2015/06/22 のログ
■レイチェル > 「む、虫使いかよ……!」
チッと舌打ちするレイチェル。
虫は大の苦手だ。レイチェルの天敵と言っても良い。
普段ならば全力で距離をとっている所だが、今はそういった行動をとれない程に、
レイチェルの吸血衝動は彼女自身の身体を縛っていた。
ただでさえ体調が最悪なのに、こんなものを見せられるとは。
寒気がする全身に鞭打って、迫り来る狗の口腔に向けてクロークから
魔剣を取り出すと、構え、ありったけの力を込めてガイライシュと呼ばれた狗
に向け、振るった。
■矛海 遼 > 「蟲か……確かに狭い場では優秀だよ。その判断は正しい」
蟲を見て行う行動それは―――
「戦力を把握する前に動くべきでは無かった」
生命が生まれない永久凍土【コキュートス】である。護衛に向けた棺桶がゆらりと開き、異形や蟲を凍結させんと異界の冷気を閃光として放つ
「―――――――さて、額は空か、通りで頭が悪い」
斬り抜けた先で地面を引きずりながら指を弾く。
4つの棺桶の銃口から放たれるは、無数の光の柱―――
■矛海 遼 > ―――後は、合図を待つのみ
■”マネキン” > 正確だが…テーザーガンは人体を傷つけないように出来ている。
当然、弾速も遅い。少なくとも乱戦で使うようなものじゃァ…無いなァ?
…それともじつはこの男を狙ったのか?背中から?
【レイチェルをからかいながら湖城の動きをテーザーの盾に引きずろうとする。
さすがに正確でも乱戦では当たらない。】>レイチェル・湖城
【所詮残骸と模造品から出来た犬は、ナイフと冷気と魔剣の三連撃を受ければあっけなく砕けて散る。
嫌な記憶ぐらいは引きずりだすかもしれないが。】
…出血も強いれんか。改良が必要だなァ。
■ライガ・遠来・ゴルバドコール > 跳弾を素早く拳で打ちかえし、危険のない場所へと撃ちこんでいく。
さて空中から降りようとした矢先、レイチェルがクロークから取り出した魔剣にはっとする。
(ちょっと待て、こんなところにも居たのかよ、魔剣所持者。
これはいい収穫だ、やっぱここに来てよかったぜ)
表情には出さないし正直それどころじゃないが、ライガは心の中で狂喜した。もし許されるなら、この場で踊り狂ってもいい。それだけの収穫は確かにあったのだ。
さて、ひょっとしたらお忘れであろうか。
路地裏いっぱいに広がった、長い、長い銀の鎖のことを。
それはさながらライガ本人のように、地面に適度な間隔をおいて横たわり、じっと期をうかがっていた。
■湖城惣一 > 「なるほど」
襲いかかる針、ナイフ、その他様々に雑多な"それら"。
「本気にさせたいらしい」
陣羽織風のジャケットをそれらに叩きつけ、力の方向性を変えた。
ただの強化繊維の布であったが、銃より威力に劣るものならばそれで払うことができる。
合図は任せる。矛海の言葉が耳に届くならば。
――まずはそちらを試してみるか。
針やナイフをからめとった陣羽織を、そのままの勢いでマネキンへと叩きつける。
結果を確認せずにそのまま飛び上がりながら矛海へ。
「どうぞ」
テーザーを避けながら、湖城もまた空へ飛ぶ。空を駆ける見知らぬ少年に視線を向けると、ガス缶をはらむ竹刀袋を掲げてみせた。
――今この場で最も機動力に優れる彼に、これを託したいようだ。
矛海がしくじるならば、彼が本気を出す必要がありそうだから。
■”マネキン” > ……やっぱり割りとやる。
これ以上手の内を出すわけにもいかんな…。プランBでいこう。
【針だけは銃に威力が勝る。でなければ切り札にはならないからだ。
陣羽織を叩きつけられたまま、相手の様子を確認せずにそのままレイチェルの方向へ全力と思しき速度で突進する。
巻きついたものは気にしない。本来人体が知覚に使うはずの顔はフードごと引き裂かれていた。】>湖城・レイチェル
…九九九。
【ただし、近接戦闘からは外れたため射線は通っている。が。
残った口元が怪しく笑うと、背後にあった”マネキン”の座っていた段ボール箱が爆発し周囲に爆炎と尖った破片を撒き散らす。
轟音と共に。】>全員
■矛海 遼 > ――――爆発は収縮する。矛海の手元に
「―――――――――受け取ったぞ――――派手に花火を上げるとしよう」
残骸を至る所に受け、頬や肘、額にから血を垂らしながらも右手に、刀を握っていない手に昼かと錯覚するほどの光が集まって行く――――高密度に圧縮した高熱【プラズマ】その物だ
「みんなのおかげで狙いが付いた―――――――【丸裸】だぞ?大将」
レイチェルの近くの棺桶が無数の鎖を解き放ち、マネキンの動きを拘束――――と見せかけた牽制、その後に鎖の音を聞くと共に砲撃として叩きつける。
■ライガ・遠来・ゴルバドコール > 「ああ、しっかり頂くぜ。
僕の空中散歩、しっかり見ておきなよ」
空中で竹刀袋をしっかり受け取り、そのまま空中へ駆け上がっていく。もはや銃弾ごときでは捉えられない高度まで達せば、両腕で空気の檻を作り、竹刀袋をしっかり固定する。
(ここらでいいな、制御がまだうまくいかないが、凍らせるくらいはできるだろう。…魔拳【氷結牢】)
何物にも邪魔されなければ、檻を掴んだ腕から冷気の魔術を放出し、氷結させる……
■レイチェル > 「オレのテーザーは手製の、特別製だ……他と一緒にすんなよ……」
舌打ちしつつ、そう返し。
確かに、狭い路地で使うものではない。それはレイチェル自身もよく分かっていた。
ただ、あの状況で彼女に出来るのがそれだけだった、というだけのことだ。
満足に動かない自分の身体に、二度目の舌打ちをする。
そして。
今の彼女は魔剣を振るった後だ。そう、振るってしまったのだ。
天敵の登場に、思わぬ体力の消耗をしてしまった。
荒い息は不安定で、その身体は発熱し、震えていた。
二度目は、あのように力を込めて振れないだろう。
長大な魔剣を、血振りの形で軽く振り払うと、クロークの内へとしまおうと――するが。
「くっ……!」
全力で突進してくるマネキンを前に、咄嗟に魔剣を構えた。
遼のフォローは視認するが、油断はしない。
■ライガ・遠来・ゴルバドコール > レイチェルに向かうマネキンを空から眺め、頭を抱える。
「あー、やっぱそうなるか。ホントは別の目的のため用意してたけど、これを使うことになるとはなー。
捉えろ、“グレイプニル”」
銀の鎖が、まるで蛇の群れのようにマネキンに向かって突進する……
その様子を見ながら、心底、残念そうにしていた。
■畝傍・クリスタ・ステンデル > 爆発に気付くと、とっさに狙撃銃で顔面をかばいつつステップで後退する。
しかし爆発がアロハシャツの男の手元に集まったことで、間一髪、畝傍に被害は及ばなかった。
金髪眼帯の少女に迫るフードの男の姿を捉え、再びナイフを抜き、投擲!
■矛海 遼 > 「なるほど――――――最高の【鎖】だ。礼を言うよ」
右手から放たれるプラズマは総てを焼き尽くさんが如く、一筋の砲撃として疾走る
■湖城惣一 > ――矛海が爆発を無力化した。その光景を眼下に臨みながら心中で文言を唱えた。
ひ、ふ、み、よ、いつ、むゆ、なな、や、ここのたり。
残念ながら針を肩に受けた。だがこの程度ならば術式で動作を補える。
毒があっても、回りきって死ぬまでは支障もない。
一番の難物である竹刀袋も、無事確保された。
故に、脇差しを逆手に持ち、腹へ当てる。
――切腹奉納。彼らの攻撃が失敗に終わるならば、行わざるをえない。
「…………」
だが、気にかかるのはフードの男の動向だ。
まるで自分の命などどうでもいいといったほどの捨て鉢な戦い方。
遠隔操作の類の可能性も有り得る。
周囲の力の流れを探る術式を周囲に打ち込み、マネキンへとかかる力の流れを読み取ろうと。
■”マネキン” > 【怪しげな薬を内包した燻煙剤はライガの働きによって静かに凍り、反応を止める。
もし調べるなら中身は既存の幻覚剤に以前の事件で使用された暴走剤などを適当に混ぜたものだ。未知の物質は含まれていない。】>ライガ
【矛海の鎖は、銀の鎖は――避けない。畝傍のナイフも肩に深く突き刺さる。
腕に、肩に、脚に、腹に、拘束する様子であれば全身をそのまま拘束されるだろう。】
【ただナイフを持つ手だけを何かを求めるように、届かせるようにレイチェルへ向かって伸ばし…そして唐突に、そのナイフをくるりと回して刃の部分を手のひらで握る。
引き裂くためだけに作られた異形の刃が、”マネキン”の手を血まみれのものに変えた。】
―――実験終了だ。経過観察が必要だな。
【叩きつけられる砲撃に拳銃を向け、残弾を全て吐き出す。
もしプラズマの収束が乱れれば、直前で爆発すれば吹き飛ばされた”マネキン”の血糊は路地裏にべったりと張り付くだろう。
そうでなくても炎より逃れんと伸ばした血まみれの肘から先だけになった腕と、血のついた畝傍のナイフはレイチェルの元へ飛んでいく。
……さあ、どうぞ啜れと言わんばかりに。】
べ ち ゃ り
■矛海 遼 > 「―――――――螺旋【集中力】を舐めるな」
冷たい、氷の様な瞳でマネキンを見つめると銃弾の向かう先、その場から消え
「爆破なんて真似はしない。【貫く】事に重点を置いたのだからな」
間に入るように目の前に現れ、プラズマの砲撃交差し、重なるように光で出来た巨大な右手で殴り抜ける。
よく見れば先ほど立っていた地面が大きく抉れているのが見えるか。
「―――――――血液ごと蒸発させることも難儀ではないんだぞ?」
■ライガ・遠来・ゴルバドコール > 「まったく、秘蔵っ子まで出してやったんだ、きちんと決着つけろよな」
空中で氷漬けになった竹刀袋を手に持ち、不満げに呟く。
“対異能者拘束用魔道具グレイプニル”──それの劣化版で使い捨てだが、相当高価だ。一つ買うだけで諭吉さんが何十人出ていくか。とはいえ、しっかりかみ合えば抜群の効力を発揮する。魔剣所持者が異能者だった場合を考えて持っていたのだが、全くとんだ出費だ。魔剣所持が2人、という情報を含めると、トントンであろうか。
■レイチェル > 「……オレ……は……」
目の前で広がる、血。
血、血。そして、血。
狂乱の赤。鮮血のカーテン。
路地裏の赤は、レイチェルを狂わせるのに十二分な魅力を持ったものだ。
啜りたい。出来ることなら、啜って、目の前の全てを飲み干したい。
理性ではない、飢えたレイチェルの本能が、震える。
じり、と身体が、足が勝手に動く。
吹き飛び、血をどくどくと流すその腕に向かって。
「血………が……」
頭がガンガンと痛む。
気持ちが昂ぶる。
昂って昂って、頭がおかしくなりそうだ。
目の前のこれを啜れと、本能が叫ぶ。
■”マネキン” > 【マネキンで出来た顔は消えて、フードは地面に落ちている。
胴体はプラズマによって消し飛ばされ、残骸が残っていたとしても動く様子は無い。
すでに片腕とナイフについた血痕以外残っていなさそうだが。】
■矛海 遼 > 「――――――――」
右手、否、右腕が大きく焦げ付き、所々抉れている
「――――駄目だ、レイチェル・ラムレイ」
左手で目の前を遮ろうとする
「それ以上は、駄目だ」
ご案内:「路地裏」に久藤 嵯督さんが現れました。
■久藤 嵯督 > 「そこまでだ、レイチェル・ラムレイ」
鮮血の泉に向かって足を運ぶレイチェルの周囲に、金属製の線が十本降りてくる。
変幻自在に動き回る線は、レイチェルの足元から胴体に巻き付かんとする。
ビルの上から路地裏を覗くのは、風紀委員・久藤 嵯督。
両手の指にて金属の紐を駆る。
■レイチェル > 「はぁ……はぁ……は……ぁっ」
鈍くなったレイチェルに対して巻き付く金属製の紐。
足元から胴体に、紐は容易く、ぎちりと巻き付くことだろう。
荒々しい息を吐くその顔はすっかり紅潮し、全身は汗まみれだ。
全身を縛られて、動けなくなったレイチェルはその場で荒い息をついたまま、立ち尽くしている。
抵抗は、しない。
彼女の内の理性が、金属の紐と共にその本能を押し留めている。
■矛海 遼 > 「残った腕………それを隠すんだ。飛び散った血液は私が【蒸発】させる」
右腕をだらんと垂らしながら、左手の刀を捨てて鮮血の湖に手を掲げる。
集中する視点、その先に在る物を文字通り蒸発させるために
■湖城惣一 > 「…………」
失せ物探しのための術式が反応を示していた。
「北?」
フードの男から伸び上がる『病の気』が北へと続いていた。
術式は既に消えてしまい、明確に追うことはできない。
しかしながら、やはりこれで終わりという案件ではなさそうだった。
あとは、レイチェルの吸血衝動だけが気がかりであったが、矛海も、新たにやってきた風紀委員もフォローに回っている。
ひとまず、周囲の空気を正常化するための祝詞を奏上し、少しでも血臭を和らげようと試みてから、大きく息を吐いた。
脇差しを仕舞う。
■”マネキン” > 【病の気を感知し続けるのであれば、目の前の”マネキン”が死亡した場所から、背後から、スラムから
もしくは歓楽街、異邦人街のほうから何かが漂っている、そう言う気配が増えていくのをおぞましく感じるかもしれない。
治安が悪く不衛生で、不健康な場所であり、救われない病人も多くいる場所だからか、もしくは。】>湖城
■久藤 嵯督 > 黒き衣に身を包んだ紐の主が、音もなく飛び降りてくる。
衝動を押し殺している初対面の同僚を一瞥した後、その場にいる全員に顔を向けた。
「風紀委員の久藤 嵯督だ。この度はマネキンの『撃退』、ご苦労だった。
"風紀委員として"諸君らの協力に感謝しよう」
口ではそう言っているものの、まったく感謝している様子は見受けられない。
むしろ面白く無さそうにすら見えてくるだろう。
そして再び、レイチェルに視線を向けて一言だけ呟いた。
「呆れたな」
■矛海 遼 > 「――――随分と手を出すのが遅いようで」
しばらくすると焼け爛れた右腕が脱皮するように、
傷一つなくなり元に戻る
「その行動の遅さに呆れるよ」
■畝傍・クリスタ・ステンデル > 投擲の後、念には念を入れてとさらにもう一本構えていたナイフを腰に戻し。
左腕だけで抱えていた狙撃銃を両腕に抱えなおした後、畝傍は前に出て周囲の様子を窺う。
「……おわった……の?」
■レイチェル > 「……もういい、解け。……落ち着いた」
そう呟いて、じろりと嵯督の方を見やる。
相変わらず息は荒いが、その瞳は紫に戻っている。
「すまねぇ、みんな……もう大丈夫だ……オレは……」
頭をふるふる、と小さく振って、レイチェルはそう呟いた。
■矛海 遼 > 「………湖城、どうかしたのか?」
少年の反応を見て何かを感じ、上を見上げて言葉を溢す
■湖城惣一 > 「…………」
同質の気配が増えていく。それに眉を動かすことも、心を動かすこともない。
だが、ただ。気配の増殖。その不穏さは妙な勘だけが働いていく。胸騒ぎ、に近いものだ。
ここで一年以上戦い、そしてかつては外であらゆる"魔"と対峙してきたものとして。
だが、少なくとも問題は眼前の状況である。
風紀委員の久藤。なるほど、ご同僚だ。
ひとまずはその場の一般人、畝傍へと
「ひとまずは。しかし、この落第街では何に巻き込まれるかわかったものではない、注意だけはしておいた方がいい」
などと、無表情に告げながら。
矛海の言葉には首を振って、
「確証もないことですし、今この場で喋ったところで大した意味はありません」
ひとまず、状況が完全に終わったとは言えない。
ただ、久藤らのやりとりを外から眺めていた。
■”マネキン” > 【鮮血は矛海の働きですでに蒸発し、地面ごと焼け跡も残らない。建築物の劣化が心配ではあるかもしれないが。】
【まだ焼いていなければ残った赤く斑に染まった腕がどろり、と溶け濃い腐った血臭を放ちながら、泡を出して煙となり消えていく。
名残惜しそうに、怨めしそうに。まるで奴自身が煙であったかのように。】
【そして痕跡は残らなかった。】
■矛海 遼 > 「………今はこの場を離れた方が得策か」
徐々に、空気に違和感を感じて来たらしい。
確かに、今ここに留まるのは危険だ
「………まずは移動しよう。」
■畝傍・クリスタ・ステンデル > 和装の男の言葉に。
「うん……そーだね。ボクもここにはあんまりこないから、きをつける」
畝傍は島内に魔物が出現したという報告があればどこにでも『狩り』に訪れる。
今日はそれがたまたま落第街方面だったのであり、その帰りに大通りでの騒動を見かけしばらく様子を見ていたというわけだ。
だが、眼前にいる人々に対してはその辺りの事情の説明は聞かれていないので避け、簡潔に答えた。
■矛海 遼 > 「………風紀委員の君も、それで異論はないな?」
周囲の状況を見れば、自身のやっていることは相当である。
しかし、今はこの場に留まる事が最善ではないとは思っている。
■久藤 嵯督 > 「……そのようだな」
レイチェルの瞳の色を確認した後、金属の紐を一気に緩める。
その後に、袖の中へ『しゅぱっ』と格納させた。
「状況を総合的に見ての判断だ。我々も人手不足であるが故、戦力を余計に集中させるのはよろしいことではない。
ここに諸君らが"いてくれた"ので、他の問題に当たることが出来たというだけのこと」
それだけでなく、嵯督個人としても望むところではない。
公私は使い分けるが、それがたまたま一致しただけの話だ。
■矛海 遼 > 「いなければどうなっていた事やら……」
慎重と言うかなんというか、判断自体は間違いではないのだが。
「落ち着いたようで何より、だ。」
ゆっくりと、自身の血の匂いが届かないようにしつつレイチェルの瞳を見つめる
■湖城惣一 > 「何も問題はないな」
久藤の物言いにも、こちらは異論も何もない。
たまたまここに居たのは事実であるし、対処できる人員が対処するのは当然のことだ。
目の前の少年が何をしていたかなど興味もないし、どうでもいいことであった。
ライガから竹刀袋を受け取れるかどうか。それは置いておくにしても、ひとまず脇差しをしまってから。
「風紀は確か、個人行動を控えるような提案が出ていたはずだな」
戦闘で目の前のレイチェルが消耗したのは見て取れる。
「巡回か、帰路か。この後が私事でないならば付き合おう」
などと提案しながら、距離を取りつつも少しだけ間合いを寄せた。
■畝傍・クリスタ・ステンデル > 久藤と名乗った男の語ることは、畝傍にはよくわかっていない。
今回はほとんど流されるままに周囲の人々に加勢する形となったのだ。
ともあれ、人に名乗られたからには一応自分からも名乗っておこうと。
「ボクはウネビ。畝傍・クリスタ・ステンデル。マモノを『狩って』るの」
名前と、自身の『使命』を伝える。簡潔な自己紹介。
■レイチェル > 先までも、理性は、残っていた。
目の前の血を啜ることに対する警鐘を鳴らし続けていた。
最後まで、理性を失うことは無かった。
それでも、腕から流れる血を見た瞬間には、足が言うことをきかなかった。
完全に理性を失わなかったのは、彼女自身の強靭な精神力に加え、周囲の言葉や行動あってこそだった。
くそ、と呟きながら拳を強く強く握りしめる。
「心配かけちまったな……大丈夫だ、オレは、まだ『こっち』に居る。『こっち』に居なきゃならねぇ……」
想う人々が居る。こうして支えてくれる人達が居る。守るべき人々が居る。
ならば。
この身体を抱えながら、自分は、ここに、この場所に、留まらねばならない。
常世の生徒として、風紀委員として。
可愛い後輩も出来たことだ。顔向け出来なくなるようなことは、絶対にできない。
「とりあえず、帰って休むことにするぜ……休めば、ひとまず収まる……筈だ」
そう言って、クロークを翻すレイチェル。
ゆっくりとした足取りで、路地裏を出て行こうとし。
ついてくるのであれば、惣一の同行は拒否しないだろう。
■矛海 遼 > 「ふむ………湖城ならば問題は無いだろうが……」
一つ考え、提案する
「……私も同行しよう。あくまで奥の手だが、な」
ゆっくりと、静かな足取りで路地裏に出て行こうとするレイチェルの後に続く。
■湖城惣一 > 「…………」
人と魔の間で揺れ動くということは、どういうことだろうか。
迷わず、ただ剣の境地に潜り続けた彼にとって、その苦しみは理解できぬ類のものだ。
「では、またの機会に」
残った面々に別れを告げた。
そして、その背を守るように追いかけながら、ただ少しだけ距離をとって、脇差しを担ぎながら歩いて行く。
恐らく、ライガの手によって竹刀袋と共に例のガス缶は風紀委員に届けられるか。
或いは竹刀袋を受け取った湖城の手によって風紀委員に届けられることだろう。
ご案内:「路地裏」から湖城惣一さんが去りました。
ご案内:「路地裏」からレイチェルさんが去りました。
ご案内:「路地裏」から矛海 遼さんが去りました。
■久藤 嵯督 > 「もとより、ここに長居する気は無い。
そもそも風紀委員がこんな場所をうろつくのを推奨すると思うか?
用が無ければ、さっさと帰るがいい」
それだけ言うと、一度全員から背を向ける。他にも仕事があるのだろう。
その場から去る前に一度だけ振り返って。
「諸君らには後日、事情聴取を行う。
休息を取り次第、各自風紀委員会まで出頭するように」
「もっとも任意出頭だがな」と付け加える。
無視しても構わないし、むしろ無視してくれた方が面倒が掛からないと思っているフシがあるようだ。
「レイチェル・ラムレイは湖城 惣一、お前に任せる」
教えられもしていない名前を並べられていることから、ここにいる者たちの名前は割れていることがわかる。
ご案内:「路地裏」から”マネキン”さんが去りました。
■畝傍・クリスタ・ステンデル > 畝傍の名乗りは彼らに聞こえたのか定かでない。
恐らくは聞こえなかった可能性のほうが大きいであろうが。
「あれ……いっちゃうの?」
その場から去っていく、まだ名前も聞いていない面々を目で追いつつ。
「……ま、いいか。あの『ヒト』たちも……ニオイ、しなかったもん」
彼ら――去って行った風紀委員会の面々もまた、狂人ではないのは明らかだった。
畝傍は周囲をうろつき、投擲したナイフの行方を探す。
■久藤 嵯督 > 「畝傍・クリスタ・ステンデルに、ライガ・遠来・ゴルバドコール。
残るのは勝手だが、それで問題を起こすようならこちらとしても指導をせざるを得ない。承知しておけよ」
それだけ言い残すと、黒は再び影となった。
ご案内:「路地裏」から久藤 嵯督さんが去りました。
■畝傍・クリスタ・ステンデル > 投擲したナイフのうち、見つかったものを拾い集め、再び収める。
久藤の声が聞こえた気がしたが、内容までは畝傍の耳に届いているだろうか。
「じゃ、ボクもかえろっ」
狙撃銃を抱えたまま跳躍。立ち並ぶ建物の非常階段、ベランダ、屋根と次々に跳び移りつつ。
橙色の少女は、落第街の夜闇に消えてゆく――
ご案内:「路地裏」から畝傍・クリスタ・ステンデルさんが去りました。
■ライガ・遠来・ゴルバドコール > どうやら他の風紀委員が駆けつけてきたようだ。
これ以上空にとどまっていても仕方ないので、するすると降りてくる。
周囲を確認すると、氷漬けの竹刀袋を持ち、委員会街へ向けて足早に歩き去った。
ご案内:「路地裏」からライガ・遠来・ゴルバドコールさんが去りました。
ご案内:「路地裏」にライガ・遠来・ゴルバドコールさんが現れました。
ご案内:「路地裏」からライガ・遠来・ゴルバドコールさんが去りました。
ご案内:「路地裏」にスラッシュさんが現れました。
■スラッシュ > 「コッチまでボロボロっだニャー。」
大通りから外れたコチラも、大きな被害を受けたと聞いていたが、予想を大きく上回っていた。
「はぁーっ…こんなんじゃ人来るか怪しいもんだニャ」
蛍光グリーンの髪を大きなリボンで結んだ女が路地裏に着くなり大きくため息をつく。
「おらおら退くニャ退くニャ。」
深夜の路地裏で眠っている先住民たちを蹴り起こし余所へやる。
普通であれば徒党を組んで襲い返されそうな所だが、彼女は“トクベツ”だった。関わると後がめんどくさい、という意味で。
「さってー今日も開店ニャ☆
気合入れていっくニャー♪ひゃっはー☆」
一通り路地裏から人をやると、ぐっぐ、と伸びをしてガラガラ引いてきたトランクに腰掛ける。
■スラッシュ > 「ソーイヤ、この間バケモノに襲われたのもこの辺だったかニャ…
うーこわ、またトランクぶっ壊されちゃたまんないのニャ…」
寒がるようなポーズをしてふるふるとわざとらしく震える。
そして、辺りを見回し
けろりと表情が変わる。
「ま、いざとなればさっさと逃げればいい話かニャ☆」
なんて呑気な発言が飛び出る。
「それよりサッサとお客様を探すのニャ~♪」
こんな時間に、しかも何が飛び出すかわからないような路地裏に来る人間はかなり少ないが、仕方ない。通りがかりの人々の顔をにやにやじろじろと眺める
■スラッシュ > 「あ~あ~ツマンネーのニャー…」
いつもの如く煙草を、と思ったが今日はキャンディーにしてみよう。
懐から棒付き飴を取り出す。
「あーこの、このっ!!なんでこの袋はこんなにとりづらいのかニャ!?
作った奴開けたことあんのかニャ!?」
などと喚きながら、棒付き飴の袋を必死に剥がしている。
顔はわりと真剣だ。
ご案内:「路地裏」にウィリーさんが現れました。
■ウィリー > 「何を売っている?」
逆光で顔が見えづらいが、たしかに見覚えのある声に違いないだろう。
ウィリーは彼女の特徴的な口調を、以前のそれと同定した。
だが顔までは、暗がりにあっては確認できていない。
それでも問う。
「儲かっているか」
■スラッシュ > 「売ってる?何の話かニャ?
ウチは人待ってるだけだニャ??」
この、この、と言いながら飴と格闘し、そちらをチラリとしか見ない。
一度会ったことのあるヤツであることも分かった。
自警団とかいう組織のヤツだ。
…何にせよあまりオカカワリになりたくないヤツだ。
■ウィリー > 「確かに人待ち風だが……こんなところで待ち合わせか? なにか後ろ暗いことでも?」
突っ慳貪な口調で、まるで尋問するような物言い。
言い切ってから、はっと鼻で笑い飛ばすと両手を挙げた。
「悪いな、職業病だ。怒んなよ? 今日は普通に散歩、面白いもんがないか探してる」
よく目を凝らせば、護身用の装備もなくほとんど無防備。
よほど暇だったのか、それとも囮捜査でもしようというのか。
面が割れている以上、後者はまずありえないのだが。
■スラッシュ > 余りにも飴を取り出すことができないので、服の中にしまう。
「あーあーコッチはヒマじゃないってのに、面白半分で話しかけてくれてんじゃネーにゃ。
ソレにこんな時間にこんな所を丸腰で歩くヤツに、言われたくないニャ。
バカなのかニャ??」
あっかんべーをウィリーさんに向けて。
(今喧嘩を売れば勝てるだろうかな。通報されなきゃ良いしこの時間にこの場所だ。ギャラリーは居ない。例え死んでも処理には困んねえかな)
表ではバカな面を晒しているが、腹の中ではこんなことを考えていたり。というよりは、その考えを顔に出さないためにこんなバカなキャラを演じている。
■ウィリー > 「なんだ? 飴袋も開けられないのか、不器用だな」
ジリジリと間を詰める。悪意はない、猫の頭を撫でるためのそれと同じ。
「人を待っているのにヒマじゃあない、妙だな? 待ち人来たるまで
少し真剣半分に話でもしたっていいだろう。ちょうど今みたいに」
呑気に笑った。真剣半分という奇妙な言い回しが、違和感を覚えさせるだろうか?
無防備で武装もないのに、やりあっても構わないというような――聡くなくとも思い出すはずだ、この都市には異能や魔術があるということを。
■スラッシュ > 「ハァ?アンタと話してるヒマが有ったらボーっとしてる方がまだマシって言ってんのがわかんないのかニャ??
半分も真剣になってると思ってるなんて思い上がりもハナハダシーのニャ。」
ぷーっと頬を膨らませて、拗ねたような顔。
「ソレと、ドサクサに紛れて近づくんじゃないニャ。
セクハラでケーサツに訴えてやるニャ。」
近づかれると露骨に嫌がりビッと身を引く。
懐いていないネコ、とでも言ったところか。
ご案内:「路地裏」にクロノスさんが現れました。
■クロノス > 「おや?監視番号324、監視番号5、『こんな所』で何をしているんです?」
彼女はいつも通りに現れる、鉄底の音を響かせ、
純白のマントをはためかせ、瞳を細めながら口元を歪めて。
「―――『お買い物』、ですかね。」
首をかくんと『傾ける』。
ご案内:「路地裏」に洲崎さんが現れました。
ご案内:「路地裏」から洲崎さんが去りました。
ご案内:「路地裏」に洲崎さんが現れました。
■スラッシュ > クロノスの姿が見えるや否や、トランクに飛び乗り姿を消す。
それは話しかけられる前の話かもしれない。
時速は車のそれを遥かに超えているし、入り組んだ暗い路地裏。
追いかけることは中々に難しいだろう。
■ウィリー > 「ひどい言い草だな。だがそれだけ減らず口が叩けるなら、こんな暗がりではなくて……
表で思う様弁舌をふるったほうがたくさんの『待ち人』を捕まえられるんじゃないか」
愉快なやつだ、とは思う。その愉快さが一周して、怪しさすら覚えてしまうほどに。
「一朝一夕に懐けと言ってるんじゃあない。もう少し距離を詰めさせろと……」
首筋の産毛がちりつくような感覚に、言葉を断ち声の方へ視線をやる。
「うえ……こりゃまた、なかなかどうして」
厄介なものが来たものだと。正しく『買い物』をしにきていたウィリーは、スラッシュが猛然と逃げるのに対してそこに、取り残されていた。
■洲崎 > おーい猫ちゃーん♪
お・ま・た・せー♪
(スラッシュに向けて走ってくる男が一人、ハイテンションに
手を振りながら走ってくる)
ってあら?
(声をかける寸前にトランクで走って行ってしまったスラッシュを
眺めている。)
■クロノス > 帽子の鍔を握り、正す
「別に少しお話をしに来ただけではありませんか。
―――まったく、つれませんね。」
口元に歪な笑みを浮かべ、その場に残る人間を見回す。
■クロノス > やれやれと首を振る
「―――皆さんも、あまり『こんな場所』にある
『怪しげなお店』なんて、利用してはいけませんよ。」
他に特に問題のある生徒はいない、手を振ると踵を返し、
現れた時と同じように、鉄底の音を立ててその場から去って行く。
ご案内:「路地裏」からクロノスさんが去りました。
■洲崎 > はぁ…デートの予定が……
(うなだれている男が一人)
あれ、君はもう行っちゃうの?
(鎌を持った少女に尋ねるが、そのまま去って行った彼女を見て
またうなだれる)
うーん…まぁ仕方ないかな?
ご案内:「路地裏」からスラッシュさんが去りました。
■洲崎 > あーあ…僕はとっても悲しいよ!
まぁ仕方ないけどね♪
(ケロリと笑顔を浮かべ、また歩き出す)
あ、君も気を付けてね。
ここら辺は怖い人もたくさんいるからさ♪
(通り際にポンと青年の肩を叩き、去っていく)
ご案内:「路地裏」から洲崎さんが去りました。
■ウィリー > 「……なんだありゃあ」
存在だけは知っている。だからこそどうして、『なぜわざわざこんな場末に
出向いてきたのか?』『そしてこちらを一瞥するだけで去っていったのか』という疑問が生まれる。
「つまりあいつだけが目当てだったか」肩を叩かれ、去る男を尻目にぽつりと。
相も変わらず闇は深いが、少なくともスラッシュを避けてどこかに行っていた住人たちは塒へと戻れたようだ。
「帰るか」今回ばかりはお手上げであった。
ご案内:「路地裏」からウィリーさんが去りました。