2015/07/06 のログ
九耀茉莉 > 「――もしかしたら、この世界に居ない可能性もあるのだけれど、ね。」

呟く。

この世界での捜索は進みが良くない。
使いに出した者達が、結構な割合で連絡を絶つ。
それに呆れて、自分が乗り込んでみたのだが…本当に、物事はままならない。

「…まあ、いいです。暫くは、ここで探してみましょう。」

当てもなく、探し回るのも意外と悪くはない。
もしかしたら、自分が真っ先にお兄様を見つけられるのかも知れないのだ。
それは、何物にも代え難い至福の瞬間になるだろう。

自然と、口元が緩む。

九耀茉莉 > 小さな笑みを浮かべながら、黒ずくめの少女は道を往く。
かつり、かつり、かつり、かつり。

足音は、やがて雑踏に溶けて消えた。

ご案内:「学生通り」から九耀茉莉さんが去りました。
ご案内:「学生通り」にクゥティシスさんが現れました。
クゥティシス > (夕暮れ時の学生通り。何時ものように放課後を此処で買い食いして過ごしている)
(手にしたドーナツを食べながら次は何を食べようかと品定め)

(あれもいいな、これもいいな、と目移りしながらふらふら通りを歩いていると―)


『もし、お嬢さん』


(不意に、声をかけられた)

クゥティシス > 「―?」

(背後からの声に振り向けば、そこには目深にフードを被った如何にも怪しい男が一人)
(180はあろうかという男。人間からすれば大したことはないのだろう)
(けれども、小柄な人狼の少女には酷く大きく見えた)

「クゥの、こと?…何かよう?」

(立ち止り、男の方を見上げるようにして問い返す)
(男が纏う怪しい雰囲気にぴくん、と尻尾が揺れる―)

クゥティシス > 『あぁいや、何。ちょっと訪ねたいことがあってねぇ』

(警戒心を隠さないクゥティシスの態度に、男は両手を前に突き出し、小さく動かしてみせる)
(怪しくないですよ、とアピールしているつもりだろうか―)

『お嬢さん…その尻尾と耳、どうしたんだい?』

(男は緊張で小刻みに震えるクゥティシスの耳と尻尾を指さして問うた)
(ひどく、滑稽な―)
(とても、不気味な質問)

「どうしたの、って…言われても…」

(答えに窮する)
(どうもしていない。特に怪我をしているわけでもない)
(特に飾りをつけているわけでもない。いつも通りの耳と尻尾だ)

「どうも、しないけど」
「いつもの、クゥの耳と尻尾…だよ?」

クゥティシス > 『―そうかい』

(クゥティシスの答えに男は頷き)

『じゃぁ、キミは異邦人というわけだ』


(その言葉をクゥティシスが聞き終わる前に、男は無造作にその拳を少女の腹部へとめり込ませた)

「―っが、ふ」

(衝撃で崩れ落ちそうになる体を男が抱き留める)
(ルルフールの反射神経を持ってしても捉えられぬ程の拳―)
(街を行く人々に捉えられよう筈もない)
(まして体勢を崩したクゥティシスを男は抱き留めたのだ)
(優しく―)
(まるで親愛の情を持って接するかのごとく)

『おぉっと、突然どうしたんだい?眩暈でも―?』

(大げさに、周囲に聞こえるように男は問う)

「―」

(呼吸が、整わない)
(痛みと吐き気で言葉が、出てこない)

『あぁあぁ、これは大変だ。すぐに運ばなくては―落ち着ける、誰の邪魔も入らない場所に…ねぇ?』

ご案内:「学生通り」に天導 操さんが現れました。
クゥティシス > 「―ゃ、だ…っ、だれ、か」

(抱きかかえられ、歩き出そうとする男の腕の中で声を漏らす)
(周囲の人間は特に怪しむ様子もない)
(ようやく整い始めた呼吸で言葉を紡ごうとするも―)

『おぉっと、落ち着きなよ。大丈夫、すぐに楽になる』

(男が言い終わる前に―腹部に再び衝撃が走る)

「っが、ぁ…っっ」

(出血こそしないものの―)
(普段露呈しない内臓へのダメージが蓄積する)
(腹部への痛みは全身への痺れへと代わり、言葉を、身体の力を奪う)

『さぁ、行こうかお嬢さん。なぁに大丈夫…何も心配はしなくていいさ』

(男の言葉の端々にくぐもった笑いが混じる)
(今からクゥティシスの身に起こることを想像し―男は下卑た笑みをフードの端から覗かせて歩き出す)

天導 操 > (あぁいう風にチラシに書いたは良いけど、どうやって笹を調達しようかな…竹林、この島に有ったっけ…)

【考え事をしながらのんびりと歩いている長身の女性…現場とは少し離れた位置に居るため、直接目撃出来たわけではない】

クゥティシス > (男は少女を抱えたまま通りを歩く)
(ぐったりと力なく男の腕に身を預けるクゥティシス)

(男は特に後ろめたいことも無い、とでも言うかのように堂々と歩を進める)
(自分は体調を崩した少女を運んでいるだけだと。そう、周囲に知らせるかのごとく、時折わざとらしく「大丈夫かい?」と声をかける)

(その声に反応することも出来ず―)

(二人が、操の横を通り過ぎる)


(クゥティシスは途切れそうになる意識を必至で手繰り寄せる)
(ぼやける視界の中に―知った顔がいてくれと)
(誰でもいいからと)

(そう、願いながら)

(焦点の合わない、縋るような瞳を操に向けた―)

ご案内:「学生通り」に天導 操さんが現れました。
天導 操 > 【引力】
【何らかの思いを込めた視線とは、必ずそういう力を帯びるものである】
【人一倍他人を引き付けるという異能を持った彼女は、また他人に引き付けられると言う性質を持つ…さて、感じた視線に導かれるままにちらりとクゥティシスの方を見た彼女は…】

…ねぇ、ちょっとお兄さん その子、随分とぐったりしてるけど…大丈夫?

【と、声をかけたのであった】

クゥティシス > 『―ん?あぁ、突然倒れてしまってね。これはマズいと思って…落ち着ける場所に運んでいるんだ』

(操に声をかけられても男は平静を崩すことはない)
(紳士的な声色で、平然と言ってのける)

『此処で話をしている時間も惜しいのでね…彼女に何かあったら大変だ』
『失礼しても―いいかな?』

(言うが早いか男は再び歩き始める)
(腕の中のクゥティシスに何かを成す程の力もない)
(けれど―その縋るような視線だけはしっかりと操を見据えている)

(そして何より、男が歩む先には―落ち着ける場所など、無い)
(大通りを抜けたその先に待つのは複雑に入り組んだ路地裏だ)
(決して、病人を休ませるような場所ではない)

(この学生通りに地理に聡い人間であれば、すぐに感づくはずだが―)

天導 操 > 【最近来たばかりではあるが、表通りは地理の勉強と言うことで随分と歩いてきたクチである…それが功を奏したのか、流石に路地裏までは把握はしていないものも、そちらが『明るい場所』でない事はある程度分かる】
【一瞬だけ空を見て…】

【ダイスロール:3以上で晴れ この先の地理を完全把握】
[1d10→6=6]
天導 操 > …貴方も最近ここに来たばっかりなのかな?道、間違ってんよ 病院はこっち側だから、アタシが案内してあげよっか?

【相手の肩を掴む…即座の動きにも対応できるように、自分の太もも当たりにある隠し武器に手を当てつつ】

ご案内:「学生通り」に楓森焔さんが現れました。
クゥティシス > 『―あぁいや、それには及ばない』
『この先に私の行きつけの医者が居るんだよ』

『だから―その手を離してもらおうかッ!!』

(言い終わらぬうちに操の視界から不意に男が消える!)
(否、肩にかけられた手から逃れるかのように腰を落としたのだ)
(そのままの勢いで、操の足元を払うように低い位置で身体を回転させた蹴りを放つ)

楓森焔 >  気まぐれに大通りを歩く少女の姿。
使い古された白い道着。赤い鉢巻。
いかにも格闘家でござい、というような風貌の彼女。
 裸足のままに辺りを見回すと。――いざこざ。
いや、だけではない。確かあれは学園の教師のはず。
それが一人の男に蹴りかかられている。
 ――だけではない。
 その横には、この間見知った少女の姿。
 明らかにうなだれ、教師に向ける瞳の色は、
「―――!」
 一瞬突撃しそうになるが、踏みとどまる。教師の邪魔をしてはいけない。
 だから、その場から構えた。女教師のじゃまにならないよう、動きを合わせる心づもりだった。

天導 操 > 【ガクン、と掴んでいた肩が下がる…何かを動きを見せるとは予測はできていた だが、後ろ向きの姿勢から足払い…と考える前に身体は動いていた】
【相手の肩を掴んだまま地面を踏み込み、そこを支えとして逆立ちをするように跳ねそして勢いのまま男を飛び越えて、向かおうとする先に着地をする】

………さて、行きつけの医師とは、この先の路地裏に居るのかな?

【周囲に四つの球体を出現させつつ、そう尋ねるのであった】

天導 操 > 【自然と、焔と二人で男を挟み込む形で位置しているだろう】
クゥティシス > (放たれた蹴りが地を掠め、砂埃を巻き上げる)
(砂埃の中男が立ち上がり、ゆっくりと自らを挟む二人を見据え―)

『…あぁそうだよ。この先路地裏の―地獄に居るのさ』
『そこでゆっくりと休んでもらうさ…永遠になぁッ!』

(先ほどまでの紳士的な仮面を脱ぎ捨てた男が叫ぶ)
(意識の覚束ないクゥティシスを、まるでゴミを捨てるかのようにその場に投げ落とし)

『―さて、聞こう。君たちは…人間かな?それとも、異邦人かな?』
『人間ならば良し。異邦人であるのなら…このガキと一緒に地獄に行ってもらおうか』

(両の拳を握りこみ、腰を下ろして呼吸を整える)
(張り詰めたかのような殺意を周囲に迸らせて男は問う)

(お前たちは―敵であるのかと)

楓森焔 >  投げ捨てられた友達が見えた。

 ――お前はただの人間じゃない。
そうでなければ、異能も無しにそんなことができるわけがない。
 そう言われ批判されてきたこともある。
 だが、ならば。だからこそ。
今、ここでこいつを殴る言い訳ができた。
「俺が! 異邦人だから! なんだってんだァ!」
 拳をつきだした。魔術でも、異能でもない"はず"の一撃。それは風を巻き上げ、クゥティシスを落下の衝撃から守ることだろう。
 歯をむき出しにして猛る。相手に、自分と戦うだけの理由を作るために。
 魔術でもない。異能でもないその一閃。――ならばきっと、彼女は異邦人なのだろう。
そう思わせるための一撃だった。

ご案内:「学生通り」に白崎玲刃さんが現れました。
天導 操 > 人間であるか、『Yes』…けれど、異邦人で有るならなんなの、って話やね

【隠していた機械棒を抜き出して、扱うには丁度良いサイズまで伸ばして構える】
【そして、彼が『君たち』と言った理由も理解する なるほど、彼女なら…と、取り敢えず落下の衝撃を押さえられた所に少し安堵】

白崎玲刃 > 果たして地獄に行くのはどちらかな?
【仮面を脱ぎ棄てた男の声が響いた時
脇にある建物の屋上から、地獄めいた声が響く

テストが終わり、落第街へ情報収集に行こうとしている時に
偶然眼下にこの光景を、クゥティシスが捨て去られそうになっているいう光景見た
玲刃の心には怒りが灯っていた

そうして、そのまま屋上から跳び下りながら
クゥを攫おうとしていた男へと蹴りを放つ】

クゥティシス > (焔の拳は空気を裂き、男が投げ落としたクゥティシスを―彼女の友人をふわり、と優しく持ち上げる)
(しかし彼女の拳は敵である者には容赦などない)
(突風を巻き起こす程の突き。拳は衝撃破となり男を打ち貫く―ことはなかった)

『カァッ!!』

(気合い一閃)
(構えた拳を焔に向かい打ち抜くことで、焔の拳と同等の風を、衝撃破を放って見せた)
(ぶつかり合う拳圧は弾け、そこに一陣の風のみを残す)

『―異能でも、魔術でも無い……で、あるのならば』
『貴様も俺の敵だ』
『そして―』

(男は視線を動かすことなくその場から飛びのくことで、上空からの玲刃の蹴りを難なくかわしてみせる)

『人間であろうと―異邦人を守ろうとするのであれば、それは俺の敵となり得る』

(操に、玲刃に、焔に、それぞれ殺意の籠った視線を向けて―)

『まずは…貴様だッ!!』

(男は地を蹴り焔へと一瞬にして距離を詰める)

『貴様の拳…異能でも、魔術でもないその拳…試させてもらおうかぁッ!!』

(疾風の如き速度で地を駆け、拳の連撃を焔へと浴びせかかる)
(それは散弾銃の如く無軌道に放たれながらも、一発一発が必殺の意志を込められたもの)
(まともに打ち合うことは通常であれば困難だが―)

楓森焔 > 「テメエに加減なんか、するもんかよなァ!」
 あれは、クゥが怪我をしないために放った一撃。
だから打ち消されても動揺なんてしない。
 上から一人、背後に一人。おそらくクゥの味方と思しき人達の姿を認識しながら焔が吠える。
「おおおッ!!!」
 彼らがいれば、クゥティシスは安全だ。だから、相手を叩きのめす。
 イメージするのは風に舞うビニール袋。
その明確なビジョンから男の拳に"焔の身体が張り付いた"。
 くらげの身体を持つ友人のために編み出した護身の技。
風に舞うやわらかな袋は、打撃で貫くことなどできはしない。
 拳を受けると焔の身体が柔らかく曲がり、回転するようにして回し蹴りを放つ。
「十円独楽ァ!」
 男の一撃を回転によって倍加。めちゃくちゃな軌道で回転するその足は、まさしく男の拳を一度受ける度に加速する。
 一撃。二撃。三撃。
 出鱈目な術理。現実ではありえないような動きを焔は再現する。

白崎玲刃 > ……手遅れになる前に済んで良かった。
お前達がいなければ、クゥが連れ去られていたかもしれない感謝する。
【クゥティシスが連れ去られる前に見つかられて良かったと安堵し
その後、この場に居た、クゥティシスを助けようとしていくれた見知らずの二人に頭を下げながら感謝した。】

ふむ……俺も、お前が異邦人であろうが人間であろうが、はたまた、善人であろうが悪人であろうがな関係無い
俺の友人に危害を加えようとするならば、それは俺の敵だ。
【蹴りがかわされた勢いのまま、クゥティシスと男の間の方に立つ。
男に敵意を向けながら、収納の魔術を発動し、長剣を取り出して構える。

焔の特殊な動きを見ながら、邪魔になってはいけないだろうと判断し、まだ手は出さない。】

天導 操 > (あの獣娘は…まぁ、上から来た男子がどうにかしてくれるやろ それで、あの胴着の子とアイツが直接やりあうのは…ふむ)

【と、簡単に現状を分析しつつ、簡単な手助け…『自分に背後を見せた男の重心を、僅かながらこちらに引き付ける』 攻撃の防御或いは回避をさせづらくするための、地味な、しかし、相手が達人であればあるほど効果のあるだろう妨害】

ご案内:「学生通り」にエルピスさんが現れました。
ご案内:「学生通り」にルフス・ドラコさんが現れました。
エルピス >  騒ぎを聞きつけて空から降りてくる少女。
 駆動音を響かせながら着地すれば、周囲を一瞥し声を張るだろう。

「公安委員会ですっ――風紀委員ではありませんが――
 ――学生通りの私闘はダメですよ!」

クゥティシス > (まるで軟体動物の如く身体を曲げて拳を交わし、尚且つ己の拳に蹴りを打ち合わせる少女の技に男が笑みをこぼした)

『ハ、ハハハハハッ!!なかなか面白い技を使うじゃぁねぇか!』

(一撃毎に加速する焔の蹴りの速度に合わせ、男の拳も加速し続ける)
(最早人の目では捉えられぬ程の速度で打ち合う拳と足)
(何時までも続くかと思われたその打ち合いは徐々に、徐々に男の拳が押し負け始める)

『人の身の、技の極地に水を差そうってか―』

『無粋なことしやがって…ッッ!ならば貴様を始末するまでよッ!!』

(その異能を持って妨害を行う操の存在を忌々しげに一瞥すると、男は焔との打ち合いに際しその力を一瞬だけ緩める)
(最大限に加速した焔の蹴りの速度を殺さぬままに、その拳で蹴りを受け跳躍!)
(上空で身体を独楽の如く捩じれば、伸び切った足がまるで鞭のようにしなるではないか)

(決して蹴りが届く距離ではない)
(されど人知を超えた速度で放たれた蹴りは風の刃となり玲刃に、操に無差別に襲い掛かる!)

ルフス・ドラコ > ただの試験帰り。
……そう、先程まではそうだった。
鞄を街路樹に立てかけると、喧騒の聞こえる表通りに向かって歩いて行く。
ついでに、偽装用の幻術の簪を刺して――何しろ最近事件を起こしたばかりなのだ――通りに出ると、辺りを見回した。

囲まれているのは一人。捕手には見知った顔もいる、公安委員会まで駆けつけている、となれば……

「ああ、大変みたいですね。助太刀しましょうか。」
クゥティシスを庇う白崎の背後から、ゆっくりと歩み寄る。

……助けるのは一人の側、と決めている。

白崎玲刃 > お前はあの時の……
【エルピスを見て、
クロノスとの戦闘で共に戦った相手だと気付き礼をする。】

………っ!こんな事なら大剣を取り出しておくべきだったな、
【玲刃はクゥティシスを庇いながら風の刃を受ける
全身に裂傷を負いながらも何とか耐えきりながら、
大剣を持っておくべきだったとぼやいた。】

ならば、お返しだ。
……っ
【そう言うと、
上空に居る男目掛けて、身体強化による力を込めて長剣を投擲した。
その時に力んだ事によって、先程負った裂傷から血が流れる。】

ふむ、お前は、あの商店街でのあの時の…
すまない、クゥを庇いながらとなるとな…助太刀助かる。
【声を駆けてきた相手を見て、商店街でクゥを共に助けた少女だと気付く。
そして、声を駆けてきたドラコへと礼を言った。】

楓森焔 > 「お、お、お、おッ!」
 スタッカートの効いた叫び。回り、回り、回る。
かつてない回転、かつてない勢いに吐き気を覚える。
 しかしそれでも止まらない。止められるわけがない。
口から胃袋を吐き戻そうと譲れない矜持がある。
 ――流派・俺流は、守りたいものを守るための技。
幼い少女が、家族を、友達を守るために辿り着いた業。
 ここで、この時。力を奮えなくて何が――。
「なにが、俺流師範だァッ!!」
 吠える。相手の一瞬の緩み。焔はその瞬間にその蹴りを地面へ滑らせる。
 拳は、最初の形へ。おおぶりな、ただ勢いだけの拳。風を生む一撃。
 前には撃てない。あまりにも人が多すぎる。だが。
 貯めこまれてきた勢い全てを乗せて。竜巻の如き勢いで目の前の男を"かちあげる"。
 ――大砲のような轟音。いや、それすらもかき消すが如き勢いの風を男にお見舞いする。

ルフス・ドラコ > 確か……以前も同じような状況は有った。
懐かしさに平坦な表情が崩れて、ほんの少しだけ笑みが浮かぶ。

しかし、今となっては自分も人攫い―も行う―の組織に加担する身である。
そう、クゥティシスを攫えという依頼なら……たしかずいぶんと高額な物が有ったはずだ。

「ええ、あの時はどうも。
……クゥさんに、あの時に恩を返しておけてよかったですよ」
今まさに白崎が投げつけようとする長剣を、ディアンドルの裾を翻して跳躍し、後方からのソバットで蹴りつけようとする。>白崎

エルピス > 「あっ、お兄さんはあの時の。
 と、兎に角理由は分かりませんが――っ」

 現状を把握する。
 とりあえず、妙な男の誘拐未遂から始まった乱闘か――
 風紀委員会へと連絡を入れて、周囲へ声を張る。

 理由はどうあれ見る限りでは、過剰な戦闘が"私闘"になってしまう。
 とは言え理由は事情は察している。割って止めるべきか――と思案しながらも、様子を伺う。

 とりあえず、目の前の妙な男性の顔写真、全体写真をスマホで取り、本部へ転送するだろう。――妨害がなければ。

天導 操 > 無粋な事って、そもそもその乱闘が粋かどうかはまずは自分の行動を鑑み、っ?!

【急に此方に向けられた攻撃…急いで反応するも、受け止めた1つ目の刃の想像以上の力と数の多さに弾く事に無理を感じ、敢えて後ろに吹き飛ばされる】