2015/06/21 のログ
スラッシュ > 「ふにゃぁ~あ」
と大きなあくびを一発。
真剣に客を探している、とはいえ連日後始末でいつも以上に寝るのが遅かった。
しかも昼間は普通の学生生活として研究室で教授の手伝い。
いくらエナジードリンクでドーピングしていても普通の人間だ。
ちょっとつらい。

「今日はさっさと切り上げてーって、お金も無いんだよニャー…」
ガクッと肩を落とすと煙と一緒に大きくため息をつく。

ご案内:「落第街大通り」に秋尾 鬨堂さんが現れました。
ご案内:「落第街大通り」に瀬田 瑞央さんが現れました。
瀬田 瑞央 > 「……ふむ。」

一息つく。怪しげな出物、といえばこの辺りが一番なのは確かだろうと思っていたが……最近はどうも不思議に静かである。
うわさに聞く、怪人のせいであろうか……と、一人ごちる。

「やはり、雲をつかむような話、というのはつらいものがありますね……」

ぶつぶつ、と思わず呟く。

秋尾 鬨堂 > 大通り。いくら車線が広いとはいえ、下道には変わりない。
飲み帰りの客を狙ってタクシーが寿司詰めになる時間帯。

その列から、一台のチューンド・カーが抜け出して来て、
小さな路地の入口に停車する。

降車する男は、ボンネットの上を転がるように滑り。
その結果、助手席側に肘をついて立つ形。
何らかのパフォーマンスを疑う派手な動きだが。
…降車するときは、いつもこう!

「いるかナ。」
探している人物は、あまり表には出てこないが。
縄張りを当たっていけば、見つかるはずだ。

ここもその一つ。

スラッシュ > ≫瀬田さん
(なーんだか…怪しいナァ。白衣のまんま、あのナリでこの街に来るかフツー)
ちらりと貴方の姿を見て、お客様にはならなそうだと感じた。
次の人に目を移すとふーっと煙を吐く。

瀬田 瑞央 > 「……車?」

流石に入ってきた車には気がつく。そちらに注意を向けると、やたらと派手なアクションで出てくる男……

「……別に人間観察に来たわけではないのですが、非常に興味深い、というか……」

ようするに、奇行種というやつであろうか。まあ、変わり者など、この辺りにはいくらでもいるのだろうが……思わず視線を奪われる。

スラッシュ > ≫秋尾さん
「…って今度は悪魔のLかニャ!?」
目を丸く見開き、そのチューンド・カーを見る。

深夜の道路で湾岸なミッドナイトするはた迷惑な暴走族。
その爆音の噂は嫌でも自分の耳にも入ってくる。

「な、なんだかヤバソーなヤツが集まってきてる気がするのニャー…はぁ。」
自分の事を棚に上げ、今来た2人の文句を言う。
煙草をぽろりと口から落とすと脚で踏み消した。

ご案内:「落第街大通り」に岡部 吹雪さんが現れました。
岡部 吹雪 > 不規則に煙を吐き出して、路地でいきなり止まるスクーター。
見るからに年代物であるために、一目見てもまあ仕方ないかといったところ。

「ったく、いくらメンテだっつってもこんなポンコツよこしやがって……。」

つま先でホイールを小突き、路地の奥へと入っていった。

瀬田 瑞央 > 「ふむ……なるほど。こうしてみると、目立つ、というのは良くないことかもしれませんね……
 今後は考慮に入れたほうがいいかもしれません」

秋尾の様子をしげしげと眺め、ひどく生真面目な感想を漏らす。
言っていることは大概失礼であった。

「ん……?」

声に気がついたのか、猫耳カチューシャの女性に目を向ける。
……こちらも大概目立つ格好であった。いや、とすると目立つ格好のほうがいいのか……?
思わず首を傾げる。

秋尾 鬨堂 > >スラッシュ
「おっと、キミまで悪魔呼ばわりかい?」

耳ざとく。その声を拾えば、路地に―まだ、姿を捉えたわけではないので―話しかける。

「闇バイヤー・スラッシュ。この島全てのチューナーの噂だ。キミのエンジンオイル、随分いいそうじゃないか」

肘をついたまま。ずらりと腕を伸ばし指さす先に、あなたはいるのだろうか。

スラッシュ > ≫岡部さん

不可解なエンジン音に気付きそちらに目をやる。
道で止まるスクーター、そしてそれを押しグチる男性…。
「今度は先公かニャ…マジ不幸ニャ…」
と小さく呟いた。

岡部 吹雪 > >ALL
「別に取って喰ったりはしねーよ。」

キーを指先に掛け、ぐるぐると回しながら秋尾に続く。

「その噂っての、俺も見てみたくなっちまってな。」

瀬田 瑞央 > >ALL
「ふむ……察するに、機械工学の名人がいるということでしょうか。」

二人の男の様子に、一人、納得する。
だいぶ勘違いのような気がするが、本人は全く気がついていない。

「後学のために、私もご一緒させてもらうとしますか。」

スラッシュ > ≫秋尾さん
「コレ、アンタの自称じゃないのかニャ?」
次々訪れる付近の騒動にウッカリ見とれていたら壁ドンされてしまっていた。
少し焦りを隠した笑顔で、首を傾げている。

「て、いうか、ウチ、オイルなんて売った覚え無いのニャ??」
もしかして【規制事項】の滑りが良いとかそういう話をしているんだろうか。もしかして。如何せん人が多い、とぼけている…のもあるが、実際オイル何て扱ったことがないので大層困っている。

≫岡部さん
「ってコトで、アンタにも売れるモン無いニャ、ボク何も知らないニャ」
と岡部さんにもぷるぷると震えながら焦った笑顔を見せ

≫瀬田さん
「で!アンタまでコッチくんじゃ無いニャ!!アタシは知らんって言ってるニャ!!!」
ビッと指をさし、大声を上げる。
勘違いの3連星だかわからないが、扱ってない商品の話までされては困る。
しかも、先生であろう人物2人の前で。
しょっぴかれでもしたら誰がどう責任を取ってくれるというのだ。

瀬田 瑞央 > >スラッシュさん

「ニャ……? 独特な語尾ですね。動物系の亜人だったりするのでしょうか」

はて、と妙に真面目に考察する。

「まあ、此処では氏素性は関係ありませんね。オイルの取り扱いについては、私は特に気にしないのですが……
其のような噂が立つということは、なにか他に扱っているのでしょうか?」

ごくごく、真顔で聞いてきた。

岡部 吹雪 > >>秋尾
「おい鬨堂、話が違うぜ?」
「『ここなら表に出回らねーような、最高にキてるパーツが揃ってる』って」
「そう言わなかったっけ?」

電柱に背中を預け不満げに。

>>スラッシュ
慌てるスラッシュを特に気に留めることなく、興味は"じゃあ何売ってるの?"に移る。

「オイルないってんなら、何なら取り扱ってるワケ?」
「折角だし見せてくれよ。取り扱い品。」

秋尾 鬨堂 > >スラッシュ
「いやぁ『悪魔』なんて名乗るヤツ…ああ、いるな ルシファーとか」
この世界の常識に照らし合わせてみれば、そう思われるのも普通か。
上から覗き込み。まあ、自称ではないネと付け加えてから、後ろを振り向く。

>岡部
「あれぇー?おかしいナ、エルもジュンサンもそう言ってたんだけど」
そも、エンジンオイルとは何か。
油である。紛れも無い油である。
当然その由来は多岐にわたり、

植物性、鉱物性、そして純粋な化合物。
精製の過程、そして流通の過程。
薬物と油、副産物と主産物。
同時に扱うモノも少なくない。

それ故の混同。
おそらくは勘違い。
「掴まされたかナ…」
あるいは誰かのイタヅラ心。

スラッシュ > ≫瀬田さん
「別にオレの趣味だしただの人間だニャ。白衣着てるクセに意外と頭悪いのニャ~」
なんたる偏見。
カチューシャに気付かないとは、と小馬鹿にしている様だ。

「で、別に、アンタらに見せたところで買いそうに無いから見せないのニャ。おとといから冷やかしばっかで困ってんのニャ。」
すこしその顔には苛立ちが見える。

≫岡部さん
「それにアンタの態度は気に入らねーのニャ!!!
それが人にモノを頼む態度かニャ!??
オーへ―にも程があるのニャ!!」」
貴方の鼻の頭を人差し指で刺しながら続けざまに。
その声は怒気をはらんでいるような。
連日の売れなさでピリピリとしているのだ。

≫秋尾さん
「自称じゃないのかニャ…なんだか残念だニャ。
って、そんなコトはどうでも良くて、とりあえずこの状況をどうにかするニャ。
アンタが何掴まされようと興味ないケド、私が囲まれて質問攻めに会うのは困るのニャ。」
と、貴方の顔を見上げて、ふてくされ気味の顔で命令する。

岡部 吹雪 > >>秋尾

「お前、やめてやれよ……わりと気に入ってるらしいんだぞ川添の奴。」

教え子は見た目どおりの仰々しい異名に誇りを持っていた。
それを公道で競り潰したのは目の前の秋尾ではあるが。

「そういえば後ろの女、誰?」
「知り合い?」

財団絡みで見たことあるような。ないような。
瀬田に抱く微妙な違和感は、スラッシュの勢いに飲み込まれた。

>>スラッシュ

「あー……何、客商売じゃねえの?」
「フッツーに品物について聞きたいだけだったんだけど。」

>>秋尾

時間を無駄にしたかなと、ため息ひとつ交えて秋尾に視線を戻す。
「なんか違うらしいじゃん。」
「もう行こうぜ?」

瀬田 瑞央 > >秋尾さん

「……と、この方はおっしゃっていますが……さて、どうしたものでしょうか。」

困りましたね、と肩をすくめる。

>スラッシュさん

「カチューシャのように見えるからといって、最初からカチューシャと決めてかかる……それは、科学としては盲目に近いことなのです。
 まあ、私の頭が悪いことは認めます。」

ごく真面目に真顔で答えつつ……

「ふむ、なるほど。つまり、何にしても商売人であることは間違いないようですね?
 商売も上手く行っていない、と。これは失礼いたしました。ですが、それであれば、多少なりと助力が出来るかもしれませんが……」

暗に、まだ商品に興味がある、といっているようだ。

秋尾 鬨堂 > >スラッシュ
「残念…残念か。ボクも少し残念だな」
スラッシュから離れる。愛車のボンネットに肘をつき、しかし視線は外さず。
>岡部
「そのエンジンオイルを差せば、『どんな』エンジンでも鞭打たれたように走りだし、ブロー(破壊)寸前まで全力を絞りきり回る。無茶ではあるが無理ではない。――まるでオカルト、不思議な力を発揮するなんてハナシもあるけどネ」
そこまで行くと眉唾だなあ、と前に出る瀬田と対称的に、もう引き上げる気分。
>瀬田
「そういうわけだネ。彼女が扱うのはクルマのことじゃあ無いそうだ。――オネーサンには、別に用があるみたいだが」
知らない人だよ、と岡部に返す。

>岡部
ついでに乗ってく?と原付きを指さす。折り畳めば載せられなくもない。
特に何も無ければ、路地裏からその車体は消えるだろう。

スラッシュ > ≫岡部さん
「アタシのショーバイは困った子羊ちゃんを助ける正義のお仕事ニャ。
アンタみたいに悩みの無さそーなヤツには関係ないのニャ。」
ついさっきバイクが壊れていたのを見ていたというのにこの発言である。
あっかんべーまでして見せる。

≫秋尾さん
「ま、キミの注文は機会があれば探しといてやるのニャ。」
もしかしてマッサージ用のオイルが良かったりしてニャーなんてと冗談を言ってわははと笑って見せる。


≫瀬田さん
「…なんだかムズカシソーなこと言われてもわかんないのニャ☆」
てへぺろだ。
どっちが本当に頭が悪いかを露呈しているような。

「っていうかアンタ先生じゃないよニャ?何者ニャ?」
と首を傾げて見せる。

教師のリストもある程度は抑えているが、この顔は見たことが無い気がする。服装で勘違いしていたが、もしかしたら意外と面白い人物かもしれない。

瀬田 瑞央 > >岡部さん
「どうやら、お二人はお知り合いのようで……私ははじめまして、になりますか。
 といっても、どうやらお二方の目的は外れてしまったようですから、此処でお別れかもしれませんが……」

>スラッシュさん
「要は、調べる前に決めつけるのは良くない、というくらいの話です。」

ざっくりと説明する。大仰な話ではないのだ。

「……ああ。このような場ですから、あまり正体を宣伝して回るわけにもいきません。
 ひとまず、教員でないことは確かですね。」

岡部 吹雪 > >>秋尾
「まあいいさ。仕方ねー仕方ねー。」
「ちょっと纏めるから後ろ開けてくれ。」
「ワイヤーはこっちの使うから、固定終わったら横乗るわ。」

ガラクタをなんとか転がして、秋尾の愛車へ積める。
さて次は何処へ向かおうかなと思案しながら。
幸い朝まで幾分にも余裕はあった。
お楽しみはこれからだ、と。秋尾の助手席へと陣取った。

さらば落第街通り。
おおあくびをしながらシートを倒す。

スラッシュ > ≫瀬田さん
「うーん―・・・ゴメンなのニャー、アンタが何者かわかるまでは売りたくないのニャ。ウチのこと良く思ってない人も多いのニャー」
申し訳そうな顔で首を傾げて見せる。
今までの厄介者を扱うような目ではない。
が、白衣で出歩くような人間、そして年齢からしてあまり生徒には見えない…。あるとすれば研究員だろうか、が、まさかこんなところに来るはずがない。
それでも警戒はして損はないだろう、と踏んでいる。

秋尾 鬨堂 > >岡部
またもやボンネットを滑ると、運転席へ。
積み込みは完了。

「さて…ウェイトが増えたからネ、楽しんでると案外チギられるかもしれないな」

『クラブBTF』。『キャノンボール』。それぞれ、デモカーを仕上げてくる頃のはず。
公道は、強敵であふれている。

>スラッシュ、瀬田
「じゃーネ、お嬢さんがた。今度は…ホンモノのオイル、期待してるよ」

アクセルを踏み抜く。
ゼロヨンもかくやというスピードで、タクシーだらけの大通りをすっ飛ばしていくマシン。
落第街から一番近いジャンクションへ向けて、ミッドナイトが動き出す。

ご案内:「落第街大通り」から岡部 吹雪さんが去りました。
ご案内:「落第街大通り」から秋尾 鬨堂さんが去りました。
スラッシュ > ≫秋尾、岡部さん
「やっぱ動いてた方がカッコいいのニャー☆」
目を輝かせて大きく手を振った。
厄介者扱いしかしていなかったが、密かに見れて喜んでいた。
笑顔でぶんぶんと手を振った。

瀬田 瑞央 > >岡部さん、秋尾さん
「ごきげんよう……正直な所、この辺りに車で乗り付けるのはオススメしませんけれどね。
 狙われる確率も増えるかもしれませんよ?」

>スラッシュさん
「なるほど、ごもっともな意見です。」

肩をすくめて

「とはいえ、せっかくの機会を逃すのも少し残念ですね……
 といって、此処で馬鹿正直に身分証を見せて信用に足るとも思えませんし……ふむ」

やや考え込んだ。

スラッシュ > 「別にそれで構わないのニャー」
意外とあっさりと答える。

「身分証で構わないニャ。
仮にもアタシは裏の住民ニャ。結構偽造も見慣れてるから、アンタのが偽造ならそこでお話終わり解散、でも、ウチの目でも見破れなかったらとりあえずはホンモノってことで、商談に入らせてもらう…」
意外と自信ありげな顔だ。
それもそのはず、彼女自身も裏の偽造証明書を使っており、様々なものを買った。どこが一番バレにくいか、コレが自分の命を奪いかねないからこそ、何十枚と見てきている。目には自信がある。

そして、ソレだけではない。
異能がある。

「それでどうかニャ?
ウチには嘘を見抜く異能もあるから心配しなくていいニャ☆」
ニヤニヤと笑って、カマをかける。
多少たりとも不安が沸いて、心が揺れればいい。
そうすれば、異能の力で、心の揺れを大きくして、嘘を付けなくしてやるだけ。

スラッシュの大きく見開いた左目を見れば、不安や恐怖が増長されるだろう。心の強い人間には効かないが。

瀬田 瑞央 > 「ふむ、なるほど……裏の世界の定番……と考えれば、真贋の判断力は確かに重要ですね。
 信用商売でもありますし、此処で見たことを表に喧伝するようでしたら廃業もありえます、か」

なるほど、と。自信有りげな顔を見ながら頷く。

「異能……なるほど、異能ですか。」

信じるか信じないか……いずれにしても、こちらには異能を弱体化させる装置がある、のである程度対応は出来るはずだが……まあ、此処であえて嘘をつくのもいかがなものか、とも思う。いいだろう、どうせある程度の自由は許されている。

「では……こちらを」

そういって差し出したのは、本当に馬鹿正直に真性の身分証。
とはいえ、流石に財団所属、ではなく学園の研究施設の方の身分証であるが……本物には変わらない。

スラッシュ > 「お姉さんの個人情報をバラまくのも中々楽しそうだけどニャー♪」
なんてへらへら冗談を言いつつ、身分証明書を受け取る。

そして、スマホを取り出し、いくつかの写真と見比べているようだ。
その目は真剣そのもの。もしうっかり偽造のモノなど出していれば即座に弾いていただろう。

数分後
「ふむー、どうやらホンモノみたいニャー。
ありがとニャ☆」
と言って、身分証明書をあなたに差し出す。

この時も、不安を煽ろうと再び左目の異能を使う。
本物である以上、異能が効果を発揮することはないだろうが。

瀬田 瑞央 > 「まあこのようなところで身分証を出せば、そういった可能性もありますが……其の場合、お互いに面白くないことになると思いますね。」

脅す風でもなく、淡々と事実を述べているだけ、といった風情の言い方。
実際、彼女にとってはただの事実確認にすぎない。

「いいえ、どういたしまして。これで、少しは信用に足りたでしょうか?」

動揺はない。嘘をついたわけでもないし、問題はない。

スラッシュ > 「くわばらくわばら~コレだから悪いことはできないニャン☆」
なんていっておどけて見せる。
実際何が起こるかわからないこの相手を敵に回したくないのが本音ではあるが。

「信用には足りる…から少しは話してやるニャ。
ボクは、異能で作られた薬を買い取って販売する売人ニャ。
ま、麻薬は専門外だけどニャ。」
左目の異能が効かない、と判断し、ある程度貴方の事を信用した様だ。
営業スマイルでぺらぺらと喋り始めた。

「でもアンタが学園の研究員ってなると、商品パクられそうで怖いのニャ。ちっちゃい研究室の学生ならマダ良いんだけどニャ?設備も金もある学園の研究員なんかに見つかっちゃ俺様の商売は終わりニャ。
だからこそ、商品をこの場で売りたくないニャー…って言うのが本音なんだけどニャ…」
打って変わって申し訳なさそうな顔をする。
実際、見るだけ見て置いて商売はしない、となれば、相手に何をされてもおかしくない。
面には出さないが少しの罪悪感を感じている。

瀬田 瑞央 > 「今更、の話ではありますけれどね。そこはお互いに、お互いを尊重すれば問題ないのでしょう。」

悪徳を語るのにも、この女は生真面目に話す。根が真面目というのだろうか。それとも、純粋なのだろうか。

「ふむ……なるほど。それは確かに商売上がったり、となって貴方の損に繋がりますね。」

少し考えこむ。確かに、それに近い下心が無いわけではない。
最も、自分は研究さえ出来てしまえば後はどうでもいいのであるが……と、なれば。

「ごもっとも……では、こういうのはどうでしょう。此処に来ていることでご理解はいただけると思いますが、私も多少なりとも表に言いづらい事がある身の上です。
 その上での話、ですが……私の作ったもので、あまり表に出せないようなもの……そういったもので貴方の商売に有用そうなものがあれば、貴方にお譲りすることも出来ます。」

スラッシュ > 中々魅力的な提案である。
この女が一体どこまでの研究者であり、いったいどんな装置を作りだしているのか、わかりはしないが、この口ぶりからして、かなり有用、というか、学園の研究に携わっているような人間だ。
ここで関わっておいて損はない。
しかしそれでも、だ。

「お誘いはウレシーし、ここは断るべきじゃニャい、とは思っているんだけどニャ。
残念ながらウチにはメカメカした物を扱う知識は無いし、自分でわからないものを売れるほどガサツじゃないのニャ。」
本当はすごーくきになるんだけどニャ、と言いながら、大きくため息をつく。

コレは建前。
本心は、学園の研究、そのなかでも危険性が高く一般には向かない、とされたものを売っているのだ。そんなものが研究所に帰れば、その火の粉はどのような形であれ自分に降りかかってくるだろう。
危ない橋は渡らない主義だ。なんとか自分の興味を抑えることにした。

だからこそ、本当に残念そうな顔をしている。

瀬田 瑞央 > 「ふむ……それもまた、ごもっとも……といったところですね。」

残念そうに肩をすくめる。
これ以上押してもあまり収穫はないだろう。
向こうから興味を引き出しただけでも、おそらくは上々……といえる。

「では、いずれ異能に関する薬でも出来ましたら、うっかりと此処に置きにくることといたしますか。」

やれやれと呟き。

「……でも、折角です。此方を置いておきます」

紙を差し出す。もし受け取って見れば、そこには個人端末への連絡先が書いてあるのが分かるだろう。受け取らなければ、それまでだ。

スラッシュ > まさか、ここまで自分に興味を持つ人間だとは思わなかった。

「ひっひっひ、ミーはセコいから貰えるモンはもらってやるニャ♪」
と紙を受け取る。
正直、面白いヤツだと思った。
冷静な研究者、と思っていたが、どうも自分はこの手の人間を勘違いしていたようだ。予想以上に貪欲だ。
(足がつかない程度にゃーこの女のことを少し調べておこう)
と心に決めた。

「じゃ、交換でウチもあげるニャ☆」
電話番号と、いくつかの単語の書かれた名刺位の大きさのカード。

「直接は繋がらないケド、今から言うようにすりゃアタイに届くようになってるニャ♪
なんか面白いコトがあれば教えてニャン☆」
営業スマイル、よりももっと心のなかの欲望や下心が見え隠れしている。取り繕っていないただの自然な笑みかもしれない。

そして、電話の繋ぎ方を貴方に説明する。
電話の後に、いくつかの単語を順番通りに言えば本人につながる、という内容だ。

瀬田 瑞央 > 「これはどうも、ご丁寧に。私の方は直通端末ですのでご心配なく。
 一応、盗聴等の対策もしてありますので問題はないはずです。」

相手から連絡先を受け取れることは、正直期待していなかった。
せいぜい多少興味を引いた、程度だと思ったが予想よりは興味を持ってもらえたようだ。
やれやれ、相変わらず自分の人を見る目はなっていない。
駆け引きの類は得意ではないのだ。

「ええ、何かあればご連絡いたします。そちらも、もし気が変わったり……もしくは、なにか商談か相談でもあればご自由にどうぞ」

スラッシュ > 「ま、アンタの好きそうなクスリがどんなもんかはわからんケド、表で出回ってないモノで欲しいモノが有ったら連絡するニャ~☆
モノによっては用意してやるニャ♪」
とウィンクする。

今まで元研究員等とは接触したことがあるが、現研究員が技術を横流ししてくれる、というならそれ程心強いことは無い。危険なことには変わりないが、手を出さないという選択肢を好奇心が食いつぶしてしまった。

瀬田 瑞央 > 「それでは……今日のところはこの辺り、でしょうか。
 お互いに有用な取引ができるようなれば嬉しい限りです」

そういって……女はこの場から去ろうとするだろう。

スラッシュ > 「ま、そんなトコかニャ。
こちらこそコレからご贔屓によろしくニャン♡」
と、うやうやしく頭を下げて見せる。

顔をあげると腰掛けていたトランクに跨り、この場を去る用意をする。

ご案内:「落第街大通り」から瀬田 瑞央さんが去りました。
ご案内:「落第街大通り」からスラッシュさんが去りました。
ご案内:「落第街大通り」に東雲七生さんが現れました。
東雲七生 > ──いつ来ても空気が澱んでんなぁ。

(軽装の少年がやって来たのは落第街の大通り。
 普段ならランニングで通り過ぎるだけの場所に、今日は運動目的以外で来ていた。)

東雲七生 > こないだ焔誼がぼそっと言ってたけど、路地裏がどーとか……。
──あん時は聞こえなかったフリしてたけど、なんか気になったんだよなあ。

(こめかみに指を押し当て、暫し考え込む。
 路地裏、と一口に言ってもそれこそ島内の路地裏なんてのは建造物さえあれば自然と出来るもの。)

──落第街の路地裏とも、限らねえ話だしなあ。

東雲七生 > それにしても……。

(居心地が悪い。
 先日屋上で感じたようなそれではなく、もっと、生理的な悪寒に近い居心地の悪さ。
 自分がこの場に居るのがそもそもの間違いだと思わされるような気味の悪さ。)

……風紀委員とかも見回りしてんだろーし、ざっと見て何も無かったらすぐ帰ろ。

(ともかく長居はしたくなかった。
 東雲はなるべく目立たないようジャケットに付いたフードを被り、静かに歩き出した。)

東雲七生 > ……。

(恐々路地を覗いては次の路地へと、を繰り返して大通りを進んでいく。
 その姿は逆に目立つような気もするが、本人にそこまで気を回す余裕は無かった。)

ご案内:「落第街大通り」にレイチェルさんが現れました。
東雲七生 > ……何も、無いよな。

(何本目かの路地を覗き込み、小さく溜息を吐く。
 やっぱり杞憂だったのだろうか。それはそれで良いのだけれど。)

それとももっと奥に行った方が……いやいや、あんまり深いとこまで行く気は無いし……。

レイチェル > 長い金髪を揺らしながら、路地裏を歩く長耳の少女が一人、
その人影に対して声をかけた。

「そこのフードのお前、二級学生……って訳じゃ無さそうだが、こんな所で何やってんだ?」
腰に手をやり、きっとした表情で七生を見やるその少女の腕には、
風紀委員の腕章が着けられている。

東雲七生 > ぎゃーーーー!?

(突然の声に驚いて悲鳴を上げた。
 慌てて両手で口を押え、真ん丸に見開かれた目で少女に振り向く。
 警戒する様に頭からつま先まで見た後、風紀委員の腕章が見え、少し安心した様に口から手を離した。)

あ、いや……ちょっと探し物?……を。

レイチェル > 「お、驚きすぎだろ。幽霊や悪魔が出たって訳じゃねーんだから……」
その声に逆に驚くレイチェルであった。
ふぅ、と息をつき、語を継ぐ。

「探しものか。何探してんだ? 落し物だったら風紀に届けろよ。ちゃんと見つけたら届けてやるから。書類要るか?」
そう言って、クロークから遺失物届けを出して、ペンと一緒に手に持って、ひらひらとさせて見せる。

東雲七生 > あ、ごめっ、じゃなくって……すいません。

(バツの悪そうに頭を下げてからフードを深くかぶり直す。
 顔を覚えられて困る訳ではなく、単純に、女子に悲鳴を聞かれたのが恥ずかしかっただけだ。)

いや、俺の落とし物ってわけじゃなくて……
だ、友達がっ、何か失くした……みたいで。その、路地裏で。

レイチェル > 「……別に謝る必要ねーだろ?」
小首を傾げながら、レイチェルはそう口にする。
目の前の男子が悲鳴をあげたことに関しては、驚きはしたが、そう
気にはしていない様子だった。


「へー、友達が、ねぇ……その何か、ってのは何なんだ? 友達想いなのは素晴らしいことだが、自分の身の安全を考えろよ、お前がどれだけ腕に自信があって、準備してここに来てるのか知らねぇが、一応ここ落第街だからな」
そう言って一旦書類をクロークの中に投げ落とすと、胸の下で腕を組むレイチェル。

東雲七生 > いやまあ、その……はい。

(驚かせたことに対する謝罪だったのだが、
 まあ相手は気にしていない様だ。フードの陰からチラッと様子を窺い、そう判断すると一度だけ頷いた。)

うぐぐ……わ、分かってますよ。
ま、まあ、何かあったらすぐ逃げられる様にはしてきたんすけどね……。

(腕っ節に自信なんか無い、体格に恵まれてる訳でも無い。
 そんな事は重々承知していたし、それも覚悟の上で来ていた。が、改めて言われると自分の無謀さが嫌になる。)

レイチェル > 「分かってるなら結構だな。何を探してるのか知らないが、オレが一緒についていってやろうか?」
そう言って、ふっと笑うレイチェル。

「生徒を危険から守るのがオレみたいな風紀委員の仕事だ。見回りついでに、一緒に物探してやるよ……お前、名前は?」
そう言って、フードの奥へと視線を送る。

東雲七生 > あ、いや……。

(何を探してるのかなんて、東雲自身にも分からない。
 流石にそれをそのまま告げたら怪しまれるだろうか。そんな事を考えながら視線を彷徨わせる。
 ただ、無言なのもそれはそれで怪しまれそうなので、)

ななみ──東雲、七生。えっと、一年、っす。

(色素を喪ったにしても赤過ぎる瞳が、フードの陰から覗えるだろう)

レイチェル > 「……ん?」
ほんの少しだけ訝しげな表情をするレイチェル。
実際、申し出たのは純粋な善意からだけはでなく、
当然この男子の見張りも兼ねている。


「一年か、じゃあオレと一緒だな。オレはレイチェルっていうもんだ。
風紀委員の、一応刑事課に所属してる」
そう言って、自己紹介にはしっかりと自分の名前と所属を返す。

東雲七生 > いや……大したものじゃない、と思うんで。
わざわざ風紀委員の手を煩わせるのもなあと……。

(これでは逆効果じゃないか、自分の要領の悪さに内心で舌打ちをする。
 ただちに逃げ出したい衝動に駆られたが、正直に名乗ってしまった以上それも悪手だろうと思い留まる。)

──って、同じ一年? レイチェル、風紀委員……あ、そういや何かそんな話聞いた事あるかも。

(何かと生徒同士の話題に事欠かない委員会である、多少は東雲の耳にも届いていた。
 同じ学年にも何人か風紀委員が居る、と。そのうちの一人が今目の前に居る。
 それにしても、)

………。

(デカ過ぎるだろ……。東雲は思った。もちろん背丈の話である。
 自分と然程変わりない。むしろその毅然とした居振舞いだけで自分より数センチ上ではないかと思ってしまうほどだ。)

レイチェル > 「大したものじゃないにしたって、生徒に協力するのが風紀ってもんだ。
 別にそんなこと気にしなくたっていいんだぜ、どうせ今は暇してるんだ」
そう言って、一歩前に寄って距離を詰める。
別に威圧的な態度、という訳ではない。口調も、優しさが感じられるそれである。

「そ。オレの他にも何人か一年生の風紀委員は居るぜ。ま、オレはその中でも一番変な意味で有名になっちまってるだろうが」
少し前にとある図書委員から、全身武装のキリングウーマン、などと、一方的に恐れられていたことを思い出す。銃器や爆発物を常に持ち歩いている風紀委員として、変に噂が広まってしまっているのだろう。七生も少しは耳にしたことがあるかもしれないし、無いかもしれない。


「……? 何だ?」
七生の160cmに対し、レイチェルは156cm。そう変わらない範囲ではある。
無言のままでいる七生に対し、レイチェルは小首を傾げる。

ご案内:「落第街大通り」にライガ・遠来・ゴルバドコールさんが現れました。
ライガ・遠来・ゴルバドコール > 「ふう、さっぱりさっぱりーーっと」

ムワッとした季節、身体を動かせば自然と汗が出る。
そんなときはひとっ風呂浴びるのもいい手だ。銭湯『大羅漢』から洗面器と石鹸、タオルを持って出る。
サービスとして手渡されたフルーツ牛乳をちびちび飲みつつ歩けば、昼夜問わずよどんだ空気の落第街大通りだ。
ふと見ると、路地裏の前に少年と少女がいる。そのまま通り過ぎようとして、ちらりと見えた片方の横顔にぎょっとする。

(……げ、風紀委員の有名な荒事屋じゃないか。
なんか最近、やたらと風紀委員に出くわさないか?)

面倒そうなのでそろりそろりと通り過ぎようとする。

東雲七生 > それは……まあ、確かに。

(正論過ぎてぐうの音も出ない。
 さて、どうしよう。現状“ただの杞憂”にこの風紀委員を突き合わせて良いものか。
 東雲は考える。
 この少女に関する話は色々聞いてはいる。
 杞憂でなくなった時には、これ以上とないくらい心強くもあるの、だが。)

と、とりあえず、付き合って貰って良いすか?
まあ、この辺に落ちてるって保証があるもんでも無いみたいなんすけど。

(敬語になってしまうのは、まあ相手の立場ゆえだろう。
 別に自分を下に置きたいわけではなく、まあ、ある種の癖みたいなものだ。)

いや、何でもねっす。

(フードを深く被り直し、表情を隠す。
 気恥ずかしさが半分、もう半分は自分の成長の悪さに対する恨めしさ。)

レイチェル > 「よし、分かった。付き合ってやろうじゃないか。探しものが伝えにくいもんなら、まぁしょうがねぇ。今のところは伝えなくていいぜ。とにかく、一般生徒をこんな落第街でほっつき歩かせる訳にはいかねーんだ、風紀としてな」
そう言われると、満足気ににこっと笑う。

「じゃ、行くか……ところで敬語なんか使う必要ねーぜ? どうせ同じ一年なんだし、畏まる必要なんかない訳だしな」
と、敬語を使っていることが気になったのか、そんな風に声をかけ。

>七生

レイチェル > 洗面器と石鹸、タオルを持っている白髪の青年。
その青年がそろりそろりと視界の端を通っていくので、
はっと気づいて、訝しげな視線を向ける。
といっても、持ってる物から判断する限りは、今そう危害があるとも思えない。
少し注意して見ておく、程度ではあるが。

「そこのお前、何こそこそしてんだ?」
しかしながら、一声だけは掛けておく。


>ライガ

東雲七生 > ああ、うん。そうしてくれると助かりま……助かる。

(敬語を言及されて、慌てて訂正する。
 少女の笑顔に対し少しぎごちなく笑みを返したのは単純に女子との付き合いがそんなに多くない故。)

癖みたいなものだから、別にそこまで畏まってる訳でもないんす……ないんだけど。

(やっぱり相手は荒事もこなす委員会の一員である。
 畏怖が無いと言えば嘘になるだろう。)

……?

(そして少女が声を掛けた男へと視線を遣った。
 ……世の不条理を感じる。主に背丈の。)

ご案内:「落第街大通り」に来島さいこさんが現れました。
ライガ・遠来・ゴルバドコール > すすす…、と音もなく歩いていく様は一種の名人芸であり、ライガの頑張りとは裏腹に、残念ながらとても通りすがりの一般人には見えそうもない。
声をかけられれば、ピタッと立ち止まり、幾分かぎこちない笑顔で右手を上げる。

「や、やあ、風紀委員のレイチェル・ラムレイさんじゃありませんか。
見回りのお仕事ですか?ご苦労様です。
僕は見ての通り、風呂上りでして。彫り物あると余計な詮索されて、表の浴場には入れてもらえないんですよ」

なぜか敬語。まずはこの風紀委員が会話の通じる奴なのか、そうでないかを見極める必要があった。

そうして、傍らの少年が自分のことを見ているのにも気づく、自分というより…背丈をじろじろ眺めているようだ。別に好きで高いわけじゃあないのだが。

「と、そこのフードの君。僕に何か用かい?」

来島さいこ >  休日の落第街を歩く。
 此処に足を運んでしまうのは"半ば昔の癖のようなもの"となってしまっている。
 割りと気づくと、落第街を歩いている。

「あ、また来ちゃったかも。
 ……一応、先生として見回りぐらいはしておこうかなあ。」

 そう思いながら歩いていると、風紀委員と思わしき少女一人と、二人の少年を見かける。
 どちらの男性も根っからの此処の住人ではなさそう。身なりからそう判断した。
 ……片方の青年から、石鹸のいい匂いがする気がする。

(お風呂あがりかなぁ?)

東雲七生 > ── あ、いや別に。背ぇ高いっすね。

(あからさま過ぎたか、と反省しつつライガに首を横に振る。
 先日もこんな風に大男を見ていて声を掛けられたばかりだった。我ながら学ばない奴だな、と苦笑してしまう。
 視線を悟られない様に、と改めてフードを深く被った。)

レイチェル > 「彫り物ねぇ……」
少しばかり訝しげな視線を投げ続けるレイチェルだったが、こくりと頷き。
少し記憶を手繰ってみる。確か、あの男はライガ、と言う男。
詳細に関しては知らないが、同じ一年生だった筈だ。
歳は一回りも二回りも離れているが。
常世では不思議なことではない。

「まぁ……腕は立ちそうだが、一応ここは落第街だ。厄介事に巻き込まれないように気をつけろよ、あと起こすなよ?」
挙動が怪しくはあるが、別にこの場でどうこうやっている訳ではない。
それならば、これ以上呼び止めて、何か言及することの意味は薄いだろうと判断した。

>ライガ

来島さいこ >  んー、と、一つ思案すれば、とてとてとレイチェルに近づく。
 ひょこ、と、横から顔を覗かせて。

「風紀委員のお仕事、お疲れ様なのかな。……迷子さんの保護?」

 そう、光景を見て尋ねただろう。
 会話は聞こえていない訳でもないが、端々しか聞こえなかった為、そう尋ねる。

レイチェル > 「いや、遺失物があるらしいから、見回りついでに一緒に探してみようかって思っただけだぜ……で、あんた誰だ?」
そう言って、顔を横へ向ける。

>さいこ

レイチェル > 「ま、癖なら仕方ねーところもあるかも知れないが、てきとーにやろうぜ。同じ一年生なんだから、さ」
癖だとしても、敬語なんかを使われるのは苦手だった。
レイチェル自身も、目上に敬語を使うことは滅多に無い。
敬語を使うことで少し壁が出来てしまうような気がして、あまり好きではないのだ。


>七生

ライガ・遠来・ゴルバドコール > >七生
やはりか、といった表情で応える。

「あー、やっぱ背が気になるかあ。確かに僕は一年連中でもけっこう浮いてるもんな。
ある程度背丈はほしいだろうし、上げられるものなら上げたいんだけどな。すまないね」


>レイチェル
「そうそう、そうなんですよ。別にヤバい人らのそれじゃなくて、魔術記号なんですがね。
……ほら、見えます?」

(やれやれ、やっぱ“彫り物”に反応するか。
ま、やっぱ一番浮かびやすいのはヤッさんだもんなー、そりゃあ警戒はするか)

心の中で肩をすくめる。
シャツを少しはだけ、グイッと胸元をあらわにすれば、筋肉質の首筋から胸板にかけて、刺青のような記号や文字の羅列が見えるだろう。よくみると手首のあたりにも同様の紋様が見える。


>さいこ

「んあ?……井戸木、ああいや、今は来島だっけ。
さいこ先生じゃないか、なんでこんなとこに」

意外そうな目を向ける。
落第街には何度か足を運んでいるが、なぜか教師とはあまり遭遇しないのだ。昨夜のジョージ先生は別として。

東雲七生 > お、おう……まあ、そのうち俺の方が慣れるから……大丈夫。

(返す言葉もぎこちないが、レイチェルの言葉に大きく首肯した。
 そしてその後その横に現れたさいこを見る。
 たしか、新任の先生だったはずだ。受け持つ授業を受けた記憶は、生憎無いが。)

あ、と、どーも。
お疲れさま、です?

(こういう時どんな挨拶すりゃ良いんだろう、そう考えつつ軽く会釈。)

東雲七生 > >ライガ

いっ……いやあ、まあ。
謝る様な事じゃないっすよ、うん。

(流石にそれを不公平に思うほど子供じゃ無かった。
 不条理は自分、成長の遅い自分自身に対してだ。)

来島さいこ > 「おとしものかぁ……うん。私も差し支えがなければお手伝いしちゃおうかな。
 形状とかそう言うのって、聞いても大丈夫?」

 きょろ、と周囲を見渡す。
 それっぽいものはなさそうだが……と思ったかもしれない。

「あ、ごめんね。
 最近教師として採用された井戸木さいこ改め、来島さいこだよ。
 科目はレンジャー・スカウト・サバイバルと狩猟学。それと保険と体育のアシスタント。
 一応、生徒指導員もやってるよ。うふふ、よろしくね、風紀委員さん。」

 柔らかく微笑んでみせて、名乗りを返す。


「ライガ君もこんにちは。
 うふふ、お散歩。見回りも兼ねているけどね。……いい匂いがした気がするけど、お風呂あがり?」

 すん、と一つ嗅いでみせて。

「うふふ。お疲れ様。
 ……えっと、見回りと言ってもオフのついでみたいなものだから、かしこまらなくていいよ?
 えっと……」
 
 東雲七生の名前がわからないのか、言葉をそこで詰まらせた。

レイチェル > 「ほ~う……」
その身体に刻まれたものに目をやる。
成る程確かに、これは魔術記号だ。
そういった呪紋に関する知識に長けている訳ではない、が。
レイチェルの中に流れる血が、魔術的な力に反応したのだ。
しかしいい身体してんな、こいつ。
などと思考しつつ、もういいぞ、と手をひらひらさせながら
服を戻すように催促する。

「確かライガとか言ったか、事情は分かった。別に風紀として今お前をどうこうする気はねーよ、とだけ言っておくぜ」
そう言って、胸の下で腕を組む。
>ライガ

「よーし、そうでなきゃな」
満足したように頷く。

「さて、騒がしくなってきたが、当初の目的を忘れちゃいけねーな。探しもの、しねーとな? 友達が困ってるんだろ?」
そして、そう語りかけるレイチェル。
>七生



「へー、先生。何か色々やってんな。オレはまぁ、見たとおり風紀委員の、レイチェルってもんだ。
ひとつよろしくな」
そう言って、返す。特に敬語など使うことは無いが、挨拶と同時に小さく手を挙げて振って見せた。

>さいこ

ライガ・遠来・ゴルバドコール > >七生

「そうかい?
あと僕も一年だし、できれば敬語はいらないかな」
無理強いはしないけど、頼むよ、と言った。

>レイチェル
「そりゃーよかった、最近よく風紀委員と遭遇するんで、何かやらかしたのかと不安になってたところですよ」
安心したような顔をする。

>さいこ先生

「分かりますか、彫り物あっても入れる銭湯に行ってました。
表じゃあ、なかなかそういう寛大なところはないんで」
異文化交流とか言っても、やっぱ文化の摩擦はありますね、と苦笑して。

「……流れだし、名乗っとこうか。
知ってる奴もいるだろうけど、ライガだ。魔術関連教科を主にとってる。
異能はもってないね、代わりにこの拳、【魔拳】で何とかするさ」

言いながら両手を見せれば、鎖の巻き付いたナックルダスター ──メリケンサックともいわれるそれが、見えた。

「……あ、そういえばこのあと図書館に行かなきゃいけないんだった!
それでは僕はこれで失礼します、みなさんごゆっくり!」

何がごゆっくりなんだかわからないが、足早にその場から立ち去る。

ご案内:「落第街大通り」からライガ・遠来・ゴルバドコールさんが去りました。
来島さいこ > 「レイチェル……あっ
 そういえば、この前のすっぽん鍋の時にあったよね、うふふ。」

 ふと思い出した様子で、手を叩く。
 引っかかっていた記憶が出てきてくれた。

「うふふ、それでもお風呂はいいよね。
 人間の文化の極みかも――うん、またね。ライガ君。」

東雲七生 > >さいこ先生

あ、えっと、東雲っす、東雲七生!一年っす!

(簡単な、レイチェルにしたものとほぼ同じ自己紹介をする。)

えっと、別にそこまで大袈裟なものじゃないんで……ホント、大丈夫なんで……!


>レイチェル

忘れちゃいない……けど。
ここまで大事になるのも、それはそれで……。

(流石に困ったな、とフードの中で頬を掻く。
 さてどう説明しようか、と考えても何も良い案が思いつかない。)

>ライガ

あっ、えっと、まあ、ど、努力は……しま、じゃない、する。
あ、さよならー!

(流石に見た目からしても結構な年上を相手に敬語を使うな、と言われても二つ返事で同意は難しかったようだ。
 立ち去る背に軽く手を振って見送る)

レイチェル > 「あ~……そういや上泉せんせと一緒に居たな、そういや」
記憶を手繰る。
ああ、そうだ。
何処かで見たことがあると思ったら、あのすっぽん鍋会の時に、
ほんの少しだけ顔を合わせたような。
あの時は結局、西園寺偲のことですっかり上の空になっていて、それどころでは無かったのだが。ようやく思い出した。

「せんせーも手伝うのか。そりゃ心強いぜ」
ふっと笑ってそんなことを言う。
話に聞けば色々出来る先生のようだ。
レイチェルは言葉の通りのことを、心の底から思っていた。

>さいこ



「別に大事にしようってつもりは無いんだけどな。じゃあ適当に探しててくれよ。オレはついていって見回りついでに護衛しとくからさ」
そう言って、腕を頭の後ろに組む。
「ここではいそうですか、と一般学生を放っておくことはできねぇし、な。特に何かお前、ちょっと放っとけない感じだし」
そう言って、自らの頬に指をやった。
>七生

来島さいこ > 「うふふ。東雲君だね。うん、宜しく。
 ……うーん、大丈夫ならば良いんだけど。見かけたら教えるぐらいはさせて欲しいな。
 どんなものか、聞いても大丈夫?」

 思案げな視線を見せ考える仕草。
 その後に、東雲に視線を合わせて尋ねるだろうか。

>東雲



「うふふ。たまにはああ言う時間も良いよね。
 うん。でも東雲君遠慮しちゃってるし、見回り中に見かけたらぐらいにしておくかも。」

 あの時は鍋のなにかあったのだろうと認識している。
 だから、深くは掘り下げない。来島さいこはそう判断した。

「見かけたら、ぐらいなら負担にもならないからね。うふふ。」

>レイチェル

東雲七生 > >レイチェル

ま、まあそういうことなら。
って、ほっとけないって俺そんなに頼りなさげに見えま……るかなあ。

(軽く肩を落としつつ、何時までも突っ立ってても仕方ない、と歩き出す。)

>さいこ先生

あ、えーとどんなものか?
それが、あのー……そ、そう。ぬいぐるみっすよ。
あの、小脇に抱えられるくらいの……そう、スズメの!!

(これくらい、と手で大きさを表してみたりしている)

来島さいこ > 「うふふ、雀さんのぬいぐるみだね。
 ……うん、見つけたら教えるよ。東雲君。」

 彼も誰かのおとしものを探していたのだろうか。
 それとも私物だろうか。
 
 どちらにしても、見つけられるといいなと頭の中に情報を入れる。

「それじゃあ、私はそろそろ行こっかな。うふふ、またね。」

 最後に柔らかい、人懐っこそうな笑みを浮かべ、その場を後にした。

ご案内:「落第街大通り」から来島さいこさんが去りました。
レイチェル > 「ん~、まだあんまり話してねーからはっきりとは言えねーけど、
 なんか雰囲気? っつーか、なんつーか……あ、深く気にする必要はねーぜ?」
そう言って、頷くレイチェルである。

歩き出す二人。
落第街に居るちんぴらのような輩は、風紀委員の腕章をつけたレイチェルを見るだけで
、ある者は視線を逸し、またある者は舌打ちをし、遠ざかっていく。

>七生


「おう、こちらは任されたぜ」
さいこにはそう返し、再び小さく手を振ったのであった。

>さいこ

東雲七生 > >さいこ先生

あ、ありがとうございますー……。

(向けられた笑顔に胸が痛んだ。どうしよう、全力で出任せ言っちゃったけど。
 まあ、だからって危険な目に遭うとも限らないし、早ければ明日にでも無事に見つけたと報告をすればいいのだ、と自分に言い聞かせる。
 一度ついた嘘は嘘でしか納められない。)

>レイチェル

気にするな、って言われても……。

(そこまで挙動不審になっているだろうか、と自分の言動を振り返る。
 ──冷静に思い返してみれば、確かに頼りなさげに見えたかもしれない。背も低いし。)

ああ、まあ……はぁ~。

(溜息を一つ零し、そっと路地を覗き込んだ。)

レイチェル > 「挙動不審なのは間違いねーぜ。人見知りするタイプってやつかね。フード被ってそんな様子で落第街をうろついてたんじゃ、怪しまれても文句言えねーぜ?」

背丈に関してどうこう、というのはレイチェルとしては全く無いのであるが。
冗談っぽく笑って、肩を竦める。


「どうだ、あったか?」
路地裏を覗き込む七生に対して、のんびりとした口調でそんな問いを投げつつ、
レイチェルは周囲にちらほらと見える柄の悪い学生に対して目を光らせていた。

東雲七生 > で、ですよねー……。

(別に後ろめたい事がある訳でもないのに、どうしてか引っ込み思案な態度をとってしまう。
 この場所の雰囲気に呑まれ掛けているのだろうか、などと自分で考えつつもやはりどこかおどおどとしてしまう。)

いや、無いなあ。
やっぱりこの辺りじゃないのかも、もっとよく聞いてから来れば良かった。

(こうして探し物を探すという奇妙な状況は続いていく。)

レイチェル > 「ま、そいつもひとつの個性かもしれねーがな」
そう言いつつ、腕を頭の後ろに組んだまま歩き続け。

「って、詳細聞いてねーのかよ。てっきりこの辺りだ! ってある程度は分かってるもんだと思ってたぜ……しかし、さっきちらっと聞いたが、雀のぬいぐるみ、とはな。彼女か何かの落し物か?」
これまた冗談っぽく笑うレイチェル。

東雲七生 > 一つの個性。

(言われた言葉を反芻する。
 何だかその気は無いのだけれど相手を騙しているような気がして胃が重くなる。
 もし、今後、学内で何かの拍子に顔を合わせることがあったら、果たして彼女は自分に気付くだろうか。そんな事が漫然と頭に浮かぶ。)

いや、その。俺も路地裏で、としか聞いてなくて……
何かの拍子に落としたりか何かしたんだと思うんすけど、まあ場所柄細かく覚えてないのもしょうがないかなって。
……べ、別に彼女とかじゃないんすよ!!友達、あくまで友達!

(頬を赤らめながらぶんぶんと首を横に振って否定する。
 と、同時にまた嘘を重ねてしまった事に心が軋んだ音を上げる。)

レイチェル > 「……ま、入り組んでるからな、ここは。オレも最初に来た時は迷いまくったもんだ。
道は分からないわ、数分毎に柄の悪いのに絡まれるわ、散々だったぜ全く」
そう言って、自分の頬を人差し指で幾度かなぞる。

「……分かりやすく態度変わったな、お前。冗談で言っただけだったんだけどな……ま、何だ。じゃあ『友達』の為に頑張って探しださなきゃな」
と、そこまで言って、胸の下で腕組みをし。

「ところで、その探しものって今すぐ必要なものなのか? 必要なら、風紀の方に連絡しといて、後から見つかったら連絡、ってこともできるが」
そう言って、そちらを見やる。

東雲七生 > へえ……やっぱ最初のうちは誰でもそうなのか……。

(東雲自身日課のランニングで通り掛かった時に何度かチンピラに絡まれた事はあった。
まあ、チンピラ風情に後れを取るような脚力でも無く、容易く逃げ果せたが。
 隣の風紀委員の少女もそうだったという。やっぱり物騒なところなんだという認識を改めて意識する。)

そ、そもそも俺に彼女なんて──

(そこまで言って頭を振った。これ以上言ったら虚しさに潰される気がする。
 少なくとも同学年の女子の前で言う様な事じゃない。)

え?……そりゃまあ、今すぐって訳じゃあないけど。
せっかくの日曜だし、時間あるから探しとこうかなって……。

レイチェル > 「そうだと思うぜ。マジで物騒なとこなんだよ、ここは」
そう言って諭すような口調で、腰に左手をやり、右手の人差し指を振った。


「ふぅん、成る程ね。でも友達の為にこうして危険な所にまでわざわざやって来て、行動してやれる奴って、人間としてすげー魅力的だと思うぜ。ちょいとおどおどしすぎてる所が無けりゃ、完璧なんだがな。少なくとも、オレはそういう奴好きだぜ」
そう言って、うんうんと頷くレイチェルであった。


「そうか、じゃあ探すだけ探して、見つからなかったらそういう方向に切り替えるとしようぜ。日が暮れると、この辺りはもっとやばくなるからな」
そう言って、ぬいぐるみを探し求めて落第街を歩き続ける――。

東雲七生 > あはは……肝に銘じておくよ……。

(そう答えつつ、レイチェルの事をフード越しに見つめる。
 荒事担当、などと言われる以上その肩書に見合うだけの力はあるのだろう。

 ──でも、女の子だ。

 ふと、脳裏をそんな自分の声が過る。流石に相手を見縊っちゃいないか、と苦笑いを浮かべた。)

へぁっ!?いや、そりゃ、どうも……。

(どんな反応をすれば良いのか分からず、小さく呟く様に礼を述べて俯く。
 きっと耳まで赤くなっているだろう。自分の顔の熱さに更に恥ずかしさが増していくのが分かる。)

更にヤバいって、まあ、俺よりレイチェル、の方が知ってるとは思うけど……そんなにかぁ。

レイチェル > 「その友達も、きっと嬉しがるだろうぜ。もしぬいぐるみが見つからなかったとしても、探してくれた、ってそのこと自体をさ」
そう言って、笑うレイチェル。
フード越しの為、赤面した様子は全く分からない。
眼帯をちょっと外していれば体温の上昇は分かったのかもしれないが。
今のレイチェルにはそうしている理由もなかった。


「もっと自分に自信持っていいと思うぜ」
褒められ慣れていないのだろう、シンプルにそう解釈したレイチェルは七生を見たまま、それだけ口にすると視線を外した。

「夜になると動き出す連中が居るんだよ、色々とな。あんまり関わらねー方がいいぜ、
真っ当な学生で居たいなら、な」

東雲七生 > そうかなー、だと良いんだけど……。
あー、でもこんなとこまで来てたのバレたら怒られるかもなあ。危ないとこに勝手に行くなんて、とかって。

(照れ隠しにそんな事をやや声を大きくして言ってみる。
 冗談のつもりで言ったわけでは無かったが、言葉にした事で嫌に現実味を帯びてしまった気がした。)

あ、は……じゃない、お、おう。

(自信、と心の中で反芻する。自信を持とうにも根拠が要る。
 その根拠が、自分を納得させられるだけの何かが足りないのは、東雲自身自覚していて、ちょっと暗い気持ちになる。)

それは怖いな。なるべく夜間は近づかないようにする。
真っ当な学生どころか、真っ当な人生すら歩めなくなりそうだし。

レイチェル > 「風紀委員がついてたって言えば大丈夫だろ、多分」
適当な、のんびりとした口調でそう返すレイチェル。
ぬいぐるみを探すように辺りを見渡しながら。


「ちゃんとした自信ってのは他から評価されていくことで少しずつ得ていくものだからな。
 焦る必要はないが、その内、少しずつ、な?」
そう言って、にっと笑うレイチェル。


「その通り。次に友達に会った時、人の形を留めてなかったりしたら……な?
 ここじゃあり得る話だからな、マジで。友達を悲しませるようなことすんなよな」

東雲七生 > ああ、それなら大丈夫か。

(盲点だった、と思わず笑ってしまう。
 笑ながらも何の際立った異常の無い路地から路地へ視線を巡らせながら歩いて行く。)

あ、ああ。……まあ、やれるだけやってみるけど。
にしても、何だってそんな好意的に物事を考えられるんだか。

(半ば呆れに近い形で感心してしまう。
 しかし、その言葉には妙に説得力があった。この少女も、そうやって自信を培ったのかと考える。)

おーけー、よーく覚えとく。
何があっても不思議じゃないってのは、学校入ってから散々学んでるし。

レイチェル > 「ま、その『友達』には、女《オレ》と一緒に居たってのは言わない方がいいかもしれねーけどな」
けらけらと笑って、手をひらひらとさせるレイチェル。

「できるだけ好意的に考えた方が、生きてて楽しいからな。それだけだ。
 勿論オレだって常に好意的に物事を見られる訳じゃねーさ。
 心ある生き物だからな。だけど、それでも……出来得る所では、な。
 ポジティブにいきたいんだよ、オレは」
親の受け売りだけどな、とだけ付け加えて。


「そりゃいいことだな。困ったことがあったら風紀を頼りな。
 それで、上で対応してくれそうにない事だったら、オレに直接連絡寄越しな」
そう言って、クロークからペンとメモ用紙を取り出すと、さらさらと連絡先を書き、
差し出した。

東雲七生 > へ?何で……?

(多少物騒な噂はあれど、悪人だという話は少なくとも聞いた覚えは無かったのに、と察しの悪い東雲は首を傾げる。
 そもそも誤解なのだからしょうがない。)

なるほどね。その考えは……俺も見習いたいところだな。
カッコいいと思うよ、誰かからの受け売りでも、こうやって人に言えるのはさ。

(最初のうちの緊張も大分無くなって来たのか、だいぶ砕けた口調になってきている。
 それと同時におどおどした態度も鳴りを潜めていた。)

お、おう。サンキューな。
……まあ、なるべくそういう事が無い様にしたいとこだけど。

(苦笑しながら差し出された連絡先を受け取る。
 それを暫し眺めてからポケットに仕舞うと、また路地を見て回り始めた。
 そのまま何の発見も無く進み、キリの良さそうなところでレイチェルへ礼を言って切り上げたのだろう。)

ご案内:「落第街大通り」から東雲七生さんが去りました。
レイチェル > 「何でって……そりゃ、なぁ?」
頬を指でなぞりながらそんなことを言い。

「じゃあな、『友達』にあんまり心配かけんじゃねーぞ」
別れ際に、改めてそれだけ伝え、
クロークを翻すと、金の髪を靡かせながら落第街の闇に消えていった――。

ご案内:「落第街大通り」からレイチェルさんが去りました。
ご案内:「落第街大通り」にクロノスさんが現れました。
クロノス > 落第街の大通り、その一角から火の手が上がる。
崩れていく建物から鉄底の音を立て、マントを翻して現れる影が一つ。

―――もうすっかり、噂の放火魔である。

今回餌食になったのは落第街の大通りに堂々と居を構え、
落第街に向けて武器を売っていた『死の商人』だ。
本来ならば大通りに居を構えて良いような品揃えではなく、
規制対象の殺傷兵器も大量に扱っていた。

ぐちゃぐちゃと音を立てて店主の残骸を喰らいつつ、
『調査完了、備考、特に無し』と書類に書き込む。

「それにしても、『元同僚』にも困ったものですね。」

帽子の鍔を掴み、正す。
彼女は『後始末』の為にここに来て、そしてそれを終えた。
焼け落ちて行く建物を背に、書類を完成させて行く。

ご案内:「落第街大通り」に白崎玲刃さんが現れました。
白崎玲刃 > お前は………例の放火魔の公安委員…
【落第街へと情報収集に来ていた玲刃は、
遠くに火の手が上がっているのを見て、もしや例の放火魔が居るのではないかと思い駆け付けると
そこには、予想の通り、例の放火魔が居たのであった。

玲刃は、目前の放火魔を見て、実在した事に少し驚きを含んだ顔で呟く。
彼女の放火からの延焼によって住処を失った男から、どうにかしてほしいという依頼を受けても居た為、
クロノスを見ながら、どうするべきかと玲刃は思案していた】

クロノス > 大通りでのここまで派手な制裁行為は明らかに『やり過ぎ』だ
―――だが、『それでいい。』

書類を書き終えると、マントを翻して歩き出す。
ぱらぱらと書類を捲る―――『人斬り』の目撃情報が3件。
明らかに危険人物と思われる不良に、
そこに自ら飛び込み、喧嘩を吹っかける一般生徒、
加えて、その他危険行為の数々。

ロストサインが出現し、その『無法者達』に続くように、
ドミノを倒していくように、治安はますます悪化して行く。
そう、彼女が計算した通りに。破滅の未来に向かって。

「まったく、まるで戦争ですね。」

帽子の鍔を摘み、正す。
このままでは落第街は一般生徒が
立ち入るだけで危険な『死地』と化すだろう。

「だから、こんな街は纏めて燃やしてしまえと言っているんですが。」

ご案内:「落第街大通り」に来島さいこさんが現れました。
クロノス > 声をかけられれば、ん?と首を傾げた。
「放火魔とは心外ですね、監視番号46、殺しも請け負う何でも屋。
 これも仕事ですよ。『私の』ね。」

口元を歪め、帽子の鍔を摘みながら彼に答える。

「それで?『殺しも請け負う何でも屋』が
 『放火魔』の私に何の用ですか?
 お茶のお誘いというわけでは無さそうですが。」

白崎玲刃 > お前、殺す相手は間違ってはいないみたいだが……
その放火、は少しやりすぎじゃないのか?
【放火されている建物を見て、そこに住んでいた武器商人の噂を思い出して、殺されたのはまあ妥当だろうと考えた玲刃
しかし、その放火の延焼によって他の建物まで燃えるという自体についても思い、苦笑いをしながら声をかける。】

それに、だ。こういう所にしか住めなくて、止む無く住んでる奴だっているんだぞ…
この街を纏めて燃やすってのは、そういう奴からも居場所を奪うって事だぞ…?
【彼女が呟いた、落第街は燃えしてしまえと言う言葉を聞き、
玲刃は、眉を顰めながらも、冗談めかした苦笑いを浮かべて言った。】

ははは、俺の事知ってたか……なら話は早い、
お前の放火の延焼で住処を失った奴からな、お前をどうにかしてくれって言われてるんだよ。
【クロノスから声を掛けられ、
要件を掻い摘んで告げた、その顔は相変わらず、飄々とした笑みのままだ。】

来島さいこ > 「けほっ、こほっ……」

 姿勢を低くしながら歩く。
 火の手が挙がっているから何事か、と這い出る様に火煙を過ぎれば、対峙する二人の姿が見えた。

(……あっちの公安委員会の人は、確か……過激なことでも有名な……)

クロノス > 「みせしめですよ、罪人は焚刑。
 『凶悪犯罪』の結果は悲惨な死である、
 というメッセージを込める事が出来るという点で優れます。」

『この所、随分と増えているようですしね、凶悪犯罪。』
そう、彼女は笑う。燃えて行く建物を背に。

「ふむ、『やむなく住んでいる。』そうですか。」

「では、その『やむなく住む』理由を作ったのは誰です?
 健全に過ごしている限りはこんな町に『やむなく住む』ような事にはならないと思いますが。」

「それに、素行に問題が無ければ審査の後に一般街に住む事も可能ですしね。」

瞳を細め、口元を歪めて彼を見る。

「―――それで?『私をどうにか』するんですか?」

来島さいこ > 「……うふふ、横からごめんね。有名人の公安委員さん。」

 ――口を挟む。
 小さくも、確かな足音を響かせながら、両者に近寄る。

「行政の保証を万人が識っている訳じゃないよ。
 私も、二級学生や不法滞在者でも素行に問題がなければ救出されるなんて、教師になると決めるまで全然知らなかった。
 ――それを知らずに、『やむなく』住んでいた人は居るよ。どうしようもない、理由で。」


「少なくても、ここに一人ね。うふふ。
 だからなんだって話だけれども、公安委員さんならこんな惨たらしい私刑じゃなくて、
 ちゃんと司法に則った方がいいと思うよぉ? 先生、ちょっと悲しいかも。」

白崎玲刃 > ふむ……?
(確か、あれは以前公園で見た……)
【火煙から出てくる、人影を一瞥して、
以前、公園で見かけた人物だと、
その時よりも随分明るい印象になっているなと考えた。】

見せしめ……ね。それらな、磔刑とか晒し首とかでも良いんじゃないか?
ああ、そうだな……確かに凶悪犯罪は増えてるな…それに、ロストサインも復活してきてるしな…
【玲刃は、見せしめという言葉に、何も放火以外にも手段はあるだろうと、
むしろ、放火よりも惨いかも知れない手段を、平然と苦笑いで言った。
そして、凶悪犯罪が増えている事に関しては玲刃も同意する。】

ふむ……いや、例え健全に住んでいたとしてもな、
こんな町に住む事になることだってあるんだよ………
それにな、その審査だってほいほいと信じられるものじゃ無いぞ?
もし、行ってそのまま捕まって実験体にされる様な事があればどうする?こんな学園だ、そんな噂だってあるしな。
【幼少期、ただ普通に住んでいただけの、玲刃の家族……
突如押し入ってきた強盗によって奪われた普通、
それを思い出しながら、突然やむおえない状況になることだってあると言った。
そして、審査だってそう簡単に信じされるものか?と問うた。】

ふむ………こちらも依頼されている訳でな、放火というやり方を変えないようなら、
こちらにも出方があるがな…
【そう言って、こっそりと、身体強化を発動させる。勿論、異能と魔術の重ね掛けだ。】

クロノス > 特に何の感慨も無く、瞳を伏せて答える。

「だから『私の』仕事と言っているではありませんか。監視番号26。
 公安委員会の仕事ではありませんよ。」
 
「司法では裁けない悪も存在する、残念ながらね。
 だから他でも無い、私が裁くんです。他の誰でも無い、私の為に。」

口元を歪な笑みで彩り、彼女は続ける。
「それが『テロリスト』であっても、『悪』であっても、
 それによって何かを成せば『英雄』ですから。」

人差し指の腹を自分の口に当て、微笑む。
「それに、現に貴女は救われているではありませんか。
 たとえ本人が知らずとも、『公安委員会がしっかりと仕事をしていれば』、
 素行に問題が無い生徒は救われるはずなんです。
 もし『知らないまま』住んでいる人がいるならば、それは公安委員会の怠慢だ。
 知らない人間が悪い、とは私は言いませんしね。」

来島さいこ >  
「うふふ、監視番号『26』だなんて、随分と前から私の事を見てくれていたんだねぇ――
 ――自分の為。うふふ、そういうのも嫌いじゃないけど、先生が調べた限りだと、今の貴方には立場があるよね?」

 にっこりと笑いながら、クロノスへと近づく。

「そう。怠慢。こんな火をつけるなんて暴挙に出るのも、司法で裁けないを名目に余計なものまで破壊してしまうのも。
 保護を知らない人が多いのも。……公安委員が、法が整備されていれば即刻警察に逮捕されかねない、暴挙に出るんだもの。
 それを法で裁けない故の自己の為の行為と言っても、それが法で裁かれない理由にもならないし――」

 不思議な、掴みどころのない笑みを浮かべながら、近づくだろう。

「公安委員会を私物化していい理由にもならないかも。それとも、これが公安委員会の方針?
 ……うふふ、生徒指導員として、先生として、ちょっとお話を聞かせて貰いたいな。
 公安委員会、ちょっと変な噂ばかり聞くから、"先生"に色々教えてね?
 『室長補佐代理』とか、『第二特別教室』とか、色々知りたくてね。うふふ」

 こっそり、《超常を狂わせる》体質を発動させながら、近づく。

クロノス > 「そちらの何でも屋もですよ、監視番号46。
 健全に住んでいて『こんな街にやむなく住む』事態が発生しているのなら、
 その原因のほうを正すほうが良くはありませんか?
 何故『居場所を奪うな』と言うんです、そもそも、そういう人間の居場所はここでは無い。
 憤慨すべき先はその不正を許している司法の側のはずです、そうでしょう?」

瞳を伏せ、帽子の鍔を握りながら、さらに言葉を紡ぐ。
彼に言い聞かせるように。

「―――審査が信じられない、だからここに住む。居場所を奪うな。
 ならば、憎むべきは居場所を奪う人間ではなく、
 その信じられないような審査体制ではありませんか?」

手に持つ二本の鎌を二人に向けて構える。

「私物化しているのはむしろ他の公安委員だと思いますがね。
 『学園の『秩序』を守る』それを名目に、
 『悪』ではない『ただの弱者』を甚振り、理不尽な現実を突きつけ続けている。
 ―――それを私物化と言わずしてなんと言うのです。」

「それが納得行かない、というのなら仕方ありません。
 言葉で解決しないのなら、あとは戦争するしかありませんからね。」
『人間というものは、いつも、いつでも、そういうものです。』そう、彼女は哂った。

白崎玲刃 > ふむ…なら、もし、お前の放火の延焼によって、知らないまま住んでいた人が死んだとしたら、
それもまた、公安委員、ひいては、お前の怠慢という事になるのではないかね?
【という、放火対象の建物自体は、別に放火しても問題無い物だったとしても、
周りの建物に燃え広がる事についてはどう考えている?と、玲刃は苦笑いを浮かべながら問うた?】

…………っ!?
【さいこの《超常を狂わせる》体質によって玲刃の、
再生の異能が暴走し、身体が不意に、再生と崩壊を繰り返す。
そして、身体強化のバランスが崩れ、身体の一部分だけ強く強化され、または、弱体化されるという事が起こり、
玲刃は、起こった自体に戸惑いながら、どちらが原因かと二者を見た。】

ふむ……確かに一理あるだろう…
だが、その司法に立ち向かうという暇も与えずに、現状を打破する前に、ここを燃やし尽くしてしまうというのもどうかと思うがね…
それにだ、結局いくら司法を変えた所で、それに適応出来ないという者もいるだろうしな…
故に、ここは必要だ。
それにお前の放火も、ただの弱者にも被害を与えているのでは無いかな?

まあ、良いそうだな…話し合いで解決出来ぬのならば、
後は血塗られた戦いで決するしかないというものだな…
【そう言いながら、狂った異能によって覚束ない身体使ってどうにか身構える。
収納の魔術は、長常が狂っている現在使えばどうなるのかわからないので使わず。】

来島さいこ >  
「その制服を着て、自分の為の行為だと平然と言ってのけながらも、
 此処に立っているのが、私物化しているその証拠。――今此処で貴方が私に危害を加えれば、
 ――貴方も正義の名の元に弱者を甚振る事になるよ。それでもいいなら」

 木製の、模擬戦用のナイフを取り出した。
 横目に白崎を見る。……心苦しいが、今は発動しておく事にした。

「――先生も相手してあげる。
 でもちょっと大変だからね。もし理想に燃える生徒ちゃんに打ち勝てたら、先生の話を聞いてくれるご褒美頂戴? うふふ……。」

クロノス > 彼の問いには答えず、にっこりと微笑む。
「ええ、ですから、何度も言っている通り、これは『私の』仕事です。
 そうですね、延焼で焼かれてた『弱者』が居たなら、それは私の罪。
 等しく、同じ悪であるなら、私も同じ炎に焼かれる事になるんでしょう。」

『―――落第街で上がった火は、
 いずれ、私諸共『今の』公安委員会を焼き尽くすでしょう。』

そう最後に小さく呟くと、口元を歪める。

「ええ、それは構いません。でも、それは今ではありません。
 『今であってはならない。』まだ、この火では、『私1人』しか焼け落ちない。」

彼女が踏み込む、マントがはためく、異能を発動し、
牽制に杭を投げつけようとするが、いかなる理由からか発動しない。
チッと舌打ちして、さいこのほうを睨むが、
彼の様子を見るに、玲刃の異能も同様に発動しないのだろう。

―――実に都合がいい。彼女は、笑う。

「単純な斬りあいは好みですよ、『私は』ッ!!」

接近すると彼と、ついでに彼女も巻き込むように、鎌による大振りの一撃を放つ。

来島さいこ > 「私が言えた事じゃないけれど――」

(みんな、自分を大切にしないんだね。)

 小さな体躯を活かし、屈んでやり過ごす。

 その後巻き込む様に迫れど直接狙われていない分甘くなっているであろう隙を利用し、
 一旦、6m程自分の背後もとい後方に離れた。


("どっちも無理しては使わない"。
 暴走覚悟で無理して使われていたらぞっとしたけど、ひとまずは安心かな。)

 側面のポケットから、麻痺毒塗りの吹矢と矢弾を取り出し、セットする。

白崎玲刃 > ………そこまで背負うつもりならば俺からは何も言う事は無いな。
【クロノスの覚悟を聞いて、自身も悪を背負う覚悟があるのか…と感心して頷く。】

ならば!お前諸共焼き尽くす炎の一人となってやろう、
そうだな、この戦いは種火の一つとしよう。
【玲刃は笑みを浮かべ、しかし、剣を使えない現在どうするべきかと思案する。
そして、クロノスの様子から原因が、異能がおかしくなっている原因はさいこだと推測するが、こちらに加勢している以上仕方ないかと考え、
剣の代用を探す、】

俺は現状斬り合う事も出来ないんだがな…っ!
【そして、
彼女の鎌の大振りに対して、落ちていた鉄パイプでガードしようとするも、
その鉄パイプは切断させる、しかし、その勢いで後方へ下がる、
だが、身体強化が狂っている為か、飛び退く速度の感覚がおかしい
それにより、玲刃の胸元に浅く切り裂かれた跡が出来ていた…
しかし、再生の異能の狂いによって、傷口が開いては閉じを繰り返しながら再生してゆく】

クロノス > 『―――飛び道具ッ!!』
さいこの手にあるソレを視界に捕らえると、
鎌を振るう勢いをそのままに、回転する。

逆の手に持っていた鎌を、そのまま『投げた。』
鎌は、回転しながらさいこに迫る。

クロノスはさらに回る、鎌の重量を生かして踊るように前進し、
踏み込むと大振りの一撃を後ろに下がった彼に放った。

白崎玲刃 > っ………!
【鎌の大振りを放ってくるクロノスを見て目を見開く、
現状、あの鎌に対しては、ある程度の硬度の武器が必要だと、
考えるがそんなものが都合よく落ちている筈が無い…】

ならば……!……仕方ない…、どうなるかはわからないが………!
【故に、パンドラの箱を開く、
天へと手を掲げ
狂っている現在発動したらどうなるかわからない収納の魔術を発動した。

すると、3人の居る場所の上空に大きな空間が開き中から、武器が射出され、敵味方関係無く降り注いだ。
降り注ぐ武器は、投げナイフや長剣や大剣などである。
無論、それらは、玲刃自身にさえも降り注ぐ】

来島さいこ >  
(公安委員――確かクロノスちゃんの異能が掴めない以上不安はあるけど、
 ……それ以上にあっちのお兄さんへの旗色が悪い。ここは一旦解除しながら――)

 明らかに加勢している側への影響が大きい。
 已む終えない、と一度解除し――と共に迫る鎌。 

 構えを解き、吹矢を手放してでも全力で横っ跳ぶ。木製のナイフは残す。
 それでも、左腕の側面をなぞるように掠めれば衣服が裂け、痛みを覚える。

「痛っ……」

 更には降り注ぐ武器の雨。連続で避けるには少々厳しく、ナイフの一本が左肩に刺さった。

 ……超常を狂わせる体質は、此処を境に一度抑えられている。

(ううぅ、裏目だよぉ……やっぱりこの体質は、オンオフ出来る様になってもダメだねぇ……)

クロノス > 「―――バカなんですか、貴方はッ!!」

大振りの一撃の軌道を逸らし、反転、自分と玲刃に向かった『武器』を斬り払った

さいこの異能が解除されたのを確認すると、
さらに自身に降り注ぐ武器の軌道を『計算』する。
降り注ぐ武器の雨を最小限の動きで回避、あるいは切り払いながら後ろに下がる。
さいこの異能の効果が無くなったのなら、彼も私も異能が使える。

突然の攻撃に対処する為にも距離を取らなくては。

白崎玲刃 > あ………まずった……
【玲刃は降り注いでくる、己の武器をかわそうとするが、当然避けきる事が出来なく、
どうにか当たると一番まずい大剣のみを避ける事に集中しながら、狂った収納の魔術の発動を止めようとする。
その身体には1、2の長剣と数本の投げナイフが刺さっていたが、
クロノスが武器を切り払っていた事によって思ったよりも被害は少なかったようだ。
狂った再生によって、一命を取りとめながら、更にどうにか戦闘を続行は可能な様だ。

あー……なんというかすまなかった……
だが、ここからが、本調子だ!
【そして、さいこが体質をオフにした事によって、収納の魔術の狂いは止まり、本来の役目を取り戻す、すなわち、武器の倉庫。
玲刃は、そこからクロノスの鎌に対抗できるだけの強度を持つ武器、
水の魔剣を取り出した。

しかし、さいこの体質が止まった現在、再生の狂いも止まり、傷はある程度残った状態となる。
だが、身体強化も通常に戻り、普段通りの動きが出来るようになり
引き下がったクロノスに対して構えた。

現在の負傷、左足の太ももと右肩に1本長剣、腹部に2本、左肩に1本、左足に数本の投げナイフが刺さっている】

来島さいこ >  
「うふふ。やっぱりだれも特しないねぇ。
 井戸木さいこの体質は――」

 痛みを気丈に堪えて豊かな表情でポーカーフェイス。
 もう一つの異能郡を発揮する為、一度、場に存在する/存在する可能性のある超常現象とその源を把握しようと、意識を集中させる、
 また、後衛を意識して、後ろへ下がる。

「うふふ、でも自分から焼かれに行こうとするクロノスちゃんも。
 そっちのお兄さんの事言えないんじゃないかなぁ?」

クロノス > 帽子の鍔を握ると、彼女の瞳が紅く光った。
地面に血の池のようなものが広がると、
そこから真っ赤な人型が立ち上がる。その数、20。
自身の吸った命を逆流させ、『人』モドキを生成する異能。
当然、『命が1つしかない』普通の人間が行えばただの自殺行為である。

「―――ええ、自殺は勘弁してください。後味が悪い。」

そのまま手を前に伸ばすと、
その赤い軍勢は2人に向けて殺到する。

白崎玲刃 > 止めてくれて助かった…
【自身の体質を止めたさいこに対し、苦笑いで礼を言う。

現在、玲刃の所にある、超常は、身体強化(異能/魔術)、再生(遅)、水の魔剣(聖剣)の3つである。】

………ははは、後気味が悪いのは嫌か。
そして、その異能なんというか…
【迫ってくる『人』モドキを見ながら、嫌な感じがすると感じる玲刃、
そして、それに対し、左腕に持った水の魔剣で切り払いながら、
右手で収納の魔術を発動させ、投げナイフを3本右手に持って『人』モドキへと向けて放つ

それに伴い飛び退きもしようと、するが左足が負傷し使用不可のため、飛び退いた距離は短い

場に存在する超常、収納の魔術 追加】

来島さいこ > 「う……」

 赤い生物に、気味の悪さを覚えた。
 とは言え怯む訳には行かない。
 模擬戦用のナイフを捨て、
 隠し持っていた実戦用のサバイバルナイフに持ち替えた。そして、身体を揺らめかせ――

 身体捌きを以って迫る赤いヒトガタをかわしながら、
 躊躇いもなく、赤いヒトガタの首筋、心臓、五臓六腑を狙い――
 ――動物を狩るもしくは解体するかの如き手腕で刺し穿ち、斬り伏せる。

「――破ッ!」

ご案内:「落第街大通り」に虞淵さんが現れました。
虞淵 > ───3人から少しばかり離れた位置

空から飛来した男が地面を割り砕いて着地する

「ほー…あの風紀の女が言った通り、面白ェコトやってんな。俺も混ぜろや」

白崎玲刃 > ………!?お前は……
【落第街で噂を聞いた事がある、
過去にこの学園で猛威を振るい、そして突如として消えた人物、
その人物が再び帰ってきたと…!
そして、着地したその男は、その人物と特徴が酷似していた。
故に、玲刃は、驚愕して、そちらを振り向いた。

新たな乱入者によって、落第街大通りでの戦乱は更に混沌を深めてゆく】

ご案内:「落第街大通り」に相楽 満さんが現れました。
相楽 満 > わくわくそわそわとした顔で横から顔を出す。
引っ掻き回すつもりか、見学のつもりか。

どちらにせよ、まるで場にそぐわぬ笑顔だ。

来島さいこ > 「湖に宙を描く――」

 赤い生物に、気味の悪さを覚えた。
 眉を顰めながらも、直感的に会得したての異能を――
 ――来島さいことしての異能を行使する。

(三十秒の空想ドローイング。)

 場に存在する"超常"イメージを描き、出力する。
 ――"引き出した"のは"身体強化(異能)。自身の身体スペックを向上させる。

 ……そして、地を砕きながら現れた虞淵をへと視線を移した。
 その光景に、驚愕の様相を見せるだろうか。
 高所からの落下、加えて地を砕く程の威力、なのに――

「――嘘、あの人、超常を使った様子がない――!?」

クロノス > 水の魔剣は軍勢を容易く切り裂き、数体が崩れ落ちて地面を赤く染める。
三本の投げナイフは殺到する軍勢のうち3体の頭を貫き、同様に地面を赤く染めた。
さいこのナイフも容易くヒトガタの急所を突き刺し、そこから飛び散る赤い液体が彼女の手を染めた。

「貴方は―――。」

突然の乱入者に、2人に追加のヒトガタをけしかけながら彼女は目を細めて彼を見る。
新たに生み出されたヒトガタは、先ほどと変わらず2人に襲い掛かるが、
見方によっては2人と虞淵の間を遮る壁のようにも見える。

相楽 満 > 「グエンのオッサン、久しぶり!
 ちょっと見学させてくれよ!」

にへらへらと満面の笑み、わくわくする子供のような笑顔。
自分に迫るヒトガタに目を向けることもなく、筋骨隆々の男に輝くような視線を送っている。

虞淵 > 「おう、どうやらそこのアニキとそこの女ァ、俺のことを知ってるようだな」

だったら話は早ェや、と嘲笑う

「クックッ、よりどりみどりかァ…どいつが一番美味いんだ?」

目線はクロノスに向く
瞬時に"警戒"と思える行動をとったのはコイツだけだ
じゃあ、メインディッシュだな。

「見世物じゃねェぞクソガキ、消えろ」
満からかかる声には吐き捨てるようにそう告げた

クロノス > 「見ての通り、公安委員ですから。
 噂くらいは耳にしますよ。『首輪集め』」

自身の公安委員の腕章を指差しながら、彼に答える。

「私は食べたらお腹を壊しますよ。」
目線を向けられると、そう言って肩をすくめると、2本目の鎌を取り出し、
玲刃のほうに視線を向ける。

「『放火魔の公安委員』と、この『誰彼構わず手を出す不良』
 どちらがより危険かは分かりますね?」

来島さいこ >  場に新たな異能が追加された。誰かが来たのだろう。
 おまけに、この超常は――

 描く異能を切り替え、"相楽 満"の異能を描く。
 更なる身体能力の向上の異能へと発動するものを切り替える。

(――場の描けるものの数も増えてきた。
 まだ実戦ではやったことがないから不安だけど――合成する?

 いや、これはそれ以前。危険だけど、"私の用件を終わらせた方がいい"――)

 迅速かつ隠密に。影の如く手早くクロノスへ忍び寄り、その首筋にナイフを当てようと試みるか。

 成功しても、失敗しても、こう言うだろう。
 
「うふふ、ここは私に勝ちを譲ってくれない?
 ……その後は、手伝うから、さ。」

白崎玲刃 > ………お前本当に人間か…?
【玲刃は、虞淵を見ながら、彼の噂を思い出して呟く、
異能者と戦う、異能も魔術も持たない人間というのは彼も知っていた、
それは先代のなんでも屋である、しかし、彼は数多の銃火器と罠を使って異能者を仕留めるというスタイルであった。
しかし、目の前の男は異常であった、罠も武器も使わずに異能者と互角以上に戦い
明らかに人間離れした身体能力でありながらも身体強化すらも使っていないのだという…】

………お前のような存在は歴史上数人いたといわれるな…超人…!
【虞淵を見て、身構えながら言う、
虞淵の様な、人間離れしたただの人間というのは、歴史上に数人いるというのは玲刃も知っている、
頭脳で言うならば、ノイマンやガウス、身体ならば、舩坂弘やシモ・ヘイヘ
故にあり得ないとは思わない、しかし、そのような人物と対峙しているのだと、考え、気を引き締め、収納の魔術を発動し、大剣を右手で取り出し、
長剣(水の魔剣)と大剣の変則的な二刀流となる。】

ああ、どちらが危険かくらいは俺もわかるさ。
【先程あの様な馬鹿なことをした事を思い出しつつ、
クロノスを見て苦笑いで言う。】
ここは一つ、共闘といくか…?
【と、協力してグエンに立ち向かう事を提案する。】

ご案内:「落第街大通り」に能見さゆりさんが現れました。
ご案内:「落第街大通り」に薄野ツヅラさんが現れました。
クロノス > ナイフを当てられても不敵に微笑む。

「いえ、勝ちを譲るわけには行きませんね。
 負けたら『先生のお願い』を聞く約束ですから。
 ―――かといって、邪魔されるのも面倒です。」

『ええ、刺すならどうぞ?』と彼女に微笑みかけた。
彼女の手に持たれた鎌は、短剣と同じくさいこの首に当てられている。

「負けを認めるのはそちらでしょう、
 休戦を望むなら、そちらが白旗を振って私の軍門に下るんですね。」

虞淵 > 「首輪集めね、妙な呼び名が追加されてんなオイ。
 ……あァ、噂の放火魔女はてめェのことか、愉快な真似してんな、風紀がよ」
くつくつと愉快そうに笑った

そして向き直る
その方向は……
「さァて?遺伝子学的に言えば一応人間らしいぜ。
 まァこの先何億年と星が歩む人類史の中で一人ぐらいはいるんだろう、俺みたいなのが」

超人、と呼ばれれば目を細めてあざ笑うような表情を見せた。

「全員で来るならそれでも構わないぜ?
 俺ァ気が短いからな、さっさと決めろよ」

能見さゆり > 【その現場のすぐ近く、ビルの屋上
建物の間を跳んで到着すると、ツヅラを下ろした。】

……まあ、このへんがベストポジションですかね?
何か要望があれば、聞ける範囲でs。

【現場を見下ろすにはちょうどいい建物だ。
乗り出しすぎて落ちなければ。
向こうから邪魔にもならないだろう

ツヅラに声をかけつつ、観察分析に回る
ツヅラと違い直接記憶できるのはメリットだ
アレに直接参加しても効果もメリットも薄いし、いざとなれば拾って帰るぐらいは出来るだろう】

薄野ツヅラ > かつり、かつりと杖を鳴らす。
その場にそぐわぬ───否、その場だからこその平等な観測者。
赤いジャージにヘッドフォンの其れは、のんびりと普段の様子で
其の───最早戦場と化した其処に足を踏み入れる。

「ワオ、随分ご機嫌なご様子で
 ────ってやっぱりクロノスお嬢さん

 ええっと、能見さんでしたっけェ……ボクはこっちに集中するから後はよろしくねェ」

にこり、笑顔を能見に向ける。

能見に抱えられ文字通り"現地入り"したものの、
戦闘に向かない彼女に出来ることは左程ない。
皆無と云ってもいいくらいだろう。
ポシェットからいつも通りの携帯端末を取り出して物陰から記録を始める。
其れが彼女の役割であり趣味だ。
だから其れ以外の選択肢も存在しない。
最高のポジショニングで、且つ最高のボディーガードの傍で。
彼女はカメラを回し始める。

来島さいこ > 「……うふふ。
 余裕のない生徒のお願いを聞くのも先生の務めだよね。
 いいよ、この場限りは軍門に下ってあげる。来島さいこ、上手く使ってね。でも、次は負けないもん。うふふ。」

 しれっとナイフを解き、人懐っこい笑みを浮かべた。
 "とりあえずこれで一旦決着を付けた"。有耶無耶にするよりは、後で再戦する方を選ぶ。

 そして目敏くツヅラとさゆりを見つけて、手を振るだろう。
 ツヅラが音を聞けば、どことなく"昔"のテンションに近い風に、思えるかもしれない。

「……あ、ツヅラちゃんだ。こんばんは、うふふ。」

 屋上だというのに"見えている"のは、描かれた超常の影響か――
 ――身体強化系の異能は、何かなければ定期的に描き直す模様。

相楽 満 > 楽しい、楽しい。
見れる。

戦いが見れる。

らんらんと光る獣のような瞳で、戦場を見続ける。

何か起きたら、知ろう。

何か振るったら、理解しよう。

おそらく、この場で誰より楽しそうに笑い、すぐ隣という特等席の場で見ている。

クロノス > 「風紀ではなく公安です。
 気が短いなら、そちらから殴りかかってくればいいのではないですか?
 ―――見ての通り、この人のせいで私は動けませんから。」

視線でさいこを示すと、やれやれと首を振る。

虞淵 > 「………ギャラリーが」
次々と集う衆目に舌打ちする

「ウゼェなッッ!!!!」

瞬間、爆裂。

特大の震脚を放つ
おそらく過去の公安のデータにすらないであろう彼の本気の一欠片

男を中心にまるで巨大ハリケーンのような衝撃波の暴風が、
邪魔なやつらをすべて吹き飛ばしてやろうと放たれた───!!!

それは自分以外の全員に対する全方位攻撃と同義

来島さいこ > 「んもう、だから解いたって。うふふ。」

 くすくす笑って、おどけてみせた。

相楽 満 > ふわり、体から力を流す。
全身をアースのようにし、体から大地ではなく空中へと力を逃がし切る。
地面の振動も、荒れる大気の暴風もまとめて。

以前見た、虞淵の技術を完璧にトレースし、ダメージを完全に逃し切った。

「……すげぇー!!!」

喜んでいる。

白崎玲刃 > 【相当な混沌な自体が起こっているが、ここは落第街大通り
そう大通りなのである故に、そこそこのギャラリーも出来ている事であろう……

その事実に、玲刃は眉を顰めながらどうするかと思案する。
ここで目立つのは得策ではないが…】

………っ!
【彼の振脚による衝撃波を大剣でガードし耐えるも、
衝撃が強く、多少後ろへずりずりと下がる。】

ならば……こちらも…!
【大剣を一度、上空に強く放り投げ、
グエンに向けて、水の魔剣を両腕で掴み、音速で縦に振り、衝撃波を放った。
音速を超える時の空気抵抗が、水の刀身に強くかかる、しかし、魔剣はその形状を維持しきった!
音速を超えた事による剣から伝わる衝撃はしかし、玲刃自身には、水の魔剣の特性により伝わる事は無い。
玲刃が放った衝撃波は、グエンへと襲い掛かる、
そして、もしグエンの後ろに人物が居るならそちらにも影響は出るであろう。】

来島さいこ >  衝撃波の暴風、空気の壁の暴力。
 全てを吹き飛ばさんとするその力を受けて――

 ――平然と"立っている"少女。
 本来の彼女を考えればあり得ない事象だが、"相楽 満"の超常の模倣により、それを可能とした。

「――うふふ。誰のものか知らないけど、こんな凄いのも描ける人が居るんだねぇ。
 スーパーマンにでもなった気分。あ、でもお腹が空くみたいから、あまり多様はできなさそうかもぉ……。」

 先ほどから彼女の行動との一端に散見される様に、
 副次的なものとして、場の超常の源の把握も可能とするらしい。

クロノス > 『では休戦ということで、と』さいこの前に立つ。

帽子の鍔を掴むと、地面に手をつく。
自分の内側にある『命』を消費して異能をブースト。

「まったく、大通りでそんな事したら落第街が壊れるじゃないですか。」

―――彼女は口元を歪めて嬉しそうに呟く。
地面から特大の杭が数本発生し、その衝撃波を防ぐ壁になる。
壁になった巨木のような杭は、鋼鉄製にかかわらずその衝撃波を受け止めるとぽきり、と折れた。

彼女が言ったとおり、その衝撃波は彼女の背後で燃えていた建物と、
ついでにその周囲の建物を『薙ぎ払った』

「―――延焼の心配はなくなりましたね。」

帽子を握ったまま立ち上がる。

能見さゆり > ふふ……行動、戦力分析すると申し上げておきましたからね。
それを承知で乗った以上はお互い様だと思いますし、メリットとデメリットは相応に。

【突風ではあるが、物陰と距離がある故に耐え切れなくはない。
あとはツヅラを押さえて飛ばないようにしておけばいいだろうし、無理でもワイヤーがある、問題ない
それよりもこうした全方位攻撃のデータのが貴重だ】

薄野ツヅラ > 「ドーモ……
 過去のデータにも存在しないし最新版に改訂できそうねェ」

困ったように笑いながら真下の戦場を覗き込む。
能見の制服の裾をちょん、とつまむ。
此処まで早速いいデータが取れるとは思わない。不意に口元が緩む。
目の前の災害とも云える様子を、至極楽しげに端末越しに眺めた。

虞淵 > あれだけの震脚を放ったというのに地面にはヒビ一つ入っていない
男が身体能力だけでなく、技術にも優れた存在であるという証明だろう

「なァほら、どいつからだ?いっぺんか?バラバラか?なんでもいいぜ。
 って言ってる時間ももったいねえよなァ、俺ァ腹が減ってんだ!!!」

もう我慢出来ない
目の前に御馳走がこれだけ転がっているのだ

「シィィィッ!!」

猛獣の笑みを浮かべたままに飛びかかった先は……
白崎玲刃

どうやら、最初にそそられたらしい

突進するがままに剛脚一閃、クレーン車に吊り下げられた鉄球が唸るが如く、廻し蹴りが放たれる───!!

白崎玲刃 > おいおい、延焼の心配が無くなったって、延焼される建物ごと消えちまったら意味無いだろ…
【苦笑いで、周囲の建物が衝撃波で消えた事を苦笑いで一瞥する。】

………ははは、お前はもはや、超人というよりは、怪物のレベルだな。
【玲刃は、向かって来るグエンに笑いながら軽口を叩きつつも、
回し蹴りに対して、自身も力比べとして、右足で
重ね掛けした身体強化により放たれる回し蹴りをカウンターとして放つ、
その速度、音速の約半分、
しかし、グエンの回し蹴りとぶつかった玲刃の、右足は、身体強化を集中していようと、骨に大きくひびが入る
脚同士の衝突の衝撃を使い、玲刃は大きく飛び退いた。】

来島さいこ > 「……これだけ超常があるなら、
 今のうちに、色々試してみようかなぁ――」

 場に存在し得る超常の2つを描き、それを合成する。
 選択した超常は『刃杭生成』と『氷の魔剣』――

「よし、出来た……!」

 ――『氷の魔杭』を新たに描けば、剛脚を放った虞淵へと射出した。

クロノス > 切りかかる玲刃を見れば、彼女は後ろに下がって呪文の詠唱をはじめる。
彼のような化け物を相手にするなら『この鎌』では役不足だ。

             『―――序文』

    『―――父すら許さぬクロノス《Kronos》の鎌よ。』

          『―――叛逆者の鎌よ。』
         
       『―――我は叛逆を成さんとするもの。』

目を僅かに細めて静かに詠唱しながら、玲刃と虞淵の戦いを見守る。

虞淵 > 「オッ」
蹴りと蹴りの衝突。
痩体だというのにこれは嬉しい誤算だ

「身体強化系か」
ゴツ、ゴツと地面を安全靴が叩く
武器を扱うスキルもあるらしい、楽しめそうだ

「名前を聞いておきてェな──   ──憤ッ!!!」

ゴンッ
今度の震脚は地面を叩き割る
否、隆起させる
切り立った岩が放たれた氷の魔杭を叩き割った

「よォし、3人いっぺんでいいんだな?」
獣の、口の端が釣り上がる

白崎玲刃 > ああ、名前か、良いだろう。俺は、白崎玲刃だ!
【笑みを浮かべながら、グエンに名前を名乗る。】

ふむ……そうだな、前衛は任せておけ!
【後ろに居る、二人の様子を見て自分は、前衛に専念するべきかと推測し言った。
そして、玲刃は、収納の魔術を発動し、水の魔剣を収納すると、
回復してきていた左足と、ひびの入った右足の両方に力を入れて大きく跳躍する、当然、右足の骨のひびは深くなり、右足が今にも砕けそうになる。
そのまま、丁度落ちてきた、上に投げていた大剣へと飛び付き、
大剣の落下の方向を制御して
自由落下による加速と大剣の質量を加えた、一撃をグエンへと加えようとする。】

虞淵 > 降り掛かる大剣の一閃
男は巨腕を振り上げ、それを受ける
肌を斬り裂かんとする刃は、強固かつ弾力に富む肉に阻まれる
その奥に鋼のような硬さを感じさせながら、男は刃を振り払った
受けることを意識さえしていれば、この男の腕は強固な盾にもなる

「覚えたぜ、白崎ィ!!」

腰を低く落とし、構える
六合拳、知識が在る者ならそうわかる、堂に入った構えだ

伏虎爪撃───

再び飛び掛かる
虎の爪に見立てた、鋼鉄の指による爪撃が真空を伴う乱撃と化し、
玲刃へと襲いかかる!!

来島さいこ >  氷の魔杭は大地の隆起に拒まれ割れる。
 程なくして、杭は消失するだろう。

(次――!)

 ――超膂力+氷の魔剣を掛け合わせて描く
 来島さいこの姿が、氷の様な白い肌へと変貌する。

「わっ……」

 結果として、30秒間超膂力と氷の魔力を宿した"魔人"へと変貌する。
 その状態を維持したまま、様子を伺う――と言うよりは、この場に乗じて"色々と試している"。
 

(こう言う事もあるんだ。場合によっては大変そうかも。服とか。)

クロノス > 彼女が右手を横に伸ばすと、そこに純白の鎌が現れる。
2人の戦闘を眺めながら、やれやれと首を振る。

「そのまましばらく持たせてください。―――持たせてくれたら、私が決めましょう。」

帽子を抑え、微笑むと、次の句を唱えるべく口を開く。

白崎玲刃 > ………がっ……!
【大剣の一撃がグエンを貫かなかった事実に多少驚愕し隙が出来る
そこへ、来た爪撃を喰らう、
その爪撃は身体強化による耐久を持ってなお防げるものではなく
肋骨を砕かれながら、胸部や腹部に深い傷跡を残しつつ、吹き飛ぶ
地面に衝突した衝撃で、右足がついに砕ける。

大剣は、グエンに衝突した時の衝撃で砕けており、
その破片も、玲刃の肌を傷つけた。】

…………っぅぅ!故障が怖くて使いたくないとか言ってられない状況だな……!
【それでも、何とか気力と振り絞り、右足をついたまま、
構えは解かず、収納の魔術を発動しながら、左手で電気の魔剣を取り出し起動した。】

1分か……ちときついぞ…
【クロノスに対して、苦笑いで答える】

相楽 満 > 「おー、すげぇすげぇ……」

感心した様子で見ている。
場にどこまでもそぐわない。

虞淵 > 「脆いな、身体強化系と見たが、そうレベルの高ェモノではなさそうだ」
チラリと横目で相楽満を見る
そう、このクソガキほどのレベルではない

「いいぜェ、闘志が消えない限りは向かってこいよ!!
 いややっぱ俺から行くか、クカカカカッ!!!」

愉しげに笑みに牙を剥きながら、みたび玲刃へと飛びかかる

「────跳虎荒牙ァァッッ!!!!」

空中から蹴りだされる無数の衝撃の刃、地面に当たれば切り裂き砕く。
牙が如き四連の蹴撃!!

来島さいこ >  効果が切れて一度、元に戻る。
 相手が圧倒的な技術と力を持つ以上、接近戦は邪魔くさくて出せないし、
 遠距離攻撃も射線の問題で迂闊には出来ず、有効打にもなり辛い。ならばどうするか――

 ……故に、現状では様子を伺うに留まる。手札が足りない。

クロノス > 大きく息を吸うと、マントを翻しながら左手を逆方向に伸ばし、頭を足れて次の句を唱える。


             『―――破文』

   『―――同じくして、天すら裂くクロノス《Xronos》の鎌よ。』

        『―――時を刈り取る者の鎌よ。』

       『―――我が意に従うならば応えよ』


大量に放出され、拡散した魔力が形を成し、
彼女の左手に漆黒の鎌が現れる。

『機会は一度きり、一度見せれば、二度目は使わせてくれないだろう。』

そう考えながら2人の戦いを視界に収めつつ、最後の一文を唱えるべく、口を開く。

白崎玲刃 > ははは、速度に関しては結構な強化が出来るが、耐久面は心許無いものでな…
【冗談めいた苦笑いで答えつつ
近くにあった瓦礫を右手で掴み投げ衝撃波にぶつけて相殺させつつ
蹴撃に対し、残った、右腕と左足でカウンターを放つ、
だが、グエンの蹴撃は強く、どちらにも大きなひびが入る。

そして、左手に持った起動した電気の魔剣の
万物を分解し切り裂くプラズマの刃による、一撃をグエンに与えようとするが……!】

虞淵 > 「ククッ」

嗚呼、理解るぜ
それは受けられねェヤツだ

羅刹脚

その地に足がついた瞬間、その姿がブレるように一瞬で男は間合いをとり、
電気の魔剣が遠く届かない位置へと移動している

「クックックッ、異能を持つ連中と遊んでるとなァ、ちょいちょいあるんだ。
 俺様の肉体を持ってシても受けられねェ攻撃が。
 ……この俺がただ鈍重に攻めるだけの男だとでも思ったかい」

白崎玲刃 > ………!?退いた…!
【グエンが間合いを取った事に、驚きつつも理解する、
この武器ならば、傷を負わせることは出来ると、
しかし、玲刃は、右足を砕かれ、左足にもひびが入っている為、動く事は敵わず、
それに、貴重品故においそれと投げる事も出来ない、
故に、収納の魔術で雷の魔剣を仕舞い。

投げナイフを左手に3本持ち取り出して、グエンへと向けて放つ、
その速度は、音速。しかし、その速度を投擲する為の速度で動かした、左腕の皮膚が裂け、骨にも中程度のひびが入った。】

虞淵 > 「足が砕け、満身創痍。それでも闘争をやめない。
 ただの一学生にしとくには惜しいぜ、お前」

投げナイフが男の胸に次々に突き刺さる
しかし徹甲弾でも通さない筋繊維に阻まれ、カラカラと地面へと落ちた
うっすらと血が滲む皮膚を拭って、玲刃へと歩みを進める

次で止めだ
思い切りブン殴って、それで終わり
死んだらそれまで
死ななきゃ、まぁまた遊べる楽しみが残る

来島さいこ >  ――白崎(まだ名前は知らない)が動けない。
 そう判断すれば、先ほどの超常を記憶を頼りに描き直し、30秒間超膂力と氷の魔力を宿した"魔人"へと変貌させる。

 そして、相当の身体能力を以って、グエンの前まで一足で飛び、迫り――
 山をも砕く力の超常と氷の超常を以って、冷気を纏った拳を思い切り振り抜きながら――

 ――割って、入る!

クロノス > 彼女は、最後の句を結ぶ。

            『急文』

   『―――万物を引き裂くクロノス《CXronos》鎌よ』

 『―――万物征服され得ぬアダマス《adamantine》の鎌よ。』

  『―――二つの鎌を寄る辺に、今ここに顕現せよ。』

     『―――我が名は『クロノス』』

  『其れを振い、この世に正しき秩序《時》を齎す者。』


―――背に時を司る『翼』が現れる。
   ―――二色の鎌を持った両手を胸の前で合わせる。神に祈るように。
      ―――二本が解け消え、彼女の目の前に現れるのは黄金の鎌。
         ――――『万物を引き裂くアダマンの鎌』

神器を握り、その身は『神』へと変ずる。

彼女は腰を落とし、それを構える。
―――それを『振う時』を見極める為に。

『3人の戦いは佳境、間もなく、勝負は決まるだろう。
 敵を倒し、油断した隙、―――そこに、撃ち込む。』
彼女はそう考えながら、3人の戦闘を、その細めた真紅の瞳で見守る。

白崎玲刃 > 【こちらへと歩み寄るグエンを見て玲刃は思案する。】
(これは…まずいぞ……正直、あの一撃を頭部にでも喰らってみろ…
良くて意識不明の重体、悪ければ死亡だ…!)

…………すぅ……はぁ……っ!
【故に、玲刃は意識を集中し、気配遮断を使う。
グエンが鋭い人間なら即座に気付くだろうが、攻撃のタイミングをずらすくらいには役立つだろうか…?

そして、もし、グエンが攻撃を放ちそれをかわす事が出来たならば、
近づいてきたグエンへと向けて、
ひびの入った左腕を砕きながら、衝撃波を伴った音速の拳を放つだろう。】

虞淵 > 割って入ったさいこの拳をなんなく片手で受ける
男の足元、そこから後方100メートル超に亀裂が走り、アスファルトが砕ける
真意六合、理合により超膂力の力は逃される
受けた片手が氷結していくのを感じれば、そのまま拳を掴んでさいこを放り捨てる

「冷てエよ、クソ女」

ぷらぷらと右手を振り氷結した氷を振り払う
しかし妙なヤツだ、今しがた受けた力は間違いなくあのクソガキ、相楽満と同等に近いもの
複数の異能を持つ者自体は珍しくないが、
身体強化の最高峰とも言えるレベルの異能を他の異能と複合して持ちえるものか
………
考えるのは面倒くさい

とりあえずは目の前の男と最後の遊びだ

「ここに来て小細工もねェだろう?」
猛獣の勘が、気配遮断を察知する

玲刃の前に立つ男
ぐぐ…と右の拳を固める

さぁ、最後の花火だぜ

その剛拳を、振り下ろす───

来島さいこ > 「っ……!」

 拳術に関しては得手ではない。
 受け流させない技巧は持っていない。
 あっさりと投げ捨てられれば、軽く転がる。

 わずかにでも、隙や時間は稼げただろうか。

白崎玲刃 > ………ぐぅぅ…!………――――――
【グエンがさいこに向かった隙に、ほんの少しだけばれない様に位置をずらす玲刃、
気配遮断をを見抜き振り下ろしてきた拳が、玲刃の頭部を掠め、右腕を肩ごと砕く、
だが、そのまま拳が頭部を掠め、意識を失うのと同時に、
左腕を砕きながら玲刃の音速の拳は衝撃波を放ちながら
カウンターとして、真近に居たグエンへと向けて放たれた】

虞淵 > 白崎玲刃文字通り最後の刃
音速の拳はカウンターで男の腹筋へと突き刺さる

巨躯が、ガリガリと地面を削って数メートル後退する

「……ハッ、やるやる。
 ハタチ前のガキとは思えねェ闘争心だ」

フゥ、と息をつくと前屈だった姿勢を戻す
ぱんぱん、とその拳が突き刺さった己が腹を叩く
僅かに鬱血が始まっている。
あのタイミングでは腹筋を固めるまでの余裕はさすがにない

「肉斬骨断、骨断命奪…とまではいかなかったな。
 ククッ、次に期待するぜ、玲刃」

身体強化系の異能者は大体が代謝向上、所謂治癒力も持ち合わせているのが常だ。
次も期待がモテるだろう

クロノス > 『今ッ―――!!』
玲刃の拳が突き刺さると同時に、瞳を見開く。
―――真紅の瞳が、魔力の放出に煌いた。

「今、全てを追放せよ
      ―――『万物を切り裂くアダマスの鎌』!!!!」

翼が開き、彼女はただの一度だけその黄金の鎌を振う。
落第街の時が切り裂かれ、全てが『止まる』。

停止した時の中を走るのは光の刃、
『時すら切裂いて』虞淵の居る場所まで到達したその光の刃は、

『万物を引き裂く』べく、虞淵に襲い掛かる。

ご案内:「落第街大通り」に神崎 聖さんが現れました。
虞淵 > 「───!」

閃光

男は猛獣並の勘をもっている───直前には察知できていた、しかし
男は瞬時にある程度の間合いを移動できる"技"をもっている───が、遅いか
男は弾丸をも弾き返す鋼鉄の肉体をもっている───が、こいつは受けてはいけない攻撃だ

瞬時の判断
こりゃあ間に合わねェな

閃光が過ぎ去る

「ク────ククッ…!!」

男の衣服に赤い紅い染みが出来ていく
己が最も信を置く鉄拳
それを閃光へと叩きつけた

結果は───

「クハッ…やるじゃねェかよ、公安委員の女」

男の豪腕がザックリと斬り裂かれて、帯多々しい血液が漏流れる

が、それだけにとどまった…というべきだろう。

神崎 聖 > 落第街の時が切り裂かれ、全てが『止まる』。

その前に彼女は戦いからすこし離れて、なおかつ
肉眼ではっきり見れる位置にいた。

彼女が止まった時の世界を見たのかは分からないが…。
恐らく時間関係の異能もコピーしていよう。

虞淵 > 「チッ、腕が上がんねェぜ」

残念だ
しこたま残念だな

「今日はもう人を殴れねェ」
出血が続く自信の腕をべろりと舐める

相楽 満 > 「あ、終わり?」

虞淵に向けて尋ねる。
かなり近いが、ずっとこの距離にいたのだろうか。

クロノス > 帽子の鍔を握り、正す。
黄金の鎌は振うと同時に消え、
背中の翼は、まるで花吹雪のように飛び散り、
あたりに純白の魔力の雨を降らしている。

真紅の瞳は、彼の腕を見て、そして彼の目を見て、
彼女の口は、にっこりと歪に歪む。

「今日の所はそれで手打ち、という事に致しましょう。
 ―――見逃してあげますよ、監視番号291。」

当然ハッタリだ、先ほどの一撃は、彼女の『最後の切り札』のようなもの。
もはや魔力は一切残っておらず、異能で彼に対抗できそうなものは無い。
このまま戦闘を続ければ間違いなく敗北する。

そう確信しつつも、彼女は不敵に笑う。

神崎 聖 > 大男の腕がざっくりと切りかれたのを見て。

彼女は何処からか端末を取り出し
いじっている。

まるで記録するかのように。

虞淵 > 「ったく、これだから魔術齧りは面倒なんだよなァ……」
クロノスを睨めつける。
身体能力が及ばない領域、
何にでも相性というものは存在する

「残った左腕と両脚がありゃ、
 一瞬でてめェを縊り殺すぐらいでできるんだぜ、公安の女ァ」
クロノスを睨みつける。

が……
「……ま、良い傷だ。傷を負うってこたァ、俺はまだまだ強くなれるってことだ。
 ククッ…今日のところは帰ってやるよ、公安の女」

まるで、示し合わせたかのようにそこへ黒塗りの高級車が乗り付ける

「そこの白崎玲刃、しっかりと治療させろよ。また遊んでもらうからな」

言い残して男は後部座席へ乗り込む
開いたドアから、白い少女の姿が一瞬でも確認できた者がいたかもしれない。

男を乗せると、高級車はそのまま走り去った

ご案内:「落第街大通り」から虞淵さんが去りました。
能見さゆり > ……さて。
【面白くなってきたようだ。
もっとも、面白いという感性はないので、正確には状況が悪い方向に転がっていないということだったが。

大体はうまい方向に流れたともいえる。
もっとも、厄介なものがまた現れた以上、良くない流れがないとはいえない。
これは処理しておこうか。】

「タタタタン」

【神崎に対して、上からの射撃。
サブマシンガンであるためにそれほど効果はないが、いい邪魔にはなるだろう。】

来島さいこ > 「行った、かな……」

 その場で尻もちをついていたが、ゆっくり立ち上がる。

 切り傷と空腹と打撲と疲労が全身を襲っている。
 不釣りあいな超常を乱用した代償だろうか、と、内心で顔を歪めるようなキモチになるも顔には出さずに笑う。

「――なんとかなったみたいだね。
 うふふ、今回は『邪魔が入って流れちゃったけど』、
『次は』必ずご褒美貰っちゃうからね、うふふ――公安委員のお仕事、頑張ってね?」

 満身創痍の体で、白崎に呼びかける。

「お兄さんも、ありがとう。
 きっと、お兄さんがいなかったらこの場は――」

 ぺこり、と頭を下げる。

白崎玲刃 > ――――――――――
【グエンやさいこの声に意識不明の玲刃は答えられない。
玲刃は、気絶したまま動かない。
その下には多少の血だまりが広がっているものの、
再生の異能によって傷口は少しずつ塞がっていっているようだ。
玲刃は現在意識不明の為、連れて行こうと思えば連れてゆく事も出来るだろう。】

神崎 聖 > 高級車をじっと見ると、
白い女が見えた気がしたが、
私自身の興味をひくものではないだろう。

サブマシンガンによる攻撃が来たのを察知したのか
いた場所には既にいなかった。

「やれやれ…手荒い歓迎ですこと。」

彼女は別のところに移動した。
どういう仕組みかは分からないが。
異能は使ってないようだ。

相楽 満 > とことこと、白崎のところに駆け寄る。

「終わったんなら、白崎連れてくッスよ?
 こいつしぶといけど、さすがにいい怪我だし」

どっこらしょ、と片手で肩にかつぐ。
傍観者が手を出した。

クロノス > 彼を見送ると、安堵の息をついて玲刃に歩み寄る。
『ええ、存分に頑張りますよ』と彼女に応えつつ、
鉄底の音を立て、純白のマントを翻し、ゆっくりと。

―――そして、彼を適当な力で蹴りつける。

「生きていますか?」

返事が無いのを確認すると、意味もなくもう一度蹴り付けて、やれやれと首を振る。
そこに相楽が駆け寄り、彼を持ち上げたのを見れば、
『後は頼みましたよ』と踵を返し、切り落した虞淵の腕を拾い上げた。

「私は疲れたので帰ります。
 皆さんも、気をつけて帰宅するように。」

何時の間にか、最初の衝撃波で壊された建物、
さっきまで燃えていた建物は『元に戻って』いる。―――最も、家主は不在だが。

歪な笑みを浮かべると、帽子の鍔を掴み、正す。
そして、彼女は現れた時と同じように鉄底の靴の音を立てて去っていった。

来島さいこ >  
「あ。う、うん、お願い。お兄さん。」

 相楽を見る。そして、こう思う。

(誰だろう?)

能見さゆり > 【……まあ何か問題があれば、誤射、だ。
邪魔さえできればあとはどうでもいい、それ以上でもそれ以下でもない

こちらも今の顔も様子も違うから向こうからはわかりにくいだろうが
ロストサイン時代、東郷さんと何度か出会ったために知っているが、神崎のアレは厄介な能力だ
現状クロノスのプラスにはなりづらいと判断する

それ故に、この場であれに知識を自由に覚えさせるのはあまり良くないだろうというだけだ
それ以上の意味は無い】 

さてツヅラさん、この建物にいると狙撃犯と間違われますので、適当に移動しますよ。

【一応、ガードとして要請された以上屋上からツヅラを連れ撤退する。地上に降りる気だ
適当に狙撃場所とは関係のない方向に移動する。

姿を出すにしろ出さないにしろ、そこから姿を見せれば怪しまれにくいだろう】

相楽 満 > 「ばいばい、公安の怖いねーさん」

にへら、と笑顔を浮かべて手を振った。

「俺はアレッスよ、生徒ッス。
 さいこ先生の授業は受けたことないッスけど」

うんうん、と楽しそうに頷いた。

ご案内:「落第街大通り」からクロノスさんが去りました。
来島さいこ > 「そっか……あれ、私のことを識っているの?
 う、ううん。いまはそれより……と、兎に角、そのお兄さん、お願いね。」

 ぺこりと頭を下げて、頼むようにするだろう。
 どこかであったっけ、と、少々の思案を回しているが、身体がしんどくて上手く回らない。

 ともあれ、足早にその場を去った。

ご案内:「落第街大通り」から来島さいこさんが去りました。
神崎 聖 > 「おや?」

見知った顔がいる。
あれは満くんと玲刃さんだ。

「満くんどうしたの?
私と同じように見に来たとか?」

薄野ツヅラ > 「ンッンー、ちょっと待ってねェ───……☆」

幾らか端末を操作する。
始めから終わりまで、完璧に記録出来ているのを確認する。
タブレットをポシェットに仕舞いこむと能見に笑顔を向ける。

「お願いするわぁ」

かつり、と能見の傍に歩み寄った。

白崎玲刃 > 【勿論、クロノスに話しかけられても意識不明であり反応の無い玲刃。
クロノスの蹴りを受ければ多少は出血をするだろう。
そして、このまま他の者が手出しが無ければ、
玲刃は満に担がれてゆくだろう。】

相楽 満 > 「あ、ひじりん先輩。
 ……間違えた神崎先輩。
 俺は調べ物ついでに、ちょっと観戦ッス。
 楽しそうな戦いが見えたんで」

にへーっと笑顔を浮かべたまま、答え。
けれど肩の白崎を抱えなおすと、その場を去ろうとする。

「白崎、死ぬなよー。いや死なないだろうけど。
 すぐ病院行くからな」

だん、と飛ぶ。
恐ろしい脚力でもって跳躍し、多くの建物を飛び越えて飛び去った。

ご案内:「落第街大通り」から相楽 満さんが去りました。
白崎玲刃 > 【満に抱えられて、そのまま玲刃は病院へと連れられて行った。】
ご案内:「落第街大通り」から白崎玲刃さんが去りました。
神崎 聖 > 「そう…。」

そのまま、見送るでしょう。

「んー…。最後の方しか見れなかったのは
残念かー。」
そうぼやき。

「終わってしまったし、得られる物は無いし帰るか。」
そう行って去る。

ご案内:「落第街大通り」から神崎 聖さんが去りました。
能見さゆり > これは……このまま退避した方がいいですかね。
私が狙撃犯ですというような装備ですからね、適度に撤退して、場合によっては

……クロノスさんの様子を見に行くのもいいかもしれません

【ツヅラにそうつぶやくと、姿を表すような事はせず、彼女を抱きかかえたまま撤退した
必要なデータは揃えたし、それで十分だ】

薄野ツヅラ > 「ええ、其れが良さそうねェ───……」

収穫としてあの場に居た大半の人間の異能の詳細なデータと映像。
主な攻撃範囲や時間のリミットも含め、プラスになったと云えるであろう。
中々のデータが確保できた。

「………そうねェ、クロノスお嬢さんにも外からのデータ渡しておきたいし」

ぽつり、そう返すと小さく笑みを浮かべた。
能見に背を向ければ、かつり、かつりと杖を鳴らして大通りの人ごみに紛れていくのだった────

ご案内:「落第街大通り」から薄野ツヅラさんが去りました。
ご案内:「落第街大通り」から能見さゆりさんが去りました。