2015/07/20 のログ
東雲七生 > 「俺が知るかよ……けどまあ、妹なんだ、ろう、な。
 もしかしたら姉かもしれないけど……。」

(今度会ったら確認してみるか、とお冷のグラスを傾けながら思う。)

「へー、そんな細っこい体のどこに蓄えてんだか。
 けど食い溜めとか出来るんなら便利そうだな、ちょっと羨ましい。

 えー、ペペロンチーノも知らないのかよ?
 神様なのに?破壊神なのに?知らないの?」

(へぇー、そぉー、とニヤニヤしながら蒼穹の顔を覗き込む。
 ちなみにペペロンチーノ大盛りで1054円だった。
 もう一品頼んでも2000円には及ばないだろう。)

「だからやめろよそーゆーの。バイトが困るだろバイトが。
 まったく、ペペロンチーノも知らなかったくせに……。

 ステーキ?……まあ、良いんじゃねえの?」

(目の前の少女がそれで良いと言わんばかりに決め顔をするものだから、
 もっと安くて美味い店あるぞ、なんてとてもじゃないが言い出せなかった。
 傍目に見れば、他愛無い、何処でも見られる友人同士の早めの夕食に見えるのだろうか。)

蒼穹 > …んまぁ、何だろう。
姉な気がするなぁ。勝手な想像なんだけどね。
(やっぱり小さいイメージが強く。そうであるなら姉の方がと想像しつつ。)

あっはは、細っこいのはお互い様でしょうに。
そだねー…冬眠もやろうと思えばできるくらい。
食べなくても良いし、食べても良いって感じ、実際人からすりゃ便利だろうね。

私は邪神様です。
いや、知ってるよ。パスタでしょ!
(ぶるん、と人差し指を立てて推理めいた事を述べる。いやパスタだけどもと突っ込まれそうな一言。
うんいけるいけると、値段を見て頷く。デザートなんか頼むのも良いかもしれない。
…奢る側がそういう事を言うのも野暮か。)

東雲君はファミレスのバイトの何なんだー!
いや知ってる。知ってるからね。
いい加減私の事馬鹿にしてたら怒るよ?
大体誰が今日は奢ってあげるんだと思って…。
(むぅ、と頬膨らませたり、口をいつもより大きく開けて喋りながら半怒りモードに突入。
因みにきっとお互い冗談半分でこれも微笑ましい日常の一コマであることは今更言うまでもない。)

いやさぁ、もっと反応しようよ。
ステーキだよ、ステーキ!食べたいものを食べるんだー!!
って事でさ、「うわー俺も食いてー」とかないの?ん?
(多分さっきの時計塔みたく心を込めた棒読みが返ってくるだろうことを予見している。
値段と美味しさについては…あまり言及しない。こういうのは本人が満足していればいいのだから。)

東雲七生 > 「姉かなあ、やっぱ……。
 まあ、ダチとはいえ人の家庭の事情に首突っ込むわけにもいかねーよな。」

(気にはなるけど踏み込んで良いのか悩む、とフォークを手に取って弄びつつ。)

「俺は好きで細いわけじゃねーの!!
 ホントなら腕も胴ももう一回り太くっても良いのに……。
 冬眠かあ……なんか蛇みてえだな。」

(ひひ、と屈託無い笑みを浮かべながら言う。
 どうして蛇なのかは、単純に冬眠する生き物で真っ先に思い浮かんだだけだ。)

「パスタだよ。じゃあどんなパスタだよ?
 ほらほら~言ってみろよ~。
 頑張って働いてんだからそういう事しちゃ可哀想だろって言ってんの!
 蒼穹だって、バイトしてみりゃ分かるよ。
 
 ああ、はいはい。悪かった悪かったよ。
 蒼穹の奢りだもんな?わーい、邪神様だいすきー。」

(棒読み再び。だった。
 まだ料理が来ていないのに機嫌を損ねられても困る。
 しかし一度からかい出すと止まらないのも人のサガだろう。)

「いやまあ、美味そうだなーって思うけどさ。
 今日は何て言うか、肉って気分じゃないんだよなあ。
 大して体動かしてないからかも。」

蒼穹 > だと思うー。
そだね…程々に。…はぁ、東雲君は御友達多そうだもんねぇ。
(友達の友達って結構気まずい関係になったりするのだが、彼はあんまり気にしない性格なんだろう。
故に友達の友達ともすぐ友達になる。実際己もそうだった気がする。)

…はい?そうなの?
んん、まぁ、よく食べなよ、東雲君よ。はは、まだまだ大きくなれるだろうさ。
(根も葉もないことを言って朗らかな一笑。)

だーれが蛇だ!!ってか失礼だよね東雲君さっきからッッ!!

(むっすー、と終始彼に乗せられっぱなしである。
冬眠と言う言葉を出した己も悪いのだが。)

ん?そりゃあれだよ、ほら…。
ええとぉ…ええとぉ…。
(目が泳ぐ。真正面にいるから余計に困った顔をしているのが分かるだろう。)

んまぁ、バイトねぇ…。
あんまり良い思い出がないかな…あっはは。
…はぁ、もう結構。
東雲君…、そうやって憎たらしいことばっかり言ってたら破壊神様天罰下しちゃうぞー?

(がたん、と音を立てて椅子から立ち上がる。向かい側の席へと向かえばその頬を抓ってやろうと。)

ふーん、そうなんだ。
いつもはランニングに神社行ってんだっけ?
肉は良いよ、肉は。
ほれほれ。
(メニューに書かれたサーロインステーキの写真を見せつけながら。)

東雲七生 > 「程々に、か……まあ、そうだよな。分かってるって。
 え?俺?……そうかなあ、普通だと思うぜ?普通普通。」

(一度会ったら友達精神はとても便利なのである。
 でも毎日会ったら兄弟というわけではないのだが。)

「そーなの!!
 ふん、言われなくとも食うし!そしてでかくなるし!!」

(むす、とむくれっ面で宣言する。もちろん確信なんて無い。)

「あれ?……蒼穹、蛇嫌いだった?」

(きょとん、と少女の顔を見つめる。
 東雲自身にそのつもりは全く無かったのだ。)

「ふっ、くくくく……。
 何だ、普段偉そうにしてる割りに、そういう可愛い顔もすんじゃん。」

(困り顔の蒼穹を見て、意地悪く笑みを浮かべて告げる。
 しかし、それも頬を抓られるまでの短い間だった。)

「あいてててて……ご、ごめんっふぇば、そーひゅー。」

(半笑いで頬を抓られ、目じりに涙を浮かべて両手を合わせる。)

「肉……ねえ。
 最近暑い日が続くし、夏バテ防止にも食っときたいけど……。
 だぁかぁら、今日は気分じゃねえんだってば!」

(日を改めて食うさ、と頬を膨らませた。)

蒼穹 > ん、ならよろしい。
普通と常識なんて言葉はさぁ、常世にゃ存在しないんだよ東雲君。
(ちょっとずれた話で切り返しつつ。けれどどうも普通というのはこの島には存在していない気がする。
といっても、彼はどちらかといえば今見たところだと普通の部類なんだろうが。)

ほうほう。
…やーい、おちびちゃん♪
(ついにこの腐れ神様言いました。触れてはいけない事項に。
ただのじゃれ合いだが。互いふくれっ面を見せあってる気がする。
ので。)
んまぁさぁ、そうやって怒んのも良いけど、もっとマシな顔しなって。
(ぽん、と彼の肩を叩く。)

…ま、女の子はああいうけだものは嫌いなんです。
うねうねしてるし、舌もちろちろしてるし。
気持ち悪くない?
(自覚がなかったようなので改めて己の蛇に対する見解をば。)

…偉そうになんかしてなーい。
してないもーん。ってか可愛い顔って何さーっ!!
ああーもう、許せないね、信じらんないよ東雲くーん。
(一方的に言葉を投げかけながら右に左に上に下にと頬を抓りぐるぐる回す。
ゆさゆさと揺する様に彼の言葉に反論を述べた後。)

本当反省してるー?
(片手を離して、彼の顔を覗き込んでみる。その目は…若干疑心暗鬼を生ず。)

ううん、残念だね。
これじゃあ自慢になんない。
ま、いっか。そんじゃ、そろそろ注文しよっ。
あ、私ドリンクはソーダにしよっと。

(そうして、そろそろかなと互いの注文を述べるだろう。)
(暫くすれば、店員からペペロンチーノの大盛りやらステーキやらが運ばれてくるだろうか。)

東雲七生 > 「いや、確かにそれは一理あるかもしれないけどさあ……!
 それでも俺のダチの数なんて、普通としか言いようが……。」
(指折り数えながら主張していたが、あまり功を奏しそうにないと見て肩を落とした。
 見るからに“普通”“平凡”を体現しているかのような東雲だが。それは彼の隠れた努力の賜物だったりする。)

「うぎっ……お、ま、え……
 ふ、ふんっ!うっせ、貧乳。」
(流石にカチンと来たらしい。売り言葉に買い言葉で言い返したが。
 多分色んな方面に同時に喧嘩売った気がした。)

「なんだよマシな顔って、いつもこんな顔してますー。ぶー。」
(完全に不貞腐れている!)

「へえ……そうなんだ?
 なんかこう、可愛いと思うけどなー俺は。
 まあ、そうなら気を付けるよ。また迂闊に話振って嫌な思いさせるのも嫌だし。」
(意外そうな顔で頷いた。
 同じ失敗を他の女子に対してしてしまわないよう、心に刻む。)

「あぅあぅぁー……」
(されるがままに頬を引っ張られ、顔の形を変えながら呻き声だけ上げる。
 片頬が解放されれば少し涙目をこすって頷いた。)

「反省してるしてる。海よりも高く山よりも深く。」
(その目に偽りは無さそうだ。
 ただし、反省はしても再犯しないという保証は無い。
 というか──多分、する。)

「ああ、そうだな……。
 あ、俺も飲み物。コーラにしようっと。」
(蒼穹に併せて自分も注文した。
 料理が運ばれて来れば、幼い子供の様に満面の笑みを浮かべる。)

蒼穹 > それがいいんじゃないか。
普通に御友達を作るってさ、大分難しいんだよ?
ほれ、そんなにいるんだからね。
(指折って数えるのは友達の数か。きっと片手では足りず、両手でも足りないだろうその仕草を指差す。)

…は、はい?
ひ、ひんにゅー?!ふっざけんじゃないよ!!
いや、あるから。一応並乳だから。多分!え、何?ふくらみが見えないの?
あとそれ女の子に言ったらだめだからね、おちびちゃん。
(正直己のそれは大きいとは言えないが、小さいとも言えない。
しかし、どう考えても相手が乗ってきたので、釣られて怒るのであった。
だが、店内である。いい加減自重しなければ…。)

…はい、
そだね、いつも通りの東雲君です。釣れないねぇ…。
(ふーん、とそれを宥めるでもなく不貞腐れが伝播したように頷くのだった。)

蛇好きな人多いよね。私はあの良さは分かんないけど。
私がちょっと異端なのかなあ。ん、ま、気にしないで。
(割と真面目そうだったので、一応こちらも大丈夫大丈夫と後付。)

…おいおい、ちゃんと聞いてたかい?東雲君。
(むっとした顔で、相変わらずもう片手は頬を抓ったまま。)

ふん、次やったらまじで許さないから。
(そう言って、もう片手も離すのだった。再犯するのはいつの事か。
次やったらどんな目に合わせようかと予見を交えて踵を返す。
はああ、と溜息を吐きながら席につくのだが…。)
んまぁさぁ、楽しいお食事なんだから、もうちょっと楽しくやらない?
(結構真剣である。おどけ合うのもいいのだが、行き過ぎるといけないと懸念して。)

んじゃ、頂きましょっか。
(そうして、食事を始める。フォークとナイフを握り、じわりと肉汁溢れるステーキに切り込みを入れる。
至福の一時が訪れるのであった。)

東雲七生 > 「そうなの……か?
 いまいちピンとこねえなあ……作る、ったって俺が一方的にそう思ってるだけだぜ?」
(もしかしたら向こうがこっちを友人とは思ってない相手も含んでるかも、と自分の手を見つめて呟く。)

「ふんっ、残念だけどそうそう言う様な相手なんて居ね……。」
(結構居たわ、と今更自分の言葉の重みを認識した。
 目の前の並乳に及ばない知り合いも結構居る。また並乳が足元にも及ばない知り合いも居たが。
 我に返ったところで周囲の目に気付き、赤面して居住まいを正した。小さな体躯がさらに小さくなる。)

「俺だってもうちょっと楽しく食いてえよ。
 まったく、何でこんなとこで程度の低い言い争いをしなきゃなんねーんだか。」
(その程度の低い言い争いが心から出来る相手が居るのもまた、幸福だとは密かに思っているのだが。
 そんな事はおくびにも出さず、軽口をたたく。)

「おう、いったっだきまー!」
(ペペロンチーノをめいっぱいフォークに巻き取って口へ運ぶ。
 抓られて赤くなった頬をぱんぱんにするまで頬張って、咀嚼し、飲み込んだ。
 その顔いっぱいに幸せそうな笑みを湛えて。)

蒼穹 > そんなもんだよ。
作れたって思える相手がいるんなら上出来じゃん?大切なもんだよ、そういうのはさ。
孤独って言うのは、つらいもんだってね。気さくに腹を割って話すことが出来る人、いると良いよね。
(いつにない結構しんみりとした口調であった。)

はい、言葉の重みには気を付けよう。
ってか貧乳とか言わない。そんなにでかいのが好きか、流石思春期の男の子だね。
この年の男の子って言うのは皆そうなのか…やれやれ、呆れたもんだよ。
(しかしながら、赤くなった顔を見れば初心なんだなぁと分かるのだが。)

あっはは、悪い悪い。
ってもまぁ、何なら程度の高い話題を提供しようか?
それも絶対言い争いが起きなさそうなくらい高次元の話。
―――ブラックホールについて議論するとかどうよ。
(どうよ、じゃないと言われそう。
彼の思いも露と知らず、高次元どころか異次元へと方向転換するのだった。)

おいおい、んな焦って食べなくっても。
…ま、いーけどさ。ゆっくりいただくよ、私はね。
(正面に見えた光景は、やっぱり微笑ましいものだった。
ゆっくりと肉を分断しながら、口に入れる。良い旨みが広がる。
やはり、お肉は高級なものを食べるに限る。御飯も進む。)

東雲七生 > 「まあ、そうだよな。
 少なくとも孤独とは暫く縁が無いかもしんない。
 何たって明らかに俺より先に死にそうにないのが今目の前に居るし。」
(しんみりしている蒼穹とは対照的に、けらけらと笑いながら。)

「べっ!!別にそんなことねーし!……いや、どっちかと言えばーって感じではあるけど、その……じゃなくて!!
 何勝手に呆れてんだよ!少なくともお前だけは絶対そんな目で見ねえし!」
(真っ赤なまま反論するがいまいち説得力に欠ける。
 仕方ないね、大きい方が好きだからね。男の子だもん。)

「やだよそんな小難しい話。
 俺頭悪いんだからさ。ブラックホールなんて、見たこと無いから分かんねーって。」
(半眼。じとーっと冷たい視線を送る。)

「別に焦ってねーしぃ。美味いもんはこう、ガッツリ食わないと!
 じゃなきゃ食った気になんねーの!冷めちゃうしさ!」
(肉を食む蒼穹へと、口の端にニンニクの切れ端を付けた笑顔を向ける。
 普段から幼く見られがちな少年は、食事の時は更に幼さが浮き彫りになる。)

蒼穹 > …ふふ、そだね。
長生きするのも、孤独ってのもつらいもんだよ?
東雲君には本当縁がなさそうだけどさ、…そういうのはさ、羨ましいな。
(相変わらずしんみりとしたまま、小さく薄く笑い返して。割と切実に孤独のつらさを訴えかけるのは、己もそれを経験した故か。)

おうおう…。
ああそう。それはひどい。切実に泣ける。
私は女の子なんだけどもなぁ、残念ながら東雲君はわたしにゃ手を出さないと?
そういいきるんだー…へー?
ポジション的にはあれですか、男の子の御友達と変わらない扱いですか。まぁいいけど。
―――その割には随分必死で顔真っ赤だけど?
(にんまりと悪戯心満載な笑顔での指摘。因みにさっきも書きましたが蒼穹さんは小さくはありませんがあんまり大きくもありません。並盛です。因みに東雲君のペペロンチーノの大盛です。)

ブラックホールは理論上人間には観測しきる事は出来ないんだってさ。
んじゃあそうだね、何かあるかなぁ…。
ああ、そうそう…結局海にはもう行ったかい?
(近況報告めいた話題へと転換。)

ああ、確かに熱いうちにーってのはあるかなぁ。
あっはは、だからってさ、そこまで焦る事もないと思うけどなぁ。
そんなにこれおいしいんだ。
(そういえば、彼の食べたいものを食べにここに来たのだ。幸せそうな表情も分かる。
そう思って肉を口に運ぶ。…孤独でない食事は、良いものだ。
こうやって笑い合いながら食べられるなら、尚良い。)

ご案内:「ファミレス「ニルヤカナヤ」」に久我山千里さんが現れました。
久我山千里 > ≪いらっしゃいませ、ニルヤカナヤへようこそ!≫
センサーに反応した電子音が店内に響き渡る。

「う。」
『あ。』

下宿を出た千里が向かったのは学生街のファミレス。
学生街なのと、こんな時間なのとで安心しきっていたが、先客がいたようだ。
24時間営業のファミレスなのだから、客足はそうそう途切れるわけがない。
さりとて、おなかはへっている。

「(どうしようどうしよう)」
『(これで回れ右したら挙動不審者だよ)』
「うー」

ついでに言うなら、ファミレスに入ったというのに逡巡している時点ですでに挙動不審者確定である。

「お好きな席へどうぞ」
ウェイトレスに案内されるまま、
先客の邪魔をしないよう、そろりそろりと反対側の席を目指す。

・・・くんかくんか
「(ああこの香ばしいにんにくとオリーブオイルの混ざったにおい、ペペロンチーノかな、おいしそう)」

東雲七生 > 「蒼穹……。」
(まだ15年しか人生を送ってない東雲には、その重さをはかり切れずにいた。
 ただ、漠然と、この少女の表情はあんまり好きじゃない、とそう思うだけだ。)

「えっ!?
 いや、だって、そりゃ、お前、何を、ばっ、か!?
 べ、べべ、別に!!嫌いではねーよばーか!!!」
(真っ赤な顔のまま口を開けたり閉じたり。懸命に言葉を出そうとしては失敗している。
 あんまりからかい過ぎるとオーバーヒートしてしまうだろう。
 大盛りペペロンチーノは大盛り分は殆ど食べられてしまっている。)

「へ、へー……。
 あ、海?……それが、もう行ったんだよなあ。
 いやさ、もともと行く予定はあったんだけど、結構トントン拍子に行く日取りとか決まってさ。
 ついこないだ行って来たんだ。」
(近況報告。ぷち修羅場も経験した様な、しなかったような……。)

「だから焦ってねーって!!
 でも結構すぐ冷めるからさ、焦りはしないけど急ぐよな。
 おう、美味いんだぞ!蒼穹のステーキも美味いだろっ?」
(満面の笑み。心からの笑みは見る者にも自分の感情を分け与えそうである。)

蒼穹 > …あっはは、ちょっとじめっとさせちゃったかな?
破壊神様ってのはさ―――うん、…ま、やめとこっか。
(折角の楽しい食事の場だし、これはただの昔話。いつか話のタネになるかもしれないけれど、今日この日に言うべき事じゃないだろう。
それに、何だかんだでこの手の話は、彼の前でやったし、きっと思わせぶりな表情を見せたのは一度きりではないはずで。)

おうおうおうおう…。ツンデレかい。
あっはは、まぁ東雲君くらいになったらさ、男の子も女の子も御友達一杯いそうだし。
一人や二人くらい彼女もいるんだろうね。
私はキミのそういう世知辛い恋愛事情を枠の外でニヤニヤしながら見させてもらうさ。
(或いは、的を射ているのかもしれない。因みに己は彼が色々水着だの修羅場だのやってたのは知らない。
知らないが、言葉に違わずニヤニヤしていたのだけは事実だった。
…体の大きさとは裏腹に食事が早いと驚愕。)

おー、そっか。
そりゃよかったねー。んで、泳ぎに行ったのかい?
何にしても羨ましいね。
私は海の家ってのには行ったんだけど、実際の海水浴はしてないんだよねー。
(同じく、初夏の近況報告。因みに泳げない。水は泳ぐものではなく壊すものです。)

焦ってんじゃんっ。まぁ分かるよ?早いこと食べたいってのは。
ってか実際もうほとんど残ってないしね。
うん、美味しいよーこれ。やっぱり食べたい時は重厚なお肉を頂くに限るね。
(かく言う己は半分くらい平げたところか。にこやかに友人とお食事を頂く至福の一時。)

久我山千里 > はじっこの、奥のほうの席に落ち着くと
「あの、ペペロンチーノひとつ」
『こんな夜中に?』
「だっておいしそうなんだもん・・・」

こんな時間だからこそ、という意見もある。
千里は運ばれてきたペペロンチーノをぺろりと平らげると、

来店した時と同じように、そろりそろりと退店するのであった。

ご案内:「ファミレス「ニルヤカナヤ」」から久我山千里さんが去りました。
東雲七生 > 「……ぅー。」
(別に料理が不味くなるわけでもなかったが。
 それでも何か喉の奥で引っ掛かるような気持ちがまとわりつく。
 時折見せるそんな表情にどうしたら良いのか、未だ分からなかった。)

「ツンデレじゃないっ!!
 ひ、ひ、一人だけでいっぱいいっぱいだわ!?しかもまだ居ねえわ!?
 俺には恋愛なんてまだ早いって……!いや、マジで!
 ぐぎぎぎぎ……何だその余裕。何だその余裕!!」
(この破壊神にも浮いた話くらいあれば良いのに。
 心からそう思いながらお冷を飲み干した。)

「ああ、泳いできたぜ。ダチと一緒にさ。
 そのうちまた行きてえなあって話もしたし、その時は蒼穹も一緒に行くか?」
(首を傾げながらにこにこと笑っている。)

「俺が焦ってないって言ってんだから焦ってねーの!
 まあ、ほら、ゆっくり食ってるとさ、食ってるうちに腹一杯になってきちゃうじゃん。
 だから食う時は一気に食う!そう決めてんの!」
(にひひ、と笑いながらペペロンチーノを頬張る。
 麺と共に幸福も噛み締めるかのように。)

蒼穹 > あっはは…うん。何か…ごめんね?
(しんみりと孤独を拒絶する己と対岸に座る彼は、一方一体どんな表情をしているのか。
だけれど、今は、これを掘り下げてもどうと言う事にもならない。)

ツンデレっしょ。べ、別にっとか言った時点でツンデレです。
っていうか"まだ"いないのね。もうすぐできるのね…そう。
あらら、んじゃ恋愛すっとばしてその先に言っちゃうのかな。
Hの先にIがあるのは、なんて…言ったもんだけど。
ふふ、ま、私も一応破壊神様だからね、恋愛沙汰の経験も無くはないのさ…大方忘れちゃったけど。
(経験者の笑みと言うか、年長者特有の余裕の笑みと言うか。
何にしてもやっぱりこの邪神は16じゃないということだけは確か。)

ふーん、そなんだ。
やっぱり御友達となんだ…。
ん?あ、うん!良かったら是非御一緒したいな♪
(御誘いには快く頷く。といっても泳げないので荷物の番しながら砂の御城作ることになりそうだが。)

あーはいはい。
分かりました。分かりましたから。…ん、もうそろそろ食べ終わりそうだね。
んじゃ、私もスピードあげますかっ。
(もぐもぐと食器を握った両手を早める。それでも、やっぱり美味しいことに変わりはない。
みんなで一緒に食べる食事と言うのは、良い。…といっても、二人だが。)
…海に行った帰りには、またその御友達も連れてここに寄ってみるかい?
(自然とそんな提案が頭に登った。)

東雲七生 > 「いいって。気にすんなよ。
 今のお前には俺や、……“俺ら”が居んだろ!」
(にっ、と笑う。笑うくらいしか出来ないから。
 自分の不甲斐無さを思い知りながら、東雲は笑う。)

「何ッだよその基準!
 しばらくその予定は無いけど!!何が起こるか分かんないからな!!
 ていうか、恋愛素っ飛ばすって……その先って、え、えっち……ぁ?」
(ばすん、と音を立てて耳まで真っ赤になった。
 そのまましばし動きが止まる。処理限界を超えたようだ。)

「んまあ、一人で行ってもする事も無いからさ。
 あ、でも今スイカ割りのイベントやってんだっけ、一回一人でやってみても良いなー。
 よっしゃ、じゃあ蒼穹も一緒に行こうぜ!なっ!」
(相手が泳げない事など露知らず。期待を込めた笑みを浮かべた。)

「冷めたら味も半減だしさあ。
 けど、まあ、やっぱ誰かと一緒の飯ってのは美味いな。
 ……え? ああ、うん……そうだなあ。時間があればそうしてえな!」
(提案には笑顔で頷いた。その“友達”が誰なのか、そもそも何人になるのかはまだ分からない、が。)

蒼穹 > …あはは、それもそう、だね。…うん。
いるよね、…大事に、したいよ。今の私と、その周り。
(少しだけ躊躇いがちに言葉を紡ぎながら、いつにない仕草でおずおずと頷く。
或いは、幽かに笑い返しながら。昔の事に囚われていても、どうしようもない。)

しばらく、ないのね。…しばらくってどのくらいなんだろう。
あ、あれ?…東雲君?
おーい、東雲くーん。
(まるで機械の様だ。オーバーヒート宛らの状態の彼にきょとんと首を傾げた後、手を振ってみる。
もしもーし、なんて声をかけながら固まった彼に呼びかけ。
…からかいすぎたかな、とてへっと悪戯な笑みを浮かべるのだった。)

ううん、そだね。
そういえば何か催し物一緒に行くのってこの間のお祭り以来かな。
あの時はツバキって子いたけど。
うん、行くよっ、って言っても私はあんまりする事なさそうだけど、御同伴だけでもっ。
(海は別に泳ぐだけではない、足を水に付けて海の中を闊歩することも出来る。
と、割と開き直った考えを見せることもなく、前後の考えもなく頷くばかりだった。)

そだね…うん、こういうのしてるとさ、改めてああ、孤独じゃないんだな、って思う。
それに…美味しいよね。
だから、またこうやって誰かと食事したいって思うよ。
(切実な願い。といっても、己もその友達が誰かは一切分からないけれど、まさか己より常軌を逸した人物が現れる訳もなかろうと半分慢心のような心持ちでもあり。)

東雲七生 > 「………。」

(ぷすぷすぷす、と頭から白煙が上がりそうな雰囲気だ。
 年頃の男子にしてはその手の話題はとことん初心である。
 理解が出来ないわけではないのが余計に性質が悪い。)

「……う、ぁ、ああ。そうだっけな。
 まあ行くだけでも楽しいもんだし、良いんじゃねえかな。
 海の家で何か美味いものも売ってるだろうしさ!」
(海で泳ぐだけがレジャーじゃない、と力強く語る。
 泳げなくても楽しむ方法は幾らでもあるらしい。)

「おう、お前は今、独りじゃねえんだからなっ!
 だから、あんまり寂しそうな顔すんなよ。」
(─俺で良ければ、幾らでも一緒に飯食ってやっから。
 流石にそこまで言うのは気恥ずかしかったのか、ペペロンチーノを掻き込んで誤魔化した。)

蒼穹 > し・の・の・め・くーんっ!!
(壊れてしまったのだろうか。流石破壊神たる私。いや違うし。
だがしかし、その様子はどうにも壊れてしまったそれを思わせる、哀愁漂う姿だった。)

そだね…うんうん、ま、御友達と親睦を深めたり、
新しいお友達が出来たらいいなーって思いも込めてさ。
ああ、海の家ね。カキ氷なら食べたよ。
(少し前の事を思い出しつつ軽く海へ赴くことの談笑。
さていつになる事か、結構待ち遠しい。)

ん、そうだね…あっはは、なるべくならそうするさ。
それに、確かに今は一人じゃないからね。うん…っ!
(誤魔化されれば、それを見ることはできない。
それを隠されたとも知らずに、不思議に思う事もなく己も食事を続けるばかりで。)

東雲七生 > 「はっ!! えっと、はい!大丈夫!!」
(我に返ってこくこくと何度も何度も頷く。
 完全に意識が遠のいていたが、もう大丈夫そうだ。)

「ああ、そうだな。
 蒼穹はもっと友達作るべきだしな!
 かき氷かー、俺まだ食ってねえんだよな。今度行ったら食おう。絶対食おう。」
(東雲もまた心から楽しみにしている。
 元来友人とわいわい遊ぶことは何よりも好きな性分だ。)

「んっく。……分かればよろしい!
 さてと、ごちそーさん! はー、食った食った。」
(満足げな笑顔でコーラを飲み始める。
 コーラは別腹とでもいうのだろうか)

蒼穹 > …おー、戻ってきたか。
ん、何処にトリップしてかは知らないけど取り敢えずおかえりっていっとく。
(ひらーっと返ってきた彼の前でもう一振り手を振っては満足気に頷く。
どうやら彼はこの手の話をすると吹っ飛んでしまうらしい。過剰反応していたし、彼もそういうお年頃なのだろう。
はてさて、そんな初心な彼が恋愛沙汰を経験するのはいつの日か。
もしかしたら、そう遠くないところにまで迫っているのかもしれないけれど、それは己には知り得ないことで。)

そだね…っ。もっと御友達が増えればいいんだけどなぁ。
そういえば、誰と行く予定なの?ひょっとして私の知り合いだったり…は、しないか。
金時は高いけどお勧めだよ。アイスクリームの方が私は好きだけどさ。
(御友達が増えればいいというのが切実な願いなのは言うまでもない。話すのは好きだし、
馴れ馴れしい己の在り方は御友達が欲しいという事の裏返しで証明で。)

…ん。
(それから、彼が食事を終えて、数分経った後。)
ごちそーさまーっ。ふぅー。
(己も、両手に握った食器を置いて、豪快にコーラを飲み始める。
ファミレスのコーラは氷でかさましされているが、それ故の贅沢感。
お肉の旨みを炭酸水で洗い流してしまうのは勿体無いかもしれないが、
美味しかったしもういいか。)

東雲七生 > 「あ、う……ただいま。
 いや、何がおかえりだよ!おかしいだろ!ったくもう!」
(意識が戻って早々噛み付かんばかりの勢いで捲し立てた。
 どこまでトリップしていたのか自分でも判らなかったが、分かったところで何も嬉しくない。
 とにもかくにも、東雲は恋愛なんてまだまだ遠い話だと自分で思っていた。)

「もっと色んな奴に話しかけてみりゃ良いじゃん。
 ……え? あー、誰だろ。というか、お前の知り合いが誰か分かんねえよっ。
 ふーん、金時かあ。覚えとく。うん。」
(友人は一人でも多い方が良い。
 それは自分にとっても、自分の友人にとっても思う事だった。)

「いやー、美味かったなあ!
 これで結構安いんだから、さすが学生街の店って感じだよな!
 また来ようっと……っても、またすぐ近いうちに来るけど。」
(大きく背を伸ばしてから席を立つ。
 料理を食べ終えたなら長居は無用だ。元々食後の余韻に浸るという習慣は無いのだ。)

蒼穹 > なんでだろ。
どっかいってたよね。なにもおかしいことなんてない。なにもおかしいことなんてないんだよ。
(言って聞かせるような口振りでとぼけるのであった。)

話しかけはしてるよ?
んでもまぁ、たまーに御友達が増えたりもしてるけど、あんまり会う機会がないんだよね。
ここ数日で3人ほど御友達増えたんだけどさー。
東雲君とは縁遠いかな。ええっとねー、ま、これも私が勝手に思ってるだけなんだけど、
ヨキっていう聡明な美術の先生とか、三枝あかりっていうあの不良で有名な川添君の妹さんとか。
ああ、あと相模原孝也っていうレーザーが出せる人とか…こんな感じかな。
どう?知ってる人、いた?
(決して御友達が居ないわけではないというアピールと共に、自らが最近出会って来た人の名前を述べる。
願わくば、共通の御友達が居れば嬉しい限りなのだが。)

うん、結構おいしかったね。
そう?…んじゃ、また今度寄ることになる、かな。
それじゃあそろそろ帰ろっか。おつかれー。
(そう言って己も席を立つ。どれほど長く過ごしたろうか。
こうやって話し合うだけでも、幾らか親睦は深まった気がする。
お約束通り会計は己の持っているお金で済ませた後、そのお店を後にする。

さて、二人でどこまで帰り道を共に歩いた事だろうか―――)

ご案内:「ファミレス「ニルヤカナヤ」」から蒼穹さんが去りました。
東雲七生 > 「うぐぐぐぐ。」
(とぼける姿には思うところあれどそれ以上の言及はしなかった。)

「へえ、なーんだ、結構友達居るんじゃんか。
 俺はまあ、契約というか、そういうのあったしさ?

 あ、ヨキ先生は名前知ってるよ。先生だし。
 あとの二人は知らないなあ……案外バラバラなんだねえ、俺らの交友関係って。」
(以前もそんな話をした気がしたが。
 生憎蒼穹が挙げた中に東雲の友人は居なかったようだ。)

「だなっ、また来ようぜ!
 ふぅー、いやあ良い日だったー!ペペロンチーノも美味かったし!」
(何より自分の支払いじゃないところが最高だ、と笑いながら呟く。
 しかし今度は自分が奢ろう、などと考えつつ。
 店から出て、他愛無い話を続けながら。

 大切な日常を過ごした事だろう──)

ご案内:「ファミレス「ニルヤカナヤ」」から東雲七生さんが去りました。
ご案内:「ファミレス「ニルヤカナヤ」」に『演出家』さんが現れました。
『演出家』 > 学生街のファミレスに、どうみても学生に見えない司祭服の男が来店した。
普通にモーニングのAセットを注文し実に寛いだ様子で品の到着を待っている。

……どうしようもなく浮いている。
気にした素振りを一切見せないが。

「自らの幕を引いた『癲狂聖者』 に『七色』……実にいい舞台でした。
 舞台である以上、誰かに見られなければ意味がない。
 そういう意味では『七色』はこれ以上無い最期だったと言えるでしょう。
 『癲狂聖者』も、やれば出来るじゃないですか。
 以前からそれほどの気骨を見せていれば『団長』の目にももっと止まったでしょうに。
 そういう意味ではもったいないとも思えますねぇ」

誰に語りかけるわけでもない独り言。
劇は見せて、魅せて、感動を与え、語り継がれてこそ完成すると男は考えている。

『演出家』 > 「役者の真の死は、忘れられる事。
 忘れられない為に己の存在を大衆に―――いえ、“歴史”に刻み付ける。
 私が知るフェニーチェは、そういう方々の集まりだ。
 しかし、悲しいかな……日々起こる事件の前には、余程でないとすぐに霞んでしまう」

通りがかった店員に、追加でドリンクバーを注文する。

『演出家』 > 「大衆は刺激に飢えているものです。
 ローマのコロッセオ然り、日本の闘犬や闘鶏然り。
 フェニーチェの目指していたLe Théâtre du Grand-Guignol然り」

紅茶を用意して一口。
顔を顰めた。
気にいらなかったらしい。

「さりとて、同じような刺激を与え続けても『飽きる』。
 マンネリと言い換えてもいいのですが、そこが最も難しい」

『演出家』 > 「こと、脚本や演出に限ればこの『飽きる』という存在との戦いと言っても過言ではありません。
 大衆は新しい刺激を求め続け、脚本や演出はそれらに応え続けなければいけない。
 そのくせに演者には大衆とは違った 表現したいモノ が存在し 大衆の望みに上手くマッチングしないとウケない。

 いやはや、なんとも難易度が高い」

運ばれてきたモーニングを口にする。

「値段相応ですねぇ、良くも悪くも」

『演出家』 > 手軽に空腹は満たされていく。
便利なものだ。

「さて、何の話でしたか……まぁどうでもよろしいのですが。
 忘れられない為に、価値の無いその他大勢の事件に埋没しない為にはどうするか。
 何かしらの“伝説”を残すのが目的にとっては最適解ではあるんでしょうねぇ。
 どのような事件にし、どのように“魅せる”か。

 前者を考えるのが『脚本家』、後者を考えるのが『演出家』です」

モーニングをあらかた食べ終えれば、店員を呼んでパフェを注文する。
ヒュージでビッグでラージなものを。

『演出家』 > 「何が言いたいのか?
 独り言に起承転結を求めるなんて愚かでしょう?」

誰にとも無く質問に答える形で質問を返している。
危ないヒトに見えなくもない。
実際に危ないヒトではあるのだが。

「まぁ、どうしてもと言うのでしたら。
 私の演出は『派手』な『問題を起こし』『観客である私自身が楽しめるもの』である という事ですよ。

 さて、忘れられない方法としては……伝説の他に、まだ手段がありましてね。
 『消えない傷』を残して、残して、残し続ければいいんです。
 ふとした瞬間に思い出し、怖気震えるような とっておきの傷を。
 役者の手が足りないなら、ゲストを補充しましょう。
 何、シェイクスピアは言ってるじゃないですか
 “All the world's a stage And all the men and women merely players.”」

『演出家』 > 「大衆は、自身に痛みが伴わない他者の痛みが大好物です。
 ですから、私はウケるような演出を。

 大サービスで御代は結構……皆様方に朝一番のショウタイム!」

指を鳴らす。
ファミレス内に、異様な感覚が訪れ心の弱いものから 何かを見て恐慌状態に陥っていく。

「お時間はきっちり3分。
 トラウマにのたうつ様を、互いにご覧になれば……ほら互いに互いの舞台が見れてお得感があると思いませんかぁ?」

この場において 平然としているのは男くらいのものだろうけれど。

『演出家』 > 宣言どおりに、きっちり3分。
不運な客が織り成す恐慌状態を観る。

「ああ、店員さんお会計を―――無理そうですね。
 ではお会計を頂いて帰りますよ。
 声はかけましたからね?」

『演出家』 > 監視カメラに向かって手を振ってから堂々とレジに入り、手馴れた様子で金を奪う。

そのまま自身の懐へ―――入れるでなく、パーッとその辺に撒き散らした。
「よく考えたら、私はお金に困っていませんでしたので。
 お金が宙を舞う様なんてそうそう観れませんよ ラッキーでしたね、店員さん」

ご案内:「ファミレス「ニルヤカナヤ」」にメグミさんが現れました。
メグミ > 「待ちなさい。」

 出口を塞ぐ様に、女性が立った。 

「風紀委員です。通報があり馳せ参じました。
 ――ご同行頂きましょうか。」

『演出家』 > 「おや、なんの御用でしょう?
 そこに立たれると、他のお客が入ってこれないじゃあないですか。
 お店の迷惑になりますよ?」

自分がやった事は完全に棚上げである。

メグミ > 「分かりました。では、こちらへ、」

 演出家の腕へ引ったくるように手を伸ばし、連れ去ろうとするだろうか。

『演出家』 > 「おやおや、いささか乱暴なデートのお誘いですねぇ。
 目的地はどこでしょう?
 お食事ならこの店でもできますが、男女の営みならそれなりの施設がいいかもしれませんねぇ。
 野外が趣味ならそれも一興ではあるのですがねぇ?」

腕をつかみはできたものの、男は微塵も揺るがない。
つかんだ腕は、きちんと鍛錬されている成人男性のそれだった。

メグミ >  演出家の言葉には耳を貸さない。
 そのまま無視して、頭の中で地図を描く。

(少し遠いが、未開拓地域へ。
 ……無傷のまま委員会に連れ込めば、何が起きるかわかりません。
 かと言って、人気のある所では彼の思うが侭でしょう。そのくらいは、わかります。)

 とは言え、肉体を鍛えていない彼女の手では彼が動く気はない。
 それをいいコトに、『演出家』へ手錠を掛けようとするだろうか。

「転移荒野へ。
 そこで事情聴取をさせて頂きましょう。」

『演出家』 > 手に嵌った手錠を見て、楽しそうに笑う。

「ああ、これではまるで犯罪者だ。
 罪状はなんでしょう?
 威力業務妨害?それとも公務執行妨害ですかねぇ?
 殺人などであるなら是非とも令状を見せてください。
 見る機会がとても少ないものなんで興味あるんですよ」

口は止まらず、ペラペラとしゃべり続ける。

メグミ >  
 完全無視。
 聞く耳持たず。彼を放って、適切に後詰めの風紀委員へ連絡を済ませた。
 この手の相手はまともにとりあってはいけない、が、彼女の経験則である。
 

 連れ去ろうとするだろう。

『演出家』 > 「ユーモアの一つもないと人生が詰まらないでしょうに、まったく嘆かわしい。

 ここで押し問答していても不毛ですからいいですよ。
 ああ、事情徴収って昼食とかでるんですかねぇ?」
ノロノロと歩き出す。

メグミ > 「ユーモアに失礼です。」

 はっきりとそう告げて。転移荒野へと連行するだろう。
 どうせ無策でこの様な手合いを転がしておけるような確実な場所など、そうそうないものだ。

 そして演出家とメグミが完全に去った後。
 風紀委員と保険課が現れ、どうにか事態を収めただろうか。
カードをリセットしました(残り枚数52枚)
ご案内:「ファミレス「ニルヤカナヤ」」からメグミさんが去りました。
ご案内:「ファミレス「ニルヤカナヤ」」から『演出家』さんが去りました。
ご案内:「ファミレス「ニルヤカナヤ」」に蓋盛 椎月さんが現れました。
蓋盛 椎月 > 「…………行ったか」
風紀委員の女性が怪しげな男を連行した少し後。
店内、息を殺していた養護教諭がテーブルの下から現れる。
たまにちょっと贅沢(本人基準)してファミレスでモーニングなんて
洒落こんでみたらこれだ。
居合わせてしまったなら仕事をするしかない。
ベーコンエッグがまだ途中だというのに。

保健課協力員証明カードを提示。事態の鎮静に当たる。
恐慌の術による影響を特に強く受けてしまった客数人に向けて
ためらいなく治癒と忘却の異能《イクイリブリウム》を使用。
銃声が響く。
あまり覚える価値もない記憶だろう。
使うなら早いほうがいい。

ご案内:「ファミレス「ニルヤカナヤ」」に嶋野陽子さんが現れました。
蓋盛 椎月 > 《イクイリブリウム》について知らなかった者がどよめいたが、
撃たれた客に一切の外傷がないことに気づく。
蓋盛がそこに自身の異能について解説を加えると、なんとか納得された。

『演出家』の用いた術の効果時間も切れ、周囲が落ち着き始めると
ファミレスの客――被害者のやり場のない憤りが蓋盛に向けられる。

『風紀や公安はなにをやっているんだ』
『あんな狂人、のさばらせておいてどうする』
『責任はとれるのか』

「…………」
頭を抱える。
どうやら客の中で一番影響を受けなかったのは蓋盛らしい。
また風紀や公安も他には居合わせていなかった。

嶋野陽子 > 朝のジョギングを終えて、寮に
戻った所で、出動要請が入る。場所はこの前ステーキ
セット20人前食べたファミレス。
救急出動用のセットを持って、車道を自動車と同じ速
度で走って、5分で現場に着く。店内に入ると、風紀
委員はまだ居らず、何故か他の客に詰め寄られている
ような感じの蓋盛先生の姿を見かける。

先生がいるのならば、指揮下に入らないといけないの
で、先生の所まで行って、声をかける。

「保健委員一年生、嶋野陽子、緊急出動しました。救急
セットを持ってきています。何を手伝えばよろしいで
しょうか?」

蓋盛 椎月 > お門違いの苦情を適当に受け流していると、
増援の保健委員が到着する。軽く手を挙げて挨拶。
救急道具の持ち合わせが無いのでちょうどよかった。
《イクイリブリウム》でももちろん治せるが、使わないなら
使わないに越したことはない。

「助かった。じゃあ、向こうの方に軽傷を負ってる怪我人がいるから
 そっちの面倒を見てやってくれ」
蓋盛が指さした方を見ると、着衣が乱れ流血した数人の男女がいる。
パニックに陥った結果、客同士で乱闘してしまったらしい。

嶋野陽子 > 『向こうの方に軽傷を負ってる
怪我人がいるからそっちの面倒を見てやってくれ』
と言われたので、乱闘があったとおぼしき場所に向か
い、負傷者の手当てを始める。私の見た目が威圧感有
りすぎなので、怖がらせないように
「もう大丈夫ですよ」と声をかけつつ、異能を使わず普
通に応急処置をしていく陽子。傷薬は遺伝子情報を使
わない初歩的なナノマシン入りなので、切り傷ならば
3日で痕も残さず完治するだろう。
打撲や捻挫には、浸透力の高い湿布を貼る。そして
似合わないとは判っているが、白衣の天使スマイルも
忘れない。

蓋盛 椎月 > 「ありがと。一人でもう何分かこの場で働かなきゃいけないかと思ったよ」
陽子の仕事ぶりに礼を言う。
二人で行えば怪我人の治療だけはすぐに済むだろう。

そうこうしているうちに、少し遅れて
風紀委員の腕章を帯びた生徒たちも店内に入ってきて、事態を収拾しはじめる。
蓋盛に詰め寄っていた客も離れていった。
ばらまかれた金銭が回収され、店長が事情聴取へと連れだされる。
完全に鎮静し、すっかり冷めたコーヒーとベーコンエッグを口に出来たのは
数十分ほどあとのことだった。

「『ルギウス』か。
 名前だけは知っちゃいたが……
 思いの外、小者だな」
今回の件の元凶についてぽつりとつぶやく。

嶋野陽子 > 朝食前に出動したので、
事後処理を終えた頃にはかなりの空腹を覚える陽子だ
が、この店で朝食を頼める雰囲気ではない。

「お疲れさまでした。後は何かありますか?」
と、どうやら事件発生時に朝食中だったらしい先生に
確認する陽子。

蓋盛 椎月 > 所詮はファミレスのコーヒー。
冷めた安いコーヒーほど不味いものもないが、
頼んだものを残すのも気分が悪いのですべて片付ける。
テーブルがひっくり返され、荒らされた店内を店員たちが修復し、
風紀委員がルギウスの痕跡を回収するためあたりをうろついている中、
蓋盛のように平然と食事を再開するものは少数派のようだった。

「……いや、特にはないよ。
 風紀への連絡も済んでるみたいだし。
 朝からよく駆けつけてくれたね。
 こっちは事件当事者として風紀委員の子ともお話しなくちゃいけないから、
 きみは帰るなり学校に行くなりしていいよ」

さらにコーヒーのおかわりを注文する。
ウェイトレスがなんとも言えない表情をしながらもそれを受け付けた。

嶋野陽子 > 「了解しました。では一端寮に戻ってから、
授業に向かいます」と、先生に一礼すると、着替えと
遅い朝食のために、来たときと同じく車道を走って
帰る陽子。

ご案内:「ファミレス「ニルヤカナヤ」」から嶋野陽子さんが去りました。
蓋盛 椎月 > 「お疲れ様」
陽子を見送る。

あらかたの客は退去させられていった。
ニルヤカナヤの入り口には屈強な風紀委員が番をし始める。
状況保存と、万が一にも危険な遺留物が残されている事を考えた、
一時的な立入禁止措置。
有名な特級危険人物がひと暴れしていったのだから、当然と言える。
残ったのは、ファミレス店員、風紀委員、そして当事者の中で
最も冷静だった蓋盛だけとなった。

蓋盛 椎月 > 奪うでも成すでもなく、
ただ傷つけるためだけに傷つけていった。
力の絶対量こそ違えど、似たような生徒ならいくらでも見てきた。
小者。
ルギウスへの評価はそれだ。
まるで“力”を手に入れたばかりで、それを誇示し
酔いしれなければ気が済まないような。
そういう、愚か者。
今まで診てきた生徒とは違うのは、長い間ずっと今までああだったのであろう、ということ。
ならば更生する余地はないだろう。

蓋盛 椎月 > 出されたての温かいコーヒーを啜る。

力を無駄にひけらかし、暴れまわるものの末路は悲惨だ。
正義が勝つ、という図式は、別にお伽話でもない。ただの歴史である。
そう言った『悪』は必ず、『正義』によって倒されなければ、
今日の社会秩序など決して成り立ってはいないからだ。

悲観はしていないが、いくら小者でも学生街でこれ見よがしに暴れられると
社会不安が高まる。これはあまりよろしくない。仕事も増える。
公共の安全を護る人々はたまに不穏な動きも見せるが、
その仕事っぷりに関しては信頼をしている。
今回もなんとかしていただけるだろう。

更生可能な生徒を救うのは養護教諭の役目だが、
更生不可能なならず者を処理するのは風紀と公安の仕事だ。

コーヒーを飲み干したころに、風紀委員に呼ばれる。
どうやら事情聴取の順番が回ってきたらしい。

「やれやれ」

もう少し拘束されそうだ。

ご案内:「ファミレス「ニルヤカナヤ」」から蓋盛 椎月さんが去りました。
ご案内:「ファミレス「ニルヤカナヤ」」に平岡ユキヱさんが現れました。
平岡ユキヱ > 「…」
店内の入り口にほど近い席、腕を組んだまま入退店する客の流れを観察しながら、独り言ちる。

「同じところに連続で二回は来ないと思うが…こんなところにまで現れるとはね」
午前中にフェニーチェの襲撃を受けたという店内も、今では片付けも済んで、営業が再開されている。
念のためにと警備としてついているが、これといった動きはない。

平岡ユキヱ > 「魔力の残り香だけでも追える程度に小器用ならなあ…」
ちら、と破損したテーブルやイスの残骸の塊を見る。
追跡の魔術や異能というのがあれば随分便利なのに、など、
ないものねだりを頭の中でしつつ本日何杯目かの緑茶を啜る。

平岡ユキヱ > 「それとは別に…。…」
誘拐事件。と誰かに聞かれる可能性を万が一にも考慮しているのか、
自身の携帯端末を見て眉をひそめる。

「…あー、いかんいかん。なんでも自分でやろうとするな。
 大高慢にてなければ役にたたずは、修行くらい…」
こめかみをおさえながら、ぶつぶつと一人思慮を続けている。いわゆる外から見てあやしい人だ。

ご案内:「ファミレス「ニルヤカナヤ」」に眠木 虚さんが現れました。
眠木 虚 > ファミレスの自動ドアが開いて風紀委員の赤い制服が入店する。
その顔には笑みが浮かんでいるが、目にはクマの跡が残る。
手にはなにやら大きな紙を丸めたものが、何かのポスターのようだ。

店内を見渡すと開いている席を探す。
ユキヱの姿を目に収める。

「やぁ、キミは!
 えぇと……風紀委員の……風紀委員の……」

顔を輝かせて席へと近づく。
同じ風紀委員を見つけたことに目を輝かして近づいてきたものの、
ユキヱの名前が浮かんでこないようである。

それは当然であった。
この風紀委員の男はここ最近までイギリスに留学していたのだ。
そのため一年生の風紀委員についてはまだ名前を顔が一致していない。
それにユキヱに取ってもこの男を知っているかもわからない。

平岡ユキヱ > 「平岡ユキヱです。よろしくどうぞ」
軽薄そうな見た目に反して流麗な動作で立ち上がると、伸びた背筋のまま小さくこうべを垂れた。
無駄や変な堅苦しさのない、自然と出た所作であった。

「あー、その赤い服は生徒指導課の?」
服装の特徴は知ってはいるが、相手の顔に見覚えはない。
初対面です! と元気に答えて、はたとクマの跡に気が付く。

「てっきり警備の応援かと思ったんですけど…別件というか…。
 かなりお疲れモード?」

眠木 虚 > 「平岡くんね、そう! ……今思い出したよ。」

言い訳くさい。

「そうさ、ボクが生徒指導課の『課長補佐』さ。
 眠木虚、覚えててくれてたら嬉しいなぁ。
 よろしくね、平岡くん」

右手を体に添えてお辞儀。
紳士的な流れるような動作であった。

「あっはっはっはっ、ボクも手伝えればよかったんだけどね。
 ほら、ボクは『生徒指導課』だからさ。
 警備とかは他の皆のお仕事。

 ちょっと『お姫様』の命令でイギリス留学してたからさ。
 お陰で仕事が溜まっちゃって、今日で二徹目。
 気分転換にファミレスにってね」

人差し指を立てた手を前に突き出してウインクをした。

平岡ユキヱ > 「…おお、紳士っぽい」
右手を体に添えた返礼に、小さく息をもらす。
この学園は本当に色々な人がいるなと、今更ながら思う。

「いやあ、そうですか残念。ま、よろしくお願いしますね、眠木先輩?
 何か頼まれるならメニューどうぞ」
席に座りなおしながら、テーブル側面に刺さっていたメニュー表を差し出して。

「…。えっ、二徹? いやそもそもこの学園から留学、って…」
どういうことだ…と。
色々恐ろしい単語も聞こえたので、思わずすぐに聞き返してしまうユキヱさん。

「48時間以上の連続勤務って…『生徒指導課』、超ハード部署?」

眠木 虚 > 「ふふふ……見事なものだろう?
 これがイギリスの執事学校での成果さ!」

少し調子に乗ったかのように目を細めて笑みを浮かべる。

「おや、相席でいいのかい。 それでは失礼して」

席に座ると手にしていたポスターを隣の席へ。
メニューを受け取ると店員を呼び出して注文をする。
この時間にしては空いているので店員の対応も早い。

「普通は推薦やらなんやらの手続きで難しいはずなんだけどね……。
 このボクもその時はさすがにびっくりと言うわけさ!

 事務方の処理もあるけど……ボクにしか出来ない仕事もあるからね。
 人員不足でいつも困ってるのさ。」

大げさな手振りで語る。

「……ところで。
 平岡くんは警備って言ってたけど。
 やっぱりここで先日起きた『事件』が関係してるのかな?」

平岡ユキヱ > 「…」
空いているのは、果たして時間のせいだけか。
思うところはあったが、言わぬが花と店内を軽く見返す。
風紀の人間が直接いることで、『むしろ今なら安心』くらいに思ってくれれば良いのだが。

店内の利用客たちにとりたてて異変はない。今は平和なものだ。

「人員不足か…まあ、それは公安も風紀のウチらも同じかもしれませんね。
 ここで起きた事件の対応も、後手になったのがいい証拠っすよ」
ご推察の通りです、と少しバツが悪そうに眠木の推察に肯定の頷きを返す。

「あいつら、いきなり現れてはメチャクチャやってまー…。
 未然に防ぐのが難しい動きをしてくるというのがなんとも」

眠木 虚 > 注文した品が運ばれてくる。
包み焼きハンバーグのきのこソースとライスがテーブルの上に運ばれる。
ホイルに包まれたハンバーグにソースがジュウジュウと音を立てている。
それをナイフとフォークで口に運んでいく。
見事なテーブルマナーだ。

「うん、わかるよ。 どこでも人員不足なのは。
 だからといってそれを言い訳にして対応が遅れたなんて言葉にしちゃダメだよ。
 事件なんていつどこで起こるかはわからない。
 悪意さえあれば事件なんて簡単に起こせるんだ。

 それこそ事件が起きてから対応するだなんていくら人が居ても足りるわけがない。
 事件になるのを防ぐ。 それが僕ら風紀委員の仕事さ」

落ち込むユキヱをたしなめる。
風紀委員は対症療法の風邪薬ではないのだと。

「日頃の防犯活動、生徒指導……そういった地道な活動。
 そうして犯罪の発生率を少しでも抑えるのが僕ら風紀委員!
 しいては『生徒指導課』の役目なんだからね!」

平岡ユキヱ > 「…」
少しきょとんとしたように眼を見開く。
しばらく硬直したのち、なるほど、と大きく頷いて。

「防ぐ、か…。そういう発想はありませんでした。勉強になりました」
ニッ、と朗らかに笑う。やっぱり年長者の言葉には素直に耳を傾けるべきなんだな、と頭を掻いた。

「ありがとうございます。ちょっと私、変に力みすぎてなーって思いました。
 でももう大丈夫! 反省した奴は強い!」
わははと笑いながら、あ、そういえばと思い出し。

「そうえいば眠木先輩、何かポスター持ってましたけど、なんです、それ?」

眠木 虚 > 「わかってくれて嬉しいよ。
 最近は事件が多くて風紀委員の中にも疲れが見えてきている。
 気が付けば違法学生を追いかけて目的を違えてしまう者もいる。
 だからこそその道を正してあげるのもボクの仕事さ。

 ――なんたって、ボクは『指導課長補佐』だからね」

手を体の前で広げて笑みを浮かべた。
こうした風紀委員とのコミュニケーションもこの男の仕事であった。

「……!
 気がついてくれたかい、平岡くん!」

待ってましたかのように目を輝かせる。

「これはね……校則遵守キャンペーンのポスター!
 生徒会の許可印をさっき貰ってきたのさっ!」

ポスターをユキヱの目の前で広げる。
下手くそな人のような絵が描かれ、『皆で守ろう校則安全!』と不思議な標語が書かれていた。

平岡ユキヱ > 「あはは、いいっすね、それ。決め台詞にいいかも!
 あ…笑ったらお腹すいちゃった」
なんたって~の下りを聞いて、そう明るく笑顔で返した。
変な力みは抜けきったようで、生姜焼き定食ー、と呑気にオーダーを入れる。

「おおう…待ち受けていたんすか」
食い気味のリアクションにおお、と少しのけぞりながら言葉の続きに頷いて。
ポスターの標語を見る。

「…校則安全? 何の四字熟語ですか?」
はてな、と首を傾げた。

眠木 虚 > 「そう思うだろう? 結構気に入っているんだよこの台詞。
 お腹が空くのは恥ずかしいことではないよ。
 うん、今日はボクがおごってあげよう好きなものを食べたまえ」

顎を両手に乗せて得意気に語る。
ユキヱの笑顔にくすりと笑って。
注文したハンバーグはすでに半分ほど食べていた。

「この標語はね……ボクが考えたんだ!
 ふふふ、実にわかりやすいだろう?
 なんとなく守らなきゃって気分になりそうだろう!
 絵は置いておくとして」

何故か下手くそな絵からは話をそらそうとしながら。

平岡ユキヱ > 「…」
やさしい? 沈黙が流れたのち、ニヤリと不敵に小さく笑う。
ゴチになります! とこうべを垂れた。生姜焼き定食が到着する。
「あ、ごはんと肉、追加で大盛り。あとデザートでチョコパフェ。はい、どーも」
流れるような追加オーダー。

「…。そっすね。校則も安全も、みんなで守らないと意味がないものだから、
 いい標語だと思います」
チラリと絵を見た後、ユキヱさんこれを華麗にスルー。生暖かい笑顔で話題をそらす。

「キャンペーンのポスターなら、何枚か数を貼るんですか?
 私、生活課じゃないけど手伝いますよ。授業の合間とか教室の移動時間とかあるし」
チラリと絵を見た後、ユキヱさんまたもこれを華麗にスルー。大切なことは二度やる。
なぜかニヤニヤしているが、これは、こう、触れない優しさであって断じて追撃などではない。

眠木 虚 > 「……結構食べるんだね。
 いや、若い子はたくさん食べたほうがいいよ」

顔に冷や汗が流れる。
言ってしまったのは仕方がない、覚悟しておこう。
少しハンバーグの味がわかりづらくなってしまった。

「……この絵は。
 ボクが描いたんじゃないからね?」

逆に二度もスルー、挙句にその笑顔に口を出してしまった。
あまり触れられたくはなかったが誤解されていそうだったからだ。

「そうだね、手元にあるのは10枚だけど追加で40枚ほどする予定さ。
 一枚一枚、生徒会印がないと校内に貼るのは校則違反だからね!
 手伝ってくれるなら歓迎さ!
 実のところ他の生徒指導課は忙しくてボク一人で貼る予定だったからさ」

平岡ユキヱ > 「えー、誰っすかー? このヘ…『個性的な』絵を描いたの? 教えてくださいよー」
イヒヒとすごい面白い玩具を前にする子供のように、悪戯っぽく笑う。

追加で来る料理に、コレデヨイ…と満足げにうなづくと、もっきゅもっきゅ食べ進める。
「たくさん食べないと、馬力でないですからッ。犯罪の予防は勿論頑張るけど…
 『いざという時』に出くわしたのなら、胸すえて進むのみ!」
別に仔細なし。あ、おいひい! とテンション高めで料理に舌鼓を打つ。

「えぇ…そうなんですか。私、一年の同じ風紀とかにも声かけておきましょうか?」
たぶんあいつら暇だろ。と、勝手にユキヱさんの協力させちゃうぞリストに名前が幾人か入る。

眠木 虚 > 「……うちの『お姫様』、つまり『生徒指導課長』だよ。
 その……自信作らしいけどね。
 迂闊に下手くそなんて言ってしまったら……いやぁ、ボクにはとても出来ないね。
 使わない訳にはいかないじゃないか……」

困ったかのような顔を見せる。
こうした上からの鶴の声に中間管理職が抗うことは出来ない。
この様子から『お姫様』の暴君っぷりがうかがい知れる。

「うん、平岡くんは元気でよろしい。
 でも事件が起きた時に大事なのは、一般生徒が周りに居ないことを確認すること。
 そして、一般生徒の救出を優先!
 一般生徒にとって、頼りにできるのは風紀委員だからね」

美味しそうに食事を頬張るユキヱを微笑ましく見守る。
こちらのハンバーグとライスの皿はすでに空になっていた。

「本当かい!? それは助かるよ。
 みんなが協力してくれればそれだけ早く終わるからね」

平岡ユキヱ > ぴたり、と。ユキヱの動きが止まる。真顔、というか真剣な顔つきで眠木の方を見上げた。

「へぇ…『指導課長』。道理で、こう…前衛的っていうんですか?
 キュビズムの影響を受けつつも表現技法における斬新さ。独自の世界観でてるっていうかー…。
 こー、視覚に訴えるっていうんですかー? かなりオーラありますよねえ~。
 いやー素敵な人となりがにじみ出ているとうか…」

速攻で手のひらを反すと、なんだかもっともそうで実はまるでそうでもない適当な言葉の羅列を始める。
激しくなりそうな動悸を抑える。頬を嫌な汗が伝った。
何かとつてつもなく恐ろしい地雷を、トラポリンの補助を受けながら力いっぱい踏みぬいた気がしたからだ。


「…了解、大丈夫です。守るべきは、違えません」
自分が風紀をしている根幹にかかわることですから、と力強い眼差しを返す。
深刻ではないが、透き通るような清々しい真剣さだった。

「…。ええ、大丈夫っすよ、まかせてください」
ドロー! 生贄! 風紀の同期ズ! と頭の中で何か声が響いていた。

眠木 虚 > 「……ははは。 まぁ、そうなるよね。
 無理はしなくていいよ平岡くん。
 こういうのは黙っているだけで十分さ。
 褒めるだけ苦しくなるだけ……だからさ」

予想できた反応であった。
こういう事情のため、あまり話題にはしたくなかったのだ。
万が一に聞かれたらあとが怖いものだからだ。

「うん、その様子なら大丈夫そうだね。
 今後の活躍も期待しているよ」

不敵な笑みでじっと瞳を覗きこんだ。
まだまだ新人の風紀委員で不安なところはある。
しかし、その強い眼差しがあれば大丈夫であろうと。

「おっと、ボクはそろそろ行かなきゃ。
 他のお仕事も溜まってるからね」

二人分の注文票を握りしめて席を立つ。