2015/07/27 のログ
綾瀬音音 > (慌てる声にそうだよなぁ、と思う。
自分だって同じ立場なら抵抗があると思う。

が、了承の声が聞こえれば)
うん、私は大丈夫、失礼するね?
(と、ガードしてくれた嶋野に目礼をして、カーテンの合わせ目から身体を滑り込ませるようにして入り込む。
幸いこの店の試着室は大きめに作られているようで、二人で入ってもそれなりに身動きは取れる)
ええとね、ショーツはこっちが(と面積が少ない方を指して)前。
サイズは……大丈夫かな、あんまりぴっちりしててもキツイしね。
(余り透けた肌には目をやらないように気を配りつつ。
ブラに関しては、ホックを前で止めてから回してつける方法を教える。序に各部位の名称も説明しつつ。
彼女が手間取って、尚且つ嫌がらないのであれば、つけるお手伝いもしよう)

嶋野陽子 > カーテンの内側からの声を
聞きながら時計を見た陽子は、
(これは綾瀬さんにはアップルパイだけでなく、夕食
も振る舞った方が良い時間になりそうですね)と思う
陽子。幸いにも寮の冷蔵庫には、気の利いたパスタや
お好み焼きを作れるだけの材料がある。

サヤ > 「は、はい。」緊張した声で応える。相手が入ってくれば、恥ずかしそうに左手で胸を隠した姿で出迎える。

「面積が少ない方、ですね。ええと大きさは、まだしっかり試してませんが、多分大丈夫だと思います。伸び縮みするみたいですし。」

ブラに関しては、襦袢を着たままではサイズが合うかわからないので「ちょっと失礼します。」背を向けてから開いて、肌を出す。やはり一番面積が広いフルカップブラジャーを手に取り。
「"ほっく"を……はめて……。」ホック部分を前に持ってきてはめようとするが、左手の指が上手く動かず、はめられない。
「ん、くっ……。」しばらく悪戦苦闘するが。「す、すみません……ちょっと、はめられなくて……。」申し訳無さそうに、手助けを願い出る。

綾瀬音音 > (胸を隠す様子にちょっとだけ申し訳無さそうに眉を下げてから)
ん、そうだね。
じゃあ取り敢えずMサイズで行こう。
サイズ解るかなS、M、Lの順で大きくなるんだけど、今のはMサイズ。大きかったら今度S、買ってみて?
(と、ショーツについてはそう説明する。
基本的に衣服もその表記であることを説明しておこう。
どこまで彼女が知識があるのか解らないために、必要以上の説明をしているかもしれない。

左手の指の動きが怪しいことに気づいて、ちょっと考えつつ。
手伝いを頼まれれば頷いて)
ちょっとごめんね、なるべく触らないようにはするけれど……
(と、慣れた動作でホックを嵌めて、後は一旦彼女に任せよう)
もしかたしたらホックじゃないほうがいいかなぁ。
陽子ちゃんごめんなさい、スポーツタイプのブラ探してもらってもいいかな?
(と、外にいる嶋野に声を掛ける。これなら被ってつけることが出来るし、ホックより楽だろうと)

嶋野陽子 > スポーツブラを探すよう綾瀬さんに
頼まれた陽子は、「はい、急いで取ってきます」
と答えて、動きながらも、己の迂闊さを恥じていた。
(いつも自分で使っているのに、何故思い付かない?)

スポーツブラのコーナーで、綿100%に出来るだけ近い
Sサイズのスポーツブラを3点ほど選び、更衣室に持
って行くと、カーテンの隙間から差し入れる。

ふと思い付いて、この間おぶった時の感触をもとに
サイズを想定して、綿のパジャマと絹のネグリジェ
を二種類ずつ取ってくる陽子。これで時間短縮でき
るかも知れない。下着を選び終わったら渡すつもり
で、更衣室の外側にかけておく。

サヤ > 「"えす"と"えむ"、"える"ですか……。わかりました。参考にします。」カタカナすらおぼつかないサヤはアルファベットについては完全に無知だ。サイズをそのように表現するという概念も知らなかったので、新しい知識としてそれを吸収する。

「いえ、ちょっと不器用でして……。ありがとう、ございます。」背を向けたまま礼を言う。実際は左腕を切断した後遺症なのだが、それは言わなかった。
「ええと、それで半回転させて……、肩を通すんですね。」教わったとおりに、ブラを動かして、身に付ける。付け方が合っているか不安なので、相手に方を向いて、見せる。

「"しょーつ"もそうでしたが、ぴったりと肌にくっつくんですね。私の知っているのは、体に巻き付けるとかが多いのでちょっと、変な感じです。大きさは、多分大丈夫だと思います。」胸をぴったり支えられるのは初めての体験だ、どうも違和感は拭えない。

新たな下着が差し入れると、それをまた興味深そうに見る。
「ええと、そちらは"すぽーつたいぷ"ですか?"ほっく"はありませんね、似たような上着を以前嶋野さんが着ていましたが。それとは違う?」前回嶋野と出会った時、彼女はスポーツビキニ姿だったので、なんとなくそれを思い出したのだ。サヤに両者の違いはあまりわからなかった。

綾瀬音音 > ありがとう、陽子ちゃん。
助かったよ。
(差し入れられたスポーツブラを受け取って。
彼女が寝間着を用意してくれていることは、まだ知らない)

ええと、表記はね――
(発音が怪しかったので、アルファベットは苦手かもしれない、と手のひらに描いて見せて)

そっか。うん
(言われなければ気づくこともなかった。だから、追求もしない。顔も見えなかったし、どんな表情かもわからない)
うん、そうだよ。ええと、横のお肉も確りと入れてね?
(と言いながら前を向かれれば親指を立てた。
付け方には問題はない)
ん、そうだね。こう、直接当てて支えるっていうかなんて言うか、そんな感じ。
和服だとそうだよね、全然違う感じかも。
変な感じなのは慣れるしかないかなぁ……
(サヤの言葉に頷いて。
和服用の下着と洋服――現代日本における下着は大分構造が違う。
浴衣でもショーツをつける自分には興味深い感想である)
(更ににスポーツタイプのブラも差し出そう)
うん、これなら被るだけだから楽だと思うよ。
普通のブラよりもフィットする感じがあるけど、ワイヤーがないし。
似たような……一緒にお風呂でも入ったのかな
(嶋野の水着は当然知らないので、寮の大浴場に一緒に入ったのかと見当違いをして。
こう、頭から被って―、と先ほどのブラとは付け方が違うのでそれも説明しつつ)

嶋野陽子 > 自分のスポーツビキニが話題となったので、
「前回サヤさんと会った時は、私がスポーツビキニ姿
だったのですよ」と綾瀬さんに説明する陽子。そして、
「ここでかなり時間がかかってるので、パジャマと
ネグリジェも見繕って来ましたよ」と綾瀬さんに教え
る陽子。

サヤ > 「あ、それぞれ一文字でそう読むんですね。」お察しの通り勘違いしていたので、文字を覚えて、改めて知識を関連付ける。

「横の肉、ええと脇のところですか」言われたように腋から肉を寄せてブラの中に収める。「なるほど、こうするんですね。ええと、"ほっく"がやっぱり、ちょっと一人だと時間がかかりそうですね……。」左手を見ながら、何度か握る。もうすぐ治るとは思うが、それまでの期間をどうするかが問題になるだろう、今回はホック付きは諦めよう。

「でも郷に入っては郷に従え、ですから、いつまでも着物だけ着続けるわけにもいきませんし、慣れるようにしますよ。新しい経験をするのは、楽しいですし、学ぶのは好きですから。」明るく笑う。ここに来て良かった、と言うように。

「じゃ一旦脱ぎますね。」と渡されたスポーツブラを受け取り、背を向ける。
ホックを外すのは付けるより簡単だったが、それでも苦労した。なんとか外して、スポーツブラをかぶる。

「ありがとうございます。ええと、先日嶋野さんにお会いした時に、"すぽおつびきに"というのですか、その姿で公園を走っていたんですよ。」寝間着を見繕ってくれたお礼を言ってから、勘違いしてるようなので、スポーツブラの調整をしながら嶋野の言葉を継いで説明する。

「ああ、こっちの方が脱ぎ着も楽ですね。キツくも……ないかな。これにします。」時間がかかっているらしいし、さっさと決めよう。そう思って、差し出されたスポーツブラを買うことにする。デザインは、見せるものでもないからデザインどうこうという考えすら無い。サイズさえ合っていればいい。

綾瀬音音 > あ、そういうことか。スポーツビキニで走ってる、って本格的なんだね
わ、ありがとう。陽子ちゃんって凄く気が利くんだね……
(嶋野とサヤの言葉を聞いて納得したように頷いた。
そして寝間着を見繕っていた彼女には見えないだろうけれど目を丸くした。
気が利きいていたし、自分ではそんなに時間が経っているとは思っていなかったのだ)

うん、そうだよ。服ならこの3つ覚えておけば大体大丈夫、じゃないかな。LだけLの数が増えると大きくなるけど。LLとか3Lとか。
だけどサヤちゃんにはあんまり関係ないかも
(細い子だし)

そうそう、そのほうが収まりがいいんだ。
……んー、だったらやっぱりスポーツブラの方がいいかなぁ
(と、考えつつ。毎日のことだし、やはりそう言う細かいストレスはないに限るのだ)
着物も可愛いけどね。でも洋服も似合うと思うよ? 
着物よりも着るのは楽だし、値段も大体は手軽だし。
――サヤちゃんって前向きだね
(昨日あった異邦人の青年も、前向きだった。
自分が彼らの世界に行った時、同じように慣れるかは自信は、ない。
眩しそうに目を細めて。
脱ぐ、と行ったサヤから少し目をそらし、スポーツブラをつけるのを待つ。
そして、サイズ感などの感想を聞けば笑みを浮かべて)
うん、良かった。
デザインも大事だけど、着やすさも大事だからね。
(と、ふとスマホをポケットから取り出して時間を確認する。
それから、申し訳無さそうに眉を下げた)
ごめんね、途中だけど、そろそろ行かないとなんだ。
(と、二人に言うと、まずはサヤに頭を下げて試着室から出よう。
それから嶋野にも頭を下げた。
中途半端だが、ちょっと用事がある)

サヤ > 「SとMとLですね。それ以降はLが増える……覚えました。」記憶に刻むために繰り返す、サヤがそのサイズを使う時が来るかはわからないが、ルームシェア相手の畝傍は豊満な体型だ、彼女の服を見繕う時使うかもしれない。

「そうですねぇ、こっちの方が面積も広くて、安心します。他のは少し、頼りないように思えて……。」ほとんど服と代わりない面積から一気に縮小するのは、不安なので、少しでも広い方を選んだのだった。ホックもないし。
「また可愛いって……。洋服は、こちらの人が着てるのがそうですよね。色々と種類があって、迷いそうです。」着物にも種類があるが、基本的な構造は一緒だった。だがこの島の人々が着ている服はどれもが全く違ったように見えて、サヤにはその中から一つ選べと言われても、選びきれないだろう。

前向きだ、と言われれば。少し嬉しそうに。
「ええ、前向きにするようにしてるんです。そう思われたなら、良かった。」と努力が認められたように思えて、また笑う。

「はい、教えていただきありがとうございました。そして、すみません。ご自分の買い物もあったのに、私に付きあわせてしまって。」感謝と謝罪に、頭を下げる

綾瀬音音 > (うん、とサイズに関しては頷いて。
少しでも役に立てるのであれば嬉しい)

あははは、確かに面積も大きいし、伸びる素材が多いからフィット感もあるし、楽だよね。
(うんうん、と頷きながら。ワイヤーもないのできっとその分楽だろうとも思う)
かわいいよ? 
そうだね、私とか陽子ちゃんが来ているのも洋服。確かに色いろあるね、迷うけど、それも楽しいよー
(迷うのもまたひとつの楽しみ、だと洋服に関しては思うので、笑っていう。
おしゃれの楽しみを覚えれば、洋服選びはそれだけで娯楽である)

私なら、他の世界に行って何も解らなかったら途方にくれてると思うもん。
凄いなぁって思うよ
(心からの感心を込めて言う。
前を向くというのは時として大変だろうと思うけど、そうしているのは本当に『凄いことだと思う)

ううん、いいんだ。人の役に立てるほうが嬉しいしね。
気にしないで、なんなら今度遊んでくれたらそれでいいから
(と頭を下げる様子に首を振って笑顔で答える)
それじゃ、またね? サヤちゃんに陽子ちゃん!
(と、手を振ってここから立ち去ろう。名残惜しいけれど、足取りは軽いものだった)

ご案内:「商店街」から綾瀬音音さんが去りました。
サヤ > 「うぅ、面積が狭いのにも、徐々に慣れていくつもりです。」努力目標を掲げる、しかし、"すぽおつびきに"とやらはほとんどこれと代わりないが外で着るものなのだろう。肌の露出が過剰じゃないかと思う。脇の下まで見えている格好など、サヤは想像したこともなかった。太い血管が通る急所だぞ。

「まて……。私は可愛くないですよ、そんな……体だって、貧相だし身長も低いし、筋肉もないし……。」相手と見比べて、幾分か恨めしそうに呟く。筋肉は、嶋野の影響だろう。
うーん、そちらのほうも今後勉強していきたいです。まず、日本語を……読めないと何もわからないというのが、よくわかりましたので……。」平仮名の拾い読みでなんとかなるだろうと思ってのこのこやってきたのが失敗の原因だった。
早急に手に入れる事情があったとはいえ、もっとよく調べてから来ればもっとスムーズに行けただろう、反省すべき点だ。

「私も最初は、途方に暮れましたよ。普通の異邦人は言葉が翻訳されるそうですけど、私はなぜかそれが通じなくて。だから言葉もわからないし……文化は違うし、それで色々と間違いを犯して、友達に助けてもらいました。もう助けてもらわなくても大丈夫なように、何かあったら私が助けられるように、ちゃんとやろうと思ったんです。前向きになるのは、その一環ですね。」自分を語りすぎた気がして、少し恥ずかしそうに、ごまかすように笑う。

「はい、またお会いした時にこの御恩を返そうと思います、あらためて、ありがとうございました。」と頭を下げて見送った。

サヤ > そして、スポーツブラを外して、開いた襦袢を着直す。
他のスポーツブラもサイズは同じようなのでこれを買えば大丈夫だろう。
ショーツは、やはりいちばん面積の広いフルバック、サイズはMとあったので、同じ形とサイズのものを拾った、残りは後で返そう。

「ああ、ありがとうございます。ぱじゃまと、こちらは……ねぐ、ねぐりじぇ?」パジャマはわかるが、もう1つはなんだろうと持ち上げると。
ほとんど半透明だった。寝間着ってことはこれだけ着て寝るのか、これでは裸と変わりない。
それに、パジャマはボタンでとめるタイプだった、

「ええと……別の」とまで言って思い出す、寝間着なら別に自分で取って試着できる。店員さんに聞くのも、下着と違って恥ずかしくもない。
「私は多分、一人でなんとかなると思いますので、嶋野さんはご自分の買い物をどうぞ。随分時間かかってますし、最後まで付き合っていただくのも悪いですから。」と試着室から顔を出して言う。

「今日は本当にありがとうございました、助かりました。いつかお返ししますね、それでは。」とにこやかに相手を見送る。

そして、巫女装束を身につけて試着室から出ると、値札からパジャマと書かれているであろう文字を覚えると。パジャマのコーナーを探して、店内を歩き始めた。

ご案内:「商店街」からサヤさんが去りました。
ご案内:「商店街」に四十万 静歌さんが現れました。
四十万 静歌 > ――特に目的もなく商店街をふらふら歩いて、
ウィンドゥショッピング。

たまに、あ、いいなーと思うものに出会ったりもするのだが……

「……はぁ。」

その度に財布を覗いてため息をつく。

無駄遣いできるほどの大金がほしいとも思うが、
残念ながら、そんなあてなどないのが実情である。

四十万 静歌 > だから――

「あ、可愛い。」

なんて、私が一抱えするほどの、
可愛らしいクマのぬいぐるみがあっても、
当然の如く、お金が足りない。
諸行無常。

私に出来ることはただ、
物欲しそうに眺めるだけ。

「――抱きしめて寝たら気持ちいいでしょうね。」

なんていいながら。

四十万 静歌 > まぁ、しかし、考えても仕方ない事。
仕方ない事を考えていても、
どうしょうもないし、
何も始まらない。

だから――

「――」

せめてもの慰みに、
コーラの缶を取り出して飲み干しながら、
缶を潰す。
そして振りながらなでると、缶は元の形を取り戻し、
すっと飲み口に手を触れると飲み口も元通りに。
逆さに振っても一滴も出ない。

そして、缶をあけてもう一度飲み始めた

四十万 静歌 > 飲み終えると、
逆さに振っても一滴もでない事を確認すると、
空き缶を地面に置いてぺしゃん。
と潰し。

潰した缶を片手でもてあそぶようにほうりながら、
指を鳴らすと、

潰れた缶がボールに変化する。
いや、指を鳴らした時に摩り替えただけなのだが。

ご案内:「商店街」に無悪 正義さんが現れました。
無悪 正義 > 商店街での買物帰り、無悪は両手いっぱいにビニール袋を抱えていた。
じゃがいも、豚肉、にんじん・・・今夜はカレーだ。
もちろん隠し味のヨーグルトも用意している、今夜が楽しみだぜ。

などと考えながら歩いていると、不思議な光景を目撃した。

(缶がボールに・・・手品か何かか?)

無悪は四十万の方をじろじろと興味深そうに眺めていていた。
その顔つきは一般人から見ると少し物騒だ。

四十万 静歌 > ぽんぽん、
と手の中の玉をお手玉のようにしてもてあそびながら、
何か視線を感じたので、
ふっと正義の方をみる。

「――」

あれ、何かまずいことしたっけ?
なんて冷や汗が流れる。
恐らく、視線が合うだろう。

「――」

何かいわなきゃ、なんて思うけど、
なんていえばいいのか分からなくて――

「えっと――」

とりあえずもれて出た言葉はそれだけだった

無悪 正義 > 「あ・・・・」
無悪は自分の顔がヤクザの親譲りの強面であることを多少は自覚していた。
しまった、またやってしまった・・・

「すまん、なんか珍しくて・・・つい夢中で見ちまった。」

無悪は合った目線をすぐに逸らして、申し訳なさそうに謝罪した。

四十万 静歌 > ぽんぽんと飛ばしていたボールをぎゅっと握って。

「あ、いえ、だ、だだだ大丈夫です!
 何か気を悪くしてしまったかな?
 なんて思っただけで、
 えっと、その――」

謝罪をされると慌てて、こちらも頭をさげて、
少し顔を赤くして頬をかきながら――

「夢中になって、というと、
 手品に興味をもっていただけたんですか?」

なんて首を傾げるだろう。

無悪 正義 > 無悪はしばらく沈黙した後に、ゆっくりと頷いた。

「あぁ・・・正直に言えば、結構興味はある。」

多少の恥ずかしさはあるが、見栄を張っても仕方ない。
それに手品といえば、子供の頃にテレビで少しで見た程度であり、この目で直接見るのは初めてなのだ。

慣れない人との会話での緊張と手品への興味交じりの視線が四十万に向く。

四十万 静歌 > 「そうですか――」

と頷いて、強面だけど、きっといい人なんだろうな、
なんて、思わず微笑を浮かべる。
人は顔によらないなんて、今更である。

「まぁ、私はプロじゃないので、
 期待通りにできるかはわからないですが――」

とボールを両手で包み込み、
すっと片手をのけると、
手のひらの上には何も無い。
手のひらに集中しているうちに、
もう片方の手のボールをするりとマントの中へと隠し、
こっちの手にもありませんよ、
なんてアピールをしてみるだろう。

「こんな具合ですね。
 単純ですたれゆく技術かもしれませんが――
 こうして興味をもってくれると、
 やっぱり、単純に嬉しいです。」

なんて、上目遣いに見上げてにっこり笑う。

無悪 正義 > 「おぉー・・・すげぇな。」

四十万の手品に思わず心から感心してしまう。
プロではないと言うが、数ヶ月前まで普通の学生だった自分からすればそれは既に十分プロのレベルに思えた。

そして最後に彼女が見せた笑顔に思わず胸がドキッとしてしまう。
思春期の高校生ならではの本能的な衝動だ。
平常を装う無悪だが、流石に隠し切れずに顔が少し赤くなる。

「ほ、他には何かあるのか?」
なんとか誤魔化すために他の手品について質問を投げかける。

四十万 静歌 > 「そうですね。
 色々ありますよ。
 定番なのは……」

んー、と顎に人さし指をあてて考えて、
すぐに、何か閃いたように笑って、
手を叩き。

「――やっぱり、トランプですかね?」

なんて、マントからトランプを取り出すだろう。

「定番といえば、
 一枚引いてもらって当てる奴でしょうか」

なんていいながらトランプで扇を作る

無悪 正義 > 「なるほど、定番か・・・」

本土に居た頃に見たテレビではトランプをよく使っていたのを思い出す。

「ここから1枚引けばいいのか?」

無悪はトランプの扇の中から無造作に1枚を選び取った。
選び取ったカードはトランプのジョーカー・・・
ババ抜きならばこれで負けるパターンだな、と無悪は心の中で苦笑いした。

四十万 静歌 > 「――では、覚えたら私に見えないように、
 一番上において下さい」

にっこり笑っていう。
そして、シャッフルしながら
正義の眼を覗き込み、ふっと何気なく視線を空へ。
吊られればつれでよし、
吊られずとも意識が少しそれる。
その間隙を狙ってトランプの底に移動させておいたジョーカーを、
するりと抜いて、
シャッフルしたトランプの束を差し出す。

「――私がシャッフルしたのでは、
 信用できないかもしれないですし、
 お好きなだけシャッフルをどうぞ。」

なんて人さし指を立ててウィンクしながら。

無悪 正義 > 「・・・わかった。」

何気ない動作にあまり違和感を感じぬまま、無悪は四十万の指示に従う。
途中、ウィンクにまた胸が弾けそうになったが、なんとか平常心を保ったまま、トランプを3回ほどシャッフル。
念のためと、もう2回ほどシャッフルした後、トランプを四十万に手渡す。

「これでいいのか?」

果たして本当に引いたカードを当てられるのか、
無悪の心は無邪気な子供のような疑問と好奇心に満ちていた。