2015/06/27 のログ
雪城 氷架 > 陰りのない笑顔
その笑顔がなくなった時期のことを氷架は知らない
ただ、その満面の笑みは否応なく、元気を分けられる

「気なんて使わなくてもいいのに、ま、みんなでありがたくいただくよ」
笑顔でそれを受け取る

「へー…私なんて服だけでもダンボール5つくらいになっちゃったけどなぁ」

よいしょっと一つ抱えて、部屋へと運ぶ

霜月 芙蓉 > 「まあ、私私服もあーんまり拘らないしね。
いくつかのパターンと、道着と、制服くらいかなー」

来たばっかりでものが増えてないってのもあるけどねー、と笑いながら運び入れていく。

それぞれの段ボールには「服」「食品」「本」などと書いてあるが、その中に一つ「兄」があるのに気付くかもしれない。

雪城 氷架 > 「ふーん…芙蓉とか着飾ればモテそうなのになー」

よいしょっと運ぼうとしたダンボールに「兄」と書かれている

思わず怪訝な顔

まさか中に兄が入っているわけではないだろうが

霜月 芙蓉 > 「いやー、どーだろ?私あんまりモテたことなかったしさー」

と、言いつつ思い出す。自分が遂には惚れてしまった、ある男子の事を。

「……でも、ちょっとくらい着飾ろうかな?」

少し顔を赤くしつつぽつりと零す。

「兄」の段ボールは、ずしりと重い。流石に人は入っていなさそうだが、他のに比べて若干重めだ。

雪城 氷架 > 確かに芙蓉はどちらかといえば友達としてモテるタイプにも見える
……でもその顔はわかりやすかった

「へー、芙蓉、好きなヤツいるんだなー」

他人のことには鋭い氷架

「って、おっも!
 この兄って書いてあるダンボール何入ってんの!?」

霜月 芙蓉 > びっくぅ!と反応。おろおろと目が泳いでいる。

「あ、あはは、何の事かな?私に好きな人とか、別にいないし?いないし?」

繰り返した。

「あ、そ、その段ボールね!うん!そこには、アルバムとか入ってるんだ!」

そして、話題を必死に逸らす。この話題を続ければ、ちょっとマズい事になるかもしれない。

「ほら、私お兄ちゃん大好きだから!そう、お兄ちゃん大好きだから、その思い出の品をね、うん!」

雪城 氷架 > 「……いや、そんな全力でブラコン宣言されてもさ」
苦笑、なんて誤魔化すのが下手なんだろうこの子

「好きなヤツがいなかったらさっきみたいな顔しないって、
 別にいいんじゃないか?恥ずかしいことでもあるまいし。
 …よ、っと……大事なモノが入ってるならしっかり運ばないとな」

持ち上げて、慎重に部屋に運び込んだ

霜月 芙蓉 > 「え?でも兄妹なんだから、大好きなの普通じゃない?お兄ちゃんだよ?」

この辺の感覚は、素でズレている芙蓉である。

「う、うー……なんだかこう、うん……まあ、白状するといる、かな。
入院してた時にさ、凄く良くしてくれて。私がもうダメって時に支えてくれてさ。
それで、ちょっと、ね……」

もじもじとしながら荷物を運ぶ。顔は赤いが、少し綻んでいた。

雪城 氷架 > 「いや、私一人っ子だからわかんないけど…多分高校生ぐらいになったらあんまベタベタはしない気がする…」
という一般論で答えた

「へー、もう告白したの?」

ズッパリとそんなことをもじもじしている芙蓉に聞いてしまうあたり、デリカシーがない

霜月 芙蓉 > 「むう、世の家族は疎遠になりすぎだよー……」

明らかに、コイツが異常なだけである。

「……って、こ、こここ告白!?してないしてないしてないしてない!
出来ないよぅ!」

顔を真っ赤にしてわたわたわたわた。そう言ったことには耐性がなく、実は結構乙女な芙蓉である。

雪城 氷架 > 「よっ、と」
最後のダンボール箱を部屋に運び込んで、一服
リビングの共同冷蔵庫からアイスコーヒーのペットボトルを出し、
コップを2つ、テーブルにおいて注ぐ

芙蓉に まぁ座れよ とソファを勧めて

「なんで?
 好きなら告白しなきゃいけないんじゃないの?」

というのが氷架のエロゲ脳だった

霜月 芙蓉 > 「う、うう……そうかもしれないけど、恥ずかしいよぉ……」

ソファに座ってアイスコーヒーをくぴ、と飲みつつも顔は真っ赤だ。

「そりゃね?いつかはしないとって思うけど、もう少し待ってからって言うか、タイミングをっていうか……」

そもそも、最初は「こっちが待っててあげる」などと言ったのだ。
そこから「私の方から好きになっちゃいました」などと言うのは、とてもとても恥ずかしい。

雪城 氷架 > その中学生もかくやという反応に思わず吹き出してしまう

「あっはは…なんだよ、芙蓉ってそういうのの経験とかまるでないのか?」

意外な一面を見た気がして、笑ってしまった

霜月 芙蓉 > 「ないよぉ!私、今まで男の子好きになることもお兄ちゃん以外なかったし、告白とかもされたことないもん!」

その兄への好意も、所謂親愛であり、男女としてのラブではない。

「恋愛経験とかないよぉ……そういうひょーかちゃんはどうなのさ!」

指を指してぶんぶん。話を振ることでさあ恥ずかしがるがいい!

雪城 氷架 > 「意外に子供っぽいというか、なんていうか純なんだなー」
くすくすと笑みを浮かべているが…

「…ん、私?
 私はそういうのはまだいいよ。興味ナシ」

ひらひらと手を揺らしてそう答えた

霜月 芙蓉 > 「むきゃー!!」

かるぅーくいなされてしまった。これじゃあ、自分がおのぼりさんみたいだ。

「ひょ、ひょーかちゃんもお相手見つけるべきだよ!綺麗なんだし!探せばきっと見つかるから!ね!」

顔を真っ赤にしながら必死のアピール。こっち側に引きずり込んでやる…!

雪城 氷架 > 芙蓉の様子にくすくすと笑って

「別に探さなくても向こうから寄ってくるだろうし、
 その気が起きたら適当に選んでやってもいいかなー」

この少女、自分が美少女ということを自覚しているのである、たちが悪い

霜月 芙蓉 > 「うっわあ、嫌な発言!」

まさかの自意識だった。しかも過剰じゃなく、的確な判断なのがより悔しい。

「むー、そりゃあひょーかちゃんは美人さんだからそうだろうけどさぁー……」

とは言え、この芙蓉も容姿は優れている方だ。そう言ったことに経験が浅いので、あまり自覚はないのだが。

雪城 氷架 > 「だから、芙蓉が自分から誰かを好きーってなったんなら、その気持は大事にすべきだし、告白もすべきだよ」

うんうん、と頷く

「私は誰かを好きになるとか、まだまだなさそうだしな」

霜月 芙蓉 > 「むぅ……」

俯いて考え込む。今度会ったら勢いで言ってしまうべきか。でもとても恥ずかしい。

「ひょーかちゃん冷めてるー。気になる人とかいないのー?」

せめてもの抵抗で突っついてみる。少しくらいこう、余裕を崩したいものだ。

雪城 氷架 > 「気になる人って言ってもさー」

んー、とアイスコーヒーのコップをテーブルに置いて、顎に手を当てる

「その気になる、っていうのがわからないというか…。
 どういう風に気になるもんなんだ?」

純粋に興味の視線を芙蓉に向けて

霜月 芙蓉 > 「んー、なんていえばいいのかなー……」

確かに、気になる、って言うのも結構ふわふわした表現かもしれない。

「えっと、なんとなくその人と会うと嬉しくなったり、何してるのか気になったり、話してて妙に心地よかったり、とか……?」

冷静に考えて結構恥ずかしい事をつらつらと並べた。

雪城 氷架 > 「んー………」
考えこむ

「ないこともないけど…普通に友達だな、それ」

こくん、と頷きながらそう答えた

霜月 芙蓉 > 「う、うーん……」

冷静に考えればそうだ。別に恋じゃなくても、友達でもそうなる。
じゃあ恋と言うと……

「会った時、ドキっとしちゃうとか……のんびりしてる時に、ふとその人を思い出して嬉しい気持ちになったり……?」

雪城 氷架 > 「へー…」

ふと気づけば、テーブルに頬杖をついてにやにやと芙蓉の顔を見ている

「芙蓉はソイツのことを思うとそうなっちゃうのか、なるほどなー」

にんまり
自分は恋のことに興味がないが、友人の恋愛事情には大いに興味があった

「残念ながら私はそういう相手はいないなー。
 いやぁ、芙蓉が羨ましいな、青春だな青春」

霜月 芙蓉 > 「あっ……」

しまった、と己の失策を悟り顔が一気に赤くなる。

「あ、あうあう、あうあー、うああああ…………ひょーかちゃんの意地悪ぅ…………」

顔を覆って恨めし気に文句を言う。完全に乗せられてしまった形だ。

雪城 氷架 > 「いいじゃん、羨ましいよ素直に」

つつい、とコップのフチを撫でる

「変に達観してるよりよっぽどいいじゃん。
 こういうので顔が真っ赤になる芙蓉だから多分、好きな相手とかもできるんだよ」

くすくすと笑ってその様子を眺めている

霜月 芙蓉 > 「いつか、ひょーかちゃんもそうなっちゃえばいいんだー!」

じとぉ、と見つめながら。

実際、もったいなくも思う。こんなに綺麗なのに、全く興味がないなんて損失じゃないか。

「ひょーかちゃんは、なんで全く興味ない感じなの?」

ついでに聞いてみる。本当にもったいなく思うから。

雪城 氷架 > 「ん………」
そういえばそういうことを聞かれたことはなかった

「…なんでだろうな。
 私がまだお子様ってことなのかもしんないけど……」

うーん、と頭をひねる

「多分考えてわかることでもないのかもしれないぞ。
 芙蓉は、なんでソイツのこと好きになったかわかる?」

霜月 芙蓉 > 「え?うーん……」

腕を組んで考え込む。なんで、か?

「……色々理由になりそうな事はあったけど、でも「なんとなく」かも?
あ、この人のこと、私好きなんだ……ってなったから。
明確な理由ってない、のかも?」

雪城 氷架 > 「ま、そういうことなんだろ」
コップに残ったアイスコーヒーを口に運ぶ

「何で人を好きになるのかよくわからないんだ、
 だったら何で好きな人ができないかっていうのも、多分理由はないんだよ」

霜月 芙蓉 > 「なるほどねー……」

好きになるのに理由がないように、ならないのにも明確な理由はない。

要するに「なんとなく」の世界、と言う事なのだろう。

「でも、いつかひょーかちゃんにも、そういうお相手さんが出来るといいね」

ニコニコと笑って言う。これは、偽りのない本心だ。

雪城 氷架 > 「もしくは私に釣り合うヤツがそうそういないとか」
余計なことも言ったりする

「そうだなー、まぁいないよりはいたほうが良いんだろうな…」

あまりに乗り気ではなさそうだ
恋愛事情にはとことん疎い少女らしかった

霜月 芙蓉 > 「釣り合う奴がいない、とかなんていう女王様発言ー?」

コーヒーを飲んでくすくすと笑う。でも、そうやってふんぞり返っているのも、この女の子には似合いそうだ。

「ひょーかちゃんが女王様なら、私は護衛さんだったりするのかな?」

雪城 氷架 > 「え…だって私、可愛いし」
臆面もなく、さらりと言ってのける

「別に女王様とかそういうつもりはないけど、
 顔面偏差値とかってあるじゃん、やっぱり」

つらつらと出てくる自意識の高さである

霜月 芙蓉 > 「えー……事実でも自分でそれ言っちゃうー?」

あまりの自意識に流石の芙蓉も苦笑。ここまで自分に自信があるのはむしろすごいと思う。

「じゃあ、そんなひょーかちゃんから見て、私ってどーう?」

全体的に、派手さはないが整った容姿。美人と言っても差し支えはないが、目の前の少女の持つ美貌には劣るかもしれない。
少なくとも、芙蓉は劣ると思っているようだが。

雪城 氷架 > 「何かおかしいか?これでも容姿整える努力はちゃんとしてるんだけどな」

喧嘩自慢が自分が強いというのと何も違わない
少なくとも少女の中ではそういうことらしい

「芙蓉は元がいいし、もっと化粧の仕方とか覚えるといいんじゃないかな。
 薄化粧でも顔つきにあったのするとしないとじゃ全然違うし、まぁすっぴんがいいって男もいるかもしんないけど」

頬杖から、じーっと芙蓉の顔を見てそう答える

霜月 芙蓉 > 「成程ねー……根拠ありの自信満々、ってわけなんだ」

多分、自分が弓に自負があるのと同じだろう。それが、彼女にとっては「容姿」なのだ。

「んー、お化粧かあ。私、あんまりやったことないんだよねー」

ボヤく。実際、先程の荷物の中にも化粧品はない。あんまり自分を着飾る事には興味がないタイプだったのだ。

雪城 氷架 > 「ダメだなー、小学生じゃないんだから少しはそういうとこにも気くらい使えよなー」

ダメだしが入る

「今どき中学生でも少しはするぞ。
 今度休みの日にじっくり芙蓉のファッションとか見てやらないとな」

こくこく、と深く頷いている

霜月 芙蓉 > 「うぇ、そーなの!?」

中学生でもする、と言う言葉に驚く。まさか、そんなに皆美意識が高かったなんて……

「じゃ、じゃあお願いして、いいかな……?」

そこまで言われては、自分もそう言ったことに気を遣わずにはいられない。
教えてくれるというのならば、乗らない理由がなかった。

雪城 氷架 > きっと弓の練習とかに打ち込んでいて、そういったことに手がまわらなかったんだろう、と思った
元はとても良いのだ、きっと磨けばもっと光る

「任せろ。
 女の子らしい見た目の作り方に関してはお母さんや括流に仕込まれまくってるからな」

性格が男っぽすぎる、ということで彼女たちの涙ぐましい努力が産んだ美少女であった

霜月 芙蓉 > 「むー、ウチのお母さんはあんまりそういう事教えてくれなかったからなあー……」

基本的に「外面を繕うより内面を磨いてこそ」と言う考えの元、様々な作法などを教えてくれるタイプの母だった。その結果がこのWKY(割と空気読めない)芙蓉ちゃんなので、もしかしたら育成能力は微妙だったのかもしれないが。

「じゃあ、頼りにしてるね!その分しっかりとお勉強教えてあげる!」

雪城 氷架 > 「中身も大事だけど見た目はもっと大事なんだぞ?だれでも出会って最初は見た目から見るんだからな。
 その後仲良くなって中身を知ってもらえればいいけど、人によっては見た目だけで離れてはいそれまで、ってヤツもいるかもしれない」

うんうん、と頷きながら答えて

「お、おう……勉強に関してはうん、
 私以外のルームメイトも頼りにすることになると思うしな……」

なんだかしっかり勉強会とかが開かれてしまいそうな予感を感じる氷架であった

霜月 芙蓉 > 「うーん、それもそっかぁ……」

確かに、身なりのしっかりしていない人なんかはその時点でアウトだ。そんな人はそれだけで信用できるか怪しく思えてしまう。

まずは第一印象をよくするためにも、見た目。成程と納得した。

「じゃあ、少しはマシに見える様にしないとねー……まあ、その分中身に関するお勉強は私が教えてあげるってことで!」

そして笑顔。いい笑顔。眩しい笑顔。
やる気は十分のようだった。

雪城 氷架 > 「試験前が楽しみだなこりゃ…」
苦笑して、よっこらせっと立ち上がる

「さて、折角だし荷物の配置も手伝うよ。
 あの数のダンボール箱に入る分だと多分部屋の広さ的に余裕だとは思うけど」

霜月 芙蓉 > 「うん、じゃあお願い。
とはいっても、あんまり配置に拘りとかないんだけどね」

にへ、と笑う。棚に本を入れて、クローゼットに服を入れて、花を適当に飾って……と言った具合だ。

雪城 氷架 > 「荷物が少ないっていいことだよな。
 ルームメイトにくーこ、ってやつがいるんだけどさー」

これからの楽しいであろう寮生活
それを共に過ごすルームメイトの話なぞをしながら、
新たしい住人を迎え入れるのだった───

ご案内:「部屋」から雪城 氷架さんが去りました。
ご案内:「部屋」から霜月 芙蓉さんが去りました。
ご案内:「ロビー」にレイチェルさんが現れました。
レイチェル > 「よいしょ、っと」
授業が終わって間もない夕方。
女子寮のロビーのソファーに、ぽすっと座る少女が一人。

「なんかここに来るのも新鮮な気がするぜ。寝るのは風紀の部屋ばっかりで、なかなかこっちの女子寮に帰ってこれねーんだよな~……」
そう言って、自販機で買って来たジュースを片手にくつろいでいる。

ご案内:「ロビー」に霜月 芙蓉さんが現れました。
霜月 芙蓉 > 引っ越しを終えて、適当に飲み物でも買って来よう……と思ってロビーに来てみたら、まさかの人を見つけた。

「あ、せんぱーい。寮で会うのは珍しいですね」

とててて、と走り寄っていく。

ご案内:「ロビー」に畝傍・クリスタ・ステンデルさんが現れました。
レイチェル > 「しかしま~、授業が終わったばっかりだから当然だが、誰も居ねーな」
辺りを見渡せば、今はまだロビーに人は居ないようである。

「ま、一人でくつろぐのもいいもんだけど、な」
そう言って、クロークからテーザーガンを取り出し、テーブルの上に置いた。
銃の手入れでもして、適当に時間を潰す。
こういう時間がレイチェルにとっては幸せであり、大事な時間だった。
手入れをしている間は色々なことを忘れて、今ここの瞬間目の前のことだけに打ち込めるからだ。

「ん? 芙蓉じゃねーか。ま、珍しいだろうな。部屋にもあんまり戻ってねーし」
頭の後ろに腕を回して、そんな風に答える。

畝傍・クリスタ・ステンデル > 異邦人街での買い物を終えた、橙色のボディスーツに身を包む少女――畝傍は、寮内の自室に戻る前にロビーで一息つこうとしてみる。
その右肩には弾を抜かれた上で折り畳まれた上下二連式の散弾銃が抱えられ、左手には自販機で購入したオレンジジュースの缶が握られていた。そして、ボディスーツの背には買ったばかりのフライトパック。
すると、先日落第街で出会った、未だ名も知らぬ風紀委員――レイチェル・ラムレイの姿を目撃し。
「あ。このまえの、フーキのヒト」
と、やや雑な呼び方で声をかけてみる。

霜月 芙蓉 > 「まあ、私も私で最近まで入院でしたしねー」

あはは、と笑って対面のソファに座る。

「あ、銃のお手入れ、邪魔でした?」

首を傾げて聞く。武器の手入れは、人によっては侵すべからざる儀式として扱っている人もいるくらいだ。声をかけるだけで激怒する人だっているのである。

レイチェル > 「いや別に、全然。慣れたもんだから、話しながらやったところで何も問題は無いぜ」
芙蓉に対してはそう言いながら、テーザーガンを手際よくばらしていく。
細かな各パーツを並べながら、その状態をチェックしていく。

「えーと……あぁ、落第街で見かけたな、あんた」
やって来た名も知らぬ女に対して、小首を傾げるレイチェル。
確か、あの場に居た筈だ。しかし、その名は聞いていない。
「オレは風紀委員刑事課のレイチェル・ラムレイだ。一応女子寮住みだぜ」
名前を名乗っていなかったな、と付け加えながら名を名乗る。

畝傍・クリスタ・ステンデル > 「ボクはウネビ。畝傍・クリスタ・ステンデル。ボクもここにすんでるの。いまは買い物がえり」
視界の左右に二人の姿が見える位置のソファに座ると、
レイチェルの自己紹介に応え、畝傍も名乗った。
「……きみは?」
この場にはもう一人、名前を知らない黒髪の少女が居る。
そちらを向き、彼女にも名を聞く。

霜月 芙蓉 > 「あ、じゃあちょっとお邪魔しますねー」

興味深そうにテーザーガンを分解していくのを見ている。

そのついでに、BBSにあった通報の話題を振ってみることにした。

「そう言えば、指名手配犯の情報が結構細かく出てましたね。どうします?」

聞きながら、声をかけられれば笑って応える。

「あ、霜月芙蓉でーす!よろしく!」

にこっと笑顔。人懐っこく笑いかけた。

畝傍・クリスタ・ステンデル > 「よろしく、フヨウ、レイチェル」
名前を知った二人に、心からの笑顔を見せる畝傍。
その後、散弾銃を肩に乗せたまま缶のプルタブを開け、オレンジジュースを一杯。
指名手配犯――『サヤ』の情報を風紀委員に送ったのはまぎれもなく彼女だ。
だが今は敢えて、自分からそのことには触れない。二人の動向を窺う。

霜月 芙蓉 > 「畝傍さん、だね!よろしく!」

笑顔は変わらず、快活に応える。

だが、レイチェルの方を向き直れば目は真剣だ。

芙蓉の右腕にある「風紀」の腕章が彼女が風紀であることを示しており、その職務に関しては真剣であることがうかがえるだろう。

レイチェル > 「邪魔にならねーから心配すんな」
答えながら、眼帯を外す。
眼帯の下は、右目と寸分違わぬ瞳に見えるが、時折光の線が走っては消えている。
その目に部品一つ一つを近づけて、肉眼では見逃してしまいがちな、微細な傷や亀裂なども注意してチェックを続けていく。

「指名手配犯、ね」
こりゃダメだな、と部品を一つテーブルの隅に追いやってから、レイチェルは芙蓉の方を見やった。
「こっちは詰所をやられてるんだ。仇がどうのこうの言う気はねぇが、放っておく訳にはいかねぇだろうな」
クロークの内に手を滑らせ、新しい部品を取り出すと、ばらした後綺麗に並べた部品群の中にそれを置いた。

「畝傍ね、覚えたぜ。それ、いい銃だな」
そう言って、銃の方を軽く見やった。

霜月 芙蓉 > 「必要なら呼んでください。後方からの射撃支援ならこなせます」

真剣な目で告げる。退院明けであることは気にしないで欲しい、自分にも働かせて欲しい、と。

「それにしても……凄い目ですね。義眼ですか?」

少し首を傾げて。微細な傷を眼力で見切る人はいるが、それにしても早すぎる。光の線も考慮すると、機械的な義眼だろうかとアタリをつけての質問だ。

レイチェル > 「そうだな、次に奴が暴れ回ったとしたら――オレも動きたいとこだ。
 放っておいちゃ、犠牲者が増えるだけだ。そして、風紀としては
 そういう事態は許しちゃおけねぇ」
チェックは終わりだ。
交換した部品は五つ。これで、まだまだ使い続けていくことが出来るだろう。

「ああ、義眼だぜ。本物の目は――昔、悪魔に喰われた」
淡々とそんな事を口にしながら、テーザーガンをクロークにしまう。

霜月 芙蓉 > 「悪魔に……」

よくある話ではある。退魔師も、超常の存在を相手取る職業だから身近にもそういう人はいる。

片腕がなくなった人、片耳がない人、目が斬られた人。

他にも、力を得るためにあえて体を食わせる、なんて人もいる。この先輩がそうだとは思わないが。

だから、それなりに平静なままでその言葉を受け入れる。

「とにかく、次動きがあったら私も出れたら出ようと思います。
それで思ったんですけど……集まれる時に、風紀内での連携を再確認した方がいいんじゃないかなって。どうです?」

ついでに、一人で挑み敗れた……その経験をもとに考えたことを口にしてみる。
一人では限界がある。ならば、チームで行動することを前提にしてはどうか、と。

畝傍・クリスタ・ステンデル > しばらくの間、ジュースを飲みながら二人の様子を窺っていた畝傍だが、やがて真剣な面持ちになり、二人に告げる。
「ふたりとも、フーキのヒトだよね。シーシュアンをおいかけるつもりなら――きをつけて。シーシュアンは、人刃一刀流(じんばいっとうりゅう)っていう剣術をつかうんだ。人刃一刀流は、奇襲とか、そういうことを平気でする流派なんだって。…………きいた」
さすがに、風紀委員の前でよりにもよって指名手配犯本人にその話を聞いたとは言えない。
畝傍は情報の入手経路をぼかしつつ、二人の風紀委員に忠告した。

霜月 芙蓉 > 「奇襲をする流派……タイ捨流とかに近いのかな?」

腕を組んで首を傾げて考え込む。
タイ捨流は忍術を含む武術流派、剣術でありながら手裏剣等も使うのだ。

そして、手段を選ばない敵は、強い。
狡猾で、自分の勝てるシチュエーションを作る事を重視する。

戦いで勝つのではない。勝てる戦いをするのだ。

レイチェル > 「ここに来るまでは、ずっと悪魔や邪な異形を狩る仕事――魔狩人稼業についてたんでな。
こいつは初めて自分から魔と対峙して、そして初めて敗北した時の傷跡ってやつだ。今じゃある意味感謝してるがな。こんなに便利な目はなかなか無いぜ」
そう言って、軽い口調で自らの右眼を指さす。

「連携、ね。ま、そういう所は確かにな。
 風紀はどいつもこいつも忙しい。
 なかなか捕まらねーかもしれねぇが、出来る時に相談はしとくべきだろうな」
芙蓉にはそう言って、缶ジュースに口をつける。
爽やかな味のトマトジュースだ。

「奇襲も何も、マジな勝負だったら虚を突くのはごく自然な考えだろうぜ。
 だが。シーシュアン……ね。なかなか話に聞く限り面倒そうな奴だぜ」
胸の下で腕を組み、うーむ、と唸るレイチェル。

霜月 芙蓉 > 「それこそ、奇襲強襲をしてくる相手には、複数名で当たるのが鉄板ですからね」

相談はしとくべき、と言う言葉に頷く。上級者の奇襲には、一人ではまず対応できない。
いや、例えば「無念無想剣」などに到達していれば奇襲も通じないと聞くが、普通はまず無理だ。

だから、複数名で周囲を警戒することで対処する形になる。

「根城がはっきりしている、って言うのも罠に使われるかもしれません。
空城の計って言うのもありますし、ある意味であの虞淵より厄介な可能性だって……」

自分で言って少し身震いする。脅威の種類が違うという意味合いではあるが、引き合いに出した存在はやはり、強大に思えた。

畝傍・クリスタ・ステンデル > 「……ね、まだボクのはなし、きいてくれるかな」
石蒜への対策を練ろうとする二人に畝傍は真剣な表情を保ち、さらに詳しい事情の説明を試みる。
「シーシュアンは、サヤだったんだけど……『ご主人さま』にゆがめられたらしくて。その『ご主人さま』ってヒトが、メイメイっていう、黒くてちいさい女の子なんだ。ここまではもう、しってるとおもうけど」
畝傍は鳴鳴について、あまり多くを知らない。
その正体はほぼ掴んだも同然ともいえるが――明確に知り得ているのはその名と、彼女が用いた怪しげな術のみ。
むしろ、ロストサイン絡みの事件について詳しい風紀委員会のほうが、より多くの情報を知り得ているはずだ。
「ボク、シーシュアンとそのメイメイって子と、たたかったんだ、あの祠で。そのとき、メイメイはあやしい術をつかってた。メイメイのうしろの空間がわれて、黒いなにかがでてきたんだ。それで、ボクは銃を身代わりにして逃げてきた。そのあとのことは、よくおぼえてないけど……」
先日のことは、畝傍の中でも記憶があいまいな部分も多い。
覚えている事柄を可能な限り伝えようとする。

霜月 芙蓉 > 「……隷属の法?いえ、変質させちゃったんなら洗脳?うーん……」

情報を聞いて首をひねって考える。どうやら、想像していた以上に状況は複雑なようだった。

「で、怪しい術……後ろの空間が割れて、黒い何か……」

そう言った術には、覚えがある。それは……

「邪鬼招来の法、かなぁ……?」

正確には違うのだろうが、自分の知る中でそれらしき術を口に出す。

レイチェル > 「ま、何にせよ連携ってとこだな。オレも五代先輩から釘刺されてるし」
無論、状況によりけり、だ。
今すぐに動かなければ、と思ったら単独でも動くだろう。


「あの虞淵って奴は、何がしてーのかよく分かってるから、そこまででもねぇ。
 確かに強ぇが、とにかく他人を殴りてぇって欲を満たす為に動いてそうなもんだろ。
 分かりやすいことこの上ないタイプじゃねぇか。果たして
 そのシーシュアンとかいうのがどうかは知らねーが」
ふぅ、と溜息をつくレイチェル。


「黒い何か、ね。そいつが一番気になるとこだな。何かの召喚魔法か、
 それとも……ま、報告に感謝しとくぜ」
そう言って、畝傍の語ったことをしっかりと記憶しておく。
歪められた、というのはなんとも抽象的であるが、
おそらくは洗脳だろう。レイチェルはそう判断した。
魔の者には、洗脳の術を使う輩も多く存在した。
上位の者であれば、他者を自分の思い通りに作り変えることも
容易であろう。
そして、メイメイという名前をレイチェルは頭の中で反芻する。
先日五代から聞いた、ロストサインの一員の名だ。
なるほど確かに、ロストサインのメンバー、一筋縄ではいかないようだ。


「さ、まだ話したいことはあるが、見回りの時間だ」
調整したばかりのテーザーガンを一度クロークから取り出して、
掌の内でくるくると回す。
そうして立ち上がると、レイチェルはクロークを翻した。

霜月 芙蓉 > 「あ、お手伝いしましょうか?」

立ち上がって声をかける。風紀の見回りと言うのならば、自分の仕事でもあるからだ。

レイチェル > 「いいぜ、ついてきな」
そう言って芙蓉についてくることを促す。

畝傍・クリスタ・ステンデル > 「いってらっしゃい、がんばってね」
畝傍は真剣な表情から笑顔に戻り、レイチェルと芙蓉を見送らんとする。

霜月 芙蓉 > 「はい!」

ついて来い、と言われ、ぱぁと明るい顔になる。
尊敬する先輩と一緒に見回り出来る、と言うのは嬉しいものなのだ。

「じゃあ、畝傍さん、またね!」

笑顔で手を振って、そのままレイチェルについていこうとする。

レイチェル > 「おう。ま、こいつが仕事だからな」
またな、畝傍、と呟いて、背中を向けたまま、手を振って去っていった。

ご案内:「ロビー」からレイチェルさんが去りました。
ご案内:「ロビー」から霜月 芙蓉さんが去りました。
畝傍・クリスタ・ステンデル > 「じゃ、かえろーっと」
缶の中のオレンジジュースをすべて飲み干すと、
畝傍はソファを立ち、自室へ戻るためエレベータのある方向へと歩きだした――

ご案内:「ロビー」から畝傍・クリスタ・ステンデルさんが去りました。
ご案内:「ロビー」に光ヶ丘睦美さんが現れました。
光ヶ丘睦美 > 「むむむむ……むー……」
ロビーのソファーに座る少女が一人。私のことですけど。
部屋で唸っていたらこんな休日にやかましいと蹴りだされてしまったので、こうしてロビーで唸っているわけです。

悩みの原因は、この両手。見える人には見えるのかもしれませんけど、いまもこう、ふわーっと何かを放出しています。
このふわーっとしたものは生気と言って、人間の生きる力だったり活力だったりになり、私の場合はごはんとか睡眠に使ったりしています。

光ヶ丘睦美 > 原因は昨晩……さく…ばん…………
…………
………

そう。昨晩、お母さんの言いつけを破って手袋を外して生気をあれこれしていたのがいけない、と思います。
おかげで、蛇口が壊れた水道のように生気が漏れっぱなし、何度か手袋を付け外ししたけど変化もなしでもうお手上げです。
「ばんざーい……」
お手上げです。しかも自分がいけないことをしたのでお母さんにも相談できません。

ルームメイト曰く、なんだか体の調子が良くなるとは言われましたけど…これこのままで大丈夫なんでしょうか。

光ヶ丘睦美 > もちろん私の方も大丈夫じゃない気はします、けど…
「けど、それより心配なことがありますし…」

何分自分の異能のことですから、ちょっとは分かります。
たぶん今、効果範囲が拡大したり強まったり、ろくでもないことが起きてるんじゃないかな、と。
部屋に居た頃から近くの部屋から騒音がバンバン聞こえていたのは間違いないですし。

…………あれ、いつもどおり………?

いえいえとにかく。早急の問題として、私の操気術レベルが上って、この生気を止められないといろいろまずそうというのは確かなわけです。

光ヶ丘睦美 > とはいえ異能と魔術に関しての学生と教師が集う学校。そしてその寮!
私なんかの能力で影響を受けないようちゃんと部屋がシールドされている可能性だって無きにしもあらず。
壁を掘ったら有毒ガスが出てくるのは盗掘家避けの古代遺跡の常識、みたいなものです。

……さて。さきほどのガスの例えは無意味に思いついたわけではありません。
やって来たのはこちらの共用の流し。目の前にはたったいま水道で貯めた、水が一杯のタライ。

そう、この水の中にとりあえず手を突っ込んで、封じ込めてしまおうというわけです。
なんか冷たそうだし、夏っぽいのも良いし。

光ヶ丘睦美 > 「んー……ううん、これやっぱりダメですね」
体温ですぐにぬるく感じてしまってあんまり冷たくなりません。
肘の上まで浸すと冷たいんですけど、今度は服の袖が濡れてしまうという……

はっと気づくと、タライの縁でもう十分に服の正面、胸元が濡れているのに気づいて、私はちょっとしょげました。

「……しかも当初の目的はなにも達成されてないんですよねー……」
タライから立ち上る生気はさながら湯気のようで、傍から見れば冬場に断水にあった人めいて見える、ような。

光ヶ丘睦美 > ……しぶしぶとタライを流しに返すと、とりあえず次の手を探しに、
あとついでにこれ以上寮で被害を広めないためにも、
外出することに決めました。

「折角の休日だし、本屋さんとかもいいかな」
何か自体を解決する手段が…あるかも知れないし。

ご案内:「ロビー」から光ヶ丘睦美さんが去りました。
ご案内:「ロビー」に四十万 静歌さんが現れました。
四十万 静歌 > まだ、マントが乾いてない為、
予備のマントに身を包んでおりてくる。
ちなみに予備のマントに収納機能はない。
ないのだ――

「最初からこちら来て出ればよかったですね。」

はぁ、とため息一つついて、
自販機へ。

選んだ飲み物は――

「えーと……
 レモンスカッシュがいいかな。」

ぽち。
がらがら
ごとん。

「ひゃー、つめたーい!」

取り出して思わず頬にあてる。
冷たい!

四十万 静歌 > 缶をあけてソファーに座ってゆっくり楽しむ。
炭酸が口の中ではじけ、
レモンの酸味がすきっと爽快にしてくれる。

「あー、美味しい……」

物凄く幸せそうな顔だ。

四十万 静歌 > 「~~♪」

幸せそうに鼻歌を歌いながら、
レモンスカッシュを飲みつつ、
コインロールを楽しむ。

部屋にいるときよりくつろいでるんじゃないかってくらい、
完全にくつろいでいる