2015/06/09 のログ
ご案内:「カフェテラス「橘」」に朝倉千蔭さんが現れました。
朝倉千蔭 > 既に真っ暗になった窓の外を眺めつつ、淹れたての紅茶を一口。
この時間帯でも開いている店はありがたくもあり、店員の苦労の賜物でもあり。

朝倉千蔭 > そう、この街は夜も眠らない。
大半の施設がいつでも開いているし、誰が何時にうろついていても注意されることは少ない。
……まあ、こんな時間まで起きていて、翌日の授業で寝ていたら怒られるかもしれないが。

「好都合だよね」

ふと小さく言葉を漏らす。
自分のような人間にとっては、真夜中でも動ける環境であるのは幾分ありがたい。

朝倉千蔭 > 単純な話、昼間よりも夜の方が真っ当な人間は少ない。
白昼堂々謀り事の手を広げるよりは、こうした時間にやる方がやりやすくもある。
それにまあ、当然といえば当然だが昼の間は学生の本分を果たさなければ。

「……」

紅茶をもう一口。眠気覚ましと考え事には、この熱さがちょうどいい。

朝倉千蔭 > ……とは言っても、動き始めてからまだ収穫は得られていない。
というより数日間歩きまわって筋肉痛になったし、睡眠時間も減った。
はたしてこの調子で目的は達成できるのだろうか?

考え事にもちょうどいいが、考えないようにするのにも紅茶はピッタリだった。

朝倉千蔭 > 「……ごちそうさまでした」

紅茶も飲み干してしまったし、ここにいつまでも居るのも悪いだろう。
小さく息を吐いてから、席を立つことにした。

ご案内:「カフェテラス「橘」」から朝倉千蔭さんが去りました。
ご案内:「カフェテラス「橘」」に立花 響さんが現れました。
立花 響 > 和泉兼次と別れた後響はこのカフェに直行した。
理由らしき理由がある訳ではないのだが、とりあえず落ち着ける場所に来たかったのである
テーブルの上にはカフェオレにチーズケーキ。
そして微かに譜面が青く光る魔法の楽譜。

「さ、てと。詠もう。詠めば多少どんな魔法が分かるでしょ…多分」
軽く背伸びをしてチーズケーキを一口食べてからカフェオレを飲んで楽譜と向き合う。
隠し方が特殊ではあったが禁書庫に無いぐらいだから別に地球を滅ぼす、とか島を沈めるとかそんな魔力は込められていない…はず
少し不安ではある

立花 響 > 。o0(~~♪♪)
この楽譜に書かれているのはクラシックでもそれなりに有名な部類でもある月光。
響はその曲を知っているからこそ、この譜面を詠める。
鼻歌でも良いのだが、こういうのは所謂脳内びーじーえむというのが周りにバレないかつ、平和である
但し無意識に足や指でリズム取る場合がある。これを見られてもバレる。

立花 響 > 「序唱は…明かり?」
頭の中に浮かんだイメージは窓から差し込む月光。
つまりこの楽譜は光源になるのだろう…光源になる楽譜は何の価値があるのか。
暗闇で演奏するような物好きはいないだろう、と響は一人で頷いている

響はそのまま中唱まで詠み進めていく……

立花 響 > 「…うわ、眩し。」
中唱に思い浮かべたものは閃光玉のような光。
所謂目潰し的なものだろう…そもそも中唱に至るまでにかかる時間は3分程。
目の前にいる敵だと歩いて近寄って二回程空振りしても余裕があるぐらいの時間である。

「まだ…まだ終唱あるから…」
少し泣きそうな独り言を呟きながらその楽譜の最後まで詠み進めていく

ご案内:「カフェテラス「橘」」に空閑 栞さんが現れました。
立花 響 > 「………うわぁ、これ作った人は何を考えてたの…」
響は頭の中に浮かべられている球体を見て失望を通り越して絶望してテーブルに膝をついて落ち込んでいる

何が思い浮かんだかというと、楽譜から掌サイズの月を召喚する、という物である。
実際にこうなるかは不明だが少なくとも思い浮かべたイメージからするとこの島に隕石を落とせる程度だろうか……楽譜から掌サイズの隕石が

「あ”~~~もうやだぁ~~~」
いつもの響らしくない足をバタバタさせながら周りの客を全く配慮しない子供らしい仕草

空閑 栞 > 「〜♪」

深夜だというのに鼻歌を歌いながらカフェテラスに入っていく。
貸切だと思っていたが、意外にも知り合いが居た。
足をバタバタしているのを見て可愛いなぁと感想を抱きつつも近寄っていく。

「……わっ!」

後ろから肩を軽く叩いて声をかける。
驚いてくれることを期待して。

立花 響 > 「……なんですか栞さん」
響の反応は恐らく栞が考えれない物である
全く恐ろしくはないが驚き返せるぐらいに冷たい、かつ無反応なものである

「そんなに人を驚かすのが楽しいんですか。そうか、そうなんですね栞さんはそういう方なんですね」
今の響は三文字で簡単に表せる《不機嫌》である。
魔法の楽譜を閉じ、自分の鞄にしまってチーズケーキをもごもごと食べているが特に機嫌が治る様子はなさそうだ

空閑 栞 > 「あらら、機嫌を損ねちゃいましたか……せっかく喜んでくれそうなものを持ってきたのになぁ」

悲しそうな、とても悲しそうな口ぶりでそう言う。
実際はそれほど悲しんではいないのだが。

タイミングが悪かったかなとは思うものの、この時間にカフェテラスに来たのは正解だった、と思って響の横に座る。

「すみません、ホットミルクお願いします」

店員にそう注文し、響の方を見る。
持ってきた小さなカバンを膝の上に置いた。

立花 響 > 「なんですか。今の私は余程の事じゃ機嫌治しませんよ。それどころか噛み付きますよ。
というかチーズケーキに噛み付きます」
席に座った栞の方を恨めしそうな目で見ながらカチカチ、と歯を鳴らして今でも噛み付こうとするような動作を見せる
が、結局チーズケーキを食べる。ボソリと美味しい、とか漏らしながら

空閑 栞 > 「そんなに可愛い仕草をされるなら噛まれるのいいかもしれませんね」

ふふ、と笑いながらカバンを漁り始める。
すぐに何かを取り出して響の方を向いた。

「はい、これはなんでしょうか」

笑顔でカバンの中から取り出したそれを見せる。
数日前に時計塔で拾った楽譜だ。恐らくは響のものだろうと当たりをつけて見せている。

「時計塔にありましたよ? 響さんのですよね?」

コト、と置かれたホットミルクに視線を移し、また響の方を向く。

立花 響 > 「…なんだ。その楽譜でしたか。
昨日見つかれば良かったんですけど、見つからなかったのでどうでも良くなってたところです」
楽譜を見たところで特に機嫌が治る様子は無さそうだ。

「それで、それを私に返しに来たんですか?」
響の視線は変わる事なく栞の方を見たままカフェオレを飲んでいる。

空閑 栞 > 「あら、タイミングが遅かったんですか……残念……」

今度は本当に悲しそうな顔をする。
昨日の時点で響を見つけられなかった自分を悔やんでいるようだ。

「そうです……遅くなってごめんなさい……」

申し訳なさそうに楽譜を渡そうとする。

立花 響 > 「…良いですよ。別に」
本気で申し訳なさそうにしている栞を見て気まずそうに視線を逸らす。

「もう、要らないですからそれ…
えーと。栞さんがそれをピアノで伴奏出来るぐらいになったら返しに来てください」
そのまま受け取ると何かしてやられる、そんな気配がしたのでとある条件を押し付ける事にした。
これを機会に栞が音楽に興味を持てば響としても万々歳である

空閑 栞 > 「ピアノ……お遊びでしか触ったことがないので自信はないですけど、その、頑張ります……」

楽譜を抱きしめる。
必ず返せるように頑張ろう。そう決心した。

立花 響 > 「頑張ってください。
栞さんなら二週間ぐらいしっかり練習すれば弾けるようになりますよ。
それにこれを弾けるようになれば大体のクラシックのピアノパートを弾けるようになります」
多分、と付け加えている。
響からすれば《愛の挨拶》の伴奏が出来るようになれば大抵のクラシックは応用出来る、とは考えているようだ

「…それじゃ、私はこれで」
烏丸さんや和泉先輩に伝えておかなきゃ…と呟きながら席を立ち、会計を済ませてカフェから立ち去る
テーブルにはカフェオレは飲み切ってはいるが、チーズケーキは半分残しているものと栞が頼んだホットミルクぐらいだろう

ご案内:「カフェテラス「橘」」から立花 響さんが去りました。
空閑 栞 > 「2週間……キーボードと同じ要領なら多分少しはマシなので、頑張ります……」

今は僅かなゲームセンターにしかないとあるゲームで鍛えていたのでキーボードは少しできる。
それを応用してなんとかできないかと思案していた。

「はい、その、すみませんでした……」

ちびちびと冷めたホットミルクを飲み、会計を済ませて重い足取りでカフェテラスを後にした。

ご案内:「カフェテラス「橘」」から空閑 栞さんが去りました。
ご案内:「カフェテラス「橘」」に雪城 氷架さんが現れました。
雪城 氷架 > 「おはよ、いつもの」

すでに顔なじみとなった店員に軽い挨拶を交わして奥の席へ座る。
今朝は寝坊して髪を括る時間がなかった
モーニングが来るまでに結おう

鞄からいつものリボンを取り出して左右をまとめる
手慣れたものでそこまで時間はかからずにいつものロングツインテールが完成だ

手鏡で確認、よし、今日もカワイイ。

そうこうしているうちにモーニングセットが到着する
朝はトーストにコーヒー、定番だ

雪城 氷架 > しいていえば風紀委員にブン殴られた痣が早く消えてくれないかなと思う
先日の炎の巨人事件も含めて無駄に名前が売れてしまった気がする…気がするだけならありがたいけど
余計目立つのあ勘弁だ

「(にしても女の子を殴る蹴るしたり、止めようとした私を吹っ飛ぶぐらいに顔殴るなんてほんととんでもないヤツだよな)」
思いだすとふつふつと怒りが込み上げてくる
頭に猫を乗せたデッカイやつ

湧いてきた怒りを振り払うようにトーストにかぶりつく

雪城 氷架 > 「(なんていうか本当物騒なトコだよな)」

落第街周辺は以前から危ないと聞いていたものの、
カフェテラスや歓楽街、公園や研究区でも事件が相次いでる気がする
しかもその中の何件かは巻き込まれた

「(ククルが言うように、自衛能力とかつけとくべきなのかな……)」
コーヒーを口に運ぶ

雪城 氷架 > 「(そういやこのカフェにも平然と刀とか持って入ってきたヤツいたよな)」

武器の携行って法律上でどうなってたっけ、とかんがえる
その刀を持った彼は、炎の巨人事件で自分を救ってくれた人の一人なのだが
意識を失っていた氷架はそんなことを知るよしもない

雪城 氷架 > 刀や銃よりヤバい異能を持ってるヤツは自分を含めても多い…と思う
異能は持ってるだけじゃ取り締まれない…監視くらいはつくのかもしれないけど

だとしたら一般人は刀や銃で武装せざるを得ないのかもしれない
…あ、でも異能持ってる人が更に刀や銃を持ったら?

考えると少し怖くなってきた

「……なんか持っとくのはアリかもなー…」
少なくとも自分の異能を人間に向けて使うよりは安全に撃退できる気がする

フォークでポーチドエッグを突き刺して口に放り込む、見事に一口だ

雪城 氷架 > 自分の身を自分で守って、尚且つ異能の力に頼らない。
今までは公安や風紀が守ってくれるものだと当然のように思っていたけど、
現実は全然違っていた
もっと自分が異能力のコントロールに秀でていれば良いのだろうけど、残念なことに制御能力はE判定だ

なんだろ、なにをもつ?
手頃なところだとスタンガンだろうか
でも背も低くて相手よりリーチも短いであろう自分で活用できるかといえば怪しい

「ごちそうさま」

空になったコーヒーカップを置いて一息

ご案内:「カフェテラス「橘」」にカエラムさんが現れました。
雪城 氷架 > ポーチから薄いピンクのカラーリップを取り出して塗る。
あくまで学校に行くので薄め薄めに

「(…麻美子のカッコとか風紀委員に怒られないのかね)」

ヤツはネイルまでバッチリだ、制服もまともな着方してないし
そう考えると自分は真面目だなと思う、サボりはするけど

カエラム > ぬっ…と深く頭を下げ、入り口をくぐる巨体。
今日は、麻美子の来ていたここの店に何があるのかを探求したいと思う。

怯える店員に促されるまま、席に案内される。
うーむ、彼女には申し訳ないことをしてしまった。
席に座ると、「めにゅう」を差し出される。

雪城 氷架 > 「……ん?」
化粧道具をポーチに仕舞直していると
以前見かけた巨漢っぽいのが店に入ってきた

「(おぉ…アイツふつーにカフェとかにも来るんだ……)」

注文とか出来るのかな、と思ってついまじまじと見てしまう
前にあった時は確か会話が出来なかった気がする

カエラム > 『コーヒー アイス・ホット
 カフェモカ
 ダージリン......』

「……rrrrr.」

困ったように頭を抱えながら唸り声を上げると、近くを通りがかった店員が飛び上がる。
ごめんなさい、別に取って食おうって気はないんです。

どうしよう、ひらがなが一つも見当たらない。
どれが何なのか、それらをなんて読めばいいのかもわからない。
現世ではこういった体型の文字もよく使われているのだろうか。

雪城 氷架 > なんか、やっぱりダメそうだ
確かアイツ、悪いやつって気はしなかった

鞄を肩にかけて立ち上がり、カエラムの座る席へと歩いて行く
そしてそのまま断りもせずに対面席にどっかり座って、メニューを一緒に覗きこんだ

「お前、何が注文したいんだ?」

さて…言葉は通じたっけな?と思いつつ

カエラム > 「……おはよう?」

対面側に座り込んできたのは、何度か見かけた女の子だ。
学校に来た時の聞き込みに付き合ってもたった覚えがある。

まるで遠慮のない少女の行動に、悪感情はなかった。
悪意とかそういったものがあればなんとなくわかるし、
彼女は自分を助けようとしてくれていることは理解していた。

「……ちゅうもん、おすすめ、はやり、おうどう……そんなやつ。」

まだかたことではあるが、大分会話が通じるようにはなった様子。
何があるのかもわからずに来たのだが、出来れば最もポピュラーなものを頼みたいと思っていたところだ。

雪城 氷架 > 「あぁ、おはよ」
以前教室棟で顔を合わせていたはず、でもその時は確か……

「お前、言葉が話せるようになったんだな」
笑みを浮かべて、カエラムが発する言葉を聞く

「オススメ?うーん、ここは何でも美味いけど、
 今の時間だと大抵みんなはコレ食ってるかな」
メニューの写真を指さす
モーニングセットのB
トーストにポーチドエッグ、サラダにスープ、コーヒーつきでお安い

「そのデカいナリだと腹に溜まるかどうかは知らないけどな」
くすっと笑って見せて

カエラム > 「f'HaHa……そのとおり。おんじんに、おそわった。」

笑い声と思わしき音を立てる。
こういう時、笑顔を返せないのがドクロ頭の辛いところだ。今は顔を隠しているのだが。
せめて笑い声だけでも届けておくことにしたのだ。

「かえらむ、えころじー。すくなくていい。」

指された品物を眺めてみる。なるほど、これらがそうなのか。
本来栄養補給は必要としていないので、食べ物を内臓器官に通したことはない。
しかし人間に刈り取られた命がどのようなものを成すのか、ここで確かめてみるのも悪くは無い。

「じゃあ、それ。なんとよむ?」

指されたメニューから少女に視線を移し、首を傾げる。

雪城 氷架 > 「ほんとか?これで腹膨れるなんて羨ましいな」
割りと本心でそう言いつつ

「もーにんぐ びーせっと だ、オッケー?」
聞き取りやすいようにゆっくり、はっきりと発音する

「あと、異界人が増えて店側も結構対応変わってきたらしいから、
 なんなたら写真指さしてコレって言っても伝わるとおもうぞ」
わからない場合はそれでいいぞ、と。伝えてみる。

カエラム > 「もーにんぐ・びーせっと な、おーけー。」

彼女自身の綺麗な声も合わさって、とても聞き取りやすい言葉だった。
どうやら目の前にいる少女は、現世の言葉を発するのが上手いらしい。

「ごめんくださーい!」
それ違う。
「もーにんぐ・びーせっと! いっこ!」

声は抑えていたので、今度は怖がらせるようなことはなかったようだ。

「じぶんのなまえ、かえらむ。ありがとう、こえのひと。」

雪城 氷架 > 「バッチリだな!」
ちゃんと注文できたのを見て、笑顔でサムズアップしてみせた

「カエラムって言うのか。
 私は雪城氷架、ゆきしろ、ひょうか」

今度は自分の名前をゆっくりと、
声を褒められて、少し嬉しげ

カエラム > 「ばっちり…!」

グローブを着けた手で、サムズアップを真似してみせる。

「ゆきしろ、ひょうか。……どっちでよぶ?」

長い名前だと思ったが、明らかにゆっくり、中央で区切っているのがわかる。
名前が二つある人間なんて始めてだ。

雪城 氷架 > 「ん、えっと…」
顎に手をあてて思案

「ゆきしろ、は、かぞくの名前だ、わかるか?家族、大事な関係だ」
難しいかな、と思いつつも

「ひょうか、は私の名前だ。だから私を呼ぶ時はひょうか、でいいぞ」
胸に手を当てて、そう伝える。

この学校には母親と、同じ姓を名乗るペットもいるし、そのほうがいいだろう
うーんうまく説明できなかったな、と思いつつカエラムの様子を伺う

カエラム > 「かんけいのなまえ、ゆきしろ。こえのひとのなまえ、ひょうか。これでおーけー?」

精一杯理解しようと勤めつつ、こういった解釈で間違いがないのかを確認する。
たしかにこれなら名前が被ることも少なくなるし、面白い文化だと思う。

雪城 氷架 > 「おーけー!」
なんだか知識の吸収が早く、こちらが嬉しくなってくる

「この調子ならそのうち普通にお喋りもできそうだな、カエラム」
通り過ぎる店員にアイスコーヒーを追加で頼みつつ、笑みを浮かべた

ご案内:「カフェテラス「橘」」に烏丸 九郎さんが現れました。
カエラム > 「ひょうか、だな。よろしく!」

また一つ勉強になった。
助けられて嬉しいのはこちらの方なのに、ヒョウカの方が嬉しそうにしている気がする。
人間ってやっぱり面白い。

「おぼえる、とくい。だけど、ろれつがむずかしい。
 こつ、ある?」

雪城 氷架 > 「はは、よろしく!」
ナリはデカくてごっついけど、素直なヤツだ。
最初見た目でちょっと怖いかもと思った自分が情けない

「ろれつ…発音かー…確か言語の習熟度って聞くことが大事なんだよな。
 生まれた時から聞いてる言葉だから自然と話せるようになるって……。
 あんま専門的なことわかんないけど、相手の言葉をよ~くよ~くたくさん聞くこと、が近道なんじゃないかな…」
答えになってんのかなーこれ、と苦笑する

烏丸 九郎 > (カランカランとドアベルがなり少年が入店してくる。
ウェイトレスに席に案内されつつも、嫌でも目につく巨漢と
氷架に目が行く。
気まずい。あれから顔を合わせていなかったが…
なんとなく気まずい。
脳裏に浮かぶ氷架の裸身を振り払いつつ平静を装い席につく。)

ホットドッグとカフェオレ。

(注文は無事に出来た。)

烏丸 九郎 > (あのでかいやつ会話できるようになったのか…
そういえば炎の巨人を倒したあとも、レイチェル…とか言う
風紀委員と話してたっけ。などと思いつつ、注文が運ばれてくるのを待つ。)

烏丸 九郎 > (会話できるなら歌もわかるだろうか…
今度あったら聞いてみるのもいいかもしれない。
だがなんでこんな盗み聞きのような真似をしているのか。
まぁ、氷架と顔を合わせるのがなんとなく恥ずかしいからなのであるが。
氷架は殆ど覚えてないからいいものの、自身は結構恥ずかしいことしてたとおもう。)

カエラム > 「へたくそなの、じかん、たりないから、か。たくさん、たくさん、きく……そうする。」

なるほど、と相槌を打つ。
しばらくはこのアドバイスを意識して日々を過ごしてみることにしよう。

「ひょうかは、たくさんきいたのか? ひとのこえ。」

こんなに綺麗な声をしているのだから、きっとたくさんの言葉を聞いたのだろう。
そんな思い込みから出た質問。

話の途中、以前見かけた少年がこちらに目をやってきた。
カエラムは一度少年の方を向いて小さく会釈をすると、すぐに視線を戻すのであった。

雪城 氷架 > 席に届いたアイスコーヒーのストローを口に咥える
ちょっと長居することになったけど、朝の授業開始までにはまだ時間があるしまぁいいか、とカエラムの食事に付き合うことにした

カエラムの巨体で、新たな入店者は目に入っていないようだ

カエラム > 同様のタイミングで、『もーにんぐ・びーせっと』が運ばれてきた。
運ばれてきた品々をじいっと観察している。

雪城 氷架 > 「そうだなー、たくさん聞いたよ。
 なにせ生まれた時からずっと聞いてるんだもんな。
 自分でも知らないうちに今の言葉を喋ってるんだ、
 慣れっていうか…自然に環境から覚えていくもんなんだろうな」

勿論意識して覚えるものだってある
身近で聞かなかった外国の言葉なんてのがまさにそうだ

烏丸 九郎 > (巨漢に会釈されたが、氷架は無反応。
気づいてはいないようだ。
巨漢には手を上げて挨拶を返しつつ
二人の会話を聞いている…。
何やってんだ、俺は。と半ば自分に呆れながらも
やってきたホットドッグに手を付ける)

カエラム > 「いやがおうにも、だな。かえらむのつかう、ことばも、おなじ。
 かえらむがえらんだ、じゃない、だった。
 でも、あたらしい、ことば。おぼえるの、たのしい。
 こうしてにんげんと、はなせる、だから。」

トーストを手にとってマフラーを下にずり下げようとする。そこで一旦手を止めた。

「おどろく、きをつけて。」

そう言ってマフラーを下げると、皮膚や肉のない、骸骨の口元が露になる。
歯を使った咀嚼は行わず、喉に直接詰め込むような形でパンを飲み込んでしまった。
洗濯機のように体全体を小刻みに上下させながら、感想を述べる。

「うまい!」

雪城 氷架 > おどろく、と言われて首を傾げる。
が、すぐに意味を理解した

……でも
「はは、いまさらそれぐらいで驚いたり怖がったりしないよ。
 そのガタイのデカさのほうが私から見たらヨッポドだったっての」
小柄だから余計大きく見えるというものである
人間じゃないことなんて、わかってた

「お、ほんとか?ここのモーニングはみんなだいすきだからなー」

烏丸 九郎 > (ホットドッグをもっしゃもっしゃと食べながら、耳を傾けているとわかる
氷架はどうやら元気そのもののようだ。
後遺症らしきものも、今のところは無いようで安心した。
乾いた口の中を潤すためにカフェオレを流し込む。)

あちっ…

(予想以上に熱かった)

ご案内:「カフェテラス「橘」」にヒカサ=カノさんが現れました。
雪城 氷架 > 「…ん?」
カエラムの巨体の向こうから聞き覚えのある声が聞こえた気がする
アチッ て

ひょい、と身を乗り出して見てみれば見覚えのあるツンツン頭だ

「あれ、クロウじゃん」
なんのことはない、いつもどおりに声をかけた

烏丸 九郎 > (気づかれないと思っていたせいか
声をかけられたのは不意打ちに近かった。)

のわっ!?

(思わず変な声が出て、カフェオレのカップを落としそうになる…
が、なんとか中身をこぼさずにすんだ。
反射神経に感謝だ。)

よ、よう、氷架

(平静を装い挨拶を返す。どことなく不自然さはあるものの。)

ヒカサ=カノ > [外からクロスバイクのブレーキの音がしたと思うとドアが開く音。]
[自転車の少女がドアの音一つと共に入る。傘を持って。]

[カフェテラスは交流の場所としてもよく使われている]
[学園に入って間もない彼女にはちょうどいい場所だ。]

「適当なコーヒー。アイスでお願いね。」
[いつも通りの注文もだいぶ慣れてきたものだ]

[ちらと客席を見る。見事に全員見ない顔。明らかな長身の男・・・とみられる者が目につき、少し固まっているだろう]

カエラム > 「まじか、よかった。こわがらない、めずらしい。とても、うれしい!
 おー、これも……これも……」

紙を次々とシュレッダーにかけるかのごとく、一品ずつ喉から格納していく。
体内で消化しているのか、そのたびに「ががが」と揺れるのだった。

ヒョウカと少年が顔を合わせたのを確認すると、巨躯は端の方へ座る位置をずらす。

「こっち、くるかー?」

烏丸 九郎 > (普通に誘われた。でかいやつ、案外気さくだな。
などと思いつつ、残ったカフェオレと空いた皿を持って移動する。
断る理由もないからだ。
なんか骨っぽいものが口元に見えている気がするが
あの異形だ。今更ビビるなんてことはない。)

じゃまするぜ。

(巨漢の隣に座り、氷架たちと同じテーブルに付く。
なんか、緊張するのは気のせいではなさそうだ。
ドアベルに反応して、ちらりと入り口を見れば
かたまってる少女がひとりいた。やっぱり目立つな、こいつ。)

雪城 氷架 > 怖がらないのを嬉しがるカエラムを見て、ふわりと微笑む
そうだよな、悪気がないのに怖がられるなんてきっとショックだ
私だって何をする気もないのに、この異能の力を怖がられたら悲しい
少しずつだけど、此処の非日常に慣れてきた気がする
ちょっとやそっとのことじゃ、もう驚かない

「なんだよ、私がいるの気付かなかったのか?」
にぶいやつだなー、と九郎を笑ってやる。
じぶんからは見えなかったので仕方ないと思っているようだ

……近くに来ると、右頬に殴られたような痣があるのがきっとわかる

ヒカサ=カノ > [数日前からカフェに通い始め、それなりに交流を始めてきたと思っていた。まさかのまさか。さすがに考えもしていないようなものがそこに居たら、足が止まるのも無理はない]

「・・・コホン。」
[咳払い一つ、3人が座るであろう席を横切って少し奥の窓の近くの席に向かうだろう。]
[巨躯の男・・・と見えるものを気にしながら]

烏丸 九郎 > (気づいてたけど話しかけなかった…とは言いづらい。
盗み聞きまがいのことをしてたのだから、なんか後ろめたいのだ。)

でかいのと一緒にいるから見えなかったんだよ。
で、その顔どうしたんだ、お前?
痣、あるぞ。

(明るく笑う少女とは裏腹に、少年のピクと、眉をつり上げる。
誰かが氷架を殴ったのだろうことはわかった。
公安か?誰だかしらないが、怒りが湧いてきた。)

カエラム > 入ってきた人間の気配が入り口で固まっていることに気付くと、そちらに視線をやる。
すると、一人の少女がその場に立ち尽くした後、こちらを横切っていくのが見えた。

「ん~……こわいがふつう、だよな。」

うっかり骸骨の口元を、そちらに向けてしまうが、その事には失念していた。

雪城 氷架 > 「あぁ、頭に猫乗っけた風紀委員に思いっきりブン殴られた。
 大変だったんだぞーめちゃめちゃ腫れてさー」
その時のショックはもう和らいだ用で、むっすり思い出して怒るように九郎に会話を返す

「どうだろうなぁ、此処って色んな場所からいろんなものが転移してきたりするみたいじゃん。
 案外もう見慣れちゃったなんて連中も結構いるんじゃないか?」
少なくとも自分はもう見慣れてきたほうだと思う

烏丸 九郎 > そういやお前喋れるんだな。
だったら始めっからそう言ってくれりゃいいのによ。
俺は烏丸九郎だ。
あんたはなんて言うんだ?

(そういえば挨拶を忘れていた。同席する以上は名前の交換くらいしておかなくては。
巨漢に対してはフレンドリーに話しかける。
氷架がこうやって話すということは、多分いいやつだ。)>カエラム

頭にねこ……犬飼さんか…。あの人、そんなことするのかよ。
ひでーな…。

(自分と話してる時は、そんな素振りは見せなかったが
やはり凶暴な風紀委員なのだろうか。
ちょっとショックを受けたような面持ちでカフェオレを啜る)>氷架

カエラム > カエラムも殴られた跡はずっと気になっていたのだが、
うれしがっている時に水をさすのも悪いと思って聞く事はしなかったのだ。

「そうなのか。なら、そうかもしれない、な。」

とは言え、骸骨頭に人体模型ボディの持つ生理的な恐怖を覆せるかどうかは疑問なところだ。

烏丸 九郎 > (横切って、席へとつく少女に一度視線を送る。
きれいな赤い髪だったから。
髪の色が変わったものはたくさん見かけてきたけれど…
緋い髪。それに一瞬目を奪われた。)

カエラム > 「ことばをおぼえたの、さいきん。あのとき……へたくそ、おぶ、へたくそ。
 からすま、の、くろう。おぼえた。じぶんは、かえらむ。よろしく。」

クロウは学園で会った時や先日の騒動でも、ヒョウカと一緒にいた。仲がいいのだろう。
それに、ヒョウカを傷つけた何かに怒りを抱いている。
クロウはきっと、いい人だ。

雪城 氷架 > 「ほんとひでー奴だったよ。女を蹴っ飛ばしたりしてたから止めに入ったら道路に吹っ飛ぶくらいブン殴られたんだぞ、歯とか折れなくて良かった。あんなのが風紀委員なんて世も末だな」
むっすりむっすり、そう言いつつアイスコーヒーを飲む
精神的にはもうとっくに立ち直ってるようだ

「そうそう、第一カエラムお前そんな怖い感じのヤツでもないじゃん。
 そのカッコで襲いかかってきたら流石に怖いけどな」
そう言って笑う氷架の表情はその素直な心しか写さない

雪城 氷架 > 「ん」
赤い髪の少女を目で追う九郎に気づく

「何だ、九郎、一目惚れか?」
にやにや

ヒカサ=カノ > 「―――いや、こわくはな―――」
通り過ぎ、席に着いた時に聞こえた言葉、ぽつりと聞こえたその言葉。
反論する様に3人のいるテーブルに向かって言いかけ、ハッとした。

ヒカサ=カノ > [繰り広げられる独り反省会。]
[見た目で貶める事をしたかと我に返る]
[ほんの数分、もない出来事・・・]

[羞恥と自責が沸き上がり、顔が紅潮。見事に顔も紅い色だ。]

烏丸 九郎 > (カエラムの言葉にはっ、と我に返り
コクリと頷く。)

最近言葉を覚えたのか、なら仕方ねぇな…。
よろしくな、カエラム。あんたの名前、ハートに刻んでおいたぜ。

(自らの心臓を親指で指差して。)>カエラム

バカ、そんなんじゃねぇよ。
ただ、きれいな緋い髪だなーと思っただけだっての。
しっかし、犬飼さんがな…。
俺と話してた時はふつーの風紀委員の先輩だったんだがなー
人は見かけによるもんなのか?やっぱり…
おまえも、あまり変なことに首突っ込むなよ?

(ニヤニヤ笑いの氷架のおでこを指先でこづき)>氷架

カエラム > 「かえらむ、ちゅうりつ。けど、おんじん、ともだち、きずつく、させない。
 すくなくとも、ひょーかとくろうは、おそわない。」

ここまで素直な人間は、自分のいた時代にもいなかった。
ヒョーカとは仲良くやっていけそうだ。
その時のカエラムはきっと顔があったら、微笑んでいた。

「ひとめぼれ。おお、ひとめぼれ、ひとめぼれ。」

少女に目を奪われる九郎と、顔を紅潮させる少女を交互に見やる。
背丈がかなりあるので、死神は席を見渡せるのだ。

カエラム > 「――っ! それ、やぶれたら、あぶない! びょういん!」

心臓へ物理的に刻み込んだものだと思われてしまったようだ。
「びょういん」を連呼しながらあたふたしている。

雪城 氷架 > コツンとおでこを小突かれればやっぱりむすっとしたいつもの顔
「ウルサイな、お前だったら女の子が殴る蹴るされてたら放っとけるのかよ…」
変なことに首突っ込むなと言われればぶーたれる氷架である

「はは、ともだちが傷つくの許せない、か…カエラムは優しいな」
体の大きさも、その顔も、普通の人間からは程遠いけど、
悪巧みばっかりやってる人間なんかよりよっぽどピュアなやつだと思った

ヒカサ=カノ > やってきたコーヒーを一口。そして外を見て、落ち着きを取り戻そうと。
コーヒーはアイス、そしてブラック。口と喉を癒していく。

(そろそろ梅雨か・・・)
[とぼんやりと。]
[落ち着いた所で、3人の方をチラと見る。]
[入った時の驚きはどこかへ行ったようだ]

烏丸 九郎 > ちがうっていってんだろ!?

(カエラムの言葉がからかっているように聞こえたのか
頬を赤く染めながら、あわあわと反論する。)

あー、あと、ハートに刻んだっていうのは、魂に刻んだって意味だからな!
心臓のほうじゃねぇ。

(勘違いに説明を入れるのもなんか恥ずかしい。)>カエラム

そりゃーおまえ…ほっとけないけどよ…。
お前も女の子なんだからよ、そのへん忘れんなよな。

(少年にも、少女に負けない程度の正義感はある。
だが、他人よりも目の前の少女が危険な目に合うほうが嫌だった。)>氷架

雪城 氷架 > 「しょうがないだろ、目の前で女の子がひどい目にあってたら、割りと自分のこととか考えてる暇ないもんな。
 ……次からは気ーつけるよ」
考える前に出る行動である、どうしようもない
それでも自分を心配する気持ちはわかる、複雑だ

烏丸 九郎 > そういう場合はしょうがねーかもしれねーけどよ
無鉄砲に突っ込むからそんな痣こさえてるんだろうが。
なんかあったら、俺か、誰か頼りになるやつにでも連絡しろよな…。

(氷架の痣を指さしつつ、一つため息を付いた。
こういっても彼女は止まりはしないだろう。それはわかっていたから。)

カエラム > 「ありがとう。けど、ひょーかはもっと。
 ともだちまえのかえらむ、たすけた。」

実際、中々出来る事ではないことはわかっている。
ほとんどの人が自分の事で手一杯で、助けを要する側でいるのだから。
落第街やスラムを見ていると、それが顕著になってくる。

ちらりとこちらの方を見る少女と視線が合う。
二度目だったので、軽く会釈をしておいた。

「そうなのか、ざんねん。」

こちらに来てからというもの、色恋沙汰をめっきり聞かない。
性のないカエラムにとって、そういった話は興味深いものであった。

「なるほど、ありがとう。けずりすぎない、ようにな。」

魂というものは得てして消耗品である。
そんな限られたスペースの中に自分の名前を刻んでくれたことには、感謝したい。

ヒカサ=カノ > (あ、そうだ・・・)
[一つメモを取り出し]

(-月-日)
(ノエルくん・・・だっけ。今度ゲーセン行く話があったな。)

(-月-日)
(オッドアイの華奢なコとぼんやーりした黒の長いコ。)

(-月-日)[今日の日付か]
(銀のツインテの子、赤黒メッシュの男の子。ギターかな、バッグが分かりやすい。それとめっちゃでっかい・・・人?)

[いつものメモ帳に纏め始める。今までのカフェでの事を書き留めておく。いつか使えるであろう日のために]

烏丸 九郎 > 残念ってお前な…。
俺は一目惚れとかしないっつーんだよ。

(わりと俗っぽいな、こいつ…と思いながら。
それと同時に氷架の声に一発で惚れ込んだ自分を思い出す。
これはまた、一目惚れとは違う次元だ。恋よりも自分は音楽なのだ。OK?)

へっ、名前刻んだだけで擦り切れるようなやわな魂じゃないぜ。

(魂は消耗品。だが少年はそんなことは露とも思ってはいなかった。)>カエラム

カエラムが会釈するのをみて、その方向に顔を向ければ
きれいな緋色の髪。自分もつられて会釈する。>カノ

雪城 氷架 > 「っと、やばい。
 一限目の前に補習あるんだよ」
流石に長居しすぎた。
鞄を肩にかけて、自分の分の伝票をくしゃっとつかむと立ち上がる

「悪いけどもう行くよ、またなー」
手をひらひら振って、足早に会計を済ませて、カフェテラスを後にした───

ご案内:「カフェテラス「橘」」から雪城 氷架さんが去りました。
烏丸 九郎 > まーた補習かよ。
…俺も補習とかあるかもしれねぇな、近々…。

(さすがに最近サボり過ぎな気がするし。
去ってゆく氷架にひらひらと手を振って見送る。)

ヒカサ=カノ > 会釈する二人。ちょっとばかり委縮しなが、返す。
(あっ、一人でてっちゃった・・・)

少し残念そうな表情で出ていく銀髪を見送る。

まぁちょうどいいし、と思ったか、コーヒーを片手に席を立ち、先ほど3人のいた席に近づいていく。
「どうもー。さっきから色々と失礼いたしました」

カエラム > 「なるほど、くろうのたましい、おおきいんだな。」

あるいは、こう。
クロウはたくさんのことを刻めるほどの、大きな魂を持っているのかもしれない。
所謂大物というやつだ。

「またー。」

去り行く氷架に手を振って、見送った。

カエラム > 「どうもー。きにすること、とくにないぞ。」

座っても大丈夫だと言いたげに、手の平で向かいの席を指す。

烏丸 九郎 > いや、こっちこそワリィな。なんかジロジロ見ちまってよ。

(緋色の髪の少女、まさかこっちにくるとは思わなかった。
少し意外そうな顔をしながらひらひらと手を振って、気にするなという仕草をする。)>カノ

そうだぜ、俺はBIGになる男だからな。
大成するぜ、俺はよ。

(故にBIGな魂を持っていると言いたげな少年はカラカラと笑っていた。)>カエラム

ヒカサ=カノ > それじゃ、お言葉に甘えて、と席に着く。

「どうも、私はヒカサ=カノ。ヒカサでもカノでも適当に呼んでちょうだい?で、二人とも・・・学園生・・・?」
軽く自己紹介。少し疑問符を付けながらだが、ここにいる客はおおよそ学園生であることを予想して、問うた

烏丸 九郎 > ああ、それじゃ遠慮なくカノって呼ばせてもらうぜ。
俺は烏丸九郎だ、よろしくな。
俺は学園生で1年だな。カエラムは……ちがうんじゃねぇかな…?

(やや馴れ馴れしく自己紹介をすます。続く言葉には素直に答え、それと同時にカエラムを見やる。
この異形で授業を受けているさまが想像できないというかなんというか)>カノ

カエラム > 「じぶんは、かえらむ。かの、よろしく。
 かえらむ、がくえんせい、ちがう。ふりー。」

名前で呼ぶのが当たり前だという感覚を持つカエラムは、あっさりと下の名前で呼ぶのであった。
職業について色々と質問される前に何者でもない、ということをあらかじめ言っておく。
たまに授業を覗いてはいるのだが。

ヒカサ=カノ > じゃあ二人ともよろしくね、と小さく挨拶して。
[メモ帳に少しだけ書き加える。特徴の部分を丸で囲って名前をサラッと。]

うーん、まぁそうかと軽く九郎に返した後
何者でもないというカエラムにはそれ以上は口を出さなかった。

烏丸 九郎 > カノもこの学園に来たばっかりだったりするのか?
俺も最近転入してきたんだけどよ。

(冷めたカフェオレを飲みつつ話を振ってみる。
なんかメモしているようだが、あまり気にしないほうがいいだろう。)>カノ

カエラム > 「―――かえらむ、そろそろいく。」

そう言って、垂れ下がる照明をかわしながら席を立ち上がる。
今日は本当に楽しかった。また、ここに来てみるのも悪くない。

「それじゃあ、また。」

色んなものにぶつからないよう気をつけながら手を振って、その場を後にする。

烏丸 九郎 > おう、またな。
カエラム。

(ひらりと手を振って見送る。
今度は、歌でも聴かせてみようか。
言葉がわかるなら、伝わるだろう。)

ご案内:「カフェテラス「橘」」からカエラムさんが去りました。
ヒカサ=カノ > うーん、まぁそんな感じ。
当たり障りのない言葉を返して。

「カフェは結構いろんな人がいるし、学園生がほとんどだから、知り合い増やすにはいいところかもね」
コーヒーを一口。氷が解けてコップが濡れていたのをペーパータオルで拭く。

じゃあまたね、カエラムくん
手を振り見送るだろう。
(くん、でよかったかなぁ・・・)
と少し考えながら。

烏丸 九郎 > そうだな、まぁ、学生同士の憩いの場所ってやつか?
飯も美味いしな。

(残ったカフェオレを飲み干しつつ答える。)

にしても、あんた綺麗な緋い髪だな。ステージ映えしそうだぜ。

(カノの緋色の髪をまじまじと見つめて。)

ヒカサ=カノ > 色んな意味で憩いになるならゲーセンもあるけど、と一つぽつりと呟いて。
なんでもない。と一言。

(ご飯食べたことなかったなぁ・・・今度食べてみよう)

[髪を見つめられて]
「そう?ありがと。そういう人あまりいなかったから嬉しいかも。」
[照れくさそうに笑顔で返す]

「ステージって、"それ"のこと?なんか大物になってやるとか言ってたし・・・」
[ベース用のバッグを指さして聞いた。]

烏丸 九郎 > そうか?俺もそれくらいきれいな緋い髪だったらって思うぜ。

(そういう人があまりいないということに、意外そうな顔をして。
自分も同じように赤い髪だったらメッシュなんていれる必要もなかっただろうにと思う。)

ああ、そうだぜ。俺は音界の覇者になる男だ。
今のところ、まだステージには立ったことねぇんだけどよ。

(背負っていたベースバッグを揺らして答える。
ステージに立てなかったのは主に人員不足で。
だが、今は軽音部も五人。大衆の前に立てる日も近いだろう。)

ヒカサ=カノ > 「私も黒髪とかに憧れたことあったし、さっきの銀髪の子?あぁいうのも羨ましいかなー」
無いものねだりなんだよ、きっと。
付け加えるように一言。

「じゃあ"未来の覇者"さん、確と覚えましたわ。楽しみにしてるね」
コーヒーを飲み干す。氷は融けて残っていなかった。

烏丸 九郎 > ないものねだりか…違いねぇ。
みんな違うから、それだけ輝くってもんだろうしな。

(ゆっくりと立ち上がると伝票を持って。)

ああ、楽しみにしといてくれよ。
絶対にミュージックシーンを塗り替えてやるからよ。
それじゃ、俺もそろそろいくぜ。またな。

(ひらりと手を振りながら、去ってゆく。
会計を済ませれば、ゆっくりとした足取りで店を後にする。)

ご案内:「カフェテラス「橘」」から烏丸 九郎さんが去りました。
ヒカサ=カノ > [立ち去っていく九郎の姿を送って、カフェに残る一人。]
[メモ帳には"未来の覇者"と一つ書き加える]

(この髪も案外捨てたもんじゃないねぇ)
[滅多に言われない髪の件を思い出し、笑みがこぼれる]

[おっと危ない、拾い上げていつもの表情]
[飲み干したコーヒーは空になって、底に小さく茶色の輪を作るのみ]

[伝票もってお会計、楽しい会話ももうおしまい]
[緋色の少女はそのまま外へ、カフェは静寂に包まれる]

ヒカサ=カノ > [店の前、クロスバイクの鍵を開けたところで"いつも"のがないことに気付く]

あっーー!!忘れ物!!
カフェの隅、最初に少女がいたところに置いてあった傘。
少しバタバタと回収、再び外へと出ていった。

再びカフェは静寂に包まれる。
間もなく雨音で静寂はまた遮られるだろう―――

ご案内:「カフェテラス「橘」」からヒカサ=カノさんが去りました。
ご案内:「カフェテラス「橘」」に綾瀬音音さんが現れました。
綾瀬音音 > あー、もうヤダ(パタリ、とアイスティを押しのけてテーブルに突っ伏した。4人がけのテーブルを一人で占拠してやっているのは課題宿題、兎に角お持ち帰りの勉強だった。逃走生活のツケである。取っている教科の先生を謝罪と単位の話のために回れば皆が皆申し合わせたように課題を出すのである。酷くないだろうか。一応こちらは被害者だったはずだ。冤罪だったはずだ)先生たちの鬼ぃ……(期限は決して短くはないものの、それでも量が多かった。暫くは課題に追われる日々が続くのか。うんざりである)
綾瀬音音 > (普段真面目に寝ることもサボることもなく授業を受けて課題を提出してるんだから、お目こぼしくらいくれたっていいじゃない。そう思うが現実は課題の山である)……あー、誰か手伝ってくれないかなぁ……(課題は真面目に自分でやるものだ。解っているし、普段なら自分一人でやる。だが心が折れそうな量だった。日常に帰っていたはずなのにピンチである、無駄に)……………(身体を起こしてアイスティをずずずず、と飲む。久しぶりの紅茶がちっとも美味しくない。しかめっ面をした)
綾瀬音音 > ―――(とは言えしかめっ面をしようが喚こうが課題は終わらない。それが現実だ。課題をやっつけなければ単位を落としそして留年が待っている。留年は嫌だ、人の留年なんぞ気にしはしないが、自分の留年は恥ずかしい)…………ストレートで大学入りたいしぁな(とは言え、実際の所大学に入る理由は既にない気もする。それならもう一回ここに再入学して実技系を中心に取得した方が良いのではないだろうか。悩み事は尽きない)
ご案内:「カフェテラス「橘」」に上泉 和正さんが現れました。
上泉 和正 > (今日も甘いモノが食べたくてカフェにやって来た。
すると目に入ったのは課題の山に苦しんでいる
綾瀬だった)

おや?確か名前は……綾瀬ちゃんだったかの?
こんにちは。見たところ逃亡生活中の課題といったところか……
もしわしと相席してくれるなら
数学と物理、化学と英語なら質問に答えられるから
質問してもええぞ

綾瀬音音 > (気持ちは課題の山に埋もれている。勿論そこまで課題は出ていない、気分の問題であった。なんだか悲しい気分になってスンスン花を鳴らしてからシャープペンを持てば、見知った老教師の姿)はい、綾瀬です。……まあ、その、ツケが全面的に回ってきてます……(はははは、と力なく笑えば相席の言葉に彼が甘味を楽しむスペースを作ろうか)じゃあ化学の方で。思った以上に授業のペース早くてちょっと難しいんですよね(と言いながら化学の教科書とプリントを引っ張りだす。余計なものはスクールバッグへと片付けた)
上泉 和正 > まあ、パフェでもおごるから頑張ってくれい
(はははと軽く笑い席に座る)
どれどれ
(そう言って化学の質問があれば的確に答えるだろう)

綾瀬音音 > わ、いいんですか、パフェ!!(老教師の言葉はぱあああ、と顔を輝かせた。勿論甘いモノは大好きだ。しかも課題に埋もれている現在であれば。まさに地獄に仏、否教師)ええと、ここの化学式なんですけど――(と、質問を重ねる。確かに授業に出ていない分遅れてはいるが、基本的には真面目に勉学に励んでいることが知れるだろう。自分の質問に対する的確な答えは、効いていて惚れ惚れする位。何故自分はこの教師の化学の授業を取らなかった)……先生はそう思えば、専攻は魔術のとかの方でしたよね? エンチャントだったか(ひと通りプリントを埋めきって一段落すれば、アイスティで唇を湿らせてそんな質問を)
上泉 和正 > (綾瀬のぱああと明るくなった顔を見て良かったと思い微笑む)

ああ、付呪じゃ。だが鍛冶屋でもあるからの……
作ったものが現役で通じるには現代化学的知識も必要だったんじゃ
それに付呪では水銀を使ったりもするからなおさらじゃ

(なぜ化学の知識があるのかを答える)

ま、このように一見関係なさそうなモンでも実は深く繋がっていたり
するんじゃ。だから基礎教養というのは大事なんじゃ

(そして今の勉学の大切さを説く。その様子は相手を本当に
気遣ってのものだった)

綾瀬音音 > (じゃあ、遠慮無くとパフェを頼もうか。それから)先生って多芸なんですね。知識量は日に日に増加して、技術は日に日に進歩していきますものね。古いものが悪い訳じゃないでしょうけれど。……ああ、なるほど(水銀、と聞けば頷いた。魔術の座学でよく聞く物質だ)ん……そうですね。基礎学力があれば、それだけ選択肢も増えますし。何に関しても(うんうん、と勉学の大切さに頷いて。基本的に誰かに教えを乞うのは嫌いではないのだ。そして、パフェが運ばれてくる。上泉が頼んだものもあれば一緒に運ばれてきているだろう)
上泉 和正 > おおっわしの抹茶わらび餅白玉あずきも来たわい。
(上泉が頼んだのは和風の抹茶がかけられたわらび餅と白玉、
あんこが盛りつけられ黒蜜がかけられている和風スイーツだった)

しかし歳を取ると甘いモノが欲しくなってもパフェが食えなく
なっての~若いもんが食べる姿を見るだけで満腹になるわい
(そう言う姿は笑みを浮かべているが少し寂しげである)

綾瀬音音 > わ、先生のも美味しそう!! なんか夏っぽくていいですねー(和風属性山盛りのスイーツに目を輝かせて。今度これ頼もう、と密かに誓った瞬間だった)あはははは……私はこれくらいペロって行っちゃいますけどね。生クリームにソフトクリームの組み合わせは最高に凶器(体重的な意味で)だけど最高に幸せな組み合わせです。……流石に一口、ってわけには行かないしなぁ……(一応異性相手なので。ウエハースをカリカリ食べながらそんな呟き)
上泉 和正 > ところで質問なんじゃが和菓子とかは好きかな?
(少し真面目な口調で言う)
いや、わしは自宅に遊びに来た人に和菓子をご馳走することに
しているんじゃが洋菓子の方がいいか最近悩んできてのう……
(上泉の様子は少し困窮しているようだった)

綾瀬音音 > ん? 和菓子ですか?(まばたき一つして、それが雑談というよりは相談、に近い話だと理解すれば)私は好きですよ、洋菓子には無い優しい甘さとかがありますし。見た目も季節毎に綺麗なのが沢山有りますしね。気になるんなら、日持ちのする洋菓子と和菓子を用意して、お客様の好みに合わせて出せばいいんじゃないですか?(流石に生洋菓子生和菓子になってしまうと常備は難しそうだけど、と、確りパフェを食べつつそんな提案をした)
上泉 和正 > なるほど……しかし和菓子はいい店や通販のルートを知っているんじゃが
洋菓子の方はてんで分からん。どこかいい店か通販サイト知らんかの?
(平常な口調で綾瀬に洋菓子の紹介を頼む)

綾瀬音音 > ん――通販はあんまり知らないけれど、おすすめのお菓子屋さんなら知ってますよ? 洋菓子だけじゃないですけど(と、商店街にあるとあるお店を紹介する。女の子受けしそうなポップでキュートな外装の、金額も品揃えもピンからキリまでのお菓子屋さんだ。ここに行けば生系以外のお菓子はだいたい揃う)
上泉 和正 > おおっありがとの
(紹介してもらえて嬉しそうに笑う)

っとわしはそろそろお暇させてもらうの。
これパフェ代じゃ
(そう言って渡そうとしている金額はパフェ代より少し多い)

お釣りはお小遣いでも追加注文でもしなはれ
不幸な目にあったのじゃからこれぐらいの幸運はな

(そうにこやかに言う)

綾瀬音音 > いえいえ、教えてもらって奢ってもらったんですからこれくらいは。……そうですか、色々ありがとうございました(と軽く頭を下げて――差し出された金額に、すこし申し訳無さそうな顔をしたが、続けられた言葉で、素直に頷いた)はい、ありがとうございます。それなら素直に貰っちゃいますね(ご厚意には甘えることにして、笑顔を向けて頭を下げた)
上泉 和正 > では……良き学園生活を送ることを願っておるぞ
(そう言って自分の分のお会計を済ませカフェの外へ行った)

ご案内:「カフェテラス「橘」」から上泉 和正さんが去りました。
綾瀬音音 > はい、ありがとうございました!(と、笑顔で見送って頭を再び下げる。それからパフェを食べきり、今度は温かな紅茶を頼んでからこの場を後にしよう。課題と戦う英気は養った、後は不退転の決意で進むのみである――)
ご案内:「カフェテラス「橘」」から綾瀬音音さんが去りました。
ご案内:「カフェテラス「橘」」に麻美子さんが現れました。
麻美子 > カフェテラスにゆったりと腰掛け、ミルクティーを飲む。

「いやー、今日の授業も疲れたッスねー。」

平穏な日常、授業を終えた未見不麻美子は、
カフェテラスでお茶を楽しんでいた。

「今日も平穏、特に事も無しッス、いい事ッスね。」

落第街のほうでは相変わらず不穏な噂が絶えないが、
「あそこ」では「あそこ」のルールがある。
不穏な噂も、落第街では日常の一つだ。
たとえ、可愛らしい少女が被害にあっていたとしても。

先ほど報告した内容を一瞥し、ふぅと息をつく。
親友が被害にあっていたらと思うとぞっとするが、
親友2人は落第街に行くような人間ではない。

「……そ、これが学園のルールッス。
 自業自得、自己責任、そんな『場所』に居るのが悪いッスよ。
 そういう目に合うのが嫌なら、避けるべき努力をするべきッス。」

その場所には言葉どおりの意味だけでなく『立場』というのも含まれるのだろう。

麻美子 > もっとも、その避けるための情報を与え、
無関係の人間が巻き込まれないようにするのは記者の務めだ。

「落第街には近寄らないように、
 ……って警告でも出しておくッスかね。」

くるりとペンを回すと、カンカンとタブレットを叩く。
校内向けの情報サイトに、警告文が載った。

「あとは、ロストサインの情報ッスか。」

手元の資料をパラパラと捲る。
先の炎の巨人の事件後、その混乱に乗じてかたまたま気分でも乗ったのか、
数人の『ロストサイン』の活動が報告されていた。

一部はただの噂という可能性もあるが、
『絶対遵死』『侍』『騎士』情報として得ているのはその3人。
『騎士』は麻美子も接触していて、『侍』とは玲刃が接触したらしいから確実に居る。

話しによると、あの蟲使いも『元ロストサイン』らしいから、
これで4人の『ロストサイン』が今この学園に居ると言う事になる。

「こっちも念のため警告を出しとくッスかねー。
 実際どんな人なのかとか、何がしたい団体なのかーって
 一切知らないんスけど。」

『ロストサインを名乗る人間に注意』と警告文一覧に追加すると、
タブレットの画面を閉じた。

麻美子 > タブレットと資料を鞄にしまうと、
店員に改めてチーズケーキを頼んだ。

「ま、今のところは目立った被害者はなし、今日も学園は平和ッス。」

仕事が少ないのは確かに暇だが、ブン屋が暇なのはきっといい事だ。

「平和なら、折角ッスから何か楽しそうな話題でも探すッスかねー。」

危険が無いなら、学生生活を楽しむ余裕ができる。
ここは何か心が躍るような面白いニュースでも掴んで、
まだどこか事件の爪痕の残っている感のある、学園のムードを盛り上げたい所だ。

「やっぱり色恋、あとは友情……。
 なんか楽しいイベントでもあるといいんスけどねー。」

ご案内:「カフェテラス「橘」」に『室長補佐代理』さんが現れました。
麻美子 > なんなら、そんなイベント無いのにイベントがありますと書いて、
なし崩し的にイベントを起こしてもいいかもしれない。

「といっても、色々中途半端な時期ッスね。」

そろそろ夏休み前の一斉試験が開始される。
学園の規模が規模であり、単純な学力は勿論、
全員の異能や魔術についても試験を行う為、試験を行う期間がやけに長い。

『それが終われば夏休みッス、補修がなければッスけど』

そう夏休みの予定に思いを馳せる。
夏祭りに花火大会、七夕に、海、プール、
夏は学生にとっての楽しいイベントが盛りだくさんだ。

『室長補佐代理』 > 「じゃあ、そのケーキは奢ってやろう。約束だしな」
ケーキを頼んだ直後、背後から声かかかる。
振りかえれば、そこに居るのはザンバラ髪の例の男。
相変わらずのにやけ面ではあるが……目の下のクマが深くなっている。
「俺はコーヒーを頼む。濃いやつでな」
そう、店員に頼み、断りもせずに対面に座る。
「ああ、飲み物も約束だったな……いいや、面倒だここは俺が奢ってやる。それとも、別のもんのほうがいいのか?」
言いながら、重そうな鞄を椅子の隣に置く。

麻美子 > ビクッと全身を強張らせるが、振り向けばにっこりと笑い

「なんスか、『室長補佐代理』サンッスか。」

『びっくりさせるなッスよー』と笑って返し、
深くなった目のクマを見れば、少し躊躇う。
昨夜この男が事件の解決に乗り出した事は知っている。
調査部所属であるこの男が実働したということは、何か事情、
―――いや、私情があるのだろう。

印象だけ見れば人間離れした男だが、
それなりに人間している事はもう既に分かっている。

「なんスか?そのクマ、
 夜更かしは身体によくないッスよー?
 ただでさえ顔が怖いんスから、それ以上怖くするなッスよ。」
『麻美子が隠れる感じにメイクしてやるッスか?』と付け加えつつケラケラと笑う。
こう、V系みたいな感じにメイクしたら似合いそうだ。雰囲気的に。

「じゃ、お言葉に甘えて奢ってもらうッスよ。
 ジュースは2本ッスから、あと一本はまた今度ッス。」

『紅茶は一杯しか頼んでないッスからね』とミルクティーのカップを揺らす。

対面に座った事については、もはや何も言うまい。

『室長補佐代理』 > 「ちょっと色々あってな……急な仕事が入ったんで久々に徹夜したらこの有様だ。睡眠時間だけは本来仕事柄確実にとらなければならんのだが……溜まり過ぎたコイツがそれを許してくれなくてな」
皮肉気な笑みを浮かべるが、それでもわかるほど忌々しそうに足元の鞄の中身を睨みつける。
「化粧か……まぁそうだな、仕事で必要になったら頼むとしよう。血色が悪すぎると流石に問題だと自分でも分かるからな」
この男でも一応そういうのは気にしているらしい。
気にした上で普段の有様な部分からして、もう根っから笑顔の似合わない顔ともいえる。
「次はじゃあそっちで好きな店を選べ。多少高くても奢ってやる。ブン屋に手伝ってもらった課題はかなりの高評価でな。お陰で首がつながった。改めて礼をいう」
そういって、座ったまま頭を下げる。

ご案内:「カフェテラス「橘」」に志葉恭介さんが現れました。
麻美子 > 「まだ課題があったんスね、
 手伝えそうな事があったら手伝うッスよ?
 理数系の科目教わりながらッスけど。」

頭を下げられれば顔を引きつらせる。
この男に頭を下げられると正直不気味だ。

「なんか今日は妙にしおらしいッスね、正直不気味ッスよ?」

下げられた頭をぽんぽんと撫でる。
ザンバラに切られた頭は少しチクチクした。

「ま、麻美子に出来る事があったらなんでも言うんスよ?
 知らない仲じゃないッス。話くらいは聞いてやるッスから。
 ……場所は『室長補佐代理』サンのおごりの高い店ッスけど。」

そう言うとケラケラと笑って、改めて頭をボンボンと叩いた。

「ほら、不気味ッスから、早く頭を上げるッスよー。」

志葉恭介 > 序でに此方の飯も奢って頂きたいものですが。

【珈琲にトースト。いつも通りのセットの載ったトレイを手に、黒ずくめの少年は過日の再現となるかのようなテーブルへと声を掛ける】

と言っても俺がやったのはせいぜいビラを作って撒いた程度でありますがね。
聞き伝える話ですと、手打ちは為ったという所だろうか。

【そうして、いつも余裕の態度を崩さぬ『室長補佐代理』の若干に憔悴した風に片眉を上げ】

にしても、アンタが寝不足とは。珍しい事もあるもので。

『室長補佐代理』 > 「義理は通すってだけだ。ブン屋の手伝いがなけりゃ今回の徹夜でも課題が間に合わなかった可能性がある。そうなったら追試がまた増える羽目になってたからな……おいわかった、頭あげるから頭撫でるのやめろ」
そういって、頭をあげる。
そして、不気味と言われればニヤリといつも通りの笑みを返す。
「じゃあ課題もまた今度頼むぞ。正直、全くおいついていない。手伝ってくれるなら多少の出費もやむなしだ」
そういって、肩を竦めると……

「おう、志葉君。その節はご苦労。ああ、色々面倒事が続いてね。俺はこう見えて徹夜には弱いんだよ」

などといいながら、少し席をずらしてやる。

麻美子 > 先日の再現のような机ではあるが、机の上の様相は随分と異なる。
可愛らしい筆箱に、山ほどの課題、理数系の教科書ノート。

まさに学生らしいといったカフェテラスの机は、
日常に戻ったという証なのかもしれない。

「志葉サンじゃないッスか、久しぶりッスね。
 ま、約束ッスから奢ってやるッスよ。」

『あ、あとこれ、仕事の報酬ッス』と茶封筒を手渡す。
10万円分くらいは入ってそうな厚みだ。

「おかげ様で無事解決ッスよ。
 また『何か』あれば頼むッスよ、志葉サン。」

そう言ってにししと笑った。

『室長補佐代理』 > 相変わらず右手は使えないので左手一本でああだこうだする。
無駄にでかい図体でテーブルの上のものを落とさないように気を使うため、動きがいちいち緩慢である。
連日事件続きだったせいで久しくこういうことはなかったが、日常に戻ればここにいるのは全員学生。
なら、皆それぞれの日常に、普段は苦笑交じりに喘ぐのだろう。

志葉恭介 > 【仏頂面のまま腰を下ろす、と。手渡された茶封筒の重みにさらに表情は硬くなり】

まぁ、それは構わんのだけど。今格差社会という言葉が脳裏に浮かんだ事だけは報告しておきたいと思う。
いえ、ありがたいお話でした。今後共宜しくお願い致します。

【敬語である。茶封筒の重みは容易く少年の自尊心を凌駕した】

しかし、そろそろ期末考査も近いのか……憂鬱なものだ……

麻美子 > 頭を上げれば、今度は背中をバンバンと叩いた

「真面目ッスねー、公安委員って立場を除けば友達じゃないッスか、
 義理とかいいッスよー。」

『課題とかがあれば助け合うのも学友ッス』と言いながら、
へらへらと笑って手をひらひらと動かす。
ま、もう友達みたいなものだろう。

「あ、あとそろそろそのブン屋っていうのやめるッスよ。
 普段は『麻美子』って呼ぶッス。
 仕事とプライベートは分ける主義ッスから。」

ふふんと笑う、とはいえ、
彼の名前は調査中なのだが。

「あ、『室長補佐代理』サンは名乗らなくていいッスからね?
 いつか絶対調べて名前で呼んでやるッス。」

麻美子 > 「広報部に裏切られると学園側としては超困る事になるッスからね。
 飴は『少しばかり』多目なんスよ。」

敬語になる彼に『ま、精々敬うんスね。探偵サン。』と笑いかけた。

「そうッスねー、異能と文系科目はいいんスけど、理数系は苦手ッス。
 ……志葉サンもバカ組みッスか?わりと頭よさそうな見た目ッスけど。」

『室長補佐代理』 > 「まぁ友達といってくれるのは色々とありがたいが。俺の名前も好きに調べ……え、あ、ああ……じゃあ名前か……あー名前なぁ……」
いわれて、淀む。
いや、名前は知っている。
しかし、実際呼ぶとなるとどうなのであろうか。
仕事柄、同僚とは当然名前では呼び合わない。
そして、友人といわれると、まぁ当然ながらこの男はほとんどいない。
気安い関係というのは逆になれていないところがあるのだ。
しかし、相手がそういうのだからそこはまぁその通りにしなければ失礼だろう。
一応義理を重んじるこの男は、その要求に応えるべく、まずは実行に移してみたが……
「未見不……さ、ん……?」
呼んだ途端、何故か妙な気恥ずかしさを感じる。
「……志葉君。女子の名前はどうすれば上手く呼べると思う?」

志葉恭介 > ……まぁそもそも裏切る裏切らないの丁々発止が委員会やら部活間で日常茶飯事のこの学園がおかしいのだが。

【外の世界ではごく常識的な事が、この治外法権の楽園ではまかり通らない。故に今回の非日常な乱痴気騒ぎが在るわけだし、今日のこの日常のカフェテラスの風景が在るのだ】

バカ組とは人聞きの悪い。
……まぁ、化学やらはかなり苦手だが。あと情報系は駄目だ。何言ってるのかさっぱり分からん。

【そうして、普段は傍若無人を絵に描いたような男の戸惑った風情にくすりと笑い】

気恥ずかしいのであればくん付けと言うのは如何か。
未見不くん。なんだかハイカラな響きであるなぁ……

麻美子 > 未見不さんと呼ばれれば全身に鳥肌が立った。

「なんでサン付けなんスか!!後輩ッスよ?
 麻美子でいいッスよー!!!」

「志葉サンもッス!!なんでクン付けするんスか、
 クン付けしていいのは探偵の助手くらいッスよ!!」

ぷくーと頬を膨らませて腕をぶんぶんと振る

「ほら、コールミー、『麻美子』、ッス!!」

室長補佐代理の服の襟を掴んで顔をじーっと見る。

『室長補佐代理』 > 「い、いや、しかし、女子を気軽に……その、下の名前で呼ぶのはだなぁ……」

そこで、志葉の提案する『くん』付で妥協しようとおもったが、麻美子にそう詰め寄られるとそれは不可能だ。
黒い瞳が麻美子の鮮やかな黄茶色の瞳と視線を交わらせる。
至近距離であるせいか、男の瞳孔が普段より揺れているのがわかる。
単純に困惑しているのだろう。
だが、最後には結局観念して……もう癖になっているのか、眼をそらさずに。

「わかった……麻美子、これからはそう呼ぶ。これでいいんだな?

志葉恭介 > タンテイだしなぁ。そりゃあくん付けもしようものよな……

【完全に他人事、野次馬根性で事態の推移を見守る】
【なんだか一大イベントめいた決意を伴う『室長補佐代理』の言葉にニヤニヤと笑みを浮かべるのを堪え切れない】

というか其処に引っかかるのかアンタ。今日日下の名前で女子を呼ぶ程度でそこまで……?

麻美子 > 「それでいいッス。」

満足気ににっこりと笑って頷くと手を離した。
といっても、さほど強い力で握っていたわけではない。
シワになったりはしないだろう。

「志葉サンもやっぱりバカ組みッスね。
 案外、公安とか風紀とか情報屋とか、
 そういう人達はバカばっかりなのかもしれないッス。」

忙しいッスからねー、と苦笑しつつ、紅茶を一口飲んだ。

『室長補佐代理』 > 困ったように後頭部を掻きながら、解放されるとようやく来たコーヒーを飲む。
「……ただのジンクスだ。昔色々あってな」
と、そこまでいったところで、自分でも気づいたらしく、頭をふって苦笑する。
「今喋ることじゃなかったな。忘れてくれ」
そういって、いつもの不敵な微笑に戻る。
そして、勉強の話題になると、左肩だけでまた肩を竦める。
「まぁ仕事が忙しいからな。俺はお前達と違って、自慢じゃないが得意分野はないぞ。万遍なくギリギリだ」

麻美子 > ジンクスとかそういう言葉に敏感な麻美子は、興味津々に瞳を輝かせる。

「どういうジンクスなんスか?
 聞かせてくださいッスよー!!
 ……あとそれ、その不敵な笑みで言う台詞じゃないッス。」

満遍なくギリギリという言葉には呆れたような笑みを返した。

志葉恭介 > そういうのを気にする質だってのが意外ではある。

【だが、態々突っ込んで聞くことはすまい。彼とて彼の理由があって今の地位に居るのであろう】
【其処に思いを馳せる事は在っても、ほじくり返したいと思う程に暴露趣味が在るわけでもない】
【だが其処に突っ込んでいく年頃の女子の興味というものに若干恐ろしい思いを得つつ珈琲吹きそうになるのを堪える】

……まぁ、それでも一応真面目にやれば及第に乗るのだから。優秀でなければならぬという事もないったらない。

『室長補佐代理』 > 「昔から俺は人付き合いが苦手で特に女子には嫌われることが多かったってことだ」
曖昧にそういいながら、コーヒーのお替りと、ついでにサンドイッチを頼む。
「まぁ麻美子なら大丈夫だろう。お前は色々強かな女だからな。今回の件でああだこうだつきあわせてもらって、実力は何も疑ってない」

麻美子 > 「なるほど、そういう事ッスか。」

妙に納得したように頷く。

「……そ、そうッスか、なんだか『室長補佐代理』サンに
 素直に褒められるとムズムズするッスね。」

照れくさそうに頬を掻いた。
そう素直に褒められると少し照れる。

麻美子 > 「ま、そういう事なら今後も存分と頼るッスよ!!
 『室長補佐代理』サン、友達少なそうッスからねー!!」

けらけらと笑ってペンを回した。

志葉恭介 > ……何というか。意外といいコンビなのかも知れんね。

【二人のやりとりを見つつ、ぼんやりとそう呟いて】

扠置き。及第に乗せるのがやっとの生徒は真面目に勉学に励んでくるとしよう。
明日の授業、課題落とすと不味いのだ……

【ではね、と一礼して席を立つ。最初に言った通り、伝票はその場に置き去りで】

ご案内:「カフェテラス「橘」」から志葉恭介さんが去りました。
『室長補佐代理』 > 「そうか? 俺は他者を不当に評価したことはただの一度もないぜ。
自分の成績が不出来なだけに人の出来るところはよく見えてるつもりだ」

運ばれてきたクレソンサンドをうまそうにパクつきながら、素直な賛辞を述べる。
いつも通りの不気味な笑みではあるが、恐らくその笑みがもう常態なのであろう。

「まぁ、自慢じゃないが、確かに友人と言える人物は非常に少ない。
仕事柄、不審がられる事の方が多いんでね」

仕事だけのせいでは恐らくないのだが、この男がそれに気づくことは当分ないだろう。

「ああ、麻美子。そこの数式間違ってるぞ
代入する数字が違う。
あと、こっちの訳は正しいのか? 自分なりにしたんだが自信がない」

『室長補佐代理』 > 「ん、なんだ、志葉君いくのか? またな」

そういって、手を振って見送る。

「仕事があれば、また頼みに行く。せいぜいそれまでに課題を片付けておいてくれ」

麻美子 > 志葉を『課題頑張るッスよー』と手を振って見送る。
何か伝えないといけない事があったような気がするが、おそらく気のせいだろう。

「もう少し分かりやすい言葉で褒めれば分かりやすいんスけどねー。」
「室長補佐代理サンは雰囲気と喋り方で大分損してるッスよ』と苦笑する。

「仕事中は仕方ないッスけど、せめて普段は私服にしたらどうッスか?
 その真っ黒い服が怪しいんスよー。」
ケラケラと笑うと、指摘された数式に目線を落とした

「うぐっ、確かに間違ってるッスね。
 でもどうすればいいのか分からないッス……。」

ぐぬぬと悩むが、訳を見せられれば暫く眺め、
手にしたシャーペンをくるりと回す。

「えーっと、こことここが違うッスね。こう訳したほうが自然ッスよ。」

彼のノートに小さなキーホルダーのついたシャーペンで
書き込んで行く。ゆらゆらとキーホルダーについた猫が揺れた。

『室長補佐代理』 > 「これでも俺は伝わりやすい言葉をなるべく選んでいるつもりなんだがね……
コミュニケーションの難解さがよくわかるな」

そういって、肩を竦める。
よく見れば、男は癖が多い。
笑い、肩を竦め、眼を細める。
その全ては意図している時もあるが、自然に出るときの方が多い。
仕事柄、恫喝が癖になっているせいなのかもしれない。
いや、それが癖になるように……委員会で教育をされたか。

「制服は数着もっているし、コートもいくつかもっているが、私服はもってない。
仕事柄、いつ動くのかもわからんしな。急な対応のためとなると結局四六時中これだ。
何より自慢じゃないが、俺は服の善し悪しはわからん」

困ったようにまた、肩を竦める。
昔は恐らく両手だったのだろうと思える。
たまに右肩が揺れるからだ。

そしてまた、勉強の話に戻ると少し身を乗り出して。

「この代入は俺も一年の頃散々間違えたからよく覚えている。
こっちの数字がややこしいんだ。こっち側にこの関数を使う。
これはもう頭で覚えるより手で覚えていい。手で覚える頃には頭でも理解している。
俺がそうだった」

そういって、ゆっくりと注意書きをノートに書きいれる。
先日見たのと同じ、割と綺麗な字である。

「む、ああ、なるほど。確かにそのほうがより読みやすいな。
どうにも俺は辞書通りに直訳する癖があっていかん。
助かる」

そういって、また翻訳をなおす。
麻美子に言われたとおりにあれもこれもするのは、上級生らしからぬといえるかもしれないが、男はそんなことは気にしない。

「そういえば麻美子。志葉君もいってた期末考査だが、その前にまたこのあたりの翻訳を教えてくれないか。恥ずかしながら俺は補講組でな。一年範囲がでる」

麻美子 > 「ま、人と話すのは確かに難しいッスけどねー。
 どんなに喋っても、相手の心の中までは分からないッスから。」

へらへらと笑いながら答える。

「『室長補佐代理』サンって変な癖多いッスよね。
 まぁ、麻美子が笑ってるのも癖みたいなものッスから、
 仕事柄なのかもしれないッスけど。」

『お互い嫌なものッスねー、』と笑う。
とはいえ、以前話した時のような笑い方ではなく、
もう少し自然な笑みではあるのだが。

「なんなら、麻美子が選んでやるッスよ?」
ケラケラと笑いながら、
『こんな服とか似合いそうッスねー』
……と、いくつか例を挙げる。

「なるほどッス。ん、確かにこれなら解けそうッスね。
 それにしても、手で覚えるとか随分とフィーリングッスねー、
 ……ま、やってみるッスよー。」

結構綺麗な字を書くんだな、と思いつつ自分の字を見る。
綺麗というよりは可愛らしい自体だ。
もっとも、職業柄なのか、それほど崩れているわけではない。

「まー、真面目ッスからねー。どっからどこまでも。
 もう少しゆるっと考えるのがコツッスよ。
 異国の言葉でも結局言葉ッスから。
 人と人がコミュニケーションを取るための手段って事には変わりないんス。」

『といっても、『室長補佐代理』サンはコミュニケーション自体が苦手だから難しいのかもしれないッスけどね。』

と、苦笑しつつ、差し出された本を見る
今教えている課題よりは随分と簡単な範囲だ。

「いいッスよー、どうせ麻美子もそこが範囲になるッスから、
 自分の勉強のついでッス。」

そういうと、自分の勉強に戻る。早速躓いた。
「あ、こっちの図形問題はそもそもどうすればいいッスか?」

『室長補佐代理』 > 「そうか? まぁ、癖だから意識したつもりはなかったんだが……」
不味いなら直すか、と口では言うが、恐らく治らないだろう。
それくらいに滲みついたものだった。
滲むような笑みも、いってみれば、そういうものなのだろう。

お互いに綺麗な字と可愛らしい字を並べながら、さらさらとノートをとりあう。
麻美子は仕事柄、とても速い。
男は片手柄、とても遅い。
それでも、お互いのペースを適当にみながら、頁をめくりあう。
逆さから読んでも何をしているのかわかるほど、お互い何を学んでいるのかよくわかる。

「言葉は確かにコミュニケーションであるが……
まぁ、うん、確かに俺は不得手ではあるな。
麻美子は逆にそういうのは得意そうだな。
仕事柄というよりも人柄か?」

快活な笑みを向ける少女をみて、つい男も笑う。
また滲むような、どこか恫喝するような笑みであるが、それはもう麻美子にはただの癖とわかった。
この男は、単純に外見がそういう風に象られているだけなのだ。

「ま、ともかく、勉強については快諾してもらえてうれしい限りだ。
服もそういうなら、今度選んでもらうか。
私服捜査が必要な事もあるにはあるからな」

滅多にないがな、といいつつ、図形問題を解くためにまた身を乗り出す。

「数学は方程式の代入などがあるせいで、頭で覚えようとすると覚える数字が多すぎてこんがらがる。
だから、まずは手で覚える。これがきたらこれ、くらいにな。
三角関数などはまるきりそれだ。頭で全部理解しようとしたら大学数学だ。
だから、基礎のうちは手で覚える。応用問題に手を付け始めたら、理屈を覚える。
武道と似ている。守破離の教えだ」

言いながら、図形問題に一つ一つ、一見すると無駄に見える様なメモを書いていく。
馬鹿丁寧過ぎる方法ではあったが、確かにここまで丁寧に分割して覚えれば解きやすい。

「なれたら工程をどんどん省けばいい。
それまでは、これの通りいやってみろ。
当時の落ちこぼれ事俺流のわからなくてもわかる解き方だ」

そう、丁寧に。丁寧に教える。
彼は、あまり成績はよくない。
つまり、それらに対して効率的な事はできていない。
だからこそ、効率を落としてでも、わかりやすく、やりやすい方法を知っているのだろう。

非常に、不器用ではあるが。

麻美子 > 『直すが』、といわれれば笑みを浮かべたまま首を振る

「癖っていうのはそういうものッスからね。
 最初は不気味って思ってたッスけど、
 もう馴れたッスからいいッスよ。」

そう言ってけらけらと笑った。
彼女のこの笑い方も、仕事で身につけた彼女なりの処世術なのかもしれない。
「それに、今更明るく元気に笑われたら不安になるッスから。」

想像して苦笑する。そんなもの見たら夢見が悪くなりそうだ。
そう考えつつも、彼のそんな顔もちょっと見てみたい気もした。
くすっと笑うと、もう何ページ目か分からないページを捲った。

「仕事柄でもあるッスよ、適材適所、
 コミュニケーションが得意だからこそ、ここにいるんス。
 鶏が先か、卵が先かーってやつッスよー。」

その恫喝するような不気味な笑みも、善意で向けられてると思えば可愛いものだ。
『顔が怖いッスよ?』と苦笑気味に返しつつも、前のように緊張する事もない。
『今度「何か」起こるような事があれば、案外上手くやれるかもしれないッスね』
と思いつつ、またページを捲った。

「任せるッスよー!ちゃんと、女子に話しかけても事案にならなそうな
 さわやか好青年みたいな服を選んでやるッス!!」

言ってから自分で噴出す。
想像したらどう考えても怪しさが倍増していた。

「……さすがにそれはちょっとにあわなそうッスから、
 家に帰ったら似合いそうな服が売ってる店を調べてみるッスよ」

帰りに本屋さんで男物の流行が書いてそうな雑誌でも買って帰ろう。

『というかこれ、冷静に考えるとデートの約束みたいなものッスね。』
もっと冷静に考えれば、今の状況自体デートみたいなものだ。
少しドキドキして来たが、ちらりと彼の不気味な笑みを浮かべた顔を見て落ち着く。

『ま、この人に限ってそういう話には縁がなさそうッスね。』

苦笑いすると、図形問題に瞳を落とす。
少し頬が熱くなっていたのは、内緒だ。

麻美子 > 彼の丁寧な教えを聞きながら、順番に丁寧にやっていく。
元々麻美子自身、自頭が悪いというわけではない。
ここまで丁寧に順序だてて教えて貰えれば、
少しずつでも確実に解ける。

「おー、あんまり期待してなかったッスけど、
 室長補佐代理サン、見た目に寄らず人に教えるの上手いんスね!!」

微妙に失礼な事を言いつつも、くるんとペンを回す。
ちんぷんかんぷんだった図形問題も、ちゃんと分かるようになった。
非効率的な為に時間はかかるものの、確実に解いていけそうだ。

「さすが先輩ッスね、頼りになるッスー!!」

今回のテストは結構いいところまでいけるかもしれない。
そんな予感を胸に、うんうんと頷いた。

「あ、ここの訳はこっちが正しいッス。
 単語単位で見ればその訳なんスけど、
 文章単位でことわざみたいな意味で使われてるんスよ。」

と、数学の問題を解く楽しさを実感しつつも、
彼のノートを見ながらメモを書き入れていくのも忘れない。

『室長補佐代理』 > 「まぁ、直さなくていいなら俺も楽でいいがな。
あらゆる意味で都合がいい。
私服の件もよろしく頼むぞ。仕事のお陰で懐はそこそこ豊かだ。
報酬も期待してくれていいからな」

麻美子の懸念を余所に、男はちらりと顔を見られれば、また笑みを浮かべる。
きっとわかってない。男女が二人でいる意味も、女子ほど敏感に理解していないだろう。
どこかそんな確信が麻美子にはあった。
この男は仕事柄と、その人柄が合わさって公安のハイエージェントたる「物騒さ」を身に纏ってはいるが、それは演出されたものなのだ。
舞台をおりれば、わりとどこにでもいるただの成績不振の三年生なのだろう。
そういう男が麻美子に普通に接してくるのは、考えても見れば、仕事を通じてとはいえ、この男なりの厚い信頼が、彼女に対してあるからなのかもしれない。

さらさらと、お互いにペンを走らせる音が響く。
たまに軽食をつまみ、茶を飲んで、驚くほど緩やかに、時間は進んでいく。
おそらく、その時間こそが……今回の一連の事件で、誰もが守った掛け替えのない物なのだ。

「物を教えるのは、出来ない奴の方がうまいと相場で決まっている。
出来る奴には出来ない奴の気持ちはわからない。
出来る奴の基準で教えられれば、この手の基礎数学はわからないものさ。
翻訳みたいなのはセンスが大事だろうから、麻美子みたいなほうが都合がいいんだろうがな。
教科書をみるより何倍も覚えやすい」

男も、麻美子の翻訳の聞きながら何度もうなずき、麻美子のノートに男もメモを描きこんでいく。
お互いのノートに、違う形の文字が並びあう。まるで、踊るように。

「なるほど、口語訳という奴か。
こういうのは麻美子みたいにそれに長けてないとわからんな。
実に為になる、ありがたい。こういうのはどうやって覚えるんだ。
やっぱり小説とか映画とかでもみるのか?」

麻美子 > 「麻美子に任せるッスよー!
 ま、報酬はその服選びの前に食べるランチと、
 休憩する時のおやつ奢りー。くらいで手を打ってやるッスよ。」

けらけらと笑って任せろというポーズを取る。

『あー、これは本当何も分かってないって顔ッスね。』
苦笑いする、この人を彼氏にする人は苦労しそうだ。そう考えてため息をついた。

とはいえ、変に意識されるよりはそっちのほうがいい。
自分が少しでもそう感じた以上、向こうからもそう思われると
ちょっと気恥ずかしいものがある。この場にいれなくなるくらいには。
なんとなく、彼の手を見た。
片手、しかも利き腕ではないのであろう手は、不器用ながらも
ノートを取り続けている。

「……本当、平和ッスね。」

思わず、呟いた。
こうして事件で色々あった相手と、一緒に勉学に励んでいる、それだけでも、
今回、走り回ったかいはあった気がした。

少しぼんやりとしていたが、目下の問題へ戻る。もう殆ど全て解けていた。

「確かにそうかも知れないッスね。
 『室長補佐代理』サンの教え方は、先生よりよっぽど分かりやすかったッスよ。」

授業では完全においてけぼりを食らっていても、
ここまでゆっくり丁寧に教わればそれなりに解けるものだ。
そう思って、最後の問題に手をつけた。
この問題集の総まとめ的な問題なだけあって、少し苦戦しそうだ。

「そうッスねー、この国の言葉に訳された本をまず読むッスけど、
 訳す前の本からカットされた話があるー。
 って聞くと気になるじゃないッスか!!
 どうせなら、全部知りたいじゃないッスか!!
 ……だから、原本も読むようになったんスよ。」

『映画も元の俳優さんの声で聞きたいッスからね』と付け加える。
堪能な語学も、どうやらただの趣味で身につけたものらしい。

「……ま、あとは仕事柄ッスね。
 会話は自動翻訳されてるらしいッスけど、
 この学園に居るのは何もこの国の人間だけじゃないッスから。
 ちゃんと全員に読める広報紙を書こうとすると、
 どうしても色んな言葉で書かないといけなくなるんスよー。」

麻美子 > そう雑談しながらも、最後の問題に頭を捻る。
彼の書いてくれたメモを読みながらも、最後は地力で解ききった。
答えの欄に例によって可愛らしい文字で回答を書くと、
うーんと伸びをする。

「よし!!できたッスー!!!
 いやー、『室長補佐代理』サンのおかげッスね!!」

外を見れば日が落ちかかっていた。

「そろそろいい時間ッスから、そろそろ帰らないとッスね。」

少し別れるのが名残惜しいと後ろ髪を引かれる感覚がしつつも、
自分で言った通り、そろそろいい時間だ。
そろそろ帰らないと、未だに物騒な噂の多い学園では危ないだろう。

それに、この感覚もちょっとした気の迷いみたいなもの、
今まで知らなかった相手の一面を知って、特別感に浸ってドキドキする。少女漫画ではよくある事だ。

『室長補佐代理』 > 「出来高制でいい。ディナーくらいは奢ってやる。
良い店はそれなりに知ってる。これも仕事柄な」

そう、普段と少し違う悪戯めいた調子でいいながら、コーヒーを飲む。
当然ながらそのたびに手が止まるが、遅々ながらも問題を解き進める。

「ほう、確かに……好きな話の原作は、表現が変わっていることは多いと聞くな。
それは確かに、ファンなら目にしたくなる。分かる話だ。
好きこそものの上手なれ、だな。
仕事の役割とも合致しているし、優秀じゃないか麻美子。
フリーだったらうちの部署に引き抜いてるぜ」

そう、滲むような怪しい笑みを浮かべたが……何気ない麻美子の呟きに……微かに笑みの質が変わる。
平和。その呟きに対して、柔らかく。

「ああ、平和だ。
これの為に、俺達は日々仕事をしている」

その横顔は、慣れてない人にはいつもの不気味な笑みにしか見えない。
だが、付き合いも長くなってきた麻美子には、少しだけ分かる。
普段よりも、いくらか角の取れた、本当の安堵の笑み。

「みろよ、麻美子。
公安と風紀の問題が片付いたお陰で、俺の腕章を見ても目くじら立てる奴は減った。
まぁでも俺はそれでも構わなかった。俺は憎まれっ子の部署だ。いくら詰られたってそれが仕事だ。
だが……普通の公安委員や、風紀委員の事を考えると、どうしてもな……
それも、まとめてこれで解消された。改めて、協力してくれたお前には感謝するばかりだ」

そう、目尻を緩めて謝辞を述べると、手元の問題集をみる。

「おお、見事に解き切ったな。大したもんだ。
俺はそれが出来るようになるまで大分時間がかかったぞ。
麻美子は優秀だな」

そして、示し合わせたように自分も外をみて。
夕日の昇る空を見上げて、静かに頷く。

「確かにそろそろ帰る時間だな」

そういって、そそくさとテーブルの上の物を片付けると、さっさと立ち上がる。
みれば、いつの間にか伝票はない。
いつのまにか会計を済ませていたらしい。
何度かドリンクのおかわりで席をたっていたので、その時にでも支払ったのかもしれない。

「何してる。帰るぞ」

そういって、左手でちょいちょいと手招きする。


「せめて駅前くらいまでは送らせろ。
一応俺だって公安委員なんだ。
夜の女性の独り歩きは、関心しないな」

そういって、いつものように、怪しい笑みを浮かべた。