2015/09/10 のログ
■光ヶ丘睦美 > きょとん、とした顔で。
「注意だけで済んだらすぐに出てこられると思うんですけど…
あ、もしかしてお仲間さんになにか言われちゃう、とか?
それは確かにちょっと至らなかったですねー」
他人の欲求に関して睦美が把握しきれないわけがない。
元々逃げたいのなんかわかってるし、
そんなことに協力するつもりもない。
だから筋道を適当に引いて、
相手に聞く気にさせてから言葉を投げ込んだ。
『私を射殺すために』
と聞いた時点で、これだけ射殺記録なんてものにこだわる悪党は
きっと、そのとおりの情景を脳裏に思い浮かべるだろうと。
平岡さんの異能による莫大で甚大な衝撃に片目をつぶりながら、それでも
『これを使うから、こいつにはじっとしててほしい』
という類の欲求を発生させるために、ハンターの視界の中でひらひらと手を振った。
お別れの挨拶。
睦美はこの立会いがどうなるかを知っている。
■『ハンター』 > こうなったら、もう一か八かだった。
『ハンター』が異次元空間の門に手を伸ばした事を確認したユキヱは、素早く抜刀。
漆黒の刀身が煌めくと、もはや音速すら超える目にも止まらぬ速度で刃が『ハンター』へと迫りくる。
ただならぬ殺気から放たれる刃。
その威力は、凄まじいものだった。
音速を超えるスピードに追いつけるわけがない。
「お、俺は……射殺記録を伸ばす……
それだけが生き甲斐なんだ……」
『ハンター』が武器を取り出す前に、ユキヱの鋭い斬撃により、斬られてしまう。
「ぐおおおおおおおおおっ!!」
大きな雄叫びをあげる。
そして、英霊にも関わらず大量の血が飛び散り、『ハンター』はその場で倒れてしまった。
切断まではいかなかったようだが、『ハンター』は確実に戦闘不能になった。
『ハンター』はその胸に、あまりに大きな斬り傷を残す事になる。
「そ、そんな馬鹿な……。
英霊であるこの俺が……」
■平岡ユキヱ > 「貴様の生き甲斐は侵略行為…。猛省せよ!」
数m程黒い着地跡を大地に描きながら、相手に振り返る。
ごほ、と深く咳をする。喀血。
あの青白い光は、命を蝕むいびつな力だ。代償がないはずもなく。
「…蒼穹。私は魔術がわからない。
転移だの何だの。そういうのは封じてもらえる?」
口を拭いながら、声だけで同僚に希う。残心のまま、ハンターを正眼に構えた。
どこまでも王道なのが、この乙女の生き様である。
■蒼穹 > …それよりキミ血を拭いた方が…。
ああはい、おっけ、了解。
(己へと、視線が向けられる事もない。
既に終わった戦いだった。霊と名乗るにしては、不自然な程の鮮血。
商店街に、一つの血だまりでも作ったのだろうか。
音速を以てしても貫けなかったのは…英霊ならではの防御力と言ったところか。)
…はい、お終い。これでどんな魔術も使えないよ。
(魔力を歪める。無理矢理、曰く、曲げてはいけない方へと、魔力を曲げて破壊する。
己の異能の特権だ。魔力封殺域。魔力は壊れて、壊れ切った、破壊の魔力のみが満ちる。
といっても、それを感知できる程魔術に明るい者は、多分居ないか。
ただ、一仕事したと言いたげな表情で頷く。
…どうしたものか。血を拭くくらいした方がいいのだろうか。
横入りは無粋だろうか。己と会わぬほうを向いた彼女の背を見遣る。)
■光ヶ丘睦美 > ひらひらと振ったあと、手を行儀よく膝の上に揃えて、路上に足を崩して座ったまま……
でいる睦美でもない。
友人に聞いた話では、この後に風紀について行ったりすると、
事情を聞いただけの別の風紀の人の前で調書を書くことになり、
ただのお仕事である以上はさっぱり感謝されないとかなんとか。
異次元空間の中身の話もあんまり意味がない。
そうっと。随意に動く体を操って、
あとはもう、『これで終わりか』とがやがやと帰る遠巻きの野次馬の群れに紛れ込んで姿を消すばかり。
■『ハンター』 > 『ハンター』に反省などない。
七英霊に猛省などあるわけもない。
七英霊を止める手段は、ただ成仏させるのみ。
邪悪に染まった七英霊は、この『ハンター』みたいに、殺害行為を楽しむ存在だ。
そして、『ハンター』の他にまだ六人、英霊はいる。
彼等もまた、これから行動を開始していく事だろう。
常世島で暴れ出す事だろう。
蒼穹により魔術は封じられた。
魔力が壊れていく……。
この状況で『ハンター』に使える魔術はない。
『ハンター』は血塗れで寝そべっていた。
もう痛みで、思考も停止しかけている。
だけど、『ハンター』には最後に、一つの望みがあった。
次に『霊化』できるまで、もう少しだ。
もう少しだけ、耐えればいい。
それは『ハンター』にとって、最後の希望である。
『霊化』、それは『異能』でも『魔術』でもなく、英霊に備わっている特殊能力とも言うべきものだ。
『霊化』を一度解くと、しばらくは再発動できない。
そのインターバルが、もうじき終わろうとしていた。
深手を負ってしまったが、もう少しだ。
もう少しで、命辛々逃げられる……。
それまでにとどめをさされてしまったら、成仏してしまう。
もう『ハンター』に抵抗する力などない。
■平岡ユキヱ > 「…言い残すことはあるか」
納刀。真上から見据えるように、ハンターに膝を折り向き合う。
霊化なんだのは知らぬ。だがこの瞬間、正しいと思える行為をするだけだ。
ぬぐい残してこびりついた口元の血を気にするわけでもなく、ユキヱは動く。
「お前の射殺記録とやらは止まったぞ、ハンター。
世辞の句は何だ? せめて墓前に添えてやる」
■蒼穹 > …帰るの?お疲れ。
…名前聞いとけばよかった、かな。
(静かに、群衆に紛れていく被害者に、投げた言葉は届いたか。
普段仕事をしない己だから、今度風紀の沙汰で顔を合わせるのは難しそうだし。
…純粋で、多分とても良い子だったろうから、また会って話してみたいと思った
…思考回路がこんなんだから甘ちゃんなんだろう。)
さて、と。
…殺しちゃうのかな?
(無論己も、その英霊の持つ技などは知らない。
つかつかと倒れ伏した英霊とやらに歩み寄って、少しだけ遠巻きから視線を遣る。
実質、被害は建物にしか出ていないのだし、未遂だ。
如何に悪質であったとして、それが死刑で良いのかと言えば…少々疑問もあるが。)
■光ヶ丘睦美 > 『風紀委員さんのお仕事なんですけど、これこれこういう事件についての証言で……』
といえば感謝してくれそうなおともだちがいたかな、と考えながら。
頼まれごとだけでもどこかで済ませるつもりで、蒼穹さんに向けてひらりと手を振った。
その場に居たなら、
『なにもしないでいてくれ』
という英霊の欲求を読み取れたのかもしれなかったけれど、
ポニーテールの先端まで雑踏に紛れさせて少女は消えていく。
ご案内:「商店街」から光ヶ丘睦美さんが去りました。
■『ハンター』 > 痛みで口が思うように動こうとはしない。
これでは仮に生き延びたとしても、『プリースト』に回復魔法を頼まないと近い内に死ぬ。
『プリースト』に借りを作るのは嫌だが、こんな状態なので仕方がない。
「…………言い残す事か?」
なんとか喋っている感じだ。
あまりにも、ダメージがでかすぎる。
いつ死んでも、いや成仏してもおかしくない傷なのだ。
こいつら、英霊が霊化出来る事は知らないようだ。
霊化できるようになるまで時間稼ぎをする。
つまり、束の間考えるようなふりをして黙っている。
・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・時間だ。
捨てセリフを吐いて霊化しよう。
「…………英霊についての情報がてめぇ等には足りなかったようだなぁ……」
その言葉と同時に、『ハンター』は跡かたもなくその場から消える。
見っともなく、霊化してしまったのだ。
霊化した英霊は、見る事も聞く事も感じる事もできない。
そうは言っても、『ハンター』の傷が自然に癒える事もない。
■平岡ユキヱ > 「あっこらアンタ参考人を返す奴が…!」
蒼穹に言いかけた刹那、ハンターの異変に気が付く。
理解不能。しかし今は推敲をする時ではない。斬るッ!!
「ヤあャァァァッ!!」
手ごたえ…なし! 別種の不思議の手合いか。少々厄介である。
むうっ、と乙女にあるまじき唸り声をあげてから。
気配も何も感じられない状況に、いっそ捨て台詞かとも楽観視したくもなる。
「捨て台詞か…? いや、それにしては…」
シリアスな時間がしばらく続いたのち。英霊の調査の必要性を感じる。
ま、それはそれとして、と蒼穹に向き直ってニヤァと笑う。
「この後の書類雑務…地獄じゃん?
いやあー、『この仕事を私から奪っちゃったら給料減るからやめてほしいな』とか
言われちゃったからなー! かーっ! 力になれなくて悔しいなー!
あー、つれーわ! ユキヱさん友達の力になれなくてつれーわー!」
地獄のユキヱさん的なノリで、先にスイーと風紀本部に帰るだろう。
どういう歩行をしているのかは不明だ。
■蒼穹 > 消えた?…いや、"逃げた"、が正しいかな。
(魔力の反応もない、視界にも、嗅覚にも、その『ハンター』の姿はなくなった。
振りかざした平岡の木刀の手ごたえもなかった様だ。
死んで消えたとも取れるけれど、最後の台詞から察するに死んでいない様だ。)
ちょまてよお前分かった悪かった悪かったって!!
何でユキヱはそうやって面倒事だけ私に押し付けんの?!
悪かったってば!!今度カフェテラスで梨パフェ奢るから!待って!待ってーっ!!
(ま、それはそれとしてのノリでコメディな雰囲気。
滑走するが如く滑っていく平岡の後を追う。
書類雑務とか最悪である。食べ物で釣りながら、すたこらと人通りのなくなった商店街を駆けて―――。)
ご案内:「商店街」から『ハンター』さんが去りました。
ご案内:「商店街」から平岡ユキヱさんが去りました。
ご案内:「商店街」から蒼穹さんが去りました。
ご案内:「商店街」に白い仮面の男さんが現れました。
■白い仮面の男 > 夜が更け辺りは暗い
だがまだまだここは明るく人通りも多い
立ち並ぶ建物の屋上、そこに男は立つ
「あまりやりたくはないんだが…仕方ない」
眼下を歩く人々
路地裏や落第街とはまた雰囲気の違う人間が多い
健康的で明るく、幸せそうで見ているだけでもそれが伝わってくる
■白い仮面の男 > そして見つける
1人で歩く黒い髪の少女
年は高校生程か…品のいい顔に健康的な肌
身体にも異常が無い様に見える
「後は処女であれば完璧だね。」
仮面の奥で笑みを浮かべる
もし条件さえ揃えば完璧なマリアが手に入る
多幸感を胸に少女の眼前に
陽炎の如く男が現れる
■白い仮面の男 > 「やぁ、お嬢さん…少しお話をさせて欲しい」
突然現れた男に驚く間もなく、少女の意識は途切れる
バチ!と音が響き糸の切れた人形のように崩れ落ちる少女
スタンガンを押し当てた状態の男がそれを見下ろす
「さて…お騒がせしたね、皆さん。
どうか慌てないでほしいのだが……」
顔を上げ、周りを見回す
ご案内:「商店街」に流布堂 乱子さんが現れました。
■白い仮面の男 > 商店街に響く悲鳴、そして狂騒
子供を抱え、はたまた我先にと逃げていく人々
「ふむ、ここではこういったことに馴れていない者が多い様だ…
はぁ、だから嫌だったんだがね。」
そして逃げなかった者達を見る
ヒーローになろうとする者はこういった現場には必ずいるものだ
学生、そこらの店主、そして野次馬…面倒そうな者を確認する
ご案内:「商店街」に嶋野陽子さんが現れました。
■白い仮面の男 > 「ヒーローを気取るのは良いが、私の邪魔をするのは命懸け
という事を忘れないでくれたまえ…それでもいいなら、好きにして欲しい」
2~3人を見せしめにすれば帰ってくれるだろう
倒れたままの少女は担がれるような体勢で宙に浮く
異様な雰囲気、と異様な光景
その二つが選別する
毛ほどの勇気が湧いただけの者と自分の障害になりえる者を
■流布堂 乱子 > 昨日、『ハンター』と名乗る男が陣取っていた建物の屋上。
実況見分の権限があるわけでもなかったが、制服と学生証を見せれば偽造であってもご協力いただけるのはありがたい話であり、
粗方調査を終えたところで、叫び声を上げる眼下の通りに視線をやった。
「火よ――」
(なるほど。確かに一方的に狙うには非常に都合が良さそうですね)
「服せ」
警告無し、担がれた少女に延焼する前に放り出してくれることを期待しながら、
術式によって白い仮面の男に直接火を付けようと……
「……つか、ない?
何かが邪魔をしている、というか…?」
行使以前に、魔力を組み上げることさえできていない。
舞台に上がることさえ出来ずに、事態はそのまま進行していく。
■嶋野陽子 > ステラからの警報により、商店街
から2キロ以上離れたビルの屋上に転移した陽子は、
即座に戦闘モードに変身すると、狙撃準備に入る。
本当は3キロ離れたかったが、良い射点となる場所が
無く、現場から2.4km のここからの狙撃となる。
ステラからのデータが来るまでは、見える位置に立た
ず宇宙からの映像と、街頭カメラの映像のみで状況を
把握する。こちらが射撃体制に入るまでは、商店街か
らは存在が見えない。
画像を見て舌打ちする陽子。奴は人質を抱えている。
荷電粒子砲では、人質の少女まで黒焦げだ。
■白い仮面の男 > 「ふむ、前者ばかりの様だ…実に結構
賢い選択だと言えよう」
眼前の男達は向かってこない
馬鹿な突撃をする様な者が居ないことに満足げに頷く
少女はユサユサと揺れながら壁沿いに屋上へ向かい
男もそれと同じく屋上の上へ
そこで見慣れた少女を発見する
「ん…?おや…この前以来だねお嬢さん。」
屋上に居た流布堂 乱子、友人との再会の様な声音で話しかける
「今日の君はどちらなのかな?風紀委員かい?それとも通りすがりの少女かな?」
首を傾げ楽しそうに話しかける
機嫌が良く一先ずの移動が済んだことでの余裕だろう
スコープから覗く姿にそちらへ気付いたような素振りや様子はない
■流布堂 乱子 > (転移を使わないとなると…自分以外は飛ばせないということなのでしょうか)
壁を歩いて近づく男からは、今は距離を取るしかない。
屋上の縁から離れるように後退。階下への扉の前を陣取るが、
火は点けられない、龍の爪も出せないとなると、既に効かなかったポーチの中身では手の出しようもなく。
男が屋上へ登るのを、見つめるしかない。
「……この前、とは言いますけれど。
貴方のように白い仮面を被る犯罪者でしたらいくつか心当たりがありますので、
こちらからするとどれくらい親しげに言葉を返せばよいのか判断に困ります」
表情は変わらないままだが、声は硬い。
「それとも、初対面のただの乙女ですと申し上げたなら。
そのお嬢さんの代わりに連れて行っていただけるのでしょうか?」
余裕のある男とは正反対に。
取りうる戦術の幅は片足を取り戻した今のほうが遥かに有るというのに。
乱子の額に、一滴の汗が流れた。
■白い仮面の男 > 「これはこれは…どうした事か、私を忘れてしまったのか…」
うーむ、と残念そうに仮面の口元に手を当てる
そして同時に違和感を感じる
「この距離、こうして君の視界内に入り言葉を交わす距離に居ながら…なぜ攻撃しないんだい?」
変わらぬ声音、変わらぬ声で尋ねる
以前は背後からいきなり砲弾を撃ってきた様な彼女がなぜこんなにも奇襲しやすい位置に居て何もしないのか
なぜ今魔術を使わないのか…
「もしかすると、君も連れていくことになるかもしれないね?」
ニタリと仮面の奥で口角が上がる
人質を巻き込まない様に…それもある。だがその可能性は薄い
彼女との数回のやり取りからそれは決定的
もしかすれば罠かもしれない…だがそれを考慮に入れてもあまりあるメリットが今、目の前にある
■嶋野陽子 > 標的が建物の屋上に上がった
所で、狙撃体制に入る陽子。流布堂さんが、何故か何
もせずにそこにいる。気付かれて無力化されたか?
幸い直接少女を抱えていないのて、射線は通る。後は
直径3m以内に誰もいない状態で静止してくれれば、
何時でも撃てる。
その時の射線の状況が読めないので、通常の狙撃と
雷鎚の両方を視野にいれて、スコープを覗き続ける
陽子。
良い具合に流布堂さんと話し始める標的を見て、こ
こは流布堂さんの逃亡の機会を稼ぐために、両方同
時に併用する。
(射法雷鎚、8門斉射、テーッ!)
白い仮面の男を目掛けて、8本の稲妻が殺到する。
【2d4-4発が命中】 [2d4-4→1+4+(-4)=1]
■嶋野陽子 > 真上から8本の青白い光の槍が降り注ぎ、
そのうち一本が白い仮面の男を直撃する。1.2ギガ
ワットの荷電粒子砲に対して、男の防御魔法はどこ
まで効果を発揮するか?
■白い仮面の男 > 「む……」
こちらに走る閃光の方を向く
だが音よりも速い稲妻を反応してから避けるはずもなく
男の寸前、何もない空間に直撃する
「アウトレンジからの狙撃…悲しい事だ。なぜ私の邪魔をするのか…」
景色が歪み、爬虫類の様な生物が現れ…倒れる
周りの景色に同化する能力のある異邦人、彼の迷彩能力を極限まで高めた
装備もショート、火花を散らし肉を焦がす臭いが上がる
少女の妙な挙動もこの生物が運んできたからだろう
「あまり長く話していられない、か…」
文字通り隠し玉がなくなり残念そうに呟く
そして狙撃手の居場所は特定、不意打ちを真逃れたと思えば損はないかと割り切る
■流布堂 乱子 > 「判別がつかない、と申し上げているのです。仮面の人」
声も、その体格も、魔術によっていくらでも偽装しうる。
「名前も、目的も、素性も分かりかねる物ですから、
こうして日常を波乱万丈に過ごしていますと、
印象に薄い方のことは徐々に曖昧模糊としてしまうものですので」
その仮面に焦点を合わすことはせず、どこかに解決の糸口を探しながら。
しかし、それが見つかるよりも早く。
「……さて。
考えなしに暴れるような女性だと思われてはお眼鏡に適わなかった記憶がありますから」
男の興味がこちらへ無くのを、明確に感じ取った。
「両手に花、と喜ぶよりは二兎を追えないことを心配されたほうが良いと思いますよ」
言い逃れを続けるさなかの、眼前に雷光。
防がれるのはある意味わかりきっている。
どこを歩いても狙われる側であることをこの男は十全に理解している。
それを打倒するには、あるいは、転移術さえ焼き捨てるような炎を――
首を振って、ありえない発想を否定する。
私の焦りの理由はただ一つ。
「お帰りでしたら、そちらの少女はおいて行っていただけると有り難いのですけれど。
…これ以上長居していただくつもりもありませんし」
長引けば、いずれ龍(わたし)の出番に成る。
■嶋野陽子 > 真上にも盾を用意していたとは。
余裕綽々の態度の裏付けが、カメレオンの盾だったか。
しかしこれを恐れていたから全門斉発をやめたのだ。
白い仮面の男の注意が上を向いた今こそ本来の狙撃の
出番だ。
(4-point burst Fire!)
今度こそ本来の狙撃が炸裂する。いつもの3キロより
距離が近く、4点バーストなので、命中確率は高い。
【2d6+3で7以上で命中。10 以上で頭に命中】 [2d6+3→3+6+(+3)=12]
■嶋野陽子 > 今度は、ほぼ真横から4本の稲妻が走り、
そのうち一本が白い仮面の男の頭を直撃するコース
に乗る。上方を警戒していた白い仮面の男の盾は反
応できるか?
■白い仮面の男 > 「判別…では改めて。収容施設以来だねお嬢さん…これからは君に覚えてもらえるよう努力しよう。」
舞台役者の様な一礼
そして顔を上げる
「確かに…文字通り横槍も刺したことだしね。二兎を追うには少々厳しい」
そう言って少女を抱き上げる
割れ物を扱うように丁重に、所謂お姫様抱っこで
「私は目先の利益を…!」
グルリと狙撃手の方を向く、同じ場所からの狙撃、そして同じような弾
変わったのは数だけ
「安全地から邪魔をするだけ…そういった事はあまり望ましくないね」
軽い苛立ちを抑え空間転移、自分に飛来する稲妻を文字通りそのままお返し
反転させ狙撃者に向かわせる
■嶋野陽子 > 反射魔法は警戒していたので、
発射直後に電磁シールドを上げていた陽子。
雷鎚は、高度12000mまで降下させた宇宙船から直接
艦砲射撃させたのだが、観測点の方を特定されてい
たらしい。あの場所を狙撃できる射点が少ないから、
特定は難しくなかったのだろう。
反射された荷電粒子砲は、陽子の電磁シールドで弾か
れて、上空に消えていく。
(ここらが潮時ね。ステラ、撤収よ)
と言うと、白い光に包まれて消えていく陽子。
ご案内:「商店街」から嶋野陽子さんが去りました。
■流布堂 乱子 > 「それは有り難いお言葉ですね。
でしたらこちらも御趣味は、と聞くのがいいのでしょうけれど。
生憎と仲人がせっかちなようですから」
男が少女を担ぎ上げる。
さっきの異邦人のように使い捨てられるくらいなら、あの少女も此処で一息に燃やすべきではないか。
龍(わたし)の炎なら。あんな転移術など考慮に入らない。
ギチリと奥歯を噛む。口角が上がる。牙を剥くような笑みを私が作る。
「二兎は追わないほうが、と自分でも言っているではありませんか」
男が"少女を連れ去る""邪魔者を排除する"
2つの目的に意識を分散した瞬間に。
屋上の床をブーツが蹴り飛ばす。
抉るような威力も速力もなかったが、男の懐まで一直線に駆け込むには十分で。
相手の両手がふさがっているのなら、せめてその仮面だけでも剥ぎ取ってやろうと、手を伸ばす。
少女を抱えている限り、此方がどう出ようと対処の為の思考は分散する。
……もしも、読み通りに転移できないとしたら。
あるいは未だに、男が此方の身柄を確保するために反撃しないとしたら。
この手でも、掴みうるものは有る。
■白い仮面の男 > 「っ…!」
狙撃者への反撃
その隙を突かれ懐に入られる
空間転移をしたばかりですぐには転移もできず仮面か少女かの二択を迫られ…
ご案内:「商店街」から白い仮面の男さんが去りました。
ご案内:「商店街」に洲崎さんが現れました。
■洲崎 > 「……あーあ、取れちゃった…」
仮面をめくればそこには城に近い灰色の髪の男
「よっと♪」
トン、トン、と数歩後ろに下がり少女を抱き上げなおす
二者択一、素顔をさらす気もなかったが仕方ないと言った表情で乱子を見る
■流布堂 乱子 > 手には、白い仮面。
目の前に居るのは。その正体は――
「その顔なら。」
仮面を背後に放り投げる。
「……その顔なら。判別がつきますよ。洲崎さん。」
乱子が、『あの仮面の男は研究区に自前の収容施設を持っているのではないか』と調査した時に。
あるいは、幾つかの研究所の外部へ向いた監視カメラのデータを押収した時に。
それよりも前、ギルドの依頼で研究データを奪取するために財団所有の研究所へ潜入した時に。
更に前。この常世島へ初めて訪れて、学籍を手に入れるきっかけになった少女と出会って。
その素性を調べた時に――
幾度と無く。乱子はこの男を視界に捉えている。
「こうしてお会いするのは初めて、と言った方がいいですか?」
■洲崎 > 「ありゃ、僕の名前知ってるの?照れるなぁもう♪」
けらけらと笑顔を浮かべる、仮面をとる前と後ではまるで別人のような振る舞い
「でも一応初めてだし…僕は洲崎、研究区異能開発局所属の研究者兼先生。よろしくね~♪」
そこまで必要かとも思えるほどの細かい自己紹介
と共にぺこりとお辞儀
「にしても、真っ先に仮面狙うなんて…君も中々だねぇ♪」
■流布堂 乱子 > 「……ええ。よく知っています。
けれど。自己紹介ありがとうございます。」
口元を引き結ぶ。
「いつ見てもそんな態度の方でしたから。うだつのあがらない不真面目な研究員とばかり思っていました」
手を引き戻して、拳を握る。呼気を整えて、今度こそ覚悟を決める。
相手は目的のために偽装を手放した。
もう二者択一は効かない。
「研究にだけは真面目だったんですね」
「では此方も自己紹介だけでも。
流布堂乱子。所属は風紀委員。
…生憎ですけれど、少女に声を掛けて回るような変質者には手厳しいですよ」
風紀委員、とはっきり名乗ったことでようやく違和感が取れたような気がした。
腰を落とす。既に洲崎が後ろに下がったことで、走る先には屋上の縁が近づいている。
「面さえ取れれば、此方も二兎を追わずに済みますから……ねッ」
それでも、足を緩めることはない。
ブーツが再び屋上を蹴る。
洲崎の捕縛は"今は"狙わない。目標は少女の奪還ただひとつ。
どこでもいいから掴めと手を伸ばす。
■洲崎 > 「僕って思ったより有名なんだなぁ♪」
うだつの上がらないと言われれば苦笑いを浮かべる
「うん、これだけはね…僕の悲願?執念?だからさ…」
フワリと消えればまた距離が離れ背後に
一度見たダッシュに目的も腕の中の少女に定まっていれば避けるのは難しくない
「本当はもっとかっこよくばバーンと外したかったけど…
あぁなるとしかたないよ♪」
最低限必要距離、これを稼げば余計な動作は行わない
仮面もないので自分の目で観察するしかないのだから
「あ、折角だし最終的な僕のプラン聞いてよ♪
君可愛いし、知っといてほしいんだ♪」
■流布堂 乱子 > 「悲願、執念……なるほど。
そのためにならなんでもするわけですね。
『何故生きている』と問われたなら、それが貴方の存在理由なんですね」
こぼれた言葉はあの花火大会の夜から連れてきた。
復讐者。生を恨むモノ。この学園と世界と、自分を置いて綺羅綺羅と光る何もかもへの破壊欲求。
龍(わたし)はそうだと答えた。
私はそのために生きているのだと答えた。
でも、違う。
私の生かされている理由と、私のなりたいものは違う。
私があの晩になりたかったのは。
捻くれた呪詛の塊に手を差し出した私の意志は。
あの呪詛が『お前は何故そちら側にいる』と羨んだその姿は。
――私のやりたいことは。
走りだした乱子が、洲崎の居た位置を駆け抜けるよりも早くUターンを切る。
そのダッシュは"一度と言わず、何度も見た"転移術のためのフェイント。
あまりにも急激な動きで、転倒して屋上から転落する他にないような靴底のグリップの減少は、
いつの間にか手に持った"黄金色の鉾"が、地面へと突き立てられて補った。
紅色の制服が、人間の速さを超えて加速する。それは紛れも無く異能の類。
「その話なら……」
片手に引っさげた鉾を空中に向けて振るう。
筋弛緩毒を洲崎に向けてばらまきながら、今度こそ少女に向けて手を伸ばす。
「風紀委員会本部でお伺いいたしますのでッ!」
金も依頼も、この島の終わりも紅い龍も知ったことか。
人殺しと人身売買と機密の暴露を繰り返しておいて、その上で。
風紀委員とやらとして、誰かを助けたくなって何が悪い。
■洲崎 > 「半分はそうだね♪」
生きてる意味と同義かと問われれば即答する
半分正解、そして半分足りない
「はは…これが君の執念。かな…?」
完璧なタイミングに完璧な距離、相手に掴まらない最適解で動いた結果…
乱子は腕の中の少女を掴んだ
初めて見た強い感情、仮面越しには感じなかった気配にゾクリとしたものが背中を伝う
「デートのお誘いは嬉しいけど、ごめんね♪」
パッ、と少女を手放す
振り払うでも共に逃げるでもなく、掴んでいた手を離しまた転移で別のビルへ
「いやぁ、君の事舐めてたよ。正直こればっかりは想定外♪」
完全に想定外…そう暗い声で呟く