2016/06/14 のログ
蕎麦屋 > 「はい、蕎麦湯と、かけ蕎麦の方もお待ち――」

ことり、と急須と湯呑み。そして湯気の立つかけ蕎麦が二杯。それぞれの前に。
代わりに空いた器はそろりと下げる。

「お客さんもいい食べっぷりで、いやはや、冥利に尽きますが。
 ええ、離職後の道楽といった所で。これがなかなかやってて楽しい。」

見た目は若いです。
が、そんな老後の爺みたいな会話にもすんなりと乗っかって。

「買ってくださってるなら、いつでもお越しくださいな。お待ちしておりますよ?
 ええ、まったく物騒な世の中で――どちらも巻き込まれただけ、みたいなものなのですけれどねぇ。ホント。
 いえね、知り合いの病人に蕎麦振る舞いにいったら追い出されまして。」

流石に病室で蕎麦茹でるのは駄目でしたかねぇ。と。ぼそり。
否定しなさい。

真乃 真 > 「いいね!期待しておくよ!かきあげ!」

といっても落第街に足を運ぶことなんか殆んどない…。
無理してでも行ってみるべきだろうか?

「凄い飛んだね魂って…。普通に腹を空かした落第街の人たちに安く蕎麦を振る舞ってるんじゃないの?
 …凄まじい噂だね。病院で暴れるのは良くないな追い出されそうになったとしても…他の人もいるしね。」

安価で蕎麦を提供することにはもう何の疑問も持っていない。
きっとそれが彼女の自己満足なのだろう。分かる。

”マネキン” > 彼女は普段は落第街で店を開いている、だったな?
不審かつ不便だから商店街かせめて歓楽街に店を出すよう誘ってみたのだが、つれないんだ。

【蕎麦屋のほうに視線を向けて確認をとる。
大げさに肩をすくめて、急須から中身を湯飲みに注いだ。濃い目に整える。】

私が聞いたのは噂話だったんだがな。
…こちらから説明するまでもなく、本人が自供しているようだ。

……ヘルヴォル。
そう誰かに呼ばれていなかったか?

(伊都波凛霞はルーンかく乱壁を破壊する時にそう叫んでいた。該当する人物は彼女しかいない。)

【熱さに気にせず蕎麦湯を飲む。】

蕎麦屋 > 「期待しておいてくださって結構ですよ?
 ああ、落第街といっても普段は歓楽街に近い所ですので――まだ比較的、ですかねぇ……」

正直立地的によろしくないのは分ってはいるのだけども。
やはりあの辺りが一番なじむ、気がするのだ。

「300円とかだと蕎麦食べてくれないんですもの、あそこの人たち。100円でも時々渋られますからねぇ……
 いえいえ、まぁ病室に言ったのは事実でございますし、話は随分物騒になってるようですけれど。……へる、ぼーる?」

実際お金ないから、で最近も断られましたから、と。
事実を否定したところで栓無し。――はて、誰の事でしょう。首を傾げつつ。
下げた器は水を張った桶の中へとまとめて、どぼん。

リビドー > 「なるほど。それならば落第街に通うか。
 最近足を運んでも見つからなかったのは、運かな。」 
 
 暇そうに屋台を見渡す。部分部分、僅かに視線をとどめたかもしれない。
 そうしている間に届いた蕎麦を、待ちわびたように啜って見せる。

「まるで南の果ての炎で沸騰させた源水で沸き立たせた鍋を使って茹でたようなアクのなさ。
 素朴だからこそ原初が映える――このつゆを創るにも相当な智識が要るだろう。
 このつゆを飲み麺を食す代償が100円とは、本当安い。」

 とても胡乱に、雑なのか凝っているのか分からない評をしてみせる。
 表情や言葉の調子からは、少なくとも気に入った事が分かるかもしれない。

「ふむ。聞いた話……って言うか自供したのか。
 その割にはきょとんとしているが……聞いて良い話かな。蕎麦屋さん。」
 

真乃 真 > 「…探すか。でも、落第街は詳しくないからな…。」

多少、無理してでも探すことにしよう。
歓楽街に近い寄りならまだ…危ないのだけども。

「三杯目でもまだいけるね。」

これでも300円というのは実際安い。
一味はまだいれない。半分食べてから入れる。

「なんか暴れそうなイメージないしね。」

大きいけど。そんな目の前の女性が点滴の棒を振り回して大暴れはイメージ浮かべにくい。
蕎麦屋の格好のままで病院に行くのは簡単にイメージできた。

”マネキン” > だから立地が悪いと言っているだろう。
渋られるということは味も分からないやからに食べさせているということだ。

【価格への言い訳に眉をひそめた。
湯飲みをかき回していた箸を止め、それで蕎麦屋を指し示す。】

慈善事業だというならそちらの許可を取って無料の炊き出しとして振舞いたまえよ。
風紀に伝がある身としては苦言の一つも呈させてもらいたいというところだ。

(真っ当な伝があるわけじゃないが。)

話せるというのなら、私も興味がある。

蕎麦屋 > 「この所は若い子のごたごたに巻き込まれて暫く出せてませんでしたからねぇ。運というよりタイミングかと。
 いやはや、探してまで頂いてたのに店も出せてないとか、申し訳ない事です。」

屋台も魔術の素養をもって視れば、これだけ物騒な品をよく屋台などに偽装したな、という所。
草葉の陰で持ち主が泣いている、かもしれない。

「あら、中々詩的な言い回しをご存じで。
 知識の方は、ほれ込んだ蕎麦屋に弟子入りしましてね?暫くそちらで修業した成果でございます。」

言い回しにくす、と小さく笑う。あら、バレちゃいましたか。みたいな感じで。

「別に聞いても聞かなくても大した話でもございませんけれど。一からお話しします?
 大した話でもありませんし。あ、でも暴れてませんよ?蕎麦振る舞って暴れる病人止めただけですからね?
 どんなすごい話になってるんですか、むしろ。ちょっと気になるじゃないですか。」

病院に関しては本当に止めただけなのである。
それをなにやら世紀の大犯罪みたいなノリになってくると気になったって仕方がない。
あ、次のお代わりはどうします?と蕎麦湯を飲んでないお二人にはついでに確認。

リビドー >  
「いや、そこのキミ。これでも案外大暴れをするかもしれないぞ。
 何て言ったって身体が大きい。それは暴れられる証だからな。
 って言うか教師である建前上言っておくが落第街には入るなよ。
 入るなら歓楽区の東区にしておくといい。
 
 ……ま、その意味では此処もおススメはし辛いんだが。
 ほとんど安全ではあるが、北上すると少々不味い。」

 "ボクが言えた話でもないか"。一つ付け加えて締め括り、
 それ以上の言及は控えてみせている。

「しかしフードのキミ、風紀に伝手があるのか。
 聞いていればこの蕎麦の乙女にお熱にも見える。
 惚れているのかとでも思ったが、そうではなくて秩序と正義に燃える生徒なのかな?」

 何処か少年のように笑いながらそう尋ね、蕎麦を食べ切った。

「ああ。詩は好きでね。特に神話に連なるようなものは専門分野上雑把には把握している。
 ……どういう状況か分からんが、常識が無い訳ではないだろう。
 やむを得ない理由があったとしても、不法侵入者ならそうなるわなと言わざるを得ん。

 だからそうだな、そうまでして大立ち回りをしたとなると、誰の見まいに行っていたんだい?
 "キミのようなもの"が"そうするとき"は何かの為だろう。無限に戦う乱暴者ではない筈だ。そう踏んだが、どうかな。」
 

真乃 真 > 「いやぁ、落第街での炊き出しはまず申請通らないよ。
 上から横から向こうから、色々邪魔が入るからね!するなら無許可でするしかないね!」

そんな事を言う。以前にやろうとした人がいたのかもしれない。あるいはやろうとしたのかもしれない。
それにしてもフードのこの人は、よほどこの蕎麦をいろんな人に食べてもらいたいと見える。
恋愛感情かどうかとかは知らない。

「まあ、この蕎麦なら病人も止まるかな?止まるだろうね。
 ここの蕎麦はうまいからなー。」

きっと食べた病人も正気に戻るだろう。

「…入らないですよ…あんまり。」

あんまりは小さく言った特に後ろめたいことをしてるわけではないのだけども
というかこの人教師なんだ…。普通に生徒かと思っていた。

蕎麦屋 > 「あ、落第街に関しては――私からもお止めしておきましょうか。
 私が店を出すのは夜も更けてからでございますし、独り歩きするには少々物騒でございますしね。」

客の――おや、見かけによらず教師ですか――の言動にはのっておく。
前途ある子の、その先が些細なことで失われるのは本望ではない。
どうやら忠告空しく入り込んではいる様子だけれど。

「あ、病院で暴れたと思ってますね?本当に暴れてませんよ?いえ、本当に。
 まぁ――昔なじみの見込んだ子なら、少々肩入れしても許されるでしょう。その程度の事です。
 蕎麦食わせて終わる話でしたら落第街くらいなら蕎麦で埋めてみせますけれども。」

暴れてないのは本当ですってば。
どうやらこの三人の中では暴れたことになってるらしい。空しい弁解である。
そのあとに続く言葉には――昔を懐かしむ響きがあるだろうか。そして蕎麦で埋めると言ったら本当に埋めそうな気配もある。

”マネキン” > 【湯飲みの中身を飲み干す。
汁のない湯飲みのなかに蕎麦湯を急須から継ぎ足した。】

常連と彼が表現したように、縁があることは確かだ。
正義の在り様を語る口は持ち合わせていないが、秩序と言うものは大事だと考えているよ。

【首を振る。フードの奥から覗く口元は作り物のように見えた。
湯飲みの中の蕎麦湯を飲み干す。その蕎麦に追加で百円硬貨を置く。】

では、この先で 同僚が 待っている。
そろそろ立ち去るが、蕎麦湯の代金はここにおいておくよ。

【蕎麦屋の隣をすれ違い、山の方角へ向かう。
すれ違いざまに彼女の衣服を一瞬だけ掴もうと手を伸ばす。耳元に顔を寄せた。】

ひとつだけ最後に問いかけを投げつけさせてもらう。貴様はどういう理由をもって
    ニンゲン      ニンゲン
守るべき高峰司と、殺すべき我々を選別しているんだ。

神の気まぐれか。超常なる断罪者の正義か。それとも彼女に恩義でもあるのか。
正当な理由あって敵対しているというのなら、蕎麦を注文した最初に反応するべきだった。

理由が答えられないというのなら、大人しく全て忘れて真っ当な蕎麦屋になるべきだ。
それが神話の時代の再来、戦乙女の選別だというのなら、相応の報告と対応をさせてもらうことになる。

次に会うときまでに、答えを考えておいてくれ。

蕎麦屋 > 「はい、毎度。今後ともご贔屓に――」

代金を受け取れば、微笑んで――
服を掴むというのなら、それに関しては反応しない。

「あら、ご忠告どうも、ありがとうございます。」

囁かれれば、笑って答え、あくまでも最後まで店主と客として。
山の方、ということはやはりまだまだ遊ぶ気でしょうか、と嘆息しつつ見送る。

答えなど、大体今の会話の中の話で完結するのだが――
まぁ、それは次の機会に答えるとしよう。

ご案内:「青垣山」から”マネキン”さんが去りました。
リビドー >  
「……落第街だろうがそこでトラブって生きていればキミの権利は生きているんだからな。
 迷惑が掛かる事を承知の上で、用心して立ち回る事をお勧めしたい。」

 瞑目し蕎麦を完食。
 三杯目を要求しつつ視線を移す。

「そうか。それならば良い。好い。フードの君。
 ……帰るのか、また会おう。」

 立ち去るフードの彼を見送る。
 ……咎めるような眼つき蕎麦屋を睨んだ。

「さて、と。
 だからその昔なじみの見込んだ子を聞いておきたい。蕎麦屋さん。
 ……"君のようなもの"が"力を貸した責任"は、"ソイツに降りかかる"。
 道楽としても良い。隠者でも好い。道化でも悪くない。だが、力あるものの責務を違えるな。」

 強めの口調で行動を批判し、叱責する様に言ってみせる。

「……責務を覆いかぶさろうとした故の悪目立ちなら、誰かに頼んで責任を果たせる身分を創る事をお勧めしたい。
 教師としてはキミが責任を持てないなら保護者を怒りに行かねばならんから、聞かねばならん。
 ……とは言え今の所管轄外だからな。あまり怒りに行くつもりはないし蕎麦が食べたいから手伝う事は手伝う。
 この蕎麦がなくなるようなことは、とても哀しいからな。」

真乃 真 > 「なるほど、こんな時に落第街だと困るね…。」

教師がいる前で落第街の蕎麦屋に行く話なんてできない。
いくらおいしかったとしても!
さっきの人じゃないけど…店、違うとこに出さないかな。

「えーと、暴れる患者を止めるために病室を蕎麦で埋めるって凄いね…。」

話が混ざった。
なるほど、その異能があれば蕎麦を100円で提供できる。

「秩序かー。確かに100円でこんな蕎麦売られたらバランス崩れるよね…。」

屋台の今後を憂う人だったのかもしれない。
そんな事を思いながら怪しい感じの人を見送る。

こんなところでも教師は大変だなーとか思いながら
蕎麦をすする。四杯目は流石にもういいかもしれない。

蕎麦屋 > 「はい、少々お待ちを――」

見送った笑顔のまま、三杯目の蕎麦に取り掛かる。
再び立ち上る出汁の香り――

「はて、生憎とその名前を私から出すのは憚られますね?
 一応はこれでも――まぁ、保護者していただいてますので。申し訳ありませんけれど、探していただけますか。」

いや、正直喋りすぎでこのままだとどれだけアレを打ち込まれるか。と肩を竦めつつ、三杯目を差し出した。

「まぁ、そうですねぇ……迷惑になるのもまた、困りますし。
 ――教師さんでしたら少々お願い事、してもかまいません?」

あ、お代は暫くの蕎麦代で。一杯100円にどれほどの価値を見出していただけるかは知りませんけれど。

「病室を蕎麦で埋める…そういうのもいいですねぇ。ちゃんと食べてもらいたいところですが。
 ただ、若い子に食べてもらえるというなら、偶には他の場所にも店を構えましょうか。」

このままだと本当に深夜の落第街に食べに来そうな様子すらあるし。
いい加減他の場所もまわりたいところでもある、ちょうどいいころ合いかもしれない。

リビドー >  
「ああ。そうだな。"未開拓区域"か"落第街"でなければ100円でそばを売る事はそう出来んよ。
 経済には言う程明るくないが、多分そんな所だ。彼女はきっとそれ位思慮深い。……名前を聞いてもいいかい。」

 名が分からないのも不便と、真に向けて名前を尋ねた。
 そのような会話を挟めば、彼の気も少しだけ緩んだ。

「……分かった。分かったが。
 頼む、言ってくれないか。ここで断られると、学園に喧嘩を売っていると受け取らざるを得ない。
 保護者を指名手配犯にする気か。でも、それは難しいのだろうな。キミのようなものは口が堅いし、こんな事で戦争を起こしたくない。
 教師である権力に訴えたくなどない――まぁそんなものはないが。」

 困り顔で首を横に振る。大分困っている様にも見える。
 蕎麦を少しだけ食べて、おどけた様子の無い目つきで蕎麦屋を見据える。

「理由も保護者もこれ以上聞かん。
 だから、事が激しくなる前に場を収めておいておくれ。
 今聞いたばかりだから詳細は分からんが、聞いた話からして大事に聞こえる。
 もう収まっているなら良いが――責を果たせぬなら無法を働くな。いや、働かないでおくれ。」

 小さく、頭を下げた。
 思う所をあざむように、怒りと哀しみを伏せるように、顔を見せぬようにした。
 お願い事に応える前に、そう告げたか。
 
 

真乃 真 > 「本当かい!?いやあ、他のところなら先生に怒られる心配なく食べられるからね!
 流石に真夜中の落第街には近づきたくないからね!」

流石に一人で深夜の落第街を行く自信はない。
怖い。はっきり言う怖い。

「僕の名前は真乃真!青垣山に山籠もりに来て一日目の夜に諦めて帰るところです!」

そうでもなければこんな辺鄙なところに来ない。
いや、そんな理由でもこんな所来ない。

「指名手配?戦争?」

大分物騒な言葉が聞こえる。
この二人はなんの話をしているのだろう。

…やはりただの蕎麦屋ではないのだろうか。
しかし、特に気にせず蕎麦を啜る。うまい。

蕎麦屋 > 「まぁ、そうなのですよねぇ…ほかの場所だと値上げは必須でしょう。
 あんまり価格は上げたくないのですけど。こればかりは世間に合わせるのは大事な話です。
 ええ、とりあえずは異邦人街か歓楽街辺りにいたしましょう。」

実際他の場所はねぇ。出しても逆に売れませんし。怪しいでしょう、100円蕎麦。
そのくらいにここの島民は『秩序』がある。そのくらいは暫くいれば、気付きもする。
とりあえずは――中心部は行ったが、あの辺りはやりにくい。となるとその辺りしかなくなる。

「さて、困りました。指名手配犯と来ましたか。
 病院がそれだけ大ごとですと、遅かれ早かれかかるのでしょうねぇ。
 ――ちょっと悪ふざけも過ぎましたか。いきなり結界張って捕縛する、とまで言われれば逃亡もしますけれど。」

肩を竦める。

「場を収める、のも少し厳しいかと。
 人一人が、消滅するかしないか程度の話でございますゆえ、大事ではないのでしょう。
 ですが、非常に残念なことに趣味なもので。老後というのは、若い子を応援したくなるものですよ?」

まぁ、その結果他の趣味は諦める結果となるなら致し方ない。
おどけた様子のない瞳には、笑ってみせるが――さて、目は笑っているだろうか。

「あ、でも打てる手は打ちましょう。大事ですが大事ではないですし。
 こっそりやれるならそのほうが断然よろしいわけですしね。」

リビドー > 「……何というか、嫌いじゃないが無茶をするな。
 だが無理と1日で諦めて帰る辺りは紙一重で賢明と言うか……
 ま、知り合いに協力を仰いでリトライするのもいいかもしれないよ。」
 
 呆れ混じりに評した後、名前を反芻してから好感めいた頷きを示す。
 名前を気に入ったのか、口元を少し緩めた。

「真乃真か。音から読むに、綺麗でいい名前じゃないか。と、ボクは教師のリビドーだ。
 哲学とか魔術、後はその辺に付随する心理学や思想学、幾何学が中心か。
 ややっこしい授業だが、出るだけでも労だろうから単位は甘い。ま、覚えておいておくれ。
 ……ああ後、ご飯の悪く様な話をしてしまってすまないな。今度食事も奢ろうか。
 色々あるかもしれないが、このお姉さんも悪い人ではないと覚えておいておくれ。」

 言い切ってから改めて食べ終えて、視線を戻す。

「まぁ、そうなるわな。って言うか"人ひとりも"ってそんなに大ごとなのかいコレ。
 差し迫っている事情があるのも分かったが……困ったな。そこまで云われちゃ悩ましい。
 キミのようなものが暴れるのはボクとして困る。責を取るカヴァーが無いとなると尚更だ。
 
 ……よし、分かった。ではこうしよう。"まずはキミが言おうとしたお願い事を聞く。"
 だがまだ信用しろとは言わん。そこは好きに測れ。で、キミがボクを認めたなら一枚噛ませろ。
 キミが折れぬなら、ボクが折れてコントロールするほかあるまい。……どうだ。」

真乃 真 > 「どっちかなら近いから異邦人街の方がいいな。あっ値段は我慢します!」

一杯250円プラスかき揚げ100円。
合わせて350円。うん。悪くない。

「大事じゃないか!人一人が消滅するだって!?」

やばいな。蕎麦やばい。

「もう少し何とかなると思ったんですけど。
 準備が足りませんでした。」

特訓といえば山籠もり!そんな思考でやってきて
持って来ていたのはおにぎり二つ。あとおやつ。
色々どころか頭が足りてない。

「良いですよね!僕も好きですよ自分の名前!
 えっと、リビドー先生。なんか頭が良さそうな授業ですね。」
 
自分の名前を思いっきり自画自賛した。褒め方が潔い。
聞いたことも無い授業である。でも単位がやすいのなら覚えておいてもいいかもしれない。

「あ、それは分かります。この蕎麦がおいしいので。」

こんなにおいしい蕎麦を作るのだからきっと悪人ではないのだろう。
間違えない。それはともかく今度何を奢ってもらおうか。

蕎麦屋 > 「ああ、申し遅れましたが蕎麦屋でございます。
 名前はございますが、意味あっての名乗りですのでご容赦下さいな。」

客二人が名乗っているのを見れば、ああ、忘れていた、というように。
蕎麦屋をやるのは趣味だ。だが、名乗るのは趣味以外の意味もある。

「悪い悪くないで言えば悪いのではないでしょうかね。
 私の知りえる範囲の話ではございませんが――さて。
 当人にとっては生きるか消えるかの一大事、しかも後ろ盾の一つもないと来た。
 となれば――私のような蕎麦屋でも、無茶でも通さねばならない所も出てまいりますよ――」

もう一度ため息。若い子二人で何とかするには重すぎるお話でしょう。

「ああ、いえ。その言動でとりあえずは信用してよろしいでしょう。
 お願い事と言っても、えー――名前はなんと言ったか。くるる?くくる?るるく?病院の先生に謝罪に行くのにも連絡つけれなくて。。
 ――ああ、出来れば、で構いませんが。一時的でいいのでインフラ使える方法ありません?」

あっさりと信用するかは決めてしまうあたり、警戒心は薄いのかどうか。
お願い、と言っても、とりあえずはその程度。突っ込んだ話は――
ちらりと横に居る若人を見た。あまり気持ちのいい話でもない。

「あ、おごってもらうならとびっきり高いモノお願いしてしまうといいでしょうね?」

でも割と容赦ねぇ。

リビドー >  
「準備は大事だ。試験だってそうだろう。
 ――頭が良い授業に見えるが、実際は頭の悪い授業かもしれないよ。
 何せ哲学だからな。」

 ふっ、と、笑ってみせて応える。

「少なくとも建前上、教師が人ひとりを軽いなどとは言えんよ。
 ……キミが肩入れするのと同じ理由で重いとも言う。
 で、えーと。くくーる……くーる……くるる……?
 ……ああ、さいこから何か聞いた気がするな。旦那まわりの知り合いとかなんとか。」

 溜息をついて、挙げられた名を思い浮かべる。
 時間を掛けて思い至り、次ぐ言葉には眉を顰めた。

「インフラは……厳しいな。清濁を使えば出来なくもないが……
 出来なくもないが、それはキミに立場を与える事になる。
 キミを引き上げるか与えるかすれば早い。とは、いえ。
 ……真っ当に和解しなければ、それを渡す事は保護者が高いリスクを買う事になる。
 後は検体としてこっちに来てくれるかだな。常世財団英雄開発課にツテがある。
 そこの検体として仮身分を与える事も出来なくはないが、ベストとしては和解が先だな。」

「高すぎるものでも構わんが、しばらくの間メシが不味くなるぞ。」
 

真乃 真 > 「蕎麦屋さんだねよろしく!」

さっきのフードの人が言ってたへるぼる?へぶるる?へるるる?が本名何だろうか?
名前を知られたら良くないのだろう。実は有名人とか。

「そんな人がいるんだ…助けれそうなことがあれば何でも言ってよ大したことは出来ないけども…。」

生きるか消えるかだなんてとんでもない。

「なるほど。格闘家とかが胴着一つで山を登ってるイメージがあったからいけるかと…。
 …なるほど。」

彼らは食べ物をどう手に入れているのだろう?
あと、襲い掛かる蚊の群れとどう戦ったのだろう?疑問は尽きない。
どっちなんだろう?やっぱり難しそうである。

「いや、僕は普通にハンバーグとかがいいです!あまり高級じゃないところで!」

しばらく飯がマズくなるってどんなレベルなのだろう。
食べてみたいがそんな高い雰囲気のところは苦手である。気軽に食べたい。

蕎麦屋 > 「ああ、とりあえず連絡つけばよろしいですよ。
 これに関しては個人の問題、どうにかあとは致します。」

ハジいて済めば楽な話だが。
そんなことをすればそれこそ目の前の人間含めて敵に回るだろう。
相手が話し合いの場を持ってくれれば幸いだが、さて。

「身分に関しては用意されるとそれはそれで問題なのですよ。
 ですので、その話はとりあえずお断りさせていただきましょう。ああ、もうあそこで素直に捕まっておくべきでしたか?
 ですが端から所有物だ危害加えるだ常識外れだ――ああ、もう。」

ぎりぎり、ぽき。箸が折れた。
とりあえず、気は取りなおそう。

「まぁ、助けが必要な人はたくさんいます、それぞれがそれぞれを助けられるのが一番ベストなんですけれど。
 蕎麦ではやはり人は救えませんからね、動くのが大事です。」

リビドー >  
「ふむ。ハンバーグ……あそこにするか。
 ――600gはいけるか? もう一人ぐらいなら誘っても良いが。
 先生と食べるのも窮屈だろう。」

 思い至ればそう聞いて、真に尋ねる。
 恐らく、味そこそこ且つ量の多い店を紹介される。
 
「気持ちは分かるが、ここは常世でも人の世だ。
 ……神は敬われ、持てなされてこそ人に加護を当てる。
  キミのプライドは尊重されてしかるべき。だが、人はキミのようなものを怖がる。

  Ragnarøk
 "神々の黄昏"に巻き込まれた人の恐れを、少しは汲み取ってはくれないか。事情は分からないが……
 キミが安全である所有物でなければ、常識が無ければ、正体不明の立場ならば、
 危害を加えないと断言しないのならば――人の世は怖がる。
 "キミのようなもののほんのちょっと"は、人々にとって災害にも等しい。
 人々がキミの正体に気付いているか、いないか、分からないが。」

 箸を折る蕎麦屋には、やはり困ったような顔を浮かべている。
 プライドの高さをどうなだめるべきかと、どう接するべきかと図っている。

「承知した。とりあえず。連絡を付けよう。
 ……仕方ないから、ボクのスマートフォンを持っておけ。
 知ってる名前かボクの名前――リビドー以外には出来得る限りでないでおくれ。
 何もなければそろそろ行くが、良いかな?」

 ポケットからスマートフォンを取り出し、300円と共に屋台に置く。

真乃 真 > 「600!いけますとも!
 もう一人ぐらい…思いつきませんね…。」

誘う相手を思いつかない…。
駄目だ…本当に思いつかない。

怖い、何があったか知らないけれど怖い。
自分が怒られてるのではないけども目の前で箸折られるのは凄い怖い。
神とかどうとか置いといてデカいから怖い。

「というか、神なんですか蕎麦屋さん?」

神、生の神とか初めて見た。

蕎麦屋 > 「――そういうものですか。」

ふむ、と頷けば、それ以上は。
折った箸を手の内でくるりと回せば元通り、まるで手品である。

「済みませんがよろしくお願いしますね?
 ――ああ、これはありがたく……嗚呼、蕎麦の出前でしたら呼んでくださいな。
 はい、またご贔屓に……真君も、先生と一緒に帰えられた方がよくないですか?」

人の携帯を借りて、知らぬ人の名前に出るほど、常識知らずでもない。
お代はきちんといただいて。一緒に受け取ったスマ―トフォンには感謝の意を示す。
そのついでに――立場的には学生なのだろう、真君にも声を掛ける。

「――そこは内緒です。秘密の方が面白いでしょう?」

純粋な問いかけには、くすりと微笑んではぐらかす。

リビドー >  
「……ふむ。真君。キミさえよければ住居まで見送ろう。
 どうするかい?」

 去ろうとすれば足を止め、そう尋ねてみせた。

真乃 真 > 「そうだね!うん。そうします!
 って出前出来るんだ!」

この暗い中町まで帰るのは少し怖い。
迷いそうで。

300円を机に置くと

「ごちそうさまでした!」

そう告げて教師の背中に付いていく。
結局どっちなんだろうとか考えながら。

ご案内:「青垣山」から真乃 真さんが去りました。
ご案内:「青垣山」からリビドーさんが去りました。
蕎麦屋 > 「はい、お気をつけて。
 今後ともご贔屓に……」

御代金は確かに頂き。去っていく二人の背中を見えなくなるまで見守って――

蕎麦屋 > 「――世の中、生き難くなったものですねぇ。」

人とそう変わらぬというのに。
担ぎ屋台をぱん、と片付ければ、預かったスマートフォンを片手に――

ご案内:「青垣山」から蕎麦屋さんが去りました。
ご案内:「青垣山」に陽実 凛さんが現れました。
陽実 凛 > 山を登る人影一つ。
黒い革手袋を嵌めて、手書きの地図の様な物を見ていました。

「地図が正しければ、この山の筈。」

山が多いお陰で、いまいち自信が持てません。
それでも尚、無表情で山道を歩き登り続けていました。

陽実 凛 > 山道を登り続けて中腹ごろに森の中に獣道。
地図をもういっぺん見直します。

「ここを行けと書いてある。」

獣道違いなのかも知れないのですが、獣道へと入ります。
草とかジーパンの中に入ってしまわないか歩き方が面倒です。

もう少し歩くと、草が丸く狩られた所に小屋がありました。
後ろを振り返って何かがいるか確認します。

陽実 凛 > 今は何もいないようでした。

改めて小屋を見ると、入り口近くに切れ目のある切り株がありますが、切れ目が鋭すぎるように見えます。
その切り株を見て。

「擬装用で何を使ったの。」

呟いて小屋に近づいて、木の扉をノックします。

「私。成功作の方。」

陽実 凛 > 返事が物理的には聞こえないまま、扉を開けます。中は木で出来た三人も入れば十分な位の広さ。

木のテーブルがあり、更に奥を見ると頭をすっぽりと覆うローブの上に華やかなピンクのエプロンをつけて料理をしているらしき怪しすぎる物体がいました。

「何をしているのかは解りますけどそのエプロンに意味はありますか?」

怪しすぎる物体に淡々と突っ込みを飛ばしつつ中に入りました。

陽実 凛 > 前回同様、ローブもとい怪しすぎる物体から帰ってくる返事がテレパスです。
誰かがもし聞き耳を立てていても独りで喋ってるようにしか聞こえないでしょう。

「こっちに拠点を移したのは半分正解だと思います。
後何ですかSANカレーってジュースでいいです。」

怪しげな名前のカレーの拒否を入れてから、椅子に座り。

「それで、先に報告すると。
枯れてた筈の感情が戻ってきてる兆しがあった。
うん、そう。前に報告した中の一人で間違いない。
問題はその人に他に友達が出来てた事。」

陽実 凛 > 話を聞いてくれながら、謎のお肉が入っているカレールーとパンのような代物、ぼこぼこと泡を立てるビーカーに入ったピンク色の飲み物?をお盆に載せて怪しすぎる物体がテーブルまで来ておいてくれました。
美味しそうな香辛料の匂いが森のそばまで漂っています。

「なんでSANカレーまであるですか。
もったいないから食べない事はないですが何で多いんですか。」

突っ込みを入れて、テーブルに突っ伏しました。

陽実 凛 > もはや突っ込んでいませんがピンク色の飲み物の容器がビーカーである事だっておかしいんです。
普通は。その感覚がないかのように、まずビーカーを手にとってピンク色の飲み物に口をつけています。
どろりとした喉越しに、しゅわーっとした泡。
味はちょっと形容しがたくて。

「最初見た時はなんだこれーって思ったものです。
慣れましたですけど。」

こういう話を懐かしそうな雰囲気でしていても、今の表情は無表情で。

「今の私の表情は変わってない、ですか。
さっきの他に出来ていた友達とは仲良くなれそうか、ですか?
さぁ。わからないです。
そもそも、感情が戻ってきつつある事が言われたとおり彼女と接したからか彼女と接する時だろうと言われても、だからといって友達になれるとは限りません。
それに、今まで友好的に接してくれる人がいましたけれど、それと感情の幅との因果関係はないみたいです。」

怪しげな物体のテレパスに、返事を返して。

「で。このSANカレー何で作ったのですか。」

手付かずのカレーが残っていました。

ご案内:「青垣山」に水月エニィさんが現れました。
水月エニィ >  大した理由はない。
 ただの気紛れと、昨日見てしまったものに整理を付けるために人気のない所を歩いていただけだ。
 地理を把握しておく必要もあるが、それは第三の理由だ。

 その途中、懐かしい道の奥に偶々妙な小屋を見掛けただけだ。

「……。」

  

陽実 凛 > それなりに気を抜いていて誰かが近づいている事に気が付いていない様子。

小屋からは一人分の話し声とカレーの匂いが漂っている。
小屋までの道の途中に虫の音がなかったような気がするがきっと偶然ではないでしょうか。

「え?食用に適している異界の生物を発見したからって。
まぁ、慣れておけって事なのですね。」

パンにカレールーだけつけて一口。

「お肉なしならカレーですね。
ではこの怪しい謎肉を」

そう言うとローブの上のエプロンもそのまま乗り出してる怪しいのがいました。

水月エニィ > (……近づいてみましょう。)

 昨日のようなものが他にもあったら。
 ――意識しないようにしているが、無意識的にそれが働けばどうにも引っかかる。
 足音を控えて近付いて、小屋の外観と周辺に何かないか目星を付けた後、
 そっと離れた位置から聞き耳を立ててみるでしょうか。
 

陽実 凛 > あむっ。
パンにカレーを謎肉ごと乗せて。
もぐもぐと口を動かしてみました。

「テケリ・リ。テケリ・リ。」

SANカレー+謎肉と来ればお約束のような反応でした。
テレパスで突っ込まれて。はいはい、と手を振って。

それからはしばらくもくもくと食べ続けます。

水月エニィ >  一人分の話し声以上にはない。
 蟲の音が聞こえない以上はない。
 外観に鋭角の切れ目がある切り株以上はない。
 妙なカレーの臭いがする以上のものはない。
 見落としはないと再確認した上で――

(……声にしても物凄く嫌な予感がするけれど。何かいるわね。)

 ――踵を返し、そっと離れようとするでしょう。
 途中、うっかり小石を蹴っ飛ばして音を立ててしまったりもしまいつつ。
 

陽実 凛 > 思ったより酷い味じゃなくて食べすすめていると。

物音?食べてる最中に聞こえた音に敏感に反応して。
ローブに奥、と指で指示。
移動を確認したら食事中になんぞや、と小屋の入り口を勢いよく開けて、周囲の確認に飛び出します。

「誰っ!」