2015/06/07 のログ
ご案内:「カフェテラス「橘」」に麻美子さんが現れました。
麻美子 > カフェテラスで『和食懐石「漣」』から回収した盗聴器の内容を聞く。
誰にも話すな、とは『約束』させても、聞くだけなら自由だ。

『「委員会闘争の調停者」サンまで出てきたッスか、
 まぁ、これだけ大事なら妥当ッスね 』

彼女についてはよく知らない。
何しろ、ある意味では自分に近い立場の人間だ。
ただ、能力については一応知っていた。
とはいえ、話の内容を聞く限り、
『今回の後始末をしてくれる』というだけだ。

真美子としては正直むしろ都合がいいし、
彼女の意見には同意できる部分も多い。
ここは彼女に乗っておこう。

『麻美子も誰にも話さないって『約束』するッスよ。』

彼女の言葉に心の中でそう返し、
盗聴器のデータを破棄する。

麻美子 > そもそもこの彼女が回収してくる盗聴器、
一体いつ仕掛けているのかというと、
実は学内のいたるところに仕掛けられている。

特に、今回会合に使われたような
『よく会合に使われている』場所であったり、
主だった『高級料理店』には念入りに仕掛けられていた。

『その点、五代サンは優秀ッスね、
 人と会う場所に高級な料理屋サンは選ばないッス。』

単純にお金がないのかもしれないが。

麻美子 > とにかく、今回の一件については
『難しい事はあんまり考えないで、
 風紀と公安とその他で協力して仲良くぶっとばせばOK』
という上からのお墨付きが出たようなものだ。

「なんかこう、そろそろ決着がつくって感じの
 雰囲気ッスねー。」

そうなってくれるなら、麻美子としても非常に嬉しい。
そうなってくれるようにと願って呟いた。

『ちゃんと疑いが晴れたら、一緒にまたゆっくりお話するッスよ。
 ……ちょっとした同棲生活の感想もばっちり聞くッス。』

以前カフェテラスで話した時の事を思い出しながら、
にへらーと気の緩んだ笑みをもらした。

麻美子 > 頭を切り替えると、次の一件をメモ帳へと記入する。

『門からのドラゴンの進入ッスか……。』

いくら落第街での出来事とはいえ、さすがに事が大きいのでしっかりと報告しなければいけない。

交戦しているのは6名、他数名。
一応、現状優勢で交戦中。

『正直怖いッスから、最後まで見るのは遠慮させて貰ったッスけどね。』

……とはいえ、あの様子なら大丈夫だろう、多分。

報告を終えると、紅茶を一口飲んだ。

麻美子 > 「美味しいッスーー……。
 やっぱり紅茶はここの紅茶が一番ッスよ!!」

この所、このカフェテラスも評判が良くなって来たのか
何時来ても大体すごく混んでいる。
早朝はさすがに大丈夫だが、放課後のお茶がここで飲めなくなり、
他の場所でお茶を飲むのを余儀なくされていた。

「やっぱりここが落ち着くッスよー。」

でろーんとカフェテラスの机に蕩ける。
今は運良く人も少なかった、
久しぶりにのんびりできそうだ。

横たわったまま、チーズケーキの刺さったフォークをもごもごと食べた。
行儀が悪いが、このカフェテラスではいいと決めていた。

ご機嫌に足をぱたぱたと動かす。

ご案内:「カフェテラス「橘」」に害来腫さんが現れました。
害来腫 > あの~…広報部の未見不さんでしょうか?
【貴方がケーキの味に舌鼓をうっていると】
【不意に、そんな声がかけられる】
あ、始めまして…
【声の主は、いかにも気の弱そうな、細身の学生】

麻美子 > 「ん?確かに未見不ッスけど、初めましてッス」

んー?と顔を起こすと、彼の顔を見る。
―――見て、嫌な汗が出たが、
さすがにカフェテラスで荒事は仕掛けてこないだろう。

「相席ッスか?歓迎するッスよ。」
にへらーっと笑うと、向かいの席を指し示した。

害来腫 > 【相手の反応にばれたか、と思ったが】
【確証はないため、もう少し演技を続けることにする】
【元からばれたところでこちらに痛手など何もないが】
どうも…実は、西園寺さん…非常連絡局長について、お聞きしたいことが…あ、それじゃあ
お言葉に甘えて
【向井の席に腰掛けると、男は神妙な面持ちで口を開いた】
あの…風の噂なんですけど、あの人が異能を暴走させる薬を撒いているって話
本当なんですか…?
【完璧な演技でただの学生に成りすました男は、貴方にそう問いかける】

麻美子 > 『人違いッスかね?』

よく見れば、人相が少し違う。
雰囲気も大分違うように見える。
身体を起こすと、気弱そうな学生をじーっと見つめる。

「どうもッス。
 さすがにここまで噂になってたら、
 耳にくらい入ってくるッスよねー。」
けらけらと笑い、そう返しつつ次の言葉を紡ぐ。

「麻美子も噂は聞いてるッスよ!!
 そこまでの事はちょっと分からないッスけどー。」

『広報部は、表向きにはただの校内広報を行うだけの部活動ッスから、
 この男が人違いで、ただの一般学生なら、
 これ以上深入りはしてこないはずッス』

そう考えつつ、彼の反応を待った。

害来腫 > 【ばれてはいないと考えたのか、男は演技を続ける】
実は…僕には兄がいて、この間の異能の暴走の際、事故に巻き込まれて…
幸い一命は取り留めましたが、もう目覚めることはないかもしれないと…
【本心とは裏腹に、徐々に声のトーンを上げ、熱を篭らせる】
お願いです!僕は、僕はあいつに復讐したい!貴方の知っている事を、全部僕に教えてください!
【ここぞとばかりに声を荒げ、感情を爆発…させる振りをする。】
【元々工作員だった男、自身の感情すら誤魔化し、上に訴え相手を絆させる事など造作もない事だ。】
貴方の代わりに僕が彼女の悪事を告発します、僕は敵を討ち、貴方は余計な危険を被らない…
決して損になるような事はないはずです、お願いです、だからどうか…
【一転して涙っぽく、情けない声で縋る様に】
【男の狙いは幾つかあるが、まずその一つ…貴方の知ってる、西園寺に関する情報について探りを入れてくる。】

麻美子 > 『怪しいッスね。』

「肉親の不幸」「復讐」「泣き落とし」
まさにテンプレート、確かにもっともらしい理由ではあるのだけれど、
もっともらしすぎるからこそ怪しい。

「いや、だから麻美子は何も知らないッスよ。
 公安にも一応呼ばれたッスけど、
 あれは広報部として何か知らないかーって程度ッス。」

「それに、何で復讐の対象がもう西園寺サンになってるんスか?
 悪事とかなんとか、麻美子はなーんにも知らないッスよ?
 そこまで知ってるなら、むしろおにーさんのほうが詳しいんじゃないッスかね?」

申し訳ないッスけど、力にはなれそうに無いッスよ?
……と頬を掻いた。

害来腫 > …ち、思ったより疑り深いな
【口調が変わる、演技をし続けても無駄だと思ったのだろう】
【目つきも打って変わって冷たく、今その今までそこにいた人物と同じとは思えないほどに】

あ~あ、ったく、偶には穏やかに行こうと思ったのによ
顔はいいんだから、もうちょっと頭が緩い方が男受けもいいぜ?
【下種な笑みを浮かべ、値踏みするように貴方の体を見回しながら男は話を続ける】

とりあえずいきなりだけど最後通告な、お前の知ってる事全部聞かせろ
はいあとじゅ~びょ~ちっちっち
【ふざけた調子で、男は貴方の返事を待つ…貴方は男に知ってる事を伝えてもいいし】
【脅しを突っぱねてもいい】

ご案内:「カフェテラス「橘」」に雪城 氷架さんが現れました。
麻美子 > 「確かに麻美子はモテないッスけど、
 彼氏にするならもっと素敵な人がいいッス。」

はぁ、とため息をつく。

「薬の情報と偲サンの情報を知ってどうするつもりッスか?
 別に教えてもいい相手になら教えるッスよ。
 公安が全員敵じゃないって事は知ってるッスから。」 

「……あと、変に断っておにーさんの異能は食らいたくないッス。
 麻美子、虫は嫌いッスから。」

口調や雰囲気、加えて、求めている情報の内容で確信する、
公安委員会直轄第二特別教室所属、『害来腫』だ。

雪城 氷架 > 「あれ、麻美子じゃん」
店に入り、すぐにその顔を見つけて席に向かってくる

相席する男子生徒がいることに気づくと
「相席───と思ったけど、ジャマか?」

ぽりぽり、頬を掻く

害来腫 > 時間切れー
【突然、ウェイトレスの女性が倒れる】
【腹を押さえ、腹痛にのた打ち回り、目は見開かれ声にならない声を上げる】
【平穏だったカフェテラスが、にわかに悲鳴に包まれた】

芽殖孤虫って知ってるか?成虫が見つからない珍しい寄生虫でな
こいつが人間の中に入ると成虫にならないまま、宿主が死ぬまで増殖を続ける。
ヒヒ、ひっでえもんだぜ、苦しんで苦しんで、最後にゃ脳も内臓もやられてお陀仏だ。

【誰にも聞こえない、貴方にしか聞こえない声で、ぞっとするほど静かな声で喋る。】

俺は答えろって言ったぞ、返事はイエスか、ノーかだ。
とはいえ答える意思はあるみたいだし、俺も鬼じゃねえ
言えばあの子は助けてやるぜ?
【鬼畜の所業を働いた直後とは思えない微笑を浮かべ、男は貴方にそう告げた】



【次が、本当の最後通告だと】

麻美子 > 聞き覚えのある声に振り向けば、
予想通りの人がそこに立っていた。
いつもなら心底喜んで相席するところだが、
今はすこぶるタイミングが悪い。

「……氷架サン、今は何も聞かないで早く店からでるッスよ。
 この人は麻美子に話があるみたいッスから。」

氷架のほうを真剣な目で見つつ、そう言う。

雪城 氷架 > 「あ…、え!?」
ウェイトレスが倒れ、にわかに騒がしくなる店内
そんな中で、落ち着き払った友人の言葉

これは、何か異常な事態だ
そんなの馬鹿でもわかる

「そんなこと言われたって…」

目の前で倒れている人間もいるのに放って店から出れるわけがなかった
麻美子に背を向けて、倒れたウェイトレスに駆け寄る
同時に周囲の人間も何人か、駆け寄ってくる

麻美子 > ギリッと唇を噛む、無関係の人間を自分のせいで巻き込むわけには、
まして、殺してしまうわけにはいかない。
氷架にまで被害が及ぶ可能性があるなら、尚更だ。

「……分かったッス、言うッスよ。イエスッス。」
両手を挙げて降参のポーズを取る

害来腫 > あ~あ~、芽殖孤虫って感染者の涎とかからでも寄生すんのに
【ありもしない噓を述べ、焦燥感を煽る】
【意味はない、単純に相手の反応を楽しんでいるのだ】

お、いいねえ!それじゃあ、どこまで知ってるかじっくり教えてもらおうか
【のたうち回っていた女性は、今は男の異能で寄生虫を抑えられたのか】
【荒い息ではあるものの、先ほどよりは格段に症状は改善している】

ご案内:「カフェテラス「橘」」に朝霧保健医さんが現れました。
麻美子 > 「氷架サン!近寄っちゃダメッス!!!」
咄嗟に声を上げ、氷架を呼び止める

そう声をかけると、彼に向き直る。
「全部知ってるッス。」
のたうちまわっていた女性が落ち着きを取り戻すと、
安堵の息をもらした。

「西園寺サンが主犯であることはもちろんッスけど、
 薬を作っている目的、場所と薬事態の仕組みと構造もッス。」
 

雪城 氷架 > 「っ!?」
いきなり上げられた大声にびっくりして立ち止まる。

その間にも他の客達が女性の様子を伺い、なんとかしようとしている……

振り返ると、両手をあげたポーズとの麻美子と、
こんな騒ぎにも関わらず落ち着き払った、対面の男

直感だがなんとなくわかるぞ
やったのはこいつだ

朝霧保健医 > 大丈夫ですかッ!?
(血塗れの保健医が酷く焦った様子でウェイトレスに駆け寄る)
(普段の彼女からは考えられないほどの焦りようである)

害来腫 > ほうほう…
【流石に薬の件について調べていた時間が違うのか】
【未見不の持つ情報は男にとってまだ判明していない事実が数多く存在した。】

成程ねえ…いやしかし、お前これ一人で調べたのか?
だったら相当なもんだ…かけた時間が違うとはいえ
ここまでのこと調べるのは俺でも骨だぞ。
ま、俺に骨なんてもう残ってねえけど
【一人で言って一人で笑いながら、男は続ける。】
なああんた、どうせならうちにこねえか?

【と、そこでこちらへ敵意を向ける女性と、慌てて駆け込む以前見た保険医を目にする】

…めんどくさそうだな、殺るか?
【グチグチと音を立て、右腕に擬態していた】
【害虫の群れが、蠢きながら触手のような形に変化する】

朝霧保健医 > ッッ!!
(血のような液体が激しく沸き立ち、触手のようなものを生やす。)
(それに続いて朝霧保健医も臨戦態勢に入る)
・・・邪魔をしないでください。私はこの方を保護しに来ただけです。

麻美子 > 「そうッスよ、地道な聞き込みの成果ッス。」
実際には盗聴器等も使っているが、聞き込みには違いない。
ここまで調べるのは確かに苦労したものの、
何の罪もないにも関わらず巻き込まれ、冤罪で指名手配されている
友人を救う為だ。何の苦にもならなかった。

「『こねぇか?』じゃなくて、『来い』ッスよね?
 『こねぇか?』なら、聞くまでも無くおにーさんの家とか麻美子は願い下げなんスけど。」

男の右腕を見ると、唇を噛んで震える。
最低限人の目があるカフェテラスを離れて
この男の家に行ったら何をされるか分かったものじゃないとはいえ、
このまま放っておいたら氷架サンを含めた周りの人間に危害が及ぶ

「行くなら早く行くッスよ。
 ここにはもう用はないはずッス。」
瞳の端に涙を浮かべながら、彼にそう言った。

雪城 氷架 > 「……お前、麻美子連れてってどうするつもりなんだよ。
 あのウェイトレスに何かしたのもお前だろ…風紀委員会に連絡するぞ」

見逃さない、友人の目に涙が浮かんでいたのは見逃さない
口をついて出たのは風紀委員会の名前だ
公安委員会に幻滅したとはいえ、一般生徒が頼れるのはやはり治安維持の組織しかない…

ご案内:「カフェテラス「橘」」に霜月 零さんが現れました。
霜月 零 > ……おかしい。

俺は、稽古の後の飯を食いにここに来たはずなんだが。それがどうして、この平和なはずのカフェが。

「……おいおい、こいつぁどー言うこった?何が起こってやがる?」

太刀一本と小太刀二本を腰に提げた青年は、呆れと困惑をにじませた表情で問い掛けた。

害来腫 > …おいおい、俺をなんだと思ってんだよ?
こう見えて俺は正義の味方のだぜ、み・か・た
【二人の顔を見ながら、これだけの数を敵に回しながら】
【まるで余裕を崩さない】

そりゃあ男が女連れ込んですることなんて、一つしかねえだろ
何、君もおれんちくる?
【下種な笑みを更に濃くし、舌…の代わりに、二人にしか見えない角度で虫を口から】
【ちらつかせ、挑発する】

まいいや、まあもうちょっと待ってくれよ、俺あと少しこの子に用あんだわ
【未見不の後ろに立つと、肩を揉みながらやはり聞こえない程度の大きさで】
お前の連れ…志葉って奴がいるだろ、あの野郎に伝えろ
今から起きる事は、全部手前とあの野郎のせいだってな

【話は更に続く】
後もう一つ、俺の事は奴等には西園寺の手の者だという事
ああそうだ後一つ

【最後の言葉には、若干笑いを抑えた上ずりが含まれていた】
一度発症したあの寄生虫は、もうおれでもどうにもならん
あのウェイトレスは遅かれ早かれ死ぬ。
無駄な努力ご苦労さん。
ああ、だからって俺の事ばらすなよ、ちょっとした不幸な事故が立て続けに起こっても
ここじゃ別段珍しくもねえからな

【それだけいうとカフェテラスを後にしようとし…】
は、ゴミ漁りが人の治療してら
【帰りがけに廻りに聞こえる大きさで朝霧に向かい短く喋る】

【と、出口のとこで霜月と丁度かち合う形に】
おい、どけよ

霜月 零 > 「あー……」

面倒くさい事になっているのは把握した。そして、こいつが最高に面倒くさいことも把握した。が……

「やだ、かねぇ」

そっと、腰の刀に手を添えた。

雪城 氷架 > 「……っ!」
口からチラつかされた虫、コイツ、ヤバいやつだ。
麻美子はなんだってこんなヤツに…?
そっと、友人の表情を伺う───

「……おい、こんなところでそんなもん振り回すつもりかよ。
 周りよく見ろよな、お前……」
刀を持つ男に声をかける。
倒れたウェイトレス、それを治療する保険医
その様子を見守る他の客

少なくとも店内は広くはない……

ご案内:「カフェテラス「橘」」から朝霧保健医さんが去りました。
ご案内:「カフェテラス「橘」」に朝霧保健医さんが現れました。
朝霧保健医 > あまりこういう荒療治はしたくありませんが・・・!
(ウェイトレスのそばに駆け寄り、血液のような液体をウェイトレスの口に侵入させる・・・)
体内の蟲を全部捕食します・・・!気持ち悪いかもしれませんが我慢してください・・・!

霜月 零 > 「あー……」

少し逡巡する。流石に、ここでやり合うのは得策じゃない。まあ、そもそもコイツとやり合う事自体、大筋で自殺行為だが。よく当たる直感がそう告げている。

「取り敢えずまあ、場所は移すか?」

それでもなお、もう一つの直感が、単なる放置の選択を許さなかった。

麻美子 > 肩を揉まれても少しも心地よくない、
むしろ嫌悪感に体がぞわぞわする。

「………分かったッスよ。」

伝えろと言われた内容にこくんと頷くが、
遅かれ早かれ死ぬという言葉を聞けば顔が青ざめ。

「早く治療を頼むッス!!!!あと、念のため専門の病院に搬送するッスよ!!!!!」
そう声を上げると、彼女のほうを見る。
朝霧保健医が治療しようとしているのを見れば、安心して息をつく
彼女の異能なら、とりあえず大丈夫だろう。

「……応急処置を済ませたら、専門の病院に連れて行って欲しいッス」
そう言うと、彼女に頭を下げた。

害来腫 > ひっひひ!ああ、場所は移すぜ…俺だけな!
【言うが早いか、擬態を解いた虫達が、素早く地を這い店から抜け出していく】

さあて、後はあの女が追う動くかだ…
言うとおりにすればよし、しなければ…まあ、その時はその時だわな

ま、西園寺のアマがメインデイッシュなら、オードブルぐらいにゃあなったか
【一人ごちながら、排水溝を通じ地下へと潜っていった。】

朝霧保健医 > ・・・よし、全部取り除けました・・・
(そういうと朝霧は赤黒い液体をウェイトレスの口から引きずり出す)
・・・くっ!
(担ぎ上げようとするも微動だにせず、赤い液体の上に乗せてその場を去っていった・・・)

ご案内:「カフェテラス「橘」」から朝霧保健医さんが去りました。
霜月 零 > 「ちっ、虫の妖怪か何かか!?」

即座に追おうとして……やめる。

直感が言っている、追いつけないと。

「……めんどくせぇ奴も多いなあ、ここ」

んなトコで抜こうとした俺も大概か、とボヤきなから、店内に足を踏み入れる。

ご案内:「カフェテラス「橘」」にレイチェルさんが現れました。
雪城 氷架 > ………店の中はひどい騒ぎだ
軽食でもと思って入ってきたがとてもそんな状況じゃない
もう少ししたら、公安が来て全員締め出されるんだろうな、
そんなことを考えつつ───

「……後々でもいいけど、説明しろよな」
麻美子にジト目を向けるのだった

霜月 零 > 「…なあ、ついでに俺にも、状況説明してくれるとありがてぇんだが」

気だるげな表情に戻り、氷架に声をかける。今、多分一番冷静に話せそうなのはコイツだろう、とアタリをつけて。

麻美子 > 地下へと潜っていく害来腫を見送ると、
店内に響き渡る大声で叫ぶ。

「念のため、この場にいる人間はこの後病院、
 あるいは、専門の異能力者の所に行くッス!!
 さっきのウェイトレスさんが倒れたのは感染症ッス!!
 念のため検査を―――……。」

とりあえず、これで二次的被害は防げるだろう。

「あとは……あとは……。」

ジト目を向けられても、今の彼女にそんな余裕はない、
志葉さんに伝えて、西園寺さんの手先で………。
ぐるぐると、頭の中を様々な情報が駆け巡るが、
やがて緊張も限界を迎え、プツンと糸が切れたようにその場に倒れこんだ。

ご案内:「カフェテラス「橘」」に朝霧保健医さんが現れました。
雪城 氷架 > 「悪いけど殆ど何もわかんないぞ。
 今でてったヤツがウェイトレスに何かしたってことぐらいだ」
肩を竦めて、零にはそう返した
実際、何一つわからないような状況と言ってもいいぐらいだった

「っと、おいっ」
慌てて麻美子に駆け寄って抱き上げ……るのには腕力が足りないのでせめて上半身を起こさせる

ご案内:「カフェテラス「橘」」にカエラムさんが現れました。
ご案内:「カフェテラス「橘」」から害来腫さんが去りました。
カエラム > カフェの外に集る野次馬。その中に一つだけ、大きな山が立っていた。
身長2メートル56センチの巨躯、カエラム。

コンビニで炭酸飲料を買った帰りに通りがかってみれば、カフェに人が群がっているではないか。
野次馬の間を通り抜けて、カフェの中へと入っていく。

入って最初に見たものは、倒れこんだ恩人の姿であった。

「……まみ、こ?」

レイチェル > 「止まれ! 風紀委員だ――チッ、一歩遅かったか」
近場に居た生徒から連絡があったのだろうか。
クロークを纏った少女がカフェの前に現れた。
視認できたのは、不穏な店内の様子と、去って行った害来腫の影
だけだ。

「厄介なことになってるようだな、おい……」
腰に手をやり、店内へと近寄っていく。

霜月 零 > 「あー……要するに、アイツがヤバいくらいしかわかんねーか」

ボヤきながら、巫術で感染予防を一応だけしつつ、氷架に近寄り、麻美子の顔を見る。

「……過労、っつーかアレか。緊張しすぎて糸が切れた感じか」

パッと見で、取り敢えずの診断を下す。

朝霧保健医 > (朝霧がふらふらとカフェテリアの人混みに近寄っていく・・・)
えーと・・・麻美子・・・さんの~・・・言う通り・・・皆さん病院で検査をした方がいいと思います~・・・うぷっ・・・
先程の男がウェイトレスに植えつけたのは寄生虫の一種みたいで~・・・はぁ・・・はぁ・・・
私にも詳細はわかっていません~・・・!
(ひどく疲労しているのか、朝霧は途切れ途切れだが人混みに警告する)

カエラム > 「おしえろ。まみこ、なぜたおれた。なぜ。」

氷架に上半身を起こされている麻美子のもとへ歩いていく。
ある程度近付いたところで屈み、顔を覗き込む。
彼女はとても疲れている様子だった。

麻美子 > カエラムの声で目を覚ますと、目の前のドクロに驚いて変な声を出す

「……カ、カエラムッスか、びっくりさせるなッスよ。」

ふぅ、と息をつき、
この場を収拾できる権限のありそうなレイチェルに声をかける。

「レイチェルサン、
 さっきまでここに居たのは害来腫っていう異能力者ッス。
 虫を操る能力者で、寄生虫も操れるッスから、
 アイツがいたこの場所に長居すると寄生虫感染の恐れがあるッス。
 出来れば、ここに居る人間を速やかに外に誘導して欲しいッス。」

麻美子 > 「氷架サン、悪いッスけど今は疲れてるッスから、
 後でゆっくり話すッス、今はレイチェルさんの指示に従って、
 病院で検査を受けて欲しいッス。
 ………そっちの刀のおにーさんもッスよ。
 説明が必要なら、後で麻美子に直接連絡をよこすッス。」

(そう言って、連絡先を書いたメモを手渡す。)

雪城 氷架 > 「………わかったよ。でも、人に心配させるなって説教したヤツが、私に心配かけるなよな…」
とりあえず、どこかを怪我したとかではなさそうで、
小さくため息をついて立ち上がる

──レイチェルの姿が目に入った
風紀委員が来たなら、安心だ

霜月 零 > 「……わかった、アンタは休んどけ。よくわかんねーが、無理していい状態じゃねーだろ」

真剣な目で言いながら、メモを受け取り、自分も連絡先を記したメモを渡す。

「ったく、思った以上にろくでもねー奴が多いみたいだな。ヤクの件と言い」

レイチェル > 「……なるほどな、面倒くせぇ異能使いも居たもんだ。お気に入りの生クリームスコーンの店を台無しにしてくれたな」
手を挙げて指示すれば、同行していた風紀委員達が慣れた手つきで黄色のバリケードテープを張り巡らせることだろう。
「状況は把握したぜ」
こくりと頷き。すぅ、と息を吸って。
「ここからは風紀委員が病院まで誘導する! 指示に従って、進むように! てめーら、全員しっかり、安全に送り届けろよ!」
周囲に集まっていた野次馬などにしっかり聞こえるように、大声で指示を飛ばし、連れていた風紀委員達に誘導を始めさせる。

麻美子 > レイチェルの誘導がはじまれば、満足気に頷いた。
これでとりあえず、この場の騒ぎは収まるだろう。

誘導の喧噪に混じって、レイチェルに声をかける。
「レイチェルさん、今回の事件の件の報告がしたいッスから、
 後日、個人的に会えないッスかね?
 ……カイゼリアのカイザーパフェ、奢るッスよ。」

雪城 氷架 > 風紀委員に誘導され、他の客と同じくその場を後にする
──店から出るその時まで、心配そうな視線を麻美子に向けて

ご案内:「カフェテラス「橘」」から雪城 氷架さんが去りました。
朝霧保健医 > あっ、ちょっと!待ってください!まだ調査が!調査が終わってません~!(その他大勢と一緒に風紀委員につまみ出され、その場をあとにした)
ご案内:「カフェテラス「橘」」から朝霧保健医さんが去りました。
カエラム > 「びっくりしたのは、こっち。つかれてる、か?」

麻美子が目を覚ましたのを見ると、ほっと胸を撫で下ろす。

「あたらしいふとん、かった。よくねむる、できる。つかれてる、だったら、はこぶ。かえろう。」

ささやくようなかたことで、麻美子に語りかける。
風紀委員の様子から、それがかなわないことかもしれないと思いつつも、そう思わずにはいられなかった。

レイチェル > 「……オレと五代先輩との話、ちゃっかり盗聴してやがったな? ったく、抜け目ない広報部員だぜ。ま、いいけどよ」
はぁ、と溜息をつきつつ、肩を竦めるが、こくりと頷く。
「ああ、分かった。オレとしても、そうしてくれると助かるぜ。カイザーパフェつったな? 特盛のやつだぞ、オレは約束は忘れねーからな」
つか、あの大男と知り合いなのかよ、などと呟きつつ。
「ま、お前に関しては風紀委員じゃなくて、頼れるボディガードが居るっぽいしな、任せとくぜ」
そう言って、カエラムの方を見て、任せたぞ、と視線を送り。
彼と出会ったのは、西園寺偲との交戦以来だろうか。

霜月 零 > 「……おい、風紀委員」

レイチェルに近寄り、小声で話しかける。

「……ついでだ、こんなもんが出回ってる。中身はヤク、効果は異能の暴走だそうだ。お前らなら掴んでるかもしれねーが、取り敢えずいるなら渡しとくが?」

手のひらサイズの氷塊をちらつかせる。その中には、小さな袋が封じ込められている。

麻美子 > 「約束ッス、麻美子も約束は守るッスよ。」

レイチェルにからからと乾いた笑みを浮かべると、
続いて零に向けて返答する。

「そうッスね、麻美子、疲れたッスよ。
 でも、麻美子しか事情を知らないなら
 麻美子がなんとかしないといけないッス。」

そう、零に返す瞳はぼんやりと濁っている。
おそらく、彼女なりの意地だったんだろう。

「カエラム、頼んだッス。」
きっと、家まで運んでくれ、という事だろう。

「―――麻美子は疲れたッスよ」
そう呟くと、再び目を閉じ、
カエラムに運ばれて店を出て行った。

ご案内:「カフェテラス「橘」」から麻美子さんが去りました。
カエラム > 「―――おつかれ。」

麻美子を軽々と背負った巨躯は、麻美子の私宅へと向かうのであった。

ご案内:「カフェテラス「橘」」からカエラムさんが去りました。
霜月 零 > 「……」

麻美子の目をじっと見つめ返す。濁った眼だ、疲労の色が濃い。が……

「分かった。ま、あれなら適度に他人を頼るこった」

その奥に見えた矜持は、好感を持てるものだった。

レイチェル > 「変革剤のサンプルか――ありがてぇ話だ、受け取っておくぜ。
 で、あんたの名前は……?」
零から渡されれば、軽く会釈をするように頷いて礼を示す。
品を受け取るからには、名を聞いて置かねばならない。

霜月 零 > 「霜月 零(しもつき れい)。拾った場所は歓楽街の裏路地。ああ、ついでに解凍処理しとくぜ」

術を解き、袋だけにする。

「必要なら、ある程度の事は話すぜ。知ってること自体は多くはねぇし、ウラも取れちゃいないがな」

レイチェル > 「霜月零か……。オレはレイチェル。レイチェル・ラムレイ。さっき言った通り風紀委員だ」
袋だけになった薬をクロークの内にしまい込む。

「知らない情報があるかもしれねぇからな。じゃ、頼むぜ」
そう言って、真剣な表情でそちらを見やる。

霜月 零 > 周囲を見やり、更に声を潜める。他の誰にも聞こえないように。

「……レイチェル。このヤクには、公安が絡んでるっつー話だ。後、アンタの身内の話になるが……風紀の奴も、協力してたと聞いた。つまり、この治安を崩壊させるヤクの頒布に、治安を守るべき連中が関わってるってことだ。クロ側でな」

レイチェル > 「……そうか。情報提供に感謝するぜ」
顎に手をやり、俯く。
公安が違法薬物に関わっているのは、勿論知っている。
風紀側が協力していた、とすれば――一人、思い浮かぶ人物が居る。
レイチェルは一人納得すると、零の方に顔を上げた。

「さて、じゃあ一旦ここを離れるとするか。長居するのは得策じゃねぇ」
そう言ってクロークを翻して背を向ける。

「またこの件で何かあったらオレまで連絡しな。出来る限り対応するぜ。この事件、許しちゃおけないんでな」

霜月 零 > 「おう、こっちもこっちで探ってみる。こいつは許せねぇブツだ……何とかしようぜ」

言いながら、自身の連絡先を書いたメモを渡す。

そして、その端に小さく文章を記した。

『能見さゆり クロの疑いあり』

レイチェル > 「無理はすんなよ。こういうのは、こっちの仕事だ。
 守るべき生徒に傷つかれちゃ、学園の奴らに顔向けできねぇ。
 ……まぁ、腕は立ちそうなもんだが、一応念の為、な。
 それじゃあ、な。……土産までくれるとは気が利いてるぜ」
そう言って、背を向けたままメモを受け取ると、クロークを翻し去って行った。

ご案内:「カフェテラス「橘」」からレイチェルさんが去りました。
ご案内:「カフェテラス「橘」」にレイチェルさんが現れました。
霜月 零 > 「……落ちこぼれでもよ。霜月の意地と誇りってもんが、あるんだわ」

小さくボヤく。退魔の家に生まれ、その教えを受け育ってきた。

普段やる気を見せなくても、なんだかんだでその教えは生きているのである。

レイチェル > ――人払いが終わり次第、風紀委員達が汚染された現場を清浄化する作業に入ることだろう。
ご案内:「カフェテラス「橘」」からレイチェルさんが去りました。
霜月 零 > レイチェルを見送り、その場を去ろうとして……

「……あ」

メシを食いそびれた事に、気付く。ああ、そういえば稽古の後だった。

「帰って、適当にメシ作るか」

気だるげにぼやいて、その場を去って行った。

ご案内:「カフェテラス「橘」」から霜月 零さんが去りました。
ご案内:「カフェテラス「橘」」に渡辺慧さんが現れました。
渡辺慧 > 汗を拭いながら少年が眠そうにフラリと立ち寄る。

レモンスカッシュ、と。少し機嫌の悪そうな声で注文。

制汗剤の香りがする。ランニングの途中に立ち寄ったようだ。
カウンター席へ座ると、肘を立て頬杖をつく。

渡辺慧 > 届いたレモンスカッシュをストロー越しに吸いながらポツリと呟く。

「…………なにやってんだか」

渡辺慧 > 自分でも、なぜあれをやったか。よく分からない。
羨ましかった、だけなのか。

どうせ。自分のやったことなんかすぐバレる。あの場だけの、自分の浅知恵なんて、高が知れている。

「いいよ、別に……」
今の状態に拘りなんてない。ただ……。ただの、模倣だ。

ご案内:「カフェテラス「橘」」に井戸木さいこさんが現れました。
渡辺慧 > ……でも、そうすると。……俺はもう、僕はもう、どこにも行けない。
自由になんかなれない。


かっこわるいな。
いつもと違う、弱気な笑い。

井戸木さいこ >  ふと、カフェテラスを利用してみようと立ち寄ってみた。
 そしてふと見てみると、ものすごく陰気臭い感じのする少年が目に入る。
 そちらへと、足を運ぶ。

「相席、いいかなぁ?」

 貴方はこのなりたてほや貝の新任教師の井戸木さいこ先生を知っていてもいいし、知らなくてもいい。
 どちらにせよ、そう尋ねるだろう。満席には見えない。

渡辺慧 > ストローが、氷ばかりの水を吸う音がする。
気づけばもうほとんど飲み干していたようだ。

「……ブレンド」
注文。

渡辺慧 > 「…………ん? あらあらまぁまぁ」
人に声をかけられると途端に普段の調子に戻る。猫を思わせる笑いだ。


「こんなべっぴんさんに相席頼まれるなんて。今日の運勢みとけばよかったね」
なんて、とぼけた言葉。
どうぞどうぞ、と。

井戸木さいこ > 「うふふ。乙女座のラッキーカラーは猫だったよ、なぁんてね。」

 そんな嘘か本当かどうでも良い事をしゃべりながら、座る。
 

「やけに元気がなかった気がしたけど、もう大丈夫そうかなぁ。
 ……あ、モーニングAセット一つ。飲み物は、黄金の蜂蜜ティーでお願いします。」

渡辺慧 > それはいいことを聞いた。とばかりに、シシシ、と。
特徴的な笑い方。

「そらもう。朝からべっぴんさんに声をかけられたら、健全な男子なら元気になるんじゃないかねぇ?」

少しだけ不思議そうに、というより、懐疑的に。
知り合い、じゃあないよな?
と、尋ねる

井戸木さいこ > 「うふふ、元気になっちゃった?」

 朝から、と言う言葉は飲み込む。
 程なくすれば、頼んだものが届いた。
 美味しそうなチーズハムサンドと、黄金色の蜂蜜ティーだ。

「そうだねぇ。はじめましてかなぁ?
 ……わたしは3日前ぐらいから教師に赴任した井戸木さいこだよ。
 受け持ち科目は科目は保健と体育のアシスタントと、サバイバル・レンジャー・スカウト学だよ。」
 
 まだまだ見習いだけど、と苦笑して付け加えた。

渡辺慧 > 「深くは言うまい」
苦笑。
届いたものを眺めながら、いつの間にか、来ていた自分のブレンドコーヒーを一口。
唇をぺろり、となめると。

「……あらま。先生? 見たことなかったな」

俺がサボりがちだからかもな。
なんて、先生、と言うなら、その先生相手に言うべきではないだろう言葉を気軽に吐く。

「そっか。ハジメマシテ。2年、生徒の渡辺でございやす。どうぞお見知り置きを?」

井戸木さいこ > 「そりゃ、新人さんだからねぇ。
 うん、二年の渡辺さんだね。うふふ、宜しく。」

 喋りながらも、少しずつ食事に手を付ける。

「うふふ、たまには顔出してね、なぁんて。」

渡辺慧 > 「たまにね」
同じようにブレンドに口をつけながら喋る。

「さいこさんね。覚えた。……あれか。今日はオフ、って奴?」

井戸木さいこ > 「ん、そんな感じ。休日だからねぇ。」

 くす、と笑いつつ。

「あ、後一応生徒指導員でもあるよ。
 まだまだぺーぺーだから、もうちょっと教師に慣れるまでは名前だけだけどね。
 ……うふふ、でも無理に授業に引っ張ったりしないから大丈夫。」

渡辺慧 > 「そりゃ安心。すくなくとも……指導される側であるのは間違いないからねぇ……」
コーヒーを飲みながら楽しげに呟く。

「それじゃ、慣れてきたら、注意させてもらおうかな?」

井戸木さいこ > 「うふふ、そうだね。
 サボってたら生徒指導室でお茶菓子でも振る舞おっか。なんて。
 ……生徒指導員なら、最近困った事とか聞いちゃうのかなぁ?」

 そんな冗談のような言葉を返しつつ、蜂蜜ティーに一口。

「ん、あまぁい。」

渡辺慧 > 「うわ、小悪魔だ。余計にサボらせて、そこに罠とかあるんだきっと」
呆れたように呟き。

「あら。熱心。そうだねぇ。目の前の先生をこのあとデートに誘おうかどうか悩んでるけどね」
適当に冗談を吐く。……あれは。困った、というより。

自分が、きっと悪側だから。何を言おうとも、きっと。

井戸木さいこ > 「其れはその時のお楽しみ。」
その時になってみないとわかんない、と、軽い口を叩いた。

「うふふ、そうだね。誘われたら案外単位も心もころっといっちゃうかも、なーんてね。」

 冗談が飛んでくれば、けらっと笑ってみせるだろう。

渡辺慧 > 「あらま。それじゃ本当に誘っちゃおうか? ……単位ほしいし」
これじゃ俺が悪い男だ、なんて。猫のように笑う。


「……空っぽなんだよねぇ、なんか」

一言だけ。先ほどのよう問いに答えるようにポツリと答えた。

井戸木さいこ >  
「うふふ。誘われちゃう……空っぽ?
 伽藍堂? ギャランドゥ?」

 ぽつりと零した問いを発した彼に、きょとんと視線を向ける。

渡辺慧 > 「……シシシ。なんでもないですよ、先生」
そんな気はなくとも。意図せず、誤魔化すように笑う。

井戸木さいこ > 「うふ、フラレちゃった。」

 くす、と、誤魔化しに乗って笑う。

「男の子はかっこいいねぇ、うふふ。」

渡辺慧 > 「あや。……じゃ、また、今度のお休みにでもね?」

本気かどうか。……だが、先ほどよりも余裕があるように。楽しげに笑う。


「なんのことやら。惚れるなよ? とでも言っちゃう?」

井戸木さいこ > 「そうだねぇ。デート場所は実習区とかどうかなぁ?
 ……うふふ、余計に惚れちゃうかもねぇ。」

 蜂蜜ティーを飲み終え、グラスを置けば小さな物音。
 食事も終えたので、席を立つ。

「それじゃあ、私は行くよ。
 じゃ、またね。渡辺さん。」
 

ご案内:「カフェテラス「橘」」から井戸木さいこさんが去りました。
渡辺慧 > 「そりゃ、実に楽しいデートになりそうだこと」
笑いながら、去りゆく彼女に片手をひらひらと振った。


……そうして、すぐ、表情は、入ってきた時のようなものに近づくが。
その時よりは和らぐ。
「……流石先生と言うべきか」

ブレンドをひと舐め。

……なるようにしかならないか。……俺は、兄貴じゃない、しな。
胸中で呟くと。

ごちそうさま。
普段通り。ひどく楽しげな顔で、席を立って、店を出て行った。

ご案内:「カフェテラス「橘」」から渡辺慧さんが去りました。
ご案内:「カフェテラス「橘」」にサイエルさんが現れました。
サイエル > さて、予期しない休日出勤。
屋上での一服を終えて、少し小腹がすいたので
カフェテラスへ。ここのコーヒーは嫌いじゃない。
いつもは盛況だが、ちょっと早めに来たからかまばらだ。
生徒も少ない。ビンゴである。

「アイスコーヒーと、ホットサンド。ハムチーズのやつ。あと、グリーンサラダ、よろしくね?」

決まっていたかのようにメニューを見ることなく注文。
じょりっと顎を触りながらそっと窓を見つめて。

「……やれやれ。起こる事件は風変わりでもなんでもなく。物が変わっただけって感じかな」

誰もいない、声を周囲に振動させないようにして呟く。
口だけを動かしている奇妙なおっさん。そのように見えるだろう。
耳にイヤホンをして、再生。先日あった、立花響セカンドアルバムの二番。Music Landである。
思考を、情報を整理する。口を動かして、顎に手を沿え、ヒゲをさすりながら。
それがこのおっさんの、集中するときの姿勢であった

サイエル > 声を、振動を。読み取る要素となる部分の一切を失くす。
最高クラスの精神感応であれば読み取るのは可能だろうが。
それらを一切、拒絶する。”声・音”のシャットダウン。
それが、このおっさんに許された”異能-とくべつ-”だ。

薬物といっても、出処と、制作場所。さらに売人……なにかの”ルート”がなければさばけない。
さらに”異能”という要素に限定している以上、この場所でない限り、効力を発揮しない。つまりは、この”学園都市”でなければ制作、販売は意味がない。

「……このようなことをして利益の出る場所、ねぇ」

さきほど職員室にて止まっていた思考を再び火をいれて煮詰めていく。

どこの世の中でも闇は深い。
組織の絡み合いとは実に複雑で、それでいて……
それらを”生徒”がしていると考えるとぞっとする。
まぁ、なにかしら”綱を引く”ものはいるだろうが

サイエル > とある一だけに対抗を許された特化型。
それゆえに、このクスリの魅力は痛いほどわかっているつもりだ。
能力が暴走してしまうということは恐ろしくリスキーだが
”それらを度外視”してしまえば”天才”の域にまで達することができる全ステータス向上。そこまで到れるかどうかは、わからないが、理論上は可能ではなかろうか。
それに憧れるのは、本当に”いけないことだろうか”。
手段は間違ってこそあれ、その願いは人として、この島で劣等感を抱いているなら尚更”普通”のことではないだろうかとは、おもう。
それに、ここにいるものたちは若いものばかりだ。迷い、過ちを犯してしまうのは仕方がないことだろう。その過ちで、成長することもできるだろう。
ただし、生きていればの話だが

サイエル > 「まぁ、使おうとは思わないがね。そこまで私は熱心じゃない」

正しくは、じゃなくなったというべきだろうが。
そんな昔のことはさておき、だ。
さて、魅力と生まれる利益。それを考えるのは十分。
需要と供給。目的はわからないが、その釣り合いはとれているように見える。
しかし、先日。それをかき乱しているであろう者にであった。
ほのかに香った硝煙。持っていたクスリ。あの少女は
きっと”その売人を殺し、薬を保有”していたのだろう。

精神感応の少女。しかもハイクラス。きっとこの学園にも
あれだけそちら側に特化した人間はいないだろう。
通用しなかったとは言え、だ。人をあれだけ操り、尚且つ
それに対抗できる自分に”気づくほどの”異能者。
あれにかかれば、人一人の精神を握りつぶすことも容易いだろう。
実に恐ろしい能力だ……

「屈強な精神を持っていなければ、跳ね除けられないだろうねえ。あの手のは。カウンターがなければ」

しゃくっと運ばれてきたサラダにフォークを指して口に運ぶ。
ドレッシングの酸味、黒胡椒のアクセント。
シャキシャキレタスの食感が実に相まって素晴らしい。

「その彼女が、わざわざ危険を冒してまでかき回すメリットは何か……」

グラスに注がれた黒い液体に、白い文様を付け足して。
それらを中和させたまろやかな色に変えていく。
くるくるとかき混ぜながら、さらに深めていく

サイエル >  ただ薬を持って、売りさばき利益を儲けるだけならば
かつて自分の前でしてみせたようにそのバイヤーの思考を操ればいいだけの話だ。
 わざわざ自分が赴く必要はない。
 彼女は自分のリスクを楽しんでいるのだろうか。
 そしてそのリスクの先にある”何か”を欲しているのだろうか。
 それとも……

「……それだけ必死にかき回して利益がある誰かの為、か」

 少女とは言え、否。少女だからこそ、か。
 ありえない話ではないが、だとしたらこれ以上探るのは野暮だろう。
 もし次であったとしたならば、その甘酸っぱい可笑しな犯罪を応援するのも面白いかも知れない。
 なにせ。このまま進むのはどうも、サボりがいがない気がしてきた。

「あっはっは、実に”若い”。そうとしか言えないね」

はむりとホットサンドを口に運び
甘くもないはずのそれが甘く感じるあたりなんとも愉快な頭をしてる。
--美味しいじゃないか。それはそれで。

「狡猾にして大胆。身を削りながら、心を折る少女、か。もうちょっとサボってもいいと思うけど、そういうのがいるからこそ、サボりがいがある」

うむ、なかなか面白い仮説だったと我ながら満足して。
どことなく甘い雰囲気のする食事をじっくりと味わうことにするのだった

サイエル > 平らげ終えて。どっぷりと甘砂糖に使ってしまった脳みそを
コーヒーで洗い流しつつ、次の思考に切り替える。

「……しかし、保健医の失踪ね。そっちでもなにかしら噛んでたりするのかね」

仕事が増えるからやめてほしいのだが。
いや、増えようが、サボタージュ・サイエルは現役バリバリで赤い彗星の如くぴゅんぴゅんするのだけれど。

--来島先生、ね。

保健医として優秀。このおっさんとは違い、その能力も保険向き。だったはず。
あんまりまじめに仕事をしていないのでよくわからないがとどこか胸を張り。

「はっはっは、気にしてもしょうがないね。この手のは。なにせなかったことになるものもあるぐらいだし」

音のドームを霧散させる。元通り。もうすこし、食べれそうだ。

「ミルククレープ一つ。コーヒー。次はホットで」

ご案内:「カフェテラス「橘」」にウィリーさんが現れました。
ウィリー > 「ペリエとぺペロンチーノ」それだけを注文すると、
日の当たる席を選んで腰掛ける。ため息を一つついて、
ポケットからペンとメモ…というより小汚い小さな紙の束を
引っ張り出した。

(どうにも気がやすまらねえし、情報整理でもしてみっか)
昨日『なんでも屋』から聞き出した情報が細かく書いてある。

薬について。異能を暴走させる薬。
(異能ってのは種類が色々あって、それを発動させる方法も
 個人によって違いそうなもんだが)

(操作可能な許容量を無視して、無理矢理広げる効果でもあるのか)

沈思黙考している間に、飲み物とパスタが差し出された。
それにも気づかないまま、考え事を続ける。

(そもそも異能ってのはなんだ? 人間がそう簡単に何でもかんでも
 できるもんなのか? 自然現象にまで干渉するなんて尋常じゃねえよな)

サイエル > そろそろ思考もいいだろ。ある程度は”呟いた”。
さて、あとはゆっくりと。まったりと時間を過ごそう。

今日は休日だ。休日はさぼらず。しっかり休むのが一番である。

(おや、学生だ。熱心でいいことだ。うむ、実に。べんがくがんばるんだぞ……)

注文して届いたミルクレープとホットコーヒー。
豆の香りに誘われて、先にコーヒーを一口。
んむ、素晴らしい。
タバコを加えて、かちりとライターを付けようとして。

(あれ、ここ、全席禁煙だったっけ?)

ウィリー > カツカツとペンで紙片をつつく。

常人ができないことをなす異能。
その異能を、暴走させる薬。

「ってことは…オイオイ」
少なくとも、薬を作っている人間は異能の発現機序を
『知っている』と言うことになる。

冷め始めたパスタを尻目に、天を仰いで。
そこを折り悪く、風が通り抜けた。薬の核心について書かれた
メモは舞って咥えタバコの男のほうへ転がって行く。

サイエル > 「……おや……?」

そんなことを考えていれば、飛んできたものに気づき。
そのまま飛んでいっては可哀想だ。立ち上がり手に取る。

--ほぅ?

「いやぁ、勉強熱心だね。キミ。早く食べないと、パスタが冷めてしまう、ペリエなんて凝ったものを頼んだのに炭酸も抜けてしまうよ?」

差し出しながら。へらりと笑った。
ボサボサの髪、くたれた白衣。胸には教員証。

ウィリー > 「あ、すんません」

最初に目に入ったのは白衣だ。研究機関の多い街だ、珍しくもない。
次にメモを受け取って、その流れから目に入ったのは教員証。

街行く人が、自分と「無関係」であるとは必ずしも限らない。
偶然とは恐ろしいものだ。よりによって教師である。
学園と言う組織の内側にいる人間。場合によっては、コトだ。

(…やっべー)

面倒が起きなければいいが、とへつらうような笑顔で退こうとした。

サイエル > 「いやいや、どこかに飛んでいくことがなくてよかったね。それにしても、必死な勉強姿勢だ。なにか試験があったようなことはないが……なにか将来のための勉強かな? ”薬剤師”とか」

じょりっと無精ひげを撫でながら。
ゆっくりと腰を落ち着ける。
元の席に戻り、ミルククレープを一口。
うむ、甘味が実にいい。コーヒーによく合うなどと思いながら。

ウィリー > 「ハハハ、本当に…個人的に資格でもと思いまして。
 ありがとうございます」取り繕うように笑う。
嘘をつくのは得意ではない。後ろ暗いことがあればすぐに目が泳ぐクチだ。

ともかく、危機は去った。おそらく。
仮に目をつけられて何かしらのアクションがあったとしても、
相手が「どこの」人間かわかっているなら対応しやすい。

(スクラップ用のノートでも買うかな)
自分の席に戻って、ため息をついた。ちょっとした面倒と、
そして目の前で冷え切っているパスタと気の抜けたペリエに
がっかりして。

サイエル > 「至っていいことだねぇ。いやはや、サボる私とは大違いだ」

ふむっと、一つ告げて。もぐもぐとクレープを食べ終えて
コーヒーを飲みきれば一息。

「あまり、こうした場所でそういったものを調整するのはよくないぞ?
だれにみられるかわかったものではない。もうすこし、”サボり方”を覚えたほうがいいね。今職員会議でも
ちょっとした話題にもなっている。いやなに。
生徒主体の、この学園で教師が動いたところでというものもあるが……
”気をつけて”がんばって」

サリ際に独り言のようにつぶやいて、店員に何かを告げて出て行った。

その後、店員が

「先ほどのお客様からお代はいただきましたので、新しいパスタとペリエ、お持ち致しますね?」

暖かいものに取り替えようとそばにやってきて

ウィリー > 甘党なのだろうか。どうでもいい感想を抱きつつ、どこか
気の抜けた教師の言葉に耳を傾ける。
メモはとっくにしまってはいるが、どう転ぶか…

(参った)彼の言葉を最後まで聞いて、ゾッとする。
意味深な言葉を選んでこちらの出方を窺う話術に似ているが、
何かが決定的に違う。直感がこう告げる。
――あの教員はメモに書いてあったことを知っていると。

「ちょ、ま」
去って行く背中に声をかけようとして、それを店員に妨げられた。
普段であれば冷めたものも、温かいものも、喜んで食べるだろう。
だが今回ばかりは喜べない

……これだから、大人のやることは。
「…ったく…」深いため息をついた。自分のツメの甘さと迂闊さと、青二才ぶりがつくづくいやになったというように。

サイエル > --これも勉強だよ……少年……

風に乗って言葉が響いたような気がした。
そのあと、あなたが拒否しなければ暖かい料理が運ばれてくることだろう。

少しずつ混み始めた、昼時に、おっさんは人ごみに紛れてどこかへと--

ご案内:「カフェテラス「橘」」からサイエルさんが去りました。
ウィリー > 「…洒落にならねえ」背もたれにぐったりと身体を預ける。
人ごみに消えて行った教員の言葉。

「なにが勉強だっつーの、全く」眉間に皺を寄せ、明後日の方向に悪態をつく。

自分が首を突っ込んだ問題は、予想以上に根が深く広く存在していること。
そして、自警団のように『決まった相手』だけを警戒していればいい訳ではないこと。
――ここまできてしまうと、唯の火遊びでは、済まない。
覚悟を以て、事に当たらなければ。

ややもせず、料理がウィリーの目の前に置かれた。
すすったパスタは、本当の味とは程遠く感じられる。

「…泣けるぜ」

ご案内:「カフェテラス「橘」」からウィリーさんが去りました。
ご案内:「カフェテラス「橘」」に矛海 遼さんが現れました。
ご案内:「カフェテラス「橘」」に霜月 零さんが現れました。
霜月 零 > 「昨日は食いそびれたからなぁ…」

昨晩、食事をしに来たら騒動が発生し、やむなく自炊で事を済ませた。

疲れていたのと面倒だったのが災いし、雑に作ってしまったためなんだか納得できない仕上がりだったのも残念さを煽ることになっている。

と言うわけで、今日こそは、と食事をしに来たのであった。

矛海 遼 > カランカランと音を立てて店に入ると店員と会釈し、適当な席にゆっくりと座る

普段はスーツを着てはいるが、着物の上にロングコートと言う服装は普段の男を知っている者からは少々不思議、奇妙、珍しいと感じるかもしれない。

「アイスコーヒーを一つ」

このような所で注文するというのも何やら照れ臭い。
などと鉄仮面は周囲の思わないであろうことを心の中で呟きながら、コーヒーを差し出されるまで静かに本を読み始めている

霜月 零 > 「んじゃ、おろしハンバーグで」

適当に座って、以前頼んだのと同じものを注文。こういうパターン化行動は、安心感をもたらしてくれる。

「さて、と……」

先日から続いている厄介ごとを想起し、頭を悩ませつつ、周囲をなんとなしに見渡す。

「(……変わったセンスしてんなぁ)」

着物の上にロングコート、と言う若干ミスマッチに見える組み合わせが目に留まった。

矛海 遼 > 変わったセンスと評された青年はコーヒーを出されると静かに一口飲み、再び置くとまた本を読み始める。

隠す仕草もせず、呼んでいる本の表紙に記述されているタイトルが目につくであろう。

【特殊攻防一体式戦術書:跳んでる!平賀源内】、と

霜月 零 > 「……なあ、それ参考になるのか?」

流石に口に出る。いや、だっておかしいだろう。平賀源内って。
せめて飛んだり跳ねたりしてるんなら、八艘飛びの逸話のある源義経とかじゃないのか。もしくはほら、忍者系とか。平賀源内は明らかにおかしいだろう。

矛海 遼 > 「内容自体は参考になる。残念な点はこの戦術を扱える物が限られている事と、平賀源内が全く関係ないという事か」

本と手の隙間からちらりと目を通し、一人の少年に視線を移す。
取っている間の抜けた行動とは逆に、修羅場を潜った経験のある、戦士としての側面を薄く感じ取るか

「ふむ………どうやら、騒がしかったようだな?ここは」

周囲の客の数を見て言葉を溢す。

霜月 零 > 「アレか、キャッチーにしようとして本のタイトルを変な方向に目立つようにしたら、中身とかみ合わなくなったってところか。中身が参考になるんなら、そっちで売ればいいのにな」

少し観察する。読んでる本もそうだが、所作に侮れないものを感じる。

「(……なるほどなぁ)」

強い。まあ、十中八九自分よりは。

「ま、学生御用達の店だし。煩くはなるだろーよ」

そんな内心は見せず、気だるげに返答する。

矛海 遼 > 「騒がしい不良を追っ払ったら古本屋の店主から礼として渡されたものでな。なかなかどうして面白い。本自体はかなり昔の作品のようだが、この時点で縮退を扱った戦術なども記述されている。さては異世界の代物か、それとも………」

さらりとおかしな事を口走っているが、そう言う本なのだろう………多分。

「昼時にしては少なくも感じるがな。どうにも料理の匂いだけではないようだ。この少なさは」

どうやら騒がしさ以上に人の少なさに視点が言っているようだ。
本を片手にコーヒーに大量の砂糖を投入し、スプーンでかき混ぜていく。

霜月 零 > 「古い戦術書なあ…」

ちったぁ興味あるかな、と言いつつ、現状の心当たりを探る。

「あー…そりゃアレだな。昨晩、ここで一悶着あったからな。感染症がどうのってのもあったし、それでいつもよりはすくねぇんだろ」

矛海 遼 > なるほど、と一言返すと言葉を続ける

「こういった表立った場所で行動を移す者もいるとはな。感染症と言う事は細菌兵器でも扱われたか?」

本を閉じて懐にしまうとコーヒーの入ったカップを片手に一口飲む

「随分と雑な事をする。それほど余裕が無かったか、純粋にそうなっても大丈夫と言う確証があったか―――――」

「唯の莫迦か外道、と言う事か。」

人波を眺めて言葉を溢す

霜月 零 > 「虫の妖怪みたいな奴だったぜ。抜くか迷ったが、店内だったしなぁ」

まあ捷径もあるし、やってやれないことはなかっただろうが、まず負けて死ぬ上に、周囲被害を考慮すれば抜くことは出来なかった。その点で、抜くことを咎めた少女は冷静だった。

「まあ、どっちかって言うと「自信のある外道」だろうぜ。ありゃあ、他人を食い荒らす事を大したことと思ってないタイプだな」

矛海 遼 > 「ふむ、随分と質の悪い」

一口飲むと砂糖を入れ過ぎたか、とぼやきつつ少年に言葉を返す

「被害者は無事だと良いがな」

少なくとも言っている言葉は本心だろう。相変わらずの鉄仮面だが。

霜月 零 > 「まあ、適切な処理がなされてたっぽいし、大丈夫だろう」

しっかりとした処理がなされていたし、風紀委員も機敏に動いていた。

大した問題は発生しない、だろう。

「しかしまあ…ここは随分と物騒だな。来てそんなに時間がたってないが、騒動には事欠かないって感じだ」

鉄面皮に対し、こちらは気だるげ。

どこまで本気か伺えない、脱力した表情だ。

矛海 遼 > 「表向きには理想と夢、希望。裏では欲望と暴力、悪徳と野心」

クイッと一気にコーヒーを飲み干す

「それらをコンクリートミキサーにかけてぶちまけたキメラだな。ここは」

霜月 零 > 「ロクでもねぇな、どんなパンデモニウムだよ」

呆れたようにボヤキ、天を仰ぐ。

「……来る学校、間違えたかねぇ」

矛海 遼 > 「言っただろう?表に居ればその通り、普通の学生生活が送れる。被害者には為れど、加害者にはなりえん」

力のある物に限るが、と続けつつ

「少なくとも、ナプキンを取ったことには変わりはないのかもしれんぞ?私も、君も」

店員に空になったマグカップを手渡して再び本を取り出す

ご案内:「カフェテラス「橘」」に美澄 蘭さんが現れました。
美澄 蘭 > 「こんにちは」

ブリーフケースを携えカフェテラスにやって来た少女は、大人しそうで平穏そのものに見えた。
昨夜この場で起こった惨事など、まるで知る由もない。
適当な席につくと、店員に

「えぇっと…紅茶と、焼き菓子のセットをお願いします。
紅茶は…温かいので」

と注文をする。

(…話に聞いてたより、人が少ない気がする…)

その点に引っかかりながらも、テーブルに勉強道具を広げた。

霜月 零 > 「…まあ、間違いなくナプキンは手に取ったな」

思い返す。都合二回、しっかりとナプキンは手に取ってしまった。

「…やるしかねぇか。俺は弱いんだがねぇ」

美澄 蘭 > プリントを見るに、取りかかるのは数学の課題のようである。
教科書と、授業中に取ったノートを参考にしながら、基本的な問題を2つほど解いてみたところで、紅茶とお菓子が運ばれて来た。

「あ、ありがとうございます」

お礼を言いながら、お茶とお菓子のためのスペースをあけるためにノートを畳む。

他の席でなされている会話に、気付いている様子は無い。

矛海 遼 > 「まぁ、己の身を滅ぼさない程度の臆病さは持ち合わせても損はあるまい。名を知らぬ生徒へ、名を知られていない教師からの忠告としておこう」

そこまで立場が上と言う訳では無いが、と続けつつ

「………どうやら、何が起きたかを報道はされていない、か。正しい判断ではあるな。」

新たに入ってきた少女に一瞬視線を向けると、独り言のように呟く

霜月 零 > 「ま、己の分際を弁えて行動するとするよ。ヘタして死んだら笑い者にもならねえ」

靉靆としてボヤく。

「しかしまあ…確かに、正しい判断だな。無用の混乱を引き起こしかねない」

矛海 遼 > 「下手に刺激しては己の首を絞めかねん。自爆を防ぐのは当然の処置か」

懐からちくわを取り出して口に咥える

「報道しようがしまいが、善良な生徒には迷惑以外の何ものではないがな。」

美澄 蘭 > ティーカップに一口口をつけると、焼き菓子の1つ…一口大のクッキーを1枚口に放り込む。

「………おいし」

口の中でほろほろととける甘さに、頬を緩ませる。
プリントの量は、平均的な学力の学生なら1時間と少々かかるくらいの分量に見えた。
…が。

(このお菓子と紅茶があれば、あっという間に終わらせられる)

少女は、先客達の重い心情をよそに、謎の確信をしていた。

霜月 零 > 「そりゃそうだ。いつだって、馬鹿の大暴れで迷惑こうむるのは、何も悪くない一般人だろうよ」

だから、その馬鹿を止める戦士がいて、その戦士は一般人にゃ勝てないんだがな。と続ける。

「つーかいいのか、そのちくわ。普通飲食店は持ち込み厳禁だろ」

矛海 遼 > 「全く持って厄介なキメラ(まち)だ。」

ぼやく様に続けて

「このちくわは実はちくわ型の薬でな。こうでもしないと細胞崩壊を起こして自壊してしまうのだよ」

「まぁ嘘だが」

どうやら違反をしながら冗句を言えるくらいには、柔軟性があるようだ。

霜月 零 > 「そりゃあまあ、厄介なこって」

そこまでちくわが好きってのも珍しいよな、と呆れた顔で続け

「まあでも…風紀の内、一人見かけたがそいつは信用できそうだった。ああいうやつが気張ってれば、完全に崩壊はしないだろうよ」

矛海 遼 > 「何時だって世界を正しく暴くのはそう言った者さ。」

戦場に被害者と策謀家はいらんよ、と付け足してゆっくりと席を立ち、名前と連絡先が掛かれたメモ用紙を投げ渡す

「何かあれば、連絡をすると良い。お互いに無関係でないのならば、な」

霜月 零 > 「ま、どっかでまた話す機会もあるだろーな」

ぱぱ、と自分の名前と連絡先をメモし、それを同じく投げ渡す。

「戦闘は期待するなよ、俺は弱い」

矛海 遼 > 「私は力を持つよりも、賢しくて力の使い方をわきまえている方が強かだと思っているのでな」

ロングコートを靡かせてカウンターに向かい、投げ渡されたメモを受け取ると一瞬、そちらを向いて言葉を返す

「ではな、また会おう【霜月 零】」

霜月 零 > 「…そりゃどーも」

気だるげに言いつつ、少し不思議に思う。

「(……今、確認してたか?)」

それとも、何かで自分の名前を知られていたのか。いや、ちらっと見たのか。

「……まあ、いいか。そんじゃ、またな」

矛海 遼 > 会計を終わらせ、扉が開閉する音とカランカランと去って行き、小さくなって行く音が響く
ご案内:「カフェテラス「橘」」から矛海 遼さんが去りました。
霜月 零 > 「…さて」

残っていたおろしハンバーグに手を付ける。横で勉強してる生徒には、物騒な話を聞かせてしまったか?

美澄 蘭 > 課題の内容は連立方程式で、解き方が分かってしまえば作業の領域だ。
二元二次方程式と三元一次方程式の両方でまとまった分量の問題が出されてはいるが…こういう根性と集中力が勝負になる課題でこそ、お茶と甘いものは覿面に効果を発揮する。

「…このマドレーヌの焼き加減も絶妙ね…」

…とてもしあわせそうです。
どうやら、勉強とお茶と甘いものにかかりきりなせいで、物騒な話は意識にないようだ。

霜月 零 > 「……余計な世話だったな、こりゃ」

呆れたというよりは、寧ろ平穏な日常を見たようで微笑ましげに。

「んじゃ、帰るとすっか」

邪魔をしても悪い、食うものも食って腹も膨れた。後は散歩でもして帰るのがいいだろう。

そう判断して立ち上がり、その場を後にした。

ご案内:「カフェテラス「橘」」から霜月 零さんが去りました。
美澄 蘭 > 「………よし、終わりっ!」

1時間しないうちに、少女が快哉をあげる。
そして、快哉をあげた後

「…ああ、疲れた…」

と、深い息をついた。

図書館での勉強、その後帰宅してからの取り組み…全部合わせると、課題にかけた時間は3時間半ほどだろうか。

「………これ、一日で片付けるものじゃないわね。
1時間くらいで小分けにしていかないともたないかも…」

早めに察する事が出来たのは、不幸中の幸いだったかもしれない。
紅茶を飲んで、一息つく。

美澄 蘭 > 幸い、勉強を終えてなおお茶とお菓子が少し残っている。
時間がかかり過ぎて店に迷惑をかけてはいけないと、今は他の勉強道具を持って来ていないので…しばし、ティータイムを楽しむとしよう。

(…でも、本当に人が少ないなぁ?今日たまたま?)

クッキーを1枚口に放り込みながら、内心首を傾げる。

ご案内:「カフェテラス「橘」」にヒカサ=カノさんが現れました。
ご案内:「カフェテラス「橘」」に遠峯生有子さんが現れました。
ヒカサ=カノ > (ひゃー、休憩休憩っと。)
[そう思いながら開けるドアの音。いつもより長いバイトの休憩時間、"いつもより"休憩を楽し夢ために。]

[マスター、お勧めのコーヒー。アイスでね。といつも通りの注文。]

[本日は晴天。いつもながら似つかわしくないビニール傘と共にいつものテーブル席へ]

遠峯生有子 > 少ないと思われていた店内にも徐々に人が増え始める。

そんな一人である少女は、先客とは対照的にひとしきり時間をかけてメニューを吟味したあと、
紅茶とお菓子のセットを注文すると店内を見回し...

少し迷ってから同年代の女生徒が比較的集まっていると思われる方面のテーブルに着く。
「けっこう歩いたかなー。」
ふう、っと息を吐いて。

ヒカサ=カノ > (やることはない、ただ休憩・・・なんだけど。)
[注文して間もなくやってきたアイスコーヒーを一口。今日はエスプレッソだ。]
[辺りをちらと見、ポツリポツリと人がいる。手で数えられる程度かもしれない]

(まぁこういう時間って微妙ダナぁ・・・)
[外の窓から見える青空をぼんやりと眺めているだろう]

美澄 蘭 > 相次いで、少女と歳の近そうな少女が2人、店に入って来た。
片方は、この晴れやかな空にビニール傘を持っている、ちょっと変わった出で立ちで、少し印象に残った。
もう片方の少女は、ふわっとした雰囲気ながら、本土でもそこまで浮かないだろう容姿だ。

…と、後者の少女…生有子が比較的近いテーブルに来たのを見て

「…あ、あの…

………一緒にお茶しても、いい?」

勇気を出して、声をかけてみよう。

遠峯生有子 > 肩にかけた鞄を下ろし、テーブル付のバスケットに片付けようと覗き込む…
そんなところに隣席から声がかかる。

声の主である少女に一瞬きょとんとしたような視線を向けたが、
すぐににこっと、笑顔を返した。
「いいよっ。よろしく。こんにちはー。」

そしてそそくさと席を移る。
「おじゃましまーす。」

美澄 蘭 > 「…ありがとう」

笑顔と快諾の返事が返ってくれば、ほっとしたような、はにかんだような笑みを浮かべる。

「ここで勉強する学生が多いから、知り合い作るのにいいんじゃないか、って話を聞いて来てみたんだけど…今日は、何か人が少ないみたいで」

「せっかくお茶もお菓子も美味しいのにね」と、どこか寂しそうに。

ヒカサ=カノ > [ポツリポツリと居た人が集まるのを見る。]
["常世"である学生客が多いここでは初対面同士集まっていくのもよくある光景である。]

(うーん、羨ましいけど、今日はいいかな。)
[近くのテーブル席で初顔合わせ、といったような二人を見て。]
[人が集まると自然と会話ははずみ、時間を忘れてしまうものだ。]
[今日は残念ながら時間が限られている身、少しだけのコーヒーと、少しの独りを楽しもう。そう思っているだろう]

遠峯生有子 > 「あはは。私もこないだここで宿題してたよー。
 この学園、人が多いから顔とか見ても知らないひとばっかりだけど、
 たぶんみんな同級生とか先輩とかなんだよね。」
 言って自然な流れで周囲を見回し、あの赤い髪の女の子とかもそうなんだろうなと、想像する。

 そして、
「ちょっとごめんね」
 と断ってからテーブル下に鞄を格納し、

「今日はここで宿題してたの?
 いつもは違うの?
 えっと…。」
 そういえば名前知らないな、と顔に出た。

美澄 蘭 > 「…そうよね…学園都市だものね。
もっと講義とかでも周囲の顔とか見てたら良いんでしょうけど…どうしても、講義の方に集中しちゃうから、人の顔をあんまり覚えなくて」

「覚えられたら、声かけるのも楽なのに」と、苦笑する。

「ええ…さっきまで、数学やってたの。
物量が多いからお店でかじりつくのも気が引けちゃって…昨日は図書館の自習室に2時間くらいいたかしら。」

…と、そこで相手が自分の名前を呼ぼうとして詰まっているのに気付く。

「…美澄 蘭(みすみ らん)。1年生よ。
あなたは?」

さらっと名乗った後、相手の名前も尋ねる。

ヒカサ=カノ > (帰ったら課題・・・っとあとは、アレとコレと―――)
[とりわけ暇つぶしをするためのいつもの荷物はバイト先。貴重品と傘だけは携帯していた]

[荷物、用も特になく。独り晴天に流れる雲をぼんやりと眺める。]
(―――あっついなぁ、そろそろ長い雨の日かな。やだなー・・・)
[考えは空に浮かび、消えていく。その繰り返しである]

遠峯生有子 > 「あ、遠峯生有子です。
 よろしくおねがいします。」
 そこだけ、手をそろえてぺこりとお辞儀を。

 しかしすぐに砕けて、
「わー。同級生だ。うれしい。よろしく。」

「ええ、図書館に自習室ってあるんだ。私まだ行ったことなかったぁ。
 広い?

 この間は、簡単なのはここでやって、
 難しい問題は寮の自室でやったんだ。
 今度はそこへいこうかなー。」
 にこにこと、のんびりした口調の割りによく喋る。

 そしてその間に注文していたセットが届いた。

美澄 蘭 > 「生有子さんね…あ、あなたも1年生?
歳が近そうには見えたけど………こちらこそ、よろしく。」

目が輝き、口の端が上がる。こちらも嬉しそうだ。

「ええ…かなり広いわね。この学園だとまとまったテスト期間もそんなにないし、そうそう満杯にはならないんじゃないかしら。
図書館には勉強の役に立つ資料も結構あるし、集中したい時は良いと思うわ。」

利用した感想を述べる。
…と、その頃合いに生有子の注文していたものが来たようだ。

「…ここのお菓子、美味しいわよね」

通っちゃおうかな、と、楽しそうに微笑む。

ヒカサ=カノ > [通っていれば、また会えるかもしれない。]
[そう考えて見送った。]

[ハタとない考え事は空に消えて、]
[時計を見遣るといい時間。]

[荷物をまとめ、ごちそうさま。]
[独り少女は街の昼下がりに紛れていった]

ご案内:「カフェテラス「橘」」からヒカサ=カノさんが去りました。
美澄 蘭 > (…あ、行っちゃった…)

ビニール傘の少女が出て行けば、少し意識を向ける。
晴れの日のビニール傘は、今度会う機会があったら聞いてみよう。

遠峯生有子 > 「うん、一年生で15歳だよ。」
 セットを持ってきた店員にありがとうございますとお礼をいいながら、
 そして、
「美味しいよね。
 いただきまーす。」
 一言断って、オレンジのチーズケーキを一口。
「んー。」
 幸せそうに微笑む。

 丁度、席を立って出て行く少女になんとなく視線をむけ、
 また目の前の少女にそれを戻す。
 通っちゃおうかなとの微笑みに
「私も通っちゃおうかな。
 混んでなければ宿題も出来るし。」

美澄 蘭 > 「あ、同い年?」

更に嬉しそうに目を輝かせる。
そして、ケーキを頬張って幸せそうな表情をしているのを見て、こちらも楽しそうに微笑むと、フィナンシェを頬張った。

「…今度、ここか図書館の自習室で会ったら、一緒に勉強しない?」

1人でやるより心強いし、と。

遠峯生有子 > 「うん、一緒に勉強しよう。
 混んでたら、知らない人と相席で宿題はじめるのってちょっと気を使うし。」

 一旦言葉を切って紅茶を一口
「それに、図書館のこともうちょっと教えてね。」

美澄 蘭 > 「一緒に、頑張りましょうね」

そう言って、柔らかい笑みを浮かべると…紅茶を飲み干した。

「図書館は…実際に見た方が早いと思うわ。自習室もだけど、蔵書も凄いのよ。

…じゃあ、私はこれから委員会棟の方に行くから。」

「図書館で会った先生に、保健委員会に誘われたの」と言って、立ち上がると、

「またね」

と言って、支払いを済ませて店を後にした。

カフェテラスに人が少なかった理由…それは、少女達にとっては些細な事だった。
少なくとも、今のところは…。

ご案内:「カフェテラス「橘」」から美澄 蘭さんが去りました。
遠峯生有子 > 「またね。」
 手を振り見送りながら、

「委員会かぁ。何かそういうのにも入ったほうがいいのかな?
 部活とかも色々あるみたいだし。」
 少し考え込みながら、ケーキを口に運ぶ。

遠峯生有子 > 「あ、そうだ。」
 チーズケーキを食べ終わるころに、
 急に思い出したように、テーブルの下から鞄を引っ張り上げ、
 空いた席に乗せるとシンプルな手帳と布のペンケースを取り出す。

 そして抹茶とベリーの市松に焼かれたクッキーをひとつ口にいれてから、
 開いてなにやら書き込みだした。

遠峯生有子 > 「…神社。」
 時折ペンの色を変えながら、もれ聞こえる独り言からすれば、
 この島の地理か何かをメモしていると思われた。

遠峯生有子 > そして、それらのメモの回りに木だの鳥だのを描き加えていく。
小さく鼻歌を歌いながら。

歌われるのは最近の流行歌というわけではなく、
聞く人が聞けばわかる子供向けピアノの教則本に収められているようなもの。
それにどこかで聞いた子守唄のような、しかしあまりどこでも聞いたことのないやさしい曲と、
あきらかに出鱈目なメロディーを適当に行き来するチャンポンソングだ。

遠峯生有子 > その鼻歌は、取り立てて上手いわけではなく、
かといって下手ということもなく、
時折音を外すのがわかるが、それなりに音感はあると感じ取ることは出来る。
ただし声は少女らしい、高く細く甘いもので……。

たまに、「あれ?なんだっけ?」などと言いながら途切れたりする。

遠峯生有子 > ♪ふんふふんふふん
歌いながら、ペンケースをまさぐり真新しい水色のペンを引っ張り出す。
左手でもう一度手帳の開いたページを押さえなおし、
またなにか書き込もうとしたところで、
「あ、やだっ」

ふと我に返ったように鼻歌が止んだ。
テーブルといすがキシと小さい音を立てる。
座っていた椅子を座りなおす程度の小さい音だ。

遠峯生有子 > 「またやっちゃったー。」
 もうやだーとテーブルに突っ伏す。

 しかし立ち直りやすい正確なのか、もうっとか言いながら
 すぐに起き上がり、
「はやく勝手に浮かないようにならなきゃ。」
 決意の表情をその顔に浮かべ、
 テーブルに広げた手帳その他を片付けるのであった。

遠峯生有子 > 「うぅ。がんばろー。
 勉強もだけど実習もがんばろう。
 何かいいのないか今から探そう。」
 残りのクッキーを口に入れ、紅茶を飲み終えると、
 ごちそうさまーと席を立ち、会計を済ませると店をあとにした。

ご案内:「カフェテラス「橘」」から遠峯生有子さんが去りました。
ご案内:「カフェテラス「橘」」にレイチェルさんが現れました。
レイチェル > 「さて、どうすっかな……」
カウンター席に座り、そんなことを呟く。
シャワーを浴びた後、銃器の手入れと
準備をしていたらこんな時間になってしまった。

長居する気はない。適当に飲み物だけ頼んで、そのまま店員を待つ。

「しかし……昨日あんなことがあったのに、しっかり営業再開してるあたり、
 頼もしいことだぜ。この店も」

ご案内:「カフェテラス「橘」」に麻美子さんが現れました。
ご案内:「カフェテラス「橘」」に霜月 零さんが現れました。
レイチェル > 「あんな通達があったんだ。事が起きるなら今日……だが」
店員から渡されたミルクティーに口をつける。
銃器の手入れで長いこと気を張り巡らせていたのだ。
ようやく、少しばかり一息つけたというところか。

「五代先輩を探すか、適当に広報部捕まえるか……何とかして、
 動く為の情報を集めねーとな」
そんなことを呟きながら、小さく息を吐く。

麻美子 > 「ちわッス、レイチェルサン。誰かをお探しッスかね?」
しれっと向かいの席に座りながら片手を上げる。

「……ここじゃカイザーパフェは奢れないッスけど、
 ここでいいッスかね?」
麻美子も飲み物下さいッスと店員を呼びかけつつ
けらけらと笑いながら話しかけた。

霜月 零 > ぼけーっとしながら店に入る。なんだかんだ常連になりつつあることに苦笑を漏らしながら。

「…お、レイチェル、だったか。お疲れさんだな」

見知った顔を見かけ、声をかけた。

霜月 零 > 「ああ、アンタも来たのか…ちょうどいい、俺も話聞かせてもらっていいか?」

気だるげな表情のまま、麻美子にも声をかける

麻美子 > 「ん、おにーさんも昨日ぶりッス」
ケラケラと笑ってそちらにも敬礼のようなポーズを取りつつ

レイチェル > 「別に構わねーよ。今あんまりがっつり甘いもの食う気分でもねぇし」
そう言って、麻美子の方を見やる。
「ま、その通りだ――率直に聞く。西園寺偲が何処に居るのか知りたい」


もう一人の客が来ればそちらにも軽く手を振り。
「それで合ってるぜ、レイチェル・ラムレイだ。風紀委員のな」
そう言って、またミルクティーに少し口をつける。

霜月 零 > 「軽いねぇ、昨日ぶっ倒れてたとは思えねぇぜ」

はは、と軽く笑い、麻美子に軽く手を上げる。

「昨日振りだな、レイチェル。一日で何かあるとは思わんが、何か進展はあったか?」

麻美子 > 「ま、あんな通達が出た後ッスからね。」
焦るのも無理はないッス、と手をふり

「もはや、追い詰められた鼠ッス。
 開き直って何か最後にしでかすなら今日ッスね」

そう言うと、薬の構造の解析データを見せる
詳細に解析されており、このデータの作者が薬剤に精通した人間である事は分かるだろう。

「この解析をした人間が、研究区に捕まってるッス。
 『完成された薬』で何かしでかすって言うなら、
 多分研究区ッスよ。」

手短に答える、レイチェルの言うとおり、あまり時間もなさそうだ。

麻美子 > 「まーまー、いいニュースがあったッスからね。
 広報部は噂がご飯ッス、
 美味しい噂があれば元気になるッスよー。」

そう言うとにししと笑う

霜月 零 > 「……おい、研究区につかまってる、だと?そりゃかなりヤバいネタなんじゃねぇか?」

少し目に真剣さを滲ませて言う。軽く笑っていられるネタじゃないはずだ。

レイチェル > 「進展……進展ね、あったぜ。すげーでけぇのが、な」
そう言って、零の方をちらりと見やった後。

「研究区か……感謝するぜ。同席したばかりで悪ぃが、ちょっと行ってくるぜ」
麻美子から聞くや否や。
身体が勝手に走りだしていた。

カウンター席にはいつの間にか、ミルクティーの代金だけ
きっちり置かれていたのだった。

麻美子 > 「レイチェルサンも、折角強行捜査の準備を進めてたのに残念ッスねー。
 風紀の強行捜査よりも先に、公安のほうが尻尾を切ったわけッスから。」

けらけらと笑いつつ。ミルクティーを一口。

「公安の……いや、西園寺サンの目的は、完成された暴走剤で能力を強化して、
 ラストステージ能力者を生み出し、その絶対的な力を手に入れる事ッス。」

もし、それらしいのにぶち当たったら気をつけるッスよ。
そう付け足しつつ、彼女に手を振った。

霜月 零 > 「おい、待て!」

追いかける。何が何でも即断即決過ぎる。策は、戦力は、侵入経路などのクリアプランはあるのか?

心配も手伝い、一気に走っていく。

レイチェル > 「別に、残念がってなんかねぇぜ。ラストステージ、ね……面白ぇ。準備してきた甲斐があるってもんだ」
そう麻美子に対して口にし。


「策? 戦力? 侵入経路? そんなものは――」
走りながら零の方を振り向き。

「――行ってから考える!」
それだけ口にして、全力疾走。
研究区へ向かって行った――

ご案内:「カフェテラス「橘」」からレイチェルさんが去りました。
霜月 零 > 「ああもう、馬鹿野郎…!それは、死ぬ奴のセリフだっての!」

追いかける。一気に追いかける。そのまま研究区へと走って行った。

ご案内:「カフェテラス「橘」」から霜月 零さんが去りました。
麻美子 > 慌てて出て行く2人を笑顔で見送りつつ、
ミルクティーを一口飲んだ。

『とはいえ、その能力者を作るには氷架サンの力が必要なはずなんスけど……。』

ぼんやりと考える、どうせ、自分が行った所で戦力にはならない。
荒事は荒事が得意な人間に任せる。
そして、表向きには風紀と公安、そして民間協力者が事件を解決した、
という事にする。麻美子の役目はむしろその後の処理だ。

『氷架サン、まさか捕まってたりしないッスよね?』

若干不安になるが、氷架もそこまでバカじゃないだろう。

ご案内:「カフェテラス「橘」」に和泉 兼次さんが現れました。
和泉 兼次 > バタバタと出て行く2名と入れ違いに入ってきた。
…出て行った後を入り口から不思議そうに見ている。

「…今日は妙に騒がしいな。」

しばしの間の後、ぽつりと呟くとようやくテーブルの間に入ってきた。

麻美子 > 「ま、知らないほうがいい事もあるッスよ。」

そう、席についた彼に声をかけると、
ミルクティーを飲み終えて立ち上がり、
のんびりとした雰囲気でカフェテラスを出て行った。

ご案内:「カフェテラス「橘」」から麻美子さんが去りました。
和泉 兼次 > 「…そうか。まぁ、そうだね。」

よく知っている事だ。
入れ違いになるように、テーブル席の一つを選ぶ。

「そろそろ暗くなるし、君も気をつけて。」
そう言って見送る。

和泉 兼次 > 夕食にパスタを注文する。
さて、とスマートフォンを取り出す。

何かあったのか、と一応学園関係のHPを開く。
…もし告知とかあったら、見落とすのは色々と困る。
ぼんやりと画面を見ながら、ページをめくる。

ご案内:「カフェテラス「橘」」に岡部 吹雪さんが現れました。
岡部 吹雪 > 「っと。ケンちゃんじゃーん。何、調べもの? エロサイト?」
Lサイズのドリンクとバーガーセットをトレイに乗せ、見知った顔の教師が覗き込む。

和泉 兼次 > 「……岡部先生じゃないですか。」
こんばんは、奇遇ですね。
と穏やかに笑みを浮かべた。

「俺がそういうの調べる生徒に見えますか。」
真面目な成績優秀者の貫禄。
店員がペペロンチーノのパスタを持ってきた。

岡部 吹雪 > 「へへ。わーってる。わーってるって!」
「相席いい?」と聞くや否や正面に陣取った。
休日は教師と言えどもプライベートな時間ではあるが、岡部はあまり雰囲気の変わらないタイプである。
いつものように気さくに話しかけてくる。
「メールチェックとかでしょ? わっかるよお。」
「俺もこの間知り合った女からさ、メールまだかなまだかなーって頻繁に見ちゃうもん。」
「いやあ、これがまたすっげえやらしい尻……おっと、将来ある若者の前でする話ではなかったかね。」
コホンと咳払い。横を若いウェイトレスが通過する。
「学業の方はどうかな、和泉クン。」
わざとらしくかしこまった声。

和泉 兼次 > 「聞かないでも座っているじゃないですか。」
若干苦笑しながら、どうぞ、と薦める。

「いえ。今日は妙に騒がしいので、告知などが出ていないかと思って。」
見落としてバカは見たくないですからね、と笑っている。
「…まぁ、若者というか。生徒の前でする話ではないですね。」

学業は順調ですよ。と続ける。
それから、パスタをフォークで食べ始めた。慣れた手つき。

岡部 吹雪 > 「へえ。そりゃよかった。まあ有望視つっても? 本人次第なトコはあるよなー。」
「俺だってこう見えて昔は神童って呼ばれててさ。」
「でもめんどくさくなって『うるせーカス』つって、学校サボってバイクで一週間ぐらい旅とかしたんだなあ。」
「サイッコーに楽しかった! マジで!」
ほんのりと湯気を上げる揚げたてのポテトを、慣れた手つきで摘みつつ。
歯ざわりの良さは音にて表れた。

「どう? ケンちゃんは最近趣味楽しんでるワケ?」

和泉 兼次 > 「それは楽しそうですね。」
パスタを食べながら、小さく笑う。
「…ここなら多少サボっても単位はとれそうですし。
そういうのもいいかもしれませんね。」
旅をするには隔絶されているけれど、旅行くらいはしてみたい。
許されるのなら。

「…ぼちぼちといったところですかねー。
読書やロードワークなんかは捗っていますよ。」

岡部 吹雪 > 「はー、優等生だねえ!」
「俺は最近忙しくてなかなか新しい本探す時間なくってさあ……。」
「どう? 何かオススメある?」
ほれと言わんばかりにフライドポテトの容器を差し出しながら。

和泉 兼次 > 「映画になるっていうファンタジー小説を読みましたよ。
なかなか面白かったですので、是非。」
話題作らしいので一応薦める。
「今読んでいるのはは20世紀に書かれたSFものですね。」
ちょうど常世学園みたいな感じですよ、と。

いただきます。と一つつまむ。
小気味良い音を立てて咀嚼された。

岡部 吹雪 > 「あー。何だっけそれ、何かすっげー聞いたことあるんだってそれ……!」
和泉の補足について「そうそうそれそれ!」と言葉を収め。

「SFモノはあんまり読んだことないんだけどさ、どのあたりが魅力を感じるワケ?」
「俺は伝記モノみたいなこう、なんっつーかさあ。わくわく感?みたいな。」
「ああいうのが好きなんだよね。」
「ウリとしては非現実感や、綿密な設定による"それっぽさ"みたいなやつになるのかな?」

和泉 兼次 > 「史実ものとかですか?」
話しながらもパスタは食べている。

「ファンタジーやSFでもワクワク感はありますよ。
非現実感や設定なんかは大事だとは思いますけれど。

空想できるかどうか、じゃないですかね。ずばり。」
多かれ少なかれ、読書をする際には想像をしているはずだが。

岡部 吹雪 > 「人物浪漫みたいなね。『人に歴史あり』って言うっしょ?」
「俺はね、それが好きなんだよ。結果には全て過程があって、それらは以前の結果の連続で。」
「『歴史はつまり点ではなく線だ』って、常々俺が言ってるのもそういうことで。」
「この歴史の"理由"ってのがね、サイッコーに楽しいんだ。」
「これもある種空想なのかもしれねえなあ。」

ポテトもまばらになったあたりで、ようやくハンバーガーに齧り付く。
大口に頬張ったそれには肉のうま味と野菜の歯ざわりが見事にマッチしており
岡部の満足そうな表情からは、見るからに美味であるのだという説得力があった。

「ああでも、俺ガキの頃めちゃんこロボットモノ大好きだったわ。」
「あれもSFっしょ。一応。」

和泉 兼次 > 「あぁ、まぁ、わかります。」
歴史を担当しているのはそういう事か、と考える。
「紐解く快感、という感じですかね。」
かちゃ、と皿にフォークを置く。

美味そうにハンバーガーをほおばる様子を眺めながら、
食後のコーヒーを注文した。
「そうですね。間違いないかと。
…ヒロイックなのも、SFでは珍しくないですね。」
俺も男の子ですし、と。

岡部 吹雪 > 「でっしょー! そうなんだよ、わかンだろ?」
「昔……えーといつだっけな。そうそう、確か中学生のころだよ。」
「はじめて付き合ってた女に『子供っぽくてダッサイ』とか言われて勝手に玩具とか捨てられてよお。」
「ガキの頃から飾ってた思い出の品だぜ?」
「あの時は俺史三指に入るほど悲しかったな……いやマジ泣いたし。」
「『くたばれクソ女』つって部屋から叩き出したら、向こうの親御さんブチギレ。」
「もうそっから取っ組み合いよ。」
「いっやあ……何で女って、ああも男心がわかんないんだろうな。」
ずずーっとコーラを飲み干す。

ご案内:「カフェテラス「橘」」に橿原眞人さんが現れました。
ご案内:「カフェテラス「橘」」に桜井 雄二さんが現れました。
和泉 兼次 > 「…あー、それは、まぁ。」
ご愁傷様です。と笑う。

「何でしょうね。多分、大人になった人は趣味は趣味って割り切ってると思うんですけど。」
うーん、と首をかしげていると、コーヒーが届いた。
「…俺らくらいの歳ってやっぱ子供っぽいとか嫌じゃないですか。」
と笑った。
まぁ、それがいつの話かはわかりかねるけれど。

岡部 吹雪 > 「ちょっと背伸びして、いいトコの服買うためにバイトすっげーしたりとかさ。」
「あとバイクが欲しいだとか、そういうのはあったなー。」
「反抗期って言う言い方自体がちょっと気に喰わないんだけど、まあ言いえて妙なんだよな。」
「俺からは実に素直で優秀に見えるけど、ケンちゃんもやっぱ苦労してるのね。色々と。」

「学校側の評価もかなり高いしさあ。所有物じゃないし鼻が高いってわけじゃないけど。」
「まあ、生徒が素晴らしくて悪い気分になる教師はいねえよな。」
「けどさあ、それってやっぱり重苦しくない?」

和泉 兼次 > 「…そうですね。まぁ、色々。思う事はありますよ。」
やれやれ、と静かな様子でため息を吐いた。
「反抗したくても、ただすればいい、っていうとちょっと違うって俺は思ってますから。」

「期待、ですか?……別に重苦しくはないですよ。」
ただ単位をとるだけですし、と気楽な調子。
「それであれしろこれしろっていうなら別ですけど。」
と、コーヒーカップを傾ける。
興味がなくなれば、明日にでも勉学を放置してしまいそうな。
けれど、真面目だからしないような。そんな雰囲気。

岡部 吹雪 > 「そう? そりゃー意外だなあ。」
「先輩方にも、結構息苦しくなってドロップアウトした奴らっているんだぜ。」
「思春期特有の悩みっつーのも相まってというか。答えのない問題ではあるからさあ。」
苦笑いを浮かべ立ち上がる。身を案じているのがよくわかる、そんな雰囲気で。

「ま、特に問題がないならいいさ。最近物騒だし、早めに帰ったほうがいいぜ?」
そう言い残し、岡部は先に店を出た。二人分の料金を支払って。

ご案内:「カフェテラス「橘」」から岡部 吹雪さんが去りました。
和泉 兼次 > 「えぇ、ありがとうございます。」
賑やかな先生だったな、と落ち着いた様子でコーヒーを啜る。

重圧、か。とぽつりと呟き、それをコーヒーで流し込んだ。
重圧なら、学校以外の場所で感じている。

さて、と伝票をとろうとしてない事に気づく。
「……やられたな。」
気を取り直して、バッグを肩から提げた。
そのまま店の外へ出て行く。

ご案内:「カフェテラス「橘」」から和泉 兼次さんが去りました。
ご案内:「カフェテラス「橘」」に桜井 雄二さんが現れました。
桜井 雄二 > (テーブルに座り、グァバジュースを注文する)
(そして教科書とノートを広げ、宿題をやり始めた)
(グァバジュースが運ばれてくると無表情に小さく店員に頭を下げた)

桜井 雄二 > (桜井雄二は人の目があると宿題が進むタイプであった)
(だから宿題は図書館かカフェ、もしくはファミレスでやることにしていた)
(少々騒がしくても集中は乱れない、それに休憩したくなれば注文ひとつで冷たいドリンクが飲める)
(彼にとってカフェは理想的な勉強環境であった)

桜井 雄二 > (桜井雄二は冷たいスイーツか熱い料理が好きである)
(ここのグァバジュースは抜群に美味しい)
(清涼感のある味わいとスッキリした甘さ)
(氷が少なく、そう簡単に薄くならないバランスのよさ)
(どれも勉強の集中力を助けてくれるように感じた)

桜井 雄二 > (異能学の宿題は比較的簡単なほうだ)
(授業で習った部分はどれも単語が派手で覚えやすい、と桜井は考えている)
(もちろん三年生の頃に受ける授業はもっと難しいのだろうが)

(宿題がひと段落した桜井は大きく伸びをした)

ご案内:「カフェテラス「橘」」にクラスカさんが現れました。
クラスカ > つ、疲れた。すいませんカフェラッテ一つ。

(入って来るなり毎度の注文、カフェラッテを店員に頼むと、お気に入りの二階席には上がらず、一階で腰を落ちつけられる場所を探すことにした)
(クラスカは疲れていた。階段を上がることも拒むほどに)
(学園内の備品管理と施設整備、異邦人の救護、及び野良―と言うには語弊があるが、未だ学園に学籍登録のない異邦人の捜索)
(その全てが生活委員会に圧し掛かって来るのだ)

(座っている桜井には気付かず、隣の席を通りすぎる)

桜井 雄二 > (隣の席を通り過ぎようとした少年を呼び止める)
クラスカか。今、帰りか?(生活委員会の先輩として声をかける)
その表情、疲れているようだな。(桜井は隣の椅子を引いて)

クラスカ > 桜井……先輩?
(生活委員会は学外では単独行動が多いがゆえに、顔を合わせる機会に恵まれない)
(しかも別の組織にも属している桜井は、殆ど委員会棟におらず、声を交わすこともなかった)
(覚えてもらっていたことに多少の戸惑いを感じながら、会釈して椅子に腰掛ける)

どうも。先輩は宿題ですか。
(閉じられたノートと教科書に目をやって)

桜井 雄二 > ……よく覚えていたな、クラスカ。あまり会話もなかったのに。
(無表情に頷いて)異能学の宿題がひと段落ついたところだ。
そう難しいところはなかったが。やはり集中するならカフェに限る。

クラスカ、生活委員会の仕事は大変か?
島中を歩き回ることになるからな。学業との両立は大変だろう。
(桜井の隣の席は何とも心地よい気温に保たれている)

クラスカ > 人の顔と名前を覚えるのは得意なんですよ。
(そう言って笑みを浮かべると、カフェラッテが運ばれてくる)
(ウェイトレスに礼を言い、冷たいグラスを受け取り、軽く口に含んだ)

ええ、大変じゃないと言えば嘘になります。仕事の内容もそうですけど、何しろ業務量に対して、人手が足りませんし。
(下げていた鞄から「生活委員会業務日報」のラベルが貼られた大学ノートを取り出し、今日の日付が記されたページを捲る)
(そこには学園付近で巡回を行った区画と、大量の「異常なし」の文字が羅列されていた)

先輩の方こそ、大変じゃないですか?生活委員会と怪異対策室の仕事の両立は。

(明らかに周囲より低い気温は、噂に聞く桜井の異能であるらしかった)
(疲労した体には、それがただ心地よい)

桜井 雄二 > そうか、良い特技を持っているな。
(グァバジュースを口にする)
俺は真面目に仕事をしている生活委員会だからクラスカの顔を覚えただけだ。

そうだな……花形とも言える風紀委員会に対して、生活委員会はあまりにも人手が足りてない。
(日報を横目で見て)それでも真面目に仕事をする人がいるからこの島は成り立つんだ。
俺たちはよくやっているよ。街の『便利』を守っているんだ。

ああ、正直大変だな。だがどちらかを手を抜いたら両方に所属している意味がない。
(シワシワに折りたたまれた紙ストローの包み紙)
それに生活委員会の仕事は見回りもするから都合がいいとも言える。
(それにコップの淵に付着した水滴を一滴垂らすと、包み紙が生き物のように伸びた)

クラスカ > (今度はあはは、と乾いた笑いを返す)
(そういえば川添に名前を覚えてもらうまでは随分時間がかかったと、過去を思い出しながら)

でも、誰かがやらないといけない仕事ですからね。
異邦人たちも、突然これまでの生活を捨てて、無理やりに馴染む必要がある。
そういう人たちのためにも、僕らが頑張らないと、って思います。

(実年齢よりも幾分か円熟した、見方によれば枯れているとも取れる横顔)
(自分と大して年齢が変わらないはずの桜井が、一回り年の違う上司に見えた)

(会話を続けている中、二人が座っている席の背後でにわかに怒声が上がる)



「このタコがァ。どうしてくれるんじゃ、ぁァン!?」

桜井 雄二 > 良い心がけだ。顔の見えない誰かのためにやるんじゃなくて……
この仕事で助かる人を具体的に考えているのはとてもいい。
モチベーションの維持の一助になる。俺はそれに気付くまで大変だった。
……こんな電灯を延々と取り替えることが、何の役に立つんだろう、って。

(後方であがった怒声、クラスカの顔を見る)
揉め事かも知れない、少し様子を見てくる。
(立ち上がって怒声の上がった方向を見る)

クラスカ > 公安や風紀は、結果が目に見える形ですぐに出ますけどね。
僕らの仕事が実を結ぶまでは、気が長そうですよ。
それこそ、小さな苗木が巨木になって、果実をつけるまで、ですかね。
(眼を細め相槌を打つと、異変に立ち上がった桜井を見送って)


(見れば禿頭の大男が、ウェイトレスに因縁をつけている)
(大男の履いている金ラメの入ったワイドパンツの膝下からは水が滴っており、テーブルの上には空になったお冷や用グラスが転がっていた)
(運ぶ際に転んでしまい、水を零してしまったのだろう)
(何度も頭を下げ謝り倒すウェイトレスに対し、大男は怒り冷めやらぬ様子で)
(「脱げ」「弁償しろ」「いいから脱げ」などとIQの低い恫喝を続けている)

桜井 雄二 > 失礼。(ウェイトレスと大男の間に割って入って)
随分と趣味の良い服を着ているな。少し見せてくれないか。
(右手の掌を上に向けて、大男に向かってフッと息を吹く)

(瞬間、不可視の炎が精緻なコントロールで吹き上がる)
(それは正確に大男のワイドパンツの濡れた部分、その水分を蒸発させた)
(水蒸気が僅かに上がる)

……それでどこが濡れているんだ?
そう怒ることもないさ、ウェイトレスの人も気にすることはない。
(適当にまた右手の平から息を吹くと、濡れた床もすっかり乾いてしまった)
な?(無表情に禿頭の大男に言い含める)

クラスカ > (あれが、桜井の異能。熱と冷気、二つの超自然現象を操る―)

(事を荒立てず、見事な手並みで事態を収束させそうな桜井とは裏腹に)
(逆に恥をかいたと感じたらしい男は、顔から頭までを赤く茹で上がらせる)


「こ、こんなことでワシの怒りはお」


(男の口を手で塞ぎ、クラスカが語る)
いいえ、あなたが一方的に被害者であるとも言い辛いと思いますよ。
あなたのパンツ、裾が広いですよね。そういうモノを穿いて外出したら、裾を踏まれることまで想定して慎重になるべきだ。
それに、配膳のプロであるウェイトレスの人が、何もないところで簡単に躓きますかね。
もしかして、『誰かの足に引っ掛かったのかも』。
そうですね……『本来収まるべき座席をはみ出して、足を伸ばしていた』とか。
どうしましょうか、監視カメラもあることだし、確認します?

(べらべらと喋った後で天井を指せば、確かに隅に小さなビデオカメラが設置されていた)

(完全な敗北を悟った禿頭の男は、桜井とクラスカを突き飛ばし、小さくなった背中を丸めて『橘』から逃走する)

桜井 雄二 > (大男が怒ると少し悲しそうな顔をした)
(丸く治めたかったが、こうなったのも自分の力不足だ)


(その時)

クラスカ………?(見事な言いくるめにより禿頭の男が逃げ去っていく)
………クラスカ、意外な特技を持っているな。
(ウェイトレスに軽く手を上げて席に戻り)
口が上手いと言うと変だが、なかなか頭の回転が速い。
ああ、いや、バカにするニュアンスはないんだぞ?
ただ、割と口下手なほうで………すまない。
(普段は普通なのにテンパると会話が混乱していく)
(席に戻り)とにかく、よかったよ。大きな騒ぎにならずに済んだ。