2015/06/16 のログ
井戸木さいこ > 「そっか。もっと深くなるのは、怖いかも。
 ……うふふ、来島先生、帰ってきてくれると良いんだけど。」

 "控えめに一ヶ月は見ちゃおうかなぁ"。そんな冗句を、気を紛らわす様に口にする。

「うん。忙しい時に無理やり捕まえるのも、気がひけちゃうし。なんて。
 ……涼子さんに、聞きたい事、かぁ。無い訳、じゃないけど。
 聞いたら"もっと諦めちゃいそうだから"、聞かないでおくよ。ごめんね。」

雪城 涼子 > 「流石に、遠くないうちに帰ってくるとは思うわ。だって家こそが、彼の帰るべき場所なんだから。」

それは、昔から彼が大事にしていることだ。
それを破ることだけは絶対にないだろう。

「ん、謝ることはないわ。こっちこそ、ごめんなさい。変なことを聞いちゃったかもしれないわ。
 ダメね、お節介な死人っていうのも」

はあ、と溜息をつきつつ……手をふって謝る。

井戸木さいこ > 「そっか。って……死人?」

 不思議そうに、小首をかしげた。
 とてもそうには、見えないけど、そんな視線だ。

雪城 涼子 > 「うん、死人。死者。本当は、この世にいちゃいけない人。
 ほら。」

振っていた手が、体がだんだんと透き通っていく。
そこにいる、のはわかるが、明らかに異常な光景だ。

井戸木さいこ > 「……うふふ。そんな事ないよ。
 死んでる人間も生きている人間も、変わらない人間だよ。
 それに、それを言ったら――」

 動じる事はなく、笑みを浮かべた。
 目の前の光景が認識出来ない訳ではない。だが、人ならざるで生きてはいけないならば、
 生物の理を曲げて生きている事がダメならば――

「私だってそうだもん。――私は、ある存在のクローンでね。
 本来は有り得るハズのないもので、人為的に創られて、知識や経験を叩きこまれた命。……うふふ。
 だからきっと、どっちもこの世にいて良いんだよ。」

 ……そう、思いたい。

雪城 涼子 > 「あはは、私に言わせれば、創られていようとなんだろうと、生まれ落ちた命と、失われた命、ではちょっと違うかなって気もするんだけれど……
 でも、いいね。うん。お互い、この世にいていい。それが一番だ。」

たはは、と笑う。少しだけ元の調子が戻ってきた。

「まあでもね。それで色々と取りこぼしちゃったのは本当で。
 それで、やっぱり死ぬ前にやれることはやらないと、勿体無いって思うのよね。経験上」

ぽりぽり、と頬を掻くような動作。

井戸木さいこ > 「うん。……うふふ、ありがとう。そう思ってくれて。
 そっか、そうだね。やれることはやっても、良いのかな――」

 不安げに、尋ねる事に怯えるように、小さく呟く。
 空を見上げれば、雲に掛かった月が見えた。

雪城 涼子 > 「生まれた命は、何にしても尊いものだよ。うん。」

きっぱり言い切って。

「さいこさんが、言ってくれたからね。ちょっとアドバイス。
 家族とか持ったことなくて、拾われたってことは、人と生きてくることも多分あまりなかったんだろうなって……思うんだけれど。
 いいんだよ。あなたがもし間違えても、誰かが教えてくれる。あなたが困れば、誰かが助けてくれる。
 それが、仲間とか、家族とか……そういうものだよ。」

だから、とても大事なんだよね。とそう付け足して、笑う。
不安なんて、吹き飛ばしてしまいなさい。

月は明るさを増していた。

井戸木さいこ > 「うふふ。――ありがとう。
 その言葉だけでも、私は救われるよ。」

 何時の間にか雲は晴れ月は明るさを増している。
 それがちょっと眩しくて、ちょっとだけ片眼を瞑った。

「"idea"から逃げてから、ずっと、ホームレス生活だったからねえ。
 人と関わる事が無かった訳ではないけど、孤独だったのは確かかも。
 ……もし困ったら、助けてね。もう助けられちゃった気もするけど、なんてね。うふふ。」

雪城 涼子 > 「まあ、私は……力とかはもう、なーんにもないけれど、ね。
 ただ、ちょっとだけ長く生きてる分、口先とか悪知恵とかは達者かもね。
 そんななんかで、できるだけ力になるよ。」

こう見えて、おばさんなのだ……って、ちょっと虚しいな……と、なんだか付け足して落ち込んでいた。
実際、来島よりも歳上なのだから仕方ない。

井戸木さいこ > 「うふふ。それが一番頼りになるかも、なんて、
 年の功かも。うふふ。」

 冗談めかした笑い声。
 気分もすっかり戻った模様。

「……うん、ありがとう、涼子さん。
 大分落ち着いたし、私はそろそろ行こうかな。みんなも心配しちゃうから。
 うふふ。またね、涼子さん。」

雪城 涼子 > 「ん……よかった。いい顔してる。」

ほ、と一息。考えてみれば、半分くらい私のせいの気がするので、これもまあ自分のまいた種を回収したようなものだろうか。ちょっと違うか。

「と……ごめんなさい、さいこ先生。大分引き止めてしまいましたね。
 おやすみなさい。また、お会いしましょう」

言葉遣いを元に戻し。ぺこり、と頭を下げる。
こういう使い分けも小賢しい大人の知恵なんだろうなあ、とちょっと思う。

井戸木さいこ > 「うふふ。うん、おやすみなさい。涼子さん。」

 くすり、と笑ってみせてから、踵を返し。

「……本当。ありがとう。」

ご案内:「常世公園」から井戸木さいこさんが去りました。
雪城 涼子 > 「……」

手を振って無言で見送る。

「ん、んー……まあ、こんなもの、かなあ……
 あんまりガラじゃないことしちゃったけれど……そーくん、あんまりうじうじしてると、蹴っ飛ばしてやるからね」

こわばった体を直すために、伸びをする。そして、ちょっと物騒なことを呟いて……公園を後にした。

ご案内:「常世公園」から雪城 涼子さんが去りました。
ご案内:「常世公園」に立花 響さんが現れました。
立花 響 > 「あ、暑い……」
汗をかきながら深夜の公園を彷徨く響。
暑いならば寮の空調を使えばいいのだが、
寮にいても楽器の整備ぐらいしか出来ない為に暇潰しのために外に出ている

「何かお店とかあればいいけど、深夜にやってるようなお店ってどうしても飲み屋さんとかその辺りだもんね」
そんなことを呟きながら周りの様子を気にしながらと公園のベンチに座る。
この島にお酒を飲むのは二十歳になってから、という決まりがあるかは知らないが、
響の中ではお酒にはあまり良い思い出が無いとか

立花 響 > 夜は夜でも梅雨の季節な為かジメジメした風が公園に吹き込む。
一瞬風が来た、と涼しい顔をするがジメジメした風だと分かった途端に季節にあったどんよりした顔になる

「全くもう、夜の外なら涼しいって言った人は誰なのやら」
それは自分の宛の言葉なのか失笑している。
ただ寮に篭っているよりは外にいたほうが楽しいし、夜空を見上げて綺麗な景色を……

「……曇ってる」
ジメジメした風が吹くなら曇天なのも致し方なしである

立花 響 > しょうがないので丁度目の前にある自動販売機で何かを飲み物を買うべく、鞄から財布を取り出す
そういえば響が常世島の自動販売機を利用するのは初めてである。
見た目自体は普通の自動販売機なのだが、その品目を見ると…
「なになに…おしるこコーラ…?」
この季節に『あたたか~い』が1つぽつんとある『おしるこコーラ』
響は丁度小銭が余っていた為財布から160円を入れ、何を買うか迷い始める。

ただ、響はどうしてもその『おしるこコーラ』が最後に目が行ってしまうのだ。

立花 響 > 響は頭を抱えてまず現状を把握するところから始める
そもそも今は6月。梅雨の季節。
このジメジメして、もうすぐ夏になるというのに『あたたか~い』があるというチョイス。
それほどまでにこれは人気商品なのか?
それともこの島に自動販売機の商品を入れ替えるという事自体が存在しないのか

いや、そもそも本土で『おしるこコーラ』という言葉は聞いた事はない。
故にこの島特有の飲み物。だから季節関係なく置いてあるという事もありえてしまう。

しかし、しかしそれでもこの季節に『あたたか~い』は無いだろう、『あたたか~い』は
おしるこが『つめた~い』というのは合わないがおしるこである前に『コーラ』なのだ。
炭酸飲料を『あたたか~い』で飲むというのはやはり何か裏があるのか?

立花 響 > 魔境を知るなれば魔境に踏み込むべし。
虎穴に入らずんば虎子を得ず、とも言う。
たかがが160円。されど160円。
島の巣に踏み込む為のお代に160円は安いのか高いのか。

響は特に金にこまる事はない。
ただ、その踏み込んだ故に取り返しがつかない事になってしまうのではないか、
それだけを恐れているのである。
知らぬが仏という言葉もある。
踏み込むべきか踏み込まざるべきか。

「えいっ」
その一言で自動販売機は冷静に、響の思考に関係なくガコン、という音を立てて排出口に1つの缶が現れる

立花 響 > その缶に描かれている柄はおしること液体が泡立つ様子が描かれた缶。
『おしるこコーラ』である。
響は今、魔境へ踏み込む覚悟をしたのだ

「あ、あつ……早く冷めないかな…」
缶の熱さを分担させるように右手、左手と交代交代に持ってベンチの何も無い所に置いて冷めるのを待つ。
響はこのベンチに『おしるこコーラ』を置いて心のどこかで何で買ったんだろ…という後悔の気持ちが生まれてきた

ご案内:「常世公園」に楓森焔さんが現れました。
楓森焔 >  夜の公園に、がらんごろんと怪しげな音が響き渡る。
「はぁー、うひー、喉かわいたあ。確かここ、自販機あったよな……?」
 道着を着込み鉄下駄を履いた少女が、汗を流しながら公園へ滑り込む。
 自販機の灯りを見つけ、そちらに向かうと、先客が一人ベンチに座り込んでいるのが目に入った。
「……お、おしるこコーラ?」
 その横に鎮座している謎の飲み物に、思わず声を漏らした。

立花 響 > おしるこコーラが冷えるのを待っていると鉄下駄の音が聞こえ、焔の方に振り向く。
「……俺?」
どうやらまず鉄下駄を履いている主の顔よりも胸の『俺』が気になったらしく、無意識のその言葉を漏らす

「あ、えと。おしるこコーラです…飲みます?」
おしるこコーラに関心(?)を抱いたと感じ、
しめたと思いとりあえずこの魔の飲み物を飲ませてみようと試みる
魔境へ踏み出した後に後悔した身としてはいきなり降りてきた蜘蛛の糸のようなもので、
ダメならダメでその魔の飲み物を飲むのも致し方なし、といったところだろうか

楓森焔 > 「お? 気になるか?」
 相手の言葉に胸を張って"俺"の字を強調すると、そのまま流れるように軽々と蹴りを繰り出す。
 稚拙な動き。しかしまるで独楽のように身体が回り、鉄下駄が空を叩く音が響いた。押忍、と軽く構えて。
「流派・俺流開祖にして師範! 楓森焔とは俺のことよ!」
 ばばーん、と音がなっていそうな見得の切り方だった。
 挨拶もそこそこ、自販機で飲み物を買おうとしたところでその動きが止まり。
「え。あ……でも、それ、お前のじゃないのか?」
 飲みたいわけでは断じてなかったが、つい、聞き返す。

立花 響 > 焔が構えるとおぉー、とよくある野次馬のような歓声と拍手をを送った後にとあることに気付く
「俺流……?そういえば烏丸さんが俺流を門下生なったみたいな事言ってましたけど、その俺流です?」
一週間程前に烏丸がそんなことを言っていた事を思い出す。
そもそもどういった流派かは全く分からないが、開祖かつ師範というからには相当の実力の持ち主なのだろうが

「私のですけど…こう、若さゆえの過ちというか、買ったけど飲む気が無くなったというか」
あはは、と苦笑いを浮かべた後にまだ少し熱いその『おしるこコーラ』を持って差し出す
きっと師範というからにはこういうのは飲み慣れていそう、勝手なイメージがあるとかないとか

楓森焔 > 「おお! あいつの知り合いだったか。そう。その俺流。
ついでにいうと、九郎の師範がこの俺さ」
 気さくに笑いかけると、がらごろと音を立てながらそちらの元へ。
おおよそ三歩ほどの距離まで来ると、ぐっと身体を倒して件の缶をじっと見つめ始める。
「う、うーん……」
 眉をひそめて唸りを上げつつ、いささか思案。
飲む気はないが、この少女も飲むことはないらしい。
困っているのかは分からないが、しかし、挑めというのならば挑んでみせよう。
 無駄に武人の心に火をつけながら、はっしと掴んだ。
「よし……飲もう!」

立花 響 > 「えぇ、一応同じ軽音部の仲間って事になってますね。
なるほど、烏丸さん、頑張って強くしてあげてくださいね?」
焔に笑みを見るとつられるように笑う。
俺流という名前は胡散臭くはあるが、悪い人では無さそう、と判断したようだ

「お、おぉ!男前!女の子ですけど!」
おしるこコーラを焔に奪い取られるとおぉと歓声あげ、
自分の胸の前に両手を合わせ、焔の魔境への踏み込みを見守ろうとしている。
内心、助かったと安堵しているとかしていないとか

楓森焔 > 「ああー! 軽音部の! なるほどなあ。じゃあお前もなんか楽器やるんだ?」
 運動には向いていなさそうな風貌だし、軽音部と言われればしっくりくる。
別に運動部か文化部のどちらかに分類されなければ行けないわけでもないが、
そこはそれ。彼女の思考回路はシンプルそのものだった。
 気軽な口調で己の緊張を解しつつ、おしるこコーラのプルタブを開ける。
プシュゥと響く音は、間違いなく炭酸が入っている証拠であった。
「……ちょっと重いな。小さい餅でも入ってるのか?」
 缶を揺らすと、確かにそんな感触が手に返ってきていた。

立花 響 > 「まだ担当とかは決まってないですけどね…多分キーボードになると思いますよ。」
一応なんでもいけるんですけどね、と言いながら自慢気な笑みを浮かべている。
このなんでもいける、というのは演奏というよりは響の異能を使った物の為正確には違うのかもしれないがg

「…おしるこですから、お餅ぐらいは入ってるんじゃないです?飲んだことないですけど」
決して響はそのおしるこコーラの缶を見る事はなかった。
見たら何かが削れそうな、そんな気がしたからである。
そんな無責任な事を言いながら炭酸が抜ける音が聞こえると心の底から飲まなくて良かった、と胸を撫で下ろしている。

楓森焔 > 「へー、キーボード。ギターと……ボーカルと、あとキーボードか。なるほどなあ」
 脳内に思い描いているのは、明らかにピアノだった。
 流石に"それ"が分からないわけでもないが、具体的にどういう音を鳴らすのがキーボードなのかまったく想像できていなかったのである。
 頭にもやもやとその図を思い描いていると、
『飲んだことないですけど』
 などという言葉が飛んでくる。まあそうだろうな。こんなの飲む奴そう居ないだろう。
「……よし、南無三!」
 うおお、とかいいながら思い切り飲む。
 明らかに濃厚な強炭酸。
どろりとした甘汁を打ち破らんとするレベルの炭酸は流石におかしい。
「ん、んん……!」
 だが、まだ行ける! そう確信して更に缶を傾ける。
ころりとした感触で口の中に転げてきたのは白玉団子。
これを、シュワつく口の中で噛む。と。
「――――!!?」
 ばちん、と口の中で何かがはじけた。
 ――駄菓子の中に時折詰まっている例の"パチパチする奴"。
それがふんだんに団子に練りこまれており。
強炭酸とともに強襲を仕掛けてきた。

立花 響 > 「うわぁ…」
焔が炭酸飲料と格闘しているそれに対しての感想がこれである。
格闘家はきっと精神を鍛えているからこういう苦いものとか、
不味いものとか飲んでも物ともしないというイメージがあるが、その幻想をぶち壊さんと起きている現実がこれである

「あ、あの…大丈夫ですか?」
その一言はボクシングのリング上でゴングがなり、
戦い始めたばかりの選手がいきなり白玉団子という右ストレートが直撃していきなりダウンした人を見た一般人の一言である。
この現状を見て響に罪悪感があるか無いかと言われると無いのだが、今の響の頭の中は格闘家って凄い、という感想しかない

楓森焔 > 「ん、んぐ、んごっ……!」
 静けさの包む公園。シュワシュワパチパチという音が彼女の口の中に響く。
思わずむせそうになりながらも、

 ――多分これ、むせたら死ぬ。

 そんな直感に従い、一気に飲みこんでいく。
強炭酸、上等。ちょっと洒落にならない刺激が口の中を駆け抜けていくが、
都合二十秒ほどで350ml缶を飲み干した。
「だ、だい、だいじょう、ぶ」
 飲み終えた缶。それが思わず手から滑り落ちた。
鉄下駄に当たり甲高い音を立ててから転がっていく。
「び、びっくりした……な、なに今の……」

立花 響 > 「お、おぉぉぉ!」
飲み干したおしるこコーラの缶が地面に落ちて勝利した焔を見ると再びパチパチと拍手を送る
やはり師範で開祖は違う。格闘家はやはり強いのだ
決して格闘方面ではないのだが

「何か、おしるこの餅や炭酸以外に何か入っていたのですか?」
この時響に1つの考えが思い浮かぶ
……このおしるこのあんこはつぶあんだったのでは?と

「まさか…つぶあんのおしるこ、だったのですか?」
あんこが好き、と言ってもつぶあんは嫌いでこしあんが好きという人もいるのではという思考がよぎったのである。
目の前にいる焔がどのあんこを引き当てたかは知らないが

楓森焔 > 「なんかこうバチバチっと……弾けた……炭酸じゃなくて、こう、静電気みたいな感じで」
 残念ながら、例の駄菓子を食べたことはないらしい。
静電気、と称する他ないような鮮烈な刺激に、まるで鳩が豆鉄砲を食ったような様子であった。
「あれがあずきだったらよかったなあ~~!」
 相手の言葉には大きく肩を落として息を吐いた。
ちなみにしるこはこしあんである。

立花 響 > 「…静電気?あぁ、なんかそんな感じの駄菓子があったような…」
何かピンと来たのかうーん、と唸っているが名前までは思い出せないようだ。
しかし飲んだ時に静電気のような刺激が口の中に広がる、と聞くと飲んだ人がこの人で良かった、と安心している

「あずきの方が好きなんですか…あ、口直しに何かご馳走しましょうか?」
悪は去った。
後は焔の口直しさえすれば大丈夫だろうと判断し、
財布を開いて野口さんを自動販売機に投入して焔にどうぞ、と手で誘導している

楓森焔 >  肩を落としてため息をつくものの、相手の誘導には
「お、いいのか? 俺は遠慮しないタチだぜ?」
 と、目を輝かせた。別段自販機でできる贅沢などないわけだが。
500mlのスポーツ飲料を嬉々として選択すると、鼻歌交じりにそれを取り出した。
「サンキュー、ありがたくもらっとくぜ」
 笑いながらそちらの背を叩くか、その後はキャップをねじり開けつつ
「そういえば、そっちの名前は?」
 尋ねた。

立花 響 > 「えぇ、遠慮は無用ですよ」
嬉しそうにスポーツ飲料を選択している様子を微笑みながら見守って、
それを取り出したなら自分も500mlのお茶を選択してそれを取り出す

「…あぁ、そういえば名乗らせたのに私は名乗ってませんでしたね。
立花響って言います。えー、と。立つに咲く方の花に響き渡るの響、です
楓森焔さん、でしたよね。よろしくお願いしますね?」
そういえば自己紹介をしていない事を思い出し、
ハッとして自分の名を名乗り、礼儀正しく礼をしている。

楓森焔 > 「そそ。俺はえーっと……木の楓に、木の森に、えーっと……難しい字のほうで焔」
 語彙が、なかった。丁寧に漢字の説明まで受けてしまったので、バカみたいにこちらも返してから。
「ま、まあ。いいんだって! そうかしこまるなって! 生徒同士なかよく気楽にしようぜ!」
 なんて。ごまかし気味に相手を肩を叩きつつ、あっはっは、と笑った。

立花 響 > 「あぁ、いえ。どうしても癖でこうやって名乗る癖がついてしまって…あははは」
少しバツが悪そうに苦笑いを浮かべる。
歌手時代の時に営業していた時の名残なのだろうか。
そして癖のように携帯を開き、時間を確認するとハッとした顔になる

「あら…もうこんな時間なんですね。もうすぐ夜明けですし、学校行く準備してこないと…
焔さんもトレーニングの途中でしょうけど、お気をつけてくださいね?最近は何かと物騒ですから…」
そう言って買った500mlのお茶を飲みながらその場から立ち去ろうとする

ご案内:「常世公園」から立花 響さんが去りました。
楓森焔 > 「その敬語、クセなのか? クセじゃないなら遠慮は無用ってな」
 おしるこコーラの缶を捨てるとその横に並んで。
「物騒だろ? 送ってくよ。俺もトレーニング終わりだしさ」
 なんて言いながら、ボトルを片手に彼女の隣を歩いた……。

ご案内:「常世公園」から楓森焔さんが去りました。
ご案内:「常世公園」に渡辺慧さんが現れました。
渡辺慧 > 以前の。

以前のリフレインか。
あの時と同じ様子で、その少年はやってきた。
頭にフードをすっぽりとかぶり。機嫌はよさげ。

ただ。妙に気合が入っている。

右肩には、以前の流し素麺の竹を支えるための装置と、左肩には、竹。

以前と同じように。まるで同じ場所に。それを設置した。

渡辺慧 > そうして、またふらりと。公園を出ていき。



――しばらくして帰ってくる。

右肩に――先日作成した、テーブルのようなもの――と左肩にボストンバッグ。

そのテーブルのようなものは、流し素麺の装置の近くに配置。

その近くで、ボストンバッグをあさりだす。
まず、取り出したのは、以前と同じようにホースだ。

もはや場所は探さずとも蛇口の場所は記憶している。
差し込み、竹の上部へ配置する。

渡辺慧 > ――機嫌よさげな鼻歌。――あいもかわらず下手くそなそれは、力がこもっていた。

ボストンバッグからラップに包まった素麺。
水筒。竹でできた器を取り出して。


素麺は器に開け、水でほぐす。
竹の器には水筒から流し込んだ汁を入れる。

そしてそれらを、今しがた設置したテーブルの上に置いた。

渡辺慧 > ――勝負だ。――

以前は、知識のなさから、敗北を期した、この一人流し素麺。
あの時の涙の味は忘れない。マジ泣きだったあの時の悔しさは忘れない。

――いいか、俺は――速いんだ――


尚、相手は流し素麺である。

渡辺慧 > 素麺のはいった器を手に持ち。
緊張を浮かべ。蛇口まで行く。


――この水を流せば、勝負の開始だ。――


そして、少年は、勢いよくその蛇口を開けた。

渡辺慧 > 流れ出す水。まるで濁流のごとく、すべてを押し流すかのようなその水力に立ちすくみそうになる。

が、自分とて、一介の流し素麺バトラー。こんなところでひるんでるわけにはいかない。


竹の上部に立ち。

第一投を――流しいれた。


尚。やはり相手にしているのは流し素麺である。

渡辺慧 > (ウオオオオオオオッ!)

そんな咆哮すら聞こえそうな形相で――あぁ、この時だ。この時のために、これを用意したんだ。――テーブルの上に乱雑に、素麺のはいった器を置き捨て、そして、繊細な動作で汁のはいった竹の器をつかむ――!


未だ、素麺は上流。いける。今度こそ、一人流し素麺を成功させることが出来る――!


――だが、この土壇場で。

彼の肉体は、彼を裏切った。

渡辺慧 > 右足に衝撃。

流し素麺は、罠を張っていたのだ。ただ、やられるだけの相手ではなかった。そう、少年は慢心していたのだ。


混乱した顔で。混乱した肉体は、顔面から地面に倒れ伏した。


――幸い、下は砂。大きな怪我はないだろう。この状況になっても竹の器と箸を離さないのは執念のなせる技だろうか。だが。


「……う」

倒れ伏して、1分。
状況を把握しようと、顔を上げたときに、目に入ったのは。

一緒に重なるように倒れた、今日、この時のために用意したあのテーブルだ。

渡辺慧 > ――まさか。――

ふらついた頭で、周囲をよく見まわすと。


――乱雑に。地面に散らばった、素麺の山。――


「………………う゛う゛う゛う゛う゛」

泣いた。

渡辺慧 > また前回のように。水道を閉め。
素麺の装置を片付けると。


もうどうしようもないぐらいの猫背で悲しそうに帰って行った。

尚、第一投した素麺は食べた。

ご案内:「常世公園」から渡辺慧さんが去りました。
ご案内:「常世公園」に烏丸 九郎さんが現れました。
烏丸 九郎 > (少年は迷っていた。
ソラとルナ…あの双子を助けるために、大見得を切ったはいいものの
結局自分はまだ学生で、子供で、なにもできることがないと思い知らされたから。
ならばどうする?大人を頼るしか無い。
頼れそうな大人…くくる先生…宗仁さん…矛海さん…
と考えるも、その三人くらいしか思い浮かばない。
授業サボりまくって、先生とのコミュニケーションをないがしろにしてきた結果だ。
少し情けなくなった。)

烏丸 九郎 > (しかも、その三人の連絡先すら知らない。
というか、ちょっと顔を合わせた程度の知り合いでしか無い。
ここで頼るのもいかがなものか
かなり都合のいいこと言ってる気がする。
だからといって放置はできない…どうすればいいのか…)

ご案内:「常世公園」にクオンさんが現れました。
ご案内:「常世公園」に洲崎さんが現れました。
洲崎 > ...ん?

(公園に見知った青年が居るのを見て首を傾げる。
なんだか悩んでいるようにも見える)

....だい、じょぶ..?

クオン >  空から、風が吹き込んでくる。穏やかな風。見上げれば、空を全長20mはあろうかという翼竜が羽ばたいていた。
 ただの散歩のようなものだ。しかし、眼下で何か悩むような生徒を見かけると、彼は実に慎重に地上へと降り立った。
 常世学園魔術講師、クオン。知る者も多い、この学園でも異質の教師。

ご案内:「常世公園」にメアさんが現れました。
ご案内:「常世公園」から洲崎さんが去りました。
ご案内:「常世公園」からメアさんが去りました。
ご案内:「常世公園」にメアさんが現れました。
烏丸 九郎 > どうすりゃいいんだ、これ…

(少年はため息を漏らし、脳内会議を終了させた。
答えが出ないからだ。
いや、答えは出てはいるものの、どうしていいのかわからない。
困ってる人がいたら助けるのが少年の常識ではあったものの
まさかこういう展開になるとは思ってもいなかったのだ。)

んぁ…ん?メアか?

(見知った少女にひらりと手を振る、それと同時に巻き起こる風。不意に空を見上げれば、そこには巨大な龍の姿があった。)

何でもありだな、こりゃ…

メア > うん、どう…したの…って…!

(降り立った翼竜…ドラゴンを見て警戒する。
なぜこんな公園に、と)

烏丸 九郎 > 確か…クオン…先生…

(その存在だけはしっていた。ドラゴンの先生がいると。
実際見たのは初めてだが…まさかこんなにでかいとは…。
そんなことを思いつつ公園に降り立つその姿を眺めていた。)

クオン >  彼を実際に見たことはないが、その特徴に聞き覚えはあった。
「君は、軽音楽部の烏丸九郎くん……かな」
 まるで世界を震わせるような、低く、大きく響く声。
それを極力、相手を威圧せぬように声の調子に気を払う。
 喉元から赤い燐光が舞うのが見える。しかし、今にも炎を吐き出しそう……といった素振りではなく。努めて穏やかに声をかけた。
「私はクオン。……こう見えて、学園の教師でね。怯えることはない」
 警戒するもう一人にも声をかけ、まるで敵意がないというように、翼をたたむことで己の爪を覆い隠した。

烏丸 九郎 > ああ、烏丸九郎であってるぜ。
おれに、なんかようかい?先生。

(内心驚きながらも、声をかけられればそう答える。
教師なだけあって、悪い人(?)ではないだろう。)>クオン

どうしたって…ちょっと悩み事だ。
ちょっとした、な。

(と、メアには力なく笑ってみせる)>メア

メア > 先、生……?

(九郎の言葉に疑問を抱きながらもクオンの方を見る。
ドラゴンの先生、そんなのは聞いた事もなかったが襲ってこず
話しかけてきたのを見て警戒を解く)

初め、まして……クオン、先生…


ちょっと、に…見えない……

(九郎の笑顔に覇気が無い、と首をかしげる)

クオン > 「なに」
 一息つくかわりなのか、空に向かって少しばかり炎が吹き出すと。
「ここには悩みを抱える生徒がよく居るのでね。
時折こうやって、声をかけるのだよ。
私はご覧のとおりプリントの作成などは門外漢でね。暇なのさ」
 冗談めかしてそう言うと、笑うように口を動かした。
喉奥からは相変わらず赤い燐光が見え隠れしているが、決して敵意は見えない。
「うむ。初めまして。私は魔術の講師でね。担当ではないが、何か分からないことがあったらいつでも声をかけてくれ」
 などと、挨拶をする生徒にも笑いかけるように。

メア > 魔術……うん…

(声をかけてくれと言われ頷く。
竜種は長い時の中で膨大な量の知識を持つと聞いている。
知識が物を言う魔術については人間以上に詳しく教えて
もらえるだろう。)

私は、メア…です……よろしく…

烏丸 九郎 > うぉ…ああ、そうなのか…
しょぼくれてると、周りにもわかっちまうもんなんだな。

(炎をはくドラゴンの姿に驚きつつも
メアとクオンの反応に、思わずため息を漏らした。
確かに自身は悩んでいるが…)

ちょっと色々あってよ…無力感に打ちひしがれてたところなんだよ。

メア > 無力、感……?

(自信が無くなったのかな?
等と考え)

喧嘩、負けた…の…?

(子供らしい発想で尋ねる)

クオン > 「無力感、か」
 この学園には、少なからず格差がある。
年齢にせよ、学力にせよ、異能の才にせよ。
貧富にもとどまらず、兎角そういった悩みを抱える生徒は多い。
 烏丸に尋ねるメアを見て、彼は軽く瞼を伏せた。
己が聞くよりも、知人と思しき少女が尋ねるのが一番だろう、と。

烏丸 九郎 > はは、そういうんじゃねぇよ。
ただ、なんというかな…人を助けようとして
結局自分の力だけじゃどうにもならないことがわかった。
それで、誰かを頼ろうと思ったけど、俺の人脈じゃどうしようもなかったってところかな。

(実際、金の問題はガキには大きすぎた。頼れる大人もいない。いわゆる詰みの状態。)

クオン >  人脈。それは尊いものだ。何かを成すとき、それが己一人で成せるとは限らない。
それは絆と言い換えてもいいし、人の身においては特に大事なことだ。
「どうだ。……話してみる気はないかね」
 翼竜は首を曲げ、小さな人の身に視線を合わせるように身体を曲げる。
金色の瞳が烏丸を見つめながら、問う。

メア > 助ける…?誰、を…?

(以前に見た九郎も一人の女子生徒を助けていた。
また誰かの為に頑張ってる…と心の中で感心する)

烏丸 九郎 > ………。

(優しげな竜の言葉に小さく頷くと、うなだれたまま話し始める。)

ソラとルナって…言ってもわかんねぇか。
色んなとこに現れる金髪と銀髪の…双子?いや、兄弟か?よくわかんねぇんだけど。
そいつら、病気でさ…めちゃくちゃ苦しんでたから病院に連れて行ったんだよ。
でも、そいつら学校の生徒じゃないからさ…治療費…必要なんだ。結構な額の。
そんで、俺が何とかするって言っちまったものの…学生のバイト程度で払えるものじゃないって言われてよ。
だから、先生か誰かに何とかしてもらおうと思ったんだ。
でも俺…先生に頼れるほど良い学生じゃないからよ…
それに、そんな都合のいい話、誰が聞いてくれんだって…。

メア > ソラと、ルナ…?

(よく見知った名前に首をかしげる)

…病気って、何の…?
前は、げんき…だった…のに…

烏丸 九郎 > ソラが…その、毒草食っちまったみたいでよ…
ルナのほうが風邪、肺炎になりかけだってよ。
病院に運んだはいいけど、ソラの方は後遺症が残りそうだって聞いた。
もちっと早く助けられればよかったんだけどな。

(そのことも大きな後悔になっているのか、少年の表情は暗い。)>メア

クオン > 「……なるほど」
 古竜はうなだれる少年の姿を見つめて目を細めた。
学生ではない者のトラブル。しかも金銭絡みの問題。
生徒という立場では、いささか荷が重い話だ。
「だが、愚かだな。君は」
 そう言って、口元から赤い燐光を吹き出した。
鮮やかに空に溶けていく光と共に、古竜は改めて背を伸ばす。
「本当に助けたいのならば、みっともなくていいからできることはするものだ。
今君が良い学生でなかったとして、これから良い学生にならないとは言えないだろう」
 もちろん、正道に悖ることをすれば話は別だ。そこからは風紀の仕事になるだろう。
「例えば、そのソラくんとルナくんは、この学園の生徒になる気はないのかな」

メア > 毒草……

(ソラが毒草を食べた…ソラを知っているメアからすれば
そこまでおかしな話でもないと分かる。)

…病院、どこ…?

(じっと九郎を見上げる。
無表情なメアの瞳に微かに焦りが見える)

烏丸 九郎 > (愚かだと言われれば、一瞬萎縮し、そして力なく肩を落とす。)

ああ、そうだよな…。なんであろうと、やらねぇと…
助けるって決めたんだからよ。みっともなくても、先生に頭下げて、なんとかしてもらうしかねぇんだよな…。

(その後に続く言葉には、はた、と何かに気づいたように顔をあげて)

あいつら無口だから、あまり話さねぇけど、学生になるって手もあるのか…そうか…今度、聞いてみる…。>クオン

お、おう…病院って…あっちの方角だけど

(少し気圧されたようにメアに病院の場所を教える。)>メア

メア > ん、分かった……

(示された方角を確認、病院を特定する。)

ルナは、肺炎……
ん…?じゃぁ、ソラ、は…?

(よく言葉を思い返すとなぜソラが毒草を食べて
ルナが肺炎に?と疑問を抱く)

クオン > 「よし」
 彼の言葉を聞き、隣の少女の案ずる声を聞き。
 古竜は大きく翼を広げ、空へと体を伸ばす。
『オォオオ―――ン』
 口を開け。空に、竜の鳴き声が響いていく。応えるように、鳥や獣たちが鳴き声を返す。
それは、古の竜の詩。彼の居る世界ですら忘れ去られた、遠い昔の約束の魔術。
「もしも彼らにこの学園で学ぶ意志があるというのなら、
このクオンが全霊を以って入学に対して働きかけよう。
もしその二人が入学を拒否するというのなら……そうだな。
夏休みの間、君に魔術学の助手でもしてもらおうか」
 相応の礼は払うよ、と。見下ろすままにそう言って。
「ただし、これは君がこれから"良い学生"になるというのなら、だ」
 力ある言葉。人の言葉にしてなお、彼の言葉には重みがある。

烏丸 九郎 > ルナが病気になったからよ。
そんで、薬草でも集めるつもりだったんじゃねぇかな?
それで毒草を食べちまったんだと思う。
くくる先生の魔法で少しは動けるようになったと思うけどよ。

(メアの言葉には、憶測だがそう返す。)>メア

メア > ん…そっか……

(あの二人の妙な体調の変化、あれと関係が無い
と見て安心する。)

九郎、ありがと……私、行くね…

(そう言って病院の方へ走り出す)

烏丸 九郎 > っ……!

(空に響く竜の声。その響きに力を感じ、その竜を、クオンを見上げる。
そして、その言葉を聞けば一瞬驚いた表情を見せる。)

先生…いいのかよ?
俺達、今あったばかりだぜ?
それなのに、助けてくれるのか?

(助けてくれるならば、その条件は何であろうと飲むつもりだが…)>クオン

ご案内:「常世公園」からメアさんが去りました。
烏丸 九郎 > ああ、またな。

あいつらになったらよろしく言っといてくれ…

(ひらりとメアに手を振り、その背中を見送る)>メア

クオン > 「生徒を助けるのは、教師の責務だ。だが、それよりも、何よりも」
 走り去る少女を見やり。快なり、と炎を漏らす。
「君の回りには、良い"ロマン"が見える。
君もまた、人の身で不条理に抗いたいと願うのだろう」
 その美しさはどの世界であっても変わらない。
心地良い、いつかに感じた安らぎ。
九郎の言葉には、ただ、笑みを返すように口を開け。
「二度目の問いは要らんよ。もしも君が嘘をつくというのなら。
私が君を食べてしまうかもしれないのだから」
 約束とは、そういうことだ。きっと。
この眼の前の少年は、それに臆することなどなくそれを果たすだろうと。
彼はそう信じていた。
「事の顛末が分かったら、遅くならないうちに知らせなさい」
 そう言って、竜はゆっくりと羽ばたいていく。
 巨大な竜。古に謳われし竜。ただただ、悠然と空を飛び。
「"青空教室"といえばそれなりに有名だ。もし次の"悩み"ができたらいつでも来なさい。
私はいつでも待っているよ」
 そう、最後に告げて。空の向こうへと消えていった。

ご案内:「常世公園」からクオンさんが去りました。
烏丸 九郎 > ロマン…

(去ってゆく竜の言葉を噛みしめる。
そんな大層なものじゃない。ただ、困ってる苦しんでる人は助けたい、それだけだ。
そして、その竜との約束、違えることはないだろう。
善は急げ、このことをソラとルナに伝える必要がある。)

ありがとう!クオン先生!!

(去りゆく龍の背中には、そう叫んでいた)

烏丸 九郎 > 俺も行くか…

(少年は駆け出した。
今はもうこんなところでへこたれてる場合ではないのだ。)

ご案内:「常世公園」から烏丸 九郎さんが去りました。
ご案内:「常世公園」に雪城 氷架さんが現れました。
雪城 氷架 > 「ッあー………」

肩が凝った
まじめに図書館で勉強なんて久しぶりだ
……大半の時間寝てた気もするけど

途中の自販機で買ったペットボトルのコーラを片手に、公園のベンチに座る

雪城 氷架 > じっとりと暑くなってきた時期、ますますコーラが美味しい

キャップを外して口をつけ、ごっごっと喉を鳴らして飲む

爽やかな炭酸が心地よい

ご案内:「常世公園」にスピナさんが現れました。
雪城 氷架 > 「あつー……」

リボンとシャツのボタンを外してぱたぱた
はしたないけど、今の時間は公園も人は少ないし、別にいいだろう

スピナ > 「…………。」

少し離れた横のほうから、座ってコーラを飲む少女をじっと見ている。
……主に手に持っているその飲み物を。

雪城 氷架 > 「……?」
と、視線に気づいて

向けた目線の先にいたのは…幼女だ
周囲に保護者の姿は見られない

スピナ > 「あっ……」

気づかれて、声を漏らす。
少しの間おどおどしていたが、その後少し近寄って

「あの……それ」

手に持っているコーラを指差す。

雪城 氷架 > やはり、近くに親御さんがいる気配がしない
まぁこの島だと、見た目だけ小さい子っていうのも珍しくはない

「ん」
これか?と手にもっているペットボトルを指差す

スピナ > こくこくと頷いて

「えっと、それ、どこで、とれる?」

欲しい、とは直接言わなかった。
甘えるのは我慢我慢。
自分で取れるものは取らないと、少女はそう思った。

雪城 氷架 > 「とれる…?」
買える、ということだろうか
少し変わった物言いに困惑する

「あっちの自販機に売ってるけど…金がないと買えないぞ…?」

スピナ > 「じはんき……おかね……?」

前者は以前聞いたことがある。
記憶をつなげると、つまりじはんきというのは
のみものがおいてあるところ、という認識がスピナの中で生まれた。

しかし後者は知らなくて

「おかね……よくわからない。
 わたし、スピナ。うみのせいれいさん。
 りく、よくわからなくて……。」

ちょっとだけしょんぼりしながら自己紹介をする。

雪城 氷架 > 「う、海の精霊…?」
久しぶりの非日常との邂逅でさすがにちょっと焦る
でもそれなら、幼い子にもかかわらず親が近くにいないのも頷けた

「スピナって言うのな、私は雪城氷架、ひょーか。
 …お金は、私達人間が円滑に取引をするための、みんなが大事にするものなんだ」
共通の通貨、をわかりやすく説明したかったが、難しい
対して頭も良くない氷架にはこれが限界だった

「これが飲みたいなら、少しやるよ」

今日は暑い
海の精霊だって喉が乾くだろう
そう思って、飲みかけのペットボトルを差し出した

スピナ > 「ひょーか……うん、わかった。おぼえたよ、ひょーか。」

名前を覚えるというのは友達の輪を広げること。
それはとても嬉しいこと。少女の表情が明るくなる。

「おかね、にんげんが、とりひき……えっと、だいじにするもの。
 おかね、だいじなんだね……」

よくわからないけど、お金は大事、ということはわかった。
今度その単語を聞いたら、思い出そう。

「……え、いい、の?」

差し出されたペットボトルに、遠慮がちに手を伸ばす。

雪城 氷架 > 「はは、よろしくなスピナ」
ふんわりと微笑んでみせる
子供は嫌いじゃないようだ

「うん。でもシュワシュワするからびっくりするかもしれないぞ?」

そう言ってペットボトルコーラのキャップを外してやる
黒砂糖の甘い香り

スピナ > 「ん、だいじょうぶ。しゅわしゅわは、すきだから。」

コーラを見ていたのもそれが理由だった。
最初におしるこコーラを飲んでから、すっかりくせになったようで。

「……おもしろい、いれもの。」

ペットボトルをまじまじと眺めてから、ゆっくりと口に注いでく。

「ん~~~しゅわわわ!」

一口飲むと、笑顔でぷるぷると震えだす。
この感覚、これが好きなのだ。
それからどんどんコーラを飲んでいく。

雪城 氷架 > 好きそうで何よりだった

思わずベンチで膝の上に頬杖をついて飲む様子を見守ってしまう
少女にしてはきっと珍しい、穏やかな笑み

「美味いか?」

スピナ > 「うん!しゅわしゅわ、すき!」

見せた笑顔は、純粋で無垢で、とても可憐だっただろうか。
その後もコーラを飲み続け、あっという間にペットボトルを空にしてしまう。

「ごちそうさまでした。」

満足気に、空になったペットボトルを抱えている。

雪城 氷架 > 「うん、その容れ物はな」
ベンチの横においてある金属製の大きな籠を指さして

「空っぽになったらココにいれるんだ、覚えとくんだぞ」

スピナ > 「ここに?」

籠にとことこと歩み寄って、ペットボトルをポイと入れた。

「うん、わかった。わたし、おぼえたよ。」

新しいことをまた一つ覚えた。
少女はやんわりとした微笑みを見せる。

雪城 氷架 > 「そうそう、それがルールだ」
ちゃんとできたな、と笑みを拍手を送る

幼女の屈託のない柔らかな笑みに
自分も釣られて微笑んでしまう

…こうやって素直に笑顔を浮かべることなんて、
ここのところなかったな・・となんだか癒やされている自分に気づく

スピナ > 「えへへへ」

拍手をされると、ちょって照れくさそうに笑う。
だけど、それはとてもうれしくて、心があたたまるような感じで。
……ふと、思いついたことを尋ねてみる。

「……そういえば、ひょーかも、がっこう、いってるの?」

雪城 氷架 > 「ん?あぁ、行ってるよ」
割りと学生街ではよく見るタイプの制服姿である
特に嘘をつく必要もない、素直に肯定して

「も、ってことはスピナには他にも学校にいってる友達がいるんだな」
と笑みを向けて

スピナ > 「うん!おともだち、みんな、がっこういってる!
 おべんきょうしたり、けんきゅー?したり、たのしそうなの!」

いいことがあったことを誰かに話すように
スピナははきはきとしゃべる。

「でね、でね
 スピナもね、もうすぐがっこう、いけるかも!
 いっしょにおべんきょう、できるかもしれないの!」

その表情はとても純粋で、好奇心に満ち溢れた笑顔だった。

雪城 氷架 > 「そっか」
嬉々として話してくれる目の前の少女
その言葉を、笑みのままに聞いて

実際には学校なんて楽しいことばかりじゃない
辛いことや面倒なこと、挫折だってあるだろう
でも

「はは、いっしょにべんきょう、できるといいな。スピナ」
そう言ってもう一度笑った

比べて自分はどうだろう
自分の異能の力で悩んで、頑張ろうと決めて
なのにちょっと単位が危ないくらいで逃げそうになって

「……なんかスピナと話したら元気出たよ」
よいしょっとベンチから立ち上がる、ぱたぱたっとスカートのおしりを払う

スピナ > 「うん!ひょーかも、いっしょにおべんきょう、しようね!」

スピナはまだ、学校というものをよく知らない。
人から聞いた部分……お勉強できて、楽しいところ、という点しか聞いてない。
だから、学校の辛さ、闇……そんなものをまだしらない。

だからこそ
影のない、眩しい笑顔を見せることができるのだろうか。

「ん、ひょーか、もういくの?」

立ち上がった少女を見上げる。

雪城 氷架 > 「うん、私も おべんきょう しなきゃいけないからさ」
課題のノートを作ろう、頑張って
単位はギリギリでも落とさない、そう決めていたのだから

「またな、スピナ。またコーラ、奢ってやるよ」
カバンを肩に担いで、ひらひらと手を振り、公園から出て行くのだった

ご案内:「常世公園」から雪城 氷架さんが去りました。
スピナ > 「ん、またね、ひょーか!
 コーラ、ありがとう!」

見えなくなるまで手を振って、それから自分も、帰路へついた。

海の方面へと、歩いていく。

ご案内:「常世公園」からスピナさんが去りました。
ご案内:「常世公園」にロウゲートさんが現れました。
ご案内:「常世公園」にシィレさんが現れました。
ロウゲート > 「そろそろこの姿になって1週間と少しか…」
ベンチで丸まるように寝転がっていた黒猫が、ぽつりと口を開く
先ほどまで野良猫とナワバリを争っていたのか、その体はボロボロだ
体を休めるように寝ていた

「そろそろ単位も危ない所だな……もうしばらくすれば戻れると思うのだが…」
自分の身分は学生なのだ、あまり本業を忘れてはいけない
仮の身分とはいえ、おろそかにするのも問題だ
バックについている場所に、連絡だけはして貰っているが
それにしてもこの姿では、電話ひとつかけられない
不便なものだ、と思いながら、ごろごろと寝転がっていた

魔力の回復まではもう少し、戻れば、肉体を取り戻せるのだ

シィレ > 「……ぷは」

人気の消えた公園。その一角にある池
そこからちゃぽん、と姿を見せたのは、その池に済む小さな人魚。


人気の消えた夜の公園はやっぱり静かで、人魚はそんな静かな公園が好きだった。
今夜も、人気が消えたのを見計らって池から身を乗り出した
……つもりだった。

「……ぁ」

いつも身を預けている石畳に乗り出そうとしたその時。
いつも視界の端に映るベンチ、その上にいる黒猫が目に映った。

そう、忘れもしない……“あの時の”。


「!!!」


▼にんぎょは あわてて いけのなかへ にげかえった!

ロウゲート > ぴく、と猫の機能を有する耳が跳ねる
何かいるようだ

「ああ、あの時のデミか…」
うつらうつらとしていた所に反応し、立ち上がる
今は体のほうがあまり万全ではなく、理性のほうが強い為
先日のようにいきなり肉球で救い出したりはしないだろうが

それにしても、何だ、ここに生息しているのだろうか
「おい…」

トン、と一つ飛びで池のほとりに跳躍し
水面に向けて呼びかける
「この間は悪い事をしたな、まあお前の価値というものは判った
だが今はそんなに急いで魔力がほしい訳でもない、何か危害を加えるつもりもないから出て来い」
特に用事がある訳でもないが、なんとなく声をかける
普通に好奇心だったのかもしれないし、居合わせた縁だ

シィレ > 「……。」

こぽこぽ・・・。
暫く水中に籠城していたが、半ば観念するかのように姿を見せる。
実は、相手が完全な人間でないなら、まだ姿を見せることには比較的抵抗がなかったりする。

「……ぷ、は」

水面から姿を見せ、改めて相手があの夜の黒猫であることを確認する。
最初は、嫌味や文句の一つでも言ってやろうかと思っていたところ……だった、が。

「……ぁ……。」

目の前に映るその黒猫。あの時の黒猫とはいささか様子が違った。

「………。けが、してる……」

目を合わせるまで恨めしげだった表情が、少し心配そうな顔に変わった。

ロウゲート > 「ここに住んでいるのか、ここは人も多く、空気も綺麗とは思えない
 住むのに適した環境ではないと思うが」
公園の池にどんな事情で住んでいるのか
まあそんな事を聞く理由など、本当はないのかもしれない
だが、変わった事象であるのは確かだ、強いて言うなら野次馬めいた質問

「ああ、これか、野良猫というのも大変なのだ
 普段甘受しているインフラの偉大さは、こういう時に確かめ直さねば
 元の世界に戻った時に不便になるからな、舐めていれば直る」
脇腹の辺りに僅かに切り傷がある、他の野良とモメた時に切ったのだろう
他にも傷はあるが、まあ野生とはそういうものだ

「まあ、なんとなく声をかけただけだ、俺が好きでないなら、水の中にでも潜っているといい」

シィレ > 「……ん、ん。で、も。わたし、ここ、しか……しらない。から」

物心ついた時から、というより、記憶のあるうちからもうずっと住んできたこの池だ。ただ、愛着がある、というよりは、此処しか知らない、と言った方が最適だろう。

「……のら、ねこ。…もとの、せかい?」

“元の世界”とは、何を指しているのだろう?
小首を傾げてみるが、ぱっと思いつくものはない……。

「……。」

そして、黒猫は手を出すつもりはないらしい。本当のところならこのまま水中へ帰ってしまうところなのだが……。

「……けが、してる。ほうっておく、と……よく、ない、よ」

怪我をしている部分をじっと見つめ、そう告げる。如何にあの仕ような打ちを受けた相手だとはいえ、放っておけない、といった様子で。

ロウゲート > 「そうか。」
ここしか知らないか、確かにこの世界には
自分が元居た世界とは違って川や野山は少ない
自分の知るような場所に放流した所で、ここは孤島だ
すぐに海水に合流してしまうだろうしな、と思案する

いや、そんな事を考えてどうする。
どうにかしてやりたいとでも思ったのだろうか
無いな…フイ、と首を振って

「そうだな…少し痛むが…まあ余計な魔力は使えんし
 病院にも野良では行けないからな」

放っておく以外ないだろう、と、その一般論的な言葉に返す
この体では、人類である恩恵は得られないのだ

シィレ > 「……? びょう、いん……?」

“病院”というのは、その傷の治療を行える場所、というところだろうか。
話を聞くに、どうやら自分で治療するのは難しい、といった様子がうかがえる。

「……。」

少し考え込むような仕草を見せたあと、少し思い切った表情になり

「……わか、った。えと……」

黒猫を見上げ、小さな手をちょいちょいと伸ばし

「…きず、みせて。もっと、ちか、く」

どうやら考えがあるようだが…。