2015/06/09 のログ
日乃杜 梢 > (ドーナッツの件で少し浮かれていた気分が、一瞬で醒めるのを感じる)
(日乃杜において、自分よりも遥かに才気ある姉が、退魔の際に行方をくらませて、半年)
(自分以外のものが彼女の情報を探し続けているが、その進捗は芳しくはない)
(本当なら、自らが探しに出たいくらいなのだが―そういうわけにもいかないのが現状だ)

明日はまた、落第街へ出てみましょうか。
もう少しで、たどり着けると思うのですが…。

(呟きつつ、帰路へつく。心なしかその速度は、小走りに近いものになっていた)

ご案内:「商店街」から日乃杜 梢さんが去りました。
ご案内:「商店街」に薬師寺 瀬織さんが現れました。
薬師寺 瀬織 > (紺色の髪をなびかせ、商店街の歩道をゆっくりと歩く少女)
(右手にはベージュ色のエコバッグを提げ、中には購入したと思われる食品類が詰め込まれている)
(その右腕は彼女の左腕と比べてはるかに無機質で、はるかに巨大――)
(無論、それは彼女本来の腕ではない。異世界の技術を用いて作られた、巨大な義手であった)

薬師寺 瀬織 > (ふと、エコバッグの中身に視線を移し)

……買いすぎたかしら。
生身の腕より少しは力が出せるとはいえ、ちょっと重いわね

(エコバッグを持ち替え、義手の下腕を横にひねる動作をしてみると、各部の動きにあわせて機械音が響く)

薬師寺 瀬織 > (左手に持っていたエコバッグを右手に戻し、また歩き出す。この間、彼女の表情は変わっていない。常に真顔である)

やっぱり、重いのは水よね……でも、水は大事なのよね

(彼女が購入したものは食品だけではない。それに加え、水を2リットルのペットボトルで3本購入していたのである)
(16歳の少女には重いと感じられるのも無理はないだろう。しかし、彼女にとって水は普通の人間以上に重要なのだ)

薬師寺 瀬織 > (彼女が持つふたつの異能。それはいずれも水と密接に関連するものである。それ故に、新鮮で綺麗な水の確保は欠かせないのだ)
(しばらく歩いていると、やや遠くに人影が見える)

……?あれは……誰かしら

(知っている顔かもしれないし、他人かもしれない。だが、瀬織はその人影が妙に気になった。しかし、自分からは声をかけに行く決心がつかず、足が止まっている)

薬師寺 瀬織 > ……気のせいだったようね

(特に何も起こらなかったようだ。安堵と落胆が入り混じった心情の中、彼女は再び帰路につく)

ご案内:「商店街」から薬師寺 瀬織さんが去りました。
ご案内:「商店街」に遠条寺菖蒲さんが現れました。
遠条寺菖蒲 > 「これで、今日の仕事は終わりね」

生徒会の本来ならば外出する執行役員の仕事をなんとか貰って菖蒲は商店街に店を出している部活動からの計画表の写しを回収していた。
肩掛けの鞄にクリアファイルに挟んだ各部活動の年間予定と右手にはこの地区の地図を持っている。
菖蒲がここに来るのは初めてであり、近くの通り――カフェテラスのある道は昨日少し下見していたが、少し逸れるだけで別世界のようだと感じていた。

遠条寺菖蒲 > 書類の処理は明日にでも、遅くとも今週中にまとめておけば問題がない。
そして今日の菖蒲の生徒会役員としての業務は終了したと言っていい。
いつもの菖蒲ならば翌日も書類の山が待っていただろうが幹部候補生となってからはそれもないので心に余裕を持ち、この通りにもどんな場所があるのか色々と見てみようと言う気にさせた。

遠条寺菖蒲 > コンビニに八百屋、本屋、軽食店など様々な店舗が立ち並ぶそこは菖蒲にとっては玩具箱のように綺羅びやかに見える場所である新鮮なものである。
何よりも、学園地区――校舎の周辺以外にも人が大勢いるというのは先日移動に利用した鉄道も含めてもそれほど見たことがなかった。
目に入るものの殆どが菖蒲にとっては気になるものであった。

ご案内:「商店街」に焔誼玖杜さんが現れました。
焔誼玖杜 > 【昼間の商店街、まだ学生も多くない時間だろうか。
 八百屋の前で悩んでいる少女がいる】

「こっちの方が安いけど……でもこっちの方が色は……」

【この季節にマフラーと長袖の制服、そんな格好で八百屋の前にいれば、多少なりとも目立つだろう。
 生徒会に所属しているものなら、その少女が異世界との交流のために寄越された留学生だと知っているかもしれない】

遠条寺菖蒲 > 少女の声が僅かに耳を掠めそちらを確認する。
八百屋の前で冬服姿の少女、と言う季節を考えれば奇妙な少女がいる事に気がついた。
少し眺めてどこかで見覚えがあるような気がしてどこだろうかと考え、書類の写真であることを思い出す。

「確か、短期の留学っていう話の……」

子だったかしら?と余り気に留めてもいなかった情報だけに少し自信はない。
しかし、何をしているのだろうか?
菖蒲には何を悩んでいるのかがよく分からない。
ならば、聞いてみるのもいいかもしれないと考えた。

「こんにちわ、何を悩んでいるのかしら?」

取り敢えず、聞いてみることにする。

焔誼玖杜 > 「はえっ!?」

【声をかけられれば、びくっっと震えて僅か飛びのく。
 まさかこんな場所で声をかけられるとは、考えてもおらず】

「あ、え、ええと、そのっ」

【あわあわと、見るからにうろたえてる少女の手には、レタスの玉が両の手に一つずつ。
 それを見れば、どちらを買おうかと悩んでいたのだろうかと、察しが着くだろうか】

遠条寺菖蒲 > 「驚かせてごめんなさい。私は遠条寺菖蒲と申します」

半歩引いてから名を名乗り軽く会釈をする。

「言葉が足りなかったのかも知れませんね。レタスを二玉持っているのは分かるのですが、悩むくらいならば2つ買えばよろしいのではないかと思いまして何を悩んでらっしゃるのかと思いましてお声がけさせていただきました。驚かせてしまったのは本意ではないのでお許し頂ければと思います」

これまで買い物というのもまともに経験したことのない菖蒲には少女が悩んでいる理由が2つ買うだけの金銭的余裕が無いのだろう程度のことしか分からない。手に持っていて何を確かめ悩んでいるかなど理解出来ていない。

焔誼玖杜 > 「あっ、はいっ! はじめまして!
 わ、私は、ほ、焔誼、焔誼玖杜ですっ!」

【うわぁ、綺麗な人だなあ、って思いつつも。
 だからこそ普段以上に緊張してしまい、名乗る声も裏返っている】

「え、ええと、ですね。一人暮らし、なので、二つ買っても、使い切れない、ですから……」

【なんだか難しい言葉遣いをされてる! と、思いつつ、同じように丁寧な言葉遣いなどできるはずもないので、途切れ途切れになんとか答える。
 良く見れば、手にあるレタスは、一方は色味が良く、もう一方はそれと比べると若干、瑞々しさが物足りなく感じられるだろうか】

遠条寺菖蒲 > 「はい、はじめまして焔誼玖杜さん」

緊張してはいるが声をちゃんと出せている玖杜に元気がいい子だな、なんて感想を抱いて軽く微笑む。

「では、2つも持っている意味は無いのでは?」

それはそうだろうひとり暮らしの女の子なら一玉でも大変だろうし玖杜が健啖家なのかとも思ったがそうは思えない小柄な身体つきであると思い否定していた。
菖蒲にとって目の前の2つはそんな差のあるものには思えないのである。

焔誼玖杜 > 「それは、そう、なんですけど……、えっと」

【何て説明しようか、と思い、両手のレタスを見る。
 ……が、長い時間持ち上げているのも良くないので、一端もとの棚にもどした】

「その、遠条寺さん、は。
 これと、これだと、どっちが美味しそうに見えます、か?」

【そう言いながら、値段の違う二種類のレタスを示す。
 一方はやや値が張るが瑞々しい色合い、一方は値段こそ安いが色味が違う。
 ただ言葉で説明するのは、あまり上手く出来る自信がない。
 なら、何となく感じ取ってもらうほか無いだろうと思ったのだ】

ご案内:「商店街」に雪城 氷架さんが現れました。
遠条寺菖蒲 > どちらが美味しそうか、実物の素材のままの姿をみるのは見るのははじめてであるが写真やテレビでは見たことはある。
で、あれば。

「そちらの値段の高いものの方が美味しそうよね?」

自分にそういうものの見極めが出来ないのは理解しているのでパッと見の印象でしか答えられない。

雪城 氷架 > 授業を終えて、ちょっと本屋に寄った帰り

「(ん…うちの生徒…だな)」

同じ格好の女生徒を見つけて思わず視線を送る
若かりし女生徒が八百屋の前で並んで真剣な顔をしているなど珍しいとしか言いようがなかった

焔誼玖杜 > 【高い方のが美味しそう、といわれれば、ほっとしたように頷く】

「そう、なんです。けど、ちょっと高くて……。
 でも美味しいものの方が、やっぱりいいなあ、って」

【詰まるところ、美味しくて高い方にするのか、味はともかく安い方にするのか、と。
 そういう至極庶民的な部分で悩んでいたようだ】

雪城 氷架 > なるほどキャベツを品定めしていたようだ
キャベツか、寮の調理場を借りてロールキャベツなんか作ってもいいな、と思い描いた

すたすたと八百屋に向けて歩いていく

遠条寺菖蒲 > 「では、美味しいものを買えばいいのではないかしら?何か他に悩むことがあるのかしら?」

と玖杜の答えに更に疑問をぶつける。

ふと自分たちを見ている視線が少し増えたような気がして横目に周囲を見る。
すると近づいてくる目立つ容姿の少女がいることに気がつく。
知らない子だが、玖杜の知り合いなのだろうか等と考える。それともただの八百屋の客かといったところか。

雪城 氷架 > 「何さっきからキャベツとにらめっこしてるんだ?」
ぶっきらぼうな物言いで二人に近づく

焔誼玖杜 > 「うう、ですから、その、こっちの方が、高いので……」

【ああ、何となく思っていたけどこの人はどこかお金持ちのお嬢様だったりするのかなあ、と伝わらない事にもどかしさを感じつつ】

「あ、う……」

【さらにまた別の声が聞えると、萎縮したように声を詰まらせた。
 キャベツじゃなくてレタスです、とツッコミを入れたくはなったのだが】

雪城 氷架 > 「はっ」
値札を見てようやくレタスとキャベツを間違えていたことに気づく

「と、遠目にはわからないものだよな」
目をそらした、なんともバツが悪い顔だ

遠条寺菖蒲 > やはり玖杜の知り合いなのだろうかと砕けたような言葉から想像する。

玖杜の解答はよくわからないが高いと何かいけないのだろうか?
……法外な値段を要求しているわけでもなく一般的な相場の範囲内の値段だ。

一旦、ここは第三者にも協力を仰ぐのがいいのかと氷架の方を向く。

「はじめまして、こちらの焔誼さんが何に悩んでいるのか気になったのでお聞きしていたんですよ」

と挨拶と現状の自分たちの行動を軽く説明する。

雪城 氷架 > 「え?あぁ、はじめまして。…ガクセーだよな?制服同じだもんな」
ぢー、菖蒲の服装を見る
………これが格差か
視線を戻す

「いやぁ女学生が二人して八百屋の前で真剣な顔してるからさ」
と苦笑するのだった

焔誼玖杜 > 「えっと、どっちにするか、迷ってて……」

【自分と同じくらい小柄な少女に、どこかおどおどとしながらも、悩んでいた二つのレタスを見せる】

雪城 氷架 > 「んー?レタスなら見た目とかより軽い方選べばいいんだぞ。
 軽いほうが葉が柔らかくて美味しい良いレタスだ」

ちょっと貸してみ、と両手に持ってポンポンっと重さ比べをしてみる

「んー、こっちかな」

値段が安い方のレタスを焔誼のほうに返して、もう片方は台に戻す

雪城 氷架 > 「他の野菜は重いほうが良いこと多いから、レタスも重いほうが高い値段つきがちだけどな」

そう言いつつ自分も他のレタスを見始める

遠条寺菖蒲 > 「ええ、高等部一年の遠条寺菖蒲です。よろしくお願いします」

なにやら妙な視線を感じたが初対面の人間相手なのだから当然なのだろうと納得する。

「そういう判断基準もあるんですか」

なるほど、と氷架の語る判断情報に感心する。

焔誼玖杜 > 「そ、そう、なんだ?」

【なるほど、知らなかった、と感心しながらレタスを受け取る。
 値段と見た目は気にしていたけれど、重さを気にした事はあまりなかったのだ】

「……あ、ありが、とう、ございます」

【貰ったレタスを抱えたまま、小さく頭を下げた】

雪城 氷架 > 「一年!!?」
レタスを品定めしていた氷架がガバッと振り返る
「……一年…16歳?」
わなわな

「お、おう…礼を言われるほどのことじゃないぞ」
冷静さを欠きながら玖杜に気にするなと手をひらひら振る

焔誼玖杜 > 「一年生……」

【高等部という事は、編入でないかぎり16歳なのだろう。
 一度遠条寺を見、そして自分を何となく見下ろす。
 ……二年でああは、きっとなれないだろうなあ、と思いつつ】

遠条寺菖蒲 > 「はい、一年ですよ?」

何にそんなに驚いているのかよく理解出来ていない。
何よりも自分のことを知っているわけでもないようだし、名前に対して反応したわけでもなく初めてされる反応であった。

「もしかして、貴方も一年なのでしょうか?」

と問いかける。
また何やら玖杜も反応を示しているがどうにも氷架の視線と言葉に呼応して気がついたかのような気がする。

「焔誼さんは確か14歳でしたか?」

記憶頼りに確認を取る。

雪城 氷架 > 「………」
なんということか、この一見してお嬢様
自分がそこかしこの16歳とどれほど違うかがわかっていない

「そ、そうだよ、一年…雪城、雪城氷架(ゆきしろひょうか)」
同じ年月を成長しているのに何食ったらそんなにデカくなるんだよ…という言葉は飲み込む、飲み込んだ

焔誼玖杜 > 「は、はい。編入、なので……」

【14歳だが一年生なのだ。
 しかし、なぜこの遠条寺という人は自分の年齢を知っていたのだろうかと、首を傾げる】

「雪城さん、も、一年生……」

【つい、目の前の16歳二人を見比べてしまう。
 ……雪城の姿を見て、どことなく安心感を覚えた】

遠条寺菖蒲 > 「雪城、氷架さん……?」

その名前には覚えがある。というよりもつい最近報告書にて見た名前だ。
つまり、この少女は先日の。いや、今はその件を考えるのはやめよう今は個人の時間で生徒会の一員としている訳ではないのだから。とは思いつつも好奇心はあった。

「……えっと、よろしくお願いしますね」

色々と直接聞いてみたいことはあるが終わった事件のことで被害者に話を聞こうとするのはよくないとテレビドラマで刑事さんも言っていた。

それとは別に二人の出す雰囲気からなんとなくだが、自分に抱かれているだろう印象を想像した。

「……なんでしょう。もしかして私って一年生には見えないのでしょうか?」

ご案内:「商店街」に槙壌 結雅さんが現れました。
焔誼玖杜 > 「一年生に、見えない……という、より、その」

【二つしか違うようには見えない、そのスタイルが羨ましいだけである。
 いや、その発育の差をなんとなく、認めたくないだけでもあるのだが】

「……すごく、綺麗、なので」

【とりあえず、俯きながら。いろいろなもので包んで、最小限の発言にとどめた】

雪城 氷架 > 「あぁ、よろしく」
一瞬、菖蒲の表情に変化があったのを見逃さなかったが、
広報もあってある程度学内で有名になってしまったのだ、仕方ないと納得する

「……そうだな、美人だ」
口をついて発育がと言いそうになったのを、直前の玖杜の言葉で思い直すのだった

槙壌 結雅 > (神出鬼没。それが己を顕わす言葉であるけれど。ぶらり、紅茶の茶葉でも買いに行った折の事。今回ばっかりは神出鬼没たる己とあれど、普通の用事である。普通の用事であっても、メイド服は欠かさないのが己の在り方で。)
…あら。
(知った顔が、二人。知らぬ顔が一人。炎の巨人の件での有名人と、例の御嬢様。もう一人、小柄な、日本人っぽい少女は…誰だろうか。)
どうも。
(取り敢えず、誰へとでもなく会釈しておこう。)

焔誼玖杜 > 【そういえば、と。
 雪城氷架、その名前をどこかで聞いた……見た覚えがある。
 先日の事件、炎の巨人……それに直接関係のあった異能を持っているらしい、とだけ認識していた。
 それなのにどうも……炎の気配が希薄に感じる。
 そんな疑問を浮かべつつ、不思議そうに横目で見ているだろう】

焔誼玖杜 > 【会釈をされたことに気付けば、声は出さないものの、小さく頭を下げるだろう】>槙壌
遠条寺菖蒲 > 「それをいうならお二人ともとても可愛いではないですか!」

と羨ましそうに笑顔で言った。

「雪城さんはお世辞抜きで可愛いし、その髪の毛も綺麗じゃないですか」
「焔誼さんもこれからですよ。私も14くらいにこの学園に来てから言われるようにに成りましたから」

と笑顔で自分の容姿について評価されたことは少ない菖蒲にとってそれは珍しい評価を貰ったと少し照れていた。

遠条寺菖蒲 > ちらりと視界の端に先日見たメイド――結雅がいることに気がついて丁度会釈されたのを見て少しだけそちらを向いて笑みを浮かべ会釈し返しておく。>結雅
雪城 氷架 > 「(メイド…?)」
あんまり見ない格好だな、と思いつつ会釈をされたのでついつられるように頭を軽く下げる
どちらかの知り合いだろうか…?

「可愛いは言われ慣れてるけど菖蒲みたいに大人っぽい雰囲気は羨ましいぞ。
 多分学年聞かなきゃ、普通に菖蒲センパイって呼んでたとこだ」

何よりこう並んでいると、同じ年齢の菖蒲よりもむしろ14歳の玖杜 のほうにスペック的には近い現実
ぐぬぬである

焔誼玖杜 > 「これから、ですか……」

【改めて自分を見る。
 可愛いといわれたのは素直に嬉しい。けれども。
 ……どうかんがえても、そんな明るい未来は見えない。
 ほんのちょっぴり、泣きたい気持ちになった】

「雪城、さん……」

【きっと、彼女ならこのなんとも言えない気持ちを共有できるだろう、と。
 前髪の隙間から覗く、ちょっとだけ哀しみの色を持った目を向けてみた】

槙壌 結雅 > どうも。ええっと。
…御二人の、お知り合いでしょうかしら。
(ちら、ちら、と目配せしつつ。何となく、こっちからしゃべらないと喋ってくれなさそうな、人見知りっぽいイメージを、他の二人との会話にて察した。)>焔誼

先日ぶりで御座いますわね、菖蒲お嬢様。
本日は、如何なさいましてこちらに?(にっこり、こちらは屈託なく笑い返して。無駄に畏まった態度にて一礼すれば、これまたずけずけと、問。)>菖蒲

ああどうも。雪城さんだったかしら。
…例の件はお疲れ様でございました。
(ぼそり、と。他の二人に聞こえ無いように…といっても、他の二人も知っているだろうが、何となく労ったような言葉を一つ。)>雪城

遠条寺菖蒲 > 「大人っぽい……そう言われるのも初めてですね。なるほど」

知り合いは多いが友人などはおらず、そのように自分の容姿を評する相手ははじめてで嬉しくあった。

「ですが、私はまだまだ小娘ですから雪城さんや焔誼さんと同じように見て欲しいですね」

まだまだ子供なのだから大人のようには見てほしくはない。と言う思いがあるのだが聞き手次第ではとても嫌味に聞こえるだろう。そういう意図がないことは声色と表情から察しがつく可能性はあるが。

雪城 氷架 > 玖杜に向けられた目に、氷架は小さく首を振った
せんしはレベルが上がればちからとHPが上がっていく
でも私達はまほうつかいなんだ
レベルが上がってもちからとHPなんてほとんど上がらないんだ
それはもって生まれた才能なんだ
そう語りかける悲しげな目を、玖杜と合わせるのだった

「"大変だったね"とか"災難だったね"ならわかるけど、お疲れ様でした…ね。
 アンタ、もしかしなくても公安か風紀のヤツ?」
彼女自身に嫌な思いをしたわけではないが、もう公安委員会にも風紀委員会にも嫌気がさしてしまっていた

槙壌 結雅 > お、大人っぽい…何ですのこれ…。
(メイド服に身を纏う者の睨みのような一瞥がじっとりと横槍として菖蒲に向けられた。己の貧相な体格は…コンプレックスである。)

雪城 氷架 > あ、このお嬢様は完全に悪気がないな
声色ではっきりわかんだね、でもそういうのこそが刺さる

「お、同じように…ね…頑張るよ……」

しかしでかい。いくつあるんだ。
聞くわけにもいかないので、黙る

槙壌 結雅 > 「お疲れ様でございました。」ですわ。
私の持ちたる、最大限の敬意を御払い申しております。何か、御不満でしょうかしら?
んふふふ、御想像に御任せいたしますが、御想像通りでございます。
(飄々とした態度で、それでも上品にくすくすと一笑しながら。)

雪城 氷架 > 「……別に。
 西園寺偲がアンタの直接の上役とかなら文句の一つも言いたいけどな」
そんなわけでもないだろう。
公安委員会が一枚岩じゃないのは今回の件でよくわかった

焔誼玖杜 > 「うう……」

【がっくりと肩を落とす。
 雪城とのアイコンタクトで共感しつつ、遠条寺の悪意ない追討ちにダメージを受けるのだった】

「その、はじめまして、です」

【メイド服……?
 と気にはするものの、それ以上は言葉にしない】>槙壌

【あまり得意ではない会話をしつつ、徐々にじりじりと後退していく。
 八百屋のカウンターに向け動きながら、輪から離れようとしているのだろう】

槙壌 結雅 > ああ、それは、そうかもしれませんわね。
…それで、聞きたいのですけれど、巨人となって暴れた感想は如何でしたかしら。楽しかったですの?
(相変わらず、周りに聞こえない様な小声でほそぼそと問。)

遠条寺菖蒲 > 「私は社会見学……とでも言いましょうか?えっと、そういう感じです」
と結雅の問いに答える。
「雪城さんと同じように歳相応に扱ってもらえると嬉しいですよ、槙壌さん」
なんて大人っぽいとか呟かれたのに返す。

氷架の頑張るという言葉には花を咲かせたような笑顔を見せる。
「はい!仲良くして頂けれると嬉しいです!」
なんだか犬の尻尾が見えそうな程に舞い上がっているように見える。

槙壌 結雅 > …えぇ、初めまして。
見たところ、随分幼いですけれど、おいくつか、聞いてもよろしいかしら?
(少々腰を落としながら、何やらお姉さんな風を纏って振る舞う。…この子になら…勝ってる!)>焔誼

槙壌 結雅 > んん、そういえば、以前も世間話に食い気味でしたし。
菖蒲お嬢様は生粋のお嬢様、箱入り娘だったということですのね。
…然様で御座いますの。承知いたしました。―――でかいですわ。
(何だか、目線が刺々しく。…大人っぽい…!勝てない。と、今更ながら思って。ついつい溢してしまったり)

雪城 氷架 > 「………知らない。私の力を使って巨人とやらを生み出したのは西園寺だろ。
 私はあの事件のことは何一つ覚えてないんだよ。そのうち公安からも呼び出しありそうだけど、多分意味ないぞ」
公安からも、風紀からも聞き込みはされそうだ、まったく面倒な話だと肩を竦める

「…なんだよ、そういうところはあんまり大人っぽくないな」
菖蒲の反応に思わず破顔してしまった。
こういう完璧美人がこういうギャップを見せるのは正直卑怯だ

焔誼玖杜 > 「え、えっと、14歳、です……」

【多少屈みながら振舞われても、幼いといわれても、特別敗北感的な何かはない。
 が、単純に初対面の相手に感じる緊張から、ますます俯いて肩を丸めて小さくなってしまう】>槙壌

【戦術的撤退とばかりに、一歩、微笑ましく見守る店主の居るカウンターへ向け後退】

槙壌 結雅 > …あー、そうで御座いましたか。
圧倒的な力、あんな巨体を得て、人間共を蹂躙する気分、正直私には羨ましく…ああこほん、失礼。
残念で御座いますわ。
(むー、と口をとんがらせながら落胆の息を。)

槙壌 結雅 > まぁ然様で御座いますの、随分若いのですわね。私は"自称"17歳ですの。
…ええっと、その、よろしければ、御紅茶でも如何でしょうかしら。
(そう引っ込み気味ではこちらとて何時もの慇懃無礼メイド口調が出来ない。無理に顔を上げさせるのも何だろう、とお飲み物の御誘い。)>焔誼

遠条寺菖蒲 > 「箱入り娘って……」
最近、よく言われるような気がする。そんなに自分は「箱入り娘」に見えるのだろうか?
確かに、今まで理解は指定なかったが『そういう』のは少し認識しはじめたが複数人からその言葉が漏れるとやはりそうなのだろうかと思う。
「でかいって……?」
確かに皆に比べて背は少し大きいかな、とそれぞれの頭の頂点あたりを見て思うのだった。

「大人っぽいと言ったりそうでないとだったりで意見がハッキリしないものなのですね」
なんてクスクスと笑う。
出会ったばかりならばそれも仕方ないこととは思う菖蒲である。

雪城 氷架 > 「公安委員会の例に漏れずアンタもクセモノっぽいなぁ……。
 そんなことどうでもいいから、私ら一般生徒の安全守ってくれよな。
 こうもあちこちで事件ばっかり起きてるとおちおち散歩もできないぞ」
折角公安の人間にあったんだ、不平不満も漏らしておこうとばかりに言い放つ

喋りながらレタスの品定めを終え、キャベツを選定、さっさと決めて買う野菜を選んでいく…

「見た目が大人っぽかったからさ、中身は私くらいの女の子と同じだなって少し安心したんだよ」
話してみないとわからないものである
なんだか菖蒲とは仲良くなれそうな気がした

焔誼玖杜 > 「い、いえ、だいじょうぶ、です」

【と、困ったようにまた一歩後退。
 そろそろマフラーに顔が埋もれそうなほど俯き、縮んでしまっている。
 亀かなにかだろうか】>槙壌

「そ、そのっ、レタス、買ってきます」

【そう言って、もう一歩下がりながら、レタスを抱えて店主の下へ】

槙壌 結雅 > あら。そうではございませんの?
少なくとも、このメイドたる私には箱入り娘の様に見えますわ。
…この間会ったばかりでこう申し上げるのも何ですけれど。
(商店街に社会見学なんて、自分が箱入り娘だと言っているようなものだと思うけれど、なんて心中でぼそり。)
…でかい…おっ…お嬢様の…お嬢様の…お嬢様のバカー!
(魂の叫びだった。己のコンプレックスを、一切解していない。)

公安委員会なんてみんな曲者ですわよ。
んふふふ、気が向いたらそうさせて頂きましょう。私、働くのは性分に合いませんもの。
(神出鬼没。して、慇懃無礼たる己の在り方。)

…ああもう。…そんなに不気味なのかしらね。
(何だか逃げられた気がして。そして、そのままレタス買いにいった彼女を見送って。…成程、確かにメイド服って怪しいかもしれない。)>焔誼

遠条寺菖蒲 > レタスを買いに行く玖杜を見て、最初の疑問を思い出す。

「そう言えば、選び方をよく知らなかったとはいえ焔誼さんはどうしてあんなに安いほうか高くて美味しそうな方かと選んでいたんでしょうか?私でしたらどちらでも瑣末な問題と思うのですが……」

雪城 氷架 > 「一般庶民にとっては安くて良いものを選んで買い物をするのが常だからな。
 高くて良いものは当たり前、でも安くて不味いものはなるべく引きたくない、ってところだよ、多分な」
雪城の家も比較的裕福ではあるが、多分このお嬢様とはレベルが違うのだろうな、
そもそも遠条寺って名前からして金持ち感がスゴい

「せめて勤勉にやってくれよな。
 一般生徒はアンタらとか風紀委員に頼るしかできないんだからさ」
異能を持っていても一般生徒は一般生徒
氷架のような力があったとしても身を守って戦えるかどうかは別の問題なのだ

槙壌 結雅 > だったら雪城お嬢様?
あなたが風紀委員なり公安委員なりをすればいいでしょう?
ラストステージの異能者サマっ。
(何処か皮肉った口調で、笑いかけてみる。けど、彼女が風紀なり公安なりに入ったら、多分安泰だとは思うが。)

雪城 氷架 > 「………」
じぃ、っと槙壌を見る
「ラストステージってのがなんなのかいまいち私はわかってないけど、
 西園寺が作り上げたのが炎の巨人"だけ"なら…多分ラストステージには至れてなかったんだと思うぞ
 ………あと私は異能の実習講義で制御バランスの判定Eランクだ、とてもじゃないけど公安にも風紀にもなれないよ」
すっぱりと切り捨てるように、そう言い切った

遠条寺菖蒲 > 「いえ、率直な感想は私にはありがたいものです。ありがとう槙壌さん。
――けれど、ドラマの受け売りですけれどバカという方がバカになってしまうのですよ?気をつけたほうがいいわ」
世間知らずの自分が知っているのだから自分を『箱入り』と評する結雅が知らないはずもないだろうが、いつか言ってみたかった菖蒲であった。

ようやく得られた解答は今この場だけでしか考えていなかった菖蒲には目からうろこが落ちるようなモノであった。
今まで買い物も食事の用意もすべて家の者や学園では学園側が用意した家政婦がやってくれていたのだから考えたこともなかった。
「なるほど、そういうこともあるんですね……」
世界は広いというのはこういうことなのでは、と世間の広さを少しだけ氷架の出した答えから垣間見た気がした。

槙壌 結雅 > ああ、そうですの?
…ま、だけでないことを祈っておきますわよ。
え、何ですのあなた、それは異能が一切使えない私に対する当てつけでしょうかしら。
よろしいでしょう、表へ出なさい。
(既に表である。)

どういたしまして。
…あ、ええと…その。お嬢様。
…んふ、くすくす…ええ、私めはバカでございます…ん。くすくす…。
(ぽかーんと、敬語も忘れて「気を付けた方が良いわ」という忠告に少々沈黙。しかし、そんな事を言い切った彼女は、見た目よりも、可愛くて。ついうっかり、笑ってしまった。確かに、バカかもしれないけれど「それは幼稚園でしか通用しないルールですわよ。」と、言いかけた言葉を笑いながら必死で抑え込んで。それにしても、このメイド、今更ながら失礼なヤツである。)

雪城 氷架 > 「菖蒲はいっそ寮とかに入って生活したほうが、世界広がって楽しいかもしれないな」
想像以上に、完璧に箱入りのお嬢様だった少女に苦笑する

「だーから、私には魔術の素養もないし、異能の講義の成績も悪い。
 わかるかな、所謂落ちこぼれなんだよ、落ちこぼれ。風紀や公安何て入れるわけないだろ……」
格闘や護身術の経験すらない、入ったところで何の貢献もできないのは目に見えている。

焔誼玖杜 > 【店主の下で会計を追え、戻ってくる。
 手にはレタスと……ほかにも玉葱や人参なんかも追加された袋を提げていた】

「わ、私はこれで……。
 他にもお買い物、あるので」

【失礼します、と。
 三人に向けて頭を下げつつ、店から出ようとする】

雪城 氷架 > 「ん、あぁ…じゃあなー」
結雅にむけてぱたぱたと手を振る
なんというか、物怖じしちゃう感じのやつだなーなどと考えて

遠条寺菖蒲 > 「時間を取らせてしまってごめんなさいね焔誼さん。まだ明るいけれど物騒な事件があったばかりだから帰りは気をつけてね」

前半は個人として、後半は一応は生徒会の一員としての気持ちで告げる。

槙壌 結雅 > あの、私は現に公安委員会ですけれど?
それに、例の件を吟味すれば、楽々入れると思いますわ。
どうかしら。…ダメですの?
(仕事をさぼりたいのが半心であるが。)

然様で。えぇ、お気を付けて。
(ぺこ、と深々と一礼して、彼女の出て行く様を見送って。)

雪城 氷架 > 「魔術が使えるとか、戦闘技能があるとか、そういうんじゃないの?
 ……ていうか、私が?公安委員に?本気で言ってるのか……?」
怪訝な目を向ける
つい先日、その公安委員のお偉いさんに拉致されてあんな事件があったばかりなのだ

遠条寺菖蒲 > 「ぇ、あの、槙壌さん……?」
堪えるようにして笑い出した結雅を見て少しだけ困惑する。
何か気に障るようなことを言ってしまっただろうか?人は時として笑いながら怒る事があるとテレビドラマで見たことがある菖蒲としては少し不安であった。

「寮、ですか…」
確かに楽しそうだ。同性で同年代の子が多くいるのだろうから楽しいのだろう。
けれど、先日大きな事件があり元上司に生徒会の一員を狙う輩がいないとも限らないと言われた手前、一般生徒の多くいる女子寮に行くのはよくないのではと考える。
「少しだけ考えておきます」
それは叶わない夢なのだけれど夢想するのは自由だから、そう答えた。

焔誼玖杜 > 「はい、また……。気をつけて帰ります」

【三人へ頭を下げつつ、ゆっくり背を向ける。
 が、完全に背を向けるまで、ずっとなにか気にかかるものがあるかのように、雪城へ視線を向けていた。
 しかしそれも背を向ければなくなり、次はお肉屋さんだ、と意気込んで離れていくのだった】

ご案内:「商店街」から焔誼玖杜さんが去りました。
槙壌 結雅 > えぇ、宜しかったら、いいんじゃないですの?
多分は入れると思いますわ、異能がないこんな私でも入っているので御座いますから。
…あ、公安委員会がいやなら風紀委員でもいいんじゃないですの?
(多分、どっちかといったら入りたいって思うのは…そっちだろうか。)

ああいえ、その。なんでもありませんのよ、お嬢様。
強いて言うなら、お嬢様の仰る通り、大人扱いをしてはならないと改めて認識いたしましたの。
可愛らしいと思いますわ♪んっふふふ…。
(仄かに不安そうな表情を認めるなら、それもまた可笑しい。大丈夫だと言わんばかりに首を左右に揺らして、にっこりと笑いかけながら。)

雪城 氷架 > 「こんなしょっちゅう事件があるトコの治安維持組織だから、とーぜんある程度の戦闘技能がいると勝手に思ってたよ」
会話しながら、買う野菜をぱっぱと品定めしていく。
いつの間にかカゴにいっぱいの野菜が

「うん、楽しいよ、寮。
 もしかしたら菖蒲には窮屈かもしれないけど」
クスリと笑って

「じゃ、私もそろそろ行くよ。またなーお二人」

結局終始ぶっきらぼうな語り口で、
大量の野菜を買い込んで店から出て行くのだった───

ご案内:「商店街」から雪城 氷架さんが去りました。
槙壌 結雅 > …まぁ、異能が使えないだけで魔術も剣術もありますけれどね。
お疲れ様でございました。
またの機会をお待ちしております。
(負け惜しみに、彼女の背中へと呟けば。深々と一礼して見送った。)

遠条寺菖蒲 > 「ふふ、本当ですか?」
どこか嬉しそうに僅かに体を捻って照れ隠しなのか片手を頬に当てた。

窮屈かもという言葉を受けて寮の間取りは図面として知っているのでそうかも知れないし私物が少ないのでそうでもないかもしれない、と苦笑した。
「ええ、雪城さんもお気をつけて。またお話しましょう」
と軽く手を振って見送った。

槙壌 結雅 > えぇ、それはもうっ。…やっぱりお嬢様はお嬢様ですわねぇ。
(上品だなぁ、なんて思いつつ。こくり。)
あー、それで、社会見学でしたっけ…これから如何なさいますの?
(話題の原点回帰をば。)

遠条寺菖蒲 > そう言われるとこれからどうするかと考える。

「そうですね……」

しかし、気になっていたことは玖杜がどうしてあのように悩んでいたかということでそれは氷架から解答得られて満足した。
で、あれば当初の目的は完璧に達成している。

「知りたかったことは知れましたので、後は少しだけ歩き回ってお夕飯の時間には帰ろうかと思ってます」

つまりは暇を持て余していますと言うことであった。

槙壌 結雅 > …ふむ、然様で御座いますの。
御夕飯は、いつになさるの?あ、それと何処で済ませるご予定でしょうかしら?
(ちら、と時計に目を遣れば、御飯時にはまだ早いだろうか?少しだけ歩き回る…のなら、己もそれとなくそれについて行き、世間話と洒落込むのも一興。ついて行かずに彷徨するも一興。流れに身を任せる心づもりなようだが、取り敢えず、己も晩御飯だけはしっかり取らねば、と。)

遠条寺菖蒲 > 「お夕飯は自宅で恐らく家政婦さんが今日も用意してくれてるでしょうから」

そう告げてから、それで、と切り出す。

「少し、本屋に興味があるんです!……あ、そう言えば槙壌さんは買い物の途中のようでしたが大丈夫なのでしょうか?」

本屋に抱く興奮とは別に結雅と遭遇した先程の状況を思い出して尋ねた。

槙壌 結雅 > …あら、然様でしたの。お嬢様はやっぱりお嬢様ですのねぇ…。
(あわよくば共に晩御飯に寄れるだろうかと思ったが、残念と言えば残念である。)

本屋?図書館ではダメですの?…ああいえ、紅茶の葉の買い足しですわよ。概ね終わったので大丈夫ですわ。…行ってみます?
(白い袋、マシゲンとでも綴られたそれを見せて。)

遠条寺菖蒲 > 「だって図書館の本は自分のものに出来ないでしょう?
本屋で買ったものは私の所有物になるじゃないですか。」

買って自分のモノだからこそいいのではないか、と菖蒲は笑みを浮かべて言う。
余り私物を多く持たない彼女にとっては娯楽のものを買える場所というのはそれだけで特別なように思えた。

「私の分しかお夕飯の用意がないのが悲しいところです。あれば先日の世間話をしましょうという約束も丁度良かったかもしれませんね」

マシゲン、知らない名称ではある。
しかし茶葉を売っているお店というのにも興味が無い訳ではない。

「ちょっと気になります」

と袋を凝視して答えた。

槙壌 結雅 > んー、確かにそうで御座いますわ。
貸出しかありません。…結構独占欲が強いのでございますね。
…どういった本を御所望で?
(この御嬢様が、自分のものとして、そして娯楽のものとして欲する本とは…一体何のことだろうか。)

そうですわね…でも、追々出来ますでしょう。
…それにしても、本当に私の世間話に乗って下さるお嬢様なんて久々ですわ。
(しみじみと感傷に浸るゲスなメイドさん。でも、本物の御嬢様の前では迂闊な口は滑らせない模様。)

然様で。それでは、こちらに参りましょう。…本屋は後でも大丈夫ですの?
(そんな事を言いながらも、ちゃっかり我先にとマシゲンにてくてくと歩みを運び。)

遠条寺菖蒲 > 「本は絶版しなければ手に入る機会はいくらでもありますから」

そう言って笑顔でマシゲンへの案内を促す。

「私が欲しいのは、刑事さんと探偵さんが度々事件現場で会って仲悪く見えてもなんだかんだで協力して事件を解決するっていう水曜夜九時にやってるテレビドラマの原作の小説です」

この島での中等部時代から見続けている連続テレビドラマで既に結構な長期シリーズものと化した作品である。原作小説はそんなに長くなく、完結している。今テレビでやっているのはオリジナルストーリーという訳である。

槙壌 結雅 > 然様で。承知いたしました。ふむ、こちらをこう行きまして、…ああ、ありましたか。
信号の向こうにあります「増」の文字の赤い看板のスーパーマーケット。あれがマシゲンで御座いますわ。
(歩くこと、数分。案内は普通に完結し、目的地に指を指した。)

あー…何でしたっけ、それ。
映画化された奴でしたでしょうかしら。…んー。覚えて居りませんわ。
…意外ですわね、えぇ。
(目をパチパチ。あれ?と、予想外な答えだった様子で。)

遠条寺菖蒲 > 道のりを覚えてなんとも分かりやすい看板にこれなら迷うこともないだろうと苦笑する。

「なるほど、ここがマシゲンですか」

うんうん、と頷いてみせる。

「『刑事x探偵(デカとたんてい)』通称デカタンですよ。今のシリーズは『真の仲間編』ですね。
映画はその頃行く暇がなかったので見てないんですよね……」

中等部時代、生徒会の仕事に忙殺されて帰宅するのが八時過ぎて夕飯を食べ終わるとはじまったそのドラマをなんとなく見始めて習慣となったのだった。そしてそれしか娯楽がなかったが故に妙に詳しい。だが、テレビドラマとCMで得た情報しか作品については知らないのだ。

槙壌 結雅 > えぇ、大体日用品はなんでも揃ってますので、こちらで…といいましても、御嬢様には必要ないかもしれませんけれどね。
青になりましたよ。折角で御座いますし、入ってみますか?
(ふと信号待ちの時間が終わったことに目を遣れば、人の流れがダムの解放の如く動き始めて。)

ふむ…ごめんなさい。何を言っているかさっぱりで御座いますわ。
デカタンというのですか…一応覚えておきましょう。
何ですの、もっとこう…可愛らしいものかと思っていたのですけれど…。
(可愛らしい見た目にそぐわぬものである。彼女の中学時代は知る由もない故、ほそぼそと紡ぐのみ。)

遠条寺菖蒲 > 「気になります――」

と言いながら制服の袖に隠れて見えていなかった腕時計をちらりと見て、

「ですが、そろそろ帰ったほうがよさそうな時間になってきましたので今日は場所の確認くらいで」

それにすっかり忘れているが一度この商店街に出店している部活動から回収した書類を生徒会室にも置きに行かなければならないということを思い出した。

「平日の午後の三時から五時頃まで再放送をやったりもしているらしいのでご興味があれば少しみてみるのもいいかと思います。
可愛らしいものですか?実は他の番組などについてはよく知らないので……」

少し言葉を濁して笑う。たまたま疲れていた菖蒲の心に程よい刺激と癒やしを与えたがゆえに初めてみたテレビドラマにドハマりしてしまった為に他の作品には興味がなかったのだった。

槙壌 結雅 > …あら、然様で。残念で御座います。
では、後日お会い致しましたら、またお話し下さいませね。
(では己も引き返そうか、と二つの足踏みにて先程まで侵攻してきた道に踵を返した。)

…私、"こう見えても"メイドです故なかなかテレビを見る機会がありませんの。ですけれど、今後機会がありましたら、拝見いたしましょう。
…然様でしたか。あ、そうですわ!ドラゴンえもんは良いですわよ。あれは至高ですわ。夢を失った子供に夢を与えて下さる番組ですので。アニメですけれど。金曜夜七時からですわ。
(何かもう、張り合っているかのような、己の一押しの番組の述べ方であった。腐った神様。ゲスなメイドは落ちるところまで落ちたらしい。)

遠条寺菖蒲 > 「金曜の夜七時ですね。覚えておきます」

と言葉を反復し記憶する。
そして可愛らしく笑みを浮かべて

「今日はありがとうございました。
今度会う時はお茶でも世間話でも楽しみにしてますから」

とても晴やかで綺麗な笑顔を見せて軽く頭を下げるとその場から離れていく。

ご案内:「商店街」から遠条寺菖蒲さんが去りました。
槙壌 結雅 > まぁ…。
(少々、見入った。御嬢様って素敵な表情をなさるのですね。なんて思って。)

えぇ、またの機会。どういたしまして。光栄で御座いますわ。私も楽しみにしております。
それでは、御機嫌よう。
(別れ際、深々と一礼して。そうして己も、何処へなりと歩き、歩行者の水流へと散って行く。)

ご案内:「商店街」から槙壌 結雅さんが去りました。
ご案内:「商店街」に白崎玲刃さんが現れました。
白崎玲刃 > ………こうも、いきなり平穏に逆戻りすると何をするべきか戸惑ってしまうものだな。
【商店街を歩いてゆく男がいる。白峰玲刃である。玲刃は、先の炎の巨人との戦いで受けた傷も殆ど再生していた。そして今、玲刃は手持無沙汰で歩いていたのであある。突然の指名手配解除、それによる思ったよりも早い平穏の訪れ。いきなり訪れた平穏に玲刃は何をするべきか戸惑っていた。無論、ロストサインについての調査や、逃亡期間中の欠席分の課題は残っている。しかし、それはさておきだ。まずは束の間の平穏を楽しもうと、ここ商店街へとやって来た玲刃であったが、こうも戸惑う結果となってしまったのである。】

白崎玲刃 > ふむ…とりあえず、あそこで何か食べるとするか。
【商店街を適当に散策していた玲刃は、とりあえず目についた牛丼屋へと入って行っく。玲刃は、図書館で混成補助魔術の復元の作業の後、そのまま学園へ行き、朝も昼も何も食べていなかった為、腹が減っていたのである。】

ご案内:「商店街」に相楽 満さんが現れました。
相楽 満 > 「……あ、あんときの怪我人じゃん。
 よー、元気か? 怪我もよさそうじゃん?」

ひたひた近寄り、まるで旧友のように隣に。
背中をばしばし叩いて、再会を喜んでいる。

白崎玲刃 > ふむ、牛丼…おろし牛丼…豚丼…何を頼むか…
【人がごった返している店内へと入った玲刃は、何を注文しようかと思考していたと、そこへ見知った顔が来た為、意識をそちらへと向けた。】

む?ああ、あの時の、名前は確か…?そういえば、聞いて無かったな。
【満を見つけ背中を叩かれながら挨拶をしようとして、ふと、あの時に名前を聞いて無かった事に気がつく。】

相楽 満 > 「あ、そーいや。
 つーかあんたが逃亡生活してたみたいで、自己紹介って流れにならなかったじゃんよ」

へらへら笑い、メニューを見ている。
ぶつぶつと呟く内容から、どうも三杯ほどは頼みそうだ。

「俺は相楽満。一年だよ。
 まーなんか縁ありそうだし、これからよろしく」

白崎玲刃 > ああ、そうだったな。あの時はすまなかったな。丁度指名手配も解除されてたらしいのに警戒してしまってな。
【苦笑いで、あの時に邪険な態度をとってしまった事を満に謝る。】

ふむ、満か。俺は白崎玲刃だ。俺も一年だ。まあ留年生だがな。
ああ、そうだな、これからもよろしく頼む。
【満の自己紹介を聞き、玲刃も自己紹介を返す。そして、留年生だと苦笑いとともに付け加えた。】

ああ、そういえば、前に助けてもらった借りだ。奢るぞ。
【前に、学生通りで介抱してもらった事を思い出し、満に奢ると提案した。】

相楽 満 > 「ウッス、白崎な。よろしくー。
 なんだよ、指名手配解けたのか!
 やったじゃん、これで堂々と道歩けるな!」

嬉しそうにもう一度肩を叩く。

「っと、そうはいかねーよ。
 恩の貸し借りはともかく、金の貸し借りを学生の身分でするもんじゃねー。
 また別で返してくれよ」

な? と笑いかけた。どうにも信念が固い。
自分で食券を購入しはじめた。
牛丼と豚丼とステーキ丼ときたものだ。全部大盛り。

白崎玲刃 > ははは、そうだな。これでようやく、路地裏を隠れて通っていた日々ともおさらばだよ。
【肩を叩かれながら、苦笑いしながらも若干嬉しそうな表情で言う。】

む、そうか。残念だな。じゃあ、だ。何か困ったことがあったら言ってくれ。これでも俺は何でも屋だ。何かあれば力になるぞ。
【奢ろうとした事を拒否され、若干残念そうな表情をしながらも、何かあればなんでも屋として力になる笑いながら言った。
そして、玲刃も食券を購入する。玲刃が購入したものは、おろし牛丼であった。ちなみに、中盛りである】

相楽 満 > 「怪我もよさそうだし、一件落着って感じじゃん。
 あとはもう授業出てない分の補習とか追加課題とかだけ?」

長いこと留年生が授業に出ていないなどと、悲劇の予感しかしない。

「へー、何でも屋……ってまた漠然としてんな。
 そんなこと出来るっつーんなら、白崎もいろんな特技ある感じ?」

お手拭で手を拭いつつ、コップに入った水を一杯飲み干し、水を注ぐ。

白崎玲刃 > ああ、そうだな。
【同意しつつ、課題が出ていた事を思い出しつつ、面倒だなと若干顔をしかめる玲刃。そして。】
まあ、他に残って無いって事も無いんだが、そこは追々だな。
【一件落着という言葉を聞き、まだ西園寺が向かっていた問題が、更なる困難であるロストサインとの戦い残っている事を思い起こし、小さく呟いた。】

あー、なんでも出来るというかな。器用貧乏というかそんな感じだ。
俺は、異能は身体強化と再生で、魔術も出来るが、補助魔術と多少の回復くらいだからな。
まあ、あれだ。全部地味な能力だよ。
【苦笑いしながら自分の能力を語りつつ。おろし牛丼を食べていく玲刃。】

相楽 満 > 「めんどくさそーだなぁ、課題……

 ……だけじゃねーな。その話聞いておきたいとこなんだけど、ダメ?」

一瞬だけ、目が鋭く。
笑いとおしていた少年の、獣のような危機への感覚が垣間見える。

「お、おぉ……マジで何でも出来るじゃん!?
 なるほど、そんであの大怪我がもう治ってんのか……
 すっげーな、器用なヤツってあこがれるわ……」

地味というよりは、本当に多くのことが出来る人間がうらやましいらしい。
器用貧乏などと一言も言わなかった。
そして到着した牛丼を前に、手を合わせて小さくいただきます。
ものすごい勢いで食べ始めた。

白崎玲刃 > ……一般人を巻き込みたくないんだがな。
まあ、なんだ、詳しくは話せないが、注意喚起だけはしておくぞ。2年程前に、猛威をふるってた犯罪組織がな、滅びたって噂だったんだが、近頃また、ちらほらと噂を聞くようになったって感じだ。だから、満も気をつけろよ。危険な奴見かけても手を出そうだなんて思うなよ。
【話を聞きたいという満に、詳しい事は言わずに、概要だけ掻い摘んで言い。そして、気を付けるようにと、真剣な表情で忠告した。】

いやいや、一点特化した奴には敵わないさ…
ああ、まあな、でもこの再生、遅いから戦闘には役に立たなくてな…
おお…食べるの早いな。
【昨日遭った、東郷を思い出しながら、悔しそうに言う、実際に戦ったわけでは無いが、戦わなくてもわかる、ああいう一つの道を極めた存在というのは本当に厄介だ。
まあ、そのおかげで負傷を気にせず無茶したりは出来るんだけどな、と苦笑いで付け加えた。
満の牛丼を食べる速さに少し驚きながら呟く。そして、玲刃も食べ続ける、玲刃の牛丼は残り半分くらいであった。】

相楽 満 > 「んー、俺も関わりてーって思うこたないんだけどさ。
 ある程度知らないと気をつけることも出来ねーし。
 あとまぁ、ちょっと友達がな。遠巻きに眺めるの好きなヤツだけど、変に喧嘩売られたりしたら助けてやりてたいって思ったりしてさ。
 まーとりあえず気をつけるよ。俺も厄介ごとはごめんだし」

けらっと笑い、そう言い放った。
首を突っ込むために聞いたという様子ではない。

「役に立つかどーかってのはまた別の話じゃん?
 俺魔術とか使えないし、すげーって思うんだけどなぁ……
 食うのは別にこんなもんじゃね?
 あーいや、でも最近早いって言われることあるかな……」

二杯目、ステーキ丼の中身が既に半分になっている。
口に入れて三回ほどあごを動かしたら、もう飲み込んでいるようにも見える。

白崎玲刃 > そうだな。だからこそ、注意だけはしておいたぞ。
まあ、普通は厄介事とは関わりたくは無いはな。
なんだ、厄介事とか困ったことがあればいえ、助けに行くぞ、とは言っても俺は携帯持って無いからすぐには行けないけどな…
【首を突っ込む為に聞いた様子で無い満に安心し、はははと笑いながら返す。
そして、パソコンのアドレスを満に渡したあと若干申し訳なさそうに言った。】

ふむ…そういうものか。
いや、俺も魔術の才能自体はほとんど無いんだがな、それでもどうにか使えるように改善した魔術を使ってようやく実戦でも使えるレベルの効果を引き出してるに過ぎないさ。
早いと思うぞ、俺なんて中盛りでさえ、まだ食べ終わってないしな。

【役に立つかどうかは別問題と言われ、玲刃は若干驚きながら言葉を返した、今までなんでも屋としての人生で玲刃は常に自身の能力関してはなんでも屋としての業務において役立つかどうかで判断して生きて来た為、その言葉は玲刃にとっては驚きであった。
魔術に関しては、自分も才能は無い方でどうにかそれでも使えるように改善したものを使ってるだけだと、苦笑いで言った。
満の食べる様子を見ながら、驚きとも呆れとも取れる様な表情で言葉を返した。玲刃の牛丼はまだ1/4程残っていた。】

相楽 満 > 「おうよ、まー大丈夫っしょ。普通にしてれば。
 んじゃ、やべーことになったら白崎に頼んでおこうかな」

スマホを取り出し、そのアドレスを打ち込んでいく。

「やー、その根性がすげーわ……
 俺全然出来ないから、どっちかってと異能のほう磨いたほうがいいじゃんってことで、魔術とかの勉強してねーし……」

二杯目を完食し、最後の豚丼に取り掛かる。
これもまるで飲み込むようなスピードでかき込んでいく。

白崎玲刃 > ま、普通にしてても時たま、絡まれる事もあるらしいから気を付けとけよ。
ああ、やばくなったらいえ。助けにはなるぞ。荒事には慣れてるんでな。
【音音の時の事を思い出しながら言う。そして、まあ、もっとも、あれは勘違いだったがな、と苦笑いを浮かべた。
言ってくれれば助けになるぞ、と真剣な表情で強く頷いた。】

ははは、まあ、俺は異能がそんなに強く無いからな、だからこそ、他に戦いに使える手段が必要で必死に魔術調べてたら、どうにか実戦に足るものになったって奴だよ。
【苦笑いを交えながら、自分が魔術を習得した時の事を思い出しながら言った。
玲刃はやっと牛丼を食べ終えて。水を飲んでいた。】

相楽 満 > 「やーだねやだねぇ。
 こっちゃ学生生活満喫したいってのにさー。
 白崎は場慣れしてそうだし、頼んだら確実に助かりそうだな」

へらへら笑いながらそんなことを呟く。
その顔に疑いは無い。

「なるほど、色々やんなきゃいけない立場だったってか。
 その結果何でも屋出来るくらい手が広がったってのはやっぱすげーんじゃね?」

しばしして食べ終わったか、豚丼のどんぶりを置く。
三つのどんぶり全てに米粒ひとつ残っていない。
そして両手を合わせてご馳走様でした。

白崎玲刃 > ははは、場慣れしてるとは言ってもな、俺だって勝てない相手はいるぞ。まあ、逃がすだけなら絶対に達成してやるから安心しろ。
【ま、例え勝てなくても、目的を達成すれば、問題は無いさと、笑って言った。】

いや、むしろ逆だ、なんでも屋として生きていく以外に道が無かったから、いろいろやれるように頑張ったって奴だよ。
【けらけらと笑いながらそう言って、玲刃も自分にどんぶりに、軽く礼をして、席を立った。】

相楽 満 > 「あいよ、頼りにしてるよ」

けらけら、同じように笑った。

「……つーか何でも屋って選択自体がなんつーか、普通発想しねーような……」

同じように席を立ち、外へと。
かばん片手に満足げにため息をついた。

「っしゃ、そろそろ帰るか。
 白崎も寮なら、一緒に帰るか?」

白崎玲刃 > ああ、頼りにしよけ。
【悪戯めいて笑いながら。言葉を返した。】

ははは、まあ、普通じゃこんな道には進まないだろうな。
【玲刃は、すこし影のある笑みで意味深に言った。】

いや、俺は寮では無いんでな。
まあ、それじゃあ、またな。困ったことがあったら遠慮無く言えよ。
【苦笑いと共に、そう言って、玲刃も外へと出ると。
満に手を軽く振って、行く宛も無く何処かへと歩いて行った。】

相楽 満 > 「おー、じゃーな白崎。
 またメシでも食おうぜ」

ひらひらと手を振り、同じように別の方向へ歩き去る。
心なしか足取りは軽く、楽しげだった。

ご案内:「商店街」から相楽 満さんが去りました。
ご案内:「商店街」から白崎玲刃さんが去りました。
ご案内:「商店街」にヘルベチカさんが現れました。
ヘルベチカ > 放課後っ!買い食わずにはいられないっ!
(ヘルベチカは激怒した。必ずやこの邪知暴虐の空腹を除かねばならぬと決意した。)
(ヘルベチカには数学の課題の回答がわからぬ。ヘルベチカは17歳男子である。)
(主に昨日は授業の予習などせずに、バイトして夜は部屋でごろごろして暮らしてきた。)
(しかし空腹に対しては、人一倍に敏感であった。)
(人はこれをだめなやつという。)

ヘルベチカ > しょうがないしょうがない。思春期男子なんて食欲とその他欲求メインで生きてる。
(性欲、と大通りでいうことを避けるだけの分別程度はヘルベチカにもあった。最低限。)

ヘルベチカ > (学生が大多数を占めるこの島。その商店街。)
(で、あれば。大概の飲食店は単純に言って本能直結脳天直撃。)
うわぁめっちゃいい匂いしておられる……。

ヘルベチカ > (肉!!!!!!)
(油!!!!!!)
(塩!!!!!!)
(乳製品!!!!)
(小麦粉!!!!)
(砂糖!!!!!)
(描写が単語で足りる。)

ヘルベチカ > カレーはずるいよね…香ればいいんだもん…
(香辛料の香りも漂ってきた。はぁ、と息を吐く。)
(ポケットをゴソゴソと漁って財布を取り出した。)

ヘルベチカ > (財布の中身を覗く。)
(指で小銭を揃える。)
(札の枚数は見なくてもわかるので見ない。)
(顔を上げる。)
(腹が鳴る。)

ヘルベチカ > ん~~~~~~!!!!!
(生きるべきか死ぬべきかと言われれば生きるが。)
(肉いくべきか甘味かと言われれば、揚げ物が背後から腎臓狙って刺してくる状態。)
(学生はお金がないっ。)

ヘルベチカ > (道の端で一度足を止めた。)
(獲物を狙う鷹のような目で、店々の軒先に並ぶ商品を眺める。)
(もはや何らかを食べることは疑いの余地もない。)
(そう、ただ考えているのは、どの組み合わせで食べるかである。一品では最早我慢できなかった。)

ヘルベチカ > (こういう時に打撃力が強いのは、香辛料の香りである。)
(唐揚げにまぶされた胡椒の香りがふわりと鼻先へ香る。)
(しかし、あれを食べてしまえば、肉の座は唐揚げが占めることとなる。)
(あの、美味そうに蒸されている豚まんが去っていく。甘い皮の内側に秘められた肉汁が、涙に見えた。)

ヘルベチカ > (しかし豚まんは豚まんで、皮が問題だ。あれを食べれば、ドーナツでは被る。精々がクレープ。)
ぐ、ぐぐ、ぐぐぐぐぐぐ。
(唸る。腹も唸る。)

ヘルベチカ > ぐぅ。(ぐぅの音が出た。)
よし。本能で決めよう。いくら頭で考えたところで、きっと決まるまい。
(眼を閉じた。想像してごらん。自分が食べている時を。)
(その口元には――――)

ヘルベチカ > 家の飯、食いたいなぁ。
(猫乃神ヘルベチカ。17歳。)

ヘルベチカ > よっしゃ。唐揚げ棒とポテトにしよ。
(甘味は諦めた。財布を片手に店の前へ。)
(会計を済ませれば、右手に唐揚げ棒、左手にポテトの袋を下げて歩く。)

ヘルベチカ > (もくもくと唐揚げ棒を食む。行儀が悪いが、指摘する人間も居ないし、周囲を見ても大体がそんな感じだ。)
(放課後、夕食までの時間繋ぎ。学生たちの楽しみの時間。)

ヘルベチカ > 昨日は肉食べたし、今肉食べてるし、今夜は魚食わないとな……。
(寮に住んでいない少年にとって、献立のバランスは自分で確保するものであった。)
(言いながら芋を食んでいるので、バランスもクソもないが。)

ヘルベチカ > でも魚って、外で食べると高いし、自分で調理するのはめんどくさいし…
(視線をちらりと飛ばした先。弁当屋のメニューがでかでかと壁に貼り付けられている。)
(魚が入っただけで、値段がワンランク上がっている。精々安いのは、揚げた白身の入ったのり弁程度だ。惣菜で買っても同じだろう。)

ヘルベチカ > ま、魚買って帰って焼くか。こういう時店のキッチン使えるのは有難い。
(住み込みの役得である。)

ヘルベチカ > (そうこうしているうち、唐揚げ棒は只の串となり、袋の中のポテトも尽きた。)
(名残は尽きねど惑いは果てぬ。食べ始めたのなら、食べ終わるということである。)

ヘルベチカ > (串もビニール袋の中へ放り込めば、ポケットの中へと突っ込んだ。)
さーて。魚買って帰ろ。
(満腹には程遠くても、一旦腹が落ち着いて満足気な顔で。)
(少年は商店街の中、夕餉の準備に向けて足を進めた。)

ご案内:「商店街」からヘルベチカさんが去りました。