常世学園イベント用掲示板です。PL雑談用の掲示板ではありません。
利用についてなどは
こちらをご覧ください。
旧BBSログはこちら
有志の方が旧BBSのログを
見やすくまとめてくれました。ありがとうございます!
2015年10月5日に、こちらの手違いで一度BBSを削除してしまいました。
現在は復活しておりますが、9月16日以降の記事が飛んでしまったようです。
ご利用いただいた方には心よりお詫び申し上げます。
まことに申し訳ございませんでした。
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ヨキ(No.414)
- 15/7/30(木) 1:07 -
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美術担当のヨキだ。夏休み中、下記のとおりデッサンの講習会を行う。
生徒はもちろん、教師陣の参加も歓迎する。
デッサン経験の有無は問わないし、学園での成績を左右することもない。
一日だけ参加してもいいし、気に入ったら何度でも参加してくれて構わない。
普段は美術の授業を取っていない者も、興味があればぜひ受講してくれたまえ。
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日時:7/30(木)〜夏休み最終日
場所:美術室
持ち物:鉛筆、練り消し、画板(所持していない場合、美術室より貸出)
参加資格:常世学園に在籍する生徒または教師
内容:静物デッサン(B3サイズ)
制作時間:三時間(廊下での休憩および、制作中の入退室自由)
評価ポイント:
1)【構図】画面全体がバランスよく構成されていること
2)【質感】異なる素材の質感が描き分けられていること
3)【奥行き】空間の奥行きが表現されていること
4)【時間】制限時間内に完成すること
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(以下、PL向けのご案内)
ダイス判定を使用したイベントです。
参加者は「構図」「質感」「奥行き」「時間」の計4回、ダイス【1d10】を振り、それらの出目に応じたロールを行ってください。
こちらのスレッドへの返信やログの貼り付けは任意ですが、ご記入いただければロール内容に応じた「講評」という形でヨキからの返信を行います。
また、キャラクタごとの設定に伴い、「ボーナスポイント」を付与します。
次の設定に該当する方は、ダイスを以下の通り設定してください。設定が複数当てはまる場合は、より値の高い方を一種類のみ付与します。
(※ボーナスポイントを加えた場合でも、ダイス結果は最小を1、最大を10としてください)
・「美術に関する異能or魔術を所持している」…【1d10+2】
・「美術に関する趣味がある」または「美術という科目が得意or好き」…【1d10+1】
・「美術に関する設定なし」または「美術という科目が好きでも嫌いでもない」…【1d10】
・「絵が下手」または「美術という科目が苦手or嫌い」…【1d10-1】
入室時には、「講習会に参加する」旨の描写をお願いします。
「日中の美術室で、他の受講者に交じって3時間のデッサンをしている」という設定で、「計4回ダイスが振られている」ならば、描写の形式や、ロール時間の長短は問いません。
講習中、ヨキは講師として美術室に常駐していることになっています。必要に応じてロールの演出にお使いください。
参加回数に制限はありませんので、期間中は何度でもご参加いただけます。ソロでも、他のPCさまと組んだ形でも、どうぞお気軽にご参加ください。
静物デッサンというちょっぴり特殊なシチュエーションですが、「実力どおりに描けた or 描けなかった」「ビギナーズラックでうまくいった」など、ダイスの妙を楽しんでいただければ幸いです。
長くなりましたが、ご不明な点がありましたら私書箱「yoki」までお寄せください。
どうぞよろしくお願いいたします。
(※ルール作成にあたり、アルスマグナ先生・コゼット先生の実技試験を参考にさせて頂きました。この場を借りて御礼申し上げます。有難うございます)
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ヨキ(No.414)
- 15/7/30(木) 1:12 -
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【モチーフについて】
大きな机の上に、黒と白の太いストライプ柄の布が敷かれています。
布はところどころシワが寄せられていたり、ひねられて高さがついているなど、平らではありません。
布の上には、ステンレスのケトルと、コンクリートブロックが隣り合って置かれています。
ぴかぴかのケトルの表面には、敷かれた布のストライプ柄や、他のモチーフが映り込んでいることでしょう。
コンクリートブロックは、建材として一般的に使用されているものです。
ブロックの上には、赤々としたリンゴがひとつ置かれています。
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【ダイス出目の目安】
(そのままロール中にコピペしても、参考にして描写するだけでも構いません)
◆構図
↑10 「個々のモチーフが活き活きとしながら、全体の均整も取れている。名画に勝るとも劣らない三角構図だ!」
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|5 「モチーフの全体が、紙にきっちりと収まった。なかなか描きやすい場所を選べたらしい」
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↓1 「どうも何かがしっくり来ない。なんだか画面が不安定に見える……」
◆質感
↑10 「それぞれの素材が、真に迫る質感で描き分けられた。紙の上に描かれていながら、いかにも手に取れそうだ!」
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|5 「まあまあ見分けはつくんじゃないかな? でも○○の描き込みには自信があるぞ」
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↓1 「金属、コンクリート、布に果物、何だか見分けがつかないな……。みんな同じ材質で出来てるみたいだ」
◆奥行き
↑10 「鉛筆とは思えない空気感。まるで紙の中に、もうひとつの空間が広がっているようだ!」
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|5 「モチーフの前後が、目で見たとおりに収まった。だけどまだまだ、紙に描かれた感じが抜けないなぁ」
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↓1 「モチーフの位置関係がちぐはぐだ。特にこの○○、他のモチーフに埋もれて見える……」
◆時間
↑10 「制限時間が来る前に完成できた。このまま手を止めるもよし、細部の修整も余裕で出来るぞ!」
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|5 「きっかり制限時間内で完成できた。納得のいくペース配分ができたらしい」
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↓1 「残念!時間内に描き上げることができなかった。もう少し描いていたかった……」
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ヨキ(No.414)
- 15/7/30(木) 2:44 -
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ビアトリクス(329)
- 15/7/30(木) 20:09 -
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遠峯生有子(177)
- 15/8/1(土) 17:18 -
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ヨキ(No.414)
- 15/8/2(日) 0:04 -
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(受講生を前に立つ。指示棒を伸ばしながら、では、と口を開く)
「手始めに――日恵野君か。
今日は受講してくれて有難う。
やはり描き慣れているだけのことはあるな。
鉛筆でそれぞれの色と質感とを描き出すのは、
デッサンを始めるにあたって最初の課題になる。
リンゴの赤は紙の上では黒いが、手を入れすぎればそれは『黒』だ。
その点日恵野君は心得ていて、この布とリンゴ……
同じ明度と異なる彩度とをよく捉えられている。
構図の安定感は申し分ない。
彼が気にしていたのは、恐らく空間感だろうかな。
足りないところを指摘するとすれば……、
このブロックか。これはモチーフの中で唯一硬い平面を持ち、
垂直に伸びる側面と敷かれた布とが交差して空間の流れを作っている。
そして、この絵の中でいちばん重い。
今回選んだモチーフは、表面的な質感は元より、
実のところ重量感もまたポイントであった」
(ホワイトボードに文字を書き連ねてゆく。
“布>リンゴ>ケトル>ブロック”)
「鉛筆で色を描き分けることは至難の業だが、
空気と重さを描くのはもっと難しい。
ともあれ、慣れぬ者にとっては目標たり得る絵だ。
彼自身も、この調子で伸びてゆけるといい。
以上だ。お疲れ様、日恵野君」
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ヨキ(No.414)
- 15/8/2(日) 1:41 -
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「次は遠峯君、か。
今日は受講してくれて有難う。デッサンは初めてであるかな。
嬉しいな、君のような子を待っていたよ。
さておき、講評に移ろう。
まずいちばん大事であるのは、君が時間内に描き上げたことだ。
『絵を描く』だけの三時間というのは、なかなか難しいものだったろう。
最後に差し迫ることもなく、落ち着いたペースが印象的だった。
それからもうひとつ、きちんと収めてくれたもの。そう、構図だ。
これだけの大きさの紙の上では妙に小さく縮こまってしまったり、
変なところが見切れて、落ち着かない絵になってしまったりする。
それらがなく、安定して見られる絵になった。
それで、彼女が試行錯誤していた質感について。
いずれのモチーフも、よく見て描こうとしていることが伺える。
特にケトル、光の描き込みに金属の硬さがよく出ているな。
このように、絵の中に『いちばん見せたい主役』のあることが重要なんだ。
このケトルと同じくらいに他を描き込みながら、
ケトルを引き立てるように抑える。
そうすると、絵の質が全体的に上がってくる。
時間とともに、配分の難しいところではあるな。
いかがだったかな。よい刺激になったろうか?
楽しめてもらえたならば、ヨキにとっても有難いことだ。
以上。お疲れ様、遠峯君」
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朽木 次善
- 15/8/2(日) 13:18 -
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アルスマグナ(No.410)
- 15/8/2(日) 16:52 -
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アリストロメリア
- 15/8/3(月) 22:56 -
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ヨキ(No.414)
- 15/8/5(水) 2:05 -
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「次は……やあ、朽木君か。受講してくれて有難う。
はは、そんなに縮こまらなくて構わんよ。
逡巡していたようだね。だがこの絵にも、きちんと彼らしさが出ている。
良くも悪くも『ひとつひとつのモチーフに忠実である』ということだ。
特にこのブロック。物体の質量というよりは、
素材の表面が持つ凹凸……テクスチャを描き取ることに苦心している。
質感の見方について、良い方に作用しているのがこちらなんだ。
一方で、悪い方に出てしまっているのが、リンゴの方。
今回は、リンゴを単体で描き移すことに注意が向いていて、
全体のバランスが崩れてしまったのだな。
けれどもそれでいて、実はリンゴ自体が持つ質感はよく表れている。
奥行きが死んでしまっている反面、彼の場合……
物体の持つ『輪郭』と、その『表面』に目が向いているのだろうな。
我々にとって、普段意識をしていないが、知っていることがある。
それは、物体には『回り込み』と『裏側』がある、ということだ。
一般に『絵を描く』というと、どうしても輪郭線を写し取ることに
気が向いてしまいやすい。だがこういったデッサンの場合、
『裏側まで透けて見えるくらいに描いてやる』、
これくらいの気概があってもよい訳だ。
輪郭線は空間を切り取るものではなく、回り込みの『破線』に過ぎない。
物の見方を変える、というのはなかなか難しいところではあるがね。
何かしら勉強にはなったろうか?以上だ。お疲れ様、朽木君」
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ヨキ(No.414)
- 15/8/15(土) 19:10 -
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「それでは……次にアルスマグナ。覚悟したまえ。
このヨキの前では、みな同じ土俵に立つ者ぞ」
(冗談めかして、金属製の指示棒をひゅん、と振る。
その先端が鋭い乗馬鞭の形に変化して――すぐに戻る)
「なんてな。冗談だ。
――ふむ、要点はよく掴めているようだな。
見たものをその場で写し取るには、要素を手早く分析して紙に落とし込む技術が要る。
現場でのスケッチの経験が生きているということか。
む。自分のスケッチが採用されたことはないと?
なに、大事なのは経験さ。
絵を描くためにペンを取る者と、取らぬ者の間には、大きな壁がある。
それは実のところ、とても薄くて柔らかな壁なのだが……
自分にとっては固く閉ざされている、と思い込んでいる者も少なくない。
その代わり、複数をひとつの空間ないし平面上に置く、
というのが少し弱くなってしまっているかな。
長時間モチーフを眺め、描いてゆく段階で
少し考えすぎてしまったのやも知れん。
いかにも丁々発止が得意な君の、それでいて
研究者肌が見えてくるようではないか?
鉛筆の使い分けはよく出来ている。
あとは使い分けることの効果が、伸びしろのひとつになるだろう。
……いかがだったね、講評は?
ふふ。ヨキとて鬼ではないぞ。
参加してくれてありがとう。
お疲れ様、アルスマグナ」
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ヨキ(No.414)
- 15/8/15(土) 19:59 -
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「次は……ラジェル君。
初めまして、参加してくれてありがとう。
それでは早速見て行……
ん?
……んんん……???
(ラジェルの作品をしばし眺め、首を傾げ、また眺める……)
いや、失敬。
これはなかなか、気になる作品になっているのでな。
構図は確かに崩れてしまっているが、各々のモチーフや空気感が随分と生々しく捉えられている。
思うにラジェル君は、絵を『右脳』で描く資質があるのではないかな。
ご存じの通り、左脳は論理的な思考を司り、右脳は感覚的な思考を司る、と言われている。
絵を右脳で描くというのは、モチーフそれぞれを構成する面や位置関係の理屈ではなく、目で見たものをそのまま写し取ろうとするものだ。
視線がそのまま紙の上に表されることによって、時として『ちぐはぐ』に見えてしまう。
モチーフを論理的に捉えている者は、一見するとこの絵を妙だと思うやも知れん。
だが一度頭をリセットして見てみると、全体が不思議としっくり来るようには思えんかね?
理屈ではないからこそ、時間を忘れて没頭出来る……、
……今回は、少々のお喋りもあったようだが?
まあ、その辺りは問わずにおこう。
別の作品を見てみたくなる類の絵だな。
これはこれでなかなかに、ラジェル君自身も楽しく描けたのではないかね?
また縁があればと思うよ。
以上だ。
お疲れ様、ラジェル君」
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ヨキ(No.414)
- 15/8/18(火) 23:14 -
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「次は、アリストロメリアくん。
初めまして、この度はご参加ありがとう。
彼女の絵は……おお、これはまた大したものだな。
デッサンというより……半ば『ヴァニタス』の趣さえあるな。
ヴァニタスというのは、かつてヨーロッパで多く描かれた静物画の一ジャンルだ。
人生の無為や空虚、儚さを取り入れた寓意画として知られている。
時計や頭蓋骨、果物……こういったデッサンと同じように配置されたモチーフが、
しかして物体の形を写し取るよりも大きな意味を与えられていた訳だ。
だが『寓意』とは、描かれたそのものに力がなければ成立し得んものだ。
アリストロメリア君はこと美術の鑑賞において素養のあるようだから……、
その意欲や情なりともが絵の上に表れたのやも知れんな。
そもそも人間にとって、絵を描くという作業はひどく能動的なものだ。
創作する意欲を刺激されたにしろ、ある種のひらめきによって筆を執るにしろ、
紙やキャンバスに向かって最初の一ストロークを描き込むことは、
それ自体にパワーを要する。
先に講評を行った中にも、デッサンをしたことがないという者は多かったが、
ことアリストロメリア君においては、それまで彼女自身が観てきた作品が
彼女が『紙と向き合うときの視線』に表れているように感じられるな。
『手で描いたもの』が『目で見たもの』『頭に思い浮かべたもの』の
形態と異なっているとき、ごく一般的な心理として『描くことを誤った』と躓き、
手を止めてしまうことがある。
なまじ手と目とが養われているときにぶつかりやすい壁のひとつだが、
彼女の場合、培われてきた『下地』がその迷いに克ったのだろう。
構図、質感、空間感、ともに初めてにしてはよく捉えられている。
描き込まれた絵画は、魔術書に勝るとも劣らない筆跡の集合体だ。
その経験と解釈が、アリストロメリア君の研鑽に繋がって欲しいと思う。
それでは、以上だ。
お疲れ様、アリストロメリア君」