2016/05/20 のログ
■松渓つばめ > だが、うまくかわされた!
つばめもキレが良いわけではなかったが、往年のゲームメッセージが脳内に表示される程度には驚いた。
「悩んだらぶっちゃけるか忘れるか――どっちかしか無いって聞くし、
東雲が一番『こいつだ!』って思うやつに喋っちゃったら?」
娘は血の異能の事を差してそう言っている訳ではない、只の一般論にすぎない。
「あたしは大体忘れちゃってるけど。……ああっ、勉強なら遠慮無く聞いてよね!」
親指で自分を指差し、白い歯を見せた。
「と、シャワーは、音しないか」誰もいなさそうだ
■東雲七生 > 躱したつもりは本人には無かった!
女子と一緒に何かすること、のレパートリー内にそういう事が無かっただけである。
「ああ、サンキューな。
……勉強の方は、まあ、去年の今頃よりはだいぶマシになってきてるはずだぜ。はず。」
希望的観測。ちょっとだけ自信は無いが。
忘れるには少し、軽すぎて。誰かに話すには重すぎる。
器用に持て余しながらも、それが苦じゃない間はそのままにするつもりだけれど。
歯を見せて笑うつばめに合わせて、こちらもニッと笑みを浮かべた。
「そうみたいだな、混んでくる前にもう行っちゃうか?」
お前はそのつもりで来たんだろう?と軽く首を傾げる。
■松渓つばめ > 「そ、ねー。もー少ししたら男ら(の中でもそういうの気にするタイプの面々が)来るだろうし」
数人だろうが、シャワー前に集まる図はちょっと暑苦しい。
さっと決断すると、わきに置いていたバッグを蹴り上げて腕を通し、背負い直した。
「ざばーっと浴びてきちゃうわ。――ノゾキも300万だからね、っと」
天丼は基本。後ろ手に手を振ると、コンパートメントにひょいっと滑り込んでいった。
ご案内:「訓練施設」から松渓つばめさんが去りました。
■東雲七生 > 「覗かねーし!!」
全く以て遺憾である。
反射的に反論しつつ、シャワーへと向かったつばめを見送って。
そのまま突っ立ってるのも変に思えたので、紙袋を肩に担いで施設のエントランスへ向けて歩き出した。
とりあえず一度学校に戻って、ナイフも返して貰わなければ。
べつに特別な代物という訳ではないが、入学してから使っているだけに思い入れだけは、まあまああるから。
ご案内:「訓練施設」から東雲七生さんが去りました。
ご案内:「訓練施設」に雪城氷架さんが現れました。
■雪城氷架 > 「よいしょ」
いつものベンチにバッグを置いて、準備をはじめる
今日はニルヤカナヤでのバイトもオフ
せっかくなので放課後に今日の講義のおさらいにと自主練である
「ふふ、結構真面目ちゃんになってきたんじゃないか私」
去年は此処に来て何かする時はただただ、必死めいたものがあった気がするけど、
今はそうでもない、なんだか余裕がある
■雪城氷架 > 座学の方も苦手なのは変わらないけど、サボる頻度は減ったように思える
なんだろう、一年生の間はとにかく自分の異能に振り回され続けてきた
ある程度、力とのつきあい方がわかってきて…どう使っていけば良いのか、将来的にはどう活用していけばいいのか、と
考えることも変わってきている
「パイロキネシス、コントロール、指向性3-Ⅳ。
重力影響あり、ターゲット数6、耐熱耐衝撃」
口頭で、演習内容を読み上げる
プログラムが認識し、起動する
■雪城氷架 > 「よし…いけっ」
ランダムに出現するデコイ
それに向けて、振り払うような手の動きから火球を生み出し、放つ
去年までは、明確に方向の認識を脳に伝えるため、対象に向けて手を翳す、などの工夫が必要だった
しかし今やそれも必要とせず、思い通りに狙った位置へと運動エネルギーを伴った熱を放つことができる
■雪城氷架 > 一つめのデコイに火球が炸裂し、命中判定を知らせるシグナルが発せられる
ここからだ
以前は、ここから次々に火球を放ってすべての目標に命中させる、
それでこういった演習項目をクリアしてきた、しかし今日は違う
「──そのままっ!」
キッと次の目標を睨みつける
一番最初のターゲットに命中し爆散しかけた炎が収束し、再び火球に
そこから次々にデコイを跳ねまわり、最後に炸裂・分散しすべてのターゲットに同時に命中する
■雪城氷架 > 「……ふうぅ」
つつ、と頬に一筋汗が伝う
「…いやぁ!これは次の試験も完璧だろ、うん」
我ながら、異能のコントロールに関してはかなり盤石なものになったと思えるようになった
熱量増減もさることながら、空間制御に関しても去年の比ではない
■雪城氷架 > 「あっ、と……」
唐突な目眩に襲われて、その場に膝をつく
精神的なコントロールをする異能、その精密制御は脳にかかる負担も大きい
「はは、頭痛がしなくなっただけ大分マシかな」
■雪城氷架 > なんとかベンチまで戻って一息
パネルには今の演習の結果が数値化されている
文句なしの採点だった
「うーん、でもなぁ……」
もはや、自身の異能の力は文字通り掌の上
座学も比較的頑張るようになり、力への理解も深まった
手足や指先の如く、熱を自在に操り、操作できる
漠然とした不安
「(異能は個性…個性を活かして…って言っても)」
将来的に、何か役に立つのだろうか
■雪城氷架 > これを考えるたびに、去年の春に起きた事件を思い出す
だから、自分の持つ異能の力が役に立つ先、を考えるときに真っ先に出てくるものが、
「兵器、なんだよなぁ…」
■雪城氷架 > 最初は先生達にそういう危険性を示唆されても、
何を大げさな、としか思っていなかったけれど
獅南先生のテストや、色々なことを経験して、
わりかし冗談ではないということも分かってきた
考えが腐ってきた、しばらく考えるのはやめようと立ち上がり、バッグを肩にかける
将来のことはいずれは考えなければならないこと
でもそのためには、家族のこともあり、恋人とのことだってある
まだ慌てる必要も、余裕をなくすようなこともしなくていい
でも
「ぜんぶパパの思い通り、っていうのは少しヤだな」
ぽつりとそう零して、施設から立ち去った
ご案内:「訓練施設」から雪城氷架さんが去りました。
ご案内:「演習施設」に獅南蒼二さんが現れました。
■獅南蒼二 > その日、演習施設入口には手書きの張り紙が張り付けられていた。
曰く、実験中につき立ち入り注意。
そこら辺の紙に、そこら辺のペンで書いただけ。と言った具合の、申し訳程度の張り紙である。
施錠はされていないし、別段、侵入を妨害する罠があるわけでもない。
この張り紙以外、全くのフリーパスである。
唯一、普段と違う点を挙げるのなら、普段は中の見える演習施設が、今日は殆ど透過性の無い半円形のドームに包まれている。
中で何が行われているのかを、外側から視認するのは殆ど不可能だろう。
「……この上なく無意味な実験だろうな、これは。」
ドーム状の演習施設の中心で煙草を吹かすのは、右手の全ての指にぼんやりと光る指輪をはめた白衣の男。
■獅南蒼二 > 対人演習プログラムの1つ、静止標的訓練だが、標的には少しだけ工夫が凝らされている。
通常は弾道ゼラチンやスチロール等で構成されるのだが、今回の標的は対魔術式を描き込まれ・吸魔素材である魔鉱石で作られた標的である。
無論、その純度は低いものでしかないのだが。
■獅南蒼二 > 右手を標的に翳す。
小指の指輪が光を増して,封じられた魔力を解放する。同時に不可視の術式が空間に描き込まれ,魔力は指向性を与えられて収束していく。
魔力に親和性の無い生徒には何が起きているのは全く分からないだろう。
ただ、僅かにこの空間の空気が震えていることには、気付けるかもしれない。
■獅南蒼二 > 描き込まれていく術式は決して複雑なものではない。
初歩的な発火と炎上の魔術である。だがそれが、授業で扱ったものとは比べ物にならない規模で再現されようとしている。
解放された膨大な魔力全てに指向性を与え、全てを現象へと変換させる。
それは才能ある大魔術師なら無意識にでも可能なことだろう。
だが、彼には才能も無ければ、魔力親和性も殆ど無い。
故にひたすら、空間じゅうの魔力を術式によって収束させ、熱エネルギーへの変換のタイミングを合わせ、その起点を描き込む。
生粋の魔術師から見れば、複雑な電子回路でも組み立てているかのような、意味不明な術式がそこにあるだろう。
だが、全ては1本の線でつながっている。
ご案内:「演習施設」にエリンさんが現れました。
■エリン > 張り紙を無視し、中に入ってきたエリン。
肩にはお供の、緑色のヒルのような物体をのっけつつ。
ドームの隅っこで見学するように、地面に体育座りで見ている。
魔力の流れを目で追いつつも、その目は若干眠たそうで。
■獅南蒼二 > そして獅南がその手を握りしめれば、全ての起点は“発火”を発動し,標的を巨大な火柱が包み込む。
これだけ大規模な炎を上げながらも、エリンの座っている場所へは熱波さえ届かない。
全ての魔力は瞬時に消費され、しかもその熱は標的を中心とした僅かな範囲に集中させられた。
それでもなお、魔鉱石で構成された標的には傷一つついてはいない。
「やはりこの程度の熱量ではどうにもならないか。
…次は流石に熱いぞ,見ていたいなら私の後ろに回った方がいい。」
見学者に背を向けたままに、言葉を向けた。
彼の日々にはまだ、輝く指輪が4つ残されている。
■エリン > 特に声は発さず。
ただ、ガラン、とカウベルがなり、ぺたぺたと歩いて獅南の後ろへいく。
そして、またぺたんと座る。
眠たそうにしながら、じーっとその背をみる。
■獅南蒼二 > それを確認したのかどうか、視線を向けることも無く、再び手のひらを向ける。
今度は4つすべての指輪から魔力を解放し…この校舎ごと吹き飛ばすほどの魔力を先ほどと同様に収束させていく。
魔力親和性の低い生徒にも、今度はその目に映るはずだ。膨大過ぎる魔力が可視光を放ち、まるで計算式のような術式を空間じゅうに展開させていく。
数秒の後、標的を中心とした直径10mは,瞬間的に発生した膨大なる熱量によって瞬時に消滅する。
地面は半球状に抉れ、地面を構成していた物質は蒸発して霧散する。
超高温となった物質は爆発的に拡散して演習場の空気を押し出し、空間に存在する全てを焼き尽くす。
…演習場の緊急排熱が始まり,それが収まるまでの間,獅南とエリンの居る一角のみ、防御障壁によって守られていた。
■エリン > 十二分すぎる火力。
人を焼くのに余りある火力。
もし、エリンが獅南の背へ移動せずニラミンの肉壁で防ごうとしていたら、肉壁の意味もなく焼け死んでいただろう。
魔力の残滓が、まるで灰のように浮かんでいるのが見える。
魔力の残滓が漂う空間に佇む彼の背を、じーっとみる。
■獅南蒼二 > 緊急排熱が終われば、そこに残されるのは半円状に空いた穴と、その中心に倒れている、魔力を吸収してぼんやりと発光する標的。
あれだけの火力をもってしても、魔鉱石を破壊することは叶わない。
「……予想通りだが、少々残念でもあるな。」
小さくため息を吐いてから、僅かに残留した魔力を操作し、標的を空中へと持ち上げる。
そして、10mくらいの高さから、何の工夫も無く落下させた。
それを背にしてくるりとエリンへ向き直り…
「…あまり面白い見世物ではなかったかな?」
…その背後では、あれほどの火力にも無傷だった標的が、落下の衝撃で粉々に砕け、輝く魔鉱石の破片が飛び散った。
■エリン > 「ううん、面白かったわ。
何をしてるかは分からなかったけど」
普段のエリンとは違い、かなりフレンドリー……いや、砕けた話し方で接している。
顔は相変わらず眠そうな顔だが、しかし言葉ははっきりと、獅南へ向けて喋っている。
「あの石を壊したかったの?」
そういって、砕けた鉱石の破片をみる。
■獅南蒼二 > 「壊したかった、というよりは…
…そうだな、世界一強いチョキで弱いグーに勝てるかどうか試しただけだ。」
今この瞬間は授業時間では無いし、眼前の少女はどう見ても理解力に優れているようには思えなかったのだろう。
そんな風に、冗談とも本気ともとれる苦笑とともに嘯いて、嗤った。