2015/06/15 のログ
■矛海 遼 > 「話やらはこれで終わり、だ。死体の処理も任せた」
手元の血を払うとそれぞれに視線を向け
「済まないな、出来る限りは私も動こう。」
巻き込んでしまった謝罪。そして
「感謝するよ」
純粋に、唯純粋に礼を返す。
「ハンカチは洗ってお互いに、また会おう。」
■霜月 芙蓉 > 「は、はい。また……!」
頭を下げて見送る。この人も、自分を気に掛けてくれた。感謝しても、しきれない。
「あ、えっと…で、この死体、どうしましょう……?」
そのままレイチェルに確認する。一応、土行で土に還したり、火行で燃やしたりは出来るが……
■矛海 遼 > 「処理方法は任せるよ。脳の構造が違う事を除けば唯の人間だ」
芙蓉の言葉にはそう返す。
自身と同じ姿だが、未練があるわけでもない。
むしろ処分された方が為になるだろうと、そう考えて。
■レイチェル > 「おう、今日はハンカチ持ってきてねーや。またその時に返すぜ」
そう言って、手を振りつつ。
「ここは、他の風紀委員達に任せるとしよう。わざわざチップを貰って悪いが、死体は処理する前にこちらで預かる」
そう言って、眼帯に手をやり、風紀委員本部に連絡をとる。
間もなく、別の風紀委員達が現れて、バリケードテープを貼った上で死体を回収、現場の後片付けをしてくれることだろう。
「じゃーな」
レイチェルはクロークを翻し、路地裏を去っていく。
■矛海 遼 > 「あぁ、また会おう、次は事件とは無縁の時にな」
2人を見やるとジャケットを靡かせ、現場を後にする
■霜月 芙蓉 > 「あ、はい、さようなら…!」
レイチェルも、頭を下げて見送る。
……今日は、帰ろう。そして、今日一日をしっかりと反省して……風紀として、一からやり直そう。
そう決意を固めて、路地裏を去っていく。
■矛海 遼 > 後手に手を振り、その場から歩き去って行く
■レイチェル > 「芙蓉」
最後に一度だけ足を止めて、その名を呼び。
「風紀を続けるなら、励めよ。兄貴が居ない時でも、出来る限りオレがついてやるからな」
お前もまた、風紀としてオレの守るべき生徒なのだから、と。
そう呟き、闇へと消えていった――。
ご案内:「路地裏」から矛海 遼さんが去りました。
■霜月 芙蓉 > 「…!」
呼び止められたことに驚き、そして激励を受け
「はい、頑張りますっ!」
精一杯の決意を込めて、そう返した。
ご案内:「路地裏」から霜月 芙蓉さんが去りました。
ご案内:「路地裏」からレイチェルさんが去りました。
ご案内:「路地裏」にレイチェルさんが現れました。
ご案内:「路地裏」からレイチェルさんが去りました。
ご案内:「路地裏」に鬼道椿さんが現れました。
■鬼道椿 > 薄暗い路地裏を一人の少女が歩いている
熱にうなされたような弱弱しい足取りで、歩く、歩く
危機意識の低い三下が声を掛けようとして感のいい男がそれを止める
少女は歩く、熱にうなされて
惚けた顔で闇夜を歩く
白い息を吐き待ち続ける
憎悪の熱にうなされながら、闇を歩く
ご案内:「路地裏」に洲崎さんが現れました。
■鬼道椿 > 今日はいろいろとあった、楽しいことが、たくさんあった
日常の大切さを思い出した
憎むだけでは駄目だ、余裕を失くし憎しみだけに囚われてはいけない
一つのことに囚われて他の全てを諦めてはいけない
そうう言ったのは誰だったか
憎むのはいけない、余裕を失くすのもいけない
どちらも大切だ
「だいじだいじ…」
潤んだ瞳を滑らせて闇の先を見る
■洲崎 > うーん?
(路地裏で調べごとをしていた男の視界に妙な女子生徒が写る
普段ならどうでも良いかと放っておくが、足取りは揺れ
意識もはっきりしていなさそうな少女に声をかける)
ねぇそこの侍ガール♪
そんなふらふらしてたら危ないよん♪
(路地裏の奥から声をかける。
偶には教師っぽい事をしても罰は当たらないだろう、と)
■鬼道椿 > 相手の声にふるりと身を揺らす
倒れ込むように洲崎の襟に手を伸ばして体を引き寄せた
流れるような仕草で赤い舌をその首に伸ばす
「貴方の事、教えて・・・」
熱い吐息が首筋にかかる緩慢な動作で相手に【異能】で触れようとする
■洲崎 > おっと、大丈夫かい?侍ガール
(支えるように鬼道に触れ)
何だか物凄く素敵なシチュエーションだね♪
(呑気にそう答える洲崎の首に少女の舌が触れる。)
■鬼道椿 > ちゅぱっ
首筋を舐め軽く吸い立てて唇を放す
「貴方じゃない…」
興味を失ったようにするりと離れるとそのまますれ違いさらに深く闇の濃い場所へ向かおうとする
■洲崎 > んん♪こんな刺激的な夜も良いねぇ♪
(首に伝う感覚に喜びながら)
それは残念、でも君に選ばれなかった僕としては何をしてるのか
聞きたいな♪
じゃないと危ないって理由で君を保護しないと♪
あぁ、僕一応先生なんだよ♪
(そう言って少女のすぐ後ろを歩いて着いて行く)
■鬼道椿 > 物陰から不気味な笑い声が響く横に走る配管の影を何かが猛スピードで駆け抜けてくる
気配の数は3、壁をはがれた舗装の隙間を、影の中を
「欲しいの」
洲崎に向き直る
耳にこびりつく甘い声、誘う言葉
少し無防備な服装、癖になる香り
娼婦の様に淀んだ熱い視線
■洲崎 > はは、こんな所で告白だなんて…結構良いチョイスかもね♪
(何かが近づいてくる、これは…3つかな?
だが今は何もせず少女に近づき)
それで?お嬢さんは何が欲しいのかな♪
余ってる物だったらあげても良いよ♪
(そう言ってニヤリと笑う。
なんだかこの子…面白い♪)
■鬼道椿 > 「欲しい、欲しい、あなたが欲しい」
暗闇の中で何かが煌めいた
その閃光が洲崎を一瞬照らす
気配が減った一つだけ
「貴方が欲しい…」
薄らと微笑み何かを抱え込む
その腕の中には人ならざる者の首があった
うっとりと目を細めて首を撫でる
彼女の背中では不気味な咀嚼音
先ほど聞こえていた笑い声は引き攣ったような悲鳴にも聞こえる
■洲崎 > へぇ♪貴方、か…♪
(煌めく閃光、そして少女の腕の中にあるそれを見て)
いいねぇ、いいねぇ…実にそそられる♪
君みたいにぶっ飛んだ女性も僕は大好きだよ♪
(今の一閃で1つ減った、残る2つは……あぁダメだ、怯えてる。
でも…)
そんなの面白くないよねぇ?
もう幕は上がったんだから♪
(こんなに面白い所で帰るなんて、自分には出来ないし
他の者がそれをするのも許さない。
そんな目で周りを見回す)
■鬼道椿 > 洲崎が周囲を見渡すために目を離した瞬間
背筋をふるわせるような殺気がどっぷりとペンキを塗りたくられるように迸る
何かが後ろで熱い息を吐く
また光った、壁に筋が走る。剣で切ったようななめらかなものではない
おろし金でバリバリ削ったような荒い傷
溶岩のように固い外殻に覆われた手と足が落ちてくる
離れた場所なのになぜ
「欲しい欲しい…」
声が聞こえる、少女の声が、けど気配はそれではない
うしろの しょうめん だあれ?
■洲崎 > ハハ♪
(確かに感じた、普通の人間が発する者では絶対に放てない殺気
そして転がってきた手足)
あぁ……やっぱり、人間っておもしろい♪
(壁に走る削ったような傷。
だが目の前の少女は最初自分に使った物以外異能を使っていない。
つまり…)
人のままよくここまで昇華させたね、お嬢さん?
(狐面のような笑顔で問いかける。)
■鬼道椿 > 手に持っていた首がぼろぼろと黒いもやになって崩れ落ちる
汚らわしい、そう本能的に思わせる何かが正体か
笑みを向けられた少女はほぅ、と息を漏らし小さく震えた
満たされたように、だが乾いた砂に水を撒くようにそれもすぐに消えてしまう
人はそれを毒と言う忌み嫌うべきだと言う
けど少女にとってはそれは違うようだ、女の体の中で渦巻き別の物の様に煮えたぎる
鋭い視線だが、熱を帯び溶けた鉄のように捉えようがない
煮詰まった憎しみが糧となる
カフェで聞いた話をおぼろげに思い出す
「人はどこまでいってもひとよ」
鬼にはなれない
だから名乗る
赤い花の名を
「私は椿」
今度は見えた、それとも見せたのか
剣の軌跡が、異形の咢が
少女の技に乗って怪物が笑う、絶望に染まった狂気の笑い声
少しずつおいしいけずりながらたのしい
うれいし
「いいこね」
■洲崎 > 椿ちゃんね♪
(自分は彼女を人と言ったが、自分以外の誰もがこの光景を見た時に
彼女を人と言えるかは分からない。)
人はどこまで行っても人…それはどうかな♪
猿だって人になり蛹は蝶になる。
進化をやめない限り人はいつでも今は人、何だよ♪
(絶望し笑う事しかできなくなったモノを見て男は嗤う)
僕は洲崎、君みたいな子が大好きな男の子だよ♪
■鬼道椿 > 「あなたは違うの・・・」
気配の消えた路地の闇に解けるように消えていく
追うことはできない、雲を追うことが出来ないのと同じように
爪痕だけを残して少女は消えた
ご案内:「路地裏」から鬼道椿さんが去りました。
■洲崎 > あちゃぁ…これで三度目か♪
(フラれた記録更新♪と楽しそうに呟き
自身も路地裏を後にした)
ご案内:「路地裏」から洲崎さんが去りました。
ご案内:「路地裏」に桐竹 琴乃さんが現れました。
■桐竹 琴乃 > ずかずかといつもより速足に路地裏を歩く。
口へ所謂「へ」の字に曲げられ、目つきは何時もの活発さは無くやはりこれもジト目と言うに相応しい。
あれからイライラしっぱなしである。
気分晴らしに夜歩きしても一向に収まりそうも無く。
時折転がる缶などを蹴っ飛ばし、今近づくものに等しく罰があらん事を、みたいな状況だ。
当然そいつに教えられた箇所は外して移動する。
「~~~」
声にならない声。
威嚇音と言っていいのかもしれない。
そんなのを発しながら、路地裏をずんずんと実に適当に、かつ避けたい場所は避けて移動しているのが今の状況である。
■桐竹 琴乃 > 何をそこまで苛立っているのかも既に忘れ、とりあえず怒っている。
よくある事だが何かがあって怒っているはずが怒るために怒っている。
そんな完全に目的を失った苛立ち。
「……ああもう!」
思いっきり缶を蹴っ飛ばす。
幸いか蹴っ飛ばす缶には困らない。
一際大きく弧を描いた缶は適当な壁に当たると跳ね返り。
コン、と琴乃の頭を直撃する。
思わず蹲る。
スチール缶だった。
「~~~~」
今度は威嚇音では無く単純に声にならないだけであった。
頭を抑える。
蹴られ、そのやり場のない怒りをそっくりそのまま返したとどこか満足げにスチール缶はころころと路地を転がって行く。
■桐竹 琴乃 > ギリと次は歯軋り。
わなわなと震え。
―――。
流石に声を出すのは抑える。
「ふーふー」
怒りに無駄にまだ震えているがとりあえず深夜に大声なぞ出すのは愚の骨頂である。
スッと立ち上がり、また大股で歩き出そうとし―――。
一歩踏み出した矢先。
「!?」
ズッ、という音と共に世界がひっくり返る。
何かを踏んだ―――。
まさにひっくり返る瞬間目に入ったのは。
さっきのスチール缶だ。
■桐竹 琴乃 > 見ろよ、やってやったぜ。ざまぁみろだ!
そんな声がスチール缶から聞こえる気がし―――。
ゴッ。
「おおおおお……」
どこぞのアメリカ人格闘家もびっくりなぐらいの美しい宙返りをキめれず落下する。
流石に痛い。
目から火花がでるなどとよく言われるがまさにそれがぴったりである。
しばらく、その場に悶絶しごろごろと転がる。
ご案内:「路地裏」に相楽 満さんが現れました。
ご案内:「路地裏」に志葉恭介さんが現れました。
■桐竹 琴乃 > 深夜であるのが救いであり、一目は無かった。
一応の色々な体面は保てている。
それが救いだ。
「……」
痛みの余りその場に突っ伏したまま、やはりまた怒りに震え。
流石に次の対象はここまでしでかしてくれた奴へと向けられる。
そう、スチール缶だ。
じろりとスチール缶を凝視し、何も考えず拳を振り下ろす!
■相楽 満 > 「あ、有名な空飛ぶ先輩だ。
何してんッスか? こんなとこでサマーソルトキックの練習ッス?」
にへら、と笑った場にそぐわぬ存在。
楽しそうにして近付いてきた。
■桐竹 琴乃 > ボゴ、という音と共にスチール缶がヘコむ音。
「ふふふ……」
だがスチール缶の逆襲はここからであった。
「んなあっ……」
そう、拳をめり込ませヘコんだまま、その形で止まった。
両手を使えばすぐとれるが。
片手で取るのは非常にめんどくさい。
っていうアレだ。
はは、これでもか。
そんなスチール缶の……。
「……へ?」
声を掛けられ上を向く。
■志葉恭介 > ……。な(にやってるんだ桐竹同級生、と言いたかった)
【何度か講義を共に受けた事もある。バイト先にも訪れる事が多い】
【主に生活費の面での境遇がよく似た同級生が、何だかおかしな事をやっているので、胡乱げな視線で見ていたら】
【後輩と思しき人物が声を掛けたので声を掛けるタイミングをすっかり逸してしまった】
【そんな黒ずくめの少年がこちら】
■相楽 満 > 「どもッス。
いや、面白そうッスね」
へらへら笑顔で、実になれなれしく近付いてくる。
すごい寝癖と形容されたぼさぼさ髪、普通のシャツとジーンズ。
「ゴミはゴミ箱に入れなきゃダメッスよー。
ってもここのゴミ全部片してたら夜が明けますね」
■桐竹 琴乃 > ……。
がばっと立ち上がる。
「え、いや、あ?ええ?あはは」
慌てて片手を隠す。
そう、スチール缶のついている手を。
「こ、こんばんわ?えーと?初めてだっけ?」
わたわたと取り繕いながら、スチール缶を外そうと後ろ手をあーだこーだ動かす。
取れない。
あは、あははははというごまかし笑いと、ふとその少し遠く。
「……」
ヒク、と口元が歪む。
そこには見慣れた黒外套。
■志葉恭介 > ……。
…………。
………………。
……………………。
【黒外套は何も言わない。眼鏡を光らせ、じつと琴乃の方を見ている】
■相楽 満 > 「話すのは初めてッス。
それ取りましょうか?」
隠してるかもしれないが、バッチリバレている。
人の好さそうな笑顔で。
が、目の前の先輩の表情が固まり、さらに遠くに視線を向けたのを感じると。
首を後ろに。
まるで獣のような、冷たい瞳で。
けれどどこか楽しそうに、ぎょろりと振り向いて。
黒ずくめの彼を視界に入れた。
■桐竹 琴乃 > 「えっ、あ、いや。その」
相楽、志葉から後ろを向き。
ズリッとスチール缶を引っこ抜き、ゴミ箱へ放り投げる。
「だ、大丈夫取れた。うん取れたから!」
ほら、っと言いながら両手をパーにして突き出す。
「あは、あははは……はあ」
脱力する。
「え、ええとまあ楽しくは無い、かな」
未だジンジンと痛む後頭部に無理やりスチール缶をヘコませた拳。
被害は甚大であった。
■志葉恭介 > ……?
【シャツとジーンズの少年の視線に、訝しげな瞳を向ける。初見の彼にそんな瞳を向けられるとは思いもかけないのであったが】
桐竹。見なかった事にした方が良いのだろうかね。
【なんだかぐったりと肩を落としている級友に、そんな言葉を掛けるのだった】
■相楽 満 > 「……あ、スンマセン、お知り合いッスか。
いやこんなとこなんで警戒しちまって」
にへら、とまたゆるい笑顔になった。
警戒にしては恐ろしい目であったかもしれないが。
「……んで、空飛ぶ先輩どーしたんス?
サマソの練習なら体育館とかでやったほうがいいッスよ。
頭打つと危ないッスから」
■桐竹 琴乃 > 顔に手を当てる。
紅潮していってるのがわかるからだ。
「志葉……そう、してもらえる……?」
消え入りそうな声であった。
「……したくてしたワケじゃないんだけどね」
深くは聞いてくれるな。
そう、相楽に言う様に。
「まあ、運が悪かった、かなあってトコ」
転がっていたので埃だらけになっていたのでひとまずぱんぱんと埃を払いつつ、そう言う。
■志葉恭介 > わかる話だ。俺の格好が怪しい自覚もある。
【少年へ肩を竦め、改めて数歩の距離を詰める。赤くなっている琴乃の様子にふむ、と嘆息】
まぁ、そうするがね。ストレス発散なら他に手段を探すのをおすすめするよ、俺は。
■桐竹 琴乃 > 「耳に痛い、耳に痛い……!」
あーあー、聞こえないというジェスチャー。
何で今日という日に限って見つかるのか。
しかも二人も。
片方は初対面だし片方は同級生と来た。
なんだこれ。
私が何をした。
嘆く様にもおおおおっと小さな癇癪を起こし。
軽く目尻を抑え、空を仰いだ。
■相楽 満 > 「……あ、ストレス解消ッスか。
なんでわざわざこんなとこで」
傷口に塩を塗り込んでいっているような気がする。
しかもド天然で言葉を吐いているので悪い顔一つしていない。
「……ここ、危ないと思うんスけどね。
大丈夫なんッスか、先輩方」
一応心配なので聞いてみる。
きょろきょろ、二人の顔を見ながら。
■志葉恭介 > 【嘆きを天に吠える琴乃の様に眼鏡を押し上げ、流石に視線を逸らす】
【からかいの一つもしてやろうかと思ったが、此処まで凹まれるとそれも気不味い】
俺はここの路地をすぐ出たら部活の事務所なんでね。
違反部活だが。しかも部員は俺一人。
……まぁ、そんな訳で慣れてる。桐竹は……そういう所は器用だからな。
【言外に現状の不器用極まりない様を抉るような物言いであるが、言ってから気付いたのか今度は帽子をかぶり直す。気不味い】
■桐竹 琴乃 > 「こんなとこでって……イケない女生徒、夜の一人遊び……」
…。
…。
「……みたいな……?」
場を和ませるつもりで言ってみるが。
死にたい。
そして志葉から抉るような言葉が飛んでくる。
なお死にたい。
「はは……うん、もう色々忘れて……」
ぐったりと完全に脱力する。
「で、ええと……」
もう取り繕うのも諦めて、琴乃はひとまず設楽の名前を聞こうとしている。
■相楽 満 > 「へー、違反部活!
なかなかすっげーことしてるんスね……
そんじゃ大丈夫ッスね!」
にへっと笑ったまま、普通に受け答え。
あまり深刻には考えてないようで。
「……あ、ハイ。
俺相楽。相楽満って言います。
一年ッス、よろしくお願いします」
にへらーっと名前を名乗り、ぺこりと礼をした。
前半のこんなとこ、の下りは聞かなかったことにしてくれそうだ。
■志葉恭介 > 【眉間を抑える。何を言ってんだろうこいつ、と割と真剣に頭が痛くなった】
『タンテイ的カツドウ部』の志葉恭介だ。ご依頼在ればいつでもどうぞ。
報酬は俺の三日分の昼飯で。
【相楽と名乗った少年に対し、少々芝居がかった自己紹介。大時代的な格好も、こういう時には様になるというものであった】
【そこで死にそうになってる同級生はスルーする事にした】
■桐竹 琴乃 > 「相楽君ね、よろしく。えーと私の名前……は知ってるんだっけか」
知ってるならもう挨拶はスルーさせて、みたいな顔にはなっている。
勿論知らないのなら名乗るつもりではある。
が。
この状況から名を名乗るという事がこれまた一種の羞恥プレイのようなものである。
死にたい。
「志葉、やめてその顔は私に効く」
自業自得である。
■相楽 満 > 「タンテイテキカツドウ部……なんかこう、かっけー響きッスね!
アレッスか、密偵の仕事とかめっちゃやるんスか!」
目を輝かせて食いついた!
学ランでその活動というところに惹かれたらしい。
「あ、スンマセン、名前は知らないんッス。
空飛ぶ先輩で、遅刻しそうなときに窓に駆け込んでるってくらいしか」
ふにゃりと笑う。要するに名乗れということだろうか。
■志葉恭介 > 【というか何故あんな事になるようなストレスを、とは思いはすれど聞けはせず】
【結果視線を琴乃から逸らすのであった】
其實格好良いとはとても言えんけれどもね。要するになんでも屋、有料すぐやる課みたいなものだ。
探偵の仕事の実際など、地味なものだよ。
【さて、と一つ咳払い】
俺はそろそろお暇しよう。……まぁ、その、なんだ。
強く生き給えよ、桐竹同級生……
【最後の最後で思いっきり哀れみをかけて、路地を出た所の事務所へと帰っていくのでした】
■桐竹 琴乃 > 「あ、はい……桐竹琴乃。名字でも名前でもお好きに」
諦め名前を名乗った。
「……っていうか相楽くんもなんでこんなトコに」
完全にお前が言うなではあるが。
「あ、ええ。うん、っていうかやめてマジそれ私に効くから」
志葉の一言にまた、ぐおおお、と唸る。
■相楽 満 > 「やー、かっけーッスけどね……探偵って響き……
ウッス、気を付けてくださいッス、志波探偵!」
探偵という言葉が気に入ったらしく、そう名前を呼んで見送った。
「あ、ハイ。俺はちょっとこっちに調べ物したくて。
一軒目ダメだったんで別んとこーって歩いてたら、えーと……桐竹先輩が居たって感じッス」
■桐竹 琴乃 > 「こんなトコに調べもの」
深くは聞かない方がいいのかな、という顔になる。
実際調べるのなら学園内が最も今は適している、のではないかと素行不良な琴乃ですら思う訳だが。
学園内でなく路地裏まで来ているのだから、それ相応の理由があるのだろう。
そう、自己解釈する。
ご案内:「路地裏」から志葉恭介さんが去りました。
■相楽 満 > 「あー、まぁ怪しいッスよね。
でもその、養護の蓋盛先生とかも今は治せないって病気のことなんで。
こっちもう少し調べて、ダメそうなら遺跡のほう行くしかないッスね」
その顔を見て、少しだけ話しにくそうに。
いい理由か悪い理由かはわからないが、学園の真っ当な方法ではダメらしい。
■桐竹 琴乃 > 「そうなんだ」
先生でも無理、というのなら確かに今の所学園では無理なんだろう。
もしかすると生徒でそう言った事に詳しい奴もいるのかもしれないが。
生憎とそういう奴は一人とピンと来なかった。
「あ。ごめんね」
話しにくそうなので慌ててぱたぱたと手を振る。
「無理に話さなくていいから」
「んー、まあ」
ごもごもと言い淀みつつ、髪を少しだけ弄る。
「月並みだけど見つかるといいね、治し方」
としか言えないのが恨めしく、そしてそういうのを言うのも慣れていないのだ。
ご案内:「路地裏」に異形の影さんが現れました。
■相楽 満 > 「スンマセン、気にしないでください。
大丈夫ッスよ、今頃ホントなら車椅子生活なのに、異能のおかげでこうして普通の生活できるんスから。
きっと治す方法も見つかるはずッス!」
にまっと笑い、言い切った。
難しそうな表情の桐竹とは対照的に、あっけらかんとして。
■異形の影 > 『――――』
《それは、路地裏に響く話し声に釣られてやってきていた。
物陰に潜み、陰と同化して話しこむ男女の様子を伺っている。
気配察知に鋭い感覚を持っていれば、嫌な予感といった形で存在を感じることが出来るだろう。
もし気付かなければ……獲物と認識された場合、襲い掛かられるだろう。
今はまだ、様子を伺っているだけではあるが》
■桐竹 琴乃 > 大変なんだなあ、と思うがヘタな同情は良くないのだ。
「そんだけ元気なら大丈夫かねー」
こちらもつられて笑う。
そういう意味ではやはり異能によって救われたもの、も居るのだ。
「ま、完治するのを―――」
そこまで言いかけ、ゾク、とする。
違和感。
割と路地裏は歩いていた方だ。
空気が変わった……?
ひとまず態度には出さない。
相楽の顔を伺う。
■相楽 満 > 「そーッスねぇ、元気なのが取り柄ッスから」
笑顔を浮かべながら、桐竹に近付く。
小さく手招きをして、寄り添うように。
「……なんかやべーヤツ来てます?
人の足音、してないッスよね」
笑いながら、桐竹が言葉を切ったことに不信感を覚えて、小声で尋ねる。
どこかから襲われる可能性を考え、かばえる位置で立っている。
■異形の影 > 『――――』
《言葉を途切れさせた女に、気付かれた可能性を影は感じ取った。
しかし、見た目動揺は感じ取れない。
影は判断に迷う。
しかし、その後の男の行動。
それはどこか唐突で不自然さがあった。
気付かれただろうと予測する。だが、居場所までは気付かれていないようだ。
路地裏の影に潜みながら、徐々に位置を変えていく。
寄り添う二人から死角となる位置を探りながら、二人の背後の影へと移動を始める。
夜に目が慣れていれば、影の中を動く、影よりも黒い何かを見ることが出来るだろう。
……二人が近づけば、一度に襲うことが出来る。
その異形の影は、寄り添う二人を獲物として認識した》
■桐竹 琴乃 > 「居る、けど何かは分からない。空気が変わった」
ソレは異質なものだ、と。
関わらないで済むようなら関わるべきではないものだと。
全身が告げる。
微妙に位置取りを変える相楽に少しだけ口元だけの苦笑する。
男の子なんだな、と。
一瞬だけのそんなバカな思考を切り替える。
「……さて」
どうしたものか。
■相楽 満 > 「なるほど、何かはわかんないッスか。
……桐竹先輩、もしなんかあったら申し訳ないんスけど、抱いて跳びますんで」
先に小声で謝り、すっと周囲に視線を巡らせる。
ぱっと見て気付けるほどではないか、と気を取り直し。
「……俺の一手は抜山蓋世の一撃……」
小さく呟き、異能を高める。
何かが襲うならば、それに対抗できるように。
全身の筋肉を張りつめさせ、襲撃に気付けるように。
■異形の影 > 『――――』
《男の雰囲気が変わった事を察知する。
警戒しているのだろう。
だが……影に取っては些細な事だ。
周囲をうかがう二人の視線……それが潜む方向からそれた瞬間。
異形の影は急激にその体積を増し、人間大に盛り上がると――傘の様に広がり、二人に襲い掛かった》
■相楽 満 > 「……甘ェ!!!」
周囲の影が、揺らいだ。
その小さな変化に、鋭く研ぎ澄まされた感性は反応した。
恐ろしい勢いで右拳をその影に向けて振るう。
ただのパンチに見えて、山をも砕く最強の一撃。
当てるつもりで振るわず、その拳から放たれる爆風に近い空圧を影にたたきつける。
■桐竹 琴乃 > 跳ぶ。
跳ぶか。
人ではない。
少なくとも。
動物。
空気から人よりかは動物の想定を行う。
なら、直線的な動きは捕まる?
―――。
試す価値はある。
思考はここまで―――。
一瞬、反応は遅れる。
飛びかかる影、それを振り払うように相楽が振るう拳。
―――なら私は次のフォローするだけだ。
次は遅れない。
■異形の影 > 『キィ――ッ』
《ただ殴られたのならその拳を巻き込み融解させただろう。
だが、やってきたのは衝撃。
傘のように広がっていたため、影はその影響を大きく受ける。
吹き飛ばされ、びしゃり、と。
路地裏の影の外……月明かりの下にその姿をさらした。
それは、液体のような黒い影。
夜の闇よりも深い黒色の、蠢く影。
その姿を直視したなら、酷い嫌悪感を覚える事だろう。
その存在は余りにも異質であり、不気味であった》
■桐竹 琴乃 > 一瞬姿を見て、顔をしかめる。
想定以上のモノだ。
これ以上関わるのは御免こうむる。
「ごめんね」
そのごめんは何のごめんだったか。
まさかやる事になるとは―――。
私より高い相楽ををひっつかむ、というか抱える。
火事場の馬鹿力、というヤツだろうか。
「跳ぶのは私がやるから」
そのまま、空を蹴る。
無理やりにでも空を蹴る。
直線の動きはしない。
反復、左右、振り、高度を上げる。
■相楽 満 > 「ウッス、お願いします!」
桐竹に抱えられる寸前、追加で影に向けて煽ぐように左腕を薙ぎ払う。
同じ強さの爆風が、今度は一閃するように駆け抜ける。
抱えられると同時に、自分もまたかるく跳ぶ。
「……気持っち悪いヤツ……」
そう呟いて、足元の影を見ている。
だが影からは見えるだろうか、彼の歪んだ表情が。
それは恐怖でも嫌悪でもなく、愉悦。
あれは人ならざる者だ。そして襲撃者だ。
次は、殺していい。
そんな、おぞましい笑み。
■異形の影 > 『キキ、キキキ――』
《飛び上がる二人を見て、追いかける事はしない。
盛り上がった影の上端十数センチ。
そこを頭のように傾げ、ただ見送る。
……その時、男の顔を見た。
その歪んだ笑みに、影は高い金属音を発し、哂った。
そして二人の姿が見えなくなれば、地面にしみこむように姿を消し、また路地裏で次の獲物を待ち続ける事だろう》
ご案内:「路地裏」から異形の影さんが去りました。
■桐竹 琴乃 > 「……追いかけてこない、かな?」
とはいえ、とにかくしばらくは空を駆ける。
一歩踏み込む毎になんというかやはり身体が軋む。
悲鳴を上げる。
とにかく安全圏へ。
跳ぶのに必死で相楽の顔は見えていないようだった。
■相楽 満 > 「はい、大丈夫ッス。あのまま消えましたね。
……ただ、これからあそこには近寄りたくないッスね。
いつ襲われっかわかんないッスから」
下を見て警戒をしていたか、そう答える。
ほうっと一息つくが、まだ異能の力は解けない。
「桐竹先輩、そろそろ降りていいッスよ。
着地は任せてください」
■桐竹 琴乃 > 「ん、うん。じゃ、……任せる」
一応路地裏を抜け、落第街大通り近くまで移動し少しずつ高度を下げる。
実際その申し出は有難く、追ってこないとわかった途端一気に疲労が来ているのだ。
それでもゆっくりゆっくりと慎重に高度を下げる。
後のタイミングは相楽に任せるようだ。
■相楽 満 > 「ウッス、一気に下りてもいいッスよ」
逆に桐竹を抱える。お姫様だっこ。
そして異能で強化した全身で、衝撃を逃がすように着地する。
そうしたら桐竹を足から下ろし、ようやく異能をオフにする。
「……めんどくせーもんに絡まれましたね。
怪我無かったッスか?」
ぷはーっと大きな息を吐き出す。
反動のせいか、相楽の顔を汗が伝う。
おそらく全身に汗をかいているだろう。
■桐竹 琴乃 > 「わっとっ……」
抱えられ、少しだけ声を上げるが大人しくしておく。
そして地面に降り立った途端、がくん、とその場にへたり込む。
足が悲鳴を上げていて、しばらく休まないと立てそうもない。
「怪我は……無い。うん、いや二度と御免」
ぜーぜーと息を整える。
「そっちも……キツそーだね」
■相楽 満 > 「……こんなとこで時間過ごしてっと、また襲われそうッスね。
先輩、スンマセンけどもうちょっとだけ頑張ってください。
背負いますから、さっさと離れましょう。
ちょっと汗臭いかもしんないッスけど」
桐竹の正面で、背中を向けてしゃがんだ。
汗はかいたばかりなので、そこまでひどい臭いはしないだろう。
「俺はまだ大丈夫ッスよ。
全力だと三発でダウンしますけど、今回はまだ二発しかぶっ放してないッスから」
気にしないでください、と付け足した。
早いところ離れられるようにしたい、という気持ちが強いらしい。
■桐竹 琴乃 > 「む……」
歩けるか?と思い立ち上がるが残念ながらガクガクと脚は震え、まだ歩くのすら難しそうだった。
―――。
しょうがない。
「ごめん。お言葉に甘える」
そういって相楽の背中に引っ付いた。
「何せ人を抱えて跳ぶって初めてだったからさ。上手く行って良かった」
ぶっつけ本番だったようだ。
■相楽 満 > 「……無茶苦茶しましたね。
そんなぐったりするくらいなら、俺に任せてくれてもよかったんスよ?」
苦笑しながら背負い、軽く反動をつけて背中の高いところへ導く。
異能の身体強化を調整し、桐竹を背負ったまま走れる程度に筋力を高める。
とことこ走りながら、ふと思い出したように。
「桐竹先輩、女子寮住まいッスか?
それとも住宅街?
そこまで送りますよ」
■桐竹 琴乃 > 「まあ、どうなるかはわからないし。何せ私は攻撃手段がないから」
逃げだけに力を使うならこちらでいいと判断した結果であった。
動物というアテであれば蹴る事も出来たであろうが、ああいう類は蹴れば恐らく自爆だろう。
しかし、そうか。
脚がこうなってしまっては私の異能はもう働かない。
疲労一つで止まってしまう異能だ。
せめて、鍛え直しかな。
などと考えていると。
「え?ああ。女子寮だけど」
住んでいる場所を聞かれ、答えた。
■相楽 満 > 「逃げられるんなら十分ッスよ。
おかげさまで助かりました」
表情は見えないが、嬉しそうに言って。
「女子寮なら大丈夫ッスね。
俺も男子寮住まいなんで、送るの楽ッス」
てけてけと走り、おそらく寮の前まで送り届けるでしょう。
■桐竹 琴乃 > 「ん」
とにかく疲れている。
任せてしまおう……。
あ、いやその前に言うべきことはある。
「相楽君ありがと。助かった」
これは言わねばならない事だ。
それだけ言うと琴乃は後は相楽に任せる事にした。
ご案内:「路地裏」から相楽 満さんが去りました。
ご案内:「路地裏」から桐竹 琴乃さんが去りました。
ご案内:「路地裏」に否支中 活路さんが現れました。
ご案内:「路地裏」に虞淵さんが現れました。
■否支中 活路 > 大通りを少し逸れた道のど真ん中、折り重なって倒れた三人の男へ腰を下ろして座っている。
包帯に覆われた顔を膝に立てた手に支え、疲れたように息を吐く。
「ああ……」
と声を吐いた瞬間に懐でしたガラスの割れる音は、道を挟んだ建物からした爆発音で掻き消えた。
懐を見ると呪殺反射のお守りがひとつ壊れている。
■虞淵 > 「ふん…♪フン……♪」
男は上機嫌だった
右手には酒瓶
肩をいからせるような大きな歩き方で、路地裏を歩く
昨日はツイていた、退屈という退屈が逃げ出すような遊び場に出会えた
おかげでよく眠れた
今日も機嫌が良い
歩いていると、視界に男の姿が入る
「よう、いい日だな」
ひょい、と大きな手を挙げて、そう声をかける
■否支中 活路 > 聞こえた声に顔を上げた瞬間後悔した。
活路もそこそこ大柄だが更に二回りはでかい。片手には酒瓶で上機嫌そうなのだけが幸いか。
「…………アンタかいな……」
最近また姿を現したという噂だけは話半分に聞いていた。凶相の男。
目を逸らして他人に押し付けたいが、残念ながら腰の下の三人以外にいないので諦めて応える。
■虞淵 > 「俺様のことを知ってるのか?」
グッと酒瓶を口に押し当て、呷る
「ぷフー…。
一足先に遊んでたみたいじゃァねェか」
目の前の男が腰を下ろす、倒れた男たちに目を向ける
■否支中 活路 > 「こっちの方によう厄介になるようになったんは二年ぐらいやけど、七年おるからな。
最近バチバチやっとったのがそうちゃうかって話は聞いとったよ……グエンさんやろ?」
答えてから、脇越しに下の背中を見る。
「よう絡んできよるだけやねん。
別に俺潰したかて何も得あらへんねんけどな……アンタも噂にもうなっとるちゅうことは少なないんやろ、こういうん」
相手が上機嫌そうなだけ、自分が苛立っていることが意識される。
床に向かって息を吐いた。
■虞淵 > 「ハッ、随分長ェな、ダブリか?まァ俺もだがよ」
飲み干した酒瓶を無造作に地面へ放り捨てる、バンッと音をたてて瓶が砕け散った
「イエース、マイ・ネーム・イズ・グエンだ。
七年いるなら、少なくとも今の公安どもよりは物知りだな」
くつくつと笑いながら
「いいやァ、俺としてはむしろそういう元気のある野良犬には巡り会いたいモンなんだがなァ。
最近のここいらはどうにも痩せイヌばっかりでなァ……。
どうよアニキ、そいつらで遊び足りないなら俺と遊んでくれねェか…?」
■否支中 活路 > 「学園できた頃から居るぅ聞いとるで。いくらダブリでも長すぎんちゃうか。まぁ、こっちも色々あったんやわ」
軽く笑い飛ばそうとはしたが上手くいかなかった。
色々ある。色々あったから今ここにいるし、今も色々ある。
顔の包帯のようにがんじがらめになっている。
それがわかっているから目の前の男のように呵呵と笑えない。
「ヒシナカや。否支中、活路……
……こいつらはただの飼い犬や。万一俺のタマとれたらよし、あかんかっても足止めしてる間に離れて呪殺。
そういうことで上に言われて突っかかってきただけの三下やよ」
命じた方は今さっき死んだが。
バカバカしい。
「こいつらにとっては俺を潰したーいう箔が欲しいんや。
アンタより、俺の方がナメられてんのかもしれへんな」
言いながら立ち上がる。
「遊ぶてゲーセンでも行くんか」
もっとのらりくらりと躱せばいいことはわかっている。
が、出来ないぐらいに色々なことに苛ついていることもわかっている。
■虞淵 > 「クックックッ、今や俺様より年下の教師がいるぐれェだからな」
どうだすげえだろと言わんばかりに胸を張る男
「ふゥん……それァおめぇアレだ…。
舐められてんじゃあねェ、手段を選ばねェくらいにアンタの首に価値があるってこった
ゲーセンな、ゲーセンなんざ数年来行ってねェが…なァほら、
男同士ならもっとよォ、簡単に出来る遊びがあるじゃねエか、な?」
ぐるぐると右肩を回す
「喧嘩しよーぜ♡」
■否支中 活路 > 「俺が言えた義理やないけど、生徒にしちゃあおっさんすぎるわ。いい加減“卒業”したらどうや」
眼前の男はずーっとこうして自由に生きていたのだろうか。
比べてこっちは色々ある。
やることが色々あるのに忙しい。
先立っては自分の不始末を叩きつけられるし、今日は今蹴っ飛ばした奴らで三件目だ。
極めつけにこの男。
およそ返事はわかっている。だからポケットに入れた右掌に呪符を握りこむ
「――――やらへん言うたら?」
■虞淵 > 「クッカッカッカッ、人外犇めくこの島じゃ俺様なんぞまだまだガキンチョだろうよ。
卒業?そいつぁ今から頑張っても四年かかるぜェ」
大仰に天を仰ぐ
「お前が俺のパンチ一発で散り飛ぶような木っ端なら、やらん。
───が、そういうワケでもねェんだろ?
お前の纏う空気がそう言ってるぜ………なァ!!」
愉しげに男は嘲笑い、
近くにあった大きなブロックをまるで石ころのように蹴っ飛ばす
ブロックはまるでミサイルのように、活路へと向かう───!!
■否支中 活路 > 「“BREAK”……っ」
言い始めたのはグエンが石ころを手にした瞬間。
言い終わったのは顔の高さまで上げた左手の30cm手前にブロックが来た瞬間だ。
左手の甲に触れた瞬間ブロックが斜めに弾け飛ぶ。
「装填、起動、ミカヅチ……!」
ポケットから引き出した右手には呪符が3枚。まくれあがった制服上着の裏でチャラチャラと大量の呪具が音を立てる。
■虞淵 > 「な?出来るヤツだったろ?」
男の顔が悦に歪む
「楽しく遊べンのに勿体ぶるなよ大将」
両腕を迎えるよに広げた不敵な姿勢で歩み寄っていく
どこからどう見ても、隙を晒した歩き方
■否支中 活路 > 呪符がはじけて消えるとともに、全身を一瞬稲妻が奔るように輝く。
噂通りなら呪術戦を仕掛けられることはないだろうが、気を抜けば一瞬で首を千切られてもおかしくはない。
肉体強化の呪符を三つ連ねた上で、軽く左手を前にやや半身で構える。
「愉しあらへんわボケが」
睨む緑の目が淡く光る。
もうグエンの表情は見ていない。
妖精眼。相手の気や生命力と言ったものの流れにピントをあわせる。
■虞淵 > 「ククッ…構えも堂に入ってるぜ…」
ズシン
大地が揺れ砕ける震脚を放ち、腰を落とす
三皇炮捶伏虎桩功
気の流れを捉えられるならば見えるだろう
濁流の如く男の諸手から放たれる莫大なエネルギー
「ツレねェとこ言わずに、愉しめよ活路ォォッ!!!」
男は(多分)普通の人間だ
手から変なモノは出ない
ただ、その力をもし視覚化できるならば
荒れ狂う黄河の如く力の奔流が衝撃波を巻き起こしながら突き進む、
巨大な渦を目撃することができるだろう────
■否支中 活路 > 視える。
その流れの方向はその辺にいる人間と確かにほとんど変わらない。
だがほとばしる気の量が尋常ではない。
「……っか」
三才合一の巨大な気の奔流。
即断でかけた限界量の肉体強化でも不容易に接近戦に入れば諸共薙ぎ払われかねない。
ゆえにやや後ろに退いた右手が二指を立てて中空を踊る。
魔力を込めた先端が光を引く。
ぐるりと回り、締めに描くは上下互い違いに横が飛び出た縦棒。
凶暴の獣ならこれで眠っていてくれと。
遅延のルーンI(イス)が迫り来る漢の現在位置を狙って起動。
その周囲5メートルの空気を高速で冷却し、凍結させる。
■虞淵 > 「ハァッ!!」
獣が嗤った
男には魔術の学はない
だがそれでも文字通り肌で感じる
意が向いているのは俺自身ではない
俺のいる、場所だ
瞬、肌寒さを感じる
そらおいでなすった
印を刻む意味の9割は魔術の行使だ
ならば跳ぶ
眼光を稲光のように引き摺って、
刹那の時を一足飛びに、凍る前に"範囲から"離脱し、両腕に渦巻く力の奔流を、
眼前のコイツに、
無遠慮に
叩きつけるのだ!!
「───撃把胡蝶掌ォォッッ!!!」
咢のように対となった掌底が破壊の力を叩きつける───!!
■否支中 活路 > 六徳の間さえ稼げず相手の後方で完了した凍結に、しかし驚愕はない。
眼前の漢が凶獣ならば間違いなく来ることができると信じた。
そして眼前の漢が凶獣ならば、前にしか来ないと信じた。
だからあるのは脅威だけだ。
その掌底の速度・軌道。
妖精眼をもってしても活路にはほとんど判別できない。
「 シッ 」
だから飛ばせた一足、放たせた一撃へ、灼熱ほどに感じる熱を頼りに、前に構えた左手を振った。
筋繊維に雷光がほとばしり、ぐるりと弧を描く左手が雷速で敵の両把を横から掬いに行く。
■虞淵 > 「───!」
男の動体視力は稲妻が如きその速度をとらえる
ならばと、諸手の掌底を片手に変える
威力と破壊の範囲が半減するだけだ、何も問題はない
「憤ッッ!!」
メキメキと左腕の筋肉が膨張し、強制的に力の向かう先を捻じ曲げる
鋼の分銅鞭と化した左腕が、自身に向かう雷光を薙ぎ払う──
衝突と、単掌と化した力が周辺を破壊する
粉砕された大地と破壊された周囲の破片が舞い上がる
さて、三人ほどゴミクズが転がっていた気もするが、まぁ気にする必要はないだろう
■否支中 活路 > 衝突の瞬間に理解する。
左手で止まる。右に届かない。
だから、右を後ろに半身の体を更に捻る。
【高速神化三段“ミカヅチ”】は生きている。
まだ、刹那の機動が能う。
衝突とほぼ同時。噛みあった相手の左腕。
絶対に押し切ることができないと確信できるそれを支えに、己の全身を右へと引っ張り出させる。
向かって左。右の単掌が、背骨を削りとらんばかりの勢いで通り過ぎた。
英国ウオルシンガム機関開発の合成繊維アラクネを織り込んだ上着がねじれるように表面から引き裂かれていく。
■虞淵 > 「ム」
ブチ当たった感覚でも
ブチ貫いた感覚でもない
あのタイミングで"流した"のか
面白い
絶速による空気との摩擦でシュウウ…と白煙を放つ左拳
男はゆっくりと立ち姿を戻す
「器用なヤツだな、今のは結構殺ル気満々だったんだが」
ニヤニヤと笑いを浮かべる
こんなやりとりが愉しくて楽しくてしょうがないのだ