2015/06/08 のログ
■クラスカ > お疲れさまでした。先輩の異能、ヒーローみたいで格好よかったですよ。
(桜井の座りやすいよう、椅子を引いてやり、自分も座席に座る)
特技、なんですかね。生活委員会の仕事の時も、相手のことをよく「見」るようにはしてます。
そうすることで、相手の人をより深く理解できると考えてまして。
(野暮ったい前髪を掻きあげると、銀色の奥に隠されていた両の青い瞳が姿を現す)
僕は異能がないので、あんな正論を言うか魔術くらいしか、相手に対抗する手段がないんです。
(相手が引き下がらなかったらどんな手段を取るつもりだったのか、それは言わず)
(困ったような顔でやれやれ、と肩を竦めてみせた)
でも今の僕の話、半分くらいは勘だったんですよ。ちょっとした冒険でした。
実際に監視カメラ見られてたら、少し分が悪かったかもしれませんね。
その口下手なのも、先輩のいいトコロだと思いますよ。
桜井 雄二 > ヒーロー、か………その言葉に漠然とした憧れはあるものの、まだヒーローには程遠いな。
(椅子に座ってクラスカの方向を向く)
……そうか。相手のことをよく見る……
俺には魔術が使えないし、ああいう手段でしか解決ができないからな。
(顔を左右に振り)いや、謙遜はやめておこう。俺たち二人の勝利だ。
なんだ、勘だったのか。
ブラフが張れる胆力もあるとは、頼れる後輩じゃないか。
なに、あの手の男は頭に血が上ると周りが見えなくなる。ハメて平和裏に済むならそれでいいのさ。
……そうか?(少し照れて笑った)ありがとう、クラスカ。
(それからしばらくして教科書やノートを鞄に仕舞い)
それじゃまたな、クラスカ。お互い委員会を頑張ろう。
(そう言って自分の分の伝票を持って去っていった)
ご案内:「カフェテラス「橘」」から桜井 雄二さんが去りました。
■クラスカ > (ヒーロー。弱者を守り悪と戦う者の総称。自分には最も程遠い単語だ)
(それを目指す者もいる、高みに届かず、夢破れる者も)
(挫折から悪の道に走ってしまう者も)
(―スタートラインに立つ資格さえ持てない者も)
今日はお世話になりました。また、委員会で会いましょう。
先輩も無理はしないで。
(微笑を浮かべ、桜井を見送って)
(残ったカフェラッテを一口で飲み干すと、カフェテラスから次の巡回先へ向かったのだった)
ご案内:「カフェテラス「橘」」からクラスカさんが去りました。
ご案内:「カフェテラス「橘」」に狛江 蒼狗さんが現れました。
■狛江 蒼狗 > カップの把手を骨張った指先が摘み、摘まれたカップは持ち上がり、持ち上がったカップは口元に運ばれて傾けられる。
「……………………!」
淹れたてのそれは白髪の彼の想定以上に熱かったためか、眉間に皺を寄せ表情を鋭くし、長駆を揺らがせた。
蒼白の瞳に見据えられたウェイトレスは運悪くその瞳と目を合わせてしまい、身を固くして怯え気味にキッチンへ引っ込んでいく。
「……………………」
カップの把手に手を添えたまま、湯気が踊りながら空気へ溶け混ざり消えていくのを暫し眺める。
■狛江 蒼狗 > カップの把手から手を離した彼は、ソーサーに備え付けられていたポーション容器を摘み上げる。
「……………………」
手慣れた動作で先端のツマミを軽くへし折り、ぴりっと蓋を剥がしてカップの中へ。
そう、彼はミルクを注いでカップの内容物の熱を中和しようと考えたのである。
■狛江 蒼狗 > 「…………!!」
ガーデンチェアが大きく軋んだ。大柄な彼が大きく仰け反ったためである。
ポーション容器を摘んだ彼の手は微かに震えていた。
容器からは、透明で粘性のある液体が滴っている。
彼は苦党であった。
■狛江 蒼狗 > 「…………」
「……………………」
歯噛みし、獰猛な表情を一瞬浮かべた。
コーヒーが甘くなったからそうするのではない、カフェテラスとはいえ油断と不注意が過ぎる自分を戒めるためだ。
そこに先程のウェイトレスがちらり。
間の悪い彼女は自らへの憤懣を秘めた彼の顔を見た。
運悪く彼女が両手で保持しているものは、パフェの載ったトレイである。
■狛江 蒼狗 > 彼の蒼い瞳に映る光景は大きく傾いた。
テーブルの脚に、ウェイトレスの爪先が絡み、哀れな彼女は前のめりである。
さながら枝から枝へ飛び移る鳥の如く、パフェのグラスは飛び立って。
「…………!」
それを見ていた彼は、ガーデンチェアを倒して瞬発的に立ち上がる。
■狛江 蒼狗 > 彼我の距離は、5メートル。
パフェとウッドデッキまでの距離は、目測1.2メートル。
空を舞う、ダブルでベリーソースのかかったワッフルコーンのパフェに、テラスの人間の目が奪われた。
それに一際鋭い瞳で注視する人間が居る。
「…………──────!!」
■狛江 蒼狗 > いつの間にやら。
大柄の白髪男が、パフェの落下点に居て、グラスを両手で掴み留めている。
奇跡がひとつ起こっていた。
アイスの一つもウッドデッキに落ちてはおらず、パフェのデコレーションは一切崩れていなかった。
奇跡ではない事がひとつ起こっていた。
それは男の行使した【異能】である。
────注視したものへ、自らを引きつける。引力のような、重力のような。
「………………あの」
唐突に目の前に現れた件の“恐ろしい形相の男”に、ウェイトレスは怯み、小さく息を吸い込む。
■狛江 蒼狗 > 「…………………………すまない」
“捕獲”されたパフェは、元通りウェイトレスの持つトレイに戻された。
彼女は目を丸くしたあと、所在なさげに小さな礼を彼に投げかけて、溶けないうちにパフェを運びに行った。
ぎこちない笑みが、彼女を見送った。
「………………ふぅ」
やることなすこと上手くいかない、という疲れた顔をして、元通りガーデンチェアの椅子に腰掛ける。
■狛江 蒼狗 > カップの把手を骨張った指先が摘み、摘まれたカップは持ち上がり、持ち上がったカップは口元に運ばれて傾けられる。
「……………………む」
白髪の彼は表情を緩ませた。
舌先に触る適温。慣れないが、甘さと苦さの絡んだ味わい。
コーヒーはうまく冷めていた。
■狛江 蒼狗 > 静かに息をついて、上天を見上げる。巻雲が空を舞台に数多の筋を引いて駆け巡っている。
具合の良いコーヒーを飲み干すと、トレイを持って返却口に持っていき、また自分の席に戻ってきた。
「……………………?」
見慣れない紙袋がある。
■狛江 蒼狗 > いや、見慣れている。頻繁に目にする。週に三度は目にする。
学園直轄の文房具店“橘堂”のプリントが紙袋の側面で存在を主張している。
「……………………………………」
彼は、自分が買い出しの最中であることをいま思い出した。
スマートフォンをスラックスの後部ポケットから取り出し、ホームボタンを押す。
買い出しを申し付けられてから既に40分が経過している。
「……………………………………うん」
暫し固まったあと。
やはり今日は、やることなすこと上手くいかない、という先程にも浮かべた表情と同じ顔をして。
大儀そうに“橘堂”の紙袋を抱えたあと、覚悟を決めたように嘆息して。
足早にカフェテラスから委員会棟の方角へ走っていった。
ご案内:「カフェテラス「橘」」から狛江 蒼狗さんが去りました。
ご案内:「カフェテラス「橘」」に麻美子さんが現れました。
■麻美子 > 学校側に報告、校内紙の掲載をを終えると、
カフェテラスにやって来た。
昨日の一件があったからか、はたまたたまたまか、
今日のカフェテラスはすいているようだ。
「さすがに大事ッスからねー。」
いつものメール報告ではなく、
部室に行っての直接の報告、そのまま校内紙を作成し、
ネット掲載だけではなく学内の掲示板にも張り出した。
「ふいー……。疲れたッスー……。」
席につくと、ぐったりと蕩ける。
これで、今回の一件は無事終了、心配していた親友も、
これで普通の生活に戻れるだろう。
■麻美子 > 「この所やたらと縁があった胃が痛くなってくるような公安の人達とも、
これでしばらくはエンガチョッス。」
次の大きな事件が起こるまでは普通の女子高生としてのんびりできるだろう。
「あーーー……。」
燃え尽きたとでも言うようにだらだらとだらける。
実際、この所面倒な事が起こりすぎていたのだ。
しばらくは、少なくとも次に大きな事件が起こるまではのんびりしよう。
『そろそろ夏ッスからねー、水着とか買いにいくッスー……。
それからー……。夏服も新しいのが欲しいッスねー……。』
そんな風に久々の日常を楽しむべく計画を立てながら、
咥えているフォークをもごもごとする。
■麻美子 > 『実際、この所薬物関係の事件の事ばっかりだったッスからねー。』
思えばここ数日はそれの為だけに走り回っていたような気がする。
それが無くなれば日常に戻るだけなのだが、
わずかばかりの寂しさを覚えるのは職業病の一種なのだろうか。
『急に時間ができてどうしようか悩むーみたいな感じッスねー。』
ここ数日で、普通の学生同士は随分と仲を深めているような気がする。
……にも関わらず、麻美子のほうはと言うと友達らしい友達はろくに出来て居ない。
最近仲良くしてるのはゾンビ、怪しい男、あとは探偵くらいだ。
『ん?もしかして麻美子ぼっちッスか?』
ふと、嫌な予感が頭を過る。
そんなバカな事はない……はずだと信じたい。
■麻美子 > 『そうっす、綾瀬サンとか氷架サンが……。』
と、親友二人の事を思い浮かべるが、
綾瀬には玲刃がいるし、氷架には烏丸がいる。
なんだかんだで助けに来ていたあたり、
烏丸は氷架にそれなりに特別な感情を持っているように見える。
「くぅあああああああああぁぁぁぁぁ!!!!!
あのリア充どもがーーーッスーーーーー!!!!」
カフェテラスの机をバンバンと叩いた。グーで。
ご案内:「カフェテラス「橘」」に桐竹 琴乃さんが現れました。
■麻美子 > 「暫くは恋人でも探すッスかねー。
やっぱり高校生活と言えば、熱い友情、素敵な恋人ッスよ。」
ぐったりと机に倒れこむと、
再びケーキをもそもそと食べ始めた。
そもそも、花の女子高生がカフェテラスで1人という時点で自分が負け組みなのは分かっている。
分かっているのだ。
■桐竹 琴乃 > 「えー……お客様ー」
至極。
めんどくさいなーって顔でエプロン姿で。
「挙動怪しいまではいいんで店内の備品を叩くのは止めてもらえますー?」
そう言ってトン、とアイスを一つテーブルに置く。
■麻美子 > 「琴乃サン聞いてくださいッスよー!!!
友達が酷いんスよー!!!麻美子おいてけぼりにするッスー!!!!」
置かれたアイスをスプーンにすくってくわえつつ、
座ったまま琴乃に抱きついた。
■桐竹 琴乃 > 抱きつかれ、もはや顔はあー、はいはい、と言わんばかりではあるが。
ここはあれか、ホストもびっくりなリップサービスを期待されているのではないか?
という思考まで行きつくが。
とりあえずぽんぽん、と頭を軽く撫でる。
「あーはいはい、お話なら琴乃サンが聞きますよー」
そもそもホストもびっくりなリップサービスって何よ?という脳内会議には満場一致で「「「知らん」」」であるし出来んの?と問われれば「「「出来ん」」」という結論だったので普通に話を聞く事にする。
■麻美子 > 「琴乃サン優しいッスー、心の友ッスーーー。
琴乃サンに裏切られたら泣くッスーーー。」
抱きついて意味もなくすりすりとしつつ、
離れて両腕を掴んで喋り始める。
「それがッスねー、友達2人に恋人が出来たんスよ。
なのに麻美子には出来ないんスよ。悲しくないッスか……。」
だからどうしたと言われても仕方のない事をグチグチと言い。
「それでッスね!!!二人とも方向性は違えどスタイルいいんスよ!!!
片方は美少女!!片方は巨乳ッスよー?
世の中不公平ッスー!!!!」
ご案内:「カフェテラス「橘」」に雪城 氷架さんが現れました。
■雪城 氷架 > 「デマを撒き散らすなよ広報委員」
少し離れた席から不機嫌そうな声が飛んできた
■桐竹 琴乃 > 「あっはい」
生返事からスタートし。
「えーとつまり、何だかんだ色々やってたらリア充が出来て、気づけば一人寂しくご飯突いてるのが無性に寂しいってそういう」
そもそも作る努力をして……して?
だらだらと心の脂汗が流れる。
「あーうん、その、ほら麻美子ちゃん明るいし?」
何を隠そうとも私自身、恋愛というモノはした事が無い。
これはただ地雷を踏みに行っただけ!
行っただけですこれ!
「んん?」
などと相槌を打っていると聞こえてくる声。
そちらを見る。
■麻美子 > 「あ、氷架サン、体はもういいんスか?
いやー、氷架サンの裸の写真とか、
彼ブレザーの写真とか、すごいいい物を手に入れちゃったッスよー。」
にへらーと笑うと氷架に手を振る
■麻美子 > 「そうッスよ!!!
なんか皆リア充してるのに麻美子だけボッチッスよ?
フツーの女子高生なら超寂しいッスよ!!
もうあれッス、ブログにポエムとか書いちゃうレベルの寂しさッス!!!」
わーんと再び抱きつき
「明るいだけじゃ彼氏は出来ないんスよー!!
やっぱり男は顔とかスタイルなんス!!
おっぱいが大きいか顔がいい女の子がいいんスよーーー!!!」
やってられないッスー!!と大騒ぎしつつ、やがて離れ
「ここは心優しい琴乃サンに癒してもらうッスよ、
ソレしかないッス。」
うんうんと頷いてアイスをもぐもぐと食べる。
ひんやり甘くて美味しい。
■雪城 氷架 > 「…体はもともとなんともない、色々検査されただけだよ。
………って、そんな写真一体ドコで撮ったんだお前」
手をひらひらやる気なく振り返していたが途端に犯罪者を見る目つきである…
■麻美子 > 「それはもう、人前ではいえないような秘密の場所ッス。」
なんとも無かったなら良かったと内心で安堵の息をつきつつ、
ケラケラと笑ってそう返した。
■麻美子 > 「あ、琴乃サン、紹介するッスよ。
雪城氷架サンッス、麻美子の大親友ッス。」
もそもそとアイスを食べながら、氷架を指差す。
■桐竹 琴乃 > 「ははは」
私も癒されてーーーーよ!
とは言うまいよ。
……言うまいよ。
「ま、それは私のオゴリ。よく味わって食べるといい」
既に半分以上は無いが。
「で、ええと」
再度雪城氷架の方を見る。
……凄い目つきなんですけど。
っていうか聞くにあたって麻美子ちゃん完全に犯罪者なんでオールギルティーなんですけど。
などと考えている内に紹介が入り。
「ええとそのリア充だの言われてる子?」
と言う身も蓋もない一発目である。
■雪城 氷架 > 「そうか、んじゃその写真の入ったMicroSDは没収な」
アイスコーヒーに挿したストローをはむっと加えて仏頂面で見る。
……こんなだけど心配はしてくれてたんだろうな、と内心で思いつつ
「ん…?知り合いなのか?」
ちらり、と店員さんを見る
普通の目つきで…それでもやっぱり鋭い釣り目
■桐竹 琴乃 > 鋭い目つきだなあ、と思うが。
あの図書館の笑い顔に比べれば、まあ普通だ。
「よかったらこっち来たら?」
そう言いながらこいこいと手を招いてみる。
「で、ええと雪城ちゃん、ね?」
■麻美子 > 「琴乃サンだけが私の癒しッスーーー!!!
琴乃サン愛してるッスーーーーー!!!」
残り半分のアイスをもごもごと食べる。
恋の始まる味はしないけど、
友人のやさしさと思うと美味しい。
「そうッス、リア充ッス。
音界の覇者っぽいバンドマンとイチャイチャしたり、
炎の異能者っぽい不良とイチャイチャしたりしたり、
休日は画面の中の恋人とラブラブしたりしてる
アルティメットリア充ッス。」
うんうんと頷く。
「何より超美少女ッスよ、超可愛いッス。
ずるいッス。口が悪くても彼氏が出来るッス。」
■雪城 氷架 > 「ん…」
じゃあ、とアイスコーヒー片手に伝票持ってテーブルを移動する
「雪城、雪城氷架。一年生だけど……先輩かな?」
じっと琴乃の顔を見てみる。
……近くで見ると右頬に殴られた後のような痣あるのが判るかもしれない。
「お前の紹介の仕方は誤解させようとしてるのか?
私はカレシなんかいらないってずっと言ってんじゃん」
結局到着する頃にはむっすり顔で席につくのでした
■麻美子 > 「じゃあMicroSD『は』没収されてやるッスよー。」
ケラケラと笑ってMicroSDを手渡した。
「こっちは琴乃サンッス、ぶっちゃけ詳しくは何も知らないッスけど、
ここの店員さんで、おなかがちょっとぷにっとしてて
麻美子の親友ッスよ。今親友にランクアップしたッス。」
■麻美子 > 「いらないって言いつつもリア充なのは確かじゃないッスかー。」
このこのーと氷架をつっつく。
実際、氷架はいつ見ても男の子と歩いているか、
友達と一緒に居る。正直ちょっと羨ましい。
「烏丸サンかっこよかったッスよー?
後でちゃんとお礼いっといたほうがいいッス。」
じーっと氷架の顔を見る、
殴られたような跡に気がつき、顔を顰めた。
「というか、氷架サン、その顔はどうしたんスか?
変わったメイクとかじゃないッスよね?」
■桐竹 琴乃 > 「まあ一応二年かな。改めて桐竹琴乃。名字でも名前でもお好きに」
更に身も蓋も無い紹介に苦笑しつつ。
「詳しくも何も、ただの二年で、余り素行のよろしくない此処でアルバイトしてるただの学生」
語る事などほとんどない、と言わんばかりに。
見られるので見つめ返してみる。
僅かであるが瞳よりも頬に目が行く。
麻美子も気付いたようだった。
「……顔大丈夫?」
綺麗な分、目につく。
■雪城 氷架 > MicroSDを受け取りながら怪我なカオ
「……バックアップ済みならそれも消せよ?」
じとー。
「わかってるよ、会ったらお礼言う。
………顔は…」
手で頬の痣に触れて
「ブン殴られた」
とかだけ零した
■雪城 氷架 > 「ん、よろしくな桐竹センパイ
素行が悪いのは親近感沸くよ」
僅かな笑みを浮かべて返す
■桐竹 琴乃 > 深くは聞かない方がいいだろうし、そういうのは麻美子ちゃんがフォローするだろう。
そう結論付ける。
「色々大変だったみたいだしね。何か食べる?余り素行のよくないセンパイがおごってあげよう」
苦学生だろうが、出すべき時の出費は気にしない。
■雪城 氷架 > 「奢り…いいのか?」
途端に目をキラキラさせてメニューを手にとった
■麻美子 > 「あ、やめたほうがいいッス………。」
キラキラとさせてメニューを手に取る氷架を見ると
諦めたようにふぅっと息をついた。
「仕方ないッスね、麻美子も出すッスよ。琴乃サン。」
■桐竹 琴乃 > 「えっ」
両者の意外な反応。
これも地雷なんですか?
マジで?
みたいな顔をするけれど。
キラキラするその目には勝てず。
「大丈夫。琴乃サンにうん、任せなさいな」
虚勢である。
が、女には張らねばならない時がある。
■麻美子 > 「何があったかは知らないッスけど、
存分に食べて忘れるッス!!さぁ!!!」
実際、自分は職業柄というかお金には困っていない。
多少出費が嵩んでも問題ないだろう。
■雪城 氷架 > 「もう今日は何もいいことないのかと思ってたよ、持つべきものは友達と先輩だなー」
ウキウキしながらメニューを捲っていく
「とりあえずこの3ページかな」
ページ単位
■麻美子 > 「琴乃センパイ、かっこいいッスよ。
そういう人嫌いじゃないッス。」
琴乃の虚勢に苦笑しつつそう言った。
「……氷架サン、よく食べるッスから」
注文を聞けば、やっぱりかーと顔を抑えた。
ページ単位である。まさかのページ単位。
しかも「とりあえず」とまで来てる。
■桐竹 琴乃 > ページ単位ときたか。
ニヤリと笑う。
虚勢である。
「てんちょー!こっからここまですぐ!お願いします!」
メニューを持って注文を付ける。
「大丈夫です!私が出しますんで!足りますよ!」
虚勢である。(今はまだ足りるけど)
「でも店員割引お願いします!」
最後だけは虚勢ではなかった。
■麻美子 > 「琴乃サン、理不尽だと思わないッスか?
これだけ食べてもこの美少女太らないんスよ。
ファンタジー小説ッスよ。」
ニヤリと笑う彼女に追い討ちをかけるように苦笑いしつつそう言った。
店員割引でどの程度安くなるのかはしらないが、まぁ、どんまいと言っておこう。
「センパイ、ドンマイッス。」
■雪城 氷架 > 「理不尽とか言うなよな…
肉つけたいと思って食べまくって気がついたらこうなってたんだ」
痩せの大食いも此処に極まれりであった
■桐竹 琴乃 > 「琴乃サンは今猛烈にリア充に太れといいたい」
表情だけは不敵なまま。
口から出た言葉だけは殺意に埋め尽くされていた。
■麻美子 > 氷架に届く大量の品物を横目に、
自分はミルクティーを一口。
「リア充で太らなくておまけに可愛いと来てるんスよこの美少女、
麻美子が嘆きたくなるのも仕方ないと思わないッスか?
麻美子めっちゃ頑張ってるのに神様は意地悪ッスよ。」
■桐竹 琴乃 > 「雪城後輩サン?そこに肉つけてしまったら付き方次第ではもう完璧超人になってしまうのでやめよう?」
多分この子肉付いたとしても要らないトコにいかないんだろなー。
などと思いつつ。
次々品物を運ぶ。
まあ、店が盛況な事はいい事だ。(一人で大量注文ではあるが)
■雪城 氷架 > 「いただきます!」
周囲に♡が踊りそうなほどの上機嫌になって食事がはじまる
スピードは、一見普通に食べているように見えるのに、
なぜか琴乃先輩が次のメニューを運んでくる頃には、
前の料理は空っぽになっているのである
「むぐむぐ…麻美子、私よりおっぱいあるからいいじゃんもにゅもにゅ」
食べながら会話もする
■桐竹 琴乃 > 「そうね、とても可愛い。これはカレシさんほっとかないね」
などと同意しながら頷き料理を置き、空皿を片す。
何はともあれ二人とも知らない所で知らない何かを終わらせてきたんだろう。
と、勝手に思う。
掲示板なりで色々と情報が周ってきているけれど、本当に外の外の事だろうし。
そんな二人がこうやって普通にしてるのだからこれはきっとかけがえないものなんだろう。多分。
など一人考えてみたりもする。
■麻美子 > 「そういう問題じゃないッスよー!!
というか、誤差の範囲ッス!!」
氷架に胸の事を指摘されて嘆いた。
おっぱい+顔で総合得点なら完全敗北である。
「そうなんスよー、可愛いんスよー。
なんていうか愛玩動物ッス、リスとかそういう類の。」
うんうんと頷く。氷架は可愛い、自慢の友人だ。
■麻美子 > そんな自慢の友人が無事に帰ってきて、
今隣で幸せそうにご飯を食べている。
『こんな時間がこれからもずっと続けばいいんスけどね。』
そんな事を考えて、クスっと笑った。
■雪城 氷架 > 「うん、まあ可愛いのは知ってる」
あーんっと口を開けてポテトサラダをぱくり
自分が美少女なのを自覚してる辺りが可愛げのなさであろう
今日はちょっと、痣つきだけど‥
「あと、ほんとにカレシはいないからな?桐竹先輩」
誤解されてそうなので再度訂正する
気づけばページ喰いを完遂し、
ふひーっと息をついて椅子にもたれた
■桐竹 琴乃 > 「ま、どっちでも」
食べ終わった皿を片づけ、コーヒーを一つ雪城ちゃんの前に置き、軽く笑いながら言う。
会話のタネになればよかった、そんなニュアンス。
事実気になる子はいるんだろうし、気になってる子はいるんだろうな、など考えてみるが本人が否定するのだからそういう事だ。
「まあ、スレンダーも魅力の一つ、ってコトで」
など麻美子ちゃんにいったりもしてみるが。
■麻美子 > 「ほっぺたにちょっとついてるッスよ、氷架サン」
そう言ってペーパータオルで口元を拭きつつ
「そうッスよ、可愛いんスから、
顔に怪我とかするなッスよ、麻美子が心配になるッス。」
拭きおわるとうんうんと頷き。
「本人は否定してるッスけど、
もうあれは彼氏みたいなもんッスよー。」
ぶーっと膨れる、いつも一緒に居るし、
すっごい仲良さそうだし。
「琴乃サンは好きな人とか恋人とかいないんスか?」
■雪城 氷架 > 「んぅ」
大人しく麻美子に拭き拭きされる、少し子供みたいだ
「はふ、美味かったーやっぱりここの軽食は美味しいよな
ありがとうな先輩、けっこう元気出たよ」
"軽"食って量では決してなかったが。
出してもらったコーヒーを口に運びつつ
「同じ部活なんだから仲良くくらいなるさ、友達だよ、友達」
■桐竹 琴乃 > 唐突に振られ、んーだのあーだの唸り、腕を組み空を仰ぎ、顎に手を当て口に手を当て額に指を当ててみたり。
思いつく限り悩んだ仕草を取ったのちに。
「……いないなあ」
絞り出した一言がこれである。
■桐竹 琴乃 > 「元気出たならよかった」
もはや虚勢でも何でもなく、自然と口に出る言葉。
■麻美子 > 「やっぱり琴乃サンは麻美子と同じ匂いがするッス!!
仕事に生きて、そのまま気がついたら高校生活終わってるやつッス!!!」
「安心するッス!!!麻美子は友達ッスから!!!」
彼女の両手をがっしと握って、うんうんと頷いた。
■雪城 氷架 > 「…私もそっち側だと思うんだけどな」
苦笑してぽりぽり頭をかきつつ、麻美子と琴乃を眺める
仲良さそうだ
というか麻美子は誰とでも仲良くなれそうだ
そこが少しだけ羨ましい
■桐竹 琴乃 > 「ははは……そりゃどうも」
空笑い。
お世辞にも夜歩きを趣味にしているような私には縁は無いモノだと思われるが、少なくともこの天真爛漫を絵に描いたようなこの娘は。
多分裏切るんだろう。
本当に一瞬だけ、そんな鋭い視線が雪城からは見えたかも知れない。
とはいえ、本当に今そんなヒトが欲しいのか。
そう言われればさっき以上に返答に窮する事になっていただろう。
■麻美子 > 「なんスかー?テンション低いッスねー!!」
ケラケラと笑って手をぶんぶんと振り
「さてとー!!琴乃サンに元気を貰ったッスから、
麻美子はそろそろ帰るッス!!」
アイスご馳走様ッスよー!と立ち上がり
「氷架サンも、また会うッスよー!!
今度は麻美子に心配されないようにするんスよ?」
伝票を手に持ち会計をすませると、カフェから出て行った。
ご案内:「カフェテラス「橘」」から麻美子さんが去りました。
■桐竹 琴乃 > ……。
「ま。元気になったならよかった」
ばたばたと出ていく麻美子ちゃんを見てそう呟く。
根本的解決は何もできてなかったが。
「まあ、いい子だし、きっと本当君ら仲いいんだね」
と、これも率直な感想だ。
■雪城 氷架 > 「あぁ、またなー …元気をもらってるのはこっちだっての」
苦笑して、そんな麻美子を見送る
■雪城 氷架 > 「……麻美子には何度も助けてもらってるよ。
あんな友達おもいのやついない」
カフェテラスの外歩く麻美子を遠目で見て
心配かけないようにしなきゃな、と改めて考えるのだ
「先輩も、あったばっかりの私にこんなごちそうしてくれるなんてスゴいけどな」
屈託ない笑みを見せる
いや、別にこんなに奢るって言われたわけでもないんだけどそこはご愛嬌でる
■桐竹 琴乃 > 「ま、いいじゃないかなたまには」
軽く腕を組んで、ふー肩の力を抜くような溜息。
「ホントね。縁ってわかんないものだから」
これも何かの縁、と言う奴だろう。
「こういう縁もあるんじゃないかな」
美味しく食べるさまを見るのは嫌いではないし。
■雪城 氷架 > 「大事にしないとな」
苦笑して、席を立つ
「私もそろそろ行くよ、ありがとな桐竹先輩。また来るよ」
そういって ごちそうさまでした とペコリと頭を下げる
■桐竹 琴乃 > 「まー。またきなよ。不定期バイトだからいたりいなかったりだけど」
それだけいい、軽く笑いながらひらひらと手を振る。
そしてその後に。
「またのお越しをお待ちしています」
最後だけ努めて店員口調。
■雪城 氷架 > 「じゃあまたな、先輩」
ひらひらと軽く手を振って、店から出て行った───
ご案内:「カフェテラス「橘」」から雪城 氷架さんが去りました。
■桐竹 琴乃 > 「さて……」
二人が完全に居ない事を確認。
……。
ふはあと息を吐き。
「よし」
「てんちょー。店員割引と後ツケで」
…。
「え?ダメ?殺生な!払えますけど払ったら今月私どうやっていきていけ」
…。
「あ、はい。すいません。そう言いましたよね。はい」
…。
「差っ引くのとどっちがいいって……ちなみにどっちの方がオマケあります?」
…。
「あ、はい。払います。すぐ払いますんで次の給料から差っ引くのだけはナシで。ホントなしでお願いします。でもそれ暴利じゃないですかねえええええ!?」
看板の降りたカフェから悲鳴がこだました。
ご案内:「カフェテラス「橘」」から桐竹 琴乃さんが去りました。
ご案内:「カフェテラス「橘」」に遠条寺菖蒲さんが現れました。
■遠条寺菖蒲 > 色々と書類仕事を終えて一度自宅で着替えてから菖蒲はカフェテラスへとやって来た。昼のうちに地図と店名と評判は少しは調べておいたので問題ない。
今日ここに来たのは下見でもある。普段なら制服姿で気にせずにやってくるところだが、初めて行く場所でしどろもどろするのも大変だし何より目立ってしまうだろう。ならばこのように私服姿にハッチング帽というテレビドラマで学んだ完全な変装セットで行けば二度目来た時に自分だとバレはしないし、ここで間違えても次に引きずる悲しみは少ない。
とかなんとか菖蒲はよく分からない理由をこじつけてやって来た。
「……なんだかお洒落ですね」
店内に入り暫く入り口にいたが案内がないことに気がついて出入口付近のテーブル席にまずは座ることにした。
ご案内:「カフェテラス「橘」」に湖城惣一さんが現れました。
■遠条寺菖蒲 > 事前の調査の甲斐あって流石にここで頼むものは決めている。
アイスティー、それを頼む。今日は事前の調査であり、メニュー表に見えるケーキやスコーンなどという洋菓子の名前に誘惑されはしないと鉄の意志を持っているはずだ。
そんな葛藤をそこそこにメニューからは視線を外し店内を見渡す。
「(……軽食のお店、と言うのでしょうか?お茶をするためだけのお店と言うのは初めてですが明るくていいお店ですね)」
初めてなのはお店だけではなくこの店のある学生街の通りに来るのも初めてだったわけで実はここまで来るのにものすごい時間を要しているがそれは別の話である。
■湖城惣一 > おしゃれなカフェテラスに場違いな不審者が居た。
テーブルをなみなみ料理で積み上げて、それをまるで機械的に口に運んでいく。
腹を丸出しにした和装風の男。この光景にはいささかどころではなく浮いている。
周囲の婦女子はひそひそ話をしながら男をちら見していた。
「…………?」
新たな入店者に鋭い目つきを向けた。どこかで見たことがあるような、などと目を細める。
一般人が見ればヒッとか声を上げそうな剣呑な目つきであったが、男的に殺気や敵意はない。まったく。
■遠条寺菖蒲 > 色々な人がいるものなのだな、と関心する。
小型ゲーム機で遊ぶ男子達やお喋りに花を咲かす女子達、そして何やら密会をするようにして一箇所をみる者達。その視線の先には食事に集中しているような和装風な体格のいい男がいて、なるほどこういうのもありなのかと認識を改めた。
そして男が怪訝そうにこちらを見ていることに気がついたが、今の自分は問題がない程に一般性と然としているのだからここで慌てて視線を逸らすのはかえっておかしいのではないだろうか?と思い僅かに視線を重ねた後に飽きたとでも言うようにゆっくりとメニューへと視線を落とす。
「(……これで何も不審な点はないよね)」
菖蒲本人としては上出来と言える程の装いだと表情に出ないように気をつけつつ喜んで見せるが、表情には出ている。周囲から見れば少し不気味だ。
■湖城惣一 > 「ふむ」
そうだ、見たことがある。相手は覚えているかしらないが、確か以前"退魔"の仕事で同席したことがあったはずだ。
遠条寺家。退魔の大家。あの時はまだ幼かったがおそらく……。
そこまでアテをつけると、ゆるりと立ち上がった。
恐れること無く人の波をかき分け、
「もし」
と彼女に声をかけた。
■遠条寺菖蒲 > 近づいてくる男には当然ながら気がついている。
どうやら自分は不手際をしただろうか、そんな不安で内心では汗だくである。
出来れば自分に対する行動でなければ幸いだと祈るようにメニューに噛じりついていた。
が、その幻想も声をかけられたことで打ち砕かれる。
しかし答えないわけにはいかないだろう。
声をかけられたのは明らかに自分で周りにいた人たちはスッと引いているのだから自分しかありえないのだろうと諦めて返事をする。
「はい、なんでしょうか……?」
努めて笑顔で、出来る限りいつもどおりに、彼女にそれができる訳はなくぎこちない笑みで返事をする。
■湖城惣一 > 「……見違えたようでわからなかったが、もしや遠条寺という名前ではないか?」
ぎこちない笑みを浮かべる少女を、見下ろすように立つ不審者。
相手がこちらのことを覚えていないと判断するや、一歩下がって。
「間違えていたなら失敬。この学園の生徒の二年、湖城惣一だ」
淡々と、無表情に。こちらの身分を告げてなるべく相手を警戒させないようにと試みるも、それが成功するかは神のみぞ知る。
■遠条寺菖蒲 > 自分の名を知っている相手のようで逡巡する。
生徒会の役員では、ない。
同級生では見た事はない。知っているのも同じ組が合同授業で一緒になる組の面子だけではあるが。
そもそも知り合いにこのような体格と格好の人間が居れば直ぐに記憶するだろうことは考えるまでもない。
「……そ、そうかも知れませんし。そうでないかもしれません」
舌を少し噛みながらそんな風に返す。慌て方というか誤魔化し方が誤魔化しになっておらず正解だと言っているようなものだ。
しかして、自分の名前などから簡単に個人情報など探れるのだと頼れる人に教えられたばかりである菖蒲としてはここで素直に答えるのはダメなのではと考える。
それに今は普段とは違い至福でしかもハッチング帽だしらばっくれれば相手だって気が付かないだろうとか考える。
が、
「仮にそうだった場合、湖城 惣一先輩がその遠条寺さんにどういった御用なんでしょうか?」
続けた言葉が墓穴に繋がりかねないのだが、菖蒲としては大丈夫なのでは?とか考えての台詞であった。
■湖城惣一 > 「…………ふむ」
動揺する少女。おそらくこの少女が遠条寺であることは間違いがない。
問い返された言葉に、目をつぶって考え込んだ。どう答えることが正しいのか。
生憎と人の心を理解する力に薄い男だ。たっぷり考え、一分の時が過ぎ。
「遠条寺の家とは昔、仕事で関わりがあってな。……その時に見た少女が君であるとすれば大きく成長したものだ、と」
実際は、随分と箱入り……いや、それ以上の扱いを受けていたとも風聞で聞いていた。
まさかここで出会うとは思わず、つい琴線に触れて立ち上がったに過ぎない。
「間違えていたならすまない」
言葉少なに、淡々と。無表情の男から感情を読み取ることは難しい。しかし、彼からしてみれば念入りに言葉を選んでの行動であった。
■遠条寺菖蒲 > 「え?あ……退魔家業の方の……」
そう予想外だと言わんばかりに声が漏れていた。
少し離れた位置から見れる者達には聞こえなかっただろうが、目の前にいる惣一には聞こえただろう。
台詞の意味を考えれば少女が遠条寺家の人間であることは『ほぼ』ではなく『確実』になった。
どうやら実家にいた頃の私を知っているようだが、申し訳ないことにあの頃は仕事以外のことは覚えなくていいと言われていたので少女の記憶に惣一の事はない。
それに実家の事を知っている相手とあっては無碍にするのも家として問題ではあるかも知れない。
「ええ、まあ、恐らくその子ですが……」
少し声を小さくして
「出来れば私が遠条寺だということは今はご内密に」
と真剣な表情で告げた。
■湖城惣一 > 「なるほど」
過去のしがらみか今のしがらみかを区別することはできないが、
どうやら事情があるらしいことは理解した。
真剣な言葉で告げられれば、頷くほかはない。
「相分かった。他言はすまい。……ふむ」
ならば、と自分の顎を撫でて思案げに口を開き、
「学友として。ここならばベリータルトが評判だ。ここが初めてならば是非食べてみるといいだろう」
などと。それ以上深くは追求せず、
「邪魔したな」
自然体のまま自分の席へと戻っていくだろう。
■遠条寺菖蒲 > 話せば分かる。
テレビドラマで刑事さんがよく言っている通りだ。やはり真剣に対応していれば相手も応えてくれるものだと一人頷く。今回は運が良かっただけでもあるのだが、菖蒲にとってはありがたい話であった。
納得してもらい、その上おすすめまで教えてもらった。
しかし、そのまま行かせるわけにはいかなかった。
「すみません湖城先輩。少しお尋ねしたいんですが……!」
真剣な眼差しのまま菖蒲は自分の席に戻ろうとする惣一に声をなげかける。
■湖城惣一 > 「……む」
立ち止まった。声をかけられ、そのまま立ち去るような人間ではない。
そもそもが自分から声をかけたのだ。
ゆっくりと振り向くと、そのまま戻ろうとして……。
腹が、鳴った。万年欠食児童であるこの男にとって、空腹は何よりも敵であった。
「……ふむ。構わないが、よければこちらの席に来ないか? 少々腹が空いていてな」
そういって、視線で自分の席を示した。来るならば、山盛りのメニューたちがお出迎えするだろう。
■遠条寺菖蒲 > 確かにそれで問題はないな、と考えて。
「分かりました。まだ何も頼んでませんし丁度いいです」
後に続いて湖城のいた席へと向かう。
このまま座るのならば対面に座るだろう。
■湖城惣一 > 「応。どうせ追加で頼む故、そのあたりのものは好きに摘んで構わん」
噂のベリータルトもあれば、サンドイッチやちょっとした肉料理まで。多様にテーブルに並べながらそれらをひとつずつ丁寧に片付けていた。
ひとまず、ならば少女の対面に座り込むと、
「それで、尋ねたいこととは?」
サンドイッチを手に取りながら視線を向けた。
■遠条寺菖蒲 > 「あ、それはなんだか大丈夫そうですのでお気にせず、早く注文を出しましょうよ」
惣一の言葉を受けて何やら大丈夫だと判断したようだ。
「ささ、早く注文を受理させるための手順を取りましょう」
やけに注文を取ること急かす。
■湖城惣一 > 「…………」
なにやら急かされている。しかもなにかやたらめったら事務的な言い方だ。
三秒ほど思案しつつ、まあ否定するつもりはない。メニューを開くと、
「ならば、ひとまず飲み物でも頼むとしようか」
少なくとも食べ物はあふれている。頼むならばどれにするか……。
「甘いものが好きな手合か、ええと……」
そういえば、遠条寺であることは内密に、と言われていた。
「どう呼んだらいいのか」
ストレートに尋ねてみた。
■遠条寺菖蒲 > どう呼んだらいいか。
そうか偽名というものは考えてなかった。
偽名、この場限りでそんなに問題ない名前。
「ではショウブとお呼びください」
名前の菖蒲(あやめ)の読みを変えただけのものだが、偽名としてはいいのではないかと思う。
そして自分の注文したいものを言う。
「それと私はアイスティーをお願いします。先程のおすすめのベリータルトは出来ればお持ち帰りがあればそれでお願いしたいです」
注文を頼むだろう惣一を異様なほどに集中した目で見始める。
■湖城惣一 > 「ショウブか。なるほど、では」
少女の注文を聞くと片手を上げて店員を呼んだ。
最早慣れたものなのか、店員がすぐさまこちらに駆け寄ってくる。すると彼はおもむろに、
「こちらにアイスティーを。俺はエクストラベンティアイスキャラメルソースフラペチーノで、あとベリータルトをテイクアウトで頼む」
呪文を唱えた。こともなく、すらすらと。店員も鮮やかにそれを復唱すると去っていく。
「うむ。こんなものか」
満足気に呟くと、サンドイッチを頬張ってゆっくりと咀嚼を再開する。
■遠条寺菖蒲 > 「ふむ、なるほど」
そう呟いてから更に小声で、手を上げれば店員の方が気づいてくれるか、と言って頷いていた。
「湖城先輩は、慣れていらっしゃるんですね」
淀みなく行われた動作に対して純粋に賛辞を送った。
■湖城惣一 > たっぷり咀嚼してから飲み込むと、口元を拭きつつ。
「俺も最初は苦労したものだが、ここはよく利用するのでな。
否でも応でも覚えるものだ。俺などまだまだ常識知らずで失敗も多い」
賛辞に照れること無く頭を振る。
この環境には慣れたが、必要以上のことには頓着しない。
そのせいで引き起こされる悶着もまた少なくはなかった。
「ショウブはまだ慣れんか」
ゆっくりと、静かな会話。食べ物の咀嚼をしながら相手の言葉を咀嚼しているような、そんな態度であった。
■遠条寺菖蒲 > 「今日はじめて来たんですよ。このお店」
程なくして先に来たアイスティーに口をつける。
悪くない、と普段飲んでいるものとつい比べてしまいつつも感想を言葉にした。
「今日はちょっとした予習みたいなもののつもりで来ているんですよ」
そうアイスティーを楽しみながら告げる。
■湖城惣一 > 「なるほど。ここは味がいいと評判だ、悪くない選択だろう」
悪くない、という言葉には頷いて、
すわパフェかと見まごうばかりの巨大な品を受け取って飲み始めた。
続く言葉には僅かに片眉を跳ね上げて、
「ふむ、交友か何かか?」
と尋ね聞いた。
■遠条寺菖蒲 > 「そうですね。悪くないです」
うんうんと頷く。
よく食べるなぁ、と感心しつつ質問に答える。
「交友を広めようかと考えてまして色々と知っていればいいかと思いまして」
少し恥じる顔をアイスティーを飲み、カップで隠す。
■湖城惣一 > 「……ふむ。なるほど」
隠された顔の奥は杳として知れないが、それが前進する態度であることに違いない。
「俺などはあまり交友を広げたりする質ではないが、その姿勢こそ賛辞に値すると思うが」
率直な意見だ。あまり上手い言葉ではないだろうが、それでも自分の感じた思いを伝え、
「差し当たり、これで交友が一人広がったな」
俺では嬉しくはないかもしれないが、などと付け足しつつ。自虐的というよりはやはり淡々とした評価だ。
なにせ男であるし、他者からの評価はそう良いものばかりではない。
ご案内:「カフェテラス「橘」」に士尺 流雲齋さんが現れました。
■遠条寺菖蒲 > 「ですが、今日ここで私が事前調査をしていたのは秘密ですよ」
と本人としては返送した気で来ていたのでそう言わざるをえない。
例え全く変装できていなかったとしても本人としてこれで出来てると思っているのだから。
■士尺 流雲齋 > 【からん、ころんと下駄を鳴らし、杖をついた老人が現れる。
ゆっくりとした足取りでテラス席へ進み、2人より離れた一席に腰を下ろした。】
いやはや、今日も走り回ったわい。なにやらあずかり知らぬところで事態が進んでおったようじゃの。
……さて、今夜は昆布茶を頼もうかの
【視線はむけずに、退魔の匂いに気づく。一人だけならよく見るが、似た立場の者が集っているのは妙に感じた。】
(……少し、試してみようかの)
【鬼の気配を少しだけ、砂粒くらいにして放出する。もちろん業界人でなければ気づかない。業界人であって気づかなかったとしたら…未熟者だが】
■湖城惣一 > 「秘密、か。なるほど、水面下の努力という奴だな」
小さく息を漏らしてそう呟くと、ゆっくりとフラペチーノを飲み干していく。――現れたのは鬼の気配。
試すような気配には気づいた、が、それであってなお無視した。
退魔が仕事ではあるが、趣味ではない。
目の前で暴れだすような"害意"さえあれば、男は即座に対応するだろう。
しかし、ここは異能学園都市。ただ気配を漏らしただけで斬りかかっていては通り魔と謗られても否定できない。
――本人以外には、見た目だけの無能者と見えるかも知れないが。
■遠条寺菖蒲 > 惣一のの言葉を聞きつつ、僅かに発せられた鬼の気に対してどうするか悩む。
敏感に反応するが、それは抑える。
目の前の惣一が何も行動を起こさずにいるのであれば一応何があってもいいようには構えるべきだろう。
周囲にもわかりやすいように刀袋からはいつでも刀を取り出せるよう持つ場所を変えた。
警戒は最低限だ。
行動はなるべく自分は何もしてはいけないし何かあれば逃げに徹するのが一番だ。
立場というのは面倒なのかもしれないとここ最近でよく考えるようになった菖蒲であった。
ご案内:「カフェテラス「橘」」に上泉 和正さんが現れました。
■士尺 流雲齋 > 【やがて運ばれてきた湯飲みには『逢魔ヶ時』と書かれている。少しばかり塩気の強い昆布茶を一口、ほう…と息を吐く。】
(少年のほうは…気づいた、そのうえで動かぬ、か。これは少々見くびっとったな、若いのにやりおるわい。
少女も同様じゃな、同業が動かぬとみて抑えたか。手の動きが少し、わかりやすすぎるがの。
鬼ちゅうのんは、特に古い鬼は刀に敏感じゃ、昔さんざんやられたからの)
■上泉 和正 > (建物の扉を開け上泉がやってくる)
この歳でも甘いモノの誘惑には勝てんな……
(そこで先客に気づく。一人は自分も探している人物だった)
おお~士尺先生。こちらにいらしたか……わしを探していると
蓋盛先生からお聞きして探していましたのじゃ
ご一緒してもよろしいですか?
(相席しても良いかと聞く。許可が得られれば士尺の向かい側の
席に座るだろう)
■士尺 流雲齋 > 【探し人の声にはっとしたように顔を上げ、鬼の気配をそっとしまい込む。】
おお、これはこれは、上泉先生ではござらぬか。
どうぞどうぞ、こちらにおかけくだされ。
【旧友と会ったかのように、にこやかに微笑して同意する。】
いやはや、どうもすれ違いが多くて……
■湖城惣一 > 聞こえてくるのは"先生"と呼ぶ声。教員だったか、と心中呟く。
だから安心していいというわけでもないが、ひとまず食事に移ることに。
目の前の少女は動きを変えたようであるが、どこ吹く風といった様子である。
「どうやら、教師の御仁が来たようだ。得物を見せびらかすと指導されるかもしれんし、身元も知れるかもしれんぞ、ショウブ」
などと伝えた。
■遠条寺菖蒲 > カフェというのは若者向けだと思っていたが横目に見る光景からそれは先入観による誤解だったのだろうと理解する。
美味しい物やいいものを食したくなるのに年齢は関係ないというところなのだろうかとここで一つ頷いた。
鬼の気が大きく脅威にならないのならこのままでいいだろうと考える。
■上泉 和正 > (席に座りは~っと一息をつく。そして口を開いた)
それでわしへの要件はなんでしょう?
見ての通りわしはこの老体じゃ
できればお手柔らかにお願いしたいのじゃが
(未だに現役の鍛冶職人でありエンチャンターでもある
上泉は笑みを浮かべ謙遜してそう言う)>士尺
■遠条寺菖蒲 > 「そうですねといっても、この大きさを隠すのは無理なのでならば肩の力を抜いて普通に持っておくくらいにしますよ」
どちらにせよ自分は牽制以外はするつもりはないのであり、それ以上はやる気はないのだ。>惣一
■上泉 和正 > ああ、そうじゃ忘れておった
(注文することを思い出し)
すいません。抹茶わらび餅の黒蜜クリームをお願いしますのじゃ
(店員に和風のスイーツを頼む。こういうところはおじいちゃんらしい)
■上泉 和正 > おっそこの男児
(そう言って湖城に声をかける)
もしかしてその竹刀袋……中身は刀かのう?
実はわしは刀工でもあるんじゃがもしよければ
見せてくれんかの?
(とても好奇心にきらきらした目で見る。どうやら上泉の刀工としての
血が騒いだらしい)
■士尺 流雲齋 > おや、先生、ずいぶん甘党ですのう。儂もじゃが。
【からからと笑い、ま、そう難しいものではござらぬよ、と答える。正直、自分の力では限界が見えてきたところだったのだ。】
お願いしたいことはふたつありましてな。
ひとつは、…ご存知かと思われまするが、儂、魔法剣の授業を受け持っておりましての。属性マナを流して固定する媒体が足りなくなってきておりますのじゃ。粗雑な安物では暴発の危険性がありますし、外から仕入れようにも鉄道委員会にいちいち顔を出すのが面倒くさくての。そちらで取り扱っているものがあれば、できればお願いしたい。耐久性は、まああれも消耗品じゃし、それなりでお願いいたしますのじゃ。一生ものなら、上泉先生に頼むように誘導しますでの。
■湖城惣一 > 「違いない」
菖蒲にそういってわずかに笑みを漏らす。
そういう彼もさらさら所持を隠しているつもりはない。
竹刀袋に大小二つ収めているが、音を隠していることもない。
風紀・公安に関わる身として容認されているためであった。
銃刀法の都合、さすがに見せびらかして持ち歩くのも問題であろうから、竹刀袋はその対面の取り繕いである。
「……む」
声をかけられて、視線を向けた。そのまま体ごとそちらに向けると、竹刀袋を掲げて。
「なるほど。構いませんが」
預け渡す。教員相手には構わぬし、最悪羽織に仕込んだ短刀があれば"奉納"は出来る。
中には使い込まれてなお、丁寧に扱われた刀――上質であるが、名の知れた刀工のものではないし、格別のものというわけでもない二振りが見える。
■上泉 和正 > 歳をとっても甘いモノの誘惑がありましての
(ふぉふぉと笑う)
ふむ……ならば銀あたりが一番良いかの
銀の加工品を提供しましょう
(安全性を考えると金か銀で本当なら金の方が良いが
高くつくため銀を提案する)>士尺
ほぉ……中々良い使い手に巡り会えたと見える。
この刀も作った刀工も喜んでおるわい
ここまで使い込んでなおこれとはおぬし中々の使い手じゃろう?
(竹刀袋の中身をちらりと見て湖城に感心し言う)
もし刀が壊れたり欲しければわしのとこに来なさい
学割がきくからの。もっともそれでも高いから大事に使いなさい
>湖城
■上泉 和正 > (そうしているうちに注文したものが来た)
おおっ美味しそうじゃわい
(感嘆の声を漏らす)
■湖城惣一 > 「神域に踏み込むことを目標にはしておりますが、自他の評価はあまりに問題はしておりませんので」
なかなかの、という評価には謙遜もなくそう言った。強い、弱いと比べる事自体、己にとっては無意味なことだ。
「ふむ。分かりました。いずれそちらに伺わせてもらいましょう」
実際に預けるかどうかは、ひとまずその腕を見てからであろうが。>上泉
■遠条寺菖蒲 > 「(なんだか不思議な状況……これもカフェならではなのかしらね)」
見当違いな感想を抱きつつチマチマとアイスティーを味わう。
この場合自分は先ずこの場から撤退した方がいいのかなど考えるがなんだか普通にゆっくりしててもいい気はする。そういう場な空気な気がすると思う菖蒲であった。
■上泉 和正 > そうじゃ。住所を教えておこう。住所は研究区の──
(そう自宅兼工房の住所を告げる)>湖城
後気になっておったんじゃがそこのおなごはおぬしのガールフレンドかの?
(遠条寺のことを湖城に聞く)
■湖城惣一 > 「なるほど、分かりました。……ガールフレンド」
相手の住所を頭にたたき込むと、続く言葉にふむ、と顎を撫で、
「いえ。先ほど声をかけたばかりですから、色恋ではありませんが……フレンド、となったかどうかは彼女次第でしょうが」
上泉の問いには、菖蒲へと尋ねるような視線を向けた。
■上泉 和正 > (色恋でもないのになぜ声をかけたのか気になったが
あれこれ聞くのも不躾だろうと思い聞かないことにした)
そうか、まあ学生の間はいっぱい友達を作るとええ
それが成長してから人脈になるのじゃ。偏屈者は辛いぞ~
(偏屈者は~の部分は少し脅かすように言う)>湖城
■士尺 流雲齋 > なるほど、銀ですか、確かにマナの伝導もいいですし、適材でありましょうな。ではそれでお願いしまする、予算は上に掛け合ってなんとかなりましょう。
【何度か頷いて、上泉にもう一つのことについて話す。】
あとのひとつは…儂の封印してある武器についてなんじゃが、少々特殊での。頑丈な研ぎ石をひとつ、拵えてほしいんじゃが…
【なにやら気になる言葉を聞いたので、湖城にも声をかける。】
ふうむ、そちらの少年…たしか湖城であったか。神域を目標とは大したものじゃの。武芸も熟達すれば魔をも斬れる、異能や魔術の研究者のなかには武芸を軽く見る者もおるようじゃがの。ま、がんばりなされ
■遠条寺菖蒲 > その流れを受けて、カップをテーブルに置いて。
「確かし友達でしょうか…?敢えて言うなら同業とかそういうところではないでしょうか」
至極真面目に冷静に答える。
そこに他の何かはないようだ。
■上泉 和正 > ん~頑丈な砥ぎ石ですか。なら特殊な付呪をしたダイヤモンドが
適任だとは思いますが……高くつきますぞ
(少々歯切れが悪そうだ)>士尺
同業ならなおさら繋がりを深めたほうがええ
色々といいぞ
(勧告めいたことを言う)>遠条寺菖蒲
■湖城惣一 > 菖蒲の言葉にひとつ頷くようで、
「そういうわけでどうやら友人ではないようですね。友人を増やすことに否はありませんが」
生真面目にそう答える。偏屈ではないが、実直をこじらせたような男であった。
ベリーパイを口へと運び、ゆっくりと咀嚼しながら、続く古鬼の老人の言葉に耳をかたむけ。
「さて。神道の奏者である自分では、武芸も儀礼も一並び。軽重なく切り離せるものではありませんが……ふむ」
武芸をがんばる、という感覚が彼にはわからなかった。彼にとって鍛錬とは至極自然なこと故に。
「ご忠告、ありがとうございます」
だが、大事なことをいったのだろうと、頭を下げた。
■上泉 和正 > ほう……おぬし神道の者じゃったか。わしも奉納演武ぐらいは
したことがあるでの
(頼んだものをゆっくり食べながら共感を覚え言う)>湖城
■遠条寺菖蒲 > 「確かにここを出た後を考えればそれがいいんでしょうね……」>上泉
そう言ってアイスティーを飲もうとしてカップの中が空だということに気がついた。
当初の目的は達成している。
「そろそろいい時間というのもありますし、飲み物もなくなったので私はこの辺りで失礼しましょうかと思います」
少し名残惜しいが帰る時間を考えるとこの辺りが個人的な門限である。
刀袋を左肩に背負い直し席を立とうとする。
■上泉 和正 > おおっ達者での~
(遠条寺菖蒲を見送る)
■士尺 流雲齋 > 【ダイヤモンド、と聞けば片眉がピクリと上がり、歯切れの悪そうな上泉の言葉に考え込む。】
やはりそうなりますか。……儂のポケットマネーで足りるじゃろうか。ううむ、ちょっと考えさせてくだされ。
【湖城から頭を下げられれば、少々困り顔になる。】
……すまぬな、そういう意味で言ったんじゃ、ないんじゃがの。研究者から奇異の目を向けられても気にするな、と言いたかったんじゃが。まあ、今さらじゃがな。
おお、もう行くのかの。またの
【見送ってから、あれは遠条寺のお嬢さんではなかったか、と遅めながら気づいた。】
■湖城惣一 > 「……む、少し待て」
立ち上がる菖蒲に合わせてウェイトレスを呼んで、テイクアウトのベリーパイを持ってくるように頼んだ。
「テイクアウトだ」
そういって、そちらに渡しつつ
「壮健でな」
と、短く別れを告げた。名残惜しいだとかそういうものはない。
そのまま軽く手を掲げて見送った。
■上泉 和正 > (その時、携帯がなる)
はい、もしもし。ふむ
(そして携帯を切って)
ちょっと用事が出来てしまったのでわしはこれで失礼する。
後、士尺先生。今度よろしければ封印している武器を見せていただけますかの
もしかしたら石英で代用が聞くかもしれん。では
(そう言ってその場を去った)
ご案内:「カフェテラス「橘」」から上泉 和正さんが去りました。
■遠条寺菖蒲 > アイスティーで満足して忘れかけていたベリーパイを受け取りこれは助かったと笑みを浮かべる。
「そちらこそ」
惣一にそう返してから、上泉と士尺の方を向いて
「では、また機会があれば」
と声をかけた。
菖蒲本人としては、変装をしているので次回会う時は今回の事はきっと遠条寺菖蒲だとは分からないだろうと思っているが、そう思っているのは本人だけである。
ベリーパイを両手に店を後にする。
ご案内:「カフェテラス「橘」」から遠条寺菖蒲さんが去りました。
■湖城惣一 > 「自分の場合は亜流ですが、一応神職としての一通りは。……自分の剣も、元を辿れば神楽舞から来るそうで」
などと、無表情に上泉の言葉に答えつつ、
「いえ。剣とは己と向き合うもの。いずれの高みに登るための一手段に過ぎませんので。……しかし、世間はそう思わぬのは致し方なし。お心遣いは、ありがたく」
流雲齋にもまた、実直にそう言葉を返した。
■士尺 流雲齋 > 承知した。気を付けての
【立ち上がって上泉を見送る。その姿が見えなくなった後に、よっこいしょとふたたび腰を下ろした。】
儂も携帯とか、すまほとか、持ったほうがいいんじゃろうか。
■湖城惣一 > 去っていく上泉には改めて頭を下げて見送った。
残って腰を下ろした相手には、ふむ、とまた一度声を漏らす。
「あったほうが便利ではあると思いますが、今ならば通信魔術なども確立されておるのではないでしょうか。機械に慣れぬなら、そちらも手かと」
などと、大まじめに提案してみる。
■士尺 流雲齋 > 【2人になってしまった。気づけば、店内に客もまばらになってきている。】
まったく、おぬしは律儀に返しすぎじゃ、じゃが、通信魔術か。考えたこともなかったのう
【くっくっと笑い、周囲をうかがってから改めて謝る。】
…ああ、そうじゃ。さっきはすまんの。試すようなことしてしもうて。
おそらく、おぬしが見破った通りの者じゃ。わけあって、今は教師をしておる。詫びと言ってはなんじゃが、腕試しをしたいときは声をかけよ。ああ、もちろん剣士として、の
■湖城惣一 > 「律儀。確かに人からそう言われることはありますが」
それが事実か否かは彼にはわからない。
ただ、わざわざ義理を欠く必要もないとは思っていた。
「……ふむ。いえ。先程も言ったとおり、自分は他人の評価など興味はありません。
武芸である以上、他者と競うこともありましょうが……」
彼の剣は、命を賭すもの。命を賭して、神域に至るもの。
高みを目指すために、ただ独りの道を進んでいた。
だからこそ今の彼の境地があるとも言えたが――。
「試すときは、おそらくただではすみませんので、提案だけはありがたく」
■士尺 流雲齋 > ほっほっほ、怖いのう。
まあ、退魔のすべをもったものは多い。儂も余裕ぶっておると、名も知らぬ誰ぞに斃されるかもしれんから、気をつけなくてはの。
【湯飲みの中の昆布茶はとうになくなっている。それでも、有意義な時間を過ごせた。再び立ち上がり、今度はもう座ることはない。会計を済ませれば、杖をつきつつ歩いていく。】
■湖城惣一 > 「む」
怖がらせるつもりはなかった。
己の剣は、常に命がけであったが故に、
自分がただではすまないという意味だったのだが。
「……お気をつけて」
長くは語らず、ただ頭を下げた。見送ると、すっかりぬるくなってしまった大量の料理をまだ片付け始めるだろう。
ご案内:「カフェテラス「橘」」から士尺 流雲齋さんが去りました。
■湖城惣一 > 「…………ふむ」
すっかり冷めてしまったホットサンドをかじりながら今日の出来事を思い返す。今日はずいぶんと色々な人間にここで出会ったものだ。
■湖城惣一 > 彼はあまり喋ることが得意ではない。
が、今日はいつもより随分喋ったものだ。
「ふう……」
気疲れからか声が漏れる。男にとっては珍しいことだ。
こめかみを揉みながら、今度はアイスの溶けきったパフェに手を出し始めた。
ぬるい糖分が彼の心をやんわりと癒していく。
■湖城惣一 > 「…………」
すでに冷め、硬くなったフライドポテトをついばみ始める。
量はなかなか悪くない。だが、非常にぼそぼそとした食感が口を襲う。
「……」
死ぬ。飲み込んだら多分死ぬ。口いっぱいのフライドポテトを咀嚼していた。
■湖城惣一 > 「…………!」
口の中でペースト状になるまで噛んだつもりで飲み込んだが、案の定喉に詰まった。
水が、ない。
■湖城惣一 > 「……」
落ち着き払ってウェイトレスを呼んだ。コップのジェスチャア。
幸い肺活量には自信があった。水が運ばれるまでこれをたえぬき、なんとかこれを凌ぐのであった。
■湖城惣一 > その後も、男はひたすら積み上がったメニューを片付けていくのであった……。
ご案内:「カフェテラス「橘」」から湖城惣一さんが去りました。