているという事に驚いた。
身長で測れないのはまあ当然の世界ではあるけれど……びっくり。
「もしかして……ホントに私が一番下?」
小首を傾げる。
■流布堂 乱子 > ……確かに、そうだ。
昨晩の薙の印象と、今こうして"芙蓉先輩"を否定しようとしている薙の印象はかけ離れている。
少なくとも、乱子に対してはあの妙な笑みを向けて居ない。
その理由までは、先ほどエレベーターで現れたばかりでは詳しくはわからないのだけれども。
「……そうですか、特別攻撃隊ですか。
いえ、いいと思います。あそこの有名人はきっと貴方のお眼鏡に適うでしょうから。ええ叶うでしょう。あの人は誤謬無く強いですから。」
ちょっと深くため息をついた。
かなり深く息をついた。
鳥の背中に両手を預けると、乱子は顔をその羽に埋めた。
やっぱり昨日ちょっとくらい手を出して強さをアピールしたほうが良かったのではないか。
いの一番に帯刀について攻め立てる高圧的な態度でよかったのではないか。
偽風紀委員だった頃の気概はどこに行ったのか。
「疑わしいのでしたら、見ますか、学生証」
顔を埋めたままの乱子が、胸ポケットから学生証を出して、手だけ伸ばして芙蓉と薙の方へ。
正規の学生証、所属には風紀委員とはっきり書かれているし、年齢の欄も20で埋まっている。
なにしろそう要望したものである。肉体的には17才だ。
■薙 > >芙蓉
「はい、ご迷惑をおかけしないよう気をつけます」
しかしその顔は口元に笑みを浮かべている
なにかしら、下に見ているという雰囲気だけは拭えない
「私は今年で数えで18になりますね」
>乱子
「はい、刑事課を勧めていただいたのですが、やはり攻撃部隊が相応しいと判断しました。
噂に違わぬ戦力を有しているのですね、でしたら一安心です」
…この薙という少女、人間の価値を"戦力"で判断しているきらいがある
というよりは、そのままだ。
それが両者に対する対応の違いとして現れているのかもしれない
■霜月 芙蓉 > 小さく溜め息を吐く。
なんだかもう、だめだ。この子に自分が何を言っても、この慇懃無礼な態度は一切覆らないと言う確信を持ててしまった。
何かの基準を以て、この薙と言う女性は霜月芙蓉を完全に見下している。
で、往々にして『ぱっと見で判断して見下す人』と言うのは、その判断をよほどのことがないと覆さないのだ。
口だけで何か言っても、それこそ『口だけだ』と笑うだろう。
言うだけ無駄、と言うやつである。
「はぁ……ま、いいか」
頑張って自分を落ち着かせる。後で射に集中して気分転換しよう。
「わぁ、本当に20だ……」
そして、ちょっと失礼ながら20と言う数字にびっくり。
ぱっと見もう少し若そうに見えたのだが、やっぱり人は見た目によらないものだ。
■流布堂 乱子 > もぞもぞと動いてから、顔を上げた乱子の表情は再び無表情に戻っていた。
「凶悪犯を追う担当につければ、交戦回数はそう劣るものでもないと思うのですけれど……
いえ、やめておきます。直属でなくとも先輩は先輩。
そういうところが恐らく大事だと思います」
確信は得ていないが、薙の視線は先程から"人から大幅に離れたもの"に興味を向けているように見える。
昨晩、気まぐれに具現していた自分の毒龍の尾然り。
あるいは、人間であることがそもそも見下す対象なのかもしれないけれど。
「薙さんが高度50mほどから器具無しで無事に着陸できることを祈ります」
先日出会った時は、確か特別攻撃隊はそんな攻撃に巻き込まれていたはずだ。
「ええ、本当に20です。好物は火酒とコーンスープですね」
こくりと頷きながら、学生証を胸ポケットへしまい直す。
「ああそういえば名乗り遅れました。ほぼ新人の流布堂乱子です。
どうぞよろしくお願いいたします、芙蓉さん」
そう言ってもう一度頭を下げた。
興味に欠けている、とでも言うような態度。平坦な声音であった。
彼女も彼女で、強いものでなければ興味を惹かない……
のだが。
「……ああ、そういえば。新人に権限はありませんので、あくまで例えばの話ですけれど」
「ド悪党の根城に強制捜査を掛けるに当たって、人数が足りないと申し上げましたら、お二人はどうなさいますか?」
語調を先ほどまでとは少し変えて。試すように。あるいは挑発するかのように。
少女は先ほど鳥を連れたまま報告に行き、『保留』とされた案件について問いかけた。
■薙 > >芙蓉
やはり、くすりと笑って芙蓉へその漆黒の瞳を向ける
「一度得た印象というものはそうそう覆らないものですから。
先ほどの冷静さを欠いた印象、塗り替えさせていただけるならば是非もありませんが」
どうです?と言葉をかける
実力主義の人間に認めさせるには実力を見せる以外にはない、ということだろうか
>乱子
「なるほど、面白そうな部隊です」
乱子のセリフに、淡々とそう返して
「人が足りないのであれば勿論積極的に頭数として参加します。
悪を挫き人々のささやかな平和と笑顔を護ることこそが、警察機構たる風紀委員の姿のはずです」
続く設問には、はっきりとそう答える
■霜月 芙蓉 > 「乱子さんだね、よろしく」
挨拶を返すが、こちらもこちらで目に感情が薄い。
なんだろう、そんなに見下されるようなことをしてしまったのだろうか。もしかしてさっきの無様でなのだろうか、と内心しょんぼりとする。
「ええと、その場合は……そりゃ、増員するよね。手が空いてるなら私だって行くだろうし」
そして、その後の質問にはそう返す。
人数不足の状況で無理をするのは下策、やるなら適性人数を揃えてしっかりと作戦行動をとるべきだ。
「……別に、見たければ見てもいいけど。でも、私は薙ちゃんとやり合う気はないよ。
この後、射の稽古するつもりだったから、気になるなら見に来れば?」
薙にはそう返す。
ことさらに武威を示す意味はない。そもそも一応は身内である風紀委員同士で、訓練以外に無駄にやり合う必要はないだろう。
■流布堂 乱子 > 薄く、口角が上がる。
「流石です薙さん。素晴らしいお答えだと思います。」
重々しく頷く乱子。よくわからないけれども首を縦に振る大鳥。
「でしたら携帯を出してもらえますか?いえ、無いのでしたら別の手もありますけれど」
轡を持たない手で乱子が端末を取り出した。
「増員の許可が出ていませんので、個人的な救援を呼ぶことがあると思います。
その時は、お手隙でしたら是非ご協力をお願いいたしますね」
法を守る存在という言葉が聞こえなかった以上、頼めば来るという判断であった。
薙にそう言った後で、くるりと芙蓉に向き直る。
「そうですか、ありがとうございます芙蓉さん。
来てくださるということでしたら大歓迎ですので。
…………増員って、大事なことですから」
同じく携帯端末を差し向けた。
『保留』とされたのは増員についてと捉えていて。
たとえ一人でも乱子は行く決心を固めている。
ご案内:「委員会街・風紀委員本部」に寄月 秋輝さんが現れました。
■薙 > >芙蓉
「本当ですか?それは実に興味があるので是非拝見させていただきたいと思います」
そう言ってにっこりと笑う
実力を見るには、鍛錬風景というのはうってつけだ
>乱子
「学業よりも優先するつもりではありますので、お気軽にどうぞ」
制服のポケットから携帯を取り出して、差し向ける
そういったことならば大歓迎である
■寄月 秋輝 >
「失礼します」
ノックの音の後、静かに入室する青年の姿。
手に数枚の書類がある。
「……手続きをしに来たのですが、出直した方がよろしいですか?」
三人をぐるりと見渡し、ぽつり。
■霜月 芙蓉 > 「まあ、どういう組織相手かにもよると思うけど……無理しないで、必要なら呼んでね」
乱子と連絡先を交換する。
実は活動をお休みするつもりでいたのだが、必要となれば出なくてはならないだろう。
風紀の一員として、それくらいの決意は常備している。
「まあ、見てて面白いかはわかんないけどね」
そう言って薙には肩を竦める。
やろうとしていたのは遠射である。
長距離から、集中して、的を射る。それを繰り返すだけだ。
しっかりと意味のある稽古ではあるが、見る人によっては退屈にもなりうるのでとりあえず言っておく。
「あ、いいよいいよ?どうぞどうぞ~」
新たに来た青年には、明るくそう言う。むかつきを関係ない人に見せちゃ駄目である。
■流布堂 乱子 > 青年を見つめて、鳥がクエ!と一声鳴いた。
……自分が勘定に入れられていないと思ったのか。
それとも、自分のせいでこのロビー内が業務時間に見えないという発想に至ったのか。
なんにせよ、そのまま毛づくろいを始めた。
「いえ。この鳥についてはお気になさらず。風紀委員会は通常営業です」
自らも私服のままであることも誤解に一役買っていることを感じながら、
乱子は鳥につられて目線を青年に合わせた。
辺りを見れば、すっかりロビーからは人気がなくなっている。
連絡先を無事に二人共交換して。
「お二人とも、ありがとうございます。」
確りと感謝の意を込めて、頭を深々と下げる。
「場所が確定してからの話では有りますから、いつとはっきり申し上げられないのが申し訳ないのですけれど。
相手取るのは白い仮面の……まあ、そこそこ質のいい手勢を大量に連れていますね」
部外者の前で詳しくいう話でもない。
芙蓉さんに言われた通り、そういえば相手について言っていなかった、とほんの少しだけ補足をしてから。
「でしたら、私も見学させていただこうかと思います。
肩を並べて戦うのでしたら、必要事項ですから」
図々しくもそう言った。
■薙 > >秋輝
「手続きでしたら受付のほうでどうぞ」
にっこりと笑みを向けて青年に声をかける
自分たちは休憩スペースで談笑(?)しているだけだ
>芙蓉
「面白い面白くないという判断基準が戦力に何か関係がありますか?」
ふふっと笑って芙蓉に応えて、自分の脇に立てかけてあった刀に手を振れる
>乱子
「白い仮面、ですか。
まだ今日からの新人ですので、色々資料に目を通しておかねばいけませんね」
鞄の中にはもらった資料がどっさりだ
機密に近い、持ち出し不可のもの以外は全てもらってきた
■寄月 秋輝 >
小さく礼をし、通り過ぎて受付へ。事務員へと書類を手渡す。
研究所からの許可書類、同時に風紀委員への外部からの協力を志願する内容。
いくつかの質問を終え、嘱託用の腕章を受け取り、戦闘と帯刀の許可を得た。
そのまま三人の居るスペースへ。
「……お三方も風紀委員……のようですね。
今後もしかするとご一緒するかもしれませんので、よろしくお願いいたします」
ぺこぺこ、一人ずつに頭を下げて回った。
■霜月 芙蓉 > 「ふぅん……ちょっと多めで行った方がいいかもね」
乱子の言葉を聞き、そう判断する。
基本、安全重視。カチコミをかけるならば、戦力は多めの方がいい。
ただ、内容をどうにも曖昧にぼかしている気もする……後で本部に確認しとこうか、などと考えつつ、薙の言葉には溜め息を吐く。
虚飾を省く、と言ってもこれじゃあ抜身の刃だ。鞘すら省いてしまうのはいかがなものか。
だがまあ、別にそれをここで口にする意味もない。
「ま、無いけどね。言っておいただけだよ」
なので、無難にさらっと流すことにする。
「私は霜月芙蓉だよ、武器は弓。よろしくね」
秋輝には、笑顔でそう告げる。
帯刀の許可を得ていたし、前線に出るつもりなのだろう。ならば使用武器を明かしておいた方がいい、と言う判断である。