2015/06/21 のログ
朱堂 緑 > あっさり通った。
それでまた、二度驚く。
調査資料では問答無用タイプだと聞いていたのだが、相手が食うに値しないならどうも寛大らしい。
 
「御親切に忠告までどうも。まぁ何はともあれ助かった。礼を言わせてくれ、ありがとう」
 
そういって、素直に頭を下げる。
この男も世間では長身で通る方なのだが、2m以上の背丈と100kgを優に超す重量を搭載した虞淵のそれと比べれば、流石に小柄にみえる。
 
「ああ、そうだ、つかぬこと聞くが、アンタやっぱりこの辺の事情には詳しい方なのか?」
 

橘 臨助 > 「………」
…まぁ、先客がいるようだ。グエンもあの男にさして興味もないようだし、やることはない。
素通りする事にした。

虞淵 > 無論、男が"多少なり"殴った後だったということもあるだろう
おそらく誰もいないところで単独で出会ったなら、わからない

「落第街で礼を言うなら言葉よりも金品だぜ、小僧」

懐から取り出した煙草に火をつけながら

「俺も最近戻ってきたばっかりでなァ、
 今の落第街について聞きてェことがあんなら、他のやつに聞いたほうがいいかもな」

そこにいる男とかよ、
と、橘を顎で差す

橘 臨助 > 「………気づいてたのかよ。」
「俺は詳しくねえよ。ここはタダの道だしな」
意識的にたどり着こうとする場所、ではなく。
そこにたどり着くまでの経過でしかない、道。
関心をもって意識の舞台に上げない限りーつまり、道を場所にしない限りそこに関して何かを覚えるというのはまずないだろう。
さらにこいつは、大概の事に関心が薄い。
「ってわけだから、そこのモジャ頭のあんた。他を当たってくれ。」

朱堂 緑 > 「わりぃが割と頻繁に『ああいう目』にあってるんで持ち合わせがねぇ。
大して中身のない財布でいいってんならそれでも差し出すけどよ」
 
それ自体は事実であった。
公安時代の御礼参りとばかりにかかってくる奴が多いのである。
それとは全く関係ない不良も山ほどいるが。
そんなにカモにみえるのだろうか。
 
「他の奴……?」

そうって、虞淵の示した視線の先をみると、いつの間にかもう一人男がそこに居た。
というか、完全な通行人だった。
素通りしようとしてる。

虞淵 > 「そんな目に頻繁に合うやつがなんだってこんな場所にいやがる?」
たばこを口にくわえて、睨めつけるような視線が向けられる

「お前、ただの小僧じゃねェな」
ジロリ、と

朱堂 緑 > 虞淵の指摘に、男が曖昧な笑みを浮かべる。
野生並の直感ってのはあながちウソじゃないらしい。
公安捜査資料はどうやら確かなようだ。
 
「カモになりそうな面してるってことなんじゃないかね」

そう、一応は韜晦してじわりと嗤う。
汚濁が滲むような、嫌悪感が先に来る笑みだった。
 
「此処に来たのは、ちょいと魔導具の類が欲しかったからさ。
ああいうもんは、禁制品のほうが何だかんだ質がいいんでね」

朱堂 緑 > 「つれないねぇ」
橘のそのそっけない言葉にそう返して左肩だけを竦める。
右手は、不良に襲われてる最中もずっとポケットにしまったままだ。

橘 臨助 > 「………」
あぁ、関心もっちまったよ。
なんだか素通り出来そうにない事を察知して歩を止める。
ーーまぁここに来るんだ、暴力でないとしても、なんらかの強い力は携えてるアブノーマルだろうよ。
ざんばら頭の男を少し見る

虞淵 > 「冷てェヤツだな」
橘の反応にククッを笑う

「魔道具ゥ?
 禁制品なんて言えばハクがあるが、いわば保証も何も降りてねェ、二級品三級品だぜ」
呆れたように肩を竦める
もちろん中には掘り出し物なんかもあるのだろうが…

「ま、それでカツアゲにあってりゃ世話ねエな」

朱堂 緑 > 「まぁ、伝手さえつけられりゃ後で金があるときにくりゃいいんでね。
二級品三級品も表より安けりゃそれでいいさ。本命は、見つかったらラッキーくらいの気持ちだよ」
 
そういって、虞淵の笑みに合わせるようにこちらも小さく笑う。
口元だけが滲む笑い方だった。
 
「もし、そういう店にアテがあったら教えてくれないかね?
まぁ払えるもんがねぇから無理にとは当然いわねぇけどさ」

橘 臨助 > 「知らないもんは知らねえんだ。あんたより知らないぜ。」
朱堂とグエンの言葉にはこれまた冷たく返し。
「…そっちのアンタは…ここに来ても平然としてる、慣れてる感じがするぜ。こういうところが好みなのかは知らないが、こんなとこで動揺しないってことは…自分からここに首突っ込んでくような奴では、あるんだろ、多分。だったらどのみち自分で、俺相手じゃなくても調べんだろ」
そっちのアンタとは、朱堂のことだ

虞淵 > 「アテは残念ながらねェな。魔術周りにゃ縁遠いもんでよ。
 写真と全然違うクリーチャーを出す娼館ぐれェなら紹介してやるぜ?」

笑みを浮かべたままに、冗談なのか、はたまた冗談ではないのか

朱堂 緑 > 「殴られ慣れてるんでね。
ま、当然お願いできなきゃ自分で探すが、もし知ってるなら聞いたほうがはええだろ?」
 
橘の詰問じみたその言葉にも微苦笑交じりにそう返して、虞淵の言葉に首を振る。
 
「今はキメラは所望じゃないからな。そいつは、丁重に辞退させて頂こう。
それじゃあ、世話んなったな。多少の情報提供ありがとう。
機会があえば、また会おう」
 
そういって、踵を返して去っていく。
虞淵についての情報を、状況によっては交渉可能と内心で書き換えつつ。

虞淵 > 「買い物がしてェぐれェで此処に足を運ぶバカなんてそうそういねェよ」
去りゆく朱堂の背中を見ながらそう零して、短くなった煙草を捨てると踏潰した

「ついでに遊んでくか?お前」

少しばかり殴り足りねェんだわ、とつけくわえて、橘を見る

ご案内:「路地裏」から朱堂 緑さんが去りました。
橘 臨助 > 「…あぁ、いいぜ。満足できるかは保証しかねるけどな」
朱堂が去るのを見て、掌を一瞬強張らせ関節を鳴らしつつ、答えた。
「アンタ丈夫そうだし、いい壁になってもらうぜ」

虞淵 > 「以前見かけた時から」

ごきり、ごきりと首を鳴らす

「お前はコッチ側だと思ってたんだよなァ」

猛獣のような笑みを浮かべる

「さ、遊ぼうぜ♡」

橘 臨助 > 「…いっそお前みたいに」
ーー呼吸をするように、魔力を貯め
「殴り合いとか楽しめるやつなら」
ーー中指が突起になるように拳を握りしめ
「…少しは困らないんだろうけどな」
ーー疾駆し、接近するーーっ!

虞淵 > 「お前は楽しくねェのか?」
口の端が釣り上がる

接近する橘を待ち受ける巨壁

橘 臨助 > 「生憎な。」
短く淡白に返すと、軽く魔力を発する準備を済ませ、わかりやすいくらい大ぶりに右腕を振り被る。

虞淵 > 「そりゃあ気の毒だぜ」

血沸き肉踊る
男同士の闘争が楽しめないとは

何たる不幸

初撃は受ける構えだ

橘 臨助 > 「そうか、毒なのか」
その目は相変わらず、空っぽだ。
別にこれからぶん殴られたってーー死に体になったって構わないような。
覚悟でもなんでもない空虚さをたたえている。

振りかぶった拳はーー打ち出されず。
下に突き下ろすと同時に体ごと飛び込み、飛び込み前転をして貴方の足元に近づき、貴方の足首を捕まえて持ち上げ、バランスを崩させる。

虞淵 > 「ククッ」
見え見えの一撃が来る、なんてことはなかった
面白いが、その程度の奇をてらった行動には動じない

「じゃれんなよッ!!」

足首に手を触れようという瞬間
僅かに数mm、靴が浮き上がり───その僅かな隙間で震脚を放つ
地面が割れ砕け、衝撃波が巻き起こる

橘 臨助 > 「…っ…」
魔力を集めておいたのが幸いしたか、咄嗟に魔力を放ち、相殺し、飛び退く。
ーー魔力の放出。それ以外に能のない彼は、それゆえにそれを鍛え上げた。打ち出された魔力は、咄嗟に出力されたものでも、生半可な威力ではない。
「相変わらず化け物じみてんな、あんた。魔法を使うまでもなく、まるで身体が魔法みたいだ」
魔法なんてファンシーさはかけらもねえけどと言いつつ、魔砲を喉仏目掛けて放つ。放つ動作はジャブそのものでスキは少ない。

虞淵 > 「そうかい」
魔法みたいだ、と言われれば笑みを深める

だが生憎魔法なんてものとは縁もない、素養もない
異能にしても同じ、この身には降りてこなかった

魔砲が男の喉笛に突き刺さる
ミキ…と妙な音を立てて
まるで極厚の硬質ゴムのような感覚をその腕に返す

「これでも努力もしてんだぜ。
 鍛えられる急所は全部徹底的に鍛錬済みだ」

男にダメージは見られない
即座に反撃
巨木のような右腕が風を切り裂き唸りを上げる
薙ぎ払うような、巨腕の一撃が橘の首を刈り取らんと迫る───!!

橘 臨助 > 「ーー努力か、奇遇だな」
迫り来る死の一撃をーー手の甲で受け止める。
ーー否、よく見ると手は触れていない。
ーー魔力の放出で受け止めている。それも凄まじい力をきちんと的確に、バカの一つ覚えのような魔力放出であわせ受け止めている。
「ーー俺も結構努力したんだぜ、これ。他のことは何にも出来ねえからな」
そして、受け止める力の約3倍くらいの出力を反対の腕で放出し、ぶちかます。

虞淵 > 「ッハァ!!」
獣の笑い声

自分の腕の振りを受け止めた"力"も、
それよりも更に強い力も───

面 白 い

路地裏に轟音が響く
放出された力を、もう片手で難なく弾き飛ばした

空気との摩擦でブスブスと白い煙を上げる腕の先には、
吹き飛んだ家屋が見える

「ククク、いいねェ。
 使いこなしてやがる。面白いぜ、お前」

虞淵 > ギギッ

耳障りな音を立てて黒塗りの高級車が止まる
邪魔をするな、と言わんばかりに睨みつける……が、

「……チッ、おい、この喧嘩は預けるぞ」

不機嫌そうに踵を返し、後部座席へと乗り込む

「楽しく遊べると思いきやこれだ…ついてねェぜ」

ご案内:「路地裏」から虞淵さんが去りました。
ご案内:「路地裏」から橘 臨助さんが去りました。
ご案内:「路地裏」に道鉄さんが現れました。
道鉄 > 「あ~……今日も粗雑ばっかりかよ、食い甲斐のない……」

ぶつぶつと、念仏のように唱えながらメガネを額にかけて。
見た目は上玉、しかし襲う人はおらず。遠巻きに見るだけ。

「ったく……シケてるねぇ。つまんねぇの」

しかし、素行などは全て男性のもの。
特に羞恥を持っているわけでもないのか
スカートを気にすることなくどさりと、適当なガラクタに座る。

「あーあー……ったく。最近ろくなもん喰ってないから、エネルギーでねぇや……」

道鉄 > 間違いなく、この世界では強者。
それを感じるからこそ近寄る影はない。
が……やはりどこにでも”感じ取れない”やつらは存在する。

「あ゛……? んだよ、不味そうな匂いで押しかけんなよ」

不機嫌そうに、取り囲んだ4人の男を一瞥。
食事の時間にあてるのもゴメンな奴らだ。

「……さっさと帰れ。ホモじゃねぇんだ。相手するのもゴメンだ。折角なら美人がいい。女がいいよ、オレは」

男どもが喚く。
――レズか? とか、なんかいろいろ言っているが。
羽虫の音みたいでどうにも気に入らなかった。

「るっせぇっての、レズじゃねぇ。真っ当なNLだバキャロー」

――さっさと消えろ

殺気をさらに色濃くにじませれば。
4人は蜘蛛の子のように散っていった

「……はぁ」

ため息一つ。
最近賑わってうまそうな匂いをしているのに
どうにもあたりがやってこない。
実に、退屈だ。

「あ゛~~~……だれか相手してくんねぇかな……」

道鉄 > ジャラっと、手にはまった手錠を鳴らしながら
器用に髪をいじったりしつつ

「……今日も飯にはありつけなさそうだなぁ……残飯かなぁ、こりゃ……」

あまり気が進まない。が、食わねば力にはならないわけで。

「はぁ、こういう時”マナー”を守らないといけないのは困りもんだぜ。深夜近くにがっつりいくか」

質は拘らず、量だけならここにはいっぱいだ。
食べ放題というわけでもないが大体はスルーしてもらえる。

「はぁ、ホント。そろそろ高級料理が食いてぇよ」

道鉄 > ――いや、今すぐ食べたい……
ここ数日、食べてない。
だから飢餓状態だ。

一変、ぐるんっとランランとした眼をどこかに向けて。

「さぁ”殺戮の一時間―ディナータイム―”だ」

ドンッ……

地を蹴る、めごぉっとひしゃげる地面。
そこから一直線に目指したのはたむろしてる男女7名。
一瞬、その7人には何が起こっているかわからなかっただろう。
わかったとすれば、交通事故に自分があってしまったということくらいか。
こんな”路地裏”で?

「……ぁー、やっぱしけてんなぁ。ぱさぱさ。あ、でもこっちは悪くないね。普通」

そして意識が消えかかるその瞬間に見たのは、口を真っ赤に染めて。
血を纏。その、血なまぐさいはずの匂いに、うっとりとしながら。

「まぁ、腹ごなしにはなったよな。ごっそさん。綺麗に全部食すからさ、簡便な。ゲハハっ」

その言葉のあとはぱったりと”消えた”

跡形もなく、この世界から7人が、一瞬で

「……あと59分30秒……全然、腹膨れないわ……」

手についた赤を舐め取りながら、すんすんっと鼻をヒクつかせて
辺りを、歩いていく。

「時間限られてるからさ、たんまり食いたいからさ。さっさと見つかれよ。マイ、ディナー……」

道鉄 > あっては食べる

あっては食べる

遭遇しては”殺す―たべる―”

「ゲハハハハハハハハっ、もうちょっと、食べ応えあってもいいんだぜぇ? げはは、自然災害が通りマースじゃ、ねぇんだからさぁ!」

10を超えて、今はもう20も超えた。
でも全然、満足しない。

「掘り出し物はどこかいな、美味しい美味しい食材はどこかいな♪」

手錠を今だ”嵌めたまま”。
足と顔と、体で。
轢殺、蹴殺、絞殺……
あらゆる殺し方で、殺し。
そして綺麗に”平らげていく”

残るのは、地面のシミだけ

あと、40分。

「っちぇ……あたりはまだなしかよ……」

道鉄 > 「はぁーあ……やっぱ腹ごなし程度なんだよなぁ糞が」

もうちょっと役にたってくれてもいいんだぞ?
とぽんぽんっと出てもいないお腹を叩く。
制服は汚れてしまうから、ちゃんと手をタオルで拭いてだ。

「マナー守っても、これじゃあなぁ」

かくんっと首を垂らして。
どすんっと、地面に腰掛ける。

「あと、30分、残ってっけど……気分じゃねぇなぁ……」

残念だ、同じものばっかりでは飽きてしまう。
だから静かに30分そのまま過ごすことにする。
誰かくれば、それはそれで良し。
誰も来なければ、残念今日はそれまでだ。

”平らげた食事は悲鳴をあげてくれたが”さて。
効果はあるのかどうか

道鉄 > 「はぁ、今度匂い嗅いだら問答無用で襲うか、そうするか」

らんらんと輝いた瞳を閉じて。
そのまま静かに、静かに。
くちゃりと、残った”モノ”を口にして。

「今日はもうやれねぇもんなぁ……明日以降か……」

おあずけ……どうにも、こう。
すっきりした食事にありつけない。
まぁ、仕方ないといえば仕方ない。
きっと行列の最後尾だったのだろう。
待っていればいずれは……

「食えるかなぁ……」

道鉄 > 「……はい、ごちそうさまでした」

制約が成る。
力が霧散。今日はもう、異能を使えない。
殺しもできない。でもこれは”弱点”ではない。

「さってとぉ? 帰るか」

くあああっとアクビをひとつ落として。
路地裏から出て自分の家へと――

ご案内:「路地裏」から道鉄さんが去りました。
ご案内:「路地裏」に能見さゆりさんが現れました。
能見さゆり > ……さて。
【路地裏。
風紀が見まわるとして、基本的にまあ直接見回らないといけない場所ではないが
クロノスの「助言」の手前、体が復帰したことも含めてこういったところの見回りも再開した

そもそも通常の行動で困らない程度には動けるのだし、深追いもしない
別に戦闘を楽しむわけでもなければ、他人を貶めることに興味が有るわけでもない

することをするだけのことだ。
何の問題もない

何か問題があれば排除なり対処するだけのことだ。】

能見さゆり > 【昨今ではだいぶ不穏な状況になっているだろうことはよく分かる
血の匂いが新しい。
壁のシミが増えるほどに。

正直、ここまで来ると少々荒れすぎだとも思う

少なくとも此処は戦争地域ではないし、小競り合いにしても死亡者が多すぎる
自身がロストサインにいた頃より安売りされているとも思う
このペースは毎日複数回の無差別テロが行われているのと大差ない

もっとも、組織が崩れ個人が増えれば荒れるというのはわかる
ただ、どう考えても最近はやややり過ぎの風潮がある

つまり、大規模な規制なり粛清が発生する可能性がある、要は見せしめだ

さゆり自身は誰がどう死のうと別にどうということはないのだが、あまりバランスが良くないのは社会にとって好ましくないとは考えていた】

ご案内:「路地裏」に薄野ツヅラさんが現れました。
薄野ツヅラ > ひょこり、と路地裏を覗く小さな影がひとつ。
先刻通りがかった時よりもずっと鉄の匂いが充満する其処に、
人の血の匂いに反応する鮫のように、ゆらりと足を踏み入れる。

「ンー……殺人事件の現場…かしらぁ?」

不審そうに顔を顰める。
目に入るのは可憐な容姿の女子生徒と真新しい血の染み。
全くその場にそぐわない組み合わせに一瞬混乱するものの、ぽんと手を叩く。

「ええっとぉ──……風紀の能見さんでしたっけぇ───…?」

先程委員会棟で盗み見た風紀委員のデータの中にあった顔写真と一致した。
こんなところまでパトロールかな、と思案する。

能見さゆり > ……おや。
私をご存じですか?

はい、そうですが。
何か御用です?

【振り向くとにこやかな笑み。
血の匂いとは似つかわしくない、綺麗な微笑みだ。】

……あの事件以来ずいぶんと物騒になったようです。
一部には警戒区域を設定した方がいいかもしれませんね。

薄野ツヅラ > 「特に用って訳でもないんだけどぉ──……」

はて、と左手を頬に当てて考え込むような所作。
微笑みを向けられればにぱっと無邪気な笑みを返す。

「風紀は集団でパトロールに当たるって話を聞いてたものだから
 吃驚して、ってとこかしらぁ?

 あの事件がどの事件を指してるのかはボクには解りかねるけどぉ──……」

きょろきょろ、と周囲を見渡す。
特に何がある訳でもない、いつも通りの血に塗れた落第街。

「そうねェ、
 警戒区域でも張って一般生徒が立ち入らないようにするのもそろそろ必要かもぉ──……」

能見さゆり > ……一般の風紀であればそうですが、刑事課ですからね
刑事課は比較的単独行動の人も多いですね。

ああ、あの事件というのは炎の巨人です。
あの一件で旧ロストサイン関連が随分と動きだしましたから
その関係で名前を売る、勢力を伸ばす、などの目的の行動が多いようですし
派手になったことでだいぶ危険地域になってしまったようで
ほぼ紛争状態と変わりませんね、コレでは。

公安のクロノスさんなどがだいぶ押さえつけているようですが
あの稼が外れたら、おそらく大通り以外は立ち寄れないような無法状態になるかと思われます

【人死にが多く、また命が軽すぎる
以前ならもう少し普通の小競り合いが多かったはずだし命まではとらなかったはずだが
今ではむしろそれをしないといけないみたいな連中もいるようにも思う
場合によってはある程度強圧的な対応も必要だろう】

薄野ツヅラ > 「ンッンー……刑事課、ってことは荒事も大丈夫ってことねェ」

羨ましいわぁ、と呟いて口の中にチュッパチャップスを放る。
ころころと口の中で弄んだ後、彼女の言葉に耳を傾ける。

「あァ、風紀と公安が対立してたアレねェ……──
 随分懐かしく感じるわぁ、あまりにも最近は慌ただしすぎるしぃ」

事件の名前を出されれば納得したように。
後に続く言葉を聞けば顔を顰める。
ロストサイン、と最近やけに聞くようになった名前を幾度となく反芻する。

「確かに人死にの数が尋常じゃあなくなってきた訳だし歩いてれば誰かに襲われる。
 違法薬物の販売の横行。随分と落第街の名前に相応しくなっちゃって」

はあ、と溜息をひとつ。
ここ数日───一週間の落第街の荒れ模様が尋常ではないレベルなのは廿楽も知っていた。
自身が巻き込まれることも多々あるが故に、一層深い溜息だった。

能見さゆり > だいぶ血が流れているようですからね
特に死亡数が多すぎるように思います。

まあ、そういったところを少し叩くか抑えるかできればいいと思いながらパトロールしていたのですが。
私としては、対症療法であっても何かしらの対応ができればそれでいいと考えています。

【淡々と話す様はまるで日常会話のようでもある。
そして改めて向き直ると】

……ところでどちら様でしょうか
私を知るということはドコからか知っているということだと思いますが
現状、敵か味方かしれませんからね

互いの安全確保のためにもよろしくお願いしたい所存です。

【要は、なんかあったら責任取らないし反撃攻撃するよ、ということだ。
まず名乗りを求めなかったのは一方的に知っている状態に対し、様子見をしただけにすぎない】

薄野ツヅラ > 「ンー、通りすがりの一般人だゾ───…☆
 風紀の方なら知ってる人も多いっぽかったけどそうでもないのかしらァ

 ──薄野廿楽、籍は2年に置いてるわぁ」

ひらひらと左手を振る。
敵対する意思はない、とでも言いたげに杖に体重をぐっとかけて左手を頭の上に。
敵か味方かしれない、と聞けば物騒な世の中になったものねェ──と溜息交じりに漏らす。

「血が流れる分には一般人さえ巻き込まなかったら好きにしろ、ってトコだけど」

からからと笑いながら彼女の双眸をジイと見遣る。
曖昧な笑顔を浮かべたまま、飴を口の中で弄ぶ。

能見さゆり > ……つづらさんですか。
よろしくお願いします。

通りすがりの一般人はあまりこういった場所で用がないまま風紀に話しかけたりは少ないと思うのですが
もっとも、特に問題がないようでしたら私は比較的関知しない方針なので、あまり気しなくてもいいようにも思います。

【覗きこまれれば笑顔で返す
その瞳の奥は異能をもってしてもまるで読めない】

さて、立ち話も良いのですが、まだ仕事があります
此処から先はひとつ間違うと荒事になりますね。

【路地を示すと、どうもその先に違反部活なり違法組織なりがあるらしい
この口ぶりだと、必要なら始末する、と言っているようにも聞こえる】

薄野ツヅラ > 「ドーゾよしなに」

にこり、と笑みを浮かべて答える。
余裕な其の笑顔に何処か底知れないものを感じながらもまァいいか、と思考をやめる。

「ンー、じゃあ社会見学させて貰おうかしらぁ?
 折角の風紀委員さんのお仕事があるって云うなら興味が湧くのは人の性。 
 出来るだけ邪魔しないように遠くから眺めるだけにしておくしぃ、
 もしよければ連れて行ってもらえないかしらぁ──…?

 ホラ、一般市民にも風紀のアピール、みたいなぁ」

のんびりと言葉を紡ぐも、其処にはしっかりと意志がある。
暗に連れて行け、とでも云うように笑顔を向ける。

能見さゆり > ……人死は平気な方なのでしょうか?
いえ、あまりそういうのが平気というのは一般市民と言うよりかはこちら側の住人だと思うので。
別についてくる分には構いませんがあまり安全の保証は出来ませんよ? 
生死は関知しませんので自己責任でお願いします。

ああ、それと
……記録関係に残すようでしたら容赦なく敵対とみなしますので、そのへんもご容赦くださいね?

【実際はとくにそういうわけでもなく可能な限り一般学生IDがあるなら保護するのだが
一応警告しておくし、実際怪我をする事自体は関知しない
流れ弾にあたろうとそれは自己責任だ

それと、記録を近くで撮られて売り飛ばされるのはあまりよろしくはない
異能などがあればこちらから確認出来る限りではないと思うが、言うだけ言っておく】

……それではあの廃ビルの地下へ。

【笑顔で、両手にSMG】

薄野ツヅラ > 「まァ、この辺りに住んでると云えば、
 人死にが平気かどうかはわかるでしょう───……?
 極めて一般市民よぉ、ただちょっとばかり不幸体質な」

クツクツと声を洩らして笑う。
記録に残すようなら、と声を掛けられればおもむろにひとつ、舌を打つ。
ポシェットから取り出そうとしていた携帯端末をぎゅうと押し込む。

「ハイハイ、抜け目のないことでェ───……」

かつり、杖を鳴らして後を追う。
其の両手に携えられた黒光りする其れをちら、と見遣れば物騒ねェと、
また小さく笑った。

ご案内:「路地裏」に虞淵さんが現れました。
虞淵 > 廃ビルの地下は悲惨な光景だった

無謀にも立ち向かい壁に叩きつけられ、人体が不自然なほどに拉げている者
武器をとったはいいものの、為す術なく鉄拳を受け、首がおかしな方向へ捻れた者
まとめてかかったはいいものの、蹴りで文字通り一蹴され、血と吐瀉物を辺りに吐き散らしている者

そんな光景の中で

「クック、此処にいりゃ誰かは来ると思ったぜ。
 ………その腕章、風紀委員だな……?」

能見さゆり > ……妙ですね。

【まともな動体反応がない。
となれば、情報が漏れたのだろうか。
だからといって生命反応がないわけではなく、それも妙だった。

情報通りなら制圧するのにそれほどこまる場所ではないはずだが】

……血の臭いがしますね。

【そして、奥にたどり着けば、明らかに荒事のあと。】

……私が来る必要はなかったですね。
もっとも、私ならもうすこし被害は少なかったようですが。

風紀ですが、何かご用でしょうか?
仕事が片付いたので助かります。

【にこやかに会釈
いつもの笑顔でありいつもの態度だ

ただ、この中の様子を見るに、あまりよろしくない状況だと分析する。】

虞淵 > 「なァに、礼には及ばねェよ。
 最近ここいらの違反部活連中が公安風紀に目をつけられてるって聞いてなァ」

男は悠然と歩み寄る

「ここで待ってりゃ、
 上質な遊び相手が来るだろうと踏んでいたのさ」

くわえていた煙草をペッと吐き出した

「現地検分が必要だよな、
 ケドその前にちょっと遊ぼうぜ、風紀委員」

薄野ツヅラ > かつり、杖をつきながら先へ、先へ。

「ンー……凄い状況ねェ……
 悪趣味極まりない、と云うか趣味がいい、と云うか──……」

ぼんやりと呟く目の前には巨躯。
アア、此れが噂に聞く虞淵か、と本能的に理解する。
其れならば自分の出る幕はない。
あくまで傍観者、観戦者といこう。

(───なんか昨日もこんな状況だったわねェ)

ぼんやり思案しながら数歩、杖を鳴らして後ずさる。
此の男は戦う意思のない奴を狙うほど退屈な男では無い筈だ。
こっそりと携帯端末のカメラを起動しつつ、後ろへ。

「ボクはぼんやり観戦してるわァ、あとはお好きに」

巻き込まれない程度に離れる。
虞淵にも先刻と同じように敵意がないことを示すように左手を頭の上にひょいと挙げる。

能見さゆり > ……虞渊さん、ですよね?
風紀委員、能見さゆりと申します。

そうですね……明らかに食い足りないと思いますがそれでもよろしいのです?
正直、あまり咬み合わないと思いますしこの閉所ではさらに面白みがないと思います
ついでに言わせてもらえると、此処でやり合いなどしたら実況見分や押収ができなくなる可能性しか見えません。

あなたがうわさ通りの人物であれば、ですが。

だいたい、こんな豆鉄砲で遠距離中距離メインの私にどうしろっていうんです?
こちらはさすがに戦車とやりあうには割が合いませんし、
そちらも飛び回るハエを追いかける趣味とはあまり思わないんですが。

【実際には、ロストサイン時代に東郷とともに目にしていないわけでもない
が、当時とはさゆりは雰囲気も外見もだいぶ違う
こちらのことなど知りはしないだろう

ある程度楽しませることは可能かもしれないが、いつぞやの能力暴走者同様、最初から勝負が決められない以上
あまり戦う意味も理由もない

笑顔でそう、答えた】

虞淵 > 「クックッ、久々に帰ってきたってのに名前が売れてるモンだねェ」

男は愉しげに嘲笑い、安全靴を床に何度か叩きつけて音を鳴らす

「腹ァ減ってるとよォ。
 目の前にあんのが煮干だとかアメ玉とかでも口にいれたくなンだろ?。
 狭いところァ苦手か……そンならーっと」

男は鼻歌を口ずさむように歩く方向を変えて壁にほうへ、
ぺたぺたとアスファルトを触っている

「地下3階よりィ、エレベーター、1階へ…ってか」

ギシィッ
男の顔や腕に血管が浮き上がる
腕の筋肉は倍ほどに膨れ上がった

………

地響き、と共に
中にいる人間には何が起こったかわからないであろう

廃ビルが迫り上がる
地下3階が、地上1階へ

男の触れていた壁が粉々に吹き飛ぶ
大穴から除く光景は……外、落第街の薄暗い路地裏だ

「これでいいか?」

薄野ツヅラ > (ンッンー………やっぱり異能の類じゃあなさそうねェ)

能見と虞淵をちらりと交互に見遣る。
幸いにも虞淵は自分には目もくれなければ、
能見は自分を気にしている余裕はないだろう。
手元のカメラには紛れもなく目の前の事実を記録し続けている。

(公安のデータだと異能は異能喰いって記録されてた訳だし異能の線は薄い──……
 やっぱり肉体強化系の魔術か其れとも自分の腕力だけか

 ────後者でしょうねェ………)

楽しげに笑いながら、二人の動向を見守る。
風紀委員会の刑事課のエースと落第街を賑わせる賭場の王者。
"不幸にも"居合わせた廿楽は、至極楽しそうに。
普段通りにからからと笑った。

能見さゆり > なるほど……正直、火力的にどうにもかなわないと判断するのですけども。
弱い者いじめがお好きというなら、まずここからの退避を優先しますし
正直、戦って何か見込みが無い以上、やりあう理由がありません

もう少し正確に言いますと、こちらとしては
「武器は持たせてやるし見ててやるからビルの屋上から飛び降りろ」
と言われているのとあまり変わらないですので、自殺しろと言われてもあまりメリットが無いですね。

とりあえずビルの屋上から逃げるくらいしか正直やることがないのですが、何かご提案はありますか?
【相変わらずいつもの笑顔で告げる様子は特に物怖じもなく
まるで当たり前のように告げる、大体の戦力分析は概ね正しいといえる
ついでにもう一言】

あと、ツヅラ。
それ、切ってください。

薄野ツヅラ > 「良く見えるものねェ」

呆れたようにやれやれと画面を暗くする。
虞淵の腕力は違わず記録されている。
しぶしぶと云った様子でポシェットに仕舞いこむ。
ガリガリと奥歯でチュッパチャップスを噛みながら能見に手を振った。

虞淵 > 「クックッ、なんだよ。
 せっかく開けたエリアに運んでやったってのに」

大仰になんてこった、と天を仰ぐ

「風紀を執行します、とか言って突っかかってきたガキ女よりゃあ頭がまわるらしい」
ごきごきと首を鳴らして、能見をジロリと睨めつける

「相手が弱かろうがブン殴ることに厭わねェが。
 逃げるヤツを追いかけて喰い散らかす趣味はねェからな……。
 チッ、今回も食いっぱぐれかァ……?」

やれやれと肩を竦める
ここのところ相手に恵まれない

能見さゆり > まあ……一応代わりと言っては何ですが。
今しがた入ってきた情報ですが。

こちらの提案としては大通りで面白そうなことが起こっているようですよ、と教えて差し上げられます。
私としては白い軍帽の女性の側に立っていただけたほうが後々を含め楽しめそうだと提案しますが、どうでしょう。

少なくとも私を追い回すよりかは楽しめる場所ではないかなと。

【そして相変わらずの笑顔で、ろくでもないことを提案した】

虞淵 > 「風紀委員の言うセリフじゃねェな」
他所で荒事が起きているからそっちへ行けだと?
イカレてるのか、コイツ
が、面白い

「職務怠慢が過ぎねェか?オイ」

能見さゆり > 正直、ビルをここまでするような火力、筋力持ちに豆鉄砲で戦うメリットがあまりありませんからね。
どうしても引けない事情でもあるのでなければ、さっさと別の提案なり退却、交渉のがマシです。
意地になって対応して何の成果もなく騒動、損耗する方が問題ですし。

すでに起きている騒動なら多少騒ぎになったところで、一括処理できますから、その方がマシですし
なにより、「たまたま出会ってしまう」んだからしょうがないですよね?

それに場合によっては行動戦力のデータが取れることもあります。
諜報活動主体の私としてはそのほうがよほど仕事になりますから。

【笑顔でニッコリと返礼する
必要なことを優先するためには目の前のことは余裕で捨てると言い切った】

薄野ツヅラ > 白い軍帽の女性、と聞いてはっとする。
ちらり、能見を見遣る。
此の狭い落第街で白い軍帽、と云われれば今朝方契約を結んだ自分の上司の姿が目に浮かぶ。

(クロノスお嬢さんかしらァ───……)

上司を売る、と云うよりも上司の味方になれ、と能見は云う。
困惑が隠せずに顔に出る。
果たして自分は如何立ち回るべきか暫し逡巡する。
公安のイヌに成り果てるつもりもなければ風紀の肩を持つつもりもない。
ただただ黙ってその場の顛末を見守るのみだ。
此処でこのまま能見に殴りかかるか、果たして上司の居るほうへ行くのか。
口を出さずに見守る。
データを取る分には自分としても万々歳だが、果たして。

虞淵 > 「へェ、いい性格してやがるぜ。
 頭のカテェ後輩達にも少しは柔軟に動けるよう教育でもしてやれよ」

くつくつと嘲笑う
以前自分に立ちはだかった風紀の女を思い出す
随分と対応に差があるものだ

「いいぜ、その話に乗せられてやるよ。
 美味い飯にありつけるなら、そっちのほうがいいもんなァ」
言いながら、つかつかと能見の元を歩み寄って

「ケドお前、もうちょっと危機感もったほういいンじゃねェか…?
 俺が殴る蹴るしかしねェ男だと思ってるわけでもねェだろう」

真ん前に立てば、能見のその小さな顎を手で掬い上げようと

能見さゆり > ですから……

【その動きに合わせるように顎先をかすめるように回転蹴り上げからバク転で距離を取る】

この程度のことはできますが、食い足りないでしょう?
速度はともかく、威力重量ともに足りるとも思いません。

そういった意味で、刺激的ではあっても、食い飽きるものをおすすめしようとは思いません。
納得いただけますか?

【身を守るぐらいならそれなりに、という表情で笑顔を見せる。
もちろん、貴方様のほうが上ですよ、という意味でもある】

私は比較的、ことが収まるならアバウトでいいと考えていますからね
そういった意味では正義感主体の風紀からは嫌われている場合もあると思いますが
出来る範囲を逸脱しても仕方ないですから。

虞淵 > チリ、と顎先が摩擦熱を感じる
なるほど、普通程度にはヤレる分、相応ではないと理解る、冷静な女だ

「クックッ…わァったよ。
 お前の口車に乗せられてやる」
くるりと踵を返す

「それでもお前ら風紀委員は俺を放っておけはしねェはずだ。
 …いずれ徒党を組んで征伐しにくんのを楽しみにしてるぜェ…クカカッ」

獣のような笑い声を残し、闇へと飛び去っていった

ご案内:「路地裏」から虞淵さんが去りました。
能見さゆり > ……さて。

これで正直、どうなるかはまるでわからないのですが
うまく事が運んでくれるといいんですけども。

【その圧倒的な背中を見送りつつ。
正直、アレには今の状況でどうにか出来るはずもなく。先ほどの蹴りも通常であれば頭を揺さぶるぐらい出来ているのだが
アレ相手にはせいぜい挨拶程度だろう。
そうなると、はっきり言ってどのようにご丁重にもてなすか以上の行動はできない。

もしかしたら少し時間をかけすぎたかもしれない。とは思いつつも、接触そのものは悪いことではないだろう
クロノスが対応できないならその時はその時だ。器ではなかったというだけだ】

そちらは問題ありませんか、ツヅラ。
【適度にやすごしていた彼女に声をかけて様子を見る】

薄野ツヅラ > 「ンッンー……どう考えても相手取りたくないわぁ───……☆
 お嬢さんは大丈夫かしらぁ、随分とご機嫌だったみたいだけどぉ」

問われれば苦虫を噛み潰したような表情を浮かべながら、ぽつり。
去りゆく虞淵をちらり、一瞥する。

自分の上司に危険が及んでいるであろうことは明白だが、

(……ボクが行ったところで何が変わるでもなし。
 寧ろお嬢さんの邪魔になるのは明白な訳だしぃ───……
 時間を置いて後を追おうかしらねェ……適当に物的読心でも投げて情報収集すればよし。
 能見の有能さも解ったし一先ず此処は十分ねェ)

曖昧な笑顔を浮かべつつ、能見に向き直る。

能見さゆり > じゃあ、そろそろ私達も行きましょうか。
【あっさりと続ける、当たり前であるかのように。

要は、後を追いかけて、虞渊の様子を見に行こうということだ
いいこと思いついた、みたいなレベルの明るさである。】

薄野ツヅラ > 「───はァ?」

素っ頓狂な声を上げる。
先刻までの冷静さは何処へやら、まるで狐に化かされた後の子供のよう。

「一般市民だから護衛が必要よぉ、幾らか異能の底上げしか出来ないしぃ
 ────だから護衛をお願いするわぁ」

にこり、微笑む。
先刻上司の側につくように、と指示した女に向けて名前のない生徒手帳を見せる。

「公安委員会直轄第二特別教室所属、活動名『堂廻目眩』。
 風紀委員会刑事課の能見さゆりに応援要請よぉ───……☆」

軽々しく、悪戯に乗る幼子のようにウインクをひとつ。

能見さゆり > ……まあ、アレを見てカメラ回すぐらいですからね。
広報かどこかとは思っていましたが。

これは戸惑面喰とか名乗るべきだったんでしょうか、私は。

【まあ、コレはコレは、というくらいでさして驚く様子も見せず。
笑顔と言い、いろいろ食えないところは多い気がする】

では、大したことは出来ませんがそれで良ければ向いましょう。
掴まってくださいね。

【言うと、抱きかかえてビルの間を跳び、現地に向かった】

ご案内:「路地裏」から薄野ツヅラさんが去りました。
ご案内:「路地裏」から能見さゆりさんが去りました。
ご案内:「路地裏」にレイチェルさんが現れました。
レイチェル > 落第街大通りから一筋離れた路地裏。
そこからは、大通りの様子を窺うことが出来る。

はぁはぁ、と息を荒げ、頬を赤く染めながら。
路地裏の壁にもたれながら。
レイチェルは歩んでいた。
頭がくらくらする。
喉も渇いて仕方ない。

――その症状は、吸血衝動。
彼女はダンピールである。
ある程度血を吸わなければ、生きてはいけない身体だ。
先ほど病室に見舞いに行った際に発作に襲われ、そこからは断続的な
『飢え』に喘いでいた。

そんな中、レイチェルは通報を受け、落第街大通りの様子を見る為にやって来た。
普段なら、すぐにでも飛び込んでいることだろう。
しかし、今はこの身体。様子見をするのが賢明だろう。
勿論、場合によってはこの身体でも、飛び出すつもりではあるのだが。

「すげぇ……ことになってんな……おい……」
頭を抑えながら、路地の建物に身体を預け、何とか場を一望できる所まで
やって来た。

ご案内:「路地裏」に湖城惣一さんが現れました。
湖城惣一 >  レイチェルの入り込んだ路地裏。そこに一人の男も立っていた。
視線は落第街の大通り。件の事件を冷静に見つめていた。
 どうやら同じ見学仲間が来たらしいことに気づくと、視線を向ける。
息も荒く喘いでいる様子だが――どうやらご同輩。
 確か風紀委員のレイチェル・ラムレイ。彼女の姿にも名前にも覚えがある。
「……大丈夫か?」
 彼女のその状態は、退魔に携わるものとして見慣れたものであった。
"飢え"。精力、魔力、神力、氣、言い方はなんでもいいが、とにかくそういう類のものだろう、とアテをつける。
風紀委員として、まさか誰ぞに襲いかかるというわけでもあるまいが、ふと、尋ねた。

ご案内:「路地裏」に矛海 遼さんが現れました。
レイチェル > ゆっくりと眼帯を外す。
眼帯を外せば、その下には、もう片方の目と寸分違わぬ目――しかし時折光の線が走っては
消えていく――がある。

スキャニング《走査》――解析《アナライズ》。

レーダーで、視界に存在する人物を探りだす。

大通りには七人の人間が居る。
五人が入り乱れ、他二人は少し離れた所から観戦をしているようだ。
来島さいこ、能見さゆり、虞淵、そして白崎玲刃。
四人は知った顔だが、残り三人は知らない顔だ。
噂程度に知っている者ならば居る、が。

それから他にも、目の前に。
ああ、こいつは嘱託委員の――


「湖城惣一、か。話には聞いてるが……ああ、まぁ……気にすんな……
ちょっと『血』が足りねぇだけだ……発作みたいなもんさ、その内収まる……」
それは血液、精力――そういった『生命』への渇望だ。

矛海 遼 > ふわり、と路地裏にアロハシャツを靡かせて降りてくる

どうやら路地裏の影を創り出す建物、その屋上から【例の】戦いを眺めていた様だが、見知った顔を見たからかそちらに姿を現す。

「ふむ………湖城にレイチェルか………どうにも、君達にもアレが見えていた様だな。」

まぁ、あれほど派手に暴れれば見てくださいとでも言っているような物だが

ご案内:「路地裏」にライガ・遠来・ゴルバドコールさんが現れました。
湖城惣一 >  他者の戦いに興味がある男ではない。
が、あれだけ派手な戦いともなれば"職務"が舞い込むことになる可能性は高い。
ともなれば、一応は待機しておくのが筋だろうと、そういうことだ。
「ああ。あそこまで目立てば、気づかないものは居ないでしょう」
 そうして戦いを眺めているところに現れたのも見知った顔だ。
ぞろぞろここにも人が集まってきたのを確認すると、少しだけ息を吐いて。
 隣で荒い息を吐く少女の姿とその言葉を認めると、
一も二も無く、羽織の裏に仕込んだ短刀を抜いて。
「俺の血を使え。飛び出すつもりがあるなら、万全な体勢を整えるのが一番だろう。……それとも、直接牙を立てるのが好みか?」
 なんの躊躇もなく、無表情に提案する。

ご案内:「路地裏」に”マネキン”さんが現れました。
ライガ・遠来・ゴルバドコール > 「お、やってるやってる」

ここにも見物客が一人。
路地裏の、大通りが見える位置に腰を下ろし、ビニール袋から梅酒の入った缶をとって、ぷしゅっと開ける。

他の人物に気付けば、こっちはおかまいなく、といった感じで手を上げた。

矛海 遼 > 短刀を抜いた少年、湖城の腕に手を添えて制止しようとする

「君、怪我の調子はどうなんだ?」

以前会った際は明らかに【血】が足りないとしか言えない状態だったはずだ。
もし解決したとはいえ、病み上がりであることに変わりはない。

「血が必要ならば、私がその場を補おう」

自身が気に入った、侠【おとこ】と感じた者にそれをやらせるのは忍びない。
偶然とはいえ、共に食事を共にしたならば尚更。

”マネキン” > やれやれ。あんたたち落第街は闘技場でも見世物場でもないんだぞ。
さっさとあれに割り込むならいって欲しいものだがな。

【飽きれたような息をつきながら、ダンボール箱を抱えてフード姿の男がやってくる。
箱をその場に置くと中から小さな筒状の缶を取り出し、箱の上に座って大通りのほうに顔を向けた。】

【筒を手元で弄っている…。】

矛海 遼 > 「そこは自由、って事にして頂きたいね。
それとも、割り込みに行って貰わなければ都合が悪いのかな?」

正直参加するにしろ、あそこまで盛り上がっているのならば観戦した方が楽しめるという物だ。
何より、今はそれとは別の事に気を取られているのだから。

レイチェル > 「……半吸血鬼《ダンピール》に牙を立てて良い、みたいに言っちまうのは賢くねぇぜ、湖城惣一 ……」
その身に流れる血は半分と言えど、彼女は吸血鬼の特性を有している。
吸血鬼による吸血――とある世界では抱擁、とも呼ばれているが、その行為は
ただ単に対象の血を奪う、というだけでなく、相手の心を堕とし、魅了する力もある。

「……半端に身体に血を入れちまうと、逆に昂っちまう……悪ぃな、気持ちだけ頂いとくぜ……」
そう言って、荒い息を吐きながら、惣一を見やる。
その瞳。以前見知った時は紫色の瞳だった筈だが、今は鮮血の様に紅く染まっている。
見ているだけで吸い込まれそうな、魔性の瞳だ。
退魔に関わる者ならば、よく見知った類の目だろう。

>惣一

「せんせまでやって来たか……今言ったばかりだが、いい……気持ちだけ貰っとくぜ……ありがとな……」
そう言って、荒い息をつき、汗を流しながらも、微笑むレイチェル。湖城の申し出共々、気持ちは嬉しいのだろう。だが、その後のことを考えれば、今血を入れるのは賢明ではなかった。


>遼


「……よ、昼ぶりだな、ライガ・遠来・ゴルバドコール……」
あまり余裕が無いのか、一声だけかけた。

>ライガ

矛海 遼 > 「血を吸って歯止めが聞かなくなるか、吸わずに心配を掛けて歯止めが聞かなくなるかの二択か。やれやれ……」

紅く染まった、血の様な瞳を見てふと昔を思い出す。
どうにもこの手の物の縁は切れないらしい

「安心してくれ、何かあれば自身も君も守れるくらいには動く。
それくらいの格好は付けさせてもらうさ。教師的に、な。」

そして何より、その信念を持った者の意志を否定することは、矛海としてはやるべきではないと思ったのだ。

湖城惣一 > 「ああ、矛海先生。いえ、怪我はもう万全です。……自分の血は彼女に適していると思いましたので」
 元々力へと変換することに長けた湖城の血は、その性質からして極上である。
恐らく今の彼女に最も適しているだろう。そういった考えだ。
 それに、怪我を負っても一日、二日も経てば彼の身体は完調となる。
ある人との約束もあって今のところ補給を切らしてもない。
 ただただ、自分の合理的な判断に従っただけにすぎない。
「…………」
 しかし、人が増えてきた。それこそ見物のように腰掛ける男。
こちらに対して皮肉げに声をかけてくるもの。
千客万来。なるほど。表の騒ぎはやはり大事になりつつあるようだ。
 ひとまず、自分の提案を断られたならば、わざわざ血を吸えとレイチェルに強要することはない。
「なるほど。……なに、ある程度の対策は知っているんでな。
直接牙を立てるならば先に術式を立てて置こうと思っただけだ」
 魔性の瞳。なるほど、並のものではむしろ彼女に飛び込んでいくかもしれない。
しかし、魅了の類はただ他者と隔絶してきた男にとって効果が薄いようで。
 そういった相手との戦いの経験がないわけでもなかった湖城惣一は、そのまま視線を戦場へと戻した。

ライガ・遠来・ゴルバドコール > >マネキン
これだけ派手にやっていれば、情報も早く飛び交うというもの。

「やだなあ、あの中に飛び込めっていうのかい?さすがにそこまでの力はないさ。
でも、そうだな。じゃあなんで来たかってーと。
……ひとりの拳闘使いとして、今後の勉強に来た、かな。
あとは……おまけみたいなものだよ」

そう言いながらも、じっくりと観察する視線は鋭い。
先ほど確かに見え、今もかすかに感じる数々の魔剣を探していた。
興奮をじっと堪え、いたって冷静に、見物する。

(ちょっと遅かったな、だが魔剣の所持者は確認できた。
──まさか、こんなところに転がってるとはなァ)

>レイチェル
「ライガでいいって。長いし、呼びづらいだろ。
所でなんだ、血がどうとかって話だが、吸血種は大変だな。注射器でも携帯してればよかったと思うけど……ま、今さらだな。
なんか別のもので代用するとか、無いのかい?」

”マネキン” > あ、そう。

【あっさりと答えて、作業を続ける。
缶の蓋を開けて中のバイオハザードマークのついたシールを剥がし、プルタブを外す。
薫煙剤のように見えて厳重な安全装置のついたそれの、点火芯に蓋のスリ板を当てた。
わかるものはいないだろうが、中身は実際にはエアリアに以前見せた暴走剤や進化剤、幻覚剤なんかを混ぜたものの改良型だ。】

都合が悪い…か。
そうだな…落第街で正義気取りしてるって噂の連中が寄り集まってると、いい気のしない連中もいるだろう?
ここは風紀の待機所じゃァないんだ。

力がないなら覗き見は止めておくといい。
煩わしがる連中もいるだろう?善意の忠告だよ。

矛海 遼 > 「そいつは何より、だが、出来る限り体を傷つけない答えを取るようにしたまえ。
君も、心配をした友が居た様に、自身を心配する友人は居るだろう?」

湖城の意見もわからなくもない。健康体であるという事も含めてだ。だが、それでも傷を負うという事はよろしくは無いだろう。
周囲を見渡し、見物に徹する青年をちらりと見た後に再び戦場へ視線を向ける。

矛海 遼 > 「どれを持って正義を決めているかは知らんが、気に入らないならば潰す、それがルールの街で随分と都合のいい事をいう物だ。」

そしてなによりも

「力が無い、か。そういう君は【掃き溜めの中にしちゃあなかなかの存在だ】とでも言えば満足するのかな?」

そんな事は知ったこっちゃない。
それに善意という物ほど胡散臭い物は無いのだから。

「まぁ、私は静かに観戦に徹するさ」

レイチェル > 「対策は出来てるって訳か……頼もしいこった」
荒い息の中、へぇ、と声をあげる。
対策方法があるのは、レイチェルとて知っている。
しかし、この男がそれを実践することが出来るとは思わなかった。

>惣一



「……かっこいいけどよ、せんせ。分かってると思うが、最悪理性が吹っ飛ぶ。今オレ自身の身体に、あんまり刺激を加えたくねーのさ……気持ちだけ頂いとくぜ……そうなりたくねーんだ、分かってくれ……」
そう言って、ふら、と手をあげると、すす、と横に振った。

>遼



「……そうか、じゃあ……ライガって呼ぶとするが……」
ライガの問いかけに、顔を背け。
「血の代わり……あることはあるが…………その……ま、何だ……察してくれよ」
頬を紅潮させ、荒い息をつく彼女は、弱々しくそう口にするだけだった。


>ライガ


「……」
無言のままに、その挙動に目をやる。
どうも、気に食わない奴だ。
どうこう言う気も無かったので、そのまま視線を大通りへと戻した。

>マネキン



大通りで繰り広げられている戦いは、熾烈を極めている。

「あのグエンとか言うの……マジで人間かよ」
魔狩人だったレイチェルにはよく分かる。
あれは人類としては規格外の強さだ。
一部の悪魔にも匹敵するだろう。

矛海 遼 > 「あくまで奥の手、と言う事さ。
生憎、理性と本能は切り離しているが望まない事を生徒にやらせるほど阿呆では無い。」

唯の妄言と取れるかもしれない。だが、文字通り【分裂した男】には。
【狂気】と【虚無】を併せ持つ男には出来る事ではある。
其れを実践しようとは全く思っていないが。

「………あぁ、忘れていた。」

ツカツカとレイチェルに近づくと、懐から一枚のハンカチを手渡す。以前貸した者とは別の物のようだが。

「血が濃くなり過ぎて汚れが取れなかったのでな。新しく作ることにした。すまないな」

ご案内:「路地裏」に畝傍・クリスタ・ステンデルさんが現れました。
”マネキン” > そうだな。気に入らない相手は潰す。
いいんじゃないのか。それがここのルールかどうかはしらんが。

…で、あんたの隣にいる奴は気にいってるのか?
そっちにいるやつは?そっちは?そしてこちらは?
落第街で適当なことを言ってる相手に背を向けててもいいのか?

第一あんたが一番何を考えているかわからなさそうな顔をしていないか。
あんたがいま懐から取り出したものは、本当にハンカチか?その娘にいま必要なものなのか?

【それぞれを指し示すように視線を向けながら、缶の芯に点火する。
路地裏にいる連中を燻すように湯気のような、薄い色の煙が拡散していく…。
もしかしたら幻覚でも見えるかもしれない。】

湖城惣一 > 「保証はしかねます。無茶をすることと、身体を傷つけることはまた別ですので」
 こちらを慮ったような矛海の言葉は、やんわりと否定した。この場における"無茶"と"無茶でないこと"の区別を、顎を撫でながら思考している。
 もちろん、人に心配をかけることは問題であると認識はしているが、しかし、ただそれだけで済む話でもないと思っている。
 ……心配をする友人が居るからこそ、出来る手は打っておこうと思う自分もいる。
レイチェルに対して提案したのもその一環であり。幸い彼は多少血を失う程度であれば誤差に等しい。
「ナリはこれだが、俺の仕事は退魔稼業で本業は神道奏者なんでな。
一通りの呪詛、異能に対する作法は心得ている」
 竹刀袋を担ぎながらレイチェルに告げるも、ただ、真っ直ぐに大通りへ視線を向けていた。
戦いは既に佳境に入っている。傷を受ける虞淵の姿に、ほう、と声を漏らした。
 常在戦場の境地にある湖城にとって、視線とはあくまで感覚の一つではない。虞淵に目を向けたまま、彼の身体が新たな気配を感じ取った。
 ――煙が、拡散している。幾つかの嗅ぎ慣れた感覚。
こと、日本という場所で宗教に身を置く男にとって、
トランス状態に気軽に入る幻覚薬の類は見知ったものだ。
 おそらくはそれだけではあるまい。呼吸を操りながらそれを吸い込まぬように調節する。
「……レイチェル。煙を吸うな。恐らく今の君にとって一番危険な類のものだ」
 幻覚。興奮。いや、それだけではないだろう。
煙を焚いたフードの青年は、明らかにこの煙の性質を理解している。
「先生」
 警戒を含めて視線を一瞬矛海へと移し、竹刀袋を紐解いた。

畝傍・クリスタ・ステンデル > 落第街の路地裏、とある建物の屋上から大通りの様子を窺い続けていた少女が一人。
彼女の両腕には長大な狙撃銃が抱えられているが、大通で交戦している者たちを狙う様子はない。
「…………んやっ」
ふと気付くと、下が何やら騒がしいことになっている。
「とうっ」
畝傍は狙撃銃を抱えたまま建物から飛び降りると、
「しゅたっ」
と、人の群れの中へ見事に着地を決めた。
過去に己が被験体となった身体強化実験で得た脚力により、結構な高さから飛び降りたにも関わらず畝傍は無傷だ。

ライガ・遠来・ゴルバドコール > >レイチェル
言葉を濁らすのを見れば、ああ、と掌を拳で叩く。

「ああ、ああー。いや、そういう意味じゃないんだが、悪かった。
となると、どうするべきかな」

>マネキン
「……あ?
おい、アンタ何やってる」

怪しげな色の煙が広がるのを見れば、不審を察知して心の中でまじないを唱える。
もしこの煙が身体に影響のある何かだった場合を考え、染まる前に対策を試みた。
(──西天に昇りし銀の王よ…、我に力を授けよ。
解除魔術、効果減衰…“毒性中和”)
人差し指で宙に呪紋を描き、周囲に展開させる。まずは自身の防衛を第一に。それから、銀の鎖を長く、長く伸ばしていく。

矛海 遼 > 「答える必要は無い―――――――次、其処抉るぞ?」

轟音が響き渡り、煙草を吸う男の背後の壁に爪痕のような物が刻まれる。
煙草の煙どころか本体からの匂いでわかる物だ。素人じゃああるまい。

「……やはり、君はいい侠【おとこ】だよ。湖城」

声に答えるように、手元に握られるは【刀身】の無い刀。
共に、煙を遮るように氷壁が展開し

「生憎私は非喫煙派でな……持ってきて良かったよ。ハンカチは」

瞳に写る物は虚無

”マネキン” > 危険とはひどいな。
落第街ではありふれた匂いじゃないか。ここはお上品なあんたらの教室じゃァないんだ。ええ?

さっきの口ぶりだと分かっててやってきたんじゃないのか?
そっちの青年は正義気取りなんかじゃないって言ってたようだぞ。
煙くらい自由に吸わせてくれてもいいだろう?

【気の抜けるような音を立てながら、煙は広がっていく。
拡散するため薄いが、ここは路地裏。しかも下手な薬を混ぜているため異能に酷く影響を与えるかもしれない。】

何をって…ちょっとした煙だよ。
気にしないで見物しよう。アロマだと思ってくれていい。

ひどいな、壁を壊すとは。
…おや?
【にやにやと口元をゆがめていたが、落下した人影に首を傾げた。】

矛海 遼 > 「煙を散らして吸わせる自由があるならそれを拒む自由もあるよな?」

無表情男は淡々と告げる

「それにこの街は貴様の物でも無い―――――――降りかかる火の粉は払うだけの話だ。正義でもなんでも無いな」

………どうにもこちらもこちらで騒がしくなるな。

畝傍・クリスタ・ステンデル > 着地した畝傍は、周囲をきょろきょろと見回す。
辺りに立ち込める煙の正体を、畝傍はまだ知らなかった。
「ボク、ずっとあっちのほうをみてたんだけど……キミたちも?」
大通りの方向を指差し、純粋な疑問を投げかけつつも、
周囲の異変を察すると速やかに狙撃銃を構え、戦闘態勢に入る。
「…………!」

レイチェル > 「退魔稼業か……オレも昔は……」
そこまで言いかけて。

「あ? ああ……」
漂ってきた匂いは、明らかに異常。
そして、くらくらする、頭の感覚が次第に強まってきた。
息も、どんどん荒くなってくる。

「そうは……言うけどよ……!」
忠告通り、何とか、ハンカチで口元を抑えることはできた。

>惣一


「……そういうこった」
ライガの反応を見て、ふん、と顔を背けつつ。

>ライガ


「てめぇ……くっせぇもん……撒き散らしやがって……」
クロークの内に手を入れる。
が、動きがぎこちない。普段ならば一瞬の内に銃を取り出すところだが、
それすらも上手くいっていない。

>マネキン



ハンカチは受け取った。
そして、壁を作ったのを見て、ふぅ、と息をつく。
「また助けて貰っちまうみたいだな、せんせ……」

>遼

ライガ・遠来・ゴルバドコール > >マネキン

「は、アロマだって?
ああ、確かにアロマだろうな。だが観客まで巻き込むのは少々、趣味が悪いんじゃないかな。あっちの戦場に流してくれるなら別にいいけどね」

鎖は路地裏いっぱいに広がる。どう見ても、さっきまで腕に巻き付いていた長さとは思えない。
ナックルダスターの具合を確かめ、よっこいしょと立ち上がった。

「予海先生っつったか、こっちと繋げるぜ、いいかい!?」

解毒の効果を持つ呪紋のカーテンが氷壁と重なろうとする。
新たな闖入者、狙撃銃を構えた少女を一瞥し、下がってな、と手で合図した。

”マネキン” > そうかな?
気に入らない相手は排除し、気に入った相手だけを侍らせる…。
その考え方はそれぞれがこの街を自分のものと考えてるみたいなもんじゃないか。

【箱に座ったまま、おどけて肩をすくめる。
缶はすでに適当にそのあたりに放り投げた。まだ煙を吐き出してはいるが。】

落第街に臭くないものなんてないだろうよ。
……しかしやっぱり、二級学生とは違って案外吸わないものだな。

【淡々とデータを取るような様子で、顎に触れる。興味深そうな様子だ。
戦闘準備が整っていく様子を大人しく眺めていた。】

矛海 遼 > 「―――――良いですとも」

青年に応える。呪紋のカーテンと重なると共に氷壁が光り輝き、周囲の空気中に解毒作用を拡散させて行く

「面白半分では気が退ける、面白全部で―――――」

手に握られた柄のみの刀から刃が伸びて行くと共に

「排除させてもらおうか。あちらの死合も終わったことだしな」

背面に髑髏の装飾が付いた棺桶が、翼のように展開される

湖城惣一 >  やはり、レイチェルにとっては毒極まりない。急ぎ、対処する必要がある。
そう判断した湖城はひとくくりの言葉を空へと投げる。

 ――天清浄 地清浄 内外清浄 六根清浄と祓給う。

 そこから繋がるのは天地一切清浄祓。
天地人、それら全ての清浄を祈願する祝詞。
今この場においてこれほど適したものはあるまい。
 奏上。柏手を打ちながら神へと奉納される祝詞は、周囲に広がる厄を落とす力として機能する。
 展開する解除魔術。それに合わせてこの祝詞が組み合わされば、
恐らく効果は倍増というレベルではないだろう。
 唱え、脇差しを一本抜き放つと、狙撃銃を構えている少女へと視線を向ける。
「俺も同じだ。そして、俺は君と争うつもりはない。その煙は吸うな、危険なものだ」
 端的に告げ、駆ける。大凡、フードの青年を直接どうこうするつもりはない。息を細く、長く吐き出しながら煙の発生源へと向かう。
「知らないのか」
 フードの男に、目を細めて、告げる。
「幻覚剤の使用及び所持は法律によって禁じられている。処罰されるのは道理だ」
 刀を所持する彼は、自身のことを大きく棚上げして。
ただ、疾走する。

レイチェル > 「あんたら……恩に着るぜ……」
こういう時、普段ならば真っ先に行動する。
しかしながら、今は身体の動きも、思考速度も、大分鈍っている。

何とかクロークの内――異次元にあるテーザーガンに手を伸ばすと、グリップに手を添えた。

畝傍・クリスタ・ステンデル > 「う……ううっ。なんか……へん、かも」
素早く戦闘態勢に入ったものの、すでに少量の煙を吸ってしまっていた畝傍は、意識がぐらつく。さすがに防毒マスクの用意はなかった。
しかし名も知らぬ和装の男の言葉を受け、
「……わか……った」
すぐさまハンカチを取り出し口元に結ぶ。
やがて拡散した解毒成分が畝傍のもとに届いたとき、畝傍は本来の力を取り戻すであろう。

”マネキン” > 落第街に法律?九九九、やっぱり正義面だな。
そんなに法を語りたければまずそこらの店から摘発して来ればいいだろう?
それに大通りであってたやつは、法律によって禁じられちゃいないのかい、見物人さんよ。

【そう楽しそうな声音で答えつつも、祝詞を唱えたりカーテンで解毒したりする様子を実験でも観察するように見ている。】

三対一か…表通りのほどでたらめじゃないから勘弁して欲しいところだな。
せめて三対二か、三対三にしてもらえないか?
なあ、やってきた少女よ。この多勢に無勢な状況、酷いと思わないかい。
争いはいけないよ!とかね。

【おどけた様子で応えながら物陰の黒い犬に目をやり、潜ませる。
そして畝傍に適当な口調で味方になってくれるよう頼んだ。】

矛海 遼 > 排除する、とは言った物のそのつもりは無い。
強いて言うならば無力化が前提である。
棺桶が宙を自由に動き、狙撃銃を持った少女とレイチェルの盾になるかのように浮遊し追従する

「法では無く、【私】が気に入らないからとりあえず潰す。それでいいんじゃないのか?わざわざ集団にちょっかいを掛けたんだ、それともこうなることを想定できないくらいの程度だったのかな?―――――しょべえな。」

畝傍・クリスタ・ステンデル > 解毒成分が畝傍のもとまで届きはじめ、ぐらつきから徐々に解放されているも、まだ本調子ではない。
未だ口元にハンカチを結んだまま、顔の見えない、男子制服を着た男の呼び掛けに対し。
「……べつに」
即答。
「キミからは、ボクとおなじニオイがしないから」
畝傍が『味方である』と判断する材料とするのは『おなじニオイ』――すなわち狂人の匂いである。
しかし、このフードの男はどうやら悪人のようではあれど、狂人ではない。そう判断した、故に。
「……ボクは、キミのみかたにはならない」
強い拒絶。

湖城惣一 > 「真面目に言っているわけではないんでな」
 実際の所正義だとか法律だとか、そういったものはどうでもいい。
風紀委員として、公安委員として、まともに活動しているわけではない。
 だが。依頼を受けている身としては、目の前で他者を害する行為を認めるほど"どうでもいい"わけでもない。
 彼は他者に大きな関心はない。
だが、だからこそ。自らの役目が現れたならば動くべきだと判断する。
 フードの男の視線が動いた。少女に対する言動はその偽装か。
即座に判断しつつも止まらない。
 少なくとも矛海はフォローに回っているし、狙撃銃の少女もひとまずすぐにどうこうなるわけではなさそうだ。
 であるならば。
 一瞬だけ体を揺らす。相手の意識をこちらに向けるような、大げさな動き。
そこから、その意識を掠めるようにして動きを変えて、相手の意識の外から缶を狙った。
 脇差しは防衛のため。本命は特製の竹刀袋。それで包むことによって缶の煙の拡散をひとまず防ぐ。

ライガ・遠来・ゴルバドコール > 「こんなせまっ苦しいところじゃなくて、広いところのほうがいいだろ?
ま、風もあるだろうし効果は予想外の方向にいくだろうけど。
それにあの戦場にいる連中、煙ごときでどうにかなったりはしないだろうさ」

フードの男にはそう、答える。実のところ、路地裏は動きづらいのだが。
ともかく、今の属性は風にだいぶ傾いている。この暗く狭い路地裏で、このフードの男相手にどこまで通用するか。

(アイツのあの口調……データとりかなんかみたいにしか思ってないな。
気に食わないが、表も気になる。ここは補助に徹しようか。──魔拳【風衝回廊】)

ナックルダスターに魔力を込め、両手を空中にかざすと、まるでそこに見えないカベがあるかのような振る舞いをする。それからレイチェルと狙撃銃の少女の背後まで下がり、またしても不可視の障害物があるかのように周囲を駆けまわった。
傍から見れば、特に魔術について知識がなければ、何をしているか不思議な光景であろう。だが、これでも当人は大真面目である。

”マネキン” > ふんふん…九九九九九、で、そっちからは仕掛けてこないのか?
やたらと警戒されてるな…。うんうん。
おっと、酷いな。これじゃ煙が吸えなくなってしまう。

【意識をそらされた隙に打ち捨てていた缶は竹刀袋に包まれた。
煙はもうでない、ようだが。
立ち上がると懐から拳銃を取り出し、竹刀袋に包まれた拳銃へ向ける。】

広いところで煙って役に立たないだろう?
路地裏だからこそだよ。そこに偶然あんたらが集まってきたんだ。
そう言うことにしておこう。

【もう片手にはナイフを構えた。怪しげな形状をした、傷を効率よく抉れそうなナイフだ。】

レイチェル > グリップに手を添えたテーザーガンを、クロークからおもむろに取り出す。
動作が、鈍い。
しかしながら、その目は目の前の男へ反抗する意志を宿していた。

「三対一じゃねぇ……こいつで四対一だ、舐めんじゃねぇ……」
そう呟いて、マネキンに向けて、テーザーガンの銃口を向けた。
片手は壁へと貼り付けたまま、だ。

矛海 遼 > 護衛に回した棺桶の他、4つの棺桶を出口にあたる場に配置、それらが順に開いて行き、棺桶の中から無数の銃口がフードの男性へ向けられる

「さて、逃げ場になりそうなところは塞がせてもらった」

共に、先ほど持っていた物とは別にもう一振りの刀を取り出し、そちらに視線を向ける。

湖城惣一 >  竹刀袋の紐を締め、煙が漏れ出ぬように密封すると。
「さて。俺の仕事はここまでだ。斬り合いたいなら相手になるが」
 ナイフ、拳銃。それぞれに視線を向ける。今は"奉納"をしていない故に戦闘力は大きく劣る。だが、ただの銃程度に遅れを取るほどでもない。
 男の本質は武芸の高みへ至ること。
奉納によりその深度を深めるといっても、男の根幹の強さがあってこそだ。
 空を駆けまわる男。棺桶を操る教師。いずれも標的はフードの男に向いているといっていい。
 むやみに剣を振るよりは、ここで立っていたほうが余程牽制になるだろう。
一事が万事。何が起きても対応できるよう、重心だけを調節する。
 狙撃銃の少女の動向を伺い、ひとまず自分に敵対する様子はないことから。彼女に何かあっても反応できるようにもしておこう。

矛海 遼 > 現状、4体1の状態である。
先ほど逃げ場を塞いだとは言った物の、その気になれば強引に突破可能だ。
さて、どう出る?

”マネキン” > 逃げ場ね…路地裏で銃か。こんなにたくさん味方がいるようだが、兆弾は怖くないのか?
連携も上手く行くといいな?

【周囲を確認するように視線をめぐらせると、銃弾を竹刀袋に向けて三発連射しながら湖城に向けて姿勢をかがめ、突進する。
出血を目的とした、接近して足元を撫でるようなナイフの一撃。
そして銃弾は当たれば袋を破り、再び煙があたりに充ち始めるだろう。】>湖城

さて、近接戦闘で銃棺おけや狙撃銃がどれだけ役に立つかな。
こっちもそれなりには場数踏んでるんでね…。

【そのまま湖城に密着して離れ無いよう追いすがる。】

矛海 遼 > 「生憎、跳弾するような弾は持ち合わせていないのでね。代わりに大部分の物体は削り取るが」

動きを見せた所で反応し、片方の刀を投擲し―――――――向かう場所は男の【移動先】

その投擲に追いつく速度で疾走する

”マネキン” > 【矛海の刀には反応し、速度を緩めずあえて『頭部で』受ける。
投擲された刀はそのままフードに突き刺さった。だが相手はそれを意に介していない。】>矛海

ひどいな。
誰もがアンタと同じバケモノじゃあないんだぞ。

【ナイフの動きはそのまま、フードの口元をゆがめた顔だけをそちらへ向ける。
そのまま刀の後ろに付いていた矛海に向けて拳銃を向け三連射。】

ライガ・遠来・ゴルバドコール > ある程度仕事が終わると、後方に下がりつつ射線から逃れる。
それから竹刀袋をみてはっとした。

「……!! まだ、あったのかよっ!」

両腕をかざし、包み込むような動作をとれば、離れているにもかかわらず、見えないカベが進路を阻害するように移動を始めた。
それを確認すると、周囲に向かって叫ぶ。

「構わない、ありったけ撃ってくれ! 跳弾は僕が捕まえる!」

言うなり両手を構え、空中へ飛び出した。

レイチェル > 「チッ……風紀委員として、てめーみたいな奴は放っておけねー……大人しくしときな……!」
テーザーガンを、ありったけ、連射する。
着弾すれば、怪我はしないまでも、電気ショックにより、並の人間であれば行動不能に陥ることだろう。
動きは鈍くても、物心ついた時から何度も繰り返した、その動きは正確だ。

矛海 遼 > 「まさか、アレを撃つとでも思っていたのか?浅はかだな君は」

面前に迫る銃弾を文字通り、刀を持っていない方の手の【指で掴み】、銃弾を握り潰しながら更に加速を付け……

「さっきからうろちょろとまどろっこしいな――――だが」

突き刺さった刀を握り、額に突き立てて

「どこから撃ち抜かれたい?5秒以内ならばリクエストに答えてやる」

湖城惣一 > 「痛みにはなれている。来い」
 銃とは。その銃口の先に身体を置かなければ決して当たることはない。
跳弾させる異能、弾道を変化させる異能。
そういった手合にも出会ったことがあるし、ただの銃弾であれば注意を払うほどでもない。
 弾種、或いは異能の発動。その予兆を見逃さぬよう感覚を広げながら、
湖城はただ回避に徹していた。
 同時、湖城の背後に輝く術式が現れた。
古い言葉で、ただ己が十全に戦えることを祈願する文言。
"傷を受けようと、その動きが衰えませんように"。
戦うたびに"奉納"によって死に至る湖城が、死の果てまで戦うために用意した術式だ。
 銃弾は避け、ナイフは脇差しによって受け流す。
ひとまずはそこまでで、ただ相手を捌くに徹する。
 それが最大の援護と言わんばかりに。
 なるほど、跳弾を受け止めるという彼の言葉は信用できそうだ。
ならば、尚の事。――今はただ、相手の注意を引き寄せる。
乱戦において重要なのは、かかる側がその動きを妨害しあうことを避けることだ。

 ――湖城の戦いを知るものならば。
彼が傷を受けようと、平然と戦うことを知っているはずだ。
湖城に密着して戦うのは愚策だ。巻き込まれようが、なにをされようが。
幾度血を流そうとも性能を落とすことはない。

 ――フードの男の攻撃で、竹刀袋が傷つくことだけはない。

畝傍・クリスタ・ステンデル > 解毒成分の作用により調子が戻りはじめている。解毒成分を効率よく吸えるよう一旦ハンカチのマスクを下げ後退し、再び狙撃銃を構える。
しかし、この狭い路地裏で狙撃銃を用いるのは不利なだけでなく、他に銃を使う者がいるこの場においては跳弾の危険も大きい。
ここはナイフを使うべきだろう。そう感じた畝傍は左腕に狙撃銃を抱えたまま腰の後ろからナイフを抜き、いざという時に備えた。
再び煙が漏れ出すのを見ると、畝傍はすかさずハンカチマスクを口元に戻す。

”マネキン” > …行け、ガイライシュ。

【ライガが移動した様子を見て小さく何かを呟く。
伏せておいた黒い狗が逆の方向を辿り、畝傍とレイチェルへと襲い掛かる。
その口腔には異形の蟲が詰めこまれており、二人へ向かって黒色の鞭となって鋭く伸びた。】>ライガ・レイチェル・畝傍

矛海 遼 > 「―――湖城、合図は君に任せるよ」

撃たないとは言ったが、それはあの場でのタイミングである。
どちらにしろ、この機を逃すつもりは毛頭無い。
そのまま加速を付け、額へ向け刀を突き立てんとする

畝傍・クリスタ・ステンデル > 黒狗の口腔から伸び、畝傍へ襲いかかる黒い鞭。それを鋭いナイフの刃が斬り裂く!
続いて畝傍は『ガイライシュ』――そう呼ばれた黒狗の頭部めがけナイフを投擲!すかさず次のナイフを取り出す!
たとえ狙撃銃が使えずとも、頭部を狙うのは基本中の基本だ。
もしナイフが命中すればダメージは大きいであろう。

”マネキン” > ひどい話だ。死んでしまいそうだぞ。

【矛海が額に突き刺さった刀を握ろうともそこに対したものは無い。
付きたてた刀は硬質のプラスチックを引き裂くような手ごたえと共に、フードを引き裂きながら横に外れる。】>矛海

痛みか。
その割にただのナイフじゃ傷つけられなさそうだな。じゃあこうしよう。

【湖城にナイフを振るいながらもう片手を懐にいれ、そこから雑多なものを投げつける。
投擲ナイフ、男が幼女を誘拐しているボケた写真、ブランクな偽造学生証…。
そして同時に両腕の肘の内側から複数の針が伸びて湖城に襲い掛かった。】