2015/10/25 のログ
ご案内:「教室棟/特別講義会場」に浅田扁鵲さんが現れました。
浅田扁鵲 >  
【特別講義用の教室には、学園祭だというのに生徒が集まり始めている。
 基本的に講義が休講となる学園祭時期も、こういった特別講義は開かれるのだ】

『資料と本土土産だ。一つずつ持っていってくれ』

【いつも通り最前列の机に置かれているのは、今回使う資料。
 そして、その横には『林檎せんべい』の箱が置かれていた】
http://guest-land.sakura.ne.jp/cgi-bin/uploda/src/aca907.zip

ご案内:「教室棟/特別講義会場」にクローデットさんが現れました。
ご案内:「教室棟/特別講義会場」に観堂 貴緒さんが現れました。
ご案内:「教室棟/特別講義会場」から観堂 貴緒さんが去りました。
ご案内:「教室棟/特別講義会場」に観堂 貴緒さんが現れました。
クローデット > 授業開始前に、教室に姿を見せたクローデット。
最前列の机に置かれた資料と…その横にあるものを見て、首を傾げる。

(………「林檎せんべい」?)

首を傾げるが…取るのは卑しいかと考え、取らずに適当な席についた。

浅田扁鵲 >  
【学生が集まった教室。
 その扉の向こう、廊下から覚えのある声が聞こえてくる】

「……勘弁してくれ。
 祭りには昨日一日付き合っただろう。
 行くなら一人で行ってくれよ」

『やだあっ! 扁鵲と一緒に行きたいの!』

「だからこれから講義だって言ってるだろう。
 ほら、小遣いはやるから遊んで来い」

『わーい! 行ってきまーすっ』

【男の声と、まだ幼いだろう少女の声。
 少女の声が軽快な足音と共に去っていくと、少しして疲れた顔の男が現れた】

「……騒がしくしてすまなかった。
 そろそろ始めるから準備してくれ」

【そう言いながらいつものようにノートパソコンとプロジェクターを設定すると、教室を眺めた。
 なんとなく学園祭の空気のせいか、そわそわとした様子がある】

「あー、うん。
 学園祭で盛り上がってる所にすまなかったな。
 都合がどうも合わなかったのと、あまり間を空けるのも悩みどころでこんなタイミングになってしまった。
 まあお詫びと言ってはなんだが、本土の友人の病院に手伝いに行ってな、その土産を持ってきたから貰ってくれ。
 しっかし北国はやっぱりもう寒いんだな、風邪を引くところだったよ」

【そんな土産話をしつつ、プロジェクターが起動したのを確認すれば、頷いて意識を切り替えた】

「さて、ついに三回目、最後の講義になってしまうが、いよいよお待ちかねの『五行説』についてだ。
 五行と言えば、陰陽に並んで知っている者も多いだろう。
 五行もまた、それが独立した魔術体系として成立している東洋の思想だ。
 私もこの五行を用いた魔術を主に扱っている。
 ただ、この講義では申し訳ないが『五行魔術』については教えられない。
 それはなぜかと言うと、時間がないからだ。
 あああと、その分の講演料も貰ってないな。
 ……まあそこを学びたい者がいれば、個人的に連絡してくれ。
 学園としてでなく、あくまで個人的に教える事なら問題ないだろうから。
 というわけで、今回も実践応用でなく、基礎の基礎、五行の理論を教える事になる。
 五行は内容が少し多いから、進みが速いかもしれない。
 分からない事があったときは、積極的に質問してくれよ」

【そう挨拶を兼ねて前説明をすれば、ホワイトボードに向かう。
 そこに大きく『五行学説』と本日のタイトルをやけに達筆な字で記した】

観堂 貴緒 > そろそろと入室する、集まってる生徒をうらめしそうに睨む。見渡とクローデットを見て

(くそがっ…どうしてウチの教室と違うのか、催眠術って響きか?。しかもなんだ?あの美女は)

教師として最後列の後ろに立ち、タバコを吸いたそうに耳をむける

(人気の秘訣をあばいてやるぜ)

クローデット > 廊下から、講師の声と、聞き慣れない幼い少女の声が聞こえてくる。

(………娘………では、なさそうですわね)

幼い娘がいたとして、何でもアリの常世島、その学園祭に1人で送り出すとは考えにくい。そもそも呼び捨てだったし。

(…まあ、心当たりがないでもありませんが)

クローデットが思案を切り上げたのと、教室に講師が入ってきたのはほぼ同時だった。

公安委員会に所属しており、見回りの時間も多いクローデットにとっては、学園祭期間中の開催もさほど問題ではなかった。
…寧ろ、『退屈な』警邏よりは、知識の確認・収集が出来る講義の方が有意義だ。
わざわざ詫びる講師の様子に、くすりと優しげな笑みがこぼれる。

講義が始まれば、改めてノートを開き、筆記用具を手にした。

ご案内:「教室棟/特別講義会場」に光ヶ丘 睦美さんが現れました。
浅田扁鵲 >  
【教室側へ目をやれば、なぜか後ろのほうに学内で見た覚えのある教員。
 なぜか睨まれているような気がするが、見られていてもそう困るものでもなかった】

「よし、それじゃあ『五行学説』についての講義を始めよう。
 まず『五行説』と言うのは、広大な大陸の風土を理解するために生まれた考え方だ。
 大陸を流れる黄河を中心に据え、四方の地域の土の色や、気候、生産物を、五つの代表的物質に結び付けて考えると分かりやすい、としてな。
 そしてこの『五つの代表的物質』というのが、君らが気にしているだろう『五行』、木、火、土、金、水の五つの物質だ。
 大陸の古代人が、日常の生活と生産活動から不可欠の基本物質として認識したのがこの五つの物質。
 かつてはこれを『五行』ではなく『五材』、五種の材料と呼んでいたそうだ。
 『五行説』と言うのは、これを基礎として世界の一切の事象を当てはめ、五材間の関係を法則化したものだ。
 その法則の一つに、『似たものは似たように働く』と言う発想法がある。
 「五蔵の象は類を以て推すべし」という言葉があってな、『類を以て推す』事で『類』の中で共通した性質を求めることにしたんだ。
 その『類』を分ける基準に用いたのが『五材』であり、『五行説』だ」

【そこで、さて、と言葉を繋げ、教室を見渡す。
 少なからず西方の出身者がいる中では、引き合いに出しづらいと思い頭をかいた】

「……これと似た考え方に、四大説や、四大元素なんかがあるが、これらとこの『五材説』を一緒にするのは間違いだ。
 もちろん数の問題じゃなく、根本的な考え方の違いだ。
 『五材説』が元になった『五行説』だが、その考え方の根本には、以前教えた『気の思想』がある。
 「形ある者は無形に生ず」と言ってな、気の思想が基本になっている大陸では、この五つの物質を、その中で働いている五種の気が有形化したものだとして捉えたんだ。
 『五行』とは『五種の気』であり、つまり四大説や四大元素のように、『五行』を物質を構成する元素として捉えるのは間違いとなる。
 例えば、木と言うのは、木に代表される者の気であり、物質そのものを指す訳ではない。
 ……と、ここまでが前置きだ。
 さっきも言ったが、今回は少々内容が多いから駆け足になる。
 理解できない部分があれば、すぐに質問してくれよ?」

【そう確認を取れば、いつものように教室の中を見回して様子を伺う。
 手が挙がらなければ、話を続けることだろう】

ご案内:「教室棟/特別講義会場」に相楽 満さんが現れました。
クローデット > 『魔術とは「とある世界観」をもとに、世界を上書きする技術である』

と考えるクローデットにとっては、「四大元素」と「五行」の間に優劣はない。
どちらが扱いやすいか否か、それだけだ。
少なくともクローデットに対しては、「引き合いに出し辛い」という扁鵲の懸念は杞憂だと言えただろう。

(物質は気が有形化したもの、ですか…)

物資と精神を対立させる西洋哲学とは異なった考え方がクローデットにとっては興味深かった。
楽しそうな笑みを口元に浮かべ、さらさらとメモをとる。

光ヶ丘 睦美 > はうはう!と慌ただしく廊下を駆け抜ける少女は、ついさっき常世祭実行委員会から出てきたばかり。
前回の講義も引く手あまたな応援要請、またの名を食べ盛りの感謝に答えてばかりいたせいで欠席と相成ったため、
最終講義だけでもと馳せ参じたところ。

なるべく音を立てないようにドアを開けて、
最前列までそろそろと歩んで資料をひょいと掴み取り、
林檎せんべいに関しては食欲の有る他の誰かに譲ることにした。
ててて、と適当な席に座って、リュックサックからゴソゴソとペンケースとルーズリーフを慌ただしく取り出していく。

今日の講義は五行説。
気を扱うとはいえ、陰陽の区別さえつかない睦美に果たして理解できるかどうか。
扁鵲の言葉を途中からとはいえよく聞き、よく考え、自分の感覚に見合った解釈に落とし込んでいく。
「……く、空即式是?ってこと、なのかな?」
別の概論で学んだ知識が不意に口をついて出た。
無いけどなんか有るっぽい。そういう状況を指す言葉は、睦美の中にはそれっぽっちしか無い。

相楽 満 > 案の定最初から前列に居た少年だが。

(……最初っから難しいな!)

今まではかなりあいまいでよかったのに、今回で結構難し目の単語がたくさん出てきて戸惑った。
さていきなりから難しいぞ、と考え込む。

ノートに『五行は物じゃなくて空気の一部』とか書いた。
わかんなかったら後で聞こう、などと考えている。

観堂 貴緒 > 基本だなっとつぶやく。
しかしどうしてこう、生徒が女学生がくるのだ。
タバコを銜えだす。

(明るく楽しい催眠術講座。……いや、そもそも催眠術つかえねーし)

浅田扁鵲 >  
【いつもの顔ぶれに混じって、一回目に見た少女の顔もある。
 興味を失われてしまったわけじゃないと分かって、内心少しばかり安堵した】

「まあ小難しい言葉で説明したが、五行や五材なんていうがこれは全部、『気』だよ、ってくらいに考えてくれ。
 それじゃあいよいよ、五行について解説していこうか。
 五行は五つの気だと説明したが、その気にはそれぞれ特性がある。
 『類を以て推す』その類の分け方だな。
 手元の図と合わせて聞いてくれ」

【するとプロジェクターが『五行の特性』と題された図を映した。
 学生の手元には同じ図が資料として渡されている】

「まずは木から見ていこう。
 木の特性は『木は曲直を曰う、酸を作す』と言い、『曲直』とは樹木が成長する形態で、枝が曲がったり、直進したりして外に向かいながら上へと伸びていく様子を表している。
 条達も同様の意味を表す言葉だ。
 このことから、成長や昇発、のびのびした姿、なんていう作用や性質を持った事象を全て『木』に帰属させたわけだ」

【そう木を説明すると、赤いポインターを隣の火へと移動させる】

「次は火だ。
 火の特性は『火は炎上を曰う、苦を作す』と言い、『炎上』は文字通り、火が温熱、上昇の特性を備えていることを指している。
 これから、温熱や上昇の作用を持つ事象は全て『火』に帰属された。
 ちなみに、『木』と同様に上向きの作用を含んでいるが、広がりながら昇る……上昇し発散する昇発の作用と、まっすぐ上に立ち昇る上昇の作用とでは意味合いが異なる。
 混ざりそうになったら、木の成長する様子と、火が燃え上がる様子を思い浮かべると良いだろう」

【そしてまたポインターが次ぎに移り、土を示す】

「そして土だが、これの特性は『土は爰(エン)に稼穡す、甘を作す』と言って、『稼穡』とは土の持つ播種と収穫という農作物への作用を言う。
 図に書いた通り、生化、継承、受納などの作用を持つものは全て『土』に帰属する。
 『万物は土中に生じ、万物は土中に滅ぶ』『土は万物の母と為す』
 そう言われるのもこういった特性からだな」

【土について話すと、金へとポインターが移る】

「次は金の特性だが『金は従革と曰う、辛を作す』と言い、『従革』とは変革を表す言葉だ。
 このため、清潔、粛降、収斂などといったものは全て金に帰属する。
 選別、余分なものを削るといった意味合いも含まれているため、そういった性質のものも含まれるな」

【そして黒い円、水へとポインターが進んだ】

「最後に水の特性は『水は潤下と曰う、鹹(カン)を作す』と言い、『潤下』は水の持つ滋潤や向下性を指している。
 このため寒涼、滋潤、下へと事物を運ぶ作用などは全て『水』に帰属する事になる。
 『金』と同様に下向きの性質だが、水は物を運ぶという意味も持つ。
 やはり方向性は同じでも意味が違っているため、混同しないように。

 ……これが五行それぞれの特性だ。
 ここまではいいかな?」

【そしてまた一度言葉を区切り、学生らの様子を見る。
 やはり手が挙がらなければ次へと進むだろう】

相楽 満 > (木は成長、火は上昇、土は全部の元、金はまとめる、水は落ちる、と)

ものすごく端的に書き込んでいく。
結局簡単に考えていいと言われれば、切り替えは早かった。

木と火の上昇の違いについてはちょっと難しいが、木がそびえたつ様と火の立ち上る様をイメージして納得した。
うむうむと頷き。

(……あのトカゲがいない!)

地味にかわいかったあのトカゲを探し、きょろきょり見渡す。
居ない。落ち込んだ。
最近爬虫類が気になって仕方ない少年である。

光ヶ丘 睦美 > 「え、っと……」
ぐりぐりと色鉛筆を駆使しながら五行の図をルーズリーフいっぱいに書き、
扁鵲の解説を書き加えていく。
木は広がって上へ、火は立ち上り上へ、
土は生み出して帰す。
金は整理整頓しながら下へ、水は……

はし、っと睦美が手を挙げた。
「金が清潔ってことは……水は、あんまり綺麗じゃないんですか?」
ポインターも黒い。
滋潤(じじゅん)や向下性(こーかせー)という言葉から、
何となく自分のことかなと思っていた水気が淀み気味で。
……ますますそれっぽいなと思えて、ちょっとだけ笑ってしまった。

クローデット > (…「昇発」は発散を伴う上昇で…恐らく、広葉樹のイメージですわね。
熱が上昇するイメージの方が発散を伴うイメージが強いですが…五行ではこう考えるものなのだ、と理解しておけば良いでしょうか。

…それにしても、こうも漢字が多いと言葉の咀嚼に苦労致しますわね)

漢字圏の出身ではないクローデットには、特性を表すキーワードが若干理解し辛かったが…電子辞書の助けを借りて、何とかした。

観堂 貴緒 > 「あー……、こほんっ質問いいか。
つまり五行説による五材は特性であり、触媒や行使における事象は別物って事で良いのか?
折鶴を動かすのは一見、土や木っぽいが水の特性を使う的な」

タバコに火を着けようか迷いつつ、声をあげる。
風紀委員教師がいて生徒が萎縮しなきゃ良いがと思い
ニヘラと笑ってみる

ご案内:「教室棟/特別講義会場」に蒼穹さんが現れました。
蒼穹 > (ガッタン。臆面もなく。また、許容もなく慈悲もなく。
特別講義の会場とされる教室の扉を蹴り開ける。
既に授業が始まって大分と経過してしまっているらしい。
結構な賑わい方で、席もこれまた結構埋まっている。
取り敢えず、最前列に置かれた林檎煎餅、なる奇怪なお菓子と、それから講義の資料を取る。)

ほお。…これはこれは、気が利くねー。

(教師と思しき男性がそこに居るが、別段遅刻しましたとも言わずに颯爽と後ろの方の御席へたったか駆けていく。
立居振舞は完全に不良のソレだった。
五行説が云々。ホワイトボードにやったら良い字体で「五行学説」やら何やら書かれている。
しかしまぁ、分かっていた事だが途中参加ともなれば何を言っているかさっぱり分からない。)

………。

(質問があれば何でも言ってくれ、と言うのであれば。
例えば「今までの授業を三行で説明してくれますか?」という質問は果たして受け入れられるのだろうか。
林檎せんべいの袋を毟りながら後方座席へ割り込んで腰を下ろし、資料を確認。)

…今、どこやってるんだ…っ!

(どの資料見ればいいのだろうか。水、金、土と色々話していたのだから…結局どれなのだろうか。)

えーと…えーと。

(林檎せんべいを咥えれば、資料との格闘が始まった。)

浅田扁鵲 >  
「うん? いや、そんな事はないぞ」

【少女の手が挙がれば、少し首をかしげてから答える】

「水には綺麗なものも、濁ったものも、色が着いたものも、いろんなものがある。
 そのどれも同じように水だろう?
 それに、金の特性に清潔とあるが、これは金が特別綺麗であるという意味でもない。
 特性を考える上で大事なのは、その働きの方だ。
 水の働きは物を潤し、木を育て、物質を運搬する事。
 綺麗であっても汚くあっても、その働きには変わりない。
 世界に必要不可欠で尊いものだよ」

【そう少女に答えて、僅かに目じりを下げる笑みを向けた。
 そして次に手の挙がった教師のほうへ目を向ける】

「ああ、そうですね。
 触媒などに用いるものは、その特性、つまり『気』を多く持った者を用いるのが一般的でしょう。
 ただ事象、折鶴を動かすのがどういった特性、五行の内どれに含まれる事象かと言うと難しいですね。
 動く、運ぶという点だけを見れば水の特性に含めても良さそうですが、この場合『何で運ぶか』が重要になると思います」

【実際に事象を起す際の話になると、説明しきれない部分が出てきてしまう。
 事象を起すといった場合、単一の特性に寄る場合と言うのはむしろ少ないのだ。
 五行それぞれがそのバランスを変えつつ、物事を起すのが自然界における法則なのだから】

「……さて次に進む前に少しまとめるか。
 五行と言うのは、元素ではなく『気』であり、それぞれが特性を持っており、その特性に合わせて分類される。
 特性についてはこの後も頭の片隅に置く必要があるから、必要になれば手元の図を参照してくれ」

【質問に答えれば、途中から現れたなんとも堂々とした少女を眺めて、さして動揺するでもなくさらっとここまでの内容を纏めた】

観堂 貴緒 > 「……すまない、追加でもうひとつ。火だの水だのというから難しく聞こえるが、五行は……【モノ】の働き、動きを現してるよって事でいいのか?。
何で運ぶか…ああ、複合型なのか、5つバランスよく使う的に、ウチと似ているんだな」

そう言いながら、不良生徒のように入室してきた蒼穹に後ろから近づき、蒼穹のもつ講義資料をバシバシと指差して現在解説している所を教える。

光ヶ丘 睦美 > 後方からがったんと大きな音。
ドアかな?もしかするとドアが開いたのかな?と思いながら後方を確認すると、
資料をとりに最前列に向けて歩く水色の少女がみえたわけで。

あれなるはおそらくは私の命の恩人の風紀委員さんなんだけど、
そっかー、そうだったんだー…不良なんだー…と心のなかにメモしておく。
不良さんは感謝が薄いので注意が要るのです。


くるりと命の恩人を見捨てて先生の方に向き直ると、質問の回答をよくよく考えてみる。
「汚い水だけじゃないから、本当に大事なのは役割の方……」
確か、同居人から聞いた話だったんだけど。
みかんジュースやお茶が蛇口から出てくる学校も有るのだとか。
つまり!喉が潤せればその色とか味とかは些末事、ということなのだと思う。
「わかりました、えっと、多分。ありがとうございます」
あんまり綺麗じゃないほうのお水として、まだまだこれからも頑張れる余地はあるのだと思う。

浅田扁鵲 >  
【ありがとうと礼を述べる少女には一つ頷き。
 しかしその表情の変遷が少し気に掛かり、心の片隅に留めて置く。
 そして教師からの噛み砕いた解釈に素直な感心を表情に表す】

「ええ、特性についてはその考え方で問題ないでしょう。
 分かりやすい補足をありがとうございます」

【まだ講義になれないという事もあり、どうにも噛み砕いた表現が上手くいかない。
 やはり先達はその分のノウハウがあるのだと思わされた】

蒼穹 > ん?ああ、どうもどうも。

(これまた取り敢えずと言った具合、二人の教師のまとめやら解説やらの指摘を受ければ、
大凡今何を遣っているかくらいは分かった。後ろの観堂に言葉に合わせひらーっと手を振って。
資料をパラパラ捲る。そして特性について記述された資料を一番手前へと。)

…お、やっほー。来てたんだ。…ええと。

(何となく目が合ったポニテの可愛い少女。
そう言えばあの時名前聞いていなかったっけ。何だか失望された感があるが気にしない。
ついでにいえば何だか見捨てられた気さえしたが気にしない。…悲しい。
けれど、めげずに授業中でも構わず座ったまま手を振って話しかけてみた。
授業中に臆面もなくこんな事をやってのけるあたり、やっぱり不良だった。)

浅田扁鵲 >  
「さて、それじゃあ今度は、実際に特性に合わせて事物を分類してみよう。
 これと同じ表を参照してくれ」

【『五行色体表』と題された表をボードに映した】

「五行の特性に合わせて事象を分類していくと、こうなる。
 これは五行色体表と言って、名前どおり五行を分類した表だ。
 とはいえ、これが全部でなくその一部だけだ。
 この色体表は主に東洋医学に置いて用いる表でな、医療系の分類を並べられても困るだろう?
 興味があればまた後で調べてみてくれ。
 ……と、これで終わらせるのも申し訳ないから、五方についてくらいは説明しようか」

【そう言うと、赤いポインターが表の二段目、五方と書かれた段を示した】

「この五方と言うのは、見ての通り方角を五行に分類したものだ。
 これがどうしてこの形に分類されたのかと言うと、最初に言ったとおり五行がそもそも大陸の風土を理解するための物だったというのがある。
 まず木に分類された東だが、これは大陸の東部が樹木の繁茂している地域だからだ。

 そして火の南は、南が温暖な気候であり、熱帯だったことから分類される。

 土が中央なのは、黄河を中心に考えたのと、都が主に中央部にあったからとも言われている。
 帝が位を継承していくのは、土の特性に沿っているといえるだろう。

 金の西は、西は山が連なる環境だ。
 その分鉱物が出ることを考えれば、金に分類されるのも自然だな。

 水の北はもちろん、寒いからだ。
 この説得力は問答無用な感すら受ける……いや、もっとしっかりした説があるんだがこれが個人的に好きでな。

 ……このように、この分類は当時の大陸の環境や文化を見て分けられたものだ。
 とはいえ今とそう変わるものじゃない。
 特に人体の分類は変わりようがないから、この分類をそのまま利用できるわけだ。
 他の説明は……今は割愛しておこう。
 どうしても気になる物があれば質問してくれ」

【方角について説明すれば、また質問を待つように一息置いた】

クローデット > ホワイトボードに投影された『五行色体表』を見ながら、説明を聞く。
方角を例に出しつつ、気の特質と分類を重ね合わせていく解説は、クローデットにとっては概ね納得の出来るものだったが…一カ所だけ、気になる点があった。

「…すみません、よろしいでしょうか?」

女性らしい、綺麗な声と共に手が挙がる。

「『五色』についてなのですが…木が「青」なのは何故でしょうか?
植物の生育から発想される特性であれば、緑の方が近いかと思うのですが」

水の「黒」は冬と照らし合わせることで、金の「白」は「余分なものを削る」という性質から理解出来ないこともなかった。
なので、木の部分にだけ的を絞って質問をする。

光ヶ丘 睦美 > ずらりと並んだ五行色体表に目を通しながら。
……とりわけ、水の欄を熱心に見つめて、
「なんだか、占いみたいですよね」
なんて呟いた。

腎臓の生気の発するところこの髪の毛にあり、というのはなんだかちょっと、面白い。
水の色がこの黒色であることも含めて、なんて。
そんなことを考えながらくるくるとポニーテールの先を指でまいてから、

『東洋医学に用いる』という言葉を聞いてから、あわてて今度は表の全部を眺めた。
多分、五根の"耳"についてはそれほど当てはまってない気がする。


……やっほー、なんて声をかけてくる不良さんは青色だから木気の人なのかな。
ちょっとだけ手をパタパタと振り返して、表をもう一度見る。
感情の所属は……怒。
あ、これは間違いないかな、なんて気がする。

浅田扁鵲 >  
「木が青なのは、樹木の葉が茂る様を表現するのに『青々とした』という場合がある。
 緑を青と呼ぶ文化は信号機の色にも見られるな。
 ……まあそんなこじつけは置いておくか。
 木々の緑を青と呼ぶ、それもあるが、大陸の中心から見た場合、木の方角、東には海が広がっているだろう?
 これが木に青が分類された所以だ。
 ちなみに、土が黄なのは黄河に由来したり、大陸中央の土の色だという説がある。
 他の色についても、各々の方角にある土の色を基準にしたという説があるな。
 とはいえ、実際に大陸に行ったことは少なくないが、納得できるほどはっきり土の色が分かれている、と言う事もなかったから、これについてはなんとも言えないな。
 また、この色と言うのは病気による顔色や肌の変調を見るための分類でもある。
 これに関してはまた違う講義になってしまうから詳しい説明はしないが、大抵は五臓の変調としっかり相応した色に変化が見れる。
 五色の分類は、こういった要素から分類されているんだ」

【すっかり聞きなれてしまった声に答えれば、五色について説明を加える。
 納得いく説明が出来ただろうか? 様子を伺うようにそれとなく表情を伺った】

クローデット > 「………」

緑を青と呼ぶ文化の話かと思いきや、方角との重ね合わせだと説明されれば、意表を突かれたようで目を瞬かせる。
「大陸」という場所が東洋思想の根幹にあるとは今までの授業で分かっていたはずなのに…というほのかな悔しさと、自分の想像の上にきた答えに、楽しそうな笑みを深めた。

「…なるほど…ありがとうございます」

そう、礼を言った。

浅田扁鵲 >  
【楽しそうな表情を見られれば、内心でほっと一息ついた】

「それじゃあそろそろ、陰陽と同じように関係性の説明に移ろうと思う。
 五行の関係は、大きく分けて五つある。
 一つ一つはそれほど複雑な内容じゃないから、あまり身構えずに聞いてくれると嬉しい。
 ……では、まずは『五行相生』についてだ」

【プロジェクターの画像が変わり、『五行相生』と書かれた図が映される】

「相生とは図に書いた通り、五行の一つが特定の相手を生ずる関係の事で、図の矢印の通り循環を繰り返すものだ。
 相生には順番があり、『木生火』から始まる。
 図に書いたそれぞれの関係性も、日常生活で覚えのあるモノだと思う。
 また、この相生の関係を、母子関係と言う事もあり、これは主に東洋医学の治療理論に用いられているな。
 ……相生については、短いがこんなところだ。
 質問がなければ次の『相克関係』に進むぞ」

【そう言うと、また少し質問を待つように教室を見た】

浅田扁鵲 >  
「よし、いよいよ『五行相克』についてだ。
 これもまた図に描いたとおり……というか、このまんまの内容で付け加える説明もあまりないんだが」

【『五行相克の関係』と書かれた図を表示すれば、ポインターで見るべき部分を示しつつ説明を加える】

「『相克関係』とは、五行の一つが特定の相手を克する関係で、これもまた循環を繰り返すものだ。
 つまり、出る杭を打つ関係と思っていい。
 ある一行が突出しすぎないように抑えたり、全体のバランスを整えるのを相生のように『加える』のでなく『減らす』働きで行っている関係だな。
 実は相克の関係は、歴史的に相生関係より古くに発見されたんだ。
 古代の大陸社会ではこの相克関係を用いる事で、人民に見放された王朝に対し、革命を行い交代させる事を合理化したという。
 しかしこの相克関係は、相手を滅ぼすためのものじゃない。
 古く『金は木に勝つが、一刃で以って林を切り倒せるわけではない』や『土は水に勝つが、一塊の土で川を塞ぐわけではない』と記述がある。
 この記述は、相克関係をそのまま機械的に用いる事にたいしての戒めになっている。
 『勝つ』や『克す』と言っても、それは不動の法則ではなく、現実に照らして運用すべきだ、という事だ。
 ちなみに相克にも順番があり、『木克土』から始まる。
 また克される関係そのものにも名前があり、図の下部に記してあるから確認しておいてくれ。
 この後の説明でこの言葉を用いるからな」

【そうして相克の話を終えれば、また少し待ちながら、次に話す内容を整理し始めた】

光ヶ丘 睦美 > 木生火。山火事の原因は木気が手入れされずにあふれたから、ということ。
火生土。山火事の跡、植物がきゅうに成長すること。
土生金。……あんまり、土の中以外から金属を取り出すイメージはないよね。電気分解とかしないかぎりは。

水生木。これはもう説明するまでもなくて。
金生水は……結露とかのことなのかな?

ぐるぐると五行の図に矢印を色付きで引いていって。
木生火のところに"始点"とはっきり書いておいて。


……内側に書き入れていたせいで、次の相剋が書き込めなかったので、
次の五行図を急いで準備する。
この辺りの事柄は、さくさくと理解できるように思う。たぶん。きっと。
わからないことにすら気づけ無いようなわからないところは、あの綺麗なお姉さんにお任せしておくとして。

観堂 貴緒 > 蒼穹の取りあえずどうもを受け、不良学生ってこんなものなのかなぁと考える。
自分の生徒なら拳骨の上、レポートでも出させるかなっと
ニヤニヤする

現実には確かに水克火とは上手くいかないよなと
考えつつタバコに火をつけようとしてやめる。

(そういえばウチの教室じゃないもんな)

相楽 満 > 木から大体始まる、とかノートに書き込んだ。
中央らしい土でも、北らしい水でもなく、東らしい木というのはどういうことか。

(あ、前のアレか。えーと、帝の右手側とかなんかそういう)

何か他に理由があるのかもしれないが、どうなんだろうか。
首をちょいとかしげるが、すぐに元の角度に戻す。
多分これも深く考えちゃダメなヤツだ、とか思ってる。

蒼穹 > (絶対の強弱関係じゃないって事らしい。
ゲーム的に言うなら、効果はない、じゃなくて効果は今一つ、の関係なのだろう。多分。
木が土の養分を吸い取って、土が水をせき止めて…。

そう言えば、何処かの剣士が五行全属性使った大防御術を使っていたなと思い出す。
ああいうのって、互いに相殺しないんだろうか。上手い具合に絶妙なバランスでも取っていたのだろうか。
ぼんやりペンを回して、ノートも取らずに講義を聞く。どこ吹く風である。)

クローデット > (東洋というのは、随分と「バランス」に重きを置きますのね…
それにしても、革命まで五行に当てはめて理屈付けをするとは)

「近代」を体現する国で生まれ育ったゆえに、東洋思想とそれらのギャップにおかしみを感じて、口に出さずに笑みを深めた。

とりあえず、気になった点をメモにとった。

浅田扁鵲 >  
【教壇の上から各々の反応を見て、こっそり楽しみつつ、講義を続ける】

「さて、ここからは相生、相克の応用的な関係になる。
 この図の『相乗』と言う関係は、あまり聞き覚えがないだろう。
 これは相克の発展……いや、相克関係の異常と言うのが正しいか」

【『五行相乗の関係1』と書かれた図を示しながら、説明を加える】

「五行は相生と相克を繰り返し、その平衡調和を保っているが、時折平衡を崩す場合がある。
 この図のように、『ある一行』が強くなりすぎた結果、『克我』が間に合わずに『我克』が過剰になってしまう。
 このような状態を、『五行相乗』と言い、図に描いた状態を『木乗土』と言う」

【そして一枚画像を送り、『五行相乗の関係2』と書かれた画像を出す】

「そしてこれもまた相乗の関係なんだが、さっきとは少し異なるパターンだ。
 これは『ある一行』が弱ってしまった故に、『克我』に抵抗する事ができず、さらに弱められてしまう。
 この弱っている状態を『虚』と言い、図に描いた状態を『木虚金乗』と呼ぶ。
 ……相乗関係についてはこんな所か。
 質問はあるか?」

【確認をとり、またしばし待つ。
 手が挙がらなければ次に進むだろう】

クローデット > 次の説明が始まる。
「相乗」…相生・相克程度には五行を齧っていたクローデットにも、聞き覚えのない言葉だ。
説明を聞くと、相克の行き過ぎであったり、異常な状態を指すようである。

「…あの、よろしいでしょうか」

また、澄んだ声とともに手が挙がる。

「『五行相乗』は『五行相克』が行き過ぎてバランスが崩壊する、あるいは、
どこかでバランスが崩れた場面で『五行相克』がそのバランス崩壊を助長している、
という状態を定義しているものだと理解しましたが…そのような状態をあえて定義したのには、東洋思想としてはどのような意味…あるいは意義があるのでしょうか?
カテゴライズとしては、理解出来ないこともないのですが…」

バランスをどの程度重視するのかについての差異からくる、定義の「意味・意義」についての質問だった。

光ヶ丘 睦美 > 次のルーズリーフを取り出して、五行相乗の関係1の図を描き写していく。
五行図だけで4枚目。あとでしっかりまとめなきゃと思いながら。

五行の相乗については、ひとつひとつに書き加えるよりも何よりも。
同居人の強すぎる火の気を受けて大変なことになった覚えがあるので、
『バランス良い吸精が大事』と書いておく。
そのうえで、バランスよく全ての気が増大する分には問題ない、と思う。

「…あれ?
調和、平衡、はわかるんだけど……
五行全体の発展とか、成長とか、そういう方向性はちょっと乏しい感じがあるような。」
全部土の行のお仕事だとしたら、土用の日には鰻でも食べないと大変でやってられないのかもしれない。