2015/06/12 のログ
■崎守 鐡 > 「………風紀委員………あ、う、うん。……」
何故か頭を抱える。機械的な手首がちらと裾から覗く。
「べ、別に風紀委員が悪いわけじゃねぇけど………い、インパクトが強そうなのがいて、ここの風紀委員、だ、大丈夫なんだろうか……?」
別方面の不安が増えた気がする。
■霜月 零 > 「どうだろうな、俺のほかに知ってる風紀委員は、信頼できそうだったが」
ある風紀委員を思い出しながら言う。共闘した仲と言うのもあるが、彼女は信頼に値する風紀委員だろう。
■臨助 > 「本当、うまく隠してるんだな本性を。」
まあなんにせよ、自分は見てないのだから聞いた情報だけで決め付けるわけにはいかないが用心に越したことはないだろう。
■霜月 零 > 「悪い奴、ではないんだけどな。単に、ネジがユルいだけなんだよ」
だからまー、カチあったらテキトーによくしてやってくれ。と頼む。
「ちなみに俺より強い」
■崎守 鐡 > 「う、うん……そうじゃなきゃ、安心出来ねぇ、もん、なぁ………」
取り敢えずその妹、だけを用心しておこうと心に止めておく。
流石に他の風紀委員はこんな感じじゃない、という確証はまだ、残っていた。
「……ん?にーさんの方が強いんじゃねぇの?」
特に根拠なくそう言った。
■臨助 > 「さらっと適当に出来なさそうな情報追加してんじゃねえよ……。あんたそれなりの"習い"があるだろ」
それよりも強いんだ、こっちも多少覚えはあるが適当にやったらタダじゃスマなさそうだ
■霜月 零 > 「まあ、近距離なら俺の方が強いんだが……距離置かれるとどうしようもねぇ」
弓兵と剣士の相性なんてそんなもんだけどな、とボヤく。
「ただ、近距離どころかゼロ距離の弓もあるんでな、霜月流(そうげつりゅう)には。総合的に見れば、あいつの方が強いさ」
■霜月 零 > 「俺自身は大したことねぇよ。霜月の中じゃ凡庸だ」
才能がない…と言う言葉を飲み込む。その言葉は、咎められたものだったから。
「ま、あいつの方が才能は上さ。そりゃあ間違いねぇ」
■臨助 > 「霜月って奴の中でなら、なんだろ。…自己認識と謙虚ってのは一つだと思うぜ。」
「ま、才能があるなら尚気をつけて"適当に"するわ」
■崎守 鐡 > 「……無いと思い込むと本当に何も無い様に身体がなるって聞くから、それだけは止めときなよ」
真っ直ぐに零を見つめて、言葉を続ける。
「それに…一応見習いだけど、得物を鍛える側からすれば、扱える、って時点で凡庸じゃない。とは思うね。俺は」
■霜月 零 > 「どうだろうな…まあ、努力はしてるけどな」
才能がない、を言い訳にするのは、やめたのだ。
「ま、あいつの相手は簡単だ。悪いとされてることをしなけりゃあいつは突っかかりはしねーよ」
ガキなんだ、正義に憧れてんだよ。と気だるげにボヤく。
「風紀委員なんてなったのも、そういう事だろ」
言いながら、何もないようになる、と言われ。
「まあ、否定しねーよ。それにちょっと甘えてたところはあったさ」
それを咎められたからな、精いっぱい足掻くことはやめねぇよ。と。
■崎守 鐡 > 「正義…かぁ。万人受けする正義でありゃいいんだけど。……風紀委員だからその辺りは問題ない、か…」
ちー と、アイスコーヒーをストローで飲む。
「何も無いなら無いでやりようは有るんだよ。……突然これが有る、になるとやりようを覚えるまでが大変だけどさ。」
…この身体、とか。
■霜月 零 > 「まあ、一般的な正義論だよ。自分の考えが足りないともいえっけどな」
練りが甘いんだ、あいつの正義は。とボヤく。
「あー……突然何かが増えても、それの使い方に迷うだけだよな。なんとなくわかるぜ」
剣を持った初日みたいになるんだろ、と
■臨助 > 「正義ね…ま、規律に従うだけならカッコよくて、そして選ばない分楽だしな」
「……確かに、才能がないとか諦めを一度でも握っちまったら、体のすべてから累積した諸々が流れ出て行っちまいそうな気がするわ、俺も。…俺は魔法の才能がからっきしなんだが、だからそれでも努力は止められないんだ」
■霜月 零 > 「そーいうこった。アイツの正義は、そういうもんなんだよ」
溜息。
「才能がないことは、努力をやめる理由にはならねーからな。重ね重ね重ねて、才能の壁を斬り飛ばすのが目標だ」
■崎守 鐡 > 「……種族そのものがある日突然変わったりすると別方面の努力も必要になるけどなぁ。……流石にこれ(耳の角っぽいのを指差して)は隠すの諦めたけど」
「俺の場合……才能で良いのか分かんないな。この身体、色んなのはついてるけど、正直、持ち腐れだし。……努力したいものも、今の所、見つかってないしなぁ……」
………努力出来るものがあるって、素晴らしいことなんだぜ、と。
■霜月 零 > 「目標は大事だな。それが無いと、日常でやるべきことすらわからん」
無気力とか無目的は、自分を腐らせっからなー。と続ける。
「まあ、俺はそういう意味じゃ、マシなのかもな」
■臨助 > 「……へえ、渡辺って奴は面白かったけど…あんたは単純に"良い"な」
コーヒーを啜り
「……先ずはやれることを最大限見つける努力、その次にやりたいことを見つける努力。そしてそこにしっかり手が届くように努力。…やりたいことがねえなら、そうしてみたらどうだ」
鐵を横目で見つつ
■霜月 零 > 「そりゃあどーも」
気だるげに返答する。まあ、気だるげなのはいつもの事なのだが。
「まあ、そこは同感だな。まずは探す努力から、だな」
同じように鐵に言う。
■崎守 鐡 > 「……ウチだと、どーしても。やりたいことはあれども今の俺を周囲が『受け入れてくれなくって』。親が泣いてたよ。
優しい人に此処を教えて貰ってなかったら、やりたいことの為に耐え忍ばなきゃならなかったんだろうな、って。
…でも、家を継ぐこと以外に、やりたいことを探すって、難しかったんだよな、実際。こんな特異な見た目だと」
相応なコンプレックスを抱えているようで。
「…ゆっくり、探してみるよ」
■霜月 零 > 「成程、な」
周囲に受け入れられず、非行に走るしかなかった鬼などは結構いる。
恐らく、似たような状況…いや、それ以上にひどい状況になったんだろう。
「…ま、頑張れよ」
■臨助 > 「結果のねえ努力は無意味だが結果は切断した過程だ。だから結果を諦めない努力は良い。」
一見そうは見えねえんだけどな、アンタ、と。あんまりストイックには見えない自分を棚に上げて言う
■臨助 > 「……家を継いでからやりたいことは何か、考えても良いと思うぜ。そしてそのために今から歩むとかな。ここは何かを成すには最適だ。成すために努力をするにも。どんな障害も意思次第でなんとでもできるだろ」
■霜月 零 > 「まー、そんな普段から本気本気しても疲れるだけだろ?」
何事もほどほどに手を抜くのが大事なんだよ、とそれっぽいことを言う。
■崎守 鐡 > 「……その為の障害ってのは、意識の壁、差別の壁って奴だよ。良くも悪くも俺の家は伝統的なモノを扱ってるから……。
悪く言えば『古臭い』人が一定数固まるんだよ。…それを乗り越えられるぐらい、俺は心を強くして、帰らないと、いけないんだと思ってるよ。家を継ぐなら、って話だけど。」
■臨助 > 「何時でも何でも本気の全力投球は努力とはまた別モンだしな。そりゃ一種の怠惰だ。」
■霜月 零 > 「伝統的なモノ、なあ」
気にはなる。自分の家も、ある種の「伝統」を取り扱っているのだから。
「ついでに、そりゃなんだ?」
■臨助 > 「……そうか、まぁでも、継ぐにしてもその道だけが努力する道じゃあ、ないと思うぜ」
「当事者じゃねえから、これ以上言及は避ける。…頑張ろうぜ」
■崎守 鐡 > 「だってさぁ、俺が継ぐ以上は親に振りかかるものもちゃんと減らさないと、そういう人らが納得してくれ無さそうだし。……兄弟も居ないしなぁ。
やりたくないわけじゃないから逃げたくないし。……頑張る」
「……刀鍛冶だけど?」
零の質問に、そこら辺はなんにも気にせずに言い放った。
「…流石にここで教わるには間違ってるから、家帰ったら本格的に扱かれるんだろうけど」
■霜月 零 > 「…へぇ」
刀鍛冶。興味がわく…当然だ、霜月零は、剣士なのだから。
「今度、一振り見せて貰ったりできるか?」
■臨助 > 「……良い時間だし、そろそろ帰るか」
結局、ナポリタンこなかったなと呟きつつ
「…あぁ、だからそれは敵対的な奴への策略であったり、掌握であったり…そういう武器を手に入れるための歩みとかな。それも含まれてたんなら御節介だが」
「……じゃあな、またどっかで会ったら。」
■霜月 零 > 「ああ、それじゃあまたな」
手を振って見送る。
「ま、また食えばいいさ」
■崎守 鐡 > 「……家から実物流石に持ってこれないけどなぁ。……じーちゃん辺りだが鍛えた大太刀とか、その辺りの写真なら、持ってるよ。
……たぶんそれもどこかで誰かが遣ってるんだろうけど……。」
ああ、そういやこの人剣士だもんな、という顔をする。
「ああ、それじゃあ、また、何処かで。」
そんな感じで臨助を見送る。
あの嵐のような少年が手繰り寄せた縁だけど、悪くは無いかな、と。
■霜月 零 > 「大太刀、なあ……」
何かを思い出すように空中を見る。
「……すげえのなら、一振り知ってるな」
■崎守 鐡 > 「…んー、ひいじーちゃんより前だったろーけど、じーちゃん曰く、「あれ以上のモノを打てるようになる」って目標になってたのはあるなぁ。もうご先祖様レベルの人が鍛えたモノだろうけど。」
「なんだっけ?板橋…じゃなかった。んー?」
記憶は若干出てくるまでが適当なようだ。
■霜月 零 > 「……凍月、か?」
まさかんなこたーないだろ、と思いながら、自分の知る一振りの銘を告げる。
霊剣・凍月(いてづき)。氷の力を増幅させる大太刀にして、神を斬ったとされる霜月家の誇る宝具。
数代前の当主が好んで使い、これによって全盛期は向かうところ敵なしの強さを誇ったという。
そんな代物なので、まあ違うだろう、とは思うのだが。
■崎守 鐡 > 「……あー、そうだ、それそれ。……まぁ、うん。なんでか、後で凄いことになってたって噂も聞いたけど……。」
凄い雑に答えるが、その事実は全く知らない。
だって、俺が知ってるその刀はただの業物だし。
■霜月 零 > 「……は?」
え、マジで?
「……なあ、凍月は霜月家伝来の宝具だぞ?まさか、マジか?」
困惑する……ええと、マジで言ってるの?
■崎守 鐡 > 「……?そだったのか?」
よくわからん、と目をぱちくりさせている。
「宝具、なのか?………いやー、ご先祖様も冥利に尽きる、って感じなんだろうなぁ。
自分が鍛えた業物が、剣士の家で宝具になってるって。」
……あ、なんだろう。…何かが繋がった気配がする。
■霜月 零 > 「…いや、正直驚いた。ンなこともあるんだなぁ」
まさか、霜月家でも随一とされる一振りが、コイツのご先祖様の鍛えた一振りだったとは。
「つーことは、お前も作れるのか?」
■崎守 鐡 > 「いったろー?まだ見習いだって。ちゃんと、作れるようにならなきゃ、ならないんだろうけどさ」
ボリボリと頭を掻く。
「なんでか知らないけど、海外の方からお客さんもちらほら貰うようになったらしい、って話も聞いたけどな。
それが凍月のお陰かは俺にしてみればまーったく、分からないんだけどさ。」
ご案内:「カフェテラス「橘」」に臨助さんが現れました。
■霜月 零 > 「関係ないんじゃねーの?」
そこは関係ない、と予想する。
「凍月は、数代前の女当主しか遣い手がいねーんだ。だから、思ったより露出が少ない」
まあ、そいつを知ってればイコールで知ってそうだけどな、と。
■崎守 鐡 > 「かねー。……その一人しか居ない、なら。……その一人を知ってる、とかじゃない限りは、そうじゃないだろうなぁ。」
流石にそこら辺の事実まで知ってるわけはねーだろうよ、という。
■霜月 零 > 「まあ、つながりで知ってたりするのかもな」
くすくすと笑う。袖擦り合うも多生の縁のはずが、まさか先祖代々の縁だったとは。
「面白いことも、あるもんだなぁ」
■崎守 鐡 > 「だなぁ。……っと、時間、大丈夫か?」
雑談している間にすっかり水だけになったコップと、完食された皿を見遣る。
「……何時になるか、分かんないけど、俺もそういうの、作れるように、なりゃいいな」
と、ぼそりと。呟いた
■霜月 零 > 「あー、そろそろ頃合いだな」
長居しすぎた、とボヤき。
「そんときゃ、俺のも頼むぜ」
冗談めかして笑った。
■崎守 鐡 > 「……期待しすぎんなって―。見習いが一流になるまで何年かかると思ってんだよ……」
苦笑しながらお代を準備する。
「それじゃあ、また、何処かで。……かな?」
■霜月 零 > 「ああ、そんじゃあまた、な」
笑って席を立つ。
――いつの日になるかわからないが、その日を楽しみにしていよう。
ご案内:「カフェテラス「橘」」から霜月 零さんが去りました。
■崎守 鐡 > 「またな。 しっかし………逃げられなくなったな?」
そんな苦い顔をしながら、此方も後にする―
ご案内:「カフェテラス「橘」」から崎守 鐡さんが去りました。
ご案内:「カフェテラス「橘」」に立花 響さんが現れました。
ご案内:「カフェテラス「橘」」に久喜棗さんが現れました。
■立花 響 > 「…来た。」
焼きたてホットケーキの匂い。それはウェイトレスがこちらの席に近付くにつれ、香る、香る。
いかにも食べたらふわっとしそうな香り。
響はこんな時間でもホットケーキを食べる、という暴挙を敢行する。
鳴る腹の虫。待望の時は近い
■久喜棗 > ここはカフェテラス橘の二階窓際席、夕方の学生通りを上から眺めながら棗はもの思いにふけっていた
ソファに深々と腰掛け、最近買ったスマートフォンを懐から取り出しイヤホンを耳にはめる
手持ち無沙汰の指でテーブルをトトントントンとリズムに乗せ叩いてゆく
ふと、近くに知った顔を見た。いや、正確には知り合いではない。こちらが一方的に知っているだけだ
確か前に雑誌か何かで見た顔だ…名前は何と言っただろうか
隣の席へと移動し、声をかけてみる
「ぬしも学園の生徒かな?」
ご案内:「カフェテラス「橘」」にヒカサ=カノさんが現れました。
■立花 響 > 「…え、え、と。はい。1年生の立花響って言いますけど、どうかしましたか?」
まさか声をかけられるとは思っていなかったらしく、明らかに動揺しながらも棗の質問にはどうにか答える。
目の前にはホットケーキ。熱々のホットケーキ。バターが溶ける香りが辺りに漂い―――腹の音が鳴る
見知らない人の前でいきなり腹の音を聞かせる羽目になるとは…響は初対面でいきなり顔を赤くしている
■久喜棗 > 「あ、いや何すまぬな、驚かせてしもうて。何か何処かで見た顔だと思うてのう
何処か別の場所で見たと思ったのじゃが、学園の者ならもしかすると学内で見かけたのかも知れぬのう…」
響の動揺した表情に取り繕うように言いくるめる、初対面の挨拶にしては少し唐突過ぎたかもしれない
そこに響の腹の音が聞こえクスっと微笑む
「ああ、儂に遠慮せず食ってよいのだぞ。お主は育ち盛りじゃろう」
■ヒカサ=カノ > 「課題終わった終わった終わったーー!!」
いつもよりも5割増しの外のブレーキ音との威勢のいい声。
ビニ傘少女、リングイン。
「ショートケーキと、レディーグレーのホットティー、ストレートでよろしくね!」
いつものお任せオーダーとは違い、完全に固定注文。
それもそのはずとにかく課題。
長らく取り組んでいたものがようやく終わったらしい。
座学が苦手なのか、それとも溜まっていたのか。それは少女の闇の中に。
―――今日は見晴らしのいい席がいいかな。
注文をした後2階に上がる。手にはいつものビニール傘。
■立花 響 > 「えと、私は一週間前ぐらいに転入してきたので、
学内で見かけられたということはないと思います…多分
ということは何処か、ということは雑誌とかテレビとかで見たって感じ…だと思います。えと、私元歌手だったので」
やや恥ずかしそうに棗の見かけた、という言葉を理解しようとしている
「あはは、それじゃ戴きますね」
棗に食べても良い、と言われると苦笑いを浮かべながらホットケーキを食べ始める
■久喜棗 > 歌手、と言われてようやく思い出す。確かに以前見たのは音楽関係の雑誌だった
「おお、そうかそうか。道理で見た覚えがあると思ったわ。しかし元…?」
と言って言葉を区切る。元歌手ということは今は歌手ではないのだろうか?といった疑問が頭をよぎる
何か事情があるのかもしれないしそれを聞くのは不躾かもしれない、だがつい好奇心が勝り口に出てしまった
「今は歌手ではないのか」
そこにまた見かけた顔が二階に上がってくるのが見えた、以前ゲームセンターで共に遊んだ少女だ
ヒカサへと手を振り挨拶してみる
「おお、ヒカサではないか。久しぶり…というほどではないが元気にしておったか?」
■ヒカサ=カノ > 2階。人は数人。窓側近くの席は・・・埋まっていた。
(残ね・・・ん?)
自分の名を呼んだ声が聞こえたと同時だろう。
そう時間がたたないうちに見た顔を見つけたのは。
「やっほっほー、棗。今日はもう疲れたね。圧倒的疲労。」
身体を伸ばすようにして、疲れを大げさに見せているかのようだ。
んで・・・えーっと。知り合い?
ちらと横に同席してる(と見えただろう)ホットケーキの少女が目に入り。問うた。
■立花 響 > 「あはは、じゃないと学園の生徒になってませんよ。
流石に学生しながら生徒出来る程器用じゃないですから」
この質問には聞き慣れたのか特に動揺することもなく、普通に答える。慣れとは恐ろしいものだ
「そういう貴方は……角?」
響にとっては初めて見た物なのか、興味深そうに棗の角を見ている。
歩いてくるヒカサを見ると今日は初対面の人が多いなぁ、とか考えつつ口を開く
「ついさっき初めて声かけられたので…お知り合いになったばかりでしょうか。名前はまだ聞いてませんけどね」
■久喜棗 > ヒカサのオーバーな反応にくすりと笑ってみせる
ポンポンと隣の席を叩きヒカサをそこに座るよう勧める
「それはお疲れ様じゃな、今日は何ぞ疲れるようなことでもあったか?
ん、いや知り合い…というわけではないがな、いや、今丁度知り合いになったとも言えるが」
「なるほどのう、歌手業は大変らしいからそれはそうじゃろうな」
とうんうんと頷く。自分の角を触ってみせながら
「ああ、これは…そういえばまだ儂の方から自己紹介しておらんだな。これは失礼した
儂は久喜棗という鬼じゃ」
■ヒカサ=カノ > 「課題地獄はそりゃさすがに、ねぇ?」
頭使いすぎたわー、と付け足すように。
促されるように席につき。
「ヒカサ=カノ、それなら自己紹介するならちょうどいいタイミングだったね」
ちょうどホットティーとケーキが運ばれてきただろう
窓際の席、景色もそれなり、傍から見れば、お茶会の様だ。
■立花 響 > 「久喜棗さん…棗さんですか……そして鬼?あの、鬼はーそとーの方の鬼です?
それは、なんというか可愛らしい鬼さんですね…」
きょろきょろと棗の角や顔、体格等を総合的に判断しての特に悪意のない一言である。
「となると棗さんも学生です?はたまた先生さんだったり?」
今度は響から棗に対して問いかけてみる
「ヒカサさん、ですか。立花響って言います。よろしくお願いしますね?」
そう自己紹介を終わらせると響もホットケーキを食べ始める
■久喜棗 > 「ふむ、お主の取っておる教科はそんなにも出る課題が多いのか?
まぁ終わったならばよかったな、ああいったものは溜め込めば溜め込むほど消化するのが困難であるからのう」
と言って自分の溜め込んでいる課題を思い出す。生徒としてこの学園に来たはいいもののこの鬼は勉強が苦手なのだった
「む、そうじゃな。儂もおかわりを頼むとするか」
そういって店員を呼びつけ緑茶と羊羹を注文する
「そうそう、鬼は外の鬼じゃ。といっても豆をぶつけられたぐらいでは追い払われんがな
一応儂も学生をやっておるよ、まぁ出来の良い方ではあらぬが…」
歯切れ悪く言い濁しながら茶を飲み干した
■ヒカサ=カノ > 「立花響・・・じゃぁ響ちゃん! よろしくね」
と一つメモを取り出し。
「課題はそこそこあるかなぁ・・・って、うぐっ」
最後に聞こえた言葉が刺さる。図星だろう。
メモには課題と、今までの記録。
たくさん消えて、一つ増えた。
今は苦の先の快楽に。舌と頭を悦ばせる。
■立花 響 > 「願掛け的なものでしょうから追い払えないでしょうねー。
豆程度で追い払えるなら護身用に豆を常備してますよ。私は」
実際にこの学園に豆が効く鬼がいるとは思えないが…どちらかというと願掛けというよりはお守りみたいなものかもしれない
「出来が悪いって言ったら全部出来が悪くなっちゃいますよ。
自分に厳しくするのも大事ですけど、ある程度許さないとこの先持ちませんよ?」
などと鬼に対して説教じみた事を漏らしながら一緒に頼んでいたカフェオレを少し飲んで口を開く
「そういえばお二人はお知り合いみたいですけど、どういうお知り合いで?結構親密な仲だったり?」
響は棗とヒカサ二人を交互に見て問いかける
■久喜棗 > 「溜め込んでおったのか…」
とため息をつく、だが自分もやっていることで他人のことは言えない
「まぁ逆に考えれば次からは真面目にやっておれば苦労することはないと学べたわけではないか」
と笑って励ました。半分自分自身への言葉でもある
響の言葉に思わずクスリと笑う
「そんな豆を常備するほどこの島に鬼は多くないぞ?まぁ儂以外にも何人かいるようではあるがな
豆は魔滅と当て字することもできるゆえ、言い伝え上は鬼以外にも有効なのかも知れぬが…」
「それはそうじゃな、だが儂はむしろ自分に甘い方じゃぞ?この菓子のようにな」
羊羹をフォークで一切れ刺して口へと運び、幸せそうに頬張る
そして口直しに緑茶を一口飲み
「親密…というほどではないと思うが、この間ゲームセンターで遊んでな。会うのは二度目じゃよ」
■ヒカサ=カノ > 「そうそう、ほんのちょっと前のこと。」
またいっしょにあそぼうよ、と棗を誘うだろう。
疲れからか、空腹なのか。ゆっくり食べていたはずだか既に平らげていた。
「そうそう、課題は終わったんだけど、もうちょっとやりたいことあったの。ごめんね」
響ちゃんもまたいつか、紅の少女席を立つ。
天気に似合うか分からないが、傘を持ち、外へと忙しなく駆けていった
ご案内:「カフェテラス「橘」」からヒカサ=カノさんが去りました。
■立花 響 > 棗とヒカサの会話を聞いてそういえば私も課題溜まってたような…寮に帰ったらやろうかな…等思考を巡らせている
「何人かいるならまだ有効じゃないです?そもそもお守りなんて使わないのが一番なんですけどね」
そう言うとホットケーキをフォークで突き刺し、同じ様に口に運んで咀嚼して飲み込んでから口を開く
「この甘いと人間的な甘いを一緒にしたらいけないと思いますよ。
この甘さは確実に…人をダメにするみたいな、そんな気が…」
ホットケーキの甘さを噛みしめて、この甘さは真似したらダメだ、と響は考えてしまったようだ
「あ、はい、ヒカサさんまた会いましょう…転ばないように気をつけてー…ってもう聞こえて無さそうですね」
あっという間に見えなくなったヒカサを見てぽつりと呟く
■久喜棗 > 「ん、そうじゃな。あれから儂もひとりで練習しておったからな
あの時よりは上手に踊れると思うのじゃ」
と自信ありげに言い張る。だが実際の所彼女はまだまだ初心者レベルだ
威張れるほどには上達していないだろう
「む、そうかではまたなヒカサよ。慌てて転ぶでないぞー」
飛ぶように出て行ったヒカサにそう呼びかけた
意識的に放置していた課題だが苦労しているヒカサを見て、流石に自分も少しでも進めておこうと思い立ち残った茶を飲み干す
「いやぁ、人間的な甘さもなかなかに人をダメにするものじゃぞ
何事も自己管理が寛容じゃ、怠惰な生活をしていても叱ってくれる者が側に居ないとは特にのう
さて、儂も少しやることができたわ。そろそろ帰るとしよう。またな、響よ」
と別れの挨拶をするとといそいそと下へと降りていった
ご案内:「カフェテラス「橘」」から久喜棗さんが去りました。
■立花 響 > 「えぇ、棗さんもまた会いましょう……
私も早く帰って課題やらなきゃ」
ホットケーキを早く食べて響もカフェテラスを立ち去った
ご案内:「カフェテラス「橘」」から立花 響さんが去りました。
ご案内:「カフェテラス「橘」」にヴィクトリアさんが現れました。
■ヴィクトリア > 【カフェは営業終了。誰も居ない。ちょうどいい。
CLOSEDの看板を掲げた柵の前で座り込む。
……昼間の学生連中はボクにはまぶしすぎるからな。こそこそしてるくらいでちょうどいい。
ま、別にそんなことぁ気にしなきゃ気にしないでいいけど、サ……】
■ヴィクトリア > あー、缶コーヒーのがうまいってどういうコーヒーだよあの店。
ボクはなんであんな店でまずいコーヒー2杯半も飲んだんだ?
【今は黒幕連中もいない。今日の仕事はおしまい。
ぽつんと、ひとりきり。
猫耳パーカーの少女が閉まったカフェの前で缶コーヒーを飲む。
明らかにカフェの使い方を間違っている。
ある意味不審者みたいに見えるかもしれないが別にカフェの前で缶コーヒーを飲んじゃいけないって決まりはない。
…………ないよな?】
■ヴィクトリア > 【………………たぶん、ない。はず。】
■ヴィクトリア > ……でもアレだ。
さすがにお茶うけってかデザートってかスイーツってか、そういうのがないってのも寂しいなー。
【仕事上がりの缶コーヒーが悪いわけではないが、カフェを意識してしまうとどうしてもなんか食べたくなる。
そもそもカフェの前でコーヒーを飲む酔狂も頭おかしいんじゃないかとも思わなくはないが
もともと今日はすげーダウンだったところから仕事するところまで行ったのだ。
おかげでこの時間なのだ。
ファミレスなりなんなり行く手もないわけじゃなかったが、黒服連れて行くファミレスも、ボクが一人で行くファミレスも
どっちもあまりよろしくない。】
大体、ボクは明るいところが苦手なんだ。一人も……な。
【なのに……一人でそんなとこ行けるかよ。
その言葉は飲み込んだ】
■ヴィクトリア > ……。
【寂しげにコーヒーを啜る。
やっぱまだ一人は怖いんだな……アレが抜けきれてない。
だからって誰かに触れられるすぎるのも怖い。
んで折衷案がコレ。
カフェに行った気になる。】
■ヴィクトリア > うぁー……なんかコンビニで買ってくりゃーよかったなーあー、失敗したー!
【でかいサイズのコーヒーだけ持ってくりゃそれでいいとか思うんじゃなかったくっそ
何だこの負け感。
すげーやられてる気がする。ちくしょう。】
……あーそーですよみとめますよ
このボクともあろうものが、パフェとかワッフルとかパンケーキとかポップオーバーとかクレープとか食べたいって思ってますよ!
えーそーですよ!
なんかわるいかよ、ええ?
【カフェの前で勝手に缶コーヒをすすりながら最悪の言い草だった】
ご案内:「カフェテラス「橘」」に園刃 華霧さんが現れました。
■園刃 華霧 > 定例のぶらぶら歩きをしていた。
暇つぶしとか面白いものとかを求めているので、取り締まり対象とかは割とどうでもよかった。
立派な不良風紀である。
そんな目の前に、なんだか愚痴ってる少女が一人。
「んー……? あれ、確か生徒会のお嬢じゃなかったっけカ。何やってンの、こんなトコでさ。
今日のオツトメはオシマイかい?」
へらへら、と気楽な様子で声をかけてみることにする。
■ヴィクトリア > んー?
【見れば向こうから人影。知らない奴。
ぶっちゃけどうでもいいが、スイーツの代わりに話し相手ぐらいに使えるか?
……いや、スイーツの代わりにゃーならないなァ。】
ぁン、ボクを生徒会って知ってるってことぁずいぶん真面目だなお前。
幽霊生徒会役員だからなァ、ボクは。
そーそー仕事アガリ
んで、一日の疲れを癒やしにカフェに来てやることはひとつに決まってんだろ。
【営業時間外のカフェの前で缶コーヒーを飲みながらぶつぶついうのは
どう見てもカフェでやることではないように思える。】
■園刃 華霧 > 「あはは、アタシが真面目だったら天地がひっくり返るかもしれないネー。
なーんか、前に風紀を引っ張っイってた……よーな、記憶があったンだヨ。」
っていうか、記憶間違ってなかったらしい。まあ、ちょっと面白そうだったしナ。
其の時は参加しなかったケド、今度なんか機会あったら行ってもいいかモな。
「あー。はっはっは、なるほどなるホド。まあ、仕事納めにcafeで一息、なんてのは学生らしいし、まあアリだね。
cafeさえしまってなきゃー、だけどネー。」
少女の言い分はまあ普通では有るが、状況的には間違ってるのは流石に分かる。
なんだ、仕事が忙しすぎてcafeの閉まる時間に間に合わなかったりとかでもしたのかね。
「ま、いいや。うん。確かに、やることハ一つだ。そりゃ確かに無粋な質問だったカモね。」
■ヴィクトリア > まー、ほら
お前みたいな風紀や公安の連中はタダで使えるじゃん。
ある程度物事限定されるけどな。
【まァ、風紀だから「そういうこと」に気があるならそーなのかもしれないな。
適当に連れまわすには便利かもな。】
……ゆーなよ。
今それでブルーになってみないふりしてたんだからよー。
くっそ、ボクだってコーヒーだけじゃなくてスイーツ食いたかったんだよ悪いかよ。
【むくれてぶすっとする。
さっき来た時にブツブツ聞こえてきたことと合わせると、そのへん食べれなかっったのがどうも悔しいと思える。】
■園刃 華霧 > 「そりゃ確かに、そちら様のほうが立場は上でございますカラねー。
タダでも労働奉仕をさせてイタダキます、てか?
あっはっは、まあ面白ければアタシは構わないんだけれどサ」
割とストレートな物言いするなー、流石お嬢様(勝手に断定)。
そんなことを考えながら、軽く肩をすくめる。
「あー……いやー、スイーツなんて女子っぽくてイイんじゃないノ?」
ぶすっとする様子を、軽く笑って見る。
ふむ。なんだ、意外と普通に子供じゃないか。いいな、面白可愛いじゃん。
なら、ちょっとばかりサービスしてもいいかなー?
「あー……お客様。一時的ではありマスが、青空cafeのご利用ありがとうございます。
当店、ただいまご覧のアリさまで在庫はナイんだけど、少しくらいなら用意はありマスよ、と」
うやうやしく礼を取って、述べる。やや言葉が拙いが、まあしょうがない。
ホントに店をやってるわけじゃないんだから、勘弁しろ。
それより、さあ、ちょっと見て驚けヨー。
「さ、なにがいいです? これですか? こちらデス?」
手を一振り。そこから、シュークリーム、ショートケーキ、プリン……
様々なコンビニスイーツが現れては消えていく。
■ヴィクトリア > そりゃー、お前ら風紀は公僕じゃんよ。
ボランティア精神ってやつだろ? 博愛だよ博愛。
まァ、それをボクがいただくんだけどさ。
だいたい、お前らの検索性やデータベースあげてやってんのウチなんだから、それくらいのメリットはあってもいーじゃんよ。
【ストレートどころかあけすけって言ったほうが良いレベルではある。容赦無い】
ボクが?
女?
こんなナリで?
おまえバカゆーなよ。
こんな男だか女だかわかんないちみっちゃいガキがどの面下げて女だよ。
【どうも、女らしいということは恥ずかしいらしい。
たぶんコレいくらでもいじれるネタだ】
大体だなァ……ん、青空カフェ?
おまえ青空って時間でもないだろ。
それ言うならせめて星空って言えよなァ……青空なら閉店してるじゃんかよ?
【なんだコイツいきなり? と思いつつツッコミ。】
うおー……何だおまえ、やるじゃん、くれ! 寄越せ!
【手品か魔法のようにスイーツが現れれば目を輝かせるあたり、ちょろい。】
■園刃 華霧 > 「そりゃごもっとモ。ではアタシらは公僕らしク、馬車馬のように働くっぽイふりして
適度に頑張りマス。」
参りましたー、みたいなこといって頭を下げる。
容赦なく言われた。いやー、すっげーすっげー。でも、割と不快感はないネ。
こりゃ素直って言ったほうがイイのかな。
「いやほら、女子力ーだかなんダかって小さかろうが大きかろうが、あんま大差ないらしいシー。
っていうか、別に素材は悪クないし、立派に女子ジャないノ?いや、男子だったらマジごめんだけど。」
ケタケタと笑う。やばい、これイジれそう。楽しい。
「そりャ失礼。んじゃ、星空cafeに今から店名を変えまス。」
すっごい適当だった。まあそりゃ思いつきだしなー。
また、大げさな礼をしてみせる。
「へーへー、お客様、慌てないデー。どうせ客一人だし、スイーツは逃げませんテ。
んで、どれにしマす? 好きなのをお持ちくださいヨ」
改めて手元にスイーツを召喚する。
コンビニスイーツなのは許せ。予算とか、自分の普段の動向とかの問題だ。
■ヴィクトリア > ま、そんなんでいいんじゃない?
馬車馬って言うけど使い潰すような使い方はおかしいだろ。
能動的にやってくれんなら構わないけどねー?
働くなんざテキトーでいいんだよテキトーで。
それが面白きゃ勝手に熱中すんだからさ。
義務でやってるうちは面白くもなんともないからな
ゲームだってハマってないゲームを他人に強制的にやらされんのはウザいだろ?
【テキトーでいんだよそんなのはな。
この島だとひとつ間違うと死んじまうし】
あのさ、知ってる?
原子力ってあるよな。
あれってさ、原子が崩壊するときに出るんだよ。
つまりさ。
女子力って女子が崩壊するときに出るって知ってる?
女子力ある奴は女子力なんて単語使わねーんだよ。
【至極もっともに感じたかもしれない】
つーかさー
どーせボクはそういうラインにいないからさー?
だいたい、素材悪くないとかゆーけど、化粧とか手入れとかよく知らないぞボクは。
髪もバッサバサだし。服もこんなで、つるぺたずんどーですよ?
ええどーせこんなカラダデスヨ?
【言いつつしょげて拗ねる。
まあ確かに言ってることは間違ってないんだろうが。】
んー、コーヒーある?
半分飲んじゃったから。
コーヒーあるなら、ケーキとプリントシュークリーム、あとバナナクレープな。
【食い過ぎだ。太るぞ】
■園刃 華霧 > 「お、話わかルなー! いいないいな、そうこなくっチャ!
そウ、大事なのは働き過ぎない、んでもって、面白いこと!ナー。
ウチの上司に聞かせたいっテもんだヨ。毎度毎度、まじめにやれー、しまつしょだーってな具合で面倒なンだよネー。」
聞かれたらまた何か言われそうな話であるが、賛同者を得て思わず大仰に愚痴ってみせる。
もし仮に、目の前の少女からバレたとしても、どうせいつものことだ、で済むだろう。多分きっと。
……一瞬だけ正気に返って、ほんの少しだけ冷や汗をかく。
「お、おオお……なるホド……!
じゃあ世の中、女子が崩壊しまくっテるのかー。女子ってなんだローなー……奥深イ。」
怪説に思わず、ポン、と手を打つ。……ん?でも、なんかおかしくね?
女子力ってそんなだったっけ……? まあいいや、面白い説の方が人生面白い。
なんて思いながら、間の抜けた感想まで付け足していた。
「それ多分、いい感じにおばさんに近づいた連中に聞かせたら激怒されるゾー。
若さをひけらかして!とかなんトカ、そんな感じで。
まーでも、それくらいの歳で手入れ……は、まあともかく化粧とかいらなくネ?
なんか早いうちからするトよくない、とか聞いたゾ。」
おー、こえーこえー、と震えるような仕草をとってみる。
そういう自分もろくに化粧とかしたことない。
だってめんどいし。
「つーか拗ねるナって。其の歳からボンッキュッボンッとか逆にコワイし……
ま、まさか……20歳とうに超えてるとか……ナイ、よな……?」
冗談めかせつつも、驚愕したふりをする。
やべー。マジで面白い。これ上司に欲しい。
「コーヒー? 本格的なドリップコーヒーとかは流石に無理ですヨ?
缶コーヒーとかなら、あった……はず……っと。
っていうか、別にダメとは言わないけど、食べ過ぎじゃナイすか?
腹壊さないでくださいヨ」
中空を見つめ、なにやら考えこむ動作をして……やはり手から珈琲を取り出す。
もはや手品の如き様相である。
■ヴィクトリア > ボクを見ろよ、明らかにまともに働いてないじゃん?
こんなんでも威張ってられるんだから世の中なんとかなるんじゃねーの?
【まあ学校に出ない分、2級学生の管理とか一人でやってるようなものなのだが。
そもそも少女は働く働かない以前に学園ID管理システムの自律式外部端末である、本人は全く知らないのだけど】
つったって、どう考えたって発育不良じゃんかよ。
ガキの格好と男みたいなしか似合わないんだぞボクは。
いーかげんこの年になりゃブラくらい付けたいって思うのは仕方ないだろ……フンだ。
今から育ったって急激に変わりゃしねーよ。そーゆーおまえはどーなんだよ。
【すねた。半泣きである。コンプレックス持ってるんだろうから、上げ下げする限りはいくらでもいじり甲斐がありそうだ】
おー、んじゃコーヒーととりあえずケーキ貰うぜー。
ケーキ→シュークリーム→プリンかなァ
それともどっかでワッフルでも入れよーか?
【カロリーで言えばカツ丼レベルである。
2つセットのケーキをいつもどおりに手づかみで掴む。】
■園刃 華霧 > 「おオっ、すごい説得力ダ! まー、アタシもなんとかなってるシ、なんとかなるんだろーナー。
今度、働かない宣言でもしてクるかなー」
ちょっと大まじめに考え始める。
そんなことやったら流石に、容赦なくクビになるのではないだろうか……それはそれでちょっと困るな。
クッ、出来るエライさんとじゃ比較にならナイんじゃないか、実は……?と、一瞬真顔になる。
「んー……」
そりゃひょっとして、偏った食生活してるからじゃないか?と思った。
なんかすごい勢いでお菓子食べようとしてるし。
でもなんか、それで食べるのやめさせたらなんかもったいない気がするので、そこは黙っておこう。
言いかけて口を閉じる。
「逆に考えりゃー、かわいーカッコし放題ってヤツなんじゃないノ?
今だけよー、今ダケ。特権ってヤツさ。
それこそアタシみたいなのが、そんなのヤったら、アイタタタタタ……じゃ済まないシ。
……うぇ」
自分で想像したのか、軽くえづく。
いやー……意外と効くわー、これ。今度上司に会うときやってみるかなー……いや、自分が辛いな。
「それに、世の中、別に発育過剰なメンツばっかりじゃなシ。服だって選べバ、それなりにアルはずだゾ。
まーなんだ。あれダネ。視野を狭くせずに、広い世界を見よウ!」
ちょっといいコトいった気分になる。流石に決めポーズとかはやめたけど。
「よく食べるナー。ま、いいけどサー。」
ひょいひょいと持っていく姿に、思わず笑う。
遠慮がないし。いや、なんか新鮮だな。
……って、手づかみか。意外とワイルドだな、おい。
■ヴィクトリア > 似合わねーって。
今だってこんなあぐらみたいなカッコだしさー。
スカートだとそもそも落ち着かない上にこういう座り方できないじゃん?
とかいう考えが先に来る時点で向いてないんだって。
ボクみたいなのはそーゆーのあわないんだよ。
【自虐的に言ってて自分で沈む。まあ、自室や女子寮でしか見ない座り方を外出するあたりそういう部分はあるかもしれないが
それはそれで足のラインなどは悪いようにも思えない部分もある。】
んー、だってさー。
せっかく食べたいって思ったらできるだけその時に食べないと損じゃん?
しかもコレ、降って湧いたサービスなわけでしょ?
コーヒーだけで寂しく済ましてた欠食児童にはご馳走極まりないですよー?
【手づかみで手を汚しながら食べる。
食べからは割りと行儀が悪いというか、明らかに口の周りや手を汚す。
もっとも、ウマそうに食べるそではそれで気持ちいいようにも思えなくはないのだが。
そして、欠食児童でも無ければカネがないわけでも飯を食べてないわけでもない。
単にタイミングをいろいろ間違って孤独を感じていただけである。
なので、こうやって他人と一緒にする食事が純粋に嬉しいのだ】
■園刃 華霧 > 「いや、そりゃ単純に趣味ノ問題じゃないカ……?
向いてる向いてないトカじゃなくてサ。着てみりゃ案外似合うカモよ。
つーか、動作トカ言い出したら、えー、あー……」
そういや、名前聞いてなかった。
なんて呼べばいいんだっけ。役職とか覚えてねー。やっば。
「まあいいや、お嬢。アタシらなんて、制服でドッスンバッタンするわけさ。
正直、色々とどうなのヨって話だと思わなイ? まあドンパチしてる間は気にしてる余裕もないケドさ。
はは、まあだかラ、考えようだト思うケドねー。」
笑いながら、スカートをひらひらさせる。
なんだ、ようするにコンプレックスとかいう感じのを抱えてるわけか。
まー、別にわざわざ直す必要性も感じないけれど、話題にするには面白いな、これ。
「そりゃま、そうカ。これ、アタシのサービスだったワ。忘れてたネ。
じゃあ好きに食べれバいいんじゃないかナ。」
おー、そういやそうだった。
面白そうだったからノリでやったの忘れてタ。
「つーか、お嬢。別に手で食べるナって言わないけどサ。
ほれ、手拭きは置いておくカラ使いなヨ。その手で触られたリしたら洗濯とか面倒だシ。」
また魔法のように出てきた手拭きを……まあとりあえず置いておく。
美味そうに食べてるんだし、まあ好きにすればいいんじゃないかな。と思う。
別に綺麗汚いとかにこだわる気はない。
「てか、お嬢って呼びでいいのかね……ま、いっか。
アタシは……ま、それもいっか。謎の風紀店員その一、とかでも。」
ケタケタ、と笑った。
まあ、名前とか言ってくれないなららそれでもいいし。
目の前の少女からはとりあえず面白さを提供してもらったからそれで十分。
そう思って……折角だ。自分も悪食を休んで、普通の珈琲を出して飲んでみた。
たまには悪くない。ゆったりと少女の食事を終わるまで眺めていた。
■ヴィクトリア > んー、ヴィクトリア。
でも別にネコミミとかお嬢とか適当でいーぞ?
割と大層な名前ついてるから、あんま気にいってないんだよ、名前。
猫耳パーカーでだいたい通じるしな。
まーそういう意味でも服装変えづらいのもある
いーわけにしてる部分もあるかもだけど。
【名乗りはするが名乗りだか自嘲だかなんだかわからなかった。
あまり重要だと思っていないのかもしれないし、気にし過ぎなのかもしれない】
だってさ、ケーキとか手づかみがいいんだよ。
上品に食べてたらさー、バラバラに分解するじゃんだいたいさー
バラバラじゃなくてケーキのまま食べたいんだよボクは。
いちいち倒したりとかそういうの気にしたくないしさー、土台だけ硬くて残ったりとかめんどいしさー
それに、アレだ
最後に手とか口の周りについた奴がアレはアレでシメになるんだよ。
【たぶん手づかみにそんな理屈をこねる奴は初めて見たかもしれない。】
ま、ありがとな。
ちょっとくさくさしてることがあってさ、いつもと違うことしたかったんだよ
んでお前が来てボクを楽しませてくれてさ。
えっと、名前は園刃 華霧かー、名前だけ拾ったけどあとは見てないからな?
ホントありがとな。
ちょっと嬉しかった。
【歓談しつつ、小さなお茶会を楽しく過ごした。
コレもまたカフェの一つの楽しみ方かもしれない
………………閉店時間中のカフェテリアの前でなければ、だが。】
■園刃 華霧 > 「んじゃ、お嬢でいいやヤ。
あっは、すっごいナ。当たり当たリ。そんなのも調べられるんだナー。
あーー、きにすんナ。ろくなことかいてないシ」
笑った。
ご案内:「カフェテラス「橘」」から園刃 華霧さんが去りました。
■ヴィクトリア > まーな、ボクの専門はそこだから。
んで、余計な情報は無理に引っ張ってこないのもな。
また今度どっか行こーぜ?
【ひとしきり笑って、楽しく食べた。
そんなの、すごく久しぶりだったように思う。
だからすごく、楽しかった】
ご案内:「カフェテラス「橘」」からヴィクトリアさんが去りました。
ご案内:「カフェテラス「橘」」に薄野ツヅラさんが現れました。
■薄野ツヅラ > (かつり、かつり)
(早朝のカフェテラスには幸い人が少なかった)
(其れ故に杖をつく少女に好奇の目を向ける人間も少なかった)
(案外居心地いいのねェ、平和なことに)
キャラメルフラペチーノエスプレッソショット追加
(慣れた調子で注文。受け取ればのんびりと杖を片手に窓際の席に移動する)
(生憎の曇天。ガラスの外、傘を片手に登校する生徒をぼうっと眺めた)
ご案内:「カフェテラス「橘」」にサイエルさんが現れました。
■サイエル > 登校している生徒の中に混じって。
どうみても浮いている白衣を見つけた。
傘は――刺していない。
濡れる様子も構わず。湿気ったタバコを咥えながら
ゆったりと、歩いて……ふぅっと顔を上げたとき……
”見覚えのある生徒に気づいた”
『珍しいねぇ? 登校かい?』
いろんな声が混ざる中。そんな声が聞こえるだろう。
そして――
『独り言、みたいに話してくれれば聞き取れるから。そのまま喋るといいよ?』
”音”を正確に送ってくる。聞こえなかったり、”聞こえすぎたり”。非常に、”変なおっさん”だった
■薄野ツヅラ > (────教師ってもっと早く出勤するもんじゃないのぉ……?)
(ぼんやりと目の前の白衣を見遣ればフラペチーノを口に運ぶ)
(甘、と厭そうな顔を浮かべた)
(周りに聞こえないよう───第一周りに人は殆どいないのだが静かに呟く)
ンな訳ないでしょお、登校なんてする訳ないじゃない
それにしても便利な能力ねェ────……
(憎まれ口を何度か叩いて、本題へ)
(雨の音に掻き消されないのか、とどうでもいい事を思案しつつ口を開いた)
────獅南蒼二。
魔術を教えてる筈の教師よぉ
そいつの情報を洗ってもらえないかしらぁ、アンタ教師でしょ。
ボクよりはずっとやりやすいと思うゾ───……☆
(自身の駒になれ。無理とも思える提案を、少女は突き付けた)
■サイエル > 『いやいや、糸電話みたいなものだからねぇ。君みたいに上手く動けるわけでもなければ。もう年だから運動も微妙でねぇ? サボりか。いいなぁ……』
振動を正確に送って、また受信する。それはこのおっさんの
”唯一の異能”である。
まぁ、正確には周りを静かにするの応用であるが。
『……急に激しいねぇ。いや、襲撃にラブコールされて、大事なものでも取られそうだったのかい? にしてもなんっていうか、”らしくないねぇ”。余裕がないぞ☆』
■薄野ツヅラ > きちんと働きなさいよぉ、
何処から給料出てきてると思ってる訳ぇ……?
(なんで首にしないのかしらぁ、と首を傾げる)
(対価を貰っているなら其れなりに見合う仕事をしろよ、とは前々から疑問だった)
あっは、ラブコールもいいけどちょーっとねェ……──
それだけ敵対しようとしてる人が強いってことよぉ
────それにちょっと我慢ならないというかぁ
(曖昧な口ぶり。少女らしくない自信のなさげな言葉)
(真似をされたと気付くとおもむろに舌を打った)
■サイエル > 『……どこからって。財団から? あっはっは。こう見えて容量はいいんだよ。多分。昨日ツケで三ヶ月分一日でやらされたけど。わりとちゃんと仕事してるよ。三ヶ月に一回は。それ以外はサボリに費やしてるけど』
まるで居残り授業のような仕事の仕方である。
なぜかドヤガオをしているような気がした。
ゆっくり歩いていけば校門に差し掛かり、くあああっとあくびをしながら。
『……おや。今日は随分しおらしいねぇ……彼氏にでも怒られちゃった? 愛のムチが激しすぎてお疲れ?』
そんな冗談っぽいことを口にしつつ。
『やぁだぁ……今時の女子高生こわーいー☆ とかやってる場合じゃなさそうだねぇ。聞かれると不味そうな話かい? なら”場所”変えようか?』
■薄野ツヅラ > おかしなタイミングで延命してもいずれ切られるわよぉ……?
(何を言っているやら、と肩を竦める)
(この掴めない教師は何を考えているのか。読む気もなければ聞く気もなかった)
(次第に強くなる雨を見る。傘ないわねぇ──…とぼんやり思案する)
あっは、セクハラで首切られたい訳ェ?
第一彼氏とかじゃないしぃ──……
まァ、大事な人が怪我させられて黙ってるほどイイコじゃないのよぉ
(冗談には幾らか過激な冗句を返す)
別に聞かれても不味くはないわぁ、特に理由もないし要件はそれくらいだしぃ
(ず、と音を立ててフラペチーノを流し込む)
(甘ったるい感覚が口の中に広がればすぐに横の水で口内を漱いだ)
■サイエル > 『……どうだろうねぇ。言ったか言わなかったか忘れたけど。異能を使わない治療は、なんだかんだで需要はあるんだよ。だからやり過ぎなきゃ平気平気。サボリ云十年。ヘマはしないよ』
あっはっはっと笑いながら、がららっと保健室を開ける。
『……女子高生怖い。今時コワイ。恐ろしい』
がくぶるとか言いながら着席。
タバコをゴミ箱に捨てて、タオルで体を拭きながら。
『……青春だァねぇ……ふぅん。ところで、なんで私なんだい? 他にも君なら”自由にコマを作れるはずだろうに”』
そう。一度見た生徒を傀儡のように動かす異能がある。
ならば。そうすればいいのに
■薄野ツヅラ > そんなの面白いからに決まってるじゃない
(きっぱりと言い捨てた)
(相手の姿が全く見えないのに声が聞こえる)
(実に広範囲に及ぼせる異能は便利だ、と皮肉気に漏らした)
怪我しかしない青春なんてまっぴらよぉ……──
そりゃあ、見ず知らずの誰かを自分の私利私欲のために操作するなんて
一般生徒の心優しい女の子にはできないんだゾ──…☆
(そして何より協力してくれると踏んでたしぃ、と付け足した)
■サイエル > 『……いや、ただの保険医なんですけど……』
苦笑しつつ、どこに面白みがあるのやら。
これしかできないし、広範囲といっても声が聞こえるだけだよ
とその皮肉に、はぁっとため息。
『怪我は若さの勲章だよ。……あっはっは、そういうことにしておいてあげようか。ふむ、まぁ協力するのもいいけど。私のメリットはあるのかい? キャンディガール? 一応、あるなら聞いておこう。これは”交渉―ゲーム―”だろう?』
■薄野ツヅラ > ンー………メリットねェ……
(むう、と暫し考え込む)
(残りも少なくなったフラペチーノを飲み切ってトンと机に置いた)
楽しい楽しいスリリングな西部劇の役者になれると思うけどぉ?
其れだけじゃ不服かしらぁ──……?
(退屈に殺されなくても済むわよぉ、と軽く笑った)
■サイエル > 『サボリが好きなのに、スリリングを持ちかけるってどうなのさ……』
苦笑しながら、体を拭き終わり。
まぁ、メリットなんてなくてもいいけどなんてつぶやいて。
『また一つ貸しね、キャンディガール。
これで3つめね。まぁ、軽く調べておくよ』
結局断らず、引き受けた。
まぁ、これも先生としての仕事の一つだろう。
『でもたまにサボるから。その時はゆるしてね?』
そう告げれば、おっさんから声が響くことはなくなっただろう
ご案内:「カフェテラス「橘」」からサイエルさんが去りました。
■薄野ツヅラ > 3つ目ねえ……どうやって返済しようかしらぁ。
其れとも踏み倒そうかしらぁ──……?
(そんな物騒なことを考えつつゆっくりと席を立つ)
(かつり、杖を鳴らして先刻と同じ甘ったるいフラペチーノを2杯目)
(位置を変え、入り口あたりに席を構える)
(雨が止むまでは暫くカフェテラスで雨宿りをしようとぼんやり思案した)
ご案内:「カフェテラス「橘」」に焔誼玖杜さんが現れました。
■焔誼玖杜 > 「う、うう……」
【カフェテラスにマフラーと冬服を着込んだ女子生徒が、ふらふらと言った様子で現れる。
一歩歩けば、筋肉痛でふくらはぎや太ももがズキン、と痛む。
半日近く休んでいたものの、抜けきらない疲労感もあり、まっすぐ歩くのも大変だ。
……しかし、それでもお腹は減る。
寮の食堂に行けばいいようなものだが、お昼時の喧騒は苦手だ。
気がつけば先日寄ったカフェへと、足が向いていたのである】
「……え、っと、空いてる席」
【入り口近くから店内を見回してみれば、いくつかの空席があり。
良かった、隅っこの席が空いている。
それにほっと息を吐いて移動しようとしたところで。
足を縺れさせて、すっ転んだ】
■薄野ツヅラ > (入り口が開く音がすればちら、と目を向ける)
(矢張り天下の学生街。自分には馴染みのない生徒の姿だった)
(時期外れの冬服。暑そうねえ、とぼんやりその姿を眺め続ける)
(少女の外見情報を頭の中で纏めていると────転んだ。)
(其れは漫画のようにしっかりと足を縺れさせて前へと転ぶ)
(漫画ならばヒーローが抱き止めるシーンなのだろうが、生憎現実は漫画とは程遠く)
えっとぉ───……大丈夫ですぅ?
(思わず口に出る。手を貸せなくてごめんなさいねェ、と小さく呟く)
(近くに座る左手を三角巾で吊った少女が杖をつきつつ声を掛けた)
■焔誼玖杜 > 「へぶっ」
【こう、まさしく漫画のような声をあげつつ、転んで倒れる。
なんとか咄嗟に体を庇って肩から倒れたものの、わりと痛い。
顔や頭を打たなくて良かった。そんなふうに思いながら、ゆっくりと起き上がり】
「うう……多分、だいじょうぶ、です……」
【カフェの床に座り込んだまま、掛けられた声に振り向く。
……なにやら、随分と怪我をしてる様子の、赤い少女。
自分より多少、年上だろうか。
転んだ少女に、慌てて店員が寄ってくる。
その店員に助け起こされながらしているうちに、新たな客が入ってきて、いつの間にか空席は埋まってしまっていた】
「相席でもよろしいでしょうか……?」
【その少し申し訳無さそうに言いながら、店員は赤い少女と、マフラーの少女にたずねる。
マフラーの方は、どうしよう、といった様子で、店員と赤い少女を交互に見ていた】
■薄野ツヅラ > (目の前の一瞬の出来事に若干の呆れを覚えた)
(大丈夫、と云われればゆっくりと視線を目の前の甘ったるいフラペチーノに戻す)
(ごくり、一口喉を通せば軽く咽る)
(───ドジっ子属性と云うかなんと云うか……)
(いるわよねェ、漫画だったら急に出てきて旧ヒロインからヒーローを奪っていく感じのぉ……)
(なんとも失礼な酷評を頭の中で思い浮かべる)
(後ろから声を掛けてきた店員をちら、と見遣った)
(適当に愛想笑いを浮かべて)
どうぞ、構いませんよぉ
(と)
(動く右手で向かいの席を差した)
■焔誼玖杜 > 「え、あ……それじゃ、失礼、します……」
【相席の許可に、少し戸惑いながら頭を下げ、椅子に座る。
だが、目の前の相手とは、顔を合わせようとせず、直ぐにメニューを手に取った】
「……ホットココア、と、サンドイッチ、お願いします」
【そのまま様子を見ていた店員に注文し、一息つく。
そして、軽く顔を俯けたまま、前髪の隙間から赤い少女の様子を伺った。
さっきの姿を見られていたわけで、きっと呆れられてるんだろうなあ、と思い。
恥ずかしさを感じて、顔が徐々に赤くなる】
■薄野ツヅラ > (訂正ねェ、こりゃ文句なしの王道ヒロインだわぁ──……)
(マフラーの少女の思惑はよそに、自分の脳内で失礼な想像が繰り広げられていた)
(ふと、ヒロイン力高すぎぃ……と呟いた)
(顔を上げない少女をぼんやりと眺めながらフラペチーノを口に運ぶ)
───ああ、別に不審者とかじゃないから気にしないでいいのよぉ?
(頬をついて小さく欠伸をする)
(落第街が本拠地の少女は、顔を上げてもらえないことに若干のショックを受けていた)
(そんなに不審に見えるのかしらぁ──……)
■焔誼玖杜 > 「い、いえ、そのっ、そんなつもり、じゃ……」
【ああ、勘違いされてしまった。
とりあえず違うというものの、ますます俯いてしまう。マフラーに埋まるほどに。
ただ緊張しているだけであって、相手がどうこうという意味ではないのだ。
どうしよう、なにかしないと、なにか言わないと、なにか話さないと……。
そんな思考がぐるぐる、ぐるぐると頭の中を駆け巡り】
「あ、の……私、は。
焔誼、玖杜、っです。一年生、です」
【出てきたのは自己紹介の言葉。
自分から名乗る事で、警戒とか、嫌がってるとか、そういう意味じゃないと伝わってくれないだろうかという希望込みの、かなり途切れがちな言葉だった。
そして、そうしてる間にカフェから客が出て行く。
丁度入れ替わりの時間だったのだろうか……とはいえ、今さら席を移動するのはあまりにも……タイミングが悪かった】
ご案内:「カフェテラス「橘」」に薄野ツヅラさんが現れました。
ご案内:「カフェテラス「橘」」に薄野ツヅラさんが現れました。
ご案内:「カフェテラス「橘」」に薄野ツヅラさんが現れました。
ご案内:「カフェテラス「橘」」から薄野ツヅラさんが去りました。
ご案内:「カフェテラス「橘」」に薄野ツヅラさんが現れました。
ご案内:「カフェテラス「橘」」に薄野ツヅラさんが現れました。
■薄野ツヅラ > (相手に自己紹介をされれば思い出したようにゆっくりと笑みを浮かべる)
あー、どうぞ宜しく?
薄野廿楽、一応2年生に籍はあるわぁ
(のんびりと間延びした口調)
(普段の若干辛辣な様子は何処へやら、ふんわりと笑う)
(自分がしかめっ面を浮かべていたのを思い、どこか申し訳なさそうに)
■焔誼玖杜 > 【相手の表情と口調に、どこか安堵したような吐息を漏らした】
「先輩、なんです、ね。
その、ありがとう、ございます」
【心配してくれて、と、相席させてくれて、の二つを篭めた礼の言葉だった。
とはいえ、玖杜は未だ俯き加減のままであり、前髪に隠れた目はせわしなげにあちらこちらへと動いている。
ちょっとした観察力があれば、例えば読心能力などなかったとしても、それが緊張や自信のなさから現れる挙動だと、察する事は出来るだろう】
■薄野ツヅラ > どういたしましてぇ?
先輩って云っても一年二年くらいは大した差じゃないわぁ
あんまり年齢については気にしないでほしいんだゾ───……☆
(緊張を緩ませることのない目の前の少女を見ればふふ、と小さく笑みを浮かべる)
(───入学したての頃はこんな感じだったわねぇ……随分懐かしく感じるけどぉ)
(内気だった昔の自分に重ね合わせてぼんやりと少女を眺める)
(暫く落ち着くまではそっとしておこう、珍しくそんなことを思い浮かべながら)
■焔誼玖杜 > 「そ、そう、ですか……?
なら、その、……薄野……先輩」
【気にしないようにしようと思ったけれど、結局呼び方は先輩になってしまった。
人見知りの気がある玖杜には、中々年齢を気にせずというのも、難しいようだ】
「……おまたせしました。ホットココアと、サンドイッチです」
【そんなところに運ばれてくる、注文した二品。
玖杜は早速ココアを一口飲み、気持ちを落ち着けようとする。
温かさと甘さに、ほんの少し緊張が解けたように微笑が浮かぶだろう】
■薄野ツヅラ > (───先輩、か)
あっは、あんまりそうやって呼ばれる機会がないものだからちょっと気恥ずかしいわねぇ───…☆
(登校自体1年前からしておらず、年下と交流することが少なかった少女にとってそれは初めての響き)
(嬉しさ半分、どこか擽ったいような)
(にへら、と嬉しそうに頬を緩めた)
(ココアを口に含んだのを見れば自分も甘ったるいフラペチーノを一口)
■焔誼玖杜 > 「そう、なんですか……?」
【玖杜からみれば、赤い少女は優しい人に見える。
それこそ、後輩から慕われそうな人で、それでいて個性も強そうだから、人気があるようにも思えるのだが。
いつの間にか上げられた顔は、不思議そうに、その先輩の様子をじっと伺っていることだろう】
■薄野ツヅラ > ンー、そんなに知り合いも多くないしぃ……
まず学生街にあまり来ないのよねェ
(すっかり気を許したのかのんびりとそんなことを呟く)
(じい、と見られていることに気づけば目を合わせて軽くウインクをひとつ)
(唇に指を当てて話題を選ぶ)
正確には二年に上がってからは行ってなくてぇ……無理な能力開発から逃げたかったというかなんというか。
(ほら、異能にもレベルとかあるでしょ?と小さく笑った)
■焔誼玖杜 > 【そうなんだ、意外だなあ、と思いつつ。
ウインクをされれば赤くなって顔を逸らす。
人見知りなのもあるが、少々内気で照れ屋でもあるのだ】
「……そういう、ものなんですか」
【いまいちピンとこない様子で返す。
この学園に来た際、そういう環境だとは知識にあった。
けれど、玖杜の能力は、そう言った能力開発とは無縁である。
そのため、その『レベル』がどういう意味合いを持つのか、よくわかっていないのだ】
■薄野ツヅラ > なんだかいろいろあるみたいでねぇ…
まァ学生の中でもコンプレックス抱いてる人もいたりねぇ
(もちろんボクもそうだけど、とぽつり)
強い能力を持ってる人達が過ごしやすい場所だからねぇ、ここは───
(どこか遠くを眺めるように、ぼんやりと目を細めた)
(赤くなる少女をちらと見遣れば可愛いなあ、と漏らす)
どうにも魔術の方もセンスがなかったみたいでぇ……
(困ったように笑った)
■焔誼玖杜 > 【能力の強弱がコンプレックスになる……という話には、なるほどと思った。
それは多分、運動が出来る出来ないとか、勉学の成績がどうとか、そういうのと同じなのだろう。
玖杜は幸い、というのか。そう言ったコンプレックスはない。
……その分多くのトラウマを抱える破目になったが】
「魔術も、ですか?」
【玖杜にとって魔術とは、教えられれば誰でも扱える……そんなものである。
小学生だった自分が、簡単に教えられただけで使えたのだから、そんなものだと思っていた。
玖杜もけっして、高い素質があったわけではないが、それでも三種の魔術を制御が甘いとは言え習得しているのだ。
だから、とても意外そうな表情を浮かべただろう】
■薄野ツヅラ > あっは、どうも向かなかったみたいでぇ…
(どう説明したものか、と頬を掻く)
こう、アレルギーって言ったらわかるかしらぁ……?
食べたくて食べたくて仕方が無いものでも体が拒否しちゃう、ってやつね。
ボクの場合は魔術を使いたくて使いたくて仕方がなくてもこの頭じゃ無理だったみたいでぇ──……
(合間にごくりと喉を鳴らす)
(甘ったるいフラペチーノが喉に絡めばけほけほと数回むせた)
(きょとん、とした少女にふんわりと笑いかけるとまた楽しそうに笑う)
人にできることができないのよねぇ、昔から
それこそ頑張らないとってなる人もいるのかもしれないけどボクは頑張るのをやめちゃった
(どこか寂しそうに笑った)
■焔誼玖杜 > 「使いたくても、使えない……」
【そういう事もあるんだ、と、わからないなりに納得した。
覚えられないのでなく、使えないというのなら、きっとどうしようもないのだろう】
「……頑張るのって、大変、ですから」
【今現在、玖杜も頑張ろうとしているが、投げ出したくなる事は多い。
なにせ、玖杜の能力も魔術も、精神を削るように消耗するのだ。
好き好んで練習なんて、したいものじゃない。
それでもしなければ、またいつかあの光景を見てしまいそうで。
……先輩の言葉に色々と思いつつ、サンドイッチを口にして諸共飲み込んだ】
■薄野ツヅラ > うん、残念ながら脳の構造的に駄目だったみたいでねぇ
拒否反応がすごくて物凄い吐き気に襲われるのよねぇ───……
(思い出したかのように顔を顰める)
(大変ですからと言われればそうねぇ、と柔らかく笑った)
頑張ってどうにかなるなら既に頑張ってるしぃ
体質的にできないって言われたらそりゃ逃げちゃうわよねェ
(だから自分は悪くない、と言わんばかりに自慢げだった)
■焔誼玖杜 > 「脳の構造、ですか……」
【その理由を聞いて、もしかしたら、と思う。
玖杜の身につけている魔術は、頭で覚えるものではない。
魔道書を読んだことで、半ば強引に『理解』させられるものだった。
肉体的にではなく、精神的に刻み込まれる情報だった。
それは学問としての魔術ではなく……まさしく魔の、外法の術なのだ】
「……もし、先輩にも……魔術が使える、可能性があったら、どう、します、か?」
【玖杜には目の前の赤い先輩が……本当に諦めているようには見えなかった。
仕方ないと言うその裏で、どこか、求めているようにも感じられて。
だから、聞いてみずには居られなかった】
ご案内:「カフェテラス「橘」」に薄野ツヅラさんが現れました。
■薄野ツヅラ > そりゃあ、使えるなら使ってみたいには決まってるじゃない?
魔術なんて人間の人智を超えたこと、してみたくない訳がないわよぉ?
(目の前に玩具を並べたら子供がどういう反応をするのか)
(少女の反応は其れそのものだった)
せっかくこの学園に籍を置いてるんだもの、
異能と魔術の二刀流!とかそりゃもちろんやってみたいわぁ?
(にぱっと、明るく笑みを浮かべる)
(まずその可能性があるとは、彼女は全くもって思っていない)
(できないと思っているからこそ、憧れる)
■焔誼玖杜 > 「……その、多分、ですけど。
試せる事が、ある、と、思います」
【そう言って、玖杜は持っていた鞄――いつもの物は焦げてしまったため、新しいものだ――から、一冊のメモ帳を取り出す。
それは、玖杜を助けてくれた恩人から渡された、本物の魔道書の写し】
「ここに、魔術に関した、記述が、あります。
これを見れば、もしかしたら……」
【そう話しつつ、取り出したものの差出しはしない。
まだ少し、迷っているのだ。
この写しは、元の魔道書と同様、読んだものの正気を削り、狂気を呼び起こす。
精神を削られる苦痛、人間が理解してはいけない外宇宙の理。
それを受け入れるのは、まともな精神力では難しい。心が壊れてしまう。
だから玖杜は、こんなものを人に見せることは滅多に……いや、未だかつてなかった。
本当に偶然……そう、たまたま。
偶然会った先輩が優しくて、その先輩が余りにも寂しそうで……苦しそうで。
人見知りだが、重度のお人よしでもある彼女は、どうしても余計な事をしたくなってしまったのだ】
■薄野ツヅラ > ……ン、
(魔道書、と聞けば僅かに顔を顰める)
(自身の脳の仕組みについては誰よりも理解しているつもりだった)
(厭、理解している)
(人間の脳に直接作用する異能を持つ自分の脳は、少なくとも普通ではない)
(他人の脳のシステムをそのまま代行することだって可能だ)
それを読んだらどうなるのかしらぁ?
(だからこその、本能的な恐怖)
(もし異能を失うことになったら?それともノータイムで死ぬかもしれない)
(魔術に関しては学園ですら適正なし、と匙を投げた)
最低限起こる可能性のあることとか知らないかしらぁ?
(トラウマの刺激にも近かった)
(今にも吐きそうで仕方がない。それでも目の前の優しい後輩の好意を無為にはしたくなかった)
(それ故に───幾つもの問いを投げかける)
■焔誼玖杜 > 「魔術が、使える、かもしれない、ですけど。
……心が、壊れるかも、しれません」
【そう言って前置きをし、先程思い浮かべた通り、危険性について説明する。
最悪廃人となる可能性もある、とても危険な物だと。
そして、脳で理解、考えて扱うものではなく、精神に作用するものだとも。
先輩の顔色が変わり、より苦しそうになったのを、玖杜も気付いた。
だから写しを見せたことを少し後悔し……けれど、見せた以上、後に引くわけにも行かない】
「私は、これを読んだ後……金切り声を上げて、倒れた、そうです。
……書いてある内容は、覚えてません。でも、魔術は、使えます」
【恐らくこの学園では、このような魔術の習得法など、教えては居ないだろう。
いや、知識として魔道書の解説はあったかもしれないが……それを実践させるほど、表向きは狂っていないはずだ】
■薄野ツヅラ > ───そっか。
教えてくれてありがとう、玖杜ちゃん
(間延びした口調も、人を煽るような口調もそこにはなく)
(彼女は、平凡に。それでいてずっと優しく笑った)
(同時に、とても安心したように)
───それならボクは魔術は使えないままでもいいかなあ。
何よりも、誰よりも人間らしくありたいから。
やっぱり人間は人間らしく、地面に這い蹲っていたいわぁ?
(彼女は自分の異能を使うにあたってルールを決めていた)
(人の心を操作できる自分は、誰より人間らしくあること)
(それが薄野廿楽の中の絶対条件だった)
(だからこそ、この後輩の提案は)
気持ちだけ受け取っておくわぁ、ありがとう?
(彼女は、これ以上なく人間らしく)
(それでいて誰よりも楽しそうに笑顔を向けた)
■焔誼玖杜 > 「……そう、ですか」
【そう言って断られて、玖杜はむしろ安心し、笑顔を浮かべることが出来た。
そして、嫌なものを封じ込めるように、鞄の奥へとメモ帳を押し込む】
「先輩は……その、『いい』人、ですね」
【素敵で、そして、格好いい人だ。そう思ったから、顔を上げてどこか憧れるように、ようやく相手の目を見ることが出来た。
人見知りの少女は、だからこその観察力もって、目の前の先輩を見つめる。
弱さを垣間見て、こうして強さを見て……優しさを向けられて。
きっととても誠実で、まっすぐな人だったんだろう、と】
■薄野ツヅラ > あっは、そんなことはないわよぉ?
誰よりも自分勝手で誰よりも利己主義なんだからぁ───
(先刻の表情は何処へやら)
(普段通り、不遜に、不敵に笑った)
こんなのをいい人だ、なんて言ってたら落第街に迷い込んだら悪い狼にたべられちゃうんだゾ──……☆
(じい、とその黒曜石のような双眸を見つめる)
(純粋そうで、優しそうな其れを見遣ればふぅ、と息をついた)
ボクみたいな弱い奴はこうやって誰かの心につけ込む奴が多いから
(だから気をつけて、と小さく呟く)
(かつり、とおもむろに杖を起こして立ち上がる)
(二人分の伝票を手に、ゆらり背を向けた)
じゃあまた会う機会があれば何処かで、ねぇ?
もし落第街に迷ったら、きっとその時会えるわぁ
(悪戯げにウインクをひとつ)
(動かない左手を小さく振って、そのまま立ち去るだろう)
ご案内:「カフェテラス「橘」」から薄野ツヅラさんが去りました。
■焔誼玖杜 > 「……そう、ですね。
気をつけ、ます」
【そう返事を返しながら、同時にこうも思う。
先輩のような人に利用されるなら……それでもいい、と】
「はい、また、どこかで……」
【そう答えて見送りながら、玖杜は祈る。
先輩が苦しまず、寂しい思いをしなくてすむような、そんな日が来ればいいな、と】
■焔誼玖杜 > 「……あ、伝票」
【それがなんだか自然な動作だったため。
自分の伝票がない事に気づいたのは、サンドイッチを一通り、食べ終えた後だった】
ご案内:「カフェテラス「橘」」から焔誼玖杜さんが去りました。
ご案内:「カフェテラス「橘」」に川添 孝一さんが現れました。
ご案内:「カフェテラス「橘」」に『室長補佐代理』さんが現れました。
■川添 孝一 > (夕暮れのカフェテラス、空いているテーブルに座り)
(エッグタルトとドゥーブルフロマージュを注文し)
(そのまま一日の疲れを吐き出すようにため息をついた)
■『室長補佐代理』 > 「お疲れの用だな」
背後にたった影が、唐突にそう言葉を漏らした。
もし振り向いたなら、そこにいたのは黒のザンバラ髪をふり乱した長身の男。
泥が滴るような不気味な笑みを張り付けたまま、川添を見下ろす。
「『狂悪鬼』川添。随分と丸い面持ちになったじゃあないか」
■川添 孝一 > ………!(背筋に氷を入れられたようなゾクリと来る声)
(振り向き見上げると胡散臭い男がこちらを見ている)
……狂悪鬼の名前は返上したんだ、あんたは誰だ?
(ゴクリと息を呑んで)常世財団本部直轄の人間じゃなければ同席してもいいぜ。
ご案内:「カフェテラス「橘」」に薄野ツヅラさんが現れました。
■薄野ツヅラ > (かつり、杖を鳴らして一人の少女がカフェテラスに)
(きょろきょろと空席を探すも生憎夕暮れ時。学生で溢れ返り見当たらない)
(アー……折角甘くないの頼んだのに席空いてないとか不幸極まりないわぁ)
(───あら、有名人が)
(ぼんやりと抹茶オレを手に遠巻きに大柄の男性二人をちらと見遣った)
■『室長補佐代理』 > 「失礼。俺はこういうものでね」
そういって、普通の生徒が持っているものとは装丁の異なる生徒手帳を取り出し、開く。
「公安委員会直轄第二特別教室 調査部別室 『室長補佐代理』 異能名は『主観論』、魔術名は『君の友人』だ。本名は仕事柄名乗れなくてね」
そういって、断りもせずに対面に座る。
「有名人と出会えて光栄だよ。川添孝一」
■川添 孝一 > これはご丁寧に、どうも。(気圧されないように気を張って)
それじゃ俺も名乗らなきゃいけねーな…(手帳を開いて)生活委員会で怪異対策室三課室長、川添孝一だ。
異能は『狂悪鬼』と『追放されし異形の果実』、魔術は偽書『世界は蜜でみたされる』。
俺も有名になったもんだな……あの公安の人間に名前を覚えてもらえるとはな。
(ツヅラには気付かない、この目の前の異質すぎる存在感の男に気を取られていて)
■薄野ツヅラ > (まァ、あの面白い場を見逃すわけにはいかないわよねェ──……)
(両人が相席したのを見れば、気持ち早足で机の傍へ)
(にぱっと子供のような笑みを浮かべておもむろに声を掛ける)
こんばんは、もしよかったら相席構いませんかぁ?
混んでてお茶できそうになくってぇ
(躊躇も逡巡することもなく、一言)
(動かない固定された左手で川添の横の席を指した)
■『室長補佐代理』 > じわりと、視線を少女……薄野ツヅラへとうつすと、また汚泥が滲むような笑みを浮かべて、左手を仰ぐ。
純銀の不気味な指輪が、怪しく輝いた。
「どうぞ。先日うちの部下が失礼をしたようだからな。お茶くらいは奢らせてもらおう」
そういって、また殊更深く微笑んだ。
■川添 孝一 > (ツヅラが声をかけてくれば戸惑う)
(どう見ても怪しい男とどう見ても不良が話しているのを見て相席を望むのか普通、と)
お、おう。それじゃ適当に座ってくれや。
(とりあえず相席を許可した、この男と二人で話すよりは万倍マシに感じた)
ハッ、室長補佐代理さんも部下で苦労してるクチか。
どこの組織も変わらないもんだな………(運ばれてくるエッグタルト)
■薄野ツヅラ > おや、ご存知だったんですねェ……?
結構放任主義なものかと思ってましたけどそうでもない、と──……
奢っていただけるなら3日分くらいは食べないと割に合いませんねェ
(控えめに皮肉を一つ)
(笑みを崩さずに口元をにやり、釣り上げる)
薄野ツヅラと申します、どうぞよしなに
『監視番号109番』、と云った方が早いかもしれませんけどぉ──…☆
(川添に対して笑顔を向ける)
(遠慮なくその横に、ちょこんと座り込んだ)
■『室長補佐代理』 > 「どうせ経費で落とす。好きなだけ食べるといい」
いいながら、自分もクレソンサンドをむしゃむしゃと食べる。
犬歯を覗かせながら、まるで揚肉でも貪るかのように喰らっている。
■『室長補佐代理』 > 「ほう、そこまで聞かされていたか。やんちゃな部下を持つと誰でも苦労をするな」
そういって、わざとらしく左肩を竦める。
右手はずっとポケットにつっこんだままだ。
■川添 孝一 > (ツヅラの口を突いて出た言葉に内心ビビった)
(ここまで見事な皮肉が言える女子は強い―――――川添の経験上、そうである確率が高い)
(とりあえずエッグタルトを一切れ口の中に運ぶ)
(糖分全開、勇気百倍だ)
あー、薄野ツヅラ。二年の川添孝一だ、よろしくな。
(これで全員挨拶は済んだ、話すべき話題は――――)
いやぁ、最近物騒だなぁ。あちこちで人間同士の戦いが起こってるって?
怪異にかかりっきりの怪異対策室三課としても胸が痛いぜ。
(室長補佐代理と薄野ツヅラ、誰がどの程度どの情報を知っているのか探る必要がある)
(誰も何も知らないようならスイーツ食べてグッバイだ)
■薄野ツヅラ > 何処の組織も大変なのねェ、心中お察しするわぁ…
マルゲリータとアラビアータ、それからミネストローネもお願いねぇ
(通りがかった店員に注文を)
(完全に嫌がらせのためだけに普段食べる量より多めに注文している)
(川添の声を聞けばふむ、と頬杖をつく)
物騒ですよねェ、生徒を守るための組織が生徒を斬る現場を目撃したりぃ──……☆
善良な一般生徒としては胸が痛む話よねェ
(にっこりと笑顔を浮かべた)
(先ずは牽制、と云わんばかりに手元の抹茶オレを口に運ぶ)
■『室長補佐代理』 > 「耳に痛い話だな。まぁ、後で『厳重注意』しておこう。お前がそうされたようにな」
そう、ツヅラに、あの女と似た滲むような汚らしい笑みを向ける。
相変わらずサンドイッチを食べているが、その様子は食事をとっているというより、正しく貪っているとしかいえない。
「まぁしかし、争うことは極論すれば人の本能だ。抗うことはできん。怪異についても同じことだ」
曖昧にそう呟いて、川添を一瞥する。
「それよりもだ。『偶然』にもこうやって三者三様の立場を持つ人間が同席したのだ。少し、建設的な話をしないか?」
そう、不気味な笑みを傍らに提案する。
■川添 孝一 > (ツヅラの言葉にタルトを食べながら視線が室長代理補佐とツヅラの間を往復した)
(生徒を守るための組織――――公安か風紀か?)
(どちらにしてもありそうは話だが、詳細な話を知りたくもあった)
へえ、そりゃ物騒だな。斬られた生徒にゃ同情するぜ。
(エッグタルトをさらに細かく切り分ける)
そうだな……人間的知性のない、暴れることを好む怪異が現れれば人は戦わざるを得ない。
(室長補佐代理に一瞥されれば視線で射竦められたような心持になった)
闘争が人の本能に根ざしたものであるなら、この街の惨状もさもありなんってとこか。
(室長補佐代理の話に両手を広げて)
ああ、ああ。わかったよ。こうしてお互い牽制しあってても得るものが少ない。
お互いの立場での情報を出し合おう。情報交換だ。
■薄野ツヅラ > あっは、間違っても『厳重注意』で怪我させないようにしてくださいねェ?
天下の公安委員さんの評判まで下がっちゃいますしぃ──……
(特徴的な笑いと共に不愉快だ、と云うのも隠す気もなくまた皮肉を一つ)
(んー、とわざとらしく唇に人差し指を当てて首を傾げる)
お互いの立場って云われてもぉ──…
ボクは別にお二人みたいに素敵な役職もないですし
『一般生徒』の知ってる情報に信憑性もなさそうですけどねェ
(にこり、笑み)
(ボクでよければ、と頬杖をつきつつ付け足した)
■『室長補佐代理』 > 「なぁに。俺は何処にでもいる善良な公安委員だ。ただ二人に建設的なお話を提供したいだけさ」
サンドイッチを食べ終えながら、そういってコーヒーを啜り、椅子に深く腰掛け直す。
「公安委員会非常連絡局柄まりの話とその顛末はまぁ知っていると思う。それが片付いて風紀委員会との反目も和らいだという話もな。だが、それによって生じた問題も山ほどある。まさに、その問題の一片によって苦労を背負った『第三者』も此処にいるようだしな」
ツヅラを一瞥して口端を吊り上げながら、わざとらしく肩を竦める。
「それのより、この島の保安体制があらゆる部分で変わってきていることもまた、おそらく感じ入っていることだろう。生活委員会も無関係な話ではないはずだ」
■川添 孝一 > 『一般生徒』の知っている情報こそありがたいんだ。
情報というのはできるだけたくさん集めて自分で判断するもんだからな。
特別な誰かの言った特別な情報を鵜呑みにしてたらテレビのダイエット特集に流されてるのと何も変わらない。
(続いて運ばれてくるドゥーブルフロマージュを前に)
薄野ツヅラ、あんたにも噂話や伝聞で構わないから情報を出してもらおう。
全員が情報を出し合い、判断するのは自分。
わかりやすい自己責任だろう?(ドゥーブルフロマージュを一口食べる)
(室長補佐代理の話に眉根を顰める)……噂だけなら。
ああ、生活委員会も掃除する場所に変更が頻繁に入るよ。
二人以上で行動するように、との通達も入った場所もある。
保安体制に関わりがあるんだろうな、とは何となくわかるよ。
それじゃ、俺の情報だが。重大な怪異災害である龍害がまたこの島で発生する可能性がある。
怪異対策室三課としては注意喚起に留めるが、龍害が発生した場合には島全体で当たる必要があるだろう。
それと転移荒野付近でアリの亜人、俺たちが蟻人(ギジン)と呼んでいる存在の派兵が問題になっている。
今は怪異対策室一課、二課で抗戦しているが。
怪異対策室三課にもお鉢が回ってきた。
これ以上、問題が深刻化するようなら転移荒野付近の人間に避難勧告を出さざるを得ないだろうな。
……この島の人間の怪異に対する意識というのは、低い。
(遠くを見つめるように)本当は島全体でこの問題に取り組みたいんだがな……
■薄野ツヅラ > ───……あッは!
其の『一般生徒』が偏向報道をしていないといいわねェ?
(曖昧な言葉に織り交ぜた肯定)
(組織に属さない少女の感情論に塗れた情報を提示する、という選択肢)
(幸い落第街周りの情報で自分より上手な人物は恐らくいないだろう、という判断)
(あくまで不敵に、不遜に、底を見せない)
(───油断したら何時取って食われるか解らない、そんなスリルを少女は心から楽しんでいた)
(隙を見せない公安の人間に嘗ては悪名高い不良)
(相手取るには十分"楽しめる"、いや、其れ以上に最高だった)
亜人?なんだかファンタジイじみてきましたねェ、この島も
──落第街のほうでも異形が出た、とも聞いてるんだゾ──……☆
適当に強い能力者と魔術師集めて殲滅、じゃ駄目なんですかぁ?
(ぼんやりとまだ見ぬ"龍害"に思いを馳せる)
(まるでいつか読んだ漫画のような展開が現実で起きている)
(其れだけで少女の心を躍らせるには十分だった)
(一字一句逃すことなく、自分の脳に情報を叩き込む)
ご案内:「カフェテラス「橘」」に麻美子さんが現れました。
■麻美子 > ケーキとミルクティーの乗ったおぼんを持って歩み寄ると、彼の横に座る
「面白そうな話してるじゃないッスか、
麻美子にも聞かせるッスよー。」
へらへらと笑みを浮かべつつ、彼をつっつく。
「ま、聞くだけってやつッス。―――いいッスよね?」
『 室長補佐代理』にウィンクする。
絶対中立の『広報部』、その彼女がここに居る事に意味がある。
これから彼と、その場に居る人間全てが話すことを他人にさらに広める時にそれを歪める事も、
あるいは、この場において嘘を話す事も彼女は許さないだろう。
ご案内:「カフェテラス「橘」」にカエラムさんが現れました。
■カエラム > 「BhEpks!?」
くしゃみのような何か、のような。入り口でそんな音を立てながら、無い鼻をこする巨体の怪異。
死体も風邪をひくものなのだろうか。生理的な理由はわからないが、とにかくくしゃみが出た。
鼻水は出ないので当然、口元のマフラーは汚れてない。
「あ、やっほう」
店内を少し見回す。
席に座る見知った顔が三人と、見慣れぬ少女の後姿が見えた。
巨躯は、知り合いたちのもとへと歩いていく。
何やら小難しい話をしているようだが、
何も知らない自分が情報を得るのにはうってつけだ。
すこしばかり勉強させて貰いたいと思っている。
■『室長補佐代理』 > 川添の言を聞いて、男はニヤリと笑う。
それはもう、殊更深く。
この会談の場で一番の笑み……喜悦を隠さぬ汚らしい笑みを滴らせて、男は嘯いた。
「なるほどなるほど。確かにお互いに苦労する事案が増えているようではあるな。連絡を密にしつつも対処する必要は無論あるだろうが……何せ仕事が多いからな、お互い。『現場の判断』に委ねなければならない部分も多くなりそうだな。なぁ川添」
生活委員会には、捜査権限は本来ない。
それは治安維持機構である公安委員会と風紀委員会だけが持つ権能であり、生活委員会単体では対処が難しい問題だ。
しかし、生活委員会が実際の現場の状況として必要であるからこそ対怪異課を設置しているのは事実であり、ここに上層部と現場との思惑の不一致がある。
未だこの島の『上』は色々とごたごたしている。
その意思が現場に降りてくるまでモタモタしていたら『間に合わない事』が多いのもまた事実だ。
故に、こういった『現場の約束事』も必要になってくる。
これは、こういう話なのだ。
■『室長補佐代理』 > 「おう、麻美子。いたのか。まぁ座れよ。折角のティータイムだ。人は多いほうがいいだろう」
そう、わざとらしく微笑む。
なんだかんだで麻美子とは共に『色々と』仕事をこなしてきている。
こういう類『ハカリゴト』は言わなくても互いに分かるのである。
■『室長補佐代理』 > 「ああ、カエラムもきたのか。薄野、よかったな。『賑やか』になってきたぞ」
若干挑発的な笑みをかえして、口元だけを歪めて笑う。
こういった盤面で一番楽に立ち回れるのは結局のところ権威である。
その意味を、言外に汚らしい笑みで伝える。
■カエラム > 「やあ、スイル。それに麻美子、カワゾエも。
えーっと、そっちのケガしてる子は……?」
すっかり流暢になった言葉遣い。
見慣れない後姿だとは思ってはいたが、やっぱり初対面の子だった。
何やら話し込んでいる最中だったようだし、手短に自己紹介を済ませておくことにする。
「どうも、はじめまして。わたしの名はカエラム、しがない無職さ。君は?」
■薄野ツヅラ > これはこれは一大会議、会議は踊る───…なんてぇ
(初めて見る顔ぶれ。巨躯の男と愛らしい眼鏡の少女)
(噂には聞いていた面々が此処に一堂に会すとは)
(果たして此れは偶然か、其れとも必然か)
(少女は後から運ばれてきたピザとアラビアータを他所目にニイ、と口元を釣り上げる)
どうも、一般人の薄野廿楽と申します
あくまで一般人なので風紀委員に此処にボクが居たことはご内密にお願いするわぁ?
(巨躯の彼に声を掛けながら、また)
(楽しげに、少女の笑みが狂悦に彩られる)
(或いは、恍惚)
■川添 孝一 > 『一般生徒』に『善良な公安委員』に『元・不良』か。こいつは笑える。
火星にでもいけそうなメンバーじゃないか。
(冗談でも混ぜていないとやっていられない)
(少なくとも自分は切るべきカードは切った)
(誰かがHateのカードを切るならこの後はだんまりを通すだけだ)
ああ、亜人だ。異能が存在する以上、この世界はファンタジーなんだよ。
………今、やっているさ。異能対策室一課と二課は強力な異能使いと魔術師を山ほど集めてる。
それでもギジンには数で、龍には質で負けるだろうな……
龍害に該当する貴種龍(ノーブルドラゴン)っていうのは、完全生命体なんだ。
殺すことはできない。今は追い返すのがやっとだ。
……いつかは、貴種龍を倒す手段を見つけないと。
(現れた麻美子にため息をつく)
おお、おお。名高い広報部の未見不麻美子まで来るとはな。
せいぜい匿名報道を期待するぜ。
私設組織とは言え、怪異対策室に名を連ねる組織の室長が秘匿情報をぺらぺら喋ったとあっては沽券に関わる。
ま………こうなっちゃブラフはお出しできそうにねーな。
(カエラムが来ると手を振って)
おお、カエラム。なんだなんだ、グリーンドラゴンの時以来だなぁ。
ま……楽しい話題はしてねぇからよ。
せいぜい言葉の勉強程度に聞いててくれや。
(室長補佐代理の笑みに、言葉に、警戒する心が働く)
(だが毒を食らわば皿まで、ここは隠し事をしていてはまるで話が進まない)
ああ、そうだな……『現場の判断』は大事だ…何事にも優先される、というわけではないけどな。
………今度、怪異が人の生活圏で暴れることがあったら。
もう公安にも風紀にも阿るこたぁしねぇぜ。
俺は人を守るために怪異対策室三課を立ち上げたんだ。
政治的な動きにばっか構ってはいられねぇのさ。
(ドゥーブルフロマージュを食べ終わると水を飲み)
■麻美子 > 「さすが『室長補佐代理』サン、話が早いッス」
けらけらと笑うと、その場に居る人間に
『麻美子ッスー』とにっこり笑って手を振る。
それだけ済ませると、
自身はのんびりとミルクティーを飲みはじめる。
「情報提供者が匿名でって言ってるなら仕方ないッスねー、
某元不良くらいにしといてやるッスよ。」
などと、へらへらと川添に返しつつ、
自分自身はあくまで聞きに徹するつもりのようだ。
■カエラム > 流石に狭くなるので、自分は隣のテーブル席から身を乗り出す。
「お嬢さん。わたしアイスコーヒーね」
昨日も見かけたツインテールの店員に注文をする。
体の構造上、栄養摂取の必要は無い。なので食べものは、基本的に他の人に譲ることにしている。
ただ、食べるとおいしいし、少しだけ元気になる気もする。
要するに、食べ過ぎなければいいというスタンスなのだ。
「廿楽、ね。どうぞよろしく。
ははは、よくわからないけどわかったよ。内緒にしとく」
(わあ、この子楽しそう)
けたけたと笑いながら、彼女の抱く感情をひしひしと感じていた。
また変わった子だなぁ。
「ありがとう。でも今回したいのは社会勉強の方かな。
わたしも怪異認定されてるみたいだから、他人事ではいられないしさ。」
死神基準で小さく手を振り返すと、その場で行われている話に耳を傾け始める。
■『室長補佐代理』 > 「政治的? おいおい、何を言っているんだ川添。俺達は楽しくお茶会をしているだけだろう。滅多な事はいわないほうがいいぞ」
そういって、意味深に麻美子の目を見ながら、コーヒーを一口啜る。
「なるほど、確かに生活委員会がそういった『私兵紛いの協力者』を集めているという『噂』は聞いているな。まぁ、生活委員会の日頃の仕事を考えれば『ある程度荒事に耐える協力者』は確かに必要だからな。わからないでもない話だな。『噂』が本当だとすれば明らかな『越権行為』だが、『客観的見地』としては理解ができる」
自分の意見とは関係がないと言外に行っている。
彼は公安委員である。公安委員として言って言い事と悪い事がある。
これはそれだけの話である。
「まぁ、市井の平和を守りたいと思うのはこの学園の誰もが思っている切なる願いだ。だからこそ、『君たちの活躍を期待している』よ」
要約すれば彼は言外にこういっている。
明らかな越権行為ではあるが現場状況から見て黙認してやる。
ただしこちらで責任は一切取らないし介入もしない。
市井の問題は市井で片付けろ、と。
実際に公安委員会や風紀委員会が上からの通達を待っていれば対処は後手後手になっていく。
その先手を打つともなれば、多少の『よそ見』は仕方がないことだ。
■『室長補佐代理』 > 「おっと、川添。茶の湯の席の話だ。『みんなも聞いてる』。場を白けさせるような返答はしないでくれよ」
何でも無いようにそういって、ツヅラの顔も見る。
引っ掻き回すのが大好きなコイツのことだ。
きっと彼女も『よそ見』の間に『活躍』してくれるだろう。
■川添 孝一 > (麻美子の言葉に顔を両手で覆って)
元・不良で喋ってる内容がこれだと俺しかいねーじゃねーか……
まぁ、もう仕方ないな。広報を通さなかったのだけは残念だが。
いつかは島の住民全てが知って然るべきことだ。
(カエラムの喋り方に気がついて)
おお、なんだお前。結構喋れるようになってんじゃん。
いいぜいいぜ、勉強したんだな。いいことだぜ。
(室長代理補佐の言葉に顔を歪めて笑う)
あー……そうだな、俺たちは楽しくお茶会をしているだけだ。
『噂』にある『生活委員会の戦力増強』なんて、世間的に見れば決して良くは見られないだろうけどなぁ。
それでも下位組織が『暴走』しているなら由々しき事態だ。
とても心配だなぁ、同じ生活委員会として。
(白々しく肩を竦める)
悪かった悪かった………ちょっと熱くなりすぎたみてーだ……………
まるで『一部の生活委員会の越権行為』を自分のことであるかのように語りすぎたな。
ハハハ、元・不良が一気に偉そうな椅子に座ったモンでよォ……加減がわからねぇんだわ。
すまねぇすまねぇ。
(室長補佐代理の言葉はわかる)
(彼の本心がどうあれ、ここで巻き込むのはあまりにもアンフェア)
(そうだ――――――『よそ見』は仕方がない)
(それでも、といい続けて悪を断つのは孤独なヒーローだけに許された特権なのだから)
■薄野ツヅラ > そうですよぉ、偶然此処で出会って偶然此処で相席になって。
ただの平和な世間話じゃないですかぁ──……☆
(にこり、と小さく微笑む)
(ただの一般生徒は火星には行けませんよぉ、と軽く茶々を入れる)
(『室長補佐代理』の目が自分に向くや否や満面の笑みを浮かべる)
(────そうこなくっちゃねェ!)
(それはそれは楽しげに、新しいボードゲームを前にした子供のように純粋な笑みを浮かべる)
(暫く瞑目していた廿楽がおもむろに口を開く)
ボクらみたいな一般生徒の知らない話ですよねェ、其れ
まるで能力者と魔術師を集めて───って軍隊みたいでちょっと怖いですねぇ……
頑張ってくださいね、皆さん!
────落第街の人間は手も早ければ気付くのも早い。
そいつらよりも先行しないと状況がさらに悪化とかもあるかもしれませんしねェ?
利用して楽しむ輩もいそうですしぃ……?
(ピザを半分に折りたたんでもきゅもきゅと口に運ぶ)
(廿楽はまた曖昧に笑った。予想以上に味がよかったのか、それとも)
■麻美子 > 意味深に見られれば、けらけらと笑う
「そうッスねー、麻美子も放課後にゆっくりとお茶しに来ただけッスから。
―――ま、随分と賑やかッスけど。」
この場にいる人間を目を細めて順番に見て、
にっこりと笑みを浮かべた。
「ま、折角の機会ッスから、皆で仲良く『他愛も無い雑談』をするッスよ。
もちろん、広報紙に載せる必要もないようなやつッス。」
ひらひらと手を動かすと、ミルクティーを一口飲んだ。
■カエラム > 「色んな人に助けてもらったお陰さ。こうして話せるようになって嬉しいよ。
んー、でもそうだな。今回はやっぱり、言葉の勉強にしておこうか」
(……あれ、平和ってどういう意味だっけ。
わたしが覚え間違えてるのかなぁ……うーん……)
うんうん唸っている間にアイスコーヒーが運ばれてきたので、それを一口分流し込む。
そうしている間にも、話の内容は聞き逃さない。
■『室長補佐代理』 > よく、話を理解してくれたようなので満足気に頷いて、最後のクレソンサンドをパクつく。
「まぁわかってくれりゃあいいんだよ。わかってくれりゃあな。俺達はみんな『学園の平和のために』共に働いているわけだからなぁ。いってみれば同志だ。放課後は仲良く楽しくしたいからなぁ?」
意味深に呟いて、薄く笑った。
「まぁ、俺からいうことはその程度だが、お前たちは何かあるか?」
暗に『公安委員会の一部署としての姿勢は示した』といい、視線を巡らせる。
「個人的には、今の学園風紀や状況を鑑みてみなが『能動的』に動ければ俺はいいと思っているんだよ。折角学生なんだからなぁ。自由な時間は大事にするべきだ」
■川添 孝一 > (椅子に深く座って肩から力を抜き、ツヅラに向けて張り付いたような笑顔を向ける)
そうだなぁ、平和な世間話に熱くなりすぎたぜ。反省反省。
それがなー、落第街や茶々入れる類の人間にはある程度黙っててもらいたいもんだが。
ロストサインとか、最近物騒だからよォ。
良いことを良いと言ってやるしかねぇよなぁ、やれる人間が。
(麻美子に内心、焦りを感じる)
(とんだ食わせ者だ、中立として立ち回れる器量ってのは確かにある)
他愛もない雑談ねぇ………そうだな…
ま、ここで話ができるのは……
怪異対策室三課は『英雄』あるいは『聖女』を探してるのさ。
(胡乱な語り口である)
(それでも彼は真面目な表情で言い続けた)
この島を救ってしまえるような、とんでもない『英雄』をな。
それが俺の考える正義だ。
(口元を歪めて笑う、せいぜい深読みしてくれやとでも言いたげに)
(カエラムに頷いて)ああ……今、室長補佐代理たちと『他愛もない雑談』をしているからよォ…
カエラムとはまた今度、ゆっくりと話がしてぇもんだな……
(テーブルに肘をついて室長補佐代理に向けて口をへの字に曲げて)
ああ……そうだな…………『学園の平和のため』だ……
(しかし、この男は言っているのだ)
(この怪異事件に対して公安捜査部別室が特別なリアクションを取らないことを)
(結局、求めるべき理想郷には自分の足で辿り着くしかないのだ)
そうだな、俺たちは学生なんだ。自由な時間はこうしてカフェでの駄弁りに使ったりよォ。
それぞれが『自由』であればいいよなァ。ハハハ。
■『室長補佐代理』 > 「ほう、英雄に聖女ねぇ。生憎と俺達は公然の警察機構なんでね。『御伽噺』には『興味がない』な。俺の考える正義はもっと『地に足がついている』んでね」
そう、この件に対して公安委員会直轄第二特別教室は介入する気がない。
その権限もない。
第二特別教室の仕事は基本的には『監視』と『特記事項』であり、他の仕事は全ておまけである。
そもそも、公安委員会は生徒会の下にある組織であり、その生徒会の上にいる組織は……恐らく、『英雄や聖女を欲しがってるどこかの誰かさん』の仮想敵であろう。
ならば、この話はもうこれでお終いであり、それ以上にもそれ以下にもならない。
ただし、彼らは捜査権を有している。それに絡まるあらゆる『権限』も付随している。
そのうちでなら、『よそ見』はまぁできるだろう。
逆にいえば、できるのはそこまでだ。
それ以上をしてやる義理も必要もない。
「まぁ、放課後の使い方は『自由』だからな。お互いに『大切』にしたいものだな」
■薄野ツヅラ > あッは、落第街の人間はそんなのばっかりですよぉ──……?
じゃないとあの街で『平和』には過ごせませんからねェ
まァ、其の『平和』も最近乱されてますけどねぇ──…☆
(直接物は云わない。ただ匂わせるだけ)
(治安が悪い、と云っても落第街にも一つの秩序が存在する)
(モノを云うのは金銭に力に人脈に情報)
(ある意味一つの街としては正しい姿である、とも云える落第街をぼんやり思い浮かべる)
英雄でも聖女でも一般生徒は知ったこっちゃないですけどぉ、
────元ある秩序に余計な石を、どんな意志でも投げ入れるのはお勧めしませんよぉ
(にっこりと笑み)
(落第街に余計な手を出すな、そんな意味を孕んだ言葉を掛ける)
(ふう、と一息つけばピザを再び口へ運んだ)
■『室長補佐代理』 > 「ああ、そうだ、麻美子、カエラム。今日は俺は気分がいいからな、好きなもんおごってやる。適当に頼め」
そう、不気味な笑みを浮かべて呟くが、まぁ本当に機嫌はよさそうだ。
特に付き合いが長い人間ならよくわかる。
■麻美子 > 「……英雄、あるは聖女?
そりゃまた、偲サンみたいな事をいうんスねー。
ま、向こうは自分がなろうとしたみたいッスけど。」
なんでもないような事を言うようににへらーっと笑う、
絶対の正義なんてそんなものだ、と彼に言うように。
「この学園は皆のものッス、公共の施設っていうのはそれぞれが綺麗に使ってれば、それだけで汚れないんスよ?」
わざわざ協力する必要もない、それぞれが守ればいい、
自分すなわち広報部はそれを邪魔するつもりも、協力するつもりも無い。
ということだろう。概ね、『室長補佐代理』と似た考えである。
「あ、まじッスか?じゃあ麻美子、季節限定カフェ橘ゴージャスパフェ頼むッス。」
『太っ腹ッスねー』とへらへらと笑いながら、店員を呼ぶ
彼の機嫌がいいなら、折角だからお言葉に甘えて、
ちょっと高めのものでも頼んでおこう。
■カエラム > (わたしにいたっては『学校の怪談』だがね)
コーヒーカップをとん、と置く。
「太っ腹だね、スイル。 それじゃわたしは……
あ、ちょっとちょっと。追加でカフェモカくださいな」
先日奢ってもらったばかりだったのだが、好意を素直に受け取るのも一つの礼儀だ。
ツインテールの店員を呼び止めて、追加の注文をする。
『カフェモカ』は前から気になっていたのだ。
「わたしは命同士が争って、その果てにどちらかが失われるのが当然のことだと思ってるし、それ自体を止める気はない。
『英雄』『聖女』、あるいは『魔王』『怪物』『邪神』……どの命が世にはびこっても、それはそれで結構なことだ。
全ての命には、『自由』な意思をもって生きる権利があるからね。そこに触れない程度にお節介を焼くのもまた、一つの自由なんだけど。
要はさ、わたしには恩人と友達がいて、みんなこの島で暮らしているんだよ。
わたしにも『意思』があるからね。『仲間』が傷付くともなれば、わたしは許しておけないだろう」
『命を刈り、育むもの』としてではいられない、ここはすでに死神個人の領域なのだ。
仲間を見捨てることがあれば、それは自分自身を見捨てるも同然である。
「わたしのスタンスは、あくまで『仲間のため』。そのために治安を守る。
もっとも……それが結果的に『学園の平和のため』に繋がるかもしれないがね」
■『室長補佐代理』 > 「おう、なんでも頼め頼め。今日の『歓談』の内容を考えれば十分『おつり』がくる。でもたけぇもんはたけぇな。普段は絶対頼むなよ。今日だけだぞ。おい麻美子きいてんのか。カエラムの慎ましさと一緒に記事にしとけ」
隣で若干眉間に皺を寄せながらそう捲し立てているが、まぁ怒っているわけではない。
これはこれで『日常』であった。
■川添 孝一 > そうかい? 俺は好きだぜ……愛と勇気の御伽噺がな。
(室長補佐代理とツヅラの言葉に顔を歪めて笑う)
剣の英雄………剣の聖女………人類にとっての供物こそが、御伽噺ではいつだって人間を守ってきた。
伝説を蘇らせるんだ。ただ、それだけの話さ。
落第街の『平和』に関しては一般生徒としても心苦しい限りだ。
今度、うちの桜井を適当な理由つけて回らせるよ。
「火の用心」ってカチカチ拍子木を鳴らしながらならもっと雰囲気が出るぜ。
(カラカラと笑って)
(麻美子にあごをしゃくるように話し始めて)
西園寺偲は『方法』を間違えたんだ。
間違った『方法』には間違った『結果』しかついてこない。
そうだな……学園の皆が、綺麗に使ってくれりゃ………
生活委員会の『仕事』も減るんだがな………
(含みのある言葉を使う)
(広報部にとってこちらの足を引っ張る気がないのであれば)
(異能対策室広報と大して変わりはしない)
(―――――――付き合い方さえ間違えなければ)
それだ、カエラム。
誰もが仲間のために何かができていれば、もっと争いは最小限になる。
もっとも、敵対する組織が仲間のために何かをしていた場合は知らないけどな。
………俺は傷つけることしかしてこなかった不良だけどよ。
今はこう考えているぜ…………どこかの誰かのために、何かができるはずだ、ってな。
■薄野ツヅラ > ま、火の用心って云いながら正義の味方に燃やされたらとんでもない冗句なんだゾ───……☆
『英雄』『聖女』、『魔王』『怪物』『邪神』。
種類なんてどうでもいいのよぉ、その場で最後に立って、最後に笑うのが自分なら。
あくまでボクは───例え話だけどぉ───最後に笑うのは自分だと思ってるわぁ?
(『個人』として、『落第街の住人』として)
だから"もし"余計な手が入るなら止めるでしょうし、其れで面白くなるなら黙って見過ごす。
出来るだけ此処に居る人とは仲良くしたいのよねェ
(自分の根本にある考えを伝えるのが礼儀だろう、と思った)
(此処に居る5人とも自分の正義を根本に行動しているのだから、自分も提示するのは義務だろうと)
(満面の笑みを向けた)
■『室長補佐代理』 > 「そうだな。誰もがどこかの誰かの為に何かができる。それはつまり、その逆もできるということだ」
意味深に呟いて、じわりと滲むような笑みを浮かべる。
「川添。俺はな。鳥籠の中にいる『不自由な自由』まで奪う必要はないと思っているんだ。蛙は井戸の中にいたほうが幸せだし海に飛び込んだところで死ぬだけだ。自由はいいものだ。当たり前の悲劇と隣り合わせという意味で、とてもな」
皮肉気な微笑を浮かべて、左手を仰ぐ。
「御伽噺なら、鳥は大空を望むだろう。鯉ですら滝を昇り竜となるだろう。だが、現実では大空を舞う小鳥は鷹に喰らわれるし、鯉は滝壺に打ち付けられて野垂れ死ぬだけだ」
そして、左手の銀の指輪を輝かせながら……呟く。
「そうだったらいいのにな、なんてのはな。『誰にもできる御伽噺』だ。そういうのは眠くなったら聞かせてくれ。夜眠る前にゆっくりとな」
■麻美子 > 「『室長補佐代理』サンが奢るって言ったんじゃないッスかー。」
にへらーと笑って、『ま、今日は機嫌よさそうッスから、
甘えておこうかなってだけッスよ』と断わりは入れておく。
『別に怒ってはいなそうッスけどね』とその顔を見てなんとなく思った。
「川添サンは噂に違わず随分と夢見がちな事を言うんスねー。
さすが、デスティニーランド年間パスポート持ってる人はいう事が違うッス。」
『麻美子はそんな御伽噺より、もっと恋の話とかのが好きッスね。
……いや、デスティニーランドは普通に行くッスけど。』
と、どうでもいい自分の趣味を喋りつつ、届いたパフェを一口、二口と食べる
「あ、『室長補佐代理』サン、一口食べるッスか?」
『あーん』と声を出しながら、スプーンに載せたそれを差し出した。
■『室長補佐代理』 > ツヅラの開き直りにも男はじわりと笑みを返して、つぶやく。
「川添。水底ってもんは濁ってるのが普通だ。それを綺麗に一掃するとどうなるか、しってるか?」
そう、その落第街……深淵、奥底で息を吸う人間をみて、嗤う。
「何もいなくなるのさ。綺麗さっぱりなぁんにもな。そんな焼け野原が好きだっていうなら、俺は何もいわんがね」
■『室長補佐代理』 > 「まぁ奢るとはいったけどよぉ……まぁいいか……お、くれるのか麻美子。わりぃな」
そういって、麻美子に向き直ると、渋い顔をする。
「……いや、ちょっとまて。俺はガキじゃねぇんだぞ、普通に渡せ普通に」
少し困った顔である。普段をあまり変わらないようにみえるが、明らかに困惑している。
慣れている人間には分かる微妙な変化である。
■カエラム > 「スイル、どうやら君から麻美子へ届けた『自由』は……その過程で大きく形を変えてしまったようだね」
既に運ばれてきたカフェモカを啜る。
歯の間から泡が溢れそうになったので、「ずっ」と吸っておいた。
■川添 孝一 > (ツヅラに顔を向ける)
そいつは桜井に言ってくれ、あいつは異能のコントロールは上手いくせに感情の制御は苦手だ。
そうだな……ツヅラ。お前みたいな奴が最後に笑うのかも知れないなァ。
(内心、面白くない――――面白ければいいという考えは)
(川添の考える正義とは縁遠い場所にある)
(それでも今はお茶会だ、笑って話をしなければ)
そうだな、仲良くしようぜ。人間、争ってばかりじゃ無益だからよォ。
(室長補佐代理の言葉に肩を揺らして笑う)
ハハハハハ…………いや、失礼。
俺は寝物語のつもりで言っているつもりはないが……
大真面目さ、室長補佐代理。
俺は俺の『理想の正義』を追う………
(瞬間、川添の周囲の気配が変わって見えるほどの熱を持つだろう)
俺は『絶望の未来』を回避するために動いていると言っているんだ。
そうだな……お前は汚ぇ水底の心配をすればいい。
溺れ死ぬ蛙や滝つぼで息絶える鯉を想えばいい。
だが俺は俺の正義を手放さない。
と、いう話だ………いや、なかなか面白い話ができたよ。
(手を軽く叩いて)デスティニーランドはいいもんだぜ、未見不麻美子。
冒険がある。ロマンがある。正義があり、友情があり、夢と愛が満ちている。
(そう語る彼の気配はいつも通りに戻っている)
■『室長補佐代理』 > 「自由がどれだけ物騒なもんであるのかよくわかるな」
微かな苦笑と共にカエラムにそう返す。
■カエラム > 「時には仲間同士で傷付けあうこともあるから、難しいんだ。ここに来てからもそれに悩まされたよ。
誰も彼もに『やりたい事』があって、それがひとりひとり違う。そんな中で自分の理想を追求するときは『納得』が必要なんだ」
「でなきゃ、最後には『ひとつ』しか残らない」
無論、ここにいる五人とて例外ではない。
互いが互いを尊重するのをやめてしまったとしたら……
そこまで考えて、カエラムは思考を振り払う。
(そんなことには、わたしがさせない)
■薄野ツヅラ > 桜井って云うのが誰かは知らないけどぉ───……
其処の公安のヒーローさんに部下に言ってもらうようにお願いした方がいいと思うわぁ?
まァ、最後に笑う為に日夜───深夜駆けずり回ってこんな怪我してる訳だけどぉ──……☆
(てへ、と困ったように笑う)
(廿楽も川添のようなプラス極のヒーローは苦手だ)
(其れでも普段以上に皮肉を口にしないのは"友人同士のしがない放課後"だったからだ)
(屹度落第街に足を踏み入れるならば恐らくいがみ合うのは想像に容易い)
幾ら正義を謳っても、あくまであなたは人間よぉ?
死んだら死ぬんだからもっと──偶には現実見るのも大事だと思うんだゾ──…☆
残機制のゲームじゃあるまいしぃ
(そう笑顔で一言、川添に)
(当たり前のことを、当たり前のように云った)
■麻美子 > 川添の話を聞けば、にへらーと笑った
「麻美子はそういう人は嫌いじゃないッスよ、
川添サン、そういうのを真っ直ぐ信じられるのって、正直憧れるッス。
……麻美子はそういう生き方は、諦めたッスから。」
笑みを浮かべ、真剣な目で彼を見つめる。
「でも、麻美子にも、麻美子なりの『信念』ってやつがあるッス。
ただの一般人でも、たとえ力がなくても、
無関係の人間が巻き込まれないように守る事は出来るんスよ。」
『ペンは剣よりも強し』ッス、とメモ帳をゆらゆらとゆらす。
それだけ言うと、いつものにへらーとした笑顔に戻り、
困惑する『室長補佐代理』を面白そうに眺める。
「またまた、『室長補佐代理』サン、
ガキじゃないからやるんスよ、ほら、照れない照れないッスー。」
けらけらと笑いながら、ぐいぐいと押し付ける。
■薄野ツヅラ > (仲睦まじげな『室長補佐代理』と麻美子をちら、と見遣る)
そう云う関係だったのぉ……?
お似合いというかなんというかぁ………
この学園で一番敵に回しちゃいけないカップルねェ……?
(ふふ、と楽しげに笑みを零す)
(自分の真面目な忠告が恥ずかしくなって、その場を茶化した)
(カエラムにピザ食べるかしらぁ?と皿を手渡そうと)
■麻美子 > 「少なくとも『まだ』そういう関係じゃないッスねー。」
にへらーと笑って指摘を否定する。
『まだ』とつけたのはわざとだろう。
■カエラム > (他の家見つけて退去した方がいいかな……?)
麻美子とスイルの様子と、廿楽のカップル発言を聞いた結果がこの感想である。
太古の時代がどうだったのかはさておき、少なくとも現世でその反応ちょっと早い。
「……おっと、わるいね。いただくよ。」
廿楽に差し出された皿を受け取ると、ピザを丸ごと喉に吸い込んでしまう。
それから数秒もしないうちに、死神の体は携帯のバイブレーションのように震えだす。
消化と分解の始まりである。
「おお、これは美味い! ピザだっけ?」
小刻みに揺れながら答えるバイブレーションゾンビ。
■『室長補佐代理』 > 川添の、覚悟にも似た独白を受けて、男は嗤う。
笑うのではなく、嗤う。
明らかな意図をもって、その意味を明白に……嗤う。
「かつて、そう大見得切った野郎の話は歴史にはいくつもある。そして、その末路は後の歴史が語る通りだ」
その伽藍洞の瞳は、川添を見ている。
その目を見ている。
その奥を見ている。
その上で、嗤っている。
「『理想の正義』はとっくの昔から血塗れだ。歴史の図書館はそいつに唆された間抜けでとっくに一杯になってる。お前がそうならないことをせいぜい祈らせてもらうよ」
ただ嗤っている。
その有様を、その言いざまを、その『言い訳』を。
「『絶望の未来』を回避するために『妥協の今』を切り捨てる奴は世間では『悪党』といわれる。『理想の正義の味方』ってのは世間一般じゃ『テロリスト』って読むんだ。よく覚えておくことだな」
ただ、ただ、心底……『嗤って』いる。
■『室長補佐代理』 >
「川添孝一。お前の正義は『血の臭い』がする。俺達の持つそれ以上にな」
■薄野ツヅラ > えっ、なにそれ狙ってる訳ぇ……?
其れなら風紀に気を付けるのをお勧めするんだゾ──…☆
(不純異性交遊って取り締まり対象だったかしらぁ、と笑う)
(幾ら落第街の住人でも、幾ら不敵に笑おうが未だ16歳の思春期の女子)
(勿論そんな話題が嫌いなはずがない)
(先刻とは打って変わってふんわりと笑った)
ええ、ピザよぉ。
其の中でもマルゲリータって種類の奴ねえ
(上機嫌にカエラムに笑いかける)
(はたまた『室長補佐代理』の言葉を聞けば先刻のような挑戦的な笑みを張り付けて川添を見る)
■川添 孝一 > ………カエラム、お前はいい奴だよ。
俺がグリーンドラゴンを無事にゲートの向こうに押し返せたのもお前のおかげだ。
それでも………
(そこから先の言葉は出てこない)
最後に笑うってのも存外難しいもんだな。
(ツヅラの言葉に肩を竦めて)
人は死んだら死ぬ。俺は弱い……手を差し出すことを躊躇ったら取り返しがつかない。
現実はこれ以上ないってほど見てきたぜ……
見てきた上で言っているんだ。人類には『正義』が必要なんだよ。
それがマシュマロみたいにふわふわして甘いものでもな。
(麻美子の言葉に鼻の頭をごしごしと擦って)
本当の強さとは、自分だけのためじゃなく……
誰にでも差し出せるその手のことを言う。
俺はお前に憧れるよ、未見不麻美子。
ペンの強さを信じているぜ。(穏やかに笑って)
(室長補佐代理の言葉に沈黙を守る)
そうかよ。
(何故だ、何故俺はこの話を聞いて―――――ニヤニヤと笑っているんだ?)
(自分の歪みに気付かされてしまう、自分の闇を見つめてしまう)
(これ以上は危険だ)
(自分の正義に犠牲が付きまとうことを自覚してはダメだ)
さて。それじゃ俺はこれでお暇させていただきますかね。
生活委員会は忙しくてな……『ゴミ掃除』が残っている。
(自分の分の伝票を取って去っていく)
ご案内:「カフェテラス「橘」」から川添 孝一さんが去りました。
■『室長補佐代理』 > 「照れてるわけじゃなくて、なんだその……まぁいい、面倒くせぇな」
観念したようにスプーンに口をつけて、ぱくっと食べる。
もごもごした後に、困ったような顔をしながらも続けて溜息を吐く。
「何が『まだ』だ、男をからかうとロクなことねぇからな。この魔女共」
若干困ったようにそう呟く。
■薄野ツヅラ > (ひゅう、と口笛を吹く)
■『室長補佐代理』 > 『逃げていく』川添をみおくりながら、深く椅子に座りなおす。
そして、去っていく川添の背中に呟いた。
「じゃあな。『理想の正義の味方』。御伽噺がすきなら、せいぜい、『学芸会員』なりに頑張ってくれ」
非正規部隊であることをそう揶揄しつつ、嗤った。
■カエラム > 「なるほどね、覚えておくよ。」
バイブレーション咀嚼を終えて廿楽が普通に笑えている様子を見ると、小さく息を吐くように肩を上下させた。
どんな顔でどんな趣味なのかは『自由』だが、死神個人はそういった健全な笑顔の方が好きなのであった。
「わたし一人の力ではないさ。わたしと、カワゾエと、沢山の仲間がいた。
単純なことさ……わたしでも覚えていられるくらいにはな。
また会おう」
カワゾエに向かって手を振りながら、見送った。
■麻美子 > 「そうッスねー、立候補くらいはしたいッスね。
『室長補佐代理』サン、こう見えて結構モテるんスよ。」
冗談っぽくケラケラと笑う、本気ではなさそうだ。
そう雑談しながらも川添を見送る。
「―――アレは危ないッスねー、
ま、そういう『考え方』は嫌いじゃないッスけど、
偲サンと『同じように』一面を飾らない事を祈るッスよ。」
『室長補佐代理』の口にパフェを押し込むと、ケラケラと笑った
「ろくなことにーってどうなるんスか?
もしかして『室長補佐代理』サンに強引に押し倒されたりするッスか?
キャー!!!それはドキドキするッスね!!!」
どう考えても本気じゃない笑みを浮かべつつ、手を頬に当てる。
■薄野ツヅラ > まァ、ちょろっとだけ川添クンが心配ねェ……───
甘っちょろいことばっかり云ってたら幾ら強くても甘さに溺れて死んじゃいそ
(楽しげにその背中を見送れば、手元のパスタを口に運んだ)
(さて、と『室長補佐代理』に向き直る)
未だお時間は大丈夫かしらぁ?
お友達として、じゃなくって───『室長補佐代理』さんとお話したいのだけれどぉ?
『公安委員会直轄第二特別教室調査部別室』の貴方の話が聞きたくてぇ
(ぎらり、と肉食獣を思わせるような笑顔を彼に向けた)
■カエラム > 「彼が『納得』するには、いささか時間が足りない。
何かあればわたしや皆がフォローすればいいから、とりあえず今は、眼前の問題に集中すべきだね。」
まだ残っていたカフェモカを、今度は啜りきる。
■『室長補佐代理』 > 「麻美子ってっめぇ……!!
ああ、ったく……わかった、わかった。
麻美子にその手の話や冗談をいわれちゃあ俺には勝ち目がねぇ。
今日のところは勘弁してくれ。俺の負けだ。降参だ」
お手上げといった様子で片手をあげて、肩を竦める。
この手の話で、一般的な男性は女性に一切勝ち目がない。
それはこの黒尽くめの男も同じであった。
しかし、ツヅラからそういわれ、目を細める。
闇の滲むような、その目を。
「へぇ。どんな話が聞きてぇんだよ。薄野ツヅラ。見ての通り、女には振り回されっぱなしでね。気が利いた冗句だったら期待されても困るぜ」
■カエラム > 「いくらスイルが理性的でも、精神というものは消耗品なんだ。
ほどほどにしておかないと、取り返しのつかないことになることもある。
男というものは得てして獣なんだからね」
けたけたと笑うゾンビ。
その笑い方には現状を面白がっているフシがある。
■麻美子 > 「まさに『ペンは剣より強し』ッスねー。
……ま、今日のところは簡便してやるッスよ。」
満足そうにその手を挙げる様子を見てケラケラと笑う
「麻美子が聞いたらまずい話なら外すッスよ?
『室長補佐代理』サンを誘惑するって雰囲気でもないッスからね。」
今日は勘弁する、という舌の根が乾かぬうちにそんな冗談を飛ばしつつ、
席を立つ用意をする。
■薄野ツヅラ > あッは───…☆
(耳につくような、特徴的な笑い声を溢す)
寧ろ聞いてくれてても大丈夫よぉ?
何時ボクが彼の眉間を撃ち抜くことになるか解らないしぃ…☆
(脅かすように、軽口を一つ)
気が利いた冗句なら期待してないわぁ、生憎もう冗句はお腹いっぱい。
公安委員会直轄第二特別教室調査部別室所属の公安委員の行き過ぎた行動についてぇ───……
(パスタをフォークでぐるぐると巻きとりつつ、笑顔を浮かべる)
(昨日の夜中の大捕物の一部始終を思い浮かべる)
(異常なまでに冷静だった公安の少女の笑い方を思い出し、彼に重ねる)
(露骨に厭な顔をした)
上司の貴方から話を聞こうと思ってぇ──…☆
(ちゃんと手綱は握っておきなさいよねェ、と)
■『室長補佐代理』 > 「俺はかまわねぇけど、相手次第だな。麻美子がいたほうが何かと『言質』はとりやすいからな。だがからかうのは適当なところで勘弁してくれ」
と、いつもの調子でいっていたが、ツヅラからそういわれると、いよいよ瞳孔を細めて、薄く笑う。
「……『クロノス』のことか。まぁ、俺も思うところはあるとはいっておくよ。どうも、同僚や部下はやんちゃな奴ばかり寄越される部署みてぇなんでな……まぁ、元同僚とちがって部下だからな。少しくらいは俺も善処したいとは思っているさ」
出来るかどうかはしらねぇけどな、と疲れたように溜息を吐く。
■カエラム > 「『クロノス』、ね……」
どこかで聞いたことのあるような響きだったが、特に何も思い出せないので今は置いておく。
「あまり無茶はしないようにな。もし何かあれば、わたしの方まで『誘導』してくれて構わない。
わたしなりのやり方で良ければ、なんとかしよう」
■薄野ツヅラ > まァ、話がわかる人で良かったわぁ
いやあ、完全に私怨かつその人の自業自得なんだけどぉ──……
(黙ってられない理由ができちゃってぇ、と曖昧に笑う)
(ポシェットの中からチュッパチャップスを取り出して口に放った)
死にかけるまでの『厳重注意』ってどうかと思うわぁ?
取り敢えず其れよりも先に落第街に火を点けて回るのはやめさせて欲しいなあって───…☆
あくまであそこは落第街。
財団に存在を否定されようが、あそこはボクがボクでいられる街だ
住んでる人だっている、一方的な正義を押し付けるな、と伝えろ
(真剣に、真っ直ぐ双眸を見遣る)
(カエラムの声を聞けばにっこり笑って)
ええ、そうしてもらえたら助かるわぁ?
生憎ボクの異能は戦闘向きじゃないものでねェ
■『室長補佐代理』 > 「まぁある程度は俺のほうでもいっておくが、実際に効くかどうかは怪しい所だな。
アイツには恨まれてても俺は文句いえねぇからな」
そう、薄笑いを浮かべる。
翳りもなく、ただ当然といった様子で。
「正義の名の元に住処を焼き払われて文句をいいたくなるのは誰でも同じって話でな。
それに……落第街の正義に関しては、それすら『無法』の正義だ。押し付けはお互い様だな。
俺はそのあたり『目が悪い』んであんまり見てないんだが……目の前にまでもってこられりゃあ『見えない』なんて言えないぜ?
そこはお前も覚えておけ。薄野ツヅラ」
意味深にそう呟く。
笑みを深めて、静かに。
■カエラム > 「―――念の為に聞いておくが、貧民街方面への被害は?」
穏やかで気さくだった音が一転、冷たく無機質なものへと変貌する。
ゴーグルごしにうっすらと見える伽藍等の空間が、より暗く影を落とす。
虚無の眼《まなこ》が、渦の中心を覗き込んだ。
「……私は被害状況を、よく把握していない。教えてくれ」
■薄野ツヅラ > やっぱり公安はぶっ飛んでるって噂は本当みたいねェ──
(知ってたわぁ、と云わんばかりに舌を打つ)
(続く言葉を聞けば納得したように肩を竦めた)
『無法』だとしても住んでいるのは『人間』よぉ、其処に住んでるからってだけで纏めて焼かれる人はたまったものじゃあないと思うわぁ?
正義の反対はまた誰かの正義。だから其れを否定することはしないわぁ──……☆
『目が悪い』ならその目、しっかり見開いて一度実際に見てみたらどうかしらぁ?
公安の名の下に踏みにじられた誰かの正義を、その残骸を。
中間管理職に甘えないで、一人の公安の人間として。
(真剣に、ただただ真っ直ぐに自分の想いをぶつける)
(言い淀むことなく、一字一句噛みしめるように)
(カエラムの言葉を聞けば目を───目のある筈の其処を、じっと)
知らないわぁ、生憎そこまで見て回る余裕がなくてぇ────…
ボクも把握してるのは落第街の中だけで
(ごめんなさいね、と頭を垂らした)
■麻美子 > 興味なさげにパフェをつっつく。
「落第街っていうのはそういう場所じゃないんスか?
広報はそこまでは見てないッスよ。
……いや、よっぽどの事があれば見に行くッスけど。」
『公安と風紀が直接戦闘するようなやつッス』と付け加えつつ
「ま、『室長補佐代理』サンが言っておくって言ってるなら
ある程度期待しておいていいと思うッスよ。
この人、見た目は怪しいッスけど、
公安委員としてはかなり信頼できる部類ッスから。」
『学生としてはわりとポンコツッスけどね』と笑う。
■カエラム > 「―――いいんだ、ありがとう」
廿楽の答えを聞くと、身に纏う雰囲気が少しだけ和らいだように思える。
スラムの方は、自分で確かめに行くしかない。
「今日は色々とありがとう、実に楽しい茶会だったよ。私はもう行くから……」
何かに追われるように、あるいは何かを追いかけるかのように席を立ち上がる。
子供達は無事でいてくれているのか。
二人の話は気になるところだが、それがわからないままでは話に集中できそうにない。
『いてもたってもいられない』というやつだ。
「それと……麻美子」
カフェを出る前に、死神は麻美子のいるところまで歩いていく。
ポケットから小さなケースを取り出すと、麻美子の前に差し出した。
ケースの中身は、『アメトリンのネックレス』。
日頃世話になっている恩返しのために、取引してきたものだ。
■『室長補佐代理』 > 「俺も聞いてねぇな。管轄外のことは俺の仕事じゃねぇからな」
カエラムにそう返しつつ、ツヅラの目をじわりと見る。
長身の男が覗き込むようにその瞳を見れば、伽藍洞の瞳が一際大きく見開かれ、瞳孔が奈落の底のように口をあける。
「人間だからどうした。人間であるのは誰もが同じだ。ただ一人の人間であることなど誰もが同じだ。誰もが等しく救いが訪れないただの人間だ」
井戸の奥底を思わせる其れは……濁っているのかどうかすら、わからない。
「正義って言葉は相対的なもんだ。絶対的な基準ではない以上、片方を立てれば片方は立たない。正義という言葉は血に塗れている。敗者というだけで悪にされた者たちの血で。それは今も昔も何も変わらない」
男は嗤う。嗤っている。
川添を嗤ったときと、同じ笑みを浮かべている。
「無法はマイノリティだ。マイノリティはマイノリティというだけでコミュニティでは罰せられる。世界に『純潔』の正義があるのだとすれば、それは『何者も許すこと』か、『何者も許さない』ことだ。俺はそんなディストピアはごめん被る……だからこそ、お前たちの正義も『直視しないでいてやっている』……水は、少しくらいは濁っていたほうがいいからな」
男は、見ていないのではない。
あえて、眼を逸らしている。
目を逸らしたいわけではない。
逸らして、『いる』のだ。そう、明確な意図をもって。
「公権力に汚れを直視しろという事の意味……わからないわけじゃあねぇよな?」
■麻美子 > ケースを受け取ると、ぱかっと開けて、驚いたような顔をする。
「これがカエラムからのお礼ッスか?
洒落たネックレスッスねー。」
妙なものを渡されるのを覚悟していたが、
どうやらその覚悟は不要だったらしい。
「ありがとうッス!!大事にするッス!!」
ネックレスを首にかけ、彼にそうにっこりと笑いかけた。
■『室長補佐代理』 > 「麻美子にそういわれちゃ形無しだな。まぁ否定はしねぇよ。仕事が増えたおかげで追試も増えたからな。このままじゃあ最悪、麻美子と同級生になっちまうぜ。そん時は嗤っていいぞ」
冗談めかして肩を竦めて、カエラムの様子を見る。
まぁこいつはそもそも人から離れたところにいる奴だ。
なら好きにすればいい。
あらゆる意味で管轄外だ。
■麻美子 > 「同級生になったら一緒に登下校くらいはしてやるッスよ、センパイ?」
ケラケラとからかうような笑みを浮かべて、
手に持つスプーンをくるくると回す。
■薄野ツヅラ > じゃあまたどこかで会うことがあれば、ねェ?
(ぼんやりとその巨躯を眺める)
(屹度、彼にも彼なりに護りたいものがあって正義があるのだろう、と)
(目の前のパフェをつつく少女ににっこりと笑みを向けた)
そう云う場所でも誰かにとっては居心地がよかったりするのよぉ?
だから一方的に奪うんじゃなくて話をできればなあと思うのは間違ってるかしらぁ?
目の前で虫の息の人間に公安の人間がトドメを刺す瞬間とか見たくはなかったんだゾ、ボクだって───……☆
(何ならボクの記憶をそのまま叩き込んでやりましょうか、とうすら笑む)
(その公安の、計り知れない人間の上に立つ人間)
(その人間に喧嘩を売るのがどれだけ莫迦な話かなんて自分がよく解っている)
(其れでも、幾ら自分のエゴだったとしてもどうしても伝えたかった)
正義なんて大義名分も正直どうでもいいわぁ、ただ云えるのは────
(すう、と一呼吸)
上が目をわざわざ逸らしているような場所で部下が好き勝手してるのは構わない訳ぇ?
このままだと濁りすらもなくなってつまらない清流ができてハイオシマイ。
解ってるわぁ、今自分がどれだけ阿呆なことを抜かしてどれだけ子供のわがままを言っているかくらいは───……☆
(掴みどころがない。相当に上手の人間を本来廿楽は敵に回さない)
(其れでも)
■カエラム > スイルに『その眼』をさせてしまったことに気が付くまで、そう時間はかからなかった。
しまった、といわんばかりに目元を覆い隠して、顔を逸らす。
「……悪かった、やめよう。なにも私達がにらみ合うことはない。
カフェモカ、美味かったよ」
怪異は、眼をそらしたまま。
「はははは、わたしなりに考えて選んだんだ。
気に入ってもらえたのなら、何よりだよ」
麻美子の覚悟などいざ知らず、麻美子の嬉しがる姿を純粋に喜ぶ。
タイミングが合わずに渡しそびれていたのだが、今になってようやく渡せたのだ。
湧き上がる衝動がすっと引いていくが、まだ完全には消えていない。
当然、消えるはずもない。
「それじゃあ、また―――」
死神は店を後に……しようとして入り口に頭をぶつけたが、
もう一度くぐり直すと夜の闇に消えていった。
ご案内:「カフェテラス「橘」」からカエラムさんが去りました。
■『室長補佐代理』 > 皮肉気にそういわれれば、男は肩を竦める。
「当然ながら、それは憂慮しよう。だが、俺に出来るのはそこまでだ。確約はしない。それだけの話だよ」
男としても、『汚れた場所』を一掃されるのは困る。
何事にも意味はあり、何事にも理由はある。
ならば、その全てを根こそぎ奪う様な行為は……男が身を寄せる正義からしても、面白いものではない。
「薄野ツヅラ。何事も『建前』はある。見栄えは大事だ。そう思わないか?」
そう、とぼけた様子で尋ねる。
つまるところ男は最初からそれしかいっていない。
異なる正義が相容れることはない。
ならば、それが出会わないためにはどうすればいいのか。
「別に俺の正義は俺だけの正義じゃないんだ。同調する奴は山ほどいる。『目が悪い奴』も少なくない。なら、見えないものには対処できんよな」
そう、確認するように。何度も。
「そういう『理由』は……いつだって大事だとは思わないか?」
■『室長補佐代理』 > さっていくカエラムに敢えて目を合わせず、去り際に、その背中に言葉を投げかける。
「お前の言う通りだよ、カエラム。俺達が睨み合う必要はない。そして、目を合わせなければそもそも睨み合うこともない。相手の『前』に立ち塞がらなければな。カエラム。お前が『前』に立たないことを、俺は切に願っているよ――それでは、良い夜を」
■『室長補佐代理』 > 麻美子の囁きには最初から降参といった様子で肩を竦める。
最近ずっとこんな調子だ。
「それはそれで毎日あらゆる意味で暇をしなさそうで素敵なことだな。留年したら是非とも頼むよ」
■薄野ツヅラ > ……憂慮して頂いた上で今後も同じような行動が見られたらその場で喧嘩を売らせてもらうわぁ?
落第街みたいな場所があるからこそ今の学生街の治安の良さもあるんでしょうしぃ
(上司なら部下の行動くらいちゃんと把握しときなさいよねェ、と忌々しげに呟く)
(ゆらり、頭を上げる)
(ギイ、と音を鳴らして椅子の背もたれに寄りかかった)
そうねェ、『建前』は大事だし貴方みたいなお偉いさんには一番大事なものかもしれないわぁ?
その建前が何であれ、ボクは貴方の『本音』が知りたいんだゾ───…☆
(乗ってきた)
(先刻までは幾らか縮こまっていたし、目の前の計り知れない男に若干の怯えがあった)
(其れでも今は、此処は薄野廿楽の舞台だ。荒事で勝てる気はしていない)
(だからこそ、自分が一番自分らしく戦える舞台で口火を切る)
(────勝機は少なくとも)
だからこそ『目が悪い』程度じゃなく『盲目』になるつもりはないかって提案をしてみようかと思うのだけれどぉ?
見えないなら仕方ないって云ったのは貴方よぉ───?
ロストサインだかなんだかは知らないし屹度災害みたいなものでしょう
だからそう云う連中が落第街に蔓延るくらいなら構わない、むしろそう云う連中のための街だもの───…☆
でも公安は。彼女は紛れもない『人災』よぉ?
災害には対処するけど人災は撒き散らす訳ぇ?
(治安の悪い連中にも相応の理由がある)
(彼女には、どう頑張ってもまともな理由が見当たらなかった)
(薄野廿楽は、挑戦するように笑みを浮かべる)
■麻美子 > 『室長補佐代理』のそんな冗談にケラケラと笑みを浮かべてパフェをつついていたが、
ツヅラの言葉を聞くと、
『ストップッス。』とスプーンを間に差し入れた。
「薄野ツヅラサン、それくらいにするッスよ。
ツヅラさんが大好きな落第街を潰したいっていうなら話は別ッスけど。」
そう前置きすると、スプーンを彼女につきつける。
「いいッスか、公安委員会とか、広報部っていうのは
立場上『法律には従わないといけな』かったり『中立じゃないといけなかったり』するッス。
まして、今ツヅラさんはご丁寧に前置きまでして、
公安委員会直轄第二特別教室の『室長補佐代理』サンに話をしてるッス。」
■『室長補佐代理』 > なにか言おうとおもったが、麻美子の待ったを見て、口を噤む。
弁が立つのは彼女も同じことだ。
その彼女が前に立つというなら、見守るのも悪くない。